JP2000198906A - 熱硬化性エポキシ樹脂組成物 - Google Patents

熱硬化性エポキシ樹脂組成物

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JP2000198906A
JP2000198906A JP10374086A JP37408698A JP2000198906A JP 2000198906 A JP2000198906 A JP 2000198906A JP 10374086 A JP10374086 A JP 10374086A JP 37408698 A JP37408698 A JP 37408698A JP 2000198906 A JP2000198906 A JP 2000198906A
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Akihito Kanemasa
昭仁 兼政
Shigeru Ishida
茂 石田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】塗装の下塗りとして用いられた場合に、塗装面
との接着性に優れ、塗料を変色させることなく、また、
硬化時に発泡の起こらない熱硬化性エポキシ樹脂組成物
の提供。 【解決手段】エポキシ樹脂100重量部、有機カルボン
酸2重量部以上、シリカ3〜10重量部および酸化カル
シウム2〜20重量部を含有する熱硬化性エポキシ樹脂
組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、塗装の下塗りとし
て用いられた場合に塗料を変色させることなく、また、
硬化時に発泡の起こらない熱硬化性エポキシ樹脂組成物
であって、自動車用ルーフシール材等の用途に好適に用
いられる熱硬化性エポキシ樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来よりエポキシ樹脂の硬化剤として、
アミン系化合物が用いられている。アミン系化合物の配
合量は、理論的にはエポキシ樹脂のエポキシ基とアミン
系化合物の活性水素が当モルのときに最適となり、全て
のアミン系化合物が硬化反応に関与することになるが、
実際には硬化後においてもアミン系化合物の未反応物が
残存している場合が多い。エポキシ樹脂組成物は、塗装
の下塗りとして汎用されており、電着塗装面等にエポキ
シ樹脂と焼付け塗料とを積層し、焼付け塗料を120〜
160℃で硬化させると同時にエポキシ樹脂組成物を硬
化させたり、エポキシ樹脂の硬化後、焼付け塗料を積層
し、焼付け塗料を120〜160℃で硬化させたりする
使用法も一般的である。このような場合に、上述したア
ミン系化合物の未反応物が残存し、熱によって塗料の変
色を引き起こすという問題があった。また、エポキシ樹
脂組成物は、湿度の高い場所で保管すると吸湿し、加熱
硬化時に発泡を起こすので、発泡の起こらないものが求
められている。
【0003】一方、自動車用ルーフシール材は、焼付け
塗料と積層して用いられ、焼付け塗料の硬化と同時に、
または焼付け塗料の硬化前に硬化が行われる。自動車用
ルーフシール材には、低温可撓性および塗料面接着性が
必要とされ、その要求特性を満足する材料として従来よ
り塩化ビニルゾルが使用されてきたが、環境上の問題等
から代替品が求められており、エポキシ樹脂組成物の利
用も検討されている。特公平6−23368号公報に
は、分子中に2個以上のエチレンオキシド基を持つビス
フェノールA含有オリゴマーを成分として含むオリゴマ
ー100重量部に対して、末端エチレンオキシド基を有
するポリブタジエンゴムを10〜50重量部含有するこ
とを特徴とするエポキシ樹脂接着組成物が開示されてお
り、この組成物はアクリル樹脂、メラミン樹脂等を主成
分とする熱硬化性樹脂塗料に対して良好な接着性能を発
現するものである。しかしながら、前記組成物は、自動
車用ルーフシール材に用いる場合、低温可撓性が十分で
なく、また、自動車を長期使用する時における熱による
塗料の変色および組成物の加熱硬化時における発泡とい
う上述の問題を有する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、塗装の下塗
りとして用いられた場合に、塗装面との接着性に優れ、
塗料を変色させることなく、また、硬化時に発泡の起こ
らない熱硬化性エポキシ樹脂組成物を提供することを課
題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、エポキシ樹脂
100重量部、有機カルボン酸2重量部以上、シリカ3
〜10重量部および酸化カルシウム2〜20重量部を含
有する熱硬化性エポキシ樹脂組成物を提供する。
【0006】前記エポキシ樹脂が、主鎖にポリエーテル
骨格を有するエポキシ樹脂20〜60重量部、主鎖にポ
リブタジエン骨格を有するエポキシ樹脂10〜60重量
部およびビスフェノールA型エポキシ樹脂0〜30重量
部を含有するのが好ましい。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明をさらに詳細に説明
する。本発明に用いられるエポキシ樹脂は、分子内に少
なくとも2個のエポキシ基を有するポリエポキシ化合物
であれば、特に限定されない。本発明に用いられるエポ
キシ樹脂は、例えば、ビスフェノールA型、ビスフェノ
ールF型、臭素化ビスフェノールA型、水添ビスフェノ
ールA型、ビスフェノールS型、ビスフェノールAF
型、ビフェニル型、ナフタレン型、フルオレン型、ポリ
アルキレングリコール型、アルキレングリコール型等の
二官能タイプのグリシジルエーテル型エポキシ樹脂;フ
ェノールノボラック型、オルソクレソーンノボラック
型、DPPノボラック型、3官能型、トリス・ヒドロキ
シフェニルメタン型、テトラフェニロールエタン型等の
多官能タイプのグリシジルエーテル型エポキシ樹脂;ダ
イマー酸等の合成脂肪酸のグリシジルエステル型エポキ
シ樹脂;TGDDM、TGIC、ヒダントイン型、TE
TRAD−D型、アミノフェノール型、アニリン型、ト
ルイジン型等のグリシジルアミン型エポキシ樹脂;脂環
型エポキシ樹脂;東レチオコール社製のフレップ10に
代表されるエポキシ樹脂主鎖に硫黄原子を有するエポキ
シ樹脂;ウレタン結合を有するウレタン変性エポキシ樹
脂;ポリブタジエン、液状ポリアクリロニトリル−ブタ
ジエンゴムまたはNBRを含有するゴム変性エポキシ樹
脂が挙げられる。これらを単独で用いてもよく、2種以
上を併用してもよい。
【0008】中でも、本発明に用いられるエポキシ樹脂
が、主鎖にポリエーテル骨格を有するエポキシ樹脂20
〜60重量部、主鎖にポリブタジエン骨格を有するエポ
キシ樹脂10〜60重量部およびビスフェノールA型エ
ポキシ樹脂0〜30重量部を含有するのが好ましい。上
記重量比で併用すると、塗装面に対する接着性および低
温可撓性に優れるからである。
【0009】ここで、主鎖にポリエーテル骨格を有する
エポキシ樹脂は、主に低温可撓性に寄与し、かつ、耐熱
性を向上させる。また、主鎖にポリブタジエン骨格を有
するエポキシ樹脂は、塗装面に対する接着性および可撓
性の両方に寄与する。主鎖にポリブタジエン骨格を有す
るエポキシ樹脂が上記重量比より多く配合されると、加
熱硬化時に亀裂を生じる場合がある。また、ビスフェノ
ールA型エポキシ樹脂は、必要に応じて、塗装割れの防
止、硬化物の硬さの調整、可撓性の向上等のために用い
られる。ビスフェノールA型エポキシ樹脂が上記重量比
より多く配合されると、硬くなり過ぎる場合がある。
【0010】主鎖にポリエーテル骨格を有するエポキシ
樹脂は、例えば、ジグリシジルエーテル;エチレングリ
コールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジ
グリシジルエーテル、トリメチレングリコールジグリシ
ジルエーテル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエ
ーテル、1,5−ペンタンジオールジグリシジルエーテ
ル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、
1,7−ヘプタンジオールジグリシジルエーテル、1,
8−オクタンジオールジグリシジルエーテル、1,9−
ノナンジオールジグリシジルエーテル、1,10−デカ
ンジオールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコ
ールジグリシジルエーテル等のアルキレングリコールジ
グリシジルエーテル;トリメチロールプロパントリグリ
シジルエーテル;グリセリントリグリシジルエーテル;
またはこれらの1種または2種以上をオリゴマーとする
エポキシ樹脂が挙げられる。中でも、ポリエチレングリ
コールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコー
ルジグリシジルエーテル等のポリアルキレングリコール
ジグリシジルエーテルが好ましい。また、主鎖にポリエ
ーテル骨格を有するエポキシ樹脂は、ポリエーテル骨格
とともにビスフェノールA骨格を有するのも好ましい。
このようなポリエーテル骨格およびビスフェノールA骨
格の両者を有するエポキシ樹脂は、例えば、ビスフェノ
ールAにプロピレンオキサイド等を付加した含核ポリオ
ールをエポキシ化して得られる含核ポリアルキレングリ
コールポリグリシジルエーテル型エポキシ樹脂が挙げら
れる。
【0011】主鎖にポリブタジエン骨格を有するエポキ
シ樹脂は、例えば、ポリブタジエンのエチレンオキサイ
ド基(エポキシ基)を有するもの、液状アクリロニトリ
ル−ブタジエンゴムのエチレンオキサイド基を有するも
のが挙げられる。前者は、好ましくは、重量平均分子量
1000〜20000、常温において液状であり、水酸
基、カルボキシル基等の官能基を両末端に有するテレケ
リック型ポリブタジエンゴムをビスフェノールA型等の
エポキシ樹脂中に共重合させたり、ポリブタジエンゴム
をエポキシ変性して得られる。後者は、水酸基、カルボ
キシル基等の官能基を有するアクリロニトリル−ブタジ
エンゴムをエポキシ変性して得られる。主鎖にポリブタ
ジエン骨格を有するエポキシ樹脂は、ポリブタジエン骨
格とともにビスフェノールA骨格を有するものが好まし
い。
【0012】ビスフェノールA型エポキシ樹脂は、熱硬
化性エポキシ樹脂組成物に通常用いられているものを用
いることができ、分子量、製造方法等により特に限定さ
れない。
【0013】エポキシ樹脂の潜在性硬化剤として用いら
れるアミン系化合物は、例えば、n−ヘキシルアミン、
モノエチルアミン、ベンジルアミン、ジエチルアミン、
ピペリジン、トリエチルアミン、アニリン等のアミンと
三フッ化ホウ素との化合物である三フッ化ホウ素−アミ
ン錯体;エチルアミン、イソプロピルアミン、ブチルア
ミン、ラウリルアミン、ベンジルアミン等のアミンと五
フッ化リン、五フッ化アンチモンとの化合物である五フ
ッ化リン−アミン錯体、五フッ化アンチモン−アミン錯
体;ブトキシボロキシン−ブチルアミン錯体;臭化亜鉛
−p−フェニレンジアミン錯体;三フッ化ホウ素−アセ
チルアセトン錯体;ジシアンジアミドまたはo−トリル
ビグアニド、α−2,5−ジメチルビグアニド、α,ω
−ジフェニルビグアニド、5−ヒドロキシナフチル−1
−ビグアニド等のジシアンジアミドの誘導体;コハク酸
ヒドラジド、アジピン酸ヒドラジド、イソフタル酸ヒド
ラジド、p−オキシ安息香酸ヒドラジド、サリチル酸ヒ
ドラジド、フェニルアミノプロピオン酸ヒドラジド等の
酸ヒドラジド;ジアミノマレオニトリルまたはその誘導
体;メラミンまたはジアリルメラミン等のメラミンの誘
導体;カルボン酸エステルとジメチルヒドラジンとエポ
キシ化合物により合成されるアミンイミド類;エチレン
ジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ピペリジン等のジ
アミンとセバチン酸等の脂肪族ジカルボン酸との塩;
2,4,4−トリメチル−2,4,7−トリヒドロキシ
フラバン等のポリアミンとN,N´−ジメチル1,3−
プロパンジアミン等のポリヒドロキシフェノールとの
塩;ポリアミンのフェニルホスホン酸塩;ポリアミンの
フェニルリン酸塩;2−ヘプタデシルイミダゾール、
2,4−ジアミノ−6−〔2−メチルイミダゾリル−
(1)〕−エチル−S−トリアジン、2−フェニル−
4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニ
ル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、
1−ドデシル−2−メチル−3−ベンジルイミダゾリウ
ム・クロライド、1,3−ジベンジル−2−メチルイミ
ダゾリウム・クロライド等のイミダゾール類が挙げられ
る。中でも、ジシアンジアミド、メタフェニレンジアミ
ン、イミダゾール類が好ましい。これらは、単独で用い
てもよく、2種以上を併用してもよい。
【0014】本発明に用いられる有機カルボン酸は、酸
無水物にならないものであれば、特に限定されない。有
機カルボン酸が脱水されて酸無水物になると、エポキシ
樹脂の硬化剤として働くので好ましくない。本発明に用
いられる有機カルボン酸は、例えば、炭素数(カルボキ
シル基の炭素を除く。)が9以上の飽和モノカルボン
酸;脂肪族飽和ジカルボン酸、脂肪族不飽和ジカルボン
酸、芳香族ジカルボン酸等のジカルボン酸が挙げられ
る。中でも、融点が低いものの方が取り扱いやすい。特
に、セバシン酸およびアジピン酸が好適である。
【0015】有機カルボン酸は、エポキシ樹脂の潜在性
硬化剤として用いられるアミン系化合物と反応して塩を
形成する。この反応は、アミン系化合物によるエポキシ
樹脂の硬化反応よりも反応速度が遅いので、有機カルボ
ン酸は、エポキシ樹脂と反応しなかったアミン系化合物
と反応することになる。従って、エポキシ樹脂組成物の
硬化後において、未反応のアミン系化合物は実質的に存
在しなくなり、熱が加わった場合にも塗料が変色を起こ
すことはない。
【0016】本発明の熱硬化性エポキシ樹脂組成物にお
ける有機カルボン酸の含有量は、エポキシ樹脂100重
量部に対して2重量部以上、好ましくは2〜10重量
部、より好ましくは3〜10重量部である。エポキシ樹
脂の硬化剤として用いられるアミン系化合物の添加量に
もよるが、有機カルボン酸が2重量部未満であると、硬
化時にエポキシ樹脂と反応しなかったアミン系化合物の
全量と反応することができず、加熱により塗料に変色が
起こる。なお、有機カルボン酸の含有量の上限は特にな
く、エポキシ樹脂と反応しないアミン系化合物に相当す
る量を含有することができる。
【0017】本発明の熱硬化性エポキシ樹脂組成物は、
好ましくは、充填剤として炭酸カルシウムを含有する。
本発明に用いられる炭酸カルシウムは、特に限定され
ず、例えば、重質炭酸カルシウム、沈降製炭酸カルシウ
ム(軽質炭酸カルシウム)、およびこれらを脂肪酸、脂
肪酸エステル、アミン/脂肪酸エステル混合液、樹脂酸
等により表面処理したものが挙げられる。これらは、単
独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。本発明
に用いられる炭酸カルシウムの粒径は、5〜10μmで
あるのが好ましい。本発明の熱硬化性エポキシ樹脂組成
物における炭酸カルシウムの含有量は、エポキシ樹脂1
00重量部に対して10〜100重量部であり、好まし
くは10〜50重量部である。上記範囲であると、硬化
後の物性が優れ、かつ、コスト低下を図ることもでき
る。
【0018】本発明の熱硬化性エポキシ樹脂組成物は、
加熱硬化時の発泡を抑制するために、シリカおよび酸化
カルシウムを含有することを特徴とする。シリカは、湿
式法で製造された湿式シリカ、乾式法で製造された乾式
シリカのいずれであってもよい。湿式シリカは、可溶性
ケイ酸塩水溶液に酸を加え、生じた沈殿を乾燥させるこ
とによって得られ、例えば、日本シリカ社製のNips
il VN3、Nipsil AQ、Nipsil L
P、Nipsil ER、Nipsil NS、Nip
sil NA、Nipsil L300、Nipsil
N300AおよびNipsil Eシリーズ等のNi
psilシリーズ、トクヤマ社製のトクシールGU、ト
クシールU等のトクシールシリーズ、ファインシールE
−50、ファインシールT−32等のファインシールシ
リーズが汎用の湿式シリカとして挙げられる。乾式シリ
カは、気相中で火炎加水分解法、アーク法またはプラズ
マ法によって得られ、例えば、日本アエロジル社製のA
EROSIL130、AEROSIL150、AERO
SIL200、AEROSIL R202が挙げられ
る。
【0019】これらの中でも、エポキシ樹脂との相溶性
の点で、表面が疎水性処理されているシリカが好まし
い。疎水性処理としては、例えば、メチル化処理等のア
ルキル化処理;シリコーン化合物処理が挙げられる。表
面がメチル化処理されたシリカとしては、例えば、日本
アエロジル社製のAEROSIL R972が挙げられ
る。表面がシリコーン化合物処理されたシリカとして
は、例えば、日本アエロジル社製のAEROSIL R
202、AEROSIL R805、AEROSIL
R812が挙げられる。
【0020】本発明の熱硬化性エポキシ樹脂組成物にお
けるシリカの含有量は、エポキシ樹脂100重量部に対
して3〜10重量部、好ましくは2〜10重量部であ
る。3重量部未満であると発泡抑制効果が十分でなく、
10重量部を超えるとエポキシ樹脂組成物の粘度が高く
なり、取り扱いにくい場合がある。
【0021】本発明に用いられる酸化カルシウムは、特
に限定されず、粗砕した石灰石を1200℃程度で焼成
して得られる一般的なものを用いることができるが、そ
の他に、特開昭60−188455号公報に記載されて
いる微細状酸化カルシウム等を用いることもできる。
【0022】本発明の熱硬化性エポキシ樹脂組成物にお
ける酸化カルシウムの含有量は、エポキシ樹脂100重
量部に対して2〜20重量部、好ましくは3〜10重量
部である。2重量部未満であると発泡抑制効果が十分で
なく、20重量部を超えるとエポキシ樹脂組成物の硬化
後の物性が悪くなる場合がある。
【0023】シリカは、空気中の水分を吸着して容易に
放出しない。一方、酸化カルシウムは、空気中の水分と
反応して水酸化カルシウムとなる。従って、シリカと酸
化カルシウムを併用することによって、エポキシ樹脂組
成物を湿度の高い場所に保管しても、組成物中に遊離の
水分が存在しないので、組成物の加熱硬化時の発泡を抑
制することができる。
【0024】本発明の熱硬化性エポキシ樹脂組成物は、
上記成分の他、本発明の目的を損なわない範囲で、充填
剤、可塑剤、チクソトロピー性付与剤、顔料、染料、老
化防止剤、酸化防止剤、帯電防止剤、難燃剤、接着付与
剤、分散剤、溶剤等を含有することができる。
【0025】充填剤は、上述した炭酸カルシウム、シリ
カおよび酸化カルシウム以外にも、各種形状の無機質充
填剤および有機質充填剤を用いることができる。無機質
充填剤は、例えば、ケイソウ土;酸化鉄、酸化亜鉛、酸
化チタン、酸化バリウム、酸化マグネシウム;炭酸マグ
ネシウム、炭酸亜鉛;ろう石クレー、カオリンクレー、
焼成クレー;カーボンブラック;これらの脂肪酸、樹脂
酸、脂肪酸エステル処理物が挙げられる。有機質充填剤
は、例えば、架橋ポリエステル、ポリスチレン、スチレ
ン・アクリル、尿素樹脂等のバルン状(球状)・中空状
・コアシェル型充填剤;カーボン繊維、合成繊維、天然
繊維等の繊維状充填剤;木粉、竹粉、ヤシ殻粉、コルク
粉、パルプ粉等の粉末状充填剤が挙げられる。これら
は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0026】可塑剤は、例えば、ジオクチルフタレート
(DOP)、ジブチルフタレート(DBP);アジピン
酸ジオクチル、コハク酸イソデシル;ジエチレングリコ
ールジベンゾエート、ペンタエリスリトールエステル;
オレイン酸ブチル、アセチルリシノール酸メチル;リン
酸トリクレジル、リン酸トリオクチル;アジピン酸プロ
ピレングリコールポリエステル、アジピン酸ブチレング
リコールポリエステルが挙げられる。これらは、単独で
用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0027】チクソトロピー性付与剤は、例えば、楠本
化成社製のディスパロンが挙げられる。
【0028】顔料は、無機顔料と有機顔料のいずれも用
いることができる。無機顔料は、例えば、二酸化チタ
ン、酸化亜鉛、群青、ベンガラ、リトポン、鉛、カドミ
ウム、鉄、コバルト、アルミニウム、塩酸塩、硫酸塩が
挙げられる。有機顔料は、例えば、アゾ顔料、銅フタロ
シアニン顔料が挙げられる。これらは、単独で用いても
よく、2種以上を併用してもよい。
【0029】老化防止剤は、例えば、ヒンダードフェノ
ール系の化合物が挙げられる。酸化防止剤は、例えば、
ブチルヒドロキシトルエン(BHT)、ブチルヒドロキ
シアニソール(BHA)が挙げられる。帯電防止剤は、
例えば、第4級アンモニウム塩;ポリグリコール、エチ
レンオキサイド誘導体等の親水性化合物が挙げられる。
難燃剤は、例えば、クロロアルキルホスフェート、ジメ
チル・メチルホスホネート、臭素・リン化合物、アンモ
ニウムポリホスフェート、ネオペンチルブロマイドーポ
リエーテル、臭素化ポリエーテルが挙げられる。接着付
与剤は、例えば、テルペン樹脂、フェノール樹脂、テル
ペンーフェノール樹脂、ロジン樹脂、キシレン樹脂が挙
げられる。
【0030】本発明の熱硬化性エポキシ樹脂組成物の製
造方法は、特に限定されないが、好ましくは、上述の各
成分を減圧下または窒素雰囲気下に、混合ミキサー等の
かくはん装置を用いて十分混練し、均一に分散させてエ
ポキシ樹脂組成物とされ、密封容器に保存される。
【0031】
【実施例】以下に、実施例を示して本発明を具体的に説
明するが、本発明はこれらに限られるものではない。 <熱硬化性エポキシ樹脂組成物の製造>以下に示される
材料を第1表に示される量比で、常温、減圧(20To
rr以下)下、高粘度用混合かくはん機によりかくはん
混合し、各熱硬化性エポキシ樹脂組成物を得た。 (1)エポキシ樹脂 主鎖にポリエーテル骨格を有するエポキシ樹脂(ポリ
プロピレングリコールジグリシジルエーテル型エポキシ
樹脂):EP4005、旭電化社製、エポキシ当量51
0 主鎖にポリブタジエン骨格を有するエポキシ樹脂(ポ
リブタジエン末端エポキシ化合物):テレキーリックジ
エン系液状ゴムPoly bd R45EPT、出光石
油化学社製、エポキシ当量1500 ビスフェノールA型エポキシ樹脂(ビスフェノール−
グリシジルエーテル型エポキシ樹脂):エピコート82
8、ジェル化学社製、エポキシ当量180(2)潜在性
硬化剤 2−ヘプタデシルイミダゾール:キュアゾールC
17Z、四国化成社製 ジシアンジアミド:油化シェル化学社製 (3)有機カルボン酸 セバシン酸(HOCO(CH2 8 COOH) アジピン酸(HOCO(CH2 4 COOH) (4)充填剤 シリカ:AEROSIL R972、日本アエロジル
社製、表面がメチル化処理されたもの 酸化カルシウム:CML31、オオミ化学社製 炭酸カルシウム:カルファイン200、丸尾カルシウ
ム社製
【0032】得られた各熱硬化性エポキシ樹脂組成物に
ついて、物性評価を行った。 <耐湿発泡性>各熱硬化性エポキシ樹脂組成物を40
℃、95%RHの条件下に3日間放置した後、140
℃、60分の条件で硬化させ、硬化時の発泡の有無を観
察した。
【0033】<塗装汚染性>各熱硬化性エポキシ樹脂組
成物および焼付け塗料を140℃で硬化させた後、16
0℃、60分の条件で塗料を熱老化させた。熱老化前の
サンプルを対照とし、熱老化による塗装面の黄色化の程
度(b* )を色差計を用いて測定した。ここで、b*
2.0以下である場合には、塗装の汚染がないと評価し
た。
【0034】<外観>各熱硬化性エポキシ樹脂組成物を
140℃、60分の条件で硬化させ、硬化物の表面のワ
レの有無および表面タックの有無を観察した。
【0035】<低温可撓性>JIS A5758の規定
に準拠して、各熱硬化性エポキシ樹脂組成物を用いて2
枚の被着体アルミニウム板を接着し、140℃、60分
の条件で硬化させたH型試験体(2形)を作成し、−2
0℃で引張試験を行い、破壊時の伸び[%]を測定し
た。
【0036】結果を第1表に示す。本発明の熱硬化性エ
ポキシ樹脂組成物(実施例1〜6)は、硬化時に発泡が
起こらず、また、塗装面との接着性に優れ、塗料を変色
させることがないことが分かる。これに対して、有機カ
ルボン酸の含有量が少ない場合(比較例1)には、塗装
が黄変し、シリカまたは酸化カルシウムのいずれかの含
有量が少ない場合(比較例2および3)およびいずれか
一方のみを含有する場合(比較例4〜8)には、硬化時
に発泡が見られる。
【0037】
【表1】
【0038】
【表2】
【0039】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の熱硬化性エポキシ樹脂組成物は、塗装の下塗りとして
用いられた場合に、塗装面との接着性に優れ、塗料を変
色させることがなく、また、硬化時に発泡が起こらない
ので、自動車用ルーフシール材等に好適に用いられる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09D 163/00 C09D 163/00 // C08G 59/20 C08G 59/20 C09K 3/10 C09K 3/10 L Fターム(参考) 4H017 AA24 AA27 AA31 AB09 AB17 AC03 AD05 AE05 4J002 CD01W CD03W CD053 CD11W CD12W CD13W CD17W CD18W CD18X DE087 DJ016 FD140 GN00 4J036 AA06 AD08 AD10 AD15 DC02 DC31 DC35 DC41 FA03 FA05 FA10 JA04 KA03 4J038 DB031 DB051 DB062 DB202 HA186 HA446 JA37 JA38 JA39 JA41 KA02 KA03 KA07 KA08 KA20 NA01 NA24 PB07

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エポキシ樹脂100重量部、有機カルボン
    酸2重量部以上、シリカ3〜10重量部および酸化カル
    シウム2〜20重量部を含有する熱硬化性エポキシ樹脂
    組成物。
  2. 【請求項2】前記エポキシ樹脂が、主鎖にポリエーテル
    骨格を有するエポキシ樹脂20〜60重量部、主鎖にポ
    リブタジエン骨格を有するエポキシ樹脂10〜60重量
    部およびビスフェノールA型エポキシ樹脂0〜30重量
    部を含有する請求項1に記載の熱硬化性エポキシ樹脂組
    成物。
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