JP2000198112A - 幅のバラツキが少ないストランドプリプレグ及びその製造方法 - Google Patents

幅のバラツキが少ないストランドプリプレグ及びその製造方法

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JP2000198112A
JP2000198112A JP61099A JP61099A JP2000198112A JP 2000198112 A JP2000198112 A JP 2000198112A JP 61099 A JP61099 A JP 61099A JP 61099 A JP61099 A JP 61099A JP 2000198112 A JP2000198112 A JP 2000198112A
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resin
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Yasuhisa Nagata
康久 永田
Takashi Kawamoto
高志 川本
Nobuhiro Toikawa
悦弘 樋川
Takeshi Hashimoto
剛 橋本
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Teijin Ltd
Original Assignee
Toho Rayon Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 均一に樹脂含有率がコントロールされ、且つ
ストランドプリプレグの幅が所定の値に設定され、スト
ランド幅のバラツキ及び樹脂含有率のバラツキが少ない
品質の良好なストランドプリプレグ及びその製造方法を
提供する。 【解決手段】 (1)離型処理された剥離紙の上に熱硬
化性樹脂組成物の所定量をコーティングし、(2)前記
工程で得られた剥離紙上に強化繊維ストランド一本の1
m当たりの重さ(イールド)がY(g/m)の強化繊維
ストランド数十本を、繊維目付W(g/m2 )となるよ
うに一方向でシート状に引き揃えて載置し、(3)次い
で該強化繊維ストランドの上方から離型処理された剥離
紙をかぶせサンドイッチし、所定のプレス圧力と温度を
剥離紙の上からかけて強化繊維を押し広げると共に熱硬
化性樹脂組成物を含浸させる。(4)ストランド幅をb
(mm)、強化繊維ストランド一本の1m当たりの重さ
(イールド)をY(g/m)、繊維目付をW(g/
2 )としたとき、下記式(1)及び式(2)で規定さ
れる連続したストランドプリプレグを得る。 Y/W×950≦b≦Y/W×1050 … 式(1) 7. 5Y≦b≦10Y … 式(2)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、強化繊維ストラン
ドに所定量の樹脂を溶融・含浸せしめて得られた、ホッ
トメルト法によるストランドプリプレグ及びその製造方
法に関し、特に、一定の幅にコントロールされた、幅の
バラツキが少ないストランドプリプレグ及びその製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、炭素繊維、芳香族ポリアミド繊維
等を強化繊維として用いた複合材料は、その高い比強
度、比剛性を利用して、航空機等の構造材として多く用
いられて来ている。これらの複合材料は、強化繊維にマ
トリックス樹脂が含浸された中間製品であるプリプレグ
を積層あるいは治具に巻き付け、加熱、加圧による成形
加工工程を経て成形物とする場合が多い。
【0003】プリプレグに用いられるマトリックス樹脂
としては、熱硬化性樹脂としてエポキシ樹脂、ビスマレ
イミド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂
等が用いられ、また、最近ではポリエーテルエーテルケ
トンといった熱可塑性樹脂も用いられるようになってき
ており、何れの樹脂を用いた場合も、複合材料は、その
優れた耐熱性、機械的特性、寸法安定性、耐薬品性、耐
候性に優れた特徴を有する。
【0004】複合材料の原料であるプリプレグは、一方
向に引揃えられた強化繊維に樹脂が含浸したシート状の
プリプレグや強化繊維の織物に樹脂を含浸したものが主
に用いられ、その含浸方法にはホットメルト法や溶剤法
がある。このようにして得られたプリプレグは連続ロー
ル状の製品として出荷されるものが主である。プリプレ
グを複合材料にする場合は、望まれるパターンにカット
・積層した後、或いはマンドレルのような成形用の治具
に巻き付けた後、加熱成形して成形物とする。
【0005】近年、プリプレグの一つの形態として、ス
トランドプリプレグが繊維強化複合材料の中間材料とし
て注目されている。このストランドプリプレグは、直径
5〜10ミクロンの強化繊維の単繊維フィラメントが5
00〜100,000本集められた強化繊維ストランド
に樹脂を含浸させたものである。ストランドプリプレグ
はゴルフシャフトのようなスポーツ・レジャー用途の複
合材料からロケット等の宇宙航空材料まで広く使用され
ている。
【0006】ストランドプリプレグの製造は、例えば、
炭素繊維を集束したストランドを複数本引揃え、相隣接
するストランドとの境界が判別できなくなるまで均一に
拡巾してシート状一方向炭素繊維となし、マトリックス
樹脂をシート状一方向炭素繊維上に吐出させて含浸させ
シート状一方向プリプレグとし、その後、スリッター等
により分繊して複数本のテープ状の糸条として分繊し、
巻き取って製造している(例えば、特開昭58−208
457号公報参照)。図1は複数のストランドに樹脂が
含浸された、分繊する前のシート状一方向プリプレグの
横断面図を示し、1はストランドプリプレグ1本を示
し、複数本のストランドプリプレグが並列に一体してシ
ート状となっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ストランドプリプレグ
の製造における樹脂含浸に溶剤法を用いた場合には、残
存溶剤が原因で得られたストランドプリプレグにボイド
等が発生するという不都合があった。また、前記従来の
ストランドプリプレグは、シート状一方向プリプレグに
おいて相隣接するストランド間が開いたり、重なりあっ
たりして、含浸する樹脂の含有率にバラツキが生じ、こ
のようなシート状一方向プリプレグを分繊して得られた
ストランドプリプレグはミクロ的に均質なストランドプ
リプレグとすることが困難であったり、また分繊時にリ
ンガーとなりやすかった。このようや不均質なストラン
ドプリプレグは精密な成形物を得る上で好ましくない。
【0008】そこで本発明は、上記の如き問題点を克服
し、均一に樹脂含有率がコントロールされ、且つストラ
ンドプリプレグの幅が所定の値に設定され、ストランド
幅のバラツキ及び樹脂含有率のバラツキが少ない品質の
良好なストランドプリプレグ及びその製造方法を提供す
ることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記した目的を達成する
ための本発明は、強化繊維ストランド一本の1m当たり
の重さ(イールド)がY(g/m)の強化繊維に樹脂組
成物を含浸してなる連続したストランドプリプレグであ
って、ストランド幅b(mm)のバラツキが次式(1)
で示され、且つストランド幅bが次式(2)で示される
ストランドプリプレグである。
【0010】 Y/W×950≦b≦Y/W×1050 … 式(1) 7. 5Y≦b≦10Y … 式(2) 本発明のストランドプリプレグにおける樹脂含有率は2
0〜50wt%が好ましく、ストランドプリプレグの揮
発分が0.5%以下であることが好ましく、50℃での
樹脂粘度が100〜10,000ポアズの熱硬化性樹脂
であることが好ましい。
【0011】本発明のストランドプリプレグは、強化繊
維の単位面積当たりの使用本数とホットメルト法プリプ
レグ製造時のプレス圧力及び温度を適正化することによ
り繊維目付W(g/m2 )の連続ロール状シート・プリ
プレグを製造した後、強化繊維ストランド一本一本を分
割して巻き取ることにより得ることができる。
【0012】本発明のストランドプリプレグは、250
m以上の連続した強化繊維より製造されることが望まし
い。本発明のストランドプリプレグは通常、芯材に一定
の間隔で連続的に均一に巻かれていることが望ましい。
【0013】本発明のストランドプリプレグは、使用さ
れる強化繊維が、伸度1.3%以上であって、 i)炭素繊維、ガラス繊維、ボロン繊維、窒化ケイ素繊
維、アルミナ繊維及びチラノ繊維からなる群から選ばれ
た無機系の高性能繊維;又は、 ii)芳香族ポリアミド繊維、ポリベンツビスオキサゾー
ル繊維及び芳香族ポリエステル繊維からなる群から選ば
れた有機系高性能繊維;の単独又は複数の組み合わせで
あることが望ましい。
【0014】本発明のストランドプリプレグは、使用さ
れる樹脂組成物が、エポキシ樹脂、ビスマレイミド樹脂
及び不飽和ポリエステル樹脂からなる群から選ばれた熱
硬化性樹脂単体又は二種以上の混合物であることが望ま
しい。
【0015】本発明のストランドプリプレグの製造方法
は、(1)離型処理された剥離紙の上に熱硬化性樹脂組
成物の所定量をコーティングし、(2)該熱硬化性樹脂
組成物がコーティングされた剥離紙上に強化繊維ストラ
ンド一本の1m当たりの重さ(イールド)がY(g/
m)の強化繊維ストランド数十本を、繊維目付W(g/
2 )となるように一方向でシート状に引き揃えて載置
し、(3)前記工程で載置された強化繊維ストランドの
上方から離型処理された剥離紙をかぶせサンドイッチ
し、所定のプレス圧力と温度を剥離紙の上からかけるこ
とにより強化繊維を押し広げると共に熱硬化性樹脂組成
物を含浸させて連続ロール状シート・プリプレグを製造
し、(4)前記工程で得られた連続ロール状シート・プ
リプレグを分繊し、巻き取ることにより、ストランド幅
をb(mm)、強化繊維ストランド一本の1m当たりの
重さ(イールド)をY(g/m)、繊維目付をW(g/
2 )としたとき、次式(1)及び次式(2)で規定さ
れる連続したストランドプリプレグを得ることを特徴と
する。
【0016】 Y/W×950≦b≦Y/W×1050 … 式(1) 7. 5Y≦b≦10Y … 式(2) 本発明のストランドプリプレグの製造方法は、連続ロー
ル状シート・プリプレグを分繊してストランドプリプレ
グ一本一本を得る際に、熱硬化性樹脂組成物の粘度が1
0,000ポアズ以下となるような温度掛け処理をし、
隣り合うストランドプリプレグを交差させて抜き取るこ
とにより、ストランド一本一本の分繊性を向上させるこ
とが望ましい。
【0017】このようにして得られた本発明のストラン
ドプリプレグは、プリプレグの幅のバラツキが少なく、
一定の幅にコントロールされて紙管等の芯材に連続的に
巻かれているため、このプリプレグを用いてフィラメン
トワインド法などによって成形物を作る際、マンドレル
(成形型)や治具の表面に一定の巻きパターンで効率よ
く均一に、目開きが起こらないように巻き付けることが
できる。このために、これを加圧成形して得られた繊維
強化複合材料は、欠陥が少なくなり、強化繊維の強度を
十分に発揮する優れた成形物を与える。
【0018】更に、本発明のストランドプリプレグは、
ホットメルト法を使用した連続ロール状シート・プリプ
レグから分繊する方法により作製されているため、スト
ランドプリプレグ中に含まれる揮発分が少なく、成形加
工後の複合材料特性に悪影響を及ぼす残存溶媒を低減さ
せ、コンポジット特性が良好である。また、プリプレグ
用の樹脂組成物を離型性のある剥離紙に均一にコーティ
ングし強化繊維に含浸させる方法を採っているため、樹
脂含有率のバラツキが少なく、均質なストランドプリプ
レグを連続的に製造することができる。
【0019】本発明のストランドプリプレグは、強化繊
維として直径5〜10ミクロンの単繊維を500〜10
0,000本集めて構成されたストランドを1単位と
し、樹脂が含浸されて構成されたプリプレグである。強
化繊維として炭素繊維、とりわけ高性能炭素繊維を使用
することが強度を十分に発揮する優れた成形物を与える
ために好ましい。
【0020】前記炭素繊維には、アクリル系炭素繊維、
ピッチ系炭素繊維等特に制限はなく、引張り強さ350
kgf/mm2 以上、引張弾性率24tonf/mm2
レベルの通常タイプの他、複合材料の要求特性によって
は、引張り強さ400kgf/mm2 以上、引張弾性率
30tonf/mm2 レベルの、いわゆる中弾性率高強
度炭素繊維、引張弾性率40tonf/mm2 レベル
や、55tonf/mm 2 レベル等の高弾性率炭素繊維
を用いることもできる。
【0021】本発明のストランドプリプレグに用いられ
るマトリックス樹脂としての樹脂組成物には、熱硬化性
樹脂組成物を用いることが好ましい。該熱硬化性樹脂組
成物には、エポキシ樹脂を主体として用いることが好ま
しいが、ビスマレイミド樹脂、ポリイミド樹脂等、不飽
和ポリエステル樹脂等の熱硬化性樹脂や、或いはポリア
ミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリエーテルサル
ホン樹脂のような熱可塑性樹脂を少量含んでも構わな
い。これらは単体又は二種以上の複合物として用いられ
る。樹脂組成物のプリプレグ全体に対する含有率は20
〜50体積%が適当である。前記エポキシ樹脂には、ビ
スフェノールA型、フェノールノボラック型、グリシジ
ルアミン型、脂環式エポキシ樹脂等が挙げられる。熱硬
化性樹脂組成物に含有させる硬化剤には、芳香族アミン
類、ジシアンジアミド、二塩基酸ヒドラジド、イミダゾ
ール類、酸無水物等が挙げられる。
【0022】本発明のストランドプリプレグは、ホット
メルト法にて得られた連続ロール状シート・プリプレグ
を分繊して得られるものであり、連続ロール状シート・
プリプレグは既知の方法にて製造することができる。一
般的には、離型処理された連続状の剥離紙の上に熱硬化
性樹脂組成物を所定量コーティングして連続ロール状の
剥離紙(工程紙)を作製し、該剥離紙をストランドプリ
プレグを製造するための装置にセットする。次いで、こ
の剥離紙の上に強化繊維ストランド数十本を、所定の繊
維目付となるように投入本数と投入幅を決めて、一方向
にシート状に引揃え並べて置き、更に離型処理された離
型紙上方から被せサンドイッチする。熱硬化性樹脂組成
物を強化繊維に含浸させるため、80〜120℃に加熱
されたプレスローラー等の装置により所定のプレス圧力
と温度を剥離紙の上からかけることにより、強化繊維を
押し広げると共に熱硬化性樹脂を含浸させる。このよう
な手法により、連続ロール状シート・プリプレグを製造
することができる。
【0023】本発明では、このようなホットメルト法で
樹脂含浸性を損なうことなく、分繊性がよく、品質に優
れたストランドプリプレグとするためには、適正な繊維
目付に設定することが必要であること見いだした。
【0024】即ち、ストランド幅b(mm)を得る場
合、連続ロール状シート・プリプレグの繊維目付W(g
/m2 )は、強化繊維1m当たりの重さ(イールド)を
Y(g/m)とすると、b=Y/W×1,000の関係
となる。本発明ではストランド幅bのバラツキが±5%
以内のものを得ることとしているため、bの範囲は次式
(1)で示される。
【0025】 Y/W×950≦b≦Y/W×1050 … 式(1) 一般に、炭素繊維ストランドは、イールドYが0.4〜
1.6g/mのものが多い。例えば、イールドYが0.
4g/mの炭素繊維ストランドを例にして用いてストラ
ンドプリプレグを作製する場合、ストランドプリプレグ
のストランド幅bはフィラメントワインド成形等におけ
る作業性や取扱性の観点から、3〜4mmとすることが
好ましいことが過去の知見より得られている。
【0026】炭素繊維ストランドからプリプレグを作製
する場合、含浸条件を変えることでストランド幅bを4
mm以上に広げることは可能であるが、ストランド幅b
が広がり過ぎると分繊工程でのリンガー発生や巻き折れ
等のトラブルを生じ、あまり好ましくない。
【0027】また、連続ロール状シート・プリプレグか
ら分繊する場合、含浸した状態で隣り同士のストランド
と重なるとリンガー発生などの不良品を生じやすい。そ
のため、お互いのストランドが重ならないように、例え
ばストランドプリプレグのストランド幅bを4mmとす
るためには、プリプレグの繊維目付Wを0.4/4×
1,000=100g/m2 とする必要があり、ストラ
ンドプリプレグの幅方向1m当たり250本のストラン
ドをシート状に並べ、樹脂を含浸させることで、隣り同
士の繊維が重なることなくストランド幅が丁度4mmに
規制され、幅のバラツキが±5%以内であるバラツキの
少ないストランドプリプレグを得ることができる。
【0028】また、ストランドプリプレグのストランド
幅bは、樹脂含浸性や樹脂含有率のバラツキを少なくす
るために、例えば、イールドYが0.4g/mのものに
対しては、ストランド幅bとして3〜4mmが好ましい
ことが経験的に分かっているので、この場合、上記b、
Y、Wの関係式に代入して繊維目付Wは100〜133
g/m2 となる。上記の計算例はイールドYが0.4g
/mの場合のものであるが、他のイールドYの値でも、
正比例させて同様に求めることができる。
【0029】前記のようにして得られた好ましい繊維目
付W(100〜133g/m2 )を上記b、Y、Wの関
係式に代入して、好ましいストランドプリプレグのスト
ランド幅bはYの関数で表すと次式(2)となる。
【0030】 7. 5Y≦b≦10Y … 式(2) 本発明のストランドプリプレグを作製する前段階の連続
ロール状シート・プリプレグの製造条件としては、上記
の適正な繊維目付得るために、繊維に樹脂を含浸させる
際のプレス圧力としては0.1〜10kgf/cm2
好ましくは0.5〜5.0kgf/cm2 である。含浸
時の温度は50〜150℃、好ましくは70〜130℃
である。ホットメルト法を採用することで、ストランド
内部の長さ方向幅方向に樹脂含有率の変動が少なくまた
ストランド間の樹脂含有率のバラツキも少なく、更にス
トランドの仮撚り等の欠点が入りにくく、品質的に優れ
良好な機械的特性を示す複合材料を作製する上で有利で
ある。また、溶剤を使用しないため、残存溶剤等の揮発
性成分が少なく、成形物中のボイド等の欠陥が少なくな
り好ましい。
【0031】プリプレグの樹脂含有率は用途や目的によ
って変えることができ、一般的には20〜50wt%が
好ましい。樹脂含有率が20wt%未満では複合材料中
に空孔等の欠陥が生じやすく、また50wt%を超える
とストランド同士の粘着や接着により取扱性が悪くな
り、好ましくない。
【0032】プリプレグ用の樹脂組成物は、複合材料の
力学的特性を発揮するような樹脂成分を選択する必要が
ある他、樹脂の粘度はストランドプリプレグの取扱性を
決める上で重要であり、紙管等の芯材に巻かれたストラ
ンドプリプレグの解舒性(粘着性)や形態保持性を出す
上で適正な範囲があり、これらの条件を満足するために
は、50℃での樹脂粘度が100〜10,000ポアズ
であることが好ましい。樹脂粘度が100ポアズ未満で
はホットメルト法によるプリプレグ作製が難しくなる
他、ストランドが柔らかく取扱性が悪くなると共に形態
安定性も低下する。樹脂粘度が10,000ポアズを超
えると、ストランドが固くなり、フィラメントワインド
等の成形加工時に支障をきたすので好ましくない。
【0033】連続ロール状シート・プリプレグからスト
ランドプリプレグを分繊して巻取り、ストランドプリプ
レグとするには、ストランド一本一本に分ける分繊作業
が必要である。このような分繊作業には分繊バーあるい
はガイドを介して剥離紙からストランドプリプレグを隣
り合うストランドプリプレグを交差させて交互に走行方
向を変えてストランドプリプレグを抜き取ることで容易
に精度よく分繊することができる。図2は、連続ロール
状シート・プリプレグ2から分繊バー3により各ストラ
ンドプリプレグ1を抜き取る様子を示している。
【0034】分繊工程においては、剥離紙からストラン
ドが離れる箇所は、50〜80℃に加熱した方が、分繊
を行う上で分かれ易くなるために好ましい。紙管等の芯
材にストランドプリプレグをワインドする場合、雰囲気
温度はプリプレグのガイド類への粘着や芯材上でのスト
ランドプリプレグ同士の接着を防ぐために、25℃以下
にすることが好ましい。ストランドプリプレグの長さ
は、成形加工工程での取扱を考えて、250m以上であ
ることが好ましい。フィラメントワインド装置も、通常
の炭素繊維製ライン等の工程で用いられているような装
置と同じものが使用でき、分繊したストランドに撚がか
かることなく巻き取られたストランドプリプレグは、幅
のバラツキが少なく紙管上のストランド幅も、設定値に
対して±5%以内のバラツキを持って連続的に均一に巻
かれた製品が得られる。
【0035】
【実施例】グリシジルエーテル型エポキシ樹脂、ビスフ
ェノールA型エポキシ樹脂を主成分とし、硬化剤にジシ
アンジアミドを主に使用した50℃での樹脂粘度が5,
000ポアズの熱硬化性樹脂組成物を用い、ホットメル
ト法によりロール状シート・一方向プリプレグを作製し
た。樹脂含有率は35wt%とした。強化繊維として、
炭素繊維〔東邦レーヨン(株)製、ベスファイトHTA
−6K(登録商標)、イールド0.4g/m、引張り強
さ380kgf/mm2 、引張り弾性率24tonf/
mm2 〕を使用し、ストランドプリプレグの幅が3.5
mmとなるように繊維目付を114g/m2 に設定し、
炭素繊維の投入本数を285本/mとしてプリプレグを
製造した。
【0036】ロール状シート・一方向プリプレグとする
ための樹脂含浸工程を経た後、得られたロール状シート
・一方向プリプレグストランドから一本一本に分繊して
紙管に巻き取った。製品として得られたストランドプリ
プレグのストランド幅は3.4〜3.6mmであり、幅
のバラツキが少ないものであった。ストランドプリプレ
グの揮発分は0.3%、樹脂含有率は35%、ストラン
ドプリプレグを一方向にフィラメントワインド装置にて
巻き取って150℃にて加圧成形したコンポジット(繊
維体積含有率60%)の引張り強さは205kgf/m
2 となり、繊維強度からの理論的な計算強度に対して
90%の発現率であった。
【0037】
【発明の効果】本発明によるストランドプリプレグは、
均一に樹脂含有率がコントロールされたものであり、且
つストランドプリプレグの幅が所定の値に設定されたも
ので、ストランド幅のバラツキ及び樹脂含有率のバラツ
キが少ない品質の良好なものである。
【0038】本発明のストランドプリプレグはマンドレ
ル(成形型)や治具の表面に一定の巻きパターンで効率
よく均一に、目開きが起こらないように巻き付けること
ができる。このために、これを加圧成形して得られた繊
維強化複合材料は、欠陥が少なくなり、強化繊維の強度
を十分に発揮する優れた成形物を与える。
【0039】本発明のストランドプリプレグは、ホット
メルト法を使用した連続ロール状シート・プリプレグか
ら分繊する方法により作製されているため、ストランド
プリプレグ中に含まれる揮発分が少なく、成形加工後の
複合材料特性に悪影響を及ぼす残存溶媒を低減させ、コ
ンポジット特性が良好である。
【0040】本発明のストランドプリプレグの製造方法
は、プリプレグ用の樹脂組成物を離型性のある剥離紙に
均一にコーティングし強化繊維に含浸させる方法を採っ
ているため、樹脂含有率のバラツキが少なく、均質なス
トランドプリプレグを連続的に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】複数のストランドに樹脂が含浸された、分繊す
る前のシート状一方向プリプレグの横断面図を示す。
【図2】連続ロール状シート・プリプレグ2から分繊バ
ー3により各ストランドプリプレグ1を抜き取る様子を
示す。
【符号の説明】
1 ストランドプリプレグ 2 連続ロール状シート・プリプレグ 3 分繊バー
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年1月25日(1999.1.2
5)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項1
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正内容】
【0009】
【課題を解決するための手段】前記した目的を達成する
ための本発明は、強化繊維ストランド一本の1m当たり
の重さ(イールド)がY(g/m)の強化繊維に樹脂組
成物を含浸してなる連続したストランドプリプレグであ
って、繊維目付W(g/m2 )としたとき、ストランド
幅b(mm)のバラツキが次式(1)で示され、且つス
トランド幅bが次式(2)で示されるストランドプリプ
レグである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 樋川 悦弘 静岡県駿東郡長泉町上土狩234番地 東邦 レーヨン株式会社三島工場内 (72)発明者 橋本 剛 静岡県駿東郡長泉町上土狩234番地 東邦 レーヨン株式会社三島工場内 Fターム(参考) 4F072 AA04 AA08 AA09 AB05 AB06 AB07 AB08 AB09 AB10 AB11 AB15 AB25 AC02 AD23 AD45 AG03 AG18 AH04 AH13 AH25 AH26 AH44 AJ02 AJ03 AJ04 AK05 AK14 AL02 AL04 AL05 4F100 AA00A AA19A AA36A AA37A AD05A AG00A AK01A AK31A AK43A AK44A AK47A AK49A AK53A AL05A BA01 DA20 DG04A DH01A EH462 EJ192 EJ422 EJ822 EJ912 EJ942 GB31 GB87 JA06A JA13A JA20 JA20A JB13A JK01 JK08A YY00 YY00A

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 強化繊維ストランド一本の1m当たりの
    重さ(イールド)がY(g/m)の強化繊維に樹脂組成
    物を含浸してなる連続したストランドプリプレグであっ
    て、ストランド幅b(mm)のバラツキが次式(1)で
    示され、且つストランド幅bが次式(2)で示されるス
    トランドプリプレグ。 Y/W×950≦b≦Y/W×1050 … 式(1) 7. 5Y≦b≦10Y … 式(2)
  2. 【請求項2】 樹脂含有率が20〜50wt%、ストラ
    ンドプリプレグの揮発分が0.5%以下で、50℃での
    樹脂粘度が100〜10,000ポアズの熱硬化性樹脂
    である請求項1記載のストランドプリプレグ。
  3. 【請求項3】 強化繊維の単位面積当たりの使用本数と
    ホットメルト法プリプレグ製造時のプレス圧力及び温度
    を適正化することにより繊維目付W(g/m 2 )の連続
    ロール状シート・プリプレグを製造した後、強化繊維ス
    トランド一本一本を分割して巻き取ることにより得られ
    た請求項1記載のストランドプリプレグ。
  4. 【請求項4】 250m以上の連続した強化繊維より製
    造され、芯材に一定の間隔で連続的に均一に巻かれてな
    る請求項1記載のストランドプリプレグ。
  5. 【請求項5】 前記強化繊維が、伸度1.3%以上であ
    って、 i)炭素繊維、ガラス繊維、ボロン繊維、窒化ケイ素繊
    維、アルミナ繊維及びチラノ繊維からなる群から選ばれ
    た無機系の高性能繊維;又は、 ii)芳香族ポリアミド繊維、ポリベンツビスオキサゾー
    ル繊維及び芳香族ポリエステル繊維からなる群から選ば
    れた有機系高性能繊維;の単独又は複数の組み合わせで
    ある請求項1記載のストランドプリプレグ。
  6. 【請求項6】 前記樹脂組成物が、エポキシ樹脂、ビス
    マレイミド樹脂及び不飽和ポリエステル樹脂からなる群
    から選ばれた熱硬化性樹脂単体又は二種以上の混合物で
    ある請求項1記載のストランドプリプレグ。
  7. 【請求項7】 (1)離型処理された剥離紙の上に熱硬
    化性樹脂組成物の所定量をコーティングし、 (2)該熱硬化性樹脂組成物がコーティングされた剥離
    紙上に強化繊維ストランド一本の1m当たりの重さ(イ
    ールド)がY(g/m)の強化繊維ストランド数十本
    を、繊維目付W(g/m2 )となるように一方向でシー
    ト状に引き揃えて載置し、 (3)前記工程で載置された強化繊維ストランドの上方
    から離型処理された剥離紙をかぶせサンドイッチし、所
    定のプレス圧力と温度を剥離紙の上からかけることによ
    り強化繊維を押し広げると共に熱硬化性樹脂組成物を含
    浸させて連続ロール状シート・プリプレグを製造し、 (4)前記工程で得られた連続ロール状シート・プリプ
    レグを分繊し、巻き取ることにより、ストランド幅をb
    (mm)、強化繊維ストランド一本の1m当たりの重さ
    (イールド)をY(g/m)、繊維目付をW(g/
    2 )としたとき、次式(1)及び次式(2)で規定さ
    れる連続したストランドプリプレグを得ることを特徴と
    するストランドプリプレグの製造方法。 Y/W×950≦b≦Y/W×1050 … 式(1) 7. 5Y≦b≦10Y … 式(2)
  8. 【請求項8】 前記連続ロール状シート・プリプレグを
    分繊してストランドプリプレグ一本一本を得る際に、熱
    硬化性樹脂組成物の粘度が10,000ポアズ以下とな
    るような温度掛け処理をし、隣り合うストランドプリプ
    レグを交差させて抜き取ることにより、ストランド一本
    一本の分繊性を向上させることを特徴とする請求項7記
    載のストランドプリプレグの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2021001245A (ja) * 2019-06-20 2021-01-07 三菱ケミカル株式会社 繊維強化エポキシ樹脂複合材及び繊維強化プラスチック

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