JP2000198081A - インパクト型回転工具 - Google Patents

インパクト型回転工具

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JP2000198081A
JP2000198081A JP11003320A JP332099A JP2000198081A JP 2000198081 A JP2000198081 A JP 2000198081A JP 11003320 A JP11003320 A JP 11003320A JP 332099 A JP332099 A JP 332099A JP 2000198081 A JP2000198081 A JP 2000198081A
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JP
Japan
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hammer
cam
handle
tool
main shaft
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JP11003320A
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English (en)
Inventor
Kazushige Taguchi
一重 田口
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Vessel Industrial Co Inc
Original Assignee
Vessel Industrial Co Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 インパクト形の回転工具において、従来は、
ハンドドリルの様な片手で持つタイプであり、小型であ
り、また電動式であった。しかし、出力トルクの大きな
ものが要望されており、これに応えるようにすると、大
型化し、また重量の増大化になる。そのため、取り扱い
性を考慮する必要が生じてくる。 【解決手段】 エンジンを採用した原動部2と、伝動部
3及びハンマ駆動部4とが直列配置された構成とし、こ
のうち原動部2のまわりに横ハンドル15及び縦ハンド
ル16を設けた。更に、ハンマ駆動部4のまわりに、前
側の横ハンドル20を設けた。このように複数のハンド
ル15,16,20を設けることで、任意の持ち方がで
きる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インパクト型回転
工具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】インパクト型の回転工具として、ハンド
ドリルのような形態をして、片手で持つハンディタイプ
が知られている(例えば、特開平5−228849号公
報、特開平6−71572号公報等参照)。これらはい
ずれも電動である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】最近では、各種構築物
や機械・装置類における多様化が浸透し、またこれら構
築物等における大型化や組み付け強度の増強化等が進む
傾向にあることも起因して、インパクト型回転工具に対
する出力トルクの強力化が要求されるようになってきて
いる。そして、このようなインパクト型回転工具として
の出力トルクの強力化に応える場合には、同時に、その
工具全体としての大型化や重量化を必然的に招来するこ
とになるために、これに対処して取り扱い性についても
考慮する必要が生じてくる。
【0004】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
であって、出力トルクの強力化に応えるうえで、その工
具全体としての大型化や重量化に伴う取り扱い性にも十
分な配慮を成したインパクト型回転工具を提供すること
を目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明では、上記目的を
達成するために、次の技術的手段を講じた。即ち、本発
明に係るインパクト型回転工具は、原動部、伝動部、ハ
ンマ駆動部を直列配置で具備したものであって、原動部
及びハンマ駆動部での少なくとも各1か所を含む複数箇
所にハンドルが設けられており、このうち原動部に設け
られるハンドルは、原動部に対してその軸心まわりを取
り囲むかたちで設けられているものである。
【0006】このように、複数箇所にハンドルを設ける
ことで、この回転工具を持ち運んだり使用したりする場
合に、左右の手で各別のハンドルを把持することができ
ることになり、回転工具の大型化や重量化に伴う取り扱
い性に対応できることになる。殊に、原動部に対応して
設けられるハンドルは、原動部の軸心まわりを取り囲む
ようになっているため、大型化及び重量化された原動部
に対してガードを兼ねるものとなる。
【0007】原動部に対し、上記したような軸心まわり
を取り囲むハンドルとは別に、原動部の後端部を通過す
る方向でその外回りを取り囲むようになるハンドルを設
けておくと、この回転工具を立ち姿勢で使用するとき
も、また横姿勢で使用するときも、この後端側のハンド
ルを一方の手で把持したまま、他方の手で原動部まわり
のハンドル又はハンマ駆動部に対応して設けられたハン
ドルを把持することができるようになる。原動部は、内
燃機関(即ち、エンジン)を採用したものとすれば、電
気や圧縮エア等の設備がない場所でも、この回転工具を
自由に使用することができる。
【0008】なお、このように原動部が内燃機関である
ときには、原動部からの発熱があるため、上記のように
原動部まわりに少なくともその軸心まわりを取り囲むハ
ンドルや、好ましくは原動部の後端部を通過するハンド
ル等が設けられていることが、発熱から作業員を遠ざけ
るという意味において非常に有益なものとなる。ハンマ
駆動部は、伝動部から回転駆動を受ける主軸と、この主
軸まわりを外嵌するハンマ部材と、このハンマ部材に対
して間欠的な係合回転が可能な状態に連接された工具軸
とを有しているものとする。
【0009】そして、主軸の先端部には凹部が設けられ
たものとし、この凹部内に弾発部材が装填されたものと
する。この弾発部材は、主軸からハンマ部材を押し出し
方向へ付勢して、このハンマ部材を工具軸へ係合させる
ようにするためのものである。また、主軸の外周面とハ
ンマ部材の内周面との間では、周方向及び軸方向に傾斜
したカム溝とこのカム溝に嵌まるカム球との組み合わせ
よりカムを構成させるものとする。
【0010】このような構成であると、主軸が伝動部か
らの回転駆動を受けて回転しようとするときに、工具軸
(ハンマ部材側)に対してこれを阻止する向きの回転抵
抗が加わり、この回転抵抗が上記弾発部材の設定圧を超
えたときには、カム溝内をカム球が移動してハンマ部材
における主軸へ接近する方向の軸方向移動が許容される
ことになり、もって、瞬間的に工具軸とハンマ部材との
係合が外れ、この後、すぐに弾発部材による弾性回復に
よってハンマ部材が元の位置へ戻るために、工具軸とハ
ンマ部材とが回転方向において衝撃的な係合状態を生
じ、このときの衝撃力を工具軸へ出力するということに
なる。
【0011】この構成中、弾発部材を相対的内側、カム
を相対的外側としているため、弾発部材として可及的に
長さを長くでき、そのためハンマ部材の軸方向移動を長
ストロークにできることになる。従って、これによって
工具軸とハンマ部材との係合面積を大きく確保でき、強
い衝撃力を発生できることになり、また工具軸とハンマ
部材との係合部分において破損等を防止できることにな
る。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明の実
施の形態を説明する。図1乃至図8は、本発明に係るイ
ンパクト型回転工具1の第1実施形態を示している。こ
の回転工具1は、原動部2、伝動部3、ハンマ駆動部4
が、この順番で直列(一軸)に配置されて成る。なお、
以下の説明では、回転工具1の使用状態を基準におい
て、原動部2側を「後」、ハンマ駆動部4側を「前」と
言う。また、原動部2や伝動部3に対する主な操作乃至
メンテナンス等を行えるようにした面(図1に示す面)
を「上面側」、その反対向き面を「下面側」と言うもの
とする。
【0013】原動部2は、内燃機関(ガソリンエンジ
ン)を採用したもので、燃料タンク6、スタータ操作部
7、点火プラグ装着部8、チョーク操作部9、スロッル
操作部10等を備えている。伝動部3は、原動部2から
の回転出力を減速してトルクを高め、また正転・逆転の
切り換え機構(後述する)を内蔵した部分であり、ハン
マ駆動部4は、伝動部3によって与えられる回転駆動力
から間欠的な回転衝撃力を発生させ、これを工具軸12
に対して出力させる機構(後述する)を内蔵した部分で
ある。
【0014】上記原動部2の回りには、その軸心まわり
を取り囲むかたちで横ハンドル15が設けられていると
共に、原動部2の後端部を通過する方向でその外回りを
取り囲む縦ハンドル16が設けられている。横ハンドル
15は原動部2の全周にわたっており、縦ハンドル16
は、原動部2の前部で原動部ガードを兼ねて左右両側へ
突出状に設けられたブラケット17を介して原動部2と
接続されている。また、これら横ハンドル15と縦ハン
ドル16との交差部は、十字連結用のブラケット18を
介して互いに連結されている。
【0015】なお、上記した原動部2において付属され
たスロットル操作部10は、縦ハンドル16に対して取
り付けられている。これら横ハンドル15や縦ハンドル
16は、中空パイプ材等を折り曲げたり溶接等によって
接合したりしたもので、特によく把持する部分には、手
触りが良好で、ある程度の弾性を有し、且つ滑り難い材
料(例えば軟質樹脂や硬めのスポンジ又はゴム等)で形
成したハンドルカバー19が装着されている。一方、ハ
ンマ駆動部4の回りにも、その軸心回りを取り囲むかた
ちで横ハンドル20が設けられている。この横ハンドル
20は、ハンマ駆動部4の下面部で前脚片を兼ねて突出
状に設けられたブラケット21を介してハンマ駆動部4
へ接続されている。
【0016】この横ハンドル20についても、中空パイ
プ材等により形成され、ハンドルカバー22が装着され
たものとしてある。このように本発明に係る回転工具1
では、原動部2及びハンマ駆動部4のまわりに少なくと
も各1本のハンドル15,16,20が設けられている
ため、図8(a)に示すように、ボックススパナ23を
用いて下方のボルト24を締めつけたり緩めたりする場
合等にあってこの回転工具1を立ち形に支持するときに
は、作業者は、後方の横ハンドル15と後方の縦ハンド
ル16とを左右別々の手で把持する自然な姿勢で、安定
した持ち方ができる。
【0017】また、図8(b)に示すように、横方のボ
ルト24を締めつけたり緩めたりする場合等にあってこ
の回転工具1を横向け形に支持するときには、作業者
は、後方の縦ハンドル16と前方の横ハンドル20とを
左右別々の手で把持する自然な姿勢で、安定した持ち方
ができる。また、図示は省略するが、図8(a)の状態
にあって、回転工具1を下向きに強く押さえつけたい場
合であれば、後方の縦ハンドル16が原動部2を取り囲
むほどの大型に形成されていることを巧みに利用して、
この縦ハンドル16を両手で把持して作業者の体重を回
転工具1へ乗せるような使い方もできる。更に、この回
転工具1を持ち運ぶような場合には、図8(b)の状態
から、後方の縦ハンドル16を把持していた手を後方の
横ハンドル20へ持ち替えるようにするといった使い方
もできる。
【0018】このように、複数のハンドル15,16,
20に対して、その都度、最も使いやすいハンドルを任
意に選択することができ、回転工具1が大型で重いもの
であるとしても、その取り扱い性に十分に対処できるも
のである。しかも、各ハンドル15,16,20は、原
動部2やハンマ駆動部4に対するガードとしての作用を
も奏しており、特に、原動部2に対応して設けられた横
ハンドル15や縦ハンドル16については、原動部2が
内燃機関であって発熱することから、作業者を発熱源か
ら遠ざける作用をも奏しているものである。
【0019】次に、上記伝動部3及びハンマ駆動部4の
内部構造について説明する。図5に示すように、伝動部
3は、原動部2側からの回転を受ける入力軸25から中
間軸26を介して出力軸27へと回転駆動力を伝える構
造で、各軸間が平歯車等による噛合関係におかれてい
る。このうち、中間軸26と出力軸27との噛合部で
は、出力軸27に対して正転・逆転を行わせるための切
り換え機構が組まれている。すなわち、中間軸26に
は、軸方向に所定間隔をおいて二つの歯車部30,31
が設けられており、前方の歯車部30には逆転用の歯車
32が噛み合わされている。
【0020】これに対し、出力軸27にはスプライン3
4が設けられ、このスプライン34に沿って移動歯車体
35が移動自在に嵌め付けられている。この移動歯車体
35には、中間軸26における二つの歯車部30,31
の相互間隔よりも短い間隔で、糸車状に二つの歯車部3
6,37が設けられている。移動歯車体35における前
側の歯車部36は、中間軸26における前方の歯車部3
0に噛合している逆転用歯車32と噛合可能になってお
り、移動歯車体35における後側の歯車部37は、中間
軸26における後方の歯車部31に噛合可能になってい
る。言うまでもなく、これらの噛合は選択的に行われ
る。
【0021】そして、移動歯車体35における歯車部3
6,37の相互間に、伝動部3の外部に設けられる正逆
切り換え用の操作具40から延びた移動ピン41が係合
されるようになっている。従って、操作具40を操作す
るたびに、移動歯車体35が前後移動し、歯車部37と
31との噛合、又は歯車部36と逆転用歯車32との噛
合が選択され、これによって出力軸27における正転・
逆転が切り換えられるものである。ハンマ駆動部4は、
伝動部3の出力軸27から回転駆動を受ける主軸43
と、この主軸43まわりを外嵌するハンマ部材44と、
このハンマ部材44に対して間欠的な係合回転が可能な
状態に連接された工具軸12とを有している。
【0022】ハンマ部材44は、主軸43を外嵌する部
分において後方へ向けて開口する凹部47が設けられた
ものとなっているが、主軸43についても、この凹部4
7内に嵌まる先端部には、前方へ向けて開口する凹部4
8が設けられている。そして、これら主軸43とハンマ
部材44とは、互いの凹部48,47内を貫通するセン
タ軸49を介して芯合わせされ、且つ相対的に近接・離
反自在に保持されている。また、主軸43とハンマ部材
44の各凹部48,47の相互間には、コイルスプリン
グ等より成る弾発部材50が装填されている。そのた
め、ハンマ部材44は、主軸43から前方へ押し出され
るように付勢されていることになる。
【0023】なお、工具軸12の先端部には、ボックス
スパナやビット等の工具(図示略)を嵌め付けるために
角軸に形成されている。図6及び図7にも示すように、
ハンマ部材44の前端部には、その周方向の複数箇所
(図例では180°間隔となる2か所とした)に、三角
形状乃至台形状をして軸方向へ突出する打撃片52が設
けられていると共に、工具軸12の後端部には、これら
個々の打撃片52に対して周方向で係合する係合片53
が径方向外方へ突出して設けられている。
【0024】この係合片53は、ハンマ部材44におけ
る打撃片52の周方向間隔よりも細く形成されており、
打撃片52の相互間で遊動自在となっているが、このこ
とが、ハンマ部材44と工具軸12との間での間欠的な
係合回転を可能にさせる回転代を形成させていることに
なる。上記のようにハンマ部材44は弾発部材50によ
り、前方へ向けて付勢されているため、これによってハ
ンマ部材44の打撃片52と工具軸12の係合片53と
は、常態において係合関係を保持するようになってい
る。
【0025】一方、主軸43における先端寄り外周面と
ハンマ部材44における凹部47内の内周面との間で
は、カム55が構成されている。すなわち、このカム5
5は、図6に示すように、主軸43の外面を凹ませた溝
として形成された第1カム56と、ハンマ部材44の凹
部47内に内嵌めされた内部カラー57によりその前端
縁による段差として形成された第2カム58との組み合
わせとして形成されるカム溝59に対し、カム球60が
移動自在に保持されることによって構成されたものであ
る。
【0026】第1カム56は、互いに逆向きの傾きを有
する周方向及び軸方向へ向けた二つの傾斜部分を連通さ
せることで「く」字状をしており、第2カム58は、丁
度、第1カム56を表裏反転させたような逆方向の傾斜
部分を有している。従って、これら第1カム56及び第
2カム58の組み合わせとなるカム溝59では、主軸4
3が左回転するときでも、又は右回転するときでも、カ
ム球60を周方向及び軸方向へ向けて所定に案内できる
ものである。なお、ハンマ部材44において、内部カラ
ー57は固定短ピン62によって固定されている。ま
た、図5に示したように、この固定短ピン62よりも前
方寄りの周方向適宜位置には貫通孔63が設けられてお
り、主軸43とハンマ部材44とを組み立てた後からで
も、カム球60をカム溝59に対して装填できるように
なっている。
【0027】カム溝59において、第1カム56と第2
カム58との組み合わせ位置関係は、主軸43に回転駆
動が付加されていない状態のときは、図6のように、第
1カム56の山部と第2カム58の谷部とでカム球60
を挟んでいる。そして、主軸43に対し、例えば右回転
(第1カム56が図6の上方へ移動する向きの回転)が
与えられたとすると、カム球60は、第1カム56にお
ける図6下側の傾斜部分へと移動するようになり、これ
によって第2カム58における図6上側の傾斜部分が後
方へ押されるようになるので、ハンマ部材44は、弾発
部材50に抗しながら主軸43へ接近(後方移動)する
ようになる。また、このときカム球60は、第1カム5
6の傾斜部分を移動するのに合わせて、第2カム58に
おける図6上側の傾斜部分をも同量だけ移動するように
なる。
【0028】そして、カム球60が、第1カム56にお
ける図6下側の傾斜部分の中間位置と、第2カム58に
おける図6上側の傾斜部分の中間位置とに挟まれる状態
となったときに、それ以上のカム球60の移動作用が弾
発部材50の設定圧と釣り合うようになる。この状態で
は、未だ、ハンマ部材44の打撃片52と工具軸12の
係合片53とが係合を保っている。これが、回転工具1
において主軸43を空転させている状態(無負荷状態)
である。
【0029】このとき、更に工具軸12に対して、ボル
ト締め込み作業時等における回転抵抗が加わっている
と、この回転抵抗が上記弾発部材50の設定圧を超える
ことになり、カム球60は、第1カム56における図6
下側の傾斜部分を更に下方へと進行し、また同時に第2
カム58における図6上側の傾斜部分を更に上方へと進
行することになる。そのため、ハンマ部材44は、更に
主軸43(後方)へ向けて軸方向移動され、これによっ
てハンマ部材44の打撃片52と工具軸12の係合片5
3との係合が外れる。従って、この瞬間、工具軸12に
対して主軸43及びハンマ部材44だけが回転する状態
となるが、すぐに弾発部材50が弾性回復してハンマ部
材44を前方へ押し出し、元の位置へ戻すために、ハン
マ部材44の打撃片52と工具軸12の係合片53とが
衝撃的に係合し、再び、カム球60が、第1カム56に
おける図6下側の傾斜部分の中間位置と、第2カム58
における図6上側の傾斜部分の中間位置とに挟まれる状
態になる。
【0030】そして、このような動きが繰り返され、上
記のようにして発生する回転方向の衝撃力が、工具軸1
2に対して間欠的に伝えられ、これによってボルト等を
締め込んだり緩めたりできることになる。図9は、本発
明に係るインパクト型回転工具1の第2実施形態を示し
たもので、この第2実施形態が上記第1実施形態と異な
るところは、原動部2に付属して設けられるスロットル
操作部10が、縦ハンドル16に対して内側(原動部2
に面する側)へ突出するように設けられている点にあ
る。
【0031】このような向きにスロットル操作部10が
設けられていると、例えばこの回転工具1を地面近くで
使用又は地面上へ載置したときに、スロットル操作部1
0等が地面と干渉することがなくなり、このスロットル
操作部10における破損防止が図られると共に、操作性
も良好になるといった利点がある。その他の構成及び作
用効果は、第1実施形態と全く同様である。ところで、
本発明は、上記各実施形態に限定されるものではなく、
細部構造等について、実施の態様に応じた各種変更等が
可能である。
【0032】例えば、原動部2に付属して設けるスロッ
トル操作部10は、後部の縦ハンドル16に設けること
が限定されるものではなく、他のハンドル15,20に
対して単独又は併設的に設けたり、原動部2自体に設け
たりすることもできる。スロットル操作部10を着脱自
在にして、使用の都度、任意の位置へ取り付けられるよ
うにしてもよい。また、原動部2は内燃機関、殊にガソ
リンエンジンに限定されるものではなく、電気又は流体
圧(エア圧や油圧等)を駆動源とするモータ式に置換す
ることも可能である。この場合、付属する構成部材(燃
料タンク6等)がそれぞれの方式に応じて変更されるこ
とは言うまでもない。
【0033】伝動部3やハンマ駆動部4の内部構造とし
て、従来公知の各種構造を採用することもできる。
【0034】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明に
係るインパクト型回転工具では、直列配置された原動
部、伝動部、ハンマ駆動部のうち、原動部及びハンマ駆
動部での少なくとも各1か所を含む複数箇所にハンドル
を設けているので、この回転工具を持ち運んだり使用し
たりする場合に自由な持ち方ができ、回転工具の大型化
や重量化に対応できる。殊に、原動部のハンドルはその
軸心まわりを取り囲んでいるので、原動部に対するガー
ドを兼ねる利点がある。原動部には、その後端部を通過
するハンドルをも設けると、尚好適である。
【0035】原動部は、内燃機関を採用したものとすれ
ば、電気や圧縮エア等の設備がない場所でも、この回転
工具を自由に使用することができる。この場合、原動部
のハンドルは、原動部からの発熱から作業員を遠ざける
作用を奏し、一層、好適となる。ハンマ駆動部におい
て、弾発部材を相対的内側、カムを相対的外側とする
と、工具軸とハンマ部材とを係合させる部分での係合面
積を大きく確保できることから、強い衝撃力を発生で
き、またこの係合部分において破損等を防止できるとい
う利点が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る回転工具の第1実施形態を示す平
面図である。
【図2】図1に対応する正面図である。
【図3】図2に対応する左側面図である。
【図4】図2に対応する右側面図である。
【図5】図2のA−A線拡大断面図である。
【図6】図5からの動作説明図である。
【図7】図6のB−B線拡大断面図である。
【図8】(a)は第1実施形態を立ち形にした使用例を
示した図であり、(b)は同横向き形にした使用例を示
した図である。
【図9】本発明に係る回転工具の第2実施形態を示す平
面図である。
【符号の説明】
1 インパクト型回転工具 2 原動部 3 伝動部 4 ハンマ駆動部 12 工具軸 15 横ハンドル 16 縦ハンドル 20 横ハンドル 43 主軸 44 ハンマ部材 48 主軸の凹部 50 弾発部材 52 打撃片 53 係合片 55 カム 59 カム溝 60 カム球
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成12年1月7日(2000.1.7)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 インパクト型回転工具
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インパクト型回転
工具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】インパクト型の回転工具として、ハンド
ドリルのような形態をして、片手で持つハンディタイプ
が知られている(例えば、特開平5−228849号公
報、特開平6−71572号公報等参照)。これらはい
ずれも電動である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】最近では、各種構築物
や機械・装置類における多様化が浸透し、またこれら構
築物等における大型化や組み付け強度の増強化等が進む
傾向にあることも起因して、インパクト型回転工具に対
する出力トルクの強力化が要求されるようになってきて
いる。そして、このようなインパクト型回転工具として
の出力トルクの強力化に応える場合には、同時に、その
工具全体としての大型化や重量化を必然的に招来するこ
とになるために、これに対処して取り扱い性についても
考慮する必要が生じてくる。
【0004】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
であって、出力トルクの強力化に応えるうえで、その工
具全体としての大型化や重量化に伴う取り扱い性にも十
分な配慮を成したインパクト型回転工具を提供すること
を目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明では、上記目的を
達成するために、次の技術的手段を講じた。即ち、本発
明に係るインパクト型回転工具は、原動部、伝動部、ハ
ンマ駆動部を直列配置で具備したものであって、原動部
及びハンマ駆動部での少なくとも各1か所を含む複数箇
所にハンドルが設けられており、このうち原動部に設け
られるハンドルは、原動部に対してその軸心まわりを取
り囲むかたちで設けられているものである。
【0006】このように、複数箇所にハンドルを設ける
ことで、この回転工具を持ち運んだり使用したりする場
合に、左右の手で各別のハンドルを把持することができ
ることになり、回転工具の大型化や重量化に伴う取り扱
い性に対応できることになる。殊に、原動部に対応して
設けられるハンドルは、原動部の軸心まわりを取り囲む
ようになっているため、大型化及び重量化された原動部
に対してガードを兼ねるものとなる。
【0007】原動部に対し、上記したような軸心まわり
を取り囲むハンドルとは別に、原動部の後端部を通過す
る方向でその外回りを取り囲むようになるハンドルを設
けておくと、この回転工具を立ち姿勢で使用するとき
も、また横姿勢で使用するときも、この後端側のハンド
ルを一方の手で把持したまま、他方の手で原動部まわり
のハンドル又はハンマ駆動部に対応して設けられたハン
ドルを把持することができるようになる。原動部は、内
燃機関(即ち、エンジン)を採用したものとすれば、電
気や圧縮エア等の設備がない場所でも、この回転工具を
自由に使用することができる。
【0008】なお、このように原動部が内燃機関である
ときには、原動部からの発熱があるため、上記のように
原動部まわりに少なくともその軸心まわりを取り囲むハ
ンドルや、好ましくは原動部の後端部を通過するハンド
ル等が設けられていることが、発熱から作業員を遠ざけ
るという意味において非常に有益なものとなる。ハンマ
駆動部は、伝動部から回転駆動を受ける主軸と、この主
軸まわりを外嵌するハンマ部材と、このハンマ部材に対
して間欠的な係合回転が可能な状態に連接された工具軸
とを有しているものとする。
【0009】そして、主軸の先端部には凹部が設けられ
たものとし、この凹部内に弾発部材が装填されたものと
する。この弾発部材は、主軸からハンマ部材を押し出し
方向へ付勢して、このハンマ部材を工具軸へ係合させる
ようにするためのものである。また、主軸の外周面とハ
ンマ部材の内周面との間では、周方向及び軸方向に傾斜
したカム溝とこのカム溝に嵌まるカム球との組み合わせ
よりカムを構成させるものとする。
【0010】このような構成であると、主軸が伝動部か
らの回転駆動を受けて回転しようとするときに、工具軸
(ハンマ部材側)に対してこれを阻止する向きの回転抵
抗が加わり、この回転抵抗が上記弾発部材の設定圧を超
えたときには、カム溝内をカム球が移動してハンマ部材
における主軸へ接近する方向の軸方向移動が許容される
ことになり、もって、瞬間的に工具軸とハンマ部材との
係合が外れ、この後、すぐに弾発部材による弾性回復に
よってハンマ部材が元の位置へ戻るために、工具軸とハ
ンマ部材とが回転方向において衝撃的な係合状態を生
じ、このときの衝撃力を工具軸へ出力するということに
なる。
【0011】この構成中、弾発部材を相対的内側、カム
を相対的外側としているため、弾発部材として可及的に
長さを長くでき、そのためハンマ部材の軸方向移動を長
ストロークにできることになる。従って、これによって
工具軸とハンマ部材との係合面積を大きく確保でき、強
い衝撃力を発生できることになり、また工具軸とハンマ
部材との係合部分において破損等を防止できることにな
る。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明の実
施の形態を説明する。図1乃至図8は、本発明に係るイ
ンパクト型回転工具1の第1実施形態を示している。こ
の回転工具1は、原動部2、伝動部3、ハンマ駆動部4
が、この順番で直列(一軸)に配置されて成る。なお、
以下の説明では、回転工具1の使用状態を基準におい
て、原動部2側を「後」、ハンマ駆動部4側を「前」と
言う。また、原動部2や伝動部3に対する主な操作乃至
メンテナンス等を行えるようにした面(図1に示す面)
を「上面側」、その反対向き面を「下面側」と言うもの
とする。
【0013】原動部2は、内燃機関(ガソリンエンジ
ン)を採用したもので、燃料タンク6、スタータ操作部
7、点火プラグ装着部8、チョーク操作部9、スロッル
操作部10等を備えている。伝動部3は、原動部2から
の回転出力を減速してトルクを高め、また正転・逆転の
切り換え機構(後述する)を内蔵した部分であり、ハン
マ駆動部4は、伝動部3によって与えられる回転駆動力
から間欠的な回転衝撃力を発生させ、これを工具軸12
に対して出力させる機構(後述する)を内蔵した部分で
ある。
【0014】上記原動部2の回りには、その軸心まわり
を取り囲むかたちで横ハンドル15が設けられていると
共に、原動部2の後端部を通過する方向でその外回りを
取り囲む縦ハンドル16が設けられている。横ハンドル
15は原動部2の全周にわたっており、図1〜4に示す
ように、上側と左右側とに把持部を有し、縦ハンドル1
6は、原動部2の前部で原動部ガードを兼ねて左右両側
へ突出状に設けられたブラケット17を介して原動部2
と接続されて、図1、2、4に示すように、後端側と左
右側とに把持部を有し、かつその後端側はハンマ駆動部
4の略軸心を通って配置されている。また、これら横ハ
ンドル15と縦ハンドル16との交差部は、十字連結用
のブラケット18を介して互いに連結されている。
【0015】なお、上記した原動部2において付属され
たスロットル操作部10は、縦ハンドル16に対して取
り付けられている。これら横ハンドル15や縦ハンドル
16は、中空パイプ材等を折り曲げたり溶接等によって
接合したりしたもので、特によく把持する部分には、手
触りが良好で、ある程度の弾性を有し、且つ滑り難い材
料(例えば軟質樹脂や硬めのスポンジ又はゴム等)で形
成したハンドルカバー19が装着されている。一方、ハ
ンマ駆動部4の回りにも、その軸心回りを取り囲むかた
ちで横ハンドル20が設けられている。この横ハンドル
20は、ハンマ駆動部4の下面部で前脚片を兼ねて突出
状に設けられたブラケット21を介してハンマ駆動部4
へ接続されている。
【0016】この横ハンドル20についても、中空パイ
プ材等により形成され、図1〜4に示すように、上側と
左右側とに把持部が形成され、把持部にハンドルカバー
22が装着されたものとしてある。このように本発明に
係る回転工具1では、原動部2及びハンマ駆動部4のま
わりに少なくとも各1本のハンドル15、16、20が
設けられているため、図8(a)に示すように、ボック
ススパナ23を用いて下方のボルト24を締めつけたり
緩めたりする場合等にあってこの回転工具1を立ち形に
支持するときには、作業者は、後方の横ハンドル15と
後方の縦ハンドル16とを左右別々の手で把持する自然
な姿勢で、安定した持ち方ができる。
【0017】また、図8(b)に示すように、横方のボ
ルト24を締めつけたり緩めたりする場合等にあってこ
の回転工具1を横向け形に支持するときには、作業者
は、後方の縦ハンドル16と前方の横ハンドル20とを
左右別々の手で把持する自然な姿勢で、安定した持ち方
ができる。また、図示は省略するが、図8(a)の状態
にあって、回転工具1を下向きに強く押さえつけたい場
合であれば、後方の縦ハンドル16が原動部2を取り囲
むほどの大型に形成されていることを巧みに利用して、
この縦ハンドル16を両手で把持して作業者の体重を回
転工具1へ乗せるような使い方もできる。更に、この回
転工具1を持ち運ぶような場合には、図8(b)の状態
から、後方の縦ハンドル16を把持していた手を後方の
横ハンドル20へ持ち替えるようにするといった使い方
もできる。
【0018】このように、複数のハンドル15、16、
20に対して、その都度、最も使いやすいハンドルを任
意に選択することができ、回転工具1が大型で重いもの
であるとしても、その取り扱い性に十分に対処できるも
のである。しかも、各ハンドル15、16、20は、原
動部2やハンマ駆動部4に対するガードとしての作用を
も奏しており、特に、原動部2に対応して設けられた横
ハンドル15や縦ハンドル16については、原動部2が
内燃機関であって発熱することから、作業者を発熱源か
ら遠ざける作用をも奏しているものである。
【0019】次に、上記伝動部3及びハンマ駆動部4の
内部構造について説明する。図5に示すように、伝動部
3は、原動部2側からの回転を受ける入力軸25から中
間軸26を介して出力軸27へと回転駆動力を伝える構
造で、各軸間が平歯車等による噛合関係におかれてい
る。このうち、中間軸26と出力軸27との噛合部で
は、出力軸27に対して正転・逆転を行わせるための切
り換え機構が組まれている。すなわち、中間軸26に
は、軸方向に所定間隔をおいて二つの歯車部30、31
が設けられており、前方の歯車部30には逆転用の歯車
32が噛み合わされている。
【0020】これに対し、出力軸27にはスプライン3
4が設けられ、このスプライン34に沿って移動歯車体
35が移動自在に嵌め付けられている。この移動歯車体
35には、中間軸26における二つの歯車部30、31
の相互間隔よりも短い間隔で、糸車状に二つの歯車部3
6、37が設けられている。移動歯車体35における前
側の歯車部36は、中間軸26における前方の歯車部3
0に噛合している逆転用歯車32と噛合可能になってお
り、移動歯車体35における後側の歯車部37は、中間
軸26における後方の歯車部31に噛合可能になってい
る。言うまでもなく、これらの噛合は選択的に行われ
る。
【0021】そして、移動歯車体35における歯車部3
6、37の相互間に、伝動部3の外部に設けられる正逆
切り換え用の操作具40から延びた移動ピン41が係合
されるようになっている。従って、操作具40を操作す
るたびに、移動歯車体35が前後移動し、歯車部37と
31との噛合、又は歯車部36と逆転用歯車32との噛
合が選択され、これによって出力軸27における正転・
逆転が切り換えられるものである。ハンマ駆動部4は、
伝動部3の出力軸27から回転駆動を受ける主軸43
と、この主軸43まわりを外嵌するハンマ部材44と、
このハンマ部材44に対して間欠的な係合回転が可能な
状態に連接された工具軸12とを有している。
【0022】ハンマ部材44は、主軸43を外嵌する部
分において後方へ向けて開口する凹部47が設けられた
ものとなっているが、主軸43についても、この凹部4
7内に嵌まる先端部には、前方へ向けて開口する凹部4
8が設けられている。そして、これら主軸43とハンマ
部材44とは、互いの凹部48、47内を貫通するセン
タ軸49を介して芯合わせされ、且つ相対的に近接・離
反自在に保持されている。また、主軸43とハンマ部材
44の各凹部48、47の相互間には、コイルスプリン
グ等より成る弾発部材50が装填されている。そのた
め、ハンマ部材44は、主軸43から前方へ押し出され
るように付勢されていることになる。
【0023】なお、工具軸12の先端部には、ボックス
スパナやビット等の工具(図示略)を嵌め付けるために
角軸に形成されている。図6及び図7にも示すように、
ハンマ部材44の前端部には、その周方向の複数箇所
(図例では180°間隔となる2か所とした)に、三角
形状乃至台形状をして軸方向へ突出する打撃片52が設
けられていると共に、工具軸12の後端部には、これら
個々の打撃片52に対して周方向で係合する係合片53
が径方向外方へ突出して設けられている。
【0024】この係合片53は、ハンマ部材44におけ
る打撃片52の周方向間隔よりも細く形成されており、
打撃片52の相互間で遊動自在となっているが、このこ
とが、ハンマ部材44と工具軸12との間での間欠的な
係合回転を可能にさせる回転代を形成させていることに
なる。上記のようにハンマ部材44は弾発部材50によ
り、前方へ向けて付勢されているため、これによってハ
ンマ部材44の打撃片52と工具軸12の係合片53と
は、常態において係合関係を保持するようになってい
る。
【0025】一方、主軸43における先端寄り外周面と
ハンマ部材44における凹部47内の内周面との間で
は、弾発部材50と軸心方向にオーバラップした位置に
カム55が構成されている。すなわち、このカム55
は、図6に示すように、主軸43の外面を凹ませた溝と
して形成された第1カム56と、ハンマ部材44の凹部
47内に内嵌めされた内部カラー57によりその前端縁
による段差として形成された第2カム58との組み合わ
せとして形成されるカム溝59に対し、カム球60が移
動自在に保持されることによって構成されたものであ
る。
【0026】第1カム56は、互いに逆向きの傾きを有
する周方向及び軸方向へ向けた二つの傾斜部分を連通さ
せることで「く」字状をしており、第2カム58は、丁
度、第1カム56を表裏反転させたような逆方向の傾斜
部分を有している。従って、これら第1カム56及び第
2カム58の組み合わせとなるカム溝59では、主軸4
3が左回転するときでも、又は右回転するときでも、カ
ム球60を周方向及び軸方向へ向けて所定に案内できる
ものである。なお、ハンマ部材44において、内部カラ
ー57は固定短ピン62によって固定されている。ま
た、図5に示したように、この固定短ピン62よりも前
方寄りの周方向適宜位置には貫通孔63が設けられてお
り、主軸43とハンマ部材44とを組み立てた後からで
も、カム球60をカム溝59に対して装填できるように
なっている。
【0027】カム溝59において、第1カム56と第2
カム58との組み合わせ位置関係は、主軸43に回転駆
動が付加されていない状態のときは、図6のように、第
1カム56の山部と第2カム58の谷部とでカム球60
を挟んでいる。そして、主軸43に対し、例えば右回転
(第1カム56が図6の上方へ移動する向きの回転)が
与えられたとすると、カム球60は、第1カム56にお
ける図6下側の傾斜部分へと移動するようになり、これ
によって第2カム58における図6上側の傾斜部分が後
方へ押されるようになるので、ハンマ部材44は、弾発
部材50に抗しながら主軸43へ接近(後方移動)する
ようになる。また、このときカム球60は、第1カム5
6の傾斜部分を移動するのに合わせて、第2カム58に
おける図6上側の傾斜部分をも同量だけ移動するように
なる。
【0028】そして、カム球60が、第1カム56にお
ける図6下側の傾斜部分の中間位置と、第2カム58に
おける図6上側の傾斜部分の中間位置とに挟まれる状態
となったときに、それ以上のカム球60の移動作用が弾
発部材50の設定圧と釣り合うようになる。この状態で
は、未だ、ハンマ部材44の打撃片52と工具軸12の
係合片53とが係合を保っている。これが、回転工具1
において主軸43を空転させている状態(無負荷状態)
である。
【0029】このとき、更に工具軸12に対して、ボル
ト締め込み作業時等における回転抵抗が加わっている
と、この回転抵抗が上記弾発部材50の設定圧を超える
ことになり、カム球60は、第1カム56における図6
下側の傾斜部分を更に下方へと進行し、また同時に第2
カム58における図6上側の傾斜部分を更に上方へと進
行することになる。そのため、ハンマ部材44は、更に
主軸43(後方)へ向けて軸方向移動され、これによっ
てハンマ部材44の打撃片52と工具軸12の係合片5
3との係合が外れる。従って、この瞬間、工具軸12に
対して主軸43及びハンマ部材44だけが回転する状態
となるが、すぐに弾発部材50が弾性回復してハンマ部
材44を前方へ押し出し、元の位置へ戻すために、ハン
マ部材44の打撃片52と工具軸12の係合片53とが
衝撃的に係合し、再び、カム球60が、第1カム56に
おける図6下側の傾斜部分の中間位置と、第2カム58
における図6上側の傾斜部分の中間位置とに挟まれる状
態になる。
【0030】そして、このような動きが繰り返され、上
記のようにして発生する回転方向の衝撃力が、工具軸1
2に対して間欠的に伝えられ、これによってボルト等を
締め込んだり緩めたりできることになる。図9は、本発
明に係るインパクト型回転工具1の第2実施形態を示し
たもので、この第2実施形態が上記第1実施形態と異な
るところは、原動部2に付属して設けられるスロットル
操作部10が、縦ハンドル16に対して内側(原動部2
に面する側)へ突出するように設けられている点にあ
る。
【0031】このような向きにスロットル操作部10が
設けられていると、例えばこの回転工具1を地面近くで
使用又は地面上へ載置したときに、スロットル操作部1
0等が地面と干渉することがなくなり、このスロットル
操作部10における破損防止が図られると共に、操作性
も良好になるといった利点がある。その他の構成及び作
用効果は、第1実施形態と全く同様である。ところで、
本発明は、上記各実施形態に限定されるものではなく、
細部構造等について、実施の態様に応じた各種変更等が
可能である。
【0032】例えば、原動部2に付属して設けるスロッ
トル操作部10は、後部の縦ハンドル16に設けること
が限定されるものではなく、他のハンドル15、20に
対して単独又は併設的に設けたり、原動部2自体に設け
たりすることもできる。スロットル操作部10を着脱自
在にして、使用の都度、任意の位置へ取り付けられるよ
うにしてもよい。また、原動部2は内燃機関、殊にガソ
リンエンジンに限定されるものではなく、電気又は流体
圧(エア圧や油圧等)を駆動源とするモータ式に置換す
ることも可能である。この場合、付属する構成部材(燃
料タンク6等)がそれぞれの方式に応じて変更されるこ
とは言うまでもない。
【0033】伝動部3やハンマ駆動部4の内部構造とし
て、従来公知の各種構造を採用することもできる。
【0034】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明に
係るインパクト型回転工具では、直列配置された原動
部、伝動部、ハンマ駆動部のうち、原動部及びハンマ駆
動部での少なくとも各1か所を含む複数箇所にハンドル
を設けているので、この回転工具を持ち運んだり使用し
たりする場合に自由な持ち方ができ、回転工具の大型化
や重量化に対応できる。殊に、原動部のハンドルはその
軸心まわりを取り囲んでいるので、原動部に対するガー
ドを兼ねる利点がある。原動部には、その後端部を通過
するハンドルをも設けると、尚好適である。
【0035】原動部は、内燃機関を採用したものとすれ
ば、電気や圧縮エア等の設備がない場所でも、この回転
工具を自由に使用することができる。この場合、原動部
のハンドルは、原動部からの発熱から作業員を遠ざける
作用を奏し、一層、好適となる。ハンマ駆動部におい
て、弾発部材を相対的内側、カムを相対的外側とする
と、工具軸とハンマ部材とを係合させる部分での係合面
積を大きく確保できることから、強い衝撃力を発生で
き、またこの係合部分において破損等を防止できるとい
う利点が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る回転工具の第1実施形態を示す平
面図である。
【図2】図1に対応する正面図である。
【図3】図2に対応する左側面図である。
【図4】図2に対応する右側面図である。
【図5】図2のA−A線拡大断面図である。
【図6】図5からの動作説明図である。
【図7】図6のB−B線拡大断面図である。
【図8】(a)は第1実施形態を立ち形にした使用例を
示した図であり、(b)は同横向き形にした使用例を示
した図である。
【図9】本発明に係る回転工具の第2実施形態を示す平
面図である。
【符号の説明】 1 インパクト型回転工具 2 原動部 3 伝動部 4 ハンマ駆動部 12 工具軸 15 横ハンドル 16 縦ハンドル 20 横ハンドル 43 主軸 44 ハンマ部材 48 主軸の凹部 50 弾発部材 52 打撃片 53 係合片 55 カム 59 カム溝 60 カム球

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原動部(2)、伝動部(3)、ハンマ駆
    動部(4)を直列配置で具備したインパクト型回転工具
    において、原動部(2)及びハンマ駆動部(4)での少
    なくとも各1か所を含む複数箇所にハンドル(15,2
    0)が設けられており、このうち原動部(2)に設けら
    れるハンドル(15)は、原動部(2)に対してその軸
    心まわりを取り囲むかたちで設けられていることを特徴
    とするインパクト型回転工具。
  2. 【請求項2】 前記原動部(2)には、前記軸心まわり
    を取り囲むハンドル(15)とは別に、原動部(2)に
    対してその後端部を通過する方向でその外回りを取り囲
    むハンドル(16)が設けられていることを特徴とする
    請求項1記載のインパクト型回転工具。
  3. 【請求項3】 前記原動部(2)は内燃機関を採用した
    ものであることを特徴とする請求項1又は請求項2記載
    のインパクト型回転工具。
  4. 【請求項4】 前記ハンマ駆動部(4)は、伝動部
    (3)から回転駆動を受ける主軸(43)と、該主軸
    (43)まわりを外嵌するハンマ部材(44)と、該ハ
    ンマ部材(44)に対して間欠的な係合回転が可能な状
    態に連接された工具軸(12)とを有し、 主軸(43)の先端部には凹部(48)が設けられ、該
    凹部(48)内にハンマ部材(44)を押し出し方向へ
    付勢してハンマ部材(44)と工具軸(12)との係合
    状態を保持させる弾発部材(50)が装填されていると
    共に、主軸(43)の外周面とハンマ部材(44)の内
    周面との間で、周方向及び軸方向に傾斜したカム溝(5
    9)と該カム溝(59)に嵌まるカム球(60)との組
    み合わせより成るカム(55)が設けられており、 上記弾発部材(50)の設定圧を超えたときにカム溝
    (59)内をカム球(60)が移動してハンマ部材(4
    4)における主軸(43)へ接近する方向の軸方向移動
    を許容する構造になっていることを特徴とする請求項1
    乃至請求項3のいずれかに記載のインパクト型回転工
    具。
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