JP2000197947A - 非金属介在物の除去方法 - Google Patents
非金属介在物の除去方法Info
- Publication number
- JP2000197947A JP2000197947A JP11304115A JP30411599A JP2000197947A JP 2000197947 A JP2000197947 A JP 2000197947A JP 11304115 A JP11304115 A JP 11304115A JP 30411599 A JP30411599 A JP 30411599A JP 2000197947 A JP2000197947 A JP 2000197947A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- inclusions
- solidified shell
- molten metal
- present
- molten
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Withdrawn
Links
Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
- Y02P10/00—Technologies related to metal processing
- Y02P10/20—Recycling
Landscapes
- Casting Support Devices, Ladles, And Melt Control Thereby (AREA)
- Manufacture And Refinement Of Metals (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 溶湯金属から非金属介在物を高レベルで且つ
効率よく除去することのできる新規な除去方法を提供す
る。 【解決手段】 導電性金属溶湯を冷却壁面から凝固を進
行せしめると共に、該溶湯に移行流を形成し、該溶湯中
に含まれる非金属介在物を前記凝固殻の表面に捕捉する
方法である。具体的には、上記冷却壁面として内部水冷
式セグメント構造の導電性容器を用い、非金属介在物を
上記セグメントの隣接空間部位の凝固殻に捕捉するもの
である。
効率よく除去することのできる新規な除去方法を提供す
る。 【解決手段】 導電性金属溶湯を冷却壁面から凝固を進
行せしめると共に、該溶湯に移行流を形成し、該溶湯中
に含まれる非金属介在物を前記凝固殻の表面に捕捉する
方法である。具体的には、上記冷却壁面として内部水冷
式セグメント構造の導電性容器を用い、非金属介在物を
上記セグメントの隣接空間部位の凝固殻に捕捉するもの
である。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、導電性金属溶湯に
含まれる非金属介在物を除去する方法に関する。本発明
の方法を用いれば、非金属介在物が著しく除去された高
清浄な金属・合金の半製品及び製品を効率よく製造する
ことができるのみならず;この除去方法によって凝固殻
に捕捉される非金属介在物を用いて、導電性金属溶湯の
清浄度を感度良く、効率良く評価できる点で極めて有用
である。
含まれる非金属介在物を除去する方法に関する。本発明
の方法を用いれば、非金属介在物が著しく除去された高
清浄な金属・合金の半製品及び製品を効率よく製造する
ことができるのみならず;この除去方法によって凝固殻
に捕捉される非金属介在物を用いて、導電性金属溶湯の
清浄度を感度良く、効率良く評価できる点で極めて有用
である。
【0002】
【従来の技術】導電性金属溶湯中の非金属介在物を除去
する方法としては、例えば鋼などの鉄系合金の場合、取
鍋、タンディッシュ、鋳型内などにおける沈静法、気泡
吹き込み法、電磁撹拌法、電磁ブレーキ法、フィルター
濾過法などが;アルミニウムおよびアルミニウム合金の
場合、脱ガス炉内における微細気泡吹き込み法及びその
後のフィルター濾過法、遠心分離法などが;銅および銅
合金の場合、フィルター濾過法などが夫々用いられてい
る。このうち沈静法は、溶鋼中に懸濁する介在物粒子
が密度差により浮上する現象を利用するものである。
する方法としては、例えば鋼などの鉄系合金の場合、取
鍋、タンディッシュ、鋳型内などにおける沈静法、気泡
吹き込み法、電磁撹拌法、電磁ブレーキ法、フィルター
濾過法などが;アルミニウムおよびアルミニウム合金の
場合、脱ガス炉内における微細気泡吹き込み法及びその
後のフィルター濾過法、遠心分離法などが;銅および銅
合金の場合、フィルター濾過法などが夫々用いられてい
る。このうち沈静法は、溶鋼中に懸濁する介在物粒子
が密度差により浮上する現象を利用するものである。
【0003】また、介在物粒子の浮上促進を図る方法と
して、鋼の取鍋精練やアルミニウムの脱ガス炉におい
て、その底部からアルゴンなどの不活性ガス気泡を吹込
む方法(鉄鋼便覧第3版「製銑・製鋼」、p690)、連続
鋳造モールド内溶鋼にモールド外から吹込む方法(特開
平8−90178)などが知られている。
して、鋼の取鍋精練やアルミニウムの脱ガス炉におい
て、その底部からアルゴンなどの不活性ガス気泡を吹込
む方法(鉄鋼便覧第3版「製銑・製鋼」、p690)、連続
鋳造モールド内溶鋼にモールド外から吹込む方法(特開
平8−90178)などが知られている。
【0004】更に、鋳型内で溶鋼に電磁力を与えて溶
鋼を撹拌し、介在物の分散、無害化を図る電磁撹拌法;
静磁場により溶鋼の下方への流動を制御し、介在物のも
ぐりこみを低減させる電磁ブレーキ法;或いは上記電磁
撹拌法および電磁ブレーキ法の両方を用いた方法なども
採用されている。
鋼を撹拌し、介在物の分散、無害化を図る電磁撹拌法;
静磁場により溶鋼の下方への流動を制御し、介在物のも
ぐりこみを低減させる電磁ブレーキ法;或いは上記電磁
撹拌法および電磁ブレーキ法の両方を用いた方法なども
採用されている。
【0005】その他、鋳型に鋳造する直前の溶湯を酸
化物系フィルター内に通過させ、介在物を除去する方法
も知られている。
化物系フィルター内に通過させ、介在物を除去する方法
も知られている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記
〜の方法は、夫々以下の問題を抱えている。
〜の方法は、夫々以下の問題を抱えている。
【0007】まず、の沈静法は、大型介在物に対して
は一定の除去効果はある反面、微細介在物は浮上速度が
遅い為、該介在物の除去に長時間を要すること;この様
に長時間にわたって溶鋼を保持するため、再酸化の恐れ
があることなどが指摘されている。
は一定の除去効果はある反面、微細介在物は浮上速度が
遅い為、該介在物の除去に長時間を要すること;この様
に長時間にわたって溶鋼を保持するため、再酸化の恐れ
があることなどが指摘されている。
【0008】の不活性ガス等の微細吹込み法を採用す
れば、或る程度の効果は得られるものの、気泡による撹
拌により溶鋼表面の位置が変動する場合、湯面上部に同
時に存在する精錬スラグやモールドパウダーが溶鋼中に
巻込まれることが知られている。
れば、或る程度の効果は得られるものの、気泡による撹
拌により溶鋼表面の位置が変動する場合、湯面上部に同
時に存在する精錬スラグやモールドパウダーが溶鋼中に
巻込まれることが知られている。
【0009】また、の鋳型内電磁撹拌、電磁ブレーキ
は、鋳型内に混入した介在物の制御方法であり、鋳型内
への介在物の侵入そのものを抑制、防止する技術ではな
い。
は、鋳型内に混入した介在物の制御方法であり、鋳型内
への介在物の侵入そのものを抑制、防止する技術ではな
い。
【0010】更にの酸化物系フィルターを用いて濾過
するに当たっては、高融点溶湯をフィルター濾過する場
合や、融点があまり高くなくてもフィルター通過時間が
長くなる場合等にフィルターそのものが溶損するなどし
て介在物になることが知られている。
するに当たっては、高融点溶湯をフィルター濾過する場
合や、融点があまり高くなくてもフィルター通過時間が
長くなる場合等にフィルターそのものが溶損するなどし
て介在物になることが知られている。
【0011】この様に上記いずれの方法を採用したとし
ても、溶融金属から非金属介在物を高レベルで効率よく
除去することができないのが現状である。
ても、溶融金属から非金属介在物を高レベルで効率よく
除去することができないのが現状である。
【0012】本発明は上記事情に着目してなされたもの
であって、その目的は、溶融金属から非金属介在物を高
レベルで且つ効率よく除去することのできる新規な除去
方法を提供することにある。
であって、その目的は、溶融金属から非金属介在物を高
レベルで且つ効率よく除去することのできる新規な除去
方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決すること
のできた本発明に係る導電性金属溶湯から非金属介在物
を除去する方法とは、導電性金属溶湯を冷却壁面から凝
固を進行せしめると共に、該溶湯に移行流を形成し、該
溶湯中に含まれる非金属介在物を前記凝固殻の表面に捕
捉するところに要旨を有するものである。具体的には、
上記冷却壁面として内部水冷式セグメント構造の導電性
容器を用い、非金属介在物を上記セグメントの隣接空間
部位の凝固殻に捕捉するものである。
のできた本発明に係る導電性金属溶湯から非金属介在物
を除去する方法とは、導電性金属溶湯を冷却壁面から凝
固を進行せしめると共に、該溶湯に移行流を形成し、該
溶湯中に含まれる非金属介在物を前記凝固殻の表面に捕
捉するところに要旨を有するものである。具体的には、
上記冷却壁面として内部水冷式セグメント構造の導電性
容器を用い、非金属介在物を上記セグメントの隣接空間
部位の凝固殻に捕捉するものである。
【0014】本発明の方法は、導電性金属溶湯に高周波
磁場を印加することによって導電性金属溶湯に含まれる
非金属介在物を除去するという従来の方法を利用するも
のであるが、高周波磁場を印可するに当たり、磁場の浸
透深さδと凝固殻の平均厚さdとの比[δ/d]が[δ
/d]≧1.00を満足する様に制御したり、或いは、
導電性容器の半径Rと磁場の浸透深さδの比[R/δ]
が[R/δ]≧1.0を満足する様に制御することは、
導電性金属溶湯に所望の高周波磁場を印可し、導電性金
属溶湯の外周部へ非金属介在物を移動させるうえで好ま
しい態様である。
磁場を印加することによって導電性金属溶湯に含まれる
非金属介在物を除去するという従来の方法を利用するも
のであるが、高周波磁場を印可するに当たり、磁場の浸
透深さδと凝固殻の平均厚さdとの比[δ/d]が[δ
/d]≧1.00を満足する様に制御したり、或いは、
導電性容器の半径Rと磁場の浸透深さδの比[R/δ]
が[R/δ]≧1.0を満足する様に制御することは、
導電性金属溶湯に所望の高周波磁場を印可し、導電性金
属溶湯の外周部へ非金属介在物を移動させるうえで好ま
しい態様である。
【0015】また、導電性金属溶湯を溶解保持した後鋳
造する直前に出力を落とし、凝固殻の平均厚さを厚くし
て非金属介在物の上記凝固殻への捕捉を強固にしてから
鋳造を行うことは、非金属介在物の除去率が一層高まる
ので特に有用である。
造する直前に出力を落とし、凝固殻の平均厚さを厚くし
て非金属介在物の上記凝固殻への捕捉を強固にしてから
鋳造を行うことは、非金属介在物の除去率が一層高まる
ので特に有用である。
【0016】更に、上述した本発明の除去方法を実施す
るに当たり、セラミックスフィルターによる濾去を組合
せて行うことは、微小非金属介在物をも捕捉でき、除去
性能が一層向上する点で極めて有用である。しかも本発
明法によれば、この介在物を捕捉したフィルターが脱落
したとしても、フィルターごと凝固殻に捕捉されるた
め、フィルター使用による悪影響も回避できる等のメリ
ットもある。
るに当たり、セラミックスフィルターによる濾去を組合
せて行うことは、微小非金属介在物をも捕捉でき、除去
性能が一層向上する点で極めて有用である。しかも本発
明法によれば、この介在物を捕捉したフィルターが脱落
したとしても、フィルターごと凝固殻に捕捉されるた
め、フィルター使用による悪影響も回避できる等のメリ
ットもある。
【0017】尚、凝固殻に捕捉される非金属介在物は、
導電性金属溶湯の清浄度評価方法(品質評価方法)に用
いることができ、この様な評価方法も本発明の範囲内に
包含される。導電性金属溶湯の清浄度を評価するに当た
っては、一般に、酸溶解法等の湿式抽出法が汎用されて
いるが、本発明法を用いれば、この酸溶解法によって
抽出される介在物と同じ組成のものを、短時間で多量に
抽出することができる,酸溶解法等の湿式抽出法では
抽出困難な酸可溶介在物を含め、全ての介在物を抽出で
きる等の点で、極めて抽出効率の高い方法である。
導電性金属溶湯の清浄度評価方法(品質評価方法)に用
いることができ、この様な評価方法も本発明の範囲内に
包含される。導電性金属溶湯の清浄度を評価するに当た
っては、一般に、酸溶解法等の湿式抽出法が汎用されて
いるが、本発明法を用いれば、この酸溶解法によって
抽出される介在物と同じ組成のものを、短時間で多量に
抽出することができる,酸溶解法等の湿式抽出法では
抽出困難な酸可溶介在物を含め、全ての介在物を抽出で
きる等の点で、極めて抽出効率の高い方法である。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明者らは、導電性金属溶湯
(以下、単に溶湯と略記する場合がある)に高周波磁場
を印加することによって該溶湯に含まれる非金属介在物
を除去する方法において、従来法に比べ、非金属介在物
を高レベルで効率よく除去し得る方法を提供すべく鋭意
検討してきた。その結果、非金属介在物を、内部水冷式
セグメント構造の導電性容器に導電性金属溶湯を接触さ
せる等して形成される凝固殻にうまく捕捉させてやれ
ば、鋳造時に上記非金属介在物が溶湯と共に鋳型に入る
可能性が著しく低くなり、非金属介在物を効率よく高レ
ベルに除去することができることを見出し、本発明を完
成した。
(以下、単に溶湯と略記する場合がある)に高周波磁場
を印加することによって該溶湯に含まれる非金属介在物
を除去する方法において、従来法に比べ、非金属介在物
を高レベルで効率よく除去し得る方法を提供すべく鋭意
検討してきた。その結果、非金属介在物を、内部水冷式
セグメント構造の導電性容器に導電性金属溶湯を接触さ
せる等して形成される凝固殻にうまく捕捉させてやれ
ば、鋳造時に上記非金属介在物が溶湯と共に鋳型に入る
可能性が著しく低くなり、非金属介在物を効率よく高レ
ベルに除去することができることを見出し、本発明を完
成した。
【0019】即ち、本発明は導電性溶湯の内部に凝固殻
を積極的に形成させ、凝固殻という固体に非金属介在物
をうまく捕捉させようとする点に技術的思想を有するも
のであり、この様な凝固殻を利用した非金属介在物の除
去方法はこれまで全く知られておらず、新規である。
を積極的に形成させ、凝固殻という固体に非金属介在物
をうまく捕捉させようとする点に技術的思想を有するも
のであり、この様な凝固殻を利用した非金属介在物の除
去方法はこれまで全く知られておらず、新規である。
【0020】本発明の特徴を一層明瞭にする為、従来技
術のうちレビテーション(浮揚)溶解を利用した非金属
介在物の除去方法と対比しつつ、本発明を詳細に説明す
る。
術のうちレビテーション(浮揚)溶解を利用した非金属
介在物の除去方法と対比しつつ、本発明を詳細に説明す
る。
【0021】特開平7−16725には、レビテーショ
ン溶解において電磁力が引起こす溶湯の循環流を利用
し、溶湯内部の介在物を溶湯柱の基部周辺に集中させて
捕捉させる技術が開示されている。上記公報によれば、
容器と溶湯が非接触で、溶湯柱ができる程の非常に高い
磁場を印加している為、基本的に溶湯の外周部に凝固殻
は形成されない。たとえ溶湯の揺動により一時的に凝固
殻ができたとしても、直ちに溶湯内部に取り込まれてし
まい、凝固殻は形成されない。即ち、上記公報からは、
レビテーションにより、導電性金属溶湯溶湯を容器から
できるだけ離そう(非接触状態)という思想が明瞭に読
取られるのであり、本発明の如く、導電性金属溶湯と容
器を積極的に接触させ、導電性金属容器中に凝固殻を積
極的に形成させようという技術的思想は全くない。
ン溶解において電磁力が引起こす溶湯の循環流を利用
し、溶湯内部の介在物を溶湯柱の基部周辺に集中させて
捕捉させる技術が開示されている。上記公報によれば、
容器と溶湯が非接触で、溶湯柱ができる程の非常に高い
磁場を印加している為、基本的に溶湯の外周部に凝固殻
は形成されない。たとえ溶湯の揺動により一時的に凝固
殻ができたとしても、直ちに溶湯内部に取り込まれてし
まい、凝固殻は形成されない。即ち、上記公報からは、
レビテーションにより、導電性金属溶湯溶湯を容器から
できるだけ離そう(非接触状態)という思想が明瞭に読
取られるのであり、本発明の如く、導電性金属溶湯と容
器を積極的に接触させ、導電性金属容器中に凝固殻を積
極的に形成させようという技術的思想は全くない。
【0022】また、富士時報vol.71,No.5,1998にもレビ
テーション溶解に関する技術が開示されているが、この
文献にも、溶解中に凝固殻を形成させようという本発明
の技術的思想を読取ることはできない。
テーション溶解に関する技術が開示されているが、この
文献にも、溶解中に凝固殻を形成させようという本発明
の技術的思想を読取ることはできない。
【0023】上記文献は、底部出湯式大容量浮揚溶解装
置CCLM(Cold Crucible LevitationMelting)を用い、
浮揚溶解により溶解した溶湯をるつぼ底部から出湯させ
るものであるが、このデータは、浮揚溶解保持中に、該
装置の側面表面近傍に出てきた介在物を含む金属溶湯を
そのまま凝固させたものにほかならない。つまり、溶湯
内で非金属介在物は側面表面近傍に出てきてはいるもの
の、該介在物は依然として溶湯の内部に存在することに
なる。従って、この方法では非金属介在物の分布を変え
ることはできたとしても、本発明の如く該介在物を捕捉
させる機構(凝固殻)がない上記文献の場合、この様な
溶湯を装置底部から出湯させ鋳造すると、必ず鋳型内に
上記介在物が入ってしまい、所望の除去効果は決して得
られないことになる(後記する実施例を参照)。例えば
上記文献の図1には、CCLMの基本構造が示されている
が、「2コイル・2電源で構成され、上側は周波数を高
くして主に加熱用、下側は周波数を低くして主に浮揚用
としている。溶解後は上下コイルの電力を調節して、金
属への絞り力fと浮揚力Fを制御し、るつぼ底穴から出
湯させる」旨記載されており、この記載からも、下コイ
ルからの浮揚力により、溶湯を装置から離間させ、装置
外周部には凝固殻を生成させない様にして非金属介在物
を除去しようとしていることが明瞭に読取れる。
置CCLM(Cold Crucible LevitationMelting)を用い、
浮揚溶解により溶解した溶湯をるつぼ底部から出湯させ
るものであるが、このデータは、浮揚溶解保持中に、該
装置の側面表面近傍に出てきた介在物を含む金属溶湯を
そのまま凝固させたものにほかならない。つまり、溶湯
内で非金属介在物は側面表面近傍に出てきてはいるもの
の、該介在物は依然として溶湯の内部に存在することに
なる。従って、この方法では非金属介在物の分布を変え
ることはできたとしても、本発明の如く該介在物を捕捉
させる機構(凝固殻)がない上記文献の場合、この様な
溶湯を装置底部から出湯させ鋳造すると、必ず鋳型内に
上記介在物が入ってしまい、所望の除去効果は決して得
られないことになる(後記する実施例を参照)。例えば
上記文献の図1には、CCLMの基本構造が示されている
が、「2コイル・2電源で構成され、上側は周波数を高
くして主に加熱用、下側は周波数を低くして主に浮揚用
としている。溶解後は上下コイルの電力を調節して、金
属への絞り力fと浮揚力Fを制御し、るつぼ底穴から出
湯させる」旨記載されており、この記載からも、下コイ
ルからの浮揚力により、溶湯を装置から離間させ、装置
外周部には凝固殻を生成させない様にして非金属介在物
を除去しようとしていることが明瞭に読取れる。
【0024】従って、上記文献には、本発明の如く溶湯
の溶解保持中、容器の外周部に凝固殻を共存させ、この
凝固殻に非金属介在物を積極的に捕捉させることによ
り、鋳造の際、鋳型内に介在物が混入する可能性を排除
せしめようという思想は全く存在しないことが分かる。
の溶解保持中、容器の外周部に凝固殻を共存させ、この
凝固殻に非金属介在物を積極的に捕捉させることによ
り、鋳造の際、鋳型内に介在物が混入する可能性を排除
せしめようという思想は全く存在しないことが分かる。
【0025】この様に本発明に係る非金属介在物の除去
方法は、導電性金属溶湯を冷却壁面から凝固を進行せし
めると共に、該溶湯に移行流を形成し、該溶湯中に含ま
れる非金属介在物を上記凝固殻の表面に捕捉するところ
に特徴があり、具体的には、上記冷却壁面として内部水
冷式セグメント構造の導電性容器を用い、非金属介在物
を該セグメントの隣接空間部位の凝固殻に捕捉するもの
である。
方法は、導電性金属溶湯を冷却壁面から凝固を進行せし
めると共に、該溶湯に移行流を形成し、該溶湯中に含ま
れる非金属介在物を上記凝固殻の表面に捕捉するところ
に特徴があり、具体的には、上記冷却壁面として内部水
冷式セグメント構造の導電性容器を用い、非金属介在物
を該セグメントの隣接空間部位の凝固殻に捕捉するもの
である。
【0026】以下、本発明法によって非金属介在物が効
率よく除去される模様につき、図1〜5を用いつつ更に
詳述する。
率よく除去される模様につき、図1〜5を用いつつ更に
詳述する。
【0027】図1は、本発明を実施する為の装置例を示
す断面模式図である。図中、1は分割された内部水冷式
セグメント構造の導電性容器、2は高周波誘導コイル、
3は容器底部の出湯口、4は出湯ノズル、5は出湯用高
周波コイル、6は真空チャンバー、7は鋳型、8は鋳型
チャンバー、9はゲートバルブを夫々示す。この装置
は、本発明を特徴付ける凝固殻を形成させる為の一装置
例であって必ずしもこの例に限定されず、所望の凝固殻
を形成し得る装置であれば全て使用することができる。
具体的には、周囲に高周波コイル2が設置された上記導
電性容器1(例えば銅製容器)を用い、該容器内で、導
電性金属溶湯の高周波誘導溶解を行い、装置底部に設置
された出湯口3から鋳造するものである。
す断面模式図である。図中、1は分割された内部水冷式
セグメント構造の導電性容器、2は高周波誘導コイル、
3は容器底部の出湯口、4は出湯ノズル、5は出湯用高
周波コイル、6は真空チャンバー、7は鋳型、8は鋳型
チャンバー、9はゲートバルブを夫々示す。この装置
は、本発明を特徴付ける凝固殻を形成させる為の一装置
例であって必ずしもこの例に限定されず、所望の凝固殻
を形成し得る装置であれば全て使用することができる。
具体的には、周囲に高周波コイル2が設置された上記導
電性容器1(例えば銅製容器)を用い、該容器内で、導
電性金属溶湯の高周波誘導溶解を行い、装置底部に設置
された出湯口3から鋳造するものである。
【0028】次に、図2に示す如く、導電性金属溶湯1
0と凝固殻11が熱的にバランスした状態となる様凝固
殻を形成させる。具体的には、上記の導電性容器1を水
冷し、該容器内で導電性金属溶湯10を接触させること
により、導電性金属溶湯10の外周部に凝固殻11を熱
的バランスのとれた状態で形成させることができる。
0と凝固殻11が熱的にバランスした状態となる様凝固
殻を形成させる。具体的には、上記の導電性容器1を水
冷し、該容器内で導電性金属溶湯10を接触させること
により、導電性金属溶湯10の外周部に凝固殻11を熱
的バランスのとれた状態で形成させることができる。
【0029】図3に、導電性金属溶湯10と凝固殻11
が熱的にバランスした状態におけるコイル電流Jo,誘
導電流Je,磁束密度B,電磁力Fを模式的に示す。一
般に電磁力Fは導電性金属溶湯10には働くが、導電性
の小さい非金属介介在物にはあまり働かない(このこと
は、例えば平成元年発行の日本鉄鋼協会編「電磁気力を
利用したマテリマルプロセシング」第148頁式(3
7)に記載されている)ため、その反力で非金属介在物
は導電性金属溶湯10の外周部、即ち、導電性金属溶湯
外周部の凝固殻の内側に押し出されてくる。
が熱的にバランスした状態におけるコイル電流Jo,誘
導電流Je,磁束密度B,電磁力Fを模式的に示す。一
般に電磁力Fは導電性金属溶湯10には働くが、導電性
の小さい非金属介介在物にはあまり働かない(このこと
は、例えば平成元年発行の日本鉄鋼協会編「電磁気力を
利用したマテリマルプロセシング」第148頁式(3
7)に記載されている)ため、その反力で非金属介在物
は導電性金属溶湯10の外周部、即ち、導電性金属溶湯
外周部の凝固殻の内側に押し出されてくる。
【0030】そして、上記導電性金属溶湯10の外周
部、即ち、導電性金属溶湯外周部の凝固殻の内側に押し
出された介在物は、内側部分への電磁力が最も強い為、
その背後がよどみ部分となるスリット部に集中して凝集
することになる。図4は、凝固殻11近傍における介在
物の挙動を模式的に表した図(水平断面図)であるが、
図中、12は非金属介在物を、13はよどみ部の凝固殻
に集中・凝集した非金属介在物13を、14はよどみ部
を、15は分割された内部水冷式セグメント15を、1
6はスリット、17は溶湯の流れを夫々示す。なお、ス
リット部16に集中・凝集した非金属介在物13は、そ
の場に存在する凝固殻11に強固に捕捉される為、再び
溶湯中に巻き込まれる恐れはなくなる。ここで、本発明
法を用いれば、液体状の非金属介在物であっても除去す
ることができる。
部、即ち、導電性金属溶湯外周部の凝固殻の内側に押し
出された介在物は、内側部分への電磁力が最も強い為、
その背後がよどみ部分となるスリット部に集中して凝集
することになる。図4は、凝固殻11近傍における介在
物の挙動を模式的に表した図(水平断面図)であるが、
図中、12は非金属介在物を、13はよどみ部の凝固殻
に集中・凝集した非金属介在物13を、14はよどみ部
を、15は分割された内部水冷式セグメント15を、1
6はスリット、17は溶湯の流れを夫々示す。なお、ス
リット部16に集中・凝集した非金属介在物13は、そ
の場に存在する凝固殻11に強固に捕捉される為、再び
溶湯中に巻き込まれる恐れはなくなる。ここで、本発明
法を用いれば、液体状の非金属介在物であっても除去す
ることができる。
【0031】引続き、この状態で鋳造するが、本発明法
により凝固殻11に強固に捕捉された介在物は、底部出
湯口3から鋳造する際、溶湯の流動過程で再び溶湯中に
巻き込まれる恐れはない為、鋳造過程においても非金属
介在物の除去能が低下することは決してない。図5に鋳
造時の様子を表す模式図を示す。図中、18は鋳型に注
入される金属溶湯18を、19は鋳塊を夫々意味する。
なお、鋳造法は同図に示す方法に限定されず、るつぼを
傾動させて鋳造するという最も一般的な方法を採用し得
る他、上部からノズルを浸漬する減圧鋳造法等も採用す
ることができ、要するに、溶湯のみを取出す鋳造方法で
あれば全て適用することができる。
により凝固殻11に強固に捕捉された介在物は、底部出
湯口3から鋳造する際、溶湯の流動過程で再び溶湯中に
巻き込まれる恐れはない為、鋳造過程においても非金属
介在物の除去能が低下することは決してない。図5に鋳
造時の様子を表す模式図を示す。図中、18は鋳型に注
入される金属溶湯18を、19は鋳塊を夫々意味する。
なお、鋳造法は同図に示す方法に限定されず、るつぼを
傾動させて鋳造するという最も一般的な方法を採用し得
る他、上部からノズルを浸漬する減圧鋳造法等も採用す
ることができ、要するに、溶湯のみを取出す鋳造方法で
あれば全て適用することができる。
【0032】本発明法により導電性金属溶湯中の非金属
介在物を除去する方法は上述した通りであるが、介在物
を凝固殻にうまく捕捉させるには以下の点に留意するこ
とが推奨される。
介在物を除去する方法は上述した通りであるが、介在物
を凝固殻にうまく捕捉させるには以下の点に留意するこ
とが推奨される。
【0033】まず、高周波磁場を印加するに当たって
は、磁場の浸透深さδと凝固殻の平均厚さdとの比[δ
/d]が[δ/d]≧1.00を満足する様に制御する
こと、即ち、δがdと同等であるか若しくはそれより大
きくなる周波数を有する高周波磁場を印加することが推
奨される。一般に周波数が高くなると磁場の浸透深さδ
が小さくなり、一方、周波数が低くなると磁場の浸透深
さδは大きくなるが、このδが大きくdが小さい、即
ち、[δ/d]≧1.00のときに非金属介在物の除去
能が顕著に高くなる。その理由は、δがdより小さい
と、溶湯に電磁力を与えることができず、非金属介在物
を容器外周部へ移動させることができないからである。
より好ましくは2.00以上、更により好ましくは4.
00以上である。なお、その上限は特に限定されない
が、溶解や溶湯保持の容易さ等を考慮すれば、30.0
0以下、より好ましくは25.00以下に制御すること
が推奨される。
は、磁場の浸透深さδと凝固殻の平均厚さdとの比[δ
/d]が[δ/d]≧1.00を満足する様に制御する
こと、即ち、δがdと同等であるか若しくはそれより大
きくなる周波数を有する高周波磁場を印加することが推
奨される。一般に周波数が高くなると磁場の浸透深さδ
が小さくなり、一方、周波数が低くなると磁場の浸透深
さδは大きくなるが、このδが大きくdが小さい、即
ち、[δ/d]≧1.00のときに非金属介在物の除去
能が顕著に高くなる。その理由は、δがdより小さい
と、溶湯に電磁力を与えることができず、非金属介在物
を容器外周部へ移動させることができないからである。
より好ましくは2.00以上、更により好ましくは4.
00以上である。なお、その上限は特に限定されない
が、溶解や溶湯保持の容易さ等を考慮すれば、30.0
0以下、より好ましくは25.00以下に制御すること
が推奨される。
【0034】また、導電性容器の半径Rと磁場の浸透深
さδの比[R/δ]は[R/δ]≧1.0を満足する様
に制御することが推奨される。δがRよりも大きくなる
と、重畳する部分で溶湯への電磁力が相殺され、非金属
介在物を導電性金属容器の外周部へ移動させることが困
難になるからである。より好ましくは2.0以上、更に
より好ましくは3.0以上である。なお、その上限は特
に限定されないが、溶解や溶湯保持の容易さ等を考慮す
れば、50.0以下、より好ましくは30.0以下に制
御することが推奨される。
さδの比[R/δ]は[R/δ]≧1.0を満足する様
に制御することが推奨される。δがRよりも大きくなる
と、重畳する部分で溶湯への電磁力が相殺され、非金属
介在物を導電性金属容器の外周部へ移動させることが困
難になるからである。より好ましくは2.0以上、更に
より好ましくは3.0以上である。なお、その上限は特
に限定されないが、溶解や溶湯保持の容易さ等を考慮す
れば、50.0以下、より好ましくは30.0以下に制
御することが推奨される。
【0035】また、導電性金属溶湯を溶解保持した後鋳
造する直前(例えば数十秒〜3分前)に出力を数〜10
%程度落とし、凝固殻の厚さを厚くして非金属介在物の
上記凝固殻への捕捉を強固にしてから鋳造を行うこと
は、非金属介在物の除去率が一層高まるので特に有用で
ある。
造する直前(例えば数十秒〜3分前)に出力を数〜10
%程度落とし、凝固殻の厚さを厚くして非金属介在物の
上記凝固殻への捕捉を強固にしてから鋳造を行うこと
は、非金属介在物の除去率が一層高まるので特に有用で
ある。
【0036】その他、保持時間、出力、容器形状、雰囲
気、更には溶解する材料等につき、後記する実施例に示
す如く種々条件を変化させて非金属介在物の除去率との
関係を検討した結果、以下のことが明らかになった。
気、更には溶解する材料等につき、後記する実施例に示
す如く種々条件を変化させて非金属介在物の除去率との
関係を検討した結果、以下のことが明らかになった。
【0037】保持時間は1分間程度の短時間でも99%
程度の除去能を達成できたが、長ければ長いほど一層優
れた除去率が得られ、好ましい。除去能と実操業レベル
とのバランスを考慮すれば、保持時間を3〜60分とす
ることが推奨される。
程度の除去能を達成できたが、長ければ長いほど一層優
れた除去率が得られ、好ましい。除去能と実操業レベル
とのバランスを考慮すれば、保持時間を3〜60分とす
ることが推奨される。
【0038】出力は、200kW程度の低出力でも98
%程度の高除去能が得られたが、高出力になるほど除去
率は大きくなり、より好ましい。
%程度の高除去能が得られたが、高出力になるほど除去
率は大きくなり、より好ましい。
【0039】容器形状については特に限定されず、円
形、矩形等の形状を問わず、98%以上の充分な除去率
が得られる。
形、矩形等の形状を問わず、98%以上の充分な除去率
が得られる。
【0040】雰囲気については、真空排気(例えば1×
10-2Torr)後アルゴン置換したものは99%程度
の高除去率が得られるのに対し、単にアルゴン気流、大
気、窒素雰囲気で処理した場合は、酸化や窒化による影
響の為、除去率(鋳造により得られた鋳塊中の総介在物
量+凝固殻に付着した総介在物量を100とした場合)
は低下したものの、約50%以上の除去率が得られた。
10-2Torr)後アルゴン置換したものは99%程度
の高除去率が得られるのに対し、単にアルゴン気流、大
気、窒素雰囲気で処理した場合は、酸化や窒化による影
響の為、除去率(鋳造により得られた鋳塊中の総介在物
量+凝固殻に付着した総介在物量を100とした場合)
は低下したものの、約50%以上の除去率が得られた。
【0041】更に本発明では、介在物除去性能の更なる
向上を目指して、セラミックスフィルターによる濾去を
組合せて行うことが推奨される。これは、介在物を凝固
殻に捕集する上記方法(以下、凝固殻捕集方法と略記す
る場合がある)に、セラミックスフィルターによる濾去
を組合わせたものであり、凝固殻捕集方法のみでは除去
し難い、数μ以下の微小な非金属介在物はセラミックス
フィルターによって濾去されるため、介在物除去性能を
一層高めることができる点で有用である。
向上を目指して、セラミックスフィルターによる濾去を
組合せて行うことが推奨される。これは、介在物を凝固
殻に捕集する上記方法(以下、凝固殻捕集方法と略記す
る場合がある)に、セラミックスフィルターによる濾去
を組合わせたものであり、凝固殻捕集方法のみでは除去
し難い、数μ以下の微小な非金属介在物はセラミックス
フィルターによって濾去されるため、介在物除去性能を
一層高めることができる点で有用である。
【0042】従来、鋼の鋳造において、セラミックスフ
ィルターはあまり使用されていなかった。その理由は、
セラミックスフィルターの使用により微小非金属介在物
を除去し得たとしても、溶鋼中にセラミックスフィルタ
ーそのものが溶損脱落し、それ自身が介在物の原因を招
くと考えられていたからである。
ィルターはあまり使用されていなかった。その理由は、
セラミックスフィルターの使用により微小非金属介在物
を除去し得たとしても、溶鋼中にセラミックスフィルタ
ーそのものが溶損脱落し、それ自身が介在物の原因を招
くと考えられていたからである。
【0043】しかしながら、上述した凝固殻捕集方法に
セラミックスフィルターによる濾去法を組合わせた場
合、溶鋼中に、微小非金属介在物を捕捉したセラミック
スフィルターが脱落したとしても、このセラミックスフ
ィルターごと、そっくりそのまま保持容器内壁に形成さ
れる凝固殻に捕捉されることになる。従って、この方法
を採用すれば、フィルター脱落による悪影響もなく、微
小非金属介在物もセラミックスフィルター内部に付着し
たまま除去できるのである。
セラミックスフィルターによる濾去法を組合わせた場
合、溶鋼中に、微小非金属介在物を捕捉したセラミック
スフィルターが脱落したとしても、このセラミックスフ
ィルターごと、そっくりそのまま保持容器内壁に形成さ
れる凝固殻に捕捉されることになる。従って、この方法
を採用すれば、フィルター脱落による悪影響もなく、微
小非金属介在物もセラミックスフィルター内部に付着し
たまま除去できるのである。
【0044】また、アルミニウムおよびアルミニウム合
金の製造過程では、主にアルミナ製セラミックスフィル
ターが汎用されているが、フィルターによって溶湯が濾
過される前に酸化膜等が捕捉・堆積され、フィルターが
閉塞して次第に溶湯が濾過され難くなるという問題があ
った。上記方法は、この様なフィルター寿命の延長とい
う要望にも応えるものであり、前記凝固殻捕集方法によ
って導電性溶湯に含まれる酸化膜等の介在物が除去され
る結果、フィルターには酸化膜以外の微小介在物を含む
溶湯が導入され、濾過される結果、溶湯の清浄度が一層
増し、フィルター寿命も高められる点で有用である。
金の製造過程では、主にアルミナ製セラミックスフィル
ターが汎用されているが、フィルターによって溶湯が濾
過される前に酸化膜等が捕捉・堆積され、フィルターが
閉塞して次第に溶湯が濾過され難くなるという問題があ
った。上記方法は、この様なフィルター寿命の延長とい
う要望にも応えるものであり、前記凝固殻捕集方法によ
って導電性溶湯に含まれる酸化膜等の介在物が除去され
る結果、フィルターには酸化膜以外の微小介在物を含む
溶湯が導入され、濾過される結果、溶湯の清浄度が一層
増し、フィルター寿命も高められる点で有用である。
【0045】この様に本発明によれば、鋼の鋳造に当た
り、使用が困難であると考えられていたセラミックスフ
ィルターを、内部水冷式セグメント構造の容器と組合わ
せて使用することにより、セラミックスフィルターの溶
損脱落を防止しつつ、凝固殻捕集方法による利点とセラ
ミックスフィルター使用による利点を有効に発揮させる
ことができた点で極めて意義深い。
り、使用が困難であると考えられていたセラミックスフ
ィルターを、内部水冷式セグメント構造の容器と組合わ
せて使用することにより、セラミックスフィルターの溶
損脱落を防止しつつ、凝固殻捕集方法による利点とセラ
ミックスフィルター使用による利点を有効に発揮させる
ことができた点で極めて意義深い。
【0046】上記方法を実施する方法としては、セラ
ミックスフィルターを鋳型直前に設置する方法(図
6)、及び浸漬式セラミックスフィルターを導電性容
器上部に設置する方法(図7)が代表的に挙げられる。
以下、各方法について、図6及び図7を用いながら詳細
に説明する。勿論、これらの方法は上記方法を実施する
ための代表例であって、本発明を限定する趣旨では全く
ない。
ミックスフィルターを鋳型直前に設置する方法(図
6)、及び浸漬式セラミックスフィルターを導電性容
器上部に設置する方法(図7)が代表的に挙げられる。
以下、各方法について、図6及び図7を用いながら詳細
に説明する。勿論、これらの方法は上記方法を実施する
ための代表例であって、本発明を限定する趣旨では全く
ない。
【0047】まず、図6は、図5の装置において、鋳型
の直前にセラミックスフィルターを設置したものであ
り、図中、20はセラミックスフィルターを、21はセ
ラミックスフィルターに捕捉された介在物を示す。詳細
には、図6の装置は、分割された内部水冷式セグメント
構造の導電性容器1の周囲に高周波誘導コイル2を設置
し、この容器内で導電性金属溶湯10の高周波誘導溶解
を行い、底部に設置した出湯口3から鋳造するという図
5の装置において、鋳型7の直前にセラミックスフィル
ター20が設置されたものである。この装置を使用すれ
ば、装置外周部に形成された凝固殻11に非金属介在物
が捕捉されると共に、該凝固殻では捕捉しきれなかった
溶湯中の微小非金属介在物は、鋳型7に導入される前
に、鋳型直前に設置されたセラミックスフィルター20
により濾去される結果、セラミックスフィルターを使用
しない場合に比べ、除去性能が一層高められる。
の直前にセラミックスフィルターを設置したものであ
り、図中、20はセラミックスフィルターを、21はセ
ラミックスフィルターに捕捉された介在物を示す。詳細
には、図6の装置は、分割された内部水冷式セグメント
構造の導電性容器1の周囲に高周波誘導コイル2を設置
し、この容器内で導電性金属溶湯10の高周波誘導溶解
を行い、底部に設置した出湯口3から鋳造するという図
5の装置において、鋳型7の直前にセラミックスフィル
ター20が設置されたものである。この装置を使用すれ
ば、装置外周部に形成された凝固殻11に非金属介在物
が捕捉されると共に、該凝固殻では捕捉しきれなかった
溶湯中の微小非金属介在物は、鋳型7に導入される前
に、鋳型直前に設置されたセラミックスフィルター20
により濾去される結果、セラミックスフィルターを使用
しない場合に比べ、除去性能が一層高められる。
【0048】ここで、使用するセラミックスフィルター
は特に限定されず、溶鋼の濾過に通常用いられるもので
あれば特に限定されない。
は特に限定されず、溶鋼の濾過に通常用いられるもので
あれば特に限定されない。
【0049】また、図7は、導電性容器上部に浸漬式セ
ラミックスフィルターを設置したものであり、図中、2
2は金属溶湯の流れを、23は浸漬式セラミックスフィ
ルターを、24は溶損脱落したセラミックスフィルター
の破片を夫々示す。詳細には、分割された内部水冷式セ
グメント構造の導電性容器1の周囲に高周波誘導コイル
2を設置し、この容器内で導電性金属溶湯10の高周波
誘導溶解を行い、底部に設置した出湯口3から鋳造する
図5の装置において、該導電性容器1の上部にセラミッ
クスフィルター23が浸漬されたものである。この装置
を使用すれば、導電性金属溶湯の溶解保持中、装置外周
部に形成された凝固殻11に非金属介在物が捕捉される
と同時に、該凝固殻では捕捉し難い溶湯中の微小非金属
介在物はセラミックスフィルター20により濾去される
ため、清浄度の高い金属溶湯18が鋳型7に注入される
ことになる。尚、図7に示す如く、装置の中心部では導
電性金属溶湯の上昇流が、装置の周辺部では導電性金属
溶湯の下降流が存在していることを考慮すれば、使用す
る浸漬式セラミックスフィルターとしては、特に管状の
多孔質セラミックスフィルターが推奨される。
ラミックスフィルターを設置したものであり、図中、2
2は金属溶湯の流れを、23は浸漬式セラミックスフィ
ルターを、24は溶損脱落したセラミックスフィルター
の破片を夫々示す。詳細には、分割された内部水冷式セ
グメント構造の導電性容器1の周囲に高周波誘導コイル
2を設置し、この容器内で導電性金属溶湯10の高周波
誘導溶解を行い、底部に設置した出湯口3から鋳造する
図5の装置において、該導電性容器1の上部にセラミッ
クスフィルター23が浸漬されたものである。この装置
を使用すれば、導電性金属溶湯の溶解保持中、装置外周
部に形成された凝固殻11に非金属介在物が捕捉される
と同時に、該凝固殻では捕捉し難い溶湯中の微小非金属
介在物はセラミックスフィルター20により濾去される
ため、清浄度の高い金属溶湯18が鋳型7に注入される
ことになる。尚、図7に示す如く、装置の中心部では導
電性金属溶湯の上昇流が、装置の周辺部では導電性金属
溶湯の下降流が存在していることを考慮すれば、使用す
る浸漬式セラミックスフィルターとしては、特に管状の
多孔質セラミックスフィルターが推奨される。
【0050】次に、上述した凝固殻捕集方法を実施する
ための本発明装置(即ち、分割された内部水冷式セグメ
ント構造の銅製導電性容器の周囲に高周波コイルが設置
された装置;以下、本発明装置と略記する場合がある)
を用いて鋳造する方法について、図8及び図9を代表的
に取上げ、説明する。勿論、鋳造方法はこれらの方法に
限定されないことは言うまでもなく、本発明装置として
は、上記図6及び図7に示す如く、セラミックスフィル
ターが設置されたものを使用しても構わない。
ための本発明装置(即ち、分割された内部水冷式セグメ
ント構造の銅製導電性容器の周囲に高周波コイルが設置
された装置;以下、本発明装置と略記する場合がある)
を用いて鋳造する方法について、図8及び図9を代表的
に取上げ、説明する。勿論、鋳造方法はこれらの方法に
限定されないことは言うまでもなく、本発明装置として
は、上記図6及び図7に示す如く、セラミックスフィル
ターが設置されたものを使用しても構わない。
【0051】まず、図8は、タンデイッシュと鋳型の間
に本発明装置を設置したものであり、図中、25は取
鍋、26はタンデイッシュ、27は鋳型、28は冷却
水、29は鋳片、30はノズルを夫々示す。詳細には、
鋳型27直前のタンデイッシュ26下部に、本発明装
置、即ち、分割された内部水冷式セグメント構造の銅製
導電性容器1の周囲に高周波コイル2が設置された装置
を設置し、この容器内で、導電性金属溶湯の高周波誘導
溶解を行い、底部に設置された出湯口3から鋳造する。
に本発明装置を設置したものであり、図中、25は取
鍋、26はタンデイッシュ、27は鋳型、28は冷却
水、29は鋳片、30はノズルを夫々示す。詳細には、
鋳型27直前のタンデイッシュ26下部に、本発明装
置、即ち、分割された内部水冷式セグメント構造の銅製
導電性容器1の周囲に高周波コイル2が設置された装置
を設置し、この容器内で、導電性金属溶湯の高周波誘導
溶解を行い、底部に設置された出湯口3から鋳造する。
【0052】この鋳造方法を採用すれば、タンデイッシ
ュで浮上分離されなかった介在物は本発明装置内で凝集
し、凝固殻に除去されることになる。本発明装置を設置
しない場合、非金属介在物を高レベルで除去することが
できず、ノズル30の側面に介在物が付着し、ノズルが
閉塞するという問題があったが、タンディッシュ下部に
本発明装置を設置した図8の場合には、該装置内の凝固
殻で介在物が効率よく除去されるため、ノズル閉塞の問
題も回避でき、ノズルの寿命が高められる点で極めて有
用である。或いは、本発明装置をタンデイッシュとして
使用することも可能であり、鋳造工程での優れた介在物
除去装置として幅広く応用することができる。
ュで浮上分離されなかった介在物は本発明装置内で凝集
し、凝固殻に除去されることになる。本発明装置を設置
しない場合、非金属介在物を高レベルで除去することが
できず、ノズル30の側面に介在物が付着し、ノズルが
閉塞するという問題があったが、タンディッシュ下部に
本発明装置を設置した図8の場合には、該装置内の凝固
殻で介在物が効率よく除去されるため、ノズル閉塞の問
題も回避でき、ノズルの寿命が高められる点で極めて有
用である。或いは、本発明装置をタンデイッシュとして
使用することも可能であり、鋳造工程での優れた介在物
除去装置として幅広く応用することができる。
【0053】また、図9は、タンデイッシュ26の直上
に本発明装置を浸漬したものであり、タンデイッシュ下
部に本発明装置を設置したこと以外は図8と同じであ
る。
に本発明装置を浸漬したものであり、タンデイッシュ下
部に本発明装置を設置したこと以外は図8と同じであ
る。
【0054】この鋳造方法を採用すれば、溶鋼中、タン
デイッシュに浮遊している非金属介在物を効率よく捕捉
することができ、清浄度の高い金属溶湯がノズルを経て
鋳型に注入される結果、介在物除去性能の上昇、ノズル
寿命の延長などが図れる点で有用である。
デイッシュに浮遊している非金属介在物を効率よく捕捉
することができ、清浄度の高い金属溶湯がノズルを経て
鋳型に注入される結果、介在物除去性能の上昇、ノズル
寿命の延長などが図れる点で有用である。
【0055】この様に本発明法は、導電性金属溶湯に含
まれる非金属介在物を高レベルで効率よく除去できる
「非金属介在物の除去」として有用であるが、それにと
どまらず、本発明法によって凝固殻に捕捉される非金属
介在物を分析することにより、導電性金属溶湯の清浄度
を感度良く評価できる「導電性金属溶湯の清浄度評価方
法」としても利用することができる。
まれる非金属介在物を高レベルで効率よく除去できる
「非金属介在物の除去」として有用であるが、それにと
どまらず、本発明法によって凝固殻に捕捉される非金属
介在物を分析することにより、導電性金属溶湯の清浄度
を感度良く評価できる「導電性金属溶湯の清浄度評価方
法」としても利用することができる。
【0056】導電性金属溶湯の清浄度を評価する方法と
しては、例えば酸溶解法等の湿式抽出法が知られてい
る。この抽出法は、硫酸、硝酸などの強酸に鋼を加えて
加熱し、濾過により介在物を濾去するものであるが、
介在物の濾去に長時間要し、しかも一度に数g程度の少
量サンプルしか処理できないこと、CaO等、水溶液
に溶解する介在物を抽出することができず、抽出率の低
下が懸念される、等の問題があった。
しては、例えば酸溶解法等の湿式抽出法が知られてい
る。この抽出法は、硫酸、硝酸などの強酸に鋼を加えて
加熱し、濾過により介在物を濾去するものであるが、
介在物の濾去に長時間要し、しかも一度に数g程度の少
量サンプルしか処理できないこと、CaO等、水溶液
に溶解する介在物を抽出することができず、抽出率の低
下が懸念される、等の問題があった。
【0057】これに対し、本発明法を採用すれば、一度
に数kg程度の多量サンプルを僅か10〜15分程度で
処理することができ、しかも、水を使用しない乾式抽出
法であるため、酸溶解介在物を含む全ての酸化物を効率
よく抽出できるのである。更に後記する実施例に示す通
り、本発明法によって除去された非金属介在物の組成
は、酸溶解法によって抽出された非金属介在物と同じで
あり、試酸溶解法に代わる抽出効率の高い代替法を提供
できた点で極めて有用である。
に数kg程度の多量サンプルを僅か10〜15分程度で
処理することができ、しかも、水を使用しない乾式抽出
法であるため、酸溶解介在物を含む全ての酸化物を効率
よく抽出できるのである。更に後記する実施例に示す通
り、本発明法によって除去された非金属介在物の組成
は、酸溶解法によって抽出された非金属介在物と同じで
あり、試酸溶解法に代わる抽出効率の高い代替法を提供
できた点で極めて有用である。
【0058】以下、実施例に基づいて本発明を詳細に述
べる。ただし、下記実施例は本発明を制限するものでは
なく、前・後記の趣旨を逸脱しない範囲で変更実施する
ことは本発明の技術的範囲に包含される。
べる。ただし、下記実施例は本発明を制限するものでは
なく、前・後記の趣旨を逸脱しない範囲で変更実施する
ことは本発明の技術的範囲に包含される。
【0059】
【実施例】実施例1:図1の装置を用いた非金属介在物
の除去方法 本実施例では、表1及び2に示す種々の実験条件(溶解
材料、雰囲気、容器径、容器形状、周波数、出力、保持
時間)を変化させ、これらの因子が非金属介在物の除去
率に及ぼす影響を調べると共に、磁場の浸透深さδと凝
固殻の平均厚さdとの比[δ/d]や、導電性容器の半
径Rと磁場の浸透深さδの比[R/δ]が介在物の除去
率に及ぼす影響についても調べた。
の除去方法 本実施例では、表1及び2に示す種々の実験条件(溶解
材料、雰囲気、容器径、容器形状、周波数、出力、保持
時間)を変化させ、これらの因子が非金属介在物の除去
率に及ぼす影響を調べると共に、磁場の浸透深さδと凝
固殻の平均厚さdとの比[δ/d]や、導電性容器の半
径Rと磁場の浸透深さδの比[R/δ]が介在物の除去
率に及ぼす影響についても調べた。
【0060】具体的には、前記図1に示す導電性容器内
に、少量の非金属介在物を含有する市販の溶解原料を装
入し、一定時間溶解・保持した後、底部出湯を行い、凝
固殻内に残留した介在物の総量を測定することにより、
該介在物の除去率を算出した。その結果を表1及び表2
に併記する。
に、少量の非金属介在物を含有する市販の溶解原料を装
入し、一定時間溶解・保持した後、底部出湯を行い、凝
固殻内に残留した介在物の総量を測定することにより、
該介在物の除去率を算出した。その結果を表1及び表2
に併記する。
【0061】
【表1】
【0062】
【表2】
【0063】上記表の結果より以下の様に考察すること
ができる。
ができる。
【0064】[No.1−0]溶解材料に高周波磁場を印
加しない例であり、基準値として使用した。
加しない例であり、基準値として使用した。
【0065】[No.1−1〜1−5]保持時間を1〜6
0分まで変化させ、介在物の除去能に及ぼす保持時間の
影響について調べた。その結果、保持時間が1分程度の
短時間であっても、介在物の除去率は99.6%と極め
て高度に除去することができることが分かった。但し、
長時間保持すれば一層除去能は高まり、60分保持した
場合には、除去能は99.8%まで上昇した。
0分まで変化させ、介在物の除去能に及ぼす保持時間の
影響について調べた。その結果、保持時間が1分程度の
短時間であっても、介在物の除去率は99.6%と極め
て高度に除去することができることが分かった。但し、
長時間保持すれば一層除去能は高まり、60分保持した
場合には、除去能は99.8%まで上昇した。
【0066】[No.1−4,1−6〜1−8]出力を2
00〜400kWまで変化させ、介在物の除去能に及ぼ
す出力の影響について調べた。その結果、出力が200
kW程度の低出力であっても、介在物の除去率は約98
%と優れた除去能を発揮させることができた。但し、出
力が高くなればなる程一層除去能は高まり、400kW
の場合は、除去能は99.6%まで上昇した。尚、本実
施例では出力が高くなればなる程、側部凝固殻の平均厚
さdは小さくなるが、電流の浸透深さδと凝固殻の平均
厚さdとの比[δ/d]が本発明の好ましい要件を満足
している為、介在物の除去能に対しては影響がなかっ
た。
00〜400kWまで変化させ、介在物の除去能に及ぼ
す出力の影響について調べた。その結果、出力が200
kW程度の低出力であっても、介在物の除去率は約98
%と優れた除去能を発揮させることができた。但し、出
力が高くなればなる程一層除去能は高まり、400kW
の場合は、除去能は99.6%まで上昇した。尚、本実
施例では出力が高くなればなる程、側部凝固殻の平均厚
さdは小さくなるが、電流の浸透深さδと凝固殻の平均
厚さdとの比[δ/d]が本発明の好ましい要件を満足
している為、介在物の除去能に対しては影響がなかっ
た。
【0067】[No.1−4,1−9〜1−13]周波数
を0.5〜100kHzまで変化させ、介在物の除去能
に及ぼす周波数の影響について調べた。尚、No.1−1
1では、側部凝固殻の平均厚さdを大きくし、δ/dを
変化させる為に出力を250kWに落としている。
を0.5〜100kHzまで変化させ、介在物の除去能
に及ぼす周波数の影響について調べた。尚、No.1−1
1では、側部凝固殻の平均厚さdを大きくし、δ/dを
変化させる為に出力を250kWに落としている。
【0068】前述した通り、周波数が高くなると浸透深
さδは小さくなり、周波数が低くなると浸透深さδは大
きくなるが、この[δ/d]が1.00以上であれば、
約75%以上の介在物除去率が得られることが分かっ
た。この比が大きくなればなる程、除去率も高くなる
が、[δ/d]が30.0を超えると溶解が不安定にな
り、データを採取することができなかった。一方、[δ
/d]<1.00の場合、24%の除去率しか得られな
かった。
さδは小さくなり、周波数が低くなると浸透深さδは大
きくなるが、この[δ/d]が1.00以上であれば、
約75%以上の介在物除去率が得られることが分かっ
た。この比が大きくなればなる程、除去率も高くなる
が、[δ/d]が30.0を超えると溶解が不安定にな
り、データを採取することができなかった。一方、[δ
/d]<1.00の場合、24%の除去率しか得られな
かった。
【0069】[No.1−4,1−14〜1−18]容器
径Rを11〜200(2Rで22〜400)まで変化さ
せ、介在物の除去能に及ぼす容器径の影響について調べ
た。No.1−14で周波数を0.5kHzにしたのは、
容器径2Rが400mmになると、このくらいの周波数
でないと溶解できないからである。
径Rを11〜200(2Rで22〜400)まで変化さ
せ、介在物の除去能に及ぼす容器径の影響について調べ
た。No.1−14で周波数を0.5kHzにしたのは、
容器径2Rが400mmになると、このくらいの周波数
でないと溶解できないからである。
【0070】本実施例では、容器径Rが大きくなれば概
ね凝固殻の平均厚さdは小さくなる傾向が見られたが、
上記Rと磁場の浸透深さδとの比[R/δ]は全て1.
0以上を満足しているので、いずれも92%以上の優れ
た除去率が得られている。
ね凝固殻の平均厚さdは小さくなる傾向が見られたが、
上記Rと磁場の浸透深さδとの比[R/δ]は全て1.
0以上を満足しているので、いずれも92%以上の優れ
た除去率が得られている。
【0071】[No.1−19〜1−21]るつぼの形状
を変化させ、介在物の除去能に及ぼするつぼ形状の影響
について調べた。その結果、るつぼの形状は円形、矩形
を問わず、いずれも98%以上の優れた除去率が得られ
ることが分かった。
を変化させ、介在物の除去能に及ぼするつぼ形状の影響
について調べた。その結果、るつぼの形状は円形、矩形
を問わず、いずれも98%以上の優れた除去率が得られ
ることが分かった。
【0072】[No.1−4,1−19〜1−22]雰囲
気を種々変化させ、介在物の除去能に及ぼす雰囲気の影
響について調べた。このうちNo.1−4は、一旦、1×
10-2Torr以下まで真空排気を行い、その後アルゴ
ン置換した例、No.1−19〜22は、真空排気せず単
に大気、窒素、アルゴン気流にて処理した例である。そ
の結果、真空排気後アルゴン置換したNo.1−4では、
99.6%の極めて優れた除去率が得られた。一方、単
なるアルゴン気流や大気、窒素雰囲気で処理した1−1
9〜1−22では、酸化や窒化の影響により介在物量が
増加した為、介在物除去率を算出するに当たっては、
[鋳造により得られた鋳塊中の総介在物量+凝固殻中の
総介在物量]を100として計算した。介在物除去率を
比較すると、真空排気後アルゴン置換する場合に比べ除
去率は低下するものの、50%以上の除去率が得られる
ことが分かった。
気を種々変化させ、介在物の除去能に及ぼす雰囲気の影
響について調べた。このうちNo.1−4は、一旦、1×
10-2Torr以下まで真空排気を行い、その後アルゴ
ン置換した例、No.1−19〜22は、真空排気せず単
に大気、窒素、アルゴン気流にて処理した例である。そ
の結果、真空排気後アルゴン置換したNo.1−4では、
99.6%の極めて優れた除去率が得られた。一方、単
なるアルゴン気流や大気、窒素雰囲気で処理した1−1
9〜1−22では、酸化や窒化の影響により介在物量が
増加した為、介在物除去率を算出するに当たっては、
[鋳造により得られた鋳塊中の総介在物量+凝固殻中の
総介在物量]を100として計算した。介在物除去率を
比較すると、真空排気後アルゴン置換する場合に比べ除
去率は低下するものの、50%以上の除去率が得られる
ことが分かった。
【0073】[No.2−1〜10−1]溶解材料を種々
変化させ、介在物の除去能に及ぼす溶解材料の影響につ
いて調べた。尚、表中*2は推定値である。磁場の浸透
深さδを算出する為には電気伝導度のデータが必要であ
るが、Ti−Nb,Ti−Alの合金組成に関する電気
伝導度のデータがないため、推定値とした次第である。
変化させ、介在物の除去能に及ぼす溶解材料の影響につ
いて調べた。尚、表中*2は推定値である。磁場の浸透
深さδを算出する為には電気伝導度のデータが必要であ
るが、Ti−Nb,Ti−Alの合金組成に関する電気
伝導度のデータがないため、推定値とした次第である。
【0074】その結果、炭素鋼のみならず炭素鋼以外の
溶解材料(Ti,V,Zr,Ti−Nb,Ti−Al,
Cr,Al合金、Cu合金,Si)を使用した場合であ
っても75%以上の除去率が得られた。従って、本発明
法は炭素鋼以外の材料にも適応可能であることが分かっ
た。
溶解材料(Ti,V,Zr,Ti−Nb,Ti−Al,
Cr,Al合金、Cu合金,Si)を使用した場合であ
っても75%以上の除去率が得られた。従って、本発明
法は炭素鋼以外の材料にも適応可能であることが分かっ
た。
【0075】[No.1−23〜1−24]鋳造直前に出
力を落した場合における介在物の除去能に及ぼす影響に
ついて調べた。その結果、実施例1−4,1−6と同様
の実験系において、鋳造直前1分前に出力を20kw落
し、凝固殻をやや厚くしたNo.1−23及び1−24で
は、除去率が一層向上した。
力を落した場合における介在物の除去能に及ぼす影響に
ついて調べた。その結果、実施例1−4,1−6と同様
の実験系において、鋳造直前1分前に出力を20kw落
し、凝固殻をやや厚くしたNo.1−23及び1−24で
は、除去率が一層向上した。
【0076】[No.1−25]前記No.1−4〜1−8
の実験系において、側壁の凝固殻が存在できなくなる条
件、即ち、出力を450kWまで高め、側面から中心に
向かっての電磁力が、完全に溶湯の静水圧分を支える条
件にしたところ、側部凝固殻の平均厚さdはゼロとな
り、除去率は22%と著しく低下した。これは、側面部
の溶湯表面に介在物は移動してくるものの、本発明の如
く該介在物を捕捉する凝固殻が存在しない為、鋳造時
に、溶湯と共に鋳型内に流入するからと考えられる。
の実験系において、側壁の凝固殻が存在できなくなる条
件、即ち、出力を450kWまで高め、側面から中心に
向かっての電磁力が、完全に溶湯の静水圧分を支える条
件にしたところ、側部凝固殻の平均厚さdはゼロとな
り、除去率は22%と著しく低下した。これは、側面部
の溶湯表面に介在物は移動してくるものの、本発明の如
く該介在物を捕捉する凝固殻が存在しない為、鋳造時
に、溶湯と共に鋳型内に流入するからと考えられる。
【0077】尚、本実施例において、凝固殻に付着した
炭素鋼等の介在物を調べたところ、いずれの場合も、粒
径20μm以上の大きな介在物から、粒径1μm以下の
微小介在物に至るまで全て除去されていることを確認で
きた。
炭素鋼等の介在物を調べたところ、いずれの場合も、粒
径20μm以上の大きな介在物から、粒径1μm以下の
微小介在物に至るまで全て除去されていることを確認で
きた。
【0078】この様に本発明法を採用すれば、炭素鋼の
みならず炭素鋼以外の溶解材料についても適用可能であ
り、いずれの場合も高い除去率が得られることが確認で
きた。
みならず炭素鋼以外の溶解材料についても適用可能であ
り、いずれの場合も高い除去率が得られることが確認で
きた。
【0079】実施例2:図6の装置を用いた非金属介在
物の除去方法 本実施例では、鋳型直前に多孔質セラミックスフィルタ
ーを設置した図6の装置を用い、非金属介在物の除去率
を実施例1と同様にして測定することにより、セラミッ
クスフィルター設置による除去性能を評価した。
物の除去方法 本実施例では、鋳型直前に多孔質セラミックスフィルタ
ーを設置した図6の装置を用い、非金属介在物の除去率
を実施例1と同様にして測定することにより、セラミッ
クスフィルター設置による除去性能を評価した。
【0080】具体的には、表1のNo.1−7,1−8,
1−14及び表2の8−1について、図6の装置を用い
て介在物除去率を夫々測定し、図1の装置を用いた場合
の介在物除去率と比較した。その結果、図6の装置を用
いると図1の装置を用いた場合に比べ、介在物除去率は
夫々、No.1−7で98.8%→99.4%、No.1−
8で98.2%→98.8%、No.1−14で97.6
%→98.8%、No.8−1で96.8%→97.8%
と、0.6〜1.2%増加しており、セラミックスフィ
ルター設置により介在物除去性能が一層高められること
が分かった。
1−14及び表2の8−1について、図6の装置を用い
て介在物除去率を夫々測定し、図1の装置を用いた場合
の介在物除去率と比較した。その結果、図6の装置を用
いると図1の装置を用いた場合に比べ、介在物除去率は
夫々、No.1−7で98.8%→99.4%、No.1−
8で98.2%→98.8%、No.1−14で97.6
%→98.8%、No.8−1で96.8%→97.8%
と、0.6〜1.2%増加しており、セラミックスフィ
ルター設置により介在物除去性能が一層高められること
が分かった。
【0081】また、使用後のセラミックスフィルターを
観察したところ、溶損脱落も見られなかった。その理由
としては、本発明では導電性容器として内部水冷式セグ
メント構造の容器を用いているので、溶湯の過熱度
「(実際の温度)−(液相線温度)」が約30〜50℃
と、一般の耐火物容器を用いた場合の過熱度(100〜
150℃)に比べて低く、これが、セラミックスフィル
ターの溶損脱落防止に寄与したものと考えられる。
観察したところ、溶損脱落も見られなかった。その理由
としては、本発明では導電性容器として内部水冷式セグ
メント構造の容器を用いているので、溶湯の過熱度
「(実際の温度)−(液相線温度)」が約30〜50℃
と、一般の耐火物容器を用いた場合の過熱度(100〜
150℃)に比べて低く、これが、セラミックスフィル
ターの溶損脱落防止に寄与したものと考えられる。
【0082】実施例3:図7の装置を用いた非金属介在
物の除去方法 本実施例では、図1の装置において、導電性容器1の上
部に浸漬式管状セラミックスフィルター23を設置した
図7の装置を用い、非金属介在物の除去率を実施例1と
同様にして測定することにより、浸漬式セラミックスフ
ィルター設置による介在物除去性能を評価した。
物の除去方法 本実施例では、図1の装置において、導電性容器1の上
部に浸漬式管状セラミックスフィルター23を設置した
図7の装置を用い、非金属介在物の除去率を実施例1と
同様にして測定することにより、浸漬式セラミックスフ
ィルター設置による介在物除去性能を評価した。
【0083】具体的には、表1のNo.1−7,1−8,
1−14及び表2の8−1について、図6の装置を用い
て介在物除去率を夫々測定し、図1の装置を用いた場合
の介在物除去率と比較した。その結果、図7の装置を用
いると図1の装置を用いた場合に比べ、介在物除去率は
夫々、No.1−7で98.8%→99.8%、No.1−
8で98.2%→99.6%、No.1−14で97.6
%→99.6%、No.8−1で96.8%→98.8%
と、1.0〜2.0%増加しており、浸漬式セラミック
スフィルター設置による介在物除去性能が向上すること
が分かった。
1−14及び表2の8−1について、図6の装置を用い
て介在物除去率を夫々測定し、図1の装置を用いた場合
の介在物除去率と比較した。その結果、図7の装置を用
いると図1の装置を用いた場合に比べ、介在物除去率は
夫々、No.1−7で98.8%→99.8%、No.1−
8で98.2%→99.6%、No.1−14で97.6
%→99.6%、No.8−1で96.8%→98.8%
と、1.0〜2.0%増加しており、浸漬式セラミック
スフィルター設置による介在物除去性能が向上すること
が分かった。
【0084】また、使用後の浸漬式セラミックスフィル
ターを観察したところ、少量の溶損脱落が認められた
が、凝固殻に捕捉除去されていた。
ターを観察したところ、少量の溶損脱落が認められた
が、凝固殻に捕捉除去されていた。
【0085】実施例7:図8の装置を用いた鋳造方法 本実施例では、鋳型直前のタンデイッシュ下部に本発明
装置(セラミックスフィルターなし)を設置した図8の
装置を用い、鋳片の清浄度向上効果を調べた。
装置(セラミックスフィルターなし)を設置した図8の
装置を用い、鋳片の清浄度向上効果を調べた。
【0086】具体的には、取鍋25内の溶鋼(バネ用
鋼)を一のタンデイッシュに受け、2ストランドの連続
鋳造を行う際、一方のタンデイッシュ出口には本発明装
置を設置し、もう一方のタンデイッシュ出口にはタンデ
イッシュ出口を設置せずに夫々鋳造した場合における鋳
片の清浄度を、トータル酸素で比較検討した。
鋼)を一のタンデイッシュに受け、2ストランドの連続
鋳造を行う際、一方のタンデイッシュ出口には本発明装
置を設置し、もう一方のタンデイッシュ出口にはタンデ
イッシュ出口を設置せずに夫々鋳造した場合における鋳
片の清浄度を、トータル酸素で比較検討した。
【0087】その結果、溶鋼中のトータル酸素(20p
pm)に対し、本発明装置を設置しない場合は溶鋼と同
じ20ppmで、変化がなかったのに対し、本発明装置
を設置した場合は10ppmに低減された。
pm)に対し、本発明装置を設置しない場合は溶鋼と同
じ20ppmで、変化がなかったのに対し、本発明装置
を設置した場合は10ppmに低減された。
【0088】また、本発明装置の凝固殻内壁には、凝集
した介在物が確認された。
した介在物が確認された。
【0089】従って、本発明装置を用いれば、タンデイ
ッシュで浮上分離されなかった介在物が本発明装置内で
凝集し、凝固殻に除去されることが分かった。
ッシュで浮上分離されなかった介在物が本発明装置内で
凝集し、凝固殻に除去されることが分かった。
【0090】実施例8:図9の装置を用いた清浄度向上
効果 本実施例では、タンデイッシュの直上に本発明装置(セ
ラミックスフィルターなし)を設置した図9の装置を用
い、鋳片の清浄度向上効果を調べた。
効果 本実施例では、タンデイッシュの直上に本発明装置(セ
ラミックスフィルターなし)を設置した図9の装置を用
い、鋳片の清浄度向上効果を調べた。
【0091】具体的には、取鍋25内の溶鋼(バネ用
鋼)を一のタンデイッシュに受け、2ストランドの連続
鋳造を行う際、一方のタンデイッシュ出口直上に本発明
装置を浸漬し、もう一方のタンデイッシュ出口直上には
本発明装置を設置せずに夫々鋳造した場合における鋳片
の清浄度を、トータル酸素で比較検討した。
鋼)を一のタンデイッシュに受け、2ストランドの連続
鋳造を行う際、一方のタンデイッシュ出口直上に本発明
装置を浸漬し、もう一方のタンデイッシュ出口直上には
本発明装置を設置せずに夫々鋳造した場合における鋳片
の清浄度を、トータル酸素で比較検討した。
【0092】その結果、溶鋼中のトータル酸素(20p
pm)に対し、本発明装置を設置しない場合は溶鋼と同
じ20ppmで、変化がなかったのに対し、本発明装置
を設置した場合は12ppmに低減された。
pm)に対し、本発明装置を設置しない場合は溶鋼と同
じ20ppmで、変化がなかったのに対し、本発明装置
を設置した場合は12ppmに低減された。
【0093】従って、本発明装置を用いれば、タンデイ
ッシュ中に浮遊している非金属介在物を捕捉することが
でき、清浄な金属溶湯を鋳造できることが分かった。
ッシュ中に浮遊している非金属介在物を捕捉することが
でき、清浄な金属溶湯を鋳造できることが分かった。
【0094】実施例9:図5の鋳造装置を用いた導電性
溶湯に含まれる介在物の抽出方法 本発明の抽出法として、バネ用鋼(40kg)を図5の
装置で溶解し、凝固殻側壁に付着した非金属介在物を抽
出した。介在物の抽出時間は約15分であり、介在物の
抽出量は0.8〜1.0gであった。
溶湯に含まれる介在物の抽出方法 本発明の抽出法として、バネ用鋼(40kg)を図5の
装置で溶解し、凝固殻側壁に付着した非金属介在物を抽
出した。介在物の抽出時間は約15分であり、介在物の
抽出量は0.8〜1.0gであった。
【0095】一方、比較例として、上記バネ用鋼を酸溶
解法で抽出し、非金属介在物を抽出した。介在物は、鋼
10g当たり、抽出時間は2〜3時間で、介在物の総量
は0.0001g程度であった。
解法で抽出し、非金属介在物を抽出した。介在物は、鋼
10g当たり、抽出時間は2〜3時間で、介在物の総量
は0.0001g程度であった。
【0096】次に、上記の各抽出法によって得られた介
在物の量及びサイズを分析すると共に、疲労試験に供し
たとき、破断面に認められる介在物の組成を分析するこ
とにより、これらの抽出法によって得られる介在物の組
成等を比較検討した。その結果、いずれの抽出法を採用
したとしても、得られる介在物の組成等は同じであっ
た。
在物の量及びサイズを分析すると共に、疲労試験に供し
たとき、破断面に認められる介在物の組成を分析するこ
とにより、これらの抽出法によって得られる介在物の組
成等を比較検討した。その結果、いずれの抽出法を採用
したとしても、得られる介在物の組成等は同じであっ
た。
【0097】以上の結果より、本発明の抽出法を採用す
れば、酸溶解法による抽出法と同じ組成の介在物を、短
時間で大量に抽出できることができ、試料の代表性を格
段に高められる等、酸溶解法に代わる抽出効率の高い代
替法を確立できた点で極めて有用である。
れば、酸溶解法による抽出法と同じ組成の介在物を、短
時間で大量に抽出できることができ、試料の代表性を格
段に高められる等、酸溶解法に代わる抽出効率の高い代
替法を確立できた点で極めて有用である。
【0098】
【発明の効果】本発明は上記の様に構成されているの
で、導電性金属溶湯中の非金属介在物を画期的に著しく
減少させた鋳塊を効率よく提供することが可能になっ
た。尚、清浄度の高い溶解原料を選択して使用すれば、
溶解容器内に導入される介在物量が低減する為、一層優
れた超高清浄材料の提供が可能になる。更に本発明法に
よって凝固殻に捕捉される非金属介在物を用い、導電性
金属溶湯の清浄度を評価することもできる。本発明法を
利用したこの評価方法は、酸溶解等の湿式抽出法に比
べ、抽出効率が大幅に向上し、試料の代表性が格段に高
められる等の点で極めて有用である。
で、導電性金属溶湯中の非金属介在物を画期的に著しく
減少させた鋳塊を効率よく提供することが可能になっ
た。尚、清浄度の高い溶解原料を選択して使用すれば、
溶解容器内に導入される介在物量が低減する為、一層優
れた超高清浄材料の提供が可能になる。更に本発明法に
よって凝固殻に捕捉される非金属介在物を用い、導電性
金属溶湯の清浄度を評価することもできる。本発明法を
利用したこの評価方法は、酸溶解等の湿式抽出法に比
べ、抽出効率が大幅に向上し、試料の代表性が格段に高
められる等の点で極めて有用である。
【図1】本発明を実施する一装置例を示す断面模式図。
【図2】導電性金属溶湯と凝固殻が熱的にバランスした
状態を示す模式図。
状態を示す模式図。
【図3】図2におけるコイル電流、誘導電流、磁束密
度、電磁力を示す模式図。
度、電磁力を示す模式図。
【図4】凝固殻近傍における非金属介在物の挙動を示す
水平断面模式図。
水平断面模式図。
【図5】図1の装置を用いて鋳造する方法を示す模式
図。
図。
【図6】鋳型直前にセラミックスフィルターを設置した
装置を用いて鋳造する方法を示す模式図。
装置を用いて鋳造する方法を示す模式図。
【図7】浸漬式セラミックスフィルターを設置した装置
を用いて鋳造する方法を示す模式図。
を用いて鋳造する方法を示す模式図。
【図8】タンデイッシュ下部に本発明装置を設置した装
置を用いて鋳造する方法を示す模式図。
置を用いて鋳造する方法を示す模式図。
【図9】タンデイッシュ内に本発明装置を浸漬した装置
を用いて鋳造する方法を示す模式図。
を用いて鋳造する方法を示す模式図。
1 分割された内部水冷式セグメント構造の導電性容
器 2 高周波誘導コイル 3 底部出湯口 4 出湯ノズル 5 出湯用高周波コイル 6 真空チャンバー 7 鋳型 8 鋳型チャンバー 9 ゲートバルブ 10 導電性金属溶湯 11 導電性金属溶湯外周部の凝固殻 12 非金属介在物 13 よどみ部の凝固殻に集中・凝集し捕捉された非金
属介在物 14 よどみ部 15 分割された内部水冷式ゼグメント 16 スリット 17 溶湯の流れ 18 注入される金属溶湯 19 鋳塊 20 セラミックスフィルター 21 セラミックスフィルターに捕捉された非金属介在
物 22 金属溶湯の流れ 23 浸漬式セラミックスフィルター 24 溶損脱落したセラミックスフィルターの破片 25 取鍋 26 タンデイッシュ 27 鋳型 28 冷却水 29 鋳片 30 ノズル
器 2 高周波誘導コイル 3 底部出湯口 4 出湯ノズル 5 出湯用高周波コイル 6 真空チャンバー 7 鋳型 8 鋳型チャンバー 9 ゲートバルブ 10 導電性金属溶湯 11 導電性金属溶湯外周部の凝固殻 12 非金属介在物 13 よどみ部の凝固殻に集中・凝集し捕捉された非金
属介在物 14 よどみ部 15 分割された内部水冷式ゼグメント 16 スリット 17 溶湯の流れ 18 注入される金属溶湯 19 鋳塊 20 セラミックスフィルター 21 セラミックスフィルターに捕捉された非金属介在
物 22 金属溶湯の流れ 23 浸漬式セラミックスフィルター 24 溶損脱落したセラミックスフィルターの破片 25 取鍋 26 タンデイッシュ 27 鋳型 28 冷却水 29 鋳片 30 ノズル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 草道 龍彦 神戸市西区高塚台1丁目5番5号 株式会 社神戸製鋼所神戸総合技術研究所内 (72)発明者 長尾 元裕 神戸市西区高塚台1丁目5番5号 株式会 社神戸製鋼所神戸総合技術研究所内
Claims (4)
- 【請求項1】 導電性金属溶湯を冷却壁面から凝固を進
行せしめると共に、該溶湯に移行流を形成し、該溶湯中
に含まれる非金属介在物を前記凝固殻の表面に捕捉する
ことを特徴とする非金属介在物の除去方法。 - 【請求項2】 前記冷却壁面として内部水冷式セグメン
ト構造の導電性容器を用い、非金属介在物を上記セグメ
ントの隣接空間部位の凝固殻に捕捉するものである請求
項1に記載の除去方法。 - 【請求項3】 更にセラミックスフィルターによる濾去
を組合せて行うものである請求項1または2に記載の除
去方法。 - 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載の方法に
よって凝固殻に捕捉される非金属介在物を用いて導電性
金属溶湯の清浄度を評価する方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11304115A JP2000197947A (ja) | 1998-10-26 | 1999-10-26 | 非金属介在物の除去方法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30425298 | 1998-10-26 | ||
JP10-304252 | 1998-10-26 | ||
JP11304115A JP2000197947A (ja) | 1998-10-26 | 1999-10-26 | 非金属介在物の除去方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000197947A true JP2000197947A (ja) | 2000-07-18 |
Family
ID=26563788
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11304115A Withdrawn JP2000197947A (ja) | 1998-10-26 | 1999-10-26 | 非金属介在物の除去方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000197947A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2018024020A (ja) * | 2012-04-27 | 2018-02-15 | ノルウェージャン ユニバーシティ オブ サイエンス アンド テクノロジー (エヌ ティー エヌ ユー) | 溶融金属フィルタをプライム処理するための装置および方法 |
-
1999
- 1999-10-26 JP JP11304115A patent/JP2000197947A/ja not_active Withdrawn
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2018024020A (ja) * | 2012-04-27 | 2018-02-15 | ノルウェージャン ユニバーシティ オブ サイエンス アンド テクノロジー (エヌ ティー エヌ ユー) | 溶融金属フィルタをプライム処理するための装置および方法 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US4277281A (en) | Continuous filter for molten copper | |
Zhang et al. | Application of electromagnetic (EM) separation technology to metal refining processes: a review | |
KR100229096B1 (ko) | 금속의 청정도 평가장치 및 그의 방법 | |
KR100654738B1 (ko) | 극저탄소강 슬래브의 제조방법 | |
US4372542A (en) | Copper slag trap | |
Sun et al. | Removal of Fe from molten Al by filtration in a centrifuge | |
JP4411945B2 (ja) | 極低炭素鋼のスラブ連続鋳造方法 | |
JPH1192837A (ja) | 銅合金の精錬方法 | |
JP2000197947A (ja) | 非金属介在物の除去方法 | |
Tacke | Overview of particles and bubbles in continuously cast steel | |
Bakke et al. | Magnesium filtration with ceramic foam filters and subsequent quantitative microscopy of the filters | |
NO171044B (no) | Fremgangsmaate for separering ved filtrering av inklusjoner inneholdt i et bad av smeltet metall | |
CA1173623A (en) | Continuous filtering and degassing of molten copper | |
JP2008100248A (ja) | 連続鋳造用タンディッシュ及び連続鋳造方法 | |
Way | Cleanness, castability, and surface quality of formable sheet steels | |
JP5546170B2 (ja) | 溶融金属中の介在物除去方法、溶融金属中の介在物除去装置、および金属材料 | |
Habibi et al. | Effect of grain refining and Sr modification on Prefil measurement sensitivity in 356 alloys using electron probe microanalysis technique | |
JPH0550194A (ja) | 鋼の連続鋳造用タンデイツシユ | |
JPH0350619B2 (ja) | ||
Mbuya et al. | Effect of runner design on mechanical properties of permanent mould aluminium castings | |
JP2010227944A (ja) | 鋼鋳片の連続鋳造方法 | |
JP3308275B2 (ja) | 金属の清浄度評価装置およびその方法 | |
JP2010099704A (ja) | 鋼鋳片の連続鋳造方法 | |
JPH09168845A (ja) | 介在物と気泡のない溶湯の連続鋳造法および装置 | |
RU2118392C1 (ru) | Способ получения силумина |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20070109 |