JP2000197628A - X線コンピュ―タ断層撮影装置 - Google Patents
X線コンピュ―タ断層撮影装置Info
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Abstract
を装備したX線コンピュータ断層撮影装置において、散
乱線補正を実現することにある。 【解決手段】本発明は、X線を放射するX線管12、マ
ルチスライス型X線検出器14とがX線絞り装置13を
介して対向配置されており、複数の検出素子列の出力デ
ータを操作者により指定されたスライス数とスライス幅
に応じて組み合わせて投影データを取得し投影データに
基づいて断層像データをマルチスライスで再構成し、表
示するX線コンピュータ断層撮影装置において、散乱線
補正プロセッサ41でマルチスライス型X線検出器の中
でX線が直接的に照射されないX線素子列の出力データ
に基づいて散乱線データを取得し、この散乱線データに
基づいて投影データを散乱線補正し、そして再構成プロ
セッサ51で、補正した投影データに基づいて断層像デ
ータを再構成する。
Description
X線検出器を装備して、スライス数及びスライス幅を切
り替えることができるX線コンピュータ断層撮影装置に
関する
ス型X線検出器では、複数、例えば200個のX線素子
がX線管を中心として略円弧状に配列されている。この
検出素子列の中で1つの検出素子が1チャンネルとし
て、又は近隣の数個の検出素子をチャンネルとして投影
データが多方向にわたって収集され、これらの投影デー
タに基づいて1つのスライスの断層像データが再構成さ
れるようになっている。近年、このような検出素子列を
複数列、スライス方向に沿って併設し、スライス数及び
スライス幅を切り替えることができるようなマルチスラ
イス型X線検出器の実用化が進んでいる。
影装置では、エネルギー分解能の高い半導体検出素子や
高速で安価なプロセッサの採用等の理由により、CT値
の分解能が従来よりも2桁以上というオーダで向上して
いる。このように分解能が向上してくると、従来ではそ
れほど重要視されていなかった散乱線補正が、俄然重要
になってくる。たとえ散乱線の強度は比較的低くても、
それをCT値に換算すると、高い分解能のもとでは、数
十レベルの違いとして顕在化するからである。
使われていた散乱線データ取得専用の検出素子及びその
プロセッサをそのままマルチスライス型X線検出器に移
植しようと試みられているが、なかなかうまく実現でき
ないという状況にある。
まず、シングルスライス型X線検出器では、投影データ
取得用のメインとなる検出素子列の直ぐ隣に、散乱線デ
ータ取得専用の検出素子を設置して、この専用の検出素
子からの出力データに基づいて散乱線データを求めるよ
うにしていた。一方、マルチスライス型X線検出器で
は、複数の検出素子列をスライス方向に併設している関
係上、特に中央付近の検出素子列から、最外に付加する
散乱線データ取得専用の検出素子までの物理的な距離が
非常に長くなり、さらに散乱線の空間的な分布としては
その発生原理からして非常に不均一であるので、この散
乱線データによる散乱線補正の精度があまり高くならな
いことがあげられる。
まず、近年のX線コンピュータ断層撮影装置では、連続
回転のために、X線管やX線検出器等の回転部分と、固
定部分との電気的な接続をスリップリングに委ねている
が、このスリップリングはX線管駆動用の高電圧信号、
X線検出器やデータ収集システム(DAS)やX線絞り
装置等のための制御信号や電源にも割り当てなければな
らず、マルチスライス型X線検出器のデータ送信のため
にあまり多くを割くことはできない。もちろんスリップ
リング数を増やせば、マルチスライス型X線検出器のデ
ータの送信のためのパラレル数を増やせるが、スリップ
リングやガントリの筐体といった構造物の大幅な設計変
更が余儀なくされるだけでなく、信号処理プロセッサや
その入力系統もこれまでのものが使えなくなってしま
う。
はいえ散乱線データ送信のために割り当てる余裕などな
いのが現状である。
チスライス型X線検出器を装備したX線コンピュータ断
層撮影装置において、散乱線補正を実現することにあ
る。
るX線管と、複数の検出素子列がスライス方向に併設さ
れてなるマルチスライス型X線検出器とが、操作者によ
り指定されたスライス数とスライス幅に応じてスライス
方向の開度を調整し得るX線絞り装置を介して対向配置
されており、前記複数の検出素子列の出力データを前記
操作者により指定されたスライス数とスライス幅に応じ
て組み合わせて投影データを取得し前記投影データに基
づいて断層像データをマルチスライスで再構成し、表示
するX線コンピュータ断層撮影装置において、前記マル
チスライス型X線検出器の中で前記X線が直接的に照射
されないX線素子列の出力データに基づいて散乱線デー
タを取得し、この散乱線データに基づいて前記投影デー
タを散乱線補正し、この補正した投影データに基づいて
断層像データを再構成することを特徴としている。
ータ断層撮影装置を実施形態により説明する。なお、コ
ンピュータ断層撮影装置には、X線管とX線検出器とが
1体として被検体の周囲を回転するローテート/ローテ
ートタイプ(ROTATE/ROTATE-TYPE)や、リング状にアレイ
された多数の検出素子が固定され、X線管のみが被検体
の周囲を回転する固定/ローテートタイプ(STATIONARY/
ROTATE-TYPE)等様々なタイプがあり、いずれのタイプで
も本発明を適用可能である。ここでは、現在、主流を占
めている前者のローテート/ローテートタイプとして説
明する。
検体の周囲1周、約360゜分の投影データが、またハ
ーフスキャン法でも180゜+α程度分の投影データが
必要とされる。これらのいずれの方式にも本発明を適用
可能であるが、ここでは、一般的な前者の約360゜分
の投影データから1枚の断層像を再構成するものとして
説明する。
層撮影装置の構成をブロック図により示している。スキ
ャン本体(ガントリともいう)は、回転リング11に、
X線管12と、スライス方向X線絞り装置13と、マル
チスライス型X線検出器145と、スイッチングボード
15と、データ収集システム(DAS)16とが取り付
けられている。
ング22を介して高電圧がX線管12に印加され、これ
によりX線管12の放射窓から放射されたX線は、X線
絞り装置13でコーンビーム状に成形され、そして被検
体を透過して、それぞれのX線パスの組織構造に応じた
減衰を受けた後、さらに進んでマルチスライス型X線検
出器14に到達する。なお、X線絞り装置13はスライ
ス方向の絞り開度が可変のタイプであり、この開度調整
は、スキャン動作全体を統括的に管理するスキャンコン
トローラ31からスリップリング24を介して供給され
る制御信号により制御されるようになっている。
(a),(b)に示すように、複数、個々では200個
の検出素子(半導体素子)17がX線管12を中心とし
て略円弧状にチャンネル方向に沿って配列されてなる検
出素子列が、スライス方向に沿って複数、ここでは8列
併設されてなる。この8つの検出素子列は全て同じ(2
・d)というスライス幅で統一されている。なお、検出
素子をチャンネル方向に沿って第1チャンネル、第2チ
ャンネル、…、第2000チャンネルと称し、また検出
素子列各々を、紙面の左から順番に第1列、第2列、…
第8列と称して識別するものとする。
スイッチングボード15を介して、一般的にDAS(dat
a acquisition system) と呼ばれているデータ収集シス
テム16が接続されている。このデータ収集システム1
6の入出力端子は、従来のマルチスライスタイプと同様
に、スリップリング26と同じ、ここでは4個ずつ、つ
まり4スライス分用意されている。すなわち、ここでは
同時に撮影可能な最大スライス数は、従来のマルチスラ
イスタイプと同様に、4スライスとして説明する。
の入力端子とそれより多い8つの検出素子列との接続関
係を、操作者により指定されたスライス数及びスライス
幅に従って適当に切り替えるために、アナログのスイッ
チングボード15が必要とされている。このスイッチン
グボード15に対する切替のための制御信号は、スキャ
ン動作全体を統括的に管理するスキャンコントローラ3
1からスリップリング25を介して供給されるようにな
っている。なお、スイッチングボード15の切替によ
り、4スライス同時撮影を、1スライスあたりのスライ
ス幅が(2・d)と(4・d)とのいずれか、つまり最
小スライス幅又はその2倍のスライス幅で行えるように
なっている。
システム16で収集された投影データに対して、散乱線
の強度を表している散乱線データに基づいて散乱線補正
をかける。なお、この散乱線データは、マルチスライス
型X線検出器14の出力データに基づいて散乱線補正プ
ロセッサ41において収集される。
ングボード15の切替及び、投影データ収集動作との関
わりを考慮した上でのその切替シーケンス等が、本実施
形態での特徴的な部分であり、詳細は後述する。
正された投影データに基づいて断層像をマルチスライス
で再構成するのが、再構成プロセッサ51であり、この
再構成プロセッサ51で再構成された断層像データを表
示するためにディスプレイ61が設けられている。
X線コンピュータ断層撮影装置の動きについて説明す
る。ここでは特に、本実施形態で特徴的なスイッチング
ボード15の切替及びその切替シーケンスを中心に説明
する。
イス数の4よりも少ない2に指定され、また1スライス
あたりのスライス幅が1列分の(2・d)という条件が
指定されたケースについて説明する。このケースでは、
図3(a)に示すように、X線絞り装置13の開度は、
スライス方向で中心に位置する第4列の検出素子列と第
5列の検出素子列とにだけ、X線管12から被検体を透
過して直線的(直接的)にX線が照射されるように調整
される。このときには、それら以外の第1列、第2列、
第3列、第6列、第7列、第8列の6つの検出素子列に
は、X線が直接的に照射されない、換言すると被検体内
で散乱現象を起こした散乱線だけが照射する。
15を介して、図3(b)に示すように、第3列、第4
列、第5列、第6列の4つの検出素子列がデータ収集シ
ステム16の4つの入力端子にそれぞれ1対1で接続さ
れる。そして、第4列のデータと、第5列のデータとは
それぞれ投影データとしてDAS16からスリップリン
グを介して散乱線補正プロセッサ41にパラレルに取り
込まれる。また、第4列のデータと第5列のデータと同
時に、X線が直接的に照射されない第3列のデータと、
第6列のデータとがDAS16からスリップリング26
を介して散乱線補正プロセッサ41にパラレルで取り込
まれ、これらのデータに基づいて散乱線データ、つまり
チャンネル毎の散乱線強度を表すデータがビューポイン
ト(サンプリングポイント)毎に計算される。
タに基づいて第4列の投影データと、第5列の投影デー
タとを散乱線補正にかける。簡単には、投影値から散乱
線の強度をチャンネル毎に減算するという処理である。
こうして散乱線補正された360゜分の投影データに基
づいて再構成プロセッサ51で第4列に相当するスライ
スの断層像データと、第5列に相当するスライスの断層
像データとが再構成され、そしてディスプレイ61に表
示される。
ス数が最大スライス数の4よりも少ないときには、投影
データと散乱線データとを同時に収集することができる
が、操作者によりスライス数が最大スライス数の4に指
定されたときには、投影データと散乱線データとを同時
に収集することはできない。
イス数の4で、スライス幅が(2・d)という条件が指
定されたケースについて説明する。このケースでのX線
照射野を図4(a)に示し、図4(b)に投影データ収
集時のスイッチングボード15による接続関係を示し、
図4(c)に散乱線データ収集時のスイッチングボード
15による接続関係を示している。投影データ収集に
は、中央から順番に第3列、第4列、第5列、第6列が
使われ、各列のデータがそれぞれ別のスリップリング2
6を介して散乱線補正プロセッサ41にパラレルで取り
込まれる。
タ収集時の2倍のスライス幅(4・d)に切り替えら
れ、第1列と第2列とが組み合わされ、第3列と第4列
とが組み合わされ、第5列と第6列とが組み合わされ、
さらに第7列と第8列とが組み合わされる。これら各組
のデータがそれぞれ別のスリップリング26を介して散
乱線補正プロセッサ41にパラレルで取り込まれ、そし
てこれらの中のX線が直接的に照射されない第1列と第
2列との組のデータと、第7列と第8列との組のデータ
とに基づいて散乱線データがビューポイント毎に計算さ
れる。
収集時と散乱線データ収集時とで、散乱線データ収集時
のスライス幅が、投影データ収集時のスライス幅の2倍
になるように、スイッチングするものであり、このよう
なスイッチングは従来のスイッチングボード15でも当
然可能になっており、したがって従来のスイッチングボ
ード15に改良を加えることなく、そのまま流用できる
ものである。
タに基づいて第3列〜第6列それぞれの投影データを散
乱線補正にかける。こうして散乱線補正された360゜
分の投影データに基づいて再構成プロセッサ51で第3
列〜第6列に相当する4スライス分の断層像データが再
構成され、そしてディスプレイ61に表示される。
イス数が最大スライス数の4に指定されたときには、投
影データと散乱線データとを同時に収集することはでき
ないので、図4(b)に示した投影データ収集と、図4
(c)に示した散乱線データ収集とをタイムシェアリン
グで時間的に切り替えることになる。
ここでは2種類提供する。まず、第1の方法として、図
5に示すように、X線管12等が被検体の周囲を1回転
する毎に、投影データ収集と、散乱線データ収集とを交
互に切り替えるというものである。つまり、n回目の回
転ではその1周にわたって投影データを収集し、n+1
回転目の回転ではその1周にわたって散乱線データを収
集する。なお、投影データ収集と、散乱線データ収集と
を交互に切り替えるのではなく、投影データを連続的に
収集し、その中で所定回数回転する毎に又は操作者が指
定した時点で1回だけ散乱線データ収集を割り込ませる
ようにしてもよいし、その他、最初の1回転だけ散乱線
データを収集し、それ以後は、投影データを連続的に収
集するようにしてもよい。
ューポイント単位で、投影データ収集と、散乱線データ
収集とを切り替えるような動きである。具体的には、図
7(a)に示すように、ビューポイント毎に投影データ
収集と、散乱線データ収集とを交互に切り替えるように
してもよいし、図7(b)に示すように、例えばN回か
に1回の割合で、散乱線データ収集を割り込ませるよう
にしてもよい。この場合、N回転で、全てのビューポイ
ントの散乱線データが揃うように、回転毎に散乱線デー
タを収集するビューポイントをずらしていくことが好ま
しい。さらには、完全にランダムに投影データ収集と散
乱線データ収集とを切り替えてもよい。
乱線データを収集する検出素子列のスライス位置と、投
影データを収集する検出素子列のスライス位置とは必然
的に一致しない。このため散乱線データには、空間的な
位置に依存した若干の誤差が含まれてると考えられる。
また、上述のように投影データ収集と散乱線データ収集
とをタイムシェアリングで切り替える場合、投影データ
収集時刻と、散乱線データ収集時刻とはやはり必然的に
一致しない。このため、散乱線補正の精度は、散乱線の
時間的な変動に応じて若干低下すると考えられる。
要因に対して、空間的な補間、及び時間的な補間により
対処するものである。まず、図8(a)には、図4のケ
ースに対応した空間的な補間方法の原理について示して
いる。この図8(a)において、実測したチャンネル方
向の散乱線分布を太字で、補間により推定した散乱線分
布を細字で区別している。この補間は第3列〜第6列各
々の散乱線分布を、第1列と第2列の組の出力で実測し
た散乱線分布と、第7列と第8列の組の出力で実測した
散乱線分布とに基づいて、線形距離補間をかけることを
基本としている。つまり、例えば、第3列のi番目のチ
ャンネルの散乱線強度S3iは、第1列と第2列の組の出
力で実測したのi番目のチャンネルの散乱線強度S12i
と、第7列と第8列の組の出力で実測したのi番目のチ
ャンネルの散乱線強度S78i とから、 S3i=(S12i +S78i )・(3・d)/(3・d+9
・d) で与えられる。
に限定されることなく、種々の任意の方法を採用すれば
よい。また、時間補間についても、基本的には、距離補
間と同様であり、図8(b)に示すように、上述の距離
パラメータを時間パラメータに置き換えればよい。この
ように空間的時間的に補間かけることにより、より高精
度で散乱線補間をかけることができる。
て、例えばスライス幅4・dで、4スライスを同時撮影
する場合には、全ての検出素子列にX線が直接的に照射
されるので、散乱線データを収集することはできない。
このような場合に対処するには、図9に示すように、8
つの検出素子列の外側に、散乱線データ収集専用の検出
素子列18を両側又は片側に追加することが必要にな
る。この場合、やはりこの散乱線データ収集専用の検出
素子列18のデータ送信だけのために2つ又は1つのス
リップリング26を割り当てることはできないので、こ
の散乱線データ収集専用の検出素子列18を含めて、ス
イッチングボード15で接続切替可能に設計変更が必要
とされる。また、図9に示すように、この散乱線データ
収集専用の検出素子列18を多チャンネルで設けなくて
も、図10に示すように、1チャンネル仕様にしてもよ
い。
しては、上述したスライス幅が一定の検出素子列を併設
するような構成が一般的ではあるが、近年、様々なスラ
イス幅の検出素子列を併設したような構成のものも登場
してきている。この構成の主流は、図11に示すよう
に、スライス幅dの4つの検出素子列34を隣接して併
設し、その両側それぞれにスライス幅2・dという検出
素子列33を1列ずつ併設し、さらに、それぞれの外側
にスライス幅4・dという検出素子列32を1列ずつ併
設した構成である。このような構成では、スライス幅の
選択自由度が、スライス幅が一定のものよりも広くな
り、スライス幅d、2・d、4・dの中から任意のスラ
イス幅を選択して4スライス同時撮影を実現できるよう
になる。
出器14を採用した場合の投影データ収集時と散乱線デ
ータ収集時とのスイッチングボード15によるX線検出
器14とデータ収集システム16との接続関係の切替に
ついて説明する。この切替は、基本的には、スライス幅
が一定のケースと同様に、散乱線データ収集時のスライ
ス幅が、投影データ収集時のスライス幅の2倍になるよ
うにスイッチングするものである。
で、例えばスライス数4、スライス幅(d)という条件
が指定されたとき、X線の照射野(スライス方向の幅)
は図12(a)に示すように中央のスライス幅(d)の
4つの検出素子列34にだけX線が直接的に照射される
ように絞り開度が調整される。投影データ収集時には、
図12(b)に示すように、この4つの検出素子列34
をスイッチングボード15を介して個別にDAS16に
接続する。一方、散乱線データ収集時には、図12
(c)に示すように、2倍のスライス幅(2・d)の接
続関係、つまり4つの検出素子列34の外側に隣接する
X線が直接的に照射されない第2列と第7列を含めて、
第3列と第4列の組と、第5列と第6列の組とを、スイ
ッチングボード15を介して個別にDAS16に接続す
る。
線データとを同時収集することはできないので、図5又
は図7に示したタイムシェアリングの手法が採用され、
投影データ収集と散乱線データ収集とが時間的に切り替
えられることになる。この動きは、図5又は図7を参照
して上述した通りであるので、ここでは省略する。
ライス数4、スライス幅(2・d)という条件が指定さ
れたとき、X線の照射野(スライス方向の幅)は図13
(a)に示すように中央のスライス幅(d)の4つの検
出素子列34とその両側のスライス幅(2・d)の2つ
の検出素子列33とにだけX線が直接的に照射されるよ
うに絞り開度が調整される。
(b)に示すように、スライス幅(d)の隣り合う2つ
の検出素子列34の2つの組と、その両側のスライス幅
(2・d)の2つの検出素子列33とをスイッチングボ
ード15を介して個別にDAS16に接続する。一方、
散乱線データ収集時には、図13(c)に示すように、
2倍のスライス幅(4・d)の接続関係、つまりスライ
ス幅(d)の隣り合う2つの検出素子列34とその外側
のスライス幅(2・d)の1つの検出素子列33との2
つの組と、その外側に隣接するX線が直接的に照射され
ないスライス幅(4・d)の第1列と第8列とを、スイ
ッチングボード15を介して個別にDAS16に接続す
る。
線データとを同時収集することはできないので、図5又
は図7に示したタイムシェアリングの手法が採用され、
投影データ収集と散乱線データ収集とが時間的に切り替
えられることになる。この動きも、図5又は図7を参照
して上述した通りであるので、省略する。
イス型X線検出器の中でX線が直接的に照射されないX
線素子列の出力データに基づいて散乱線データを取得す
るので、散乱線データ取得の専用検出器等の構成要素を
特別に付加する必要もなく、またスライス幅が2倍で切
り替わるという現行のスイッチングをそのまま活用し
て、比較的簡単に現行のマルチスライス型X線検出器を
装備したX線コンピュータ断層撮影装置で散乱線補正を
実現することができるものである。
ことなく、種々変形して実施可能である。
器の中でX線が直接的に照射されないX線素子列の出力
データに基づいて散乱線データを取得するので、散乱線
データ取得の専用検出器等の構成要素を特別に付加する
必要もなく、比較的簡単に現行のマルチスライス型X線
検出器を装備したX線コンピュータ断層撮影装置で散乱
線補正を実現することができる。
断層撮影装置の構成を示すブロック図。
平面図、(b)はその側面図。
おいて、スライス数2、スライス幅(2・d)という条
件が指定されたときのX線の照射野(スライス方向の
幅)を示す図、(b)はそのときのスイッチングボード
によるX線検出器とデータ収集システムとの接続関係を
示す図。
おいて、スライス数4、スライス幅(2・d)という条
件が指定されたときのX線の照射野(スライス方向の
幅)を示す図、(b)はそのときのスイッチングボード
によるX線検出器とデータ収集システムとの接続関係で
あって特に投影データ収集時の接続関係を示す図、
(c)は散乱線データ収集時の接続関係を示す図。
を示す図。
(サンプリングポイント)の一例を示す図。
集シーケンスを示す図、(b)は投影データと散乱線デ
ータとのさらに他の収集シーケンスを示す図。
図、(b)は散乱線データの時間的補間処理の説明図。
子列を追加したX線検出器の平面図。
態を示す平面図。
マルチスライス型X線検出器の平面図、(b)はその側
面図。
器において、スライス数4、スライス幅(d)という条
件が指定されたときのX線の照射野(スライス方向の
幅)を示す図、(b)はそのときのスイッチングボード
によるX線検出器とデータ収集システムとの接続関係で
あって特に投影データ収集時の接続関係を示す図、
(c)は散乱線データ収集時の接続関係を示す図。
器において、スライス数4、スライス幅(2・d)とい
う条件が指定されたときのX線の照射野(スライス方向
の幅)を示す図、(b)はそのときのスイッチングボー
ドによるX線検出器とデータ収集システムとの接続関係
であって特に投影データ収集時の接続関係を示す図、
(c)は散乱線データ収集時の接続関係を示す図。
Claims (20)
- 【請求項1】 X線を放射するX線管と、複数の検出素
子列がスライス方向に併設されてなるマルチスライス型
X線検出器とが、操作者により指定されたスライス数と
スライス幅に応じてスライス方向の開度を調整し得るX
線絞り装置を介して対向配置されており、前記複数の検
出素子列の出力データを前記操作者により指定されたス
ライス数とスライス幅に応じて組み合わせて投影データ
を取得し前記投影データに基づいて断層像データをマル
チスライスで再構成し、表示するX線コンピュータ断層
撮影装置において、 前記マルチスライス型X線検出器の中で前記X線が直接
的に照射されないX線素子列の出力データに基づいて散
乱線データを取得し、この散乱線データに基づいて前記
投影データを散乱線補正し、この補正した投影データに
基づいて断層像データを再構成することを特徴とするX
線コンピュータ断層撮影装置。 - 【請求項2】 前記投影データ取得時と前記散乱線デー
タ取得時とで、前記複数の検出素子列の出力データの組
み合わせを変えることを特徴とする請求項1記載のX線
コンピュータ断層撮影装置。 - 【請求項3】 前記散乱線データが前記操作者により指
定されたスライス幅よりも広いスライス幅で取得される
ように前記複数の検出素子列の出力データを組み合わせ
て前記散乱線データを取得することを特徴とする請求項
1記載のX線コンピュータ断層撮影装置。 - 【請求項4】 前記散乱線データが前記操作者により指
定されたスライス幅の2倍以上の整数倍のスライス幅で
取得されるよう前記複数の検出素子列の出力データを組
み合わせて前記散乱線データを取得することを特徴とす
る請求項1記載のX線コンピュータ断層撮影装置。 - 【請求項5】 前記散乱線データが前記操作者により指
定されたスライス幅と同じスライス幅で取得されるよう
に前記複数の検出素子列の出力データを組み合わせて前
記散乱線データを取得することを特徴とする請求項1記
載のX線コンピュータ断層撮影装置。 - 【請求項6】 前記散乱線データは、前記投影データを
取得する最外の検出素子列に隣り合う検出素子列の出力
データを含めて取得されることを特徴とする請求項1記
載のX線コンピュータ断層撮影装置。 - 【請求項7】 前記散乱線データは、前記投影データを
取得する最外の検出素子列から少なくとも1検出素子列
を隔てた検出素子列の出力データから取得されることを
特徴とする請求項1記載のX線コンピュータ断層撮影装
置。 - 【請求項8】 前記複数の検出素子列の中の少なくとも
1つは前記散乱線データの取得専用であることを特徴と
する請求項1記載のX線コンピュータ断層撮影装置。 - 【請求項9】 前記X線が直接的に照射されないX線素
子列の出力データから前記X線が直接的に照射されるX
線素子列に対応する散乱線データを空間的に補間するこ
とを特徴とする請求項1記載のX線コンピュータ断層撮
影装置。 - 【請求項10】 前記X線が直接的に照射されないX線
素子列の出力データから前記X線が直接的に照射される
X線素子列に対応する散乱線データを時間的に補間する
ことを特徴とする請求項1記載のX線コンピュータ断層
撮影装置。 - 【請求項11】 前記X線管とマルチスライス型X線検
出器とが被検体の周囲を1周回転する毎に、前記投影デ
ータの取得と前記散乱線データの取得とを切り替えるこ
とを特徴とする請求項1記載のX線コンピュータ断層撮
影装置。 - 【請求項12】 前記X線管とマルチスライス型X線検
出器とが被検体の周囲を連続的に回転するという動きの
中で、1回転を単位として所定回数に1回という割合
で、前記投影データの取得に代えて前記散乱線データを
取得することを特徴とする請求項1記載のX線コンピュ
ータ断層撮影装置。 - 【請求項13】 前記X線管とマルチスライス型X線検
出器とが被検体の周囲を1周回転する間に前記マルチス
ライス型X線検出器の出力データを微小角度毎に次々と
サンプリングするという動きの中で、サンプリングポイ
ント単位で前記投影データの取得と前記散乱線データの
取得とを切り替えることを特徴とする請求項1記載のX
線コンピュータ断層撮影装置。 - 【請求項14】 前記X線管とマルチスライス型X線検
出器とが被検体の周囲を1周回転する間に前記マルチス
ライス型X線検出器の出力データを微小角度毎に次々と
サンプリングするという動きの中で、前記投影データの
取得と前記散乱線データの取得とをサンプリングポイン
ト毎に交互に切り替えることを特徴とする請求項1記載
のX線コンピュータ断層撮影装置。 - 【請求項15】 前記X線管とマルチスライス型X線検
出器とが被検体の周囲を1周回転する間に前記マルチス
ライス型X線検出器の出力データを微小角度毎に次々と
サンプリングするという動きの中で、偶数又は奇数番目
のサンプリングポイントでは前記投影データを取得し、
奇数又は偶数番目のサンプリングポイントでは前記散乱
線データを取得することを特徴とする請求項1記載のX
線コンピュータ断層撮影装置。 - 【請求項16】 前記X線管とマルチスライス型X線検
出器とが1周回転する間に前記マルチスライス型X線検
出器の出力データを微小角度毎に次々とサンプリングす
るという動きの中で、所定回数に1回の割合で前記投影
データの取得に代えて前記散乱線データを取得すること
を特徴とする請求項1記載のX線コンピュータ断層撮影
装置。 - 【請求項17】 前記複数の検出素子列の出力データの
組み合わせを切り替えるスイッチ手段がさらに設けられ
ていることを特徴とする請求項1記載のX線コンピュー
タ断層撮影装置。 - 【請求項18】 前記マルチスライス型X線検出器を構
成する複数の検出素子列は、スライス幅が略同一である
ことを特徴とする請求項1記載のX線コンピュータ断層
撮影装置。 - 【請求項19】 前記マルチスライス型X線検出器は、
最小スライス幅を有する複数の検出素子列と、前記最小
スライス幅の2のべき乗のスライス幅を有する複数の検
出素子列とからなることを特徴とする請求項1記載のX
線コンピュータ断層撮影装置。 - 【請求項20】 前記マルチスライス型X線検出器は、
最小スライス幅を有する複数の検出素子列と、前記最小
スライス幅の2倍のスライス幅を有する複数の検出素子
列と、前記最小スライス幅の4倍のスライス幅を有する
複数の検出素子列とからなることを特徴とする請求項1
記載のX線コンピュータ断層撮影装置。
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