JP2000196935A - 電子スチルカメラ及び画像加工方法 - Google Patents

電子スチルカメラ及び画像加工方法

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JP2000196935A
JP2000196935A JP10366132A JP36613298A JP2000196935A JP 2000196935 A JP2000196935 A JP 2000196935A JP 10366132 A JP10366132 A JP 10366132A JP 36613298 A JP36613298 A JP 36613298A JP 2000196935 A JP2000196935 A JP 2000196935A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 手間やコストをかけることなく簡単な加工を
施して画像を出力する。 【解決手段】 写真レンズを介して取り込まれた被写体
像の撮影画像を生成し、シャッター操作に応答して該撮
影画像を記録手段に記録する電子スチルカメラにおい
て、前記撮影画像または前記記録画像を再生した画像中
の画素値の特異部分を検出する検出手段、前記特異部分
を強調して表現可能な適切なイメージを保持する保持手
段、前記特異部分に前記イメージを合成して合成画像を
生成する合成手段を備える。電子スチルカメラだけで画
像中の特異部分を強調して視覚に訴える特殊加工画像を
作ることができる。従来技術のような画像加工ツールを
必要としないから、手間とコストを軽減できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子スチルカメラ
に関し、詳しくは、撮影した画像に特殊加工を施して出
力でき、例えば、インターネットまたはイントラネット
用のホームページやワープロ文書などの電子ドキュメン
ト類の作成・編集に利用できる電子スチルカメラに関す
る。
【0002】
【従来の技術】近時、パソコン上に表示される電子ドキ
ュメント類は、写真や画像などのイメージデータ(以
下、画像という)を多用するようになってきており、文
字情報だけのものに比べて、見た目の美しさと訴求力の
格段の向上が図られている。しかし、かかるドキュメン
トの作成・編集(設計)は当然のことながら簡単ではな
い。美的センスはもちろんのこと、場合によっては、画
像に対して特殊な加工を施すなどの高度なテクニックが
求められるからである。
【0003】このような場合、従来の技術においては
“画像編集ソフト”と呼ばれる加工ツールを使用してい
た。例えば、公知のあるソフトでは画像の輪郭を際立た
せる「シャープネス」や輪郭をぼやかす「ソフトネス」
などに加え、「エンボス」、「ウォーターカラー」及び
「ステンドグラス」などの特殊加工が可能であり、ま
た、他のソフトでは写真のレタッチ(修正)や任意の図
形及び文字情報などの書き込みが可能である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
技術においては、例えば、電子スチルカメラで撮影した
画像を加工する場合、まず、電子スチルカメラからパソ
コンに画像を転送し、パソコン上で画像編集ソフトを起
動してその画像ファイルを読み込み、同ソフトを操作し
て所要の加工を施すという何段階かの手順を踏む必要が
あり、手間がかかるうえ、画像編集ソフトの操作も容易
でなく、誰にでも簡単に行うことができないという問題
点があった。しかも、その種のソフト(ツール)が手元
にない場合には簡単な加工すら施すことができず、且
つ、購入するにしてもコストを無視できないという問題
点もあった。
【0005】そこで本発明は、手間やコストをかけるこ
となく簡単な加工を施して画像を出力でき、例えば、イ
ンターネットまたはイントラネット用のホームページや
ワープロ文書などの電子ドキュメント類の作成・編集に
利用して好適な電子スチルカメラ及び画像加工方法の提
供を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の電子スチ
ルカメラは、写真レンズを介して取り込まれた被写体像
の撮影画像を生成し、シャッター操作に応答して該撮影
画像を記録手段に記録する電子スチルカメラにおいて、
前記撮影画像または前記記録画像を再生した画像中の画
素値の特異部分を検出する検出手段と、前記特異部分を
強調して表現可能な適切なイメージを保持する保持手段
と、前記特異部分に前記イメージを合成して合成画像を
生成する合成手段と、を備えたことを特徴とする。請求
項2記載の電子スチルカメラは、写真レンズを介して取
り込まれた被写体像の撮影画像を生成し、シャッター操
作に応答して該撮影画像を記録手段に記録する電子スチ
ルカメラにおいて、前記撮影画像または前記記録画像を
再生した画像中の被写体の動き方向及び動きの速さを検
出する検出手段と、前記動き方向及び動きの速さを強調
して表現可能な適切なイメージを保持する保持手段と、
前記被写体の周囲に前記イメージを合成して合成画像を
生成する合成手段と、を備えたことを特徴とする。請求
項3記載の電子スチルカメラは、写真レンズを介して取
り込まれた被写体像の撮影画像を生成し、シャッター操
作に応答して該撮影画像を記録手段に記録する電子スチ
ルカメラにおいて、前記被写体と該被写体の背景画像と
を分離識別する識別手段と、任意のイメージを保持する
保持手段と、前記被写体及び背景画像と前記イメージを
合成する合成手段とを備え、前記合成手段は、被写体と
重ならないイメージ部分だけを合成処理することを特徴
とする。請求項4記載の画像加工方法は、写真画像中の
画素値の特異部分を検出するステップと、前記特異部分
に、前記特異部分を強調して表現可能な適切なイメージ
を合成して、合成画像を生成するステップと、を含むこ
とを特徴とする。請求項5記載の画像加工方法は、写真
画像中の被写体の動き方向及び動きの速さを検出するス
テップと、前記被写体の周囲に、前記動き方向及び動き
の速さを強調して表現可能な適切なイメージを合成し
て、合成画像を生成するステップと、を含むことを特徴
とする。請求項6記載の画像加工方法は、写真画像中の
被写体と該被写体の背景画像とを分離識別するステップ
と、前記被写体に重ならないように、前記背景画像に任
意のイメージを合成して、合成画像を生成するステップ
と、を含むことを特徴とする。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、電
子スチルカメラを例にして図面を参照しながら説明す
る。図1は、電子スチルカメラの外観図である。図示の
電子スチルカメラ10は、カメラ本体11にシャッター
キー12を含む様々なキースイッチ12〜21を備え、
さらに、その前面にストロボ22、写真レンズ23、フ
ァインダー24及びオートフォーカスユニット部25な
どを備えるとともに、その背面に液晶ディスプレイ26
を備えるというものである。
【0008】キースイッチ12〜21の一つは、上記の
とおり、シャッターキー12であるが、それ以外は、例
えば、プラスキー13、マイナスキー14、電源スイッ
チ15、メニューキー16、ディスプレイキー17、記
録モードキー18、セルフタイマーキー19、ストロボ
モードキー20、REC/PLAYキー21などであ
る。これらのキーの機能(役割)は、以下のとおりであ
る。 (1)シャッターキー12:記録モード時には、その名
のとおり“シャッターキー”(半押しで露出とフォーカ
スを固定し、全押しで画像をキャプチャーする)として
働くが、記録モードや再生モード(キャプチャー画像を
再生したり他の機器に出力したりするモード)時にメニ
ューキー16と併用することにより、液晶ディスプレイ
26に表示された様々な選択項目を了解するためのYE
Sキーとしても働くマルチ機能キーである。 (2)プラスキー13:再生画像を選択したり、各種シ
ステム設定を選択したりするために用いられるキーであ
る。“プラス”は、その選択方向を意味し、画像選択の
場合であれば最新画像の方向、システム設定選択の場合
であれば液晶ディスプレイ26の走査方向になる。 (3)マイナスキー14:方向が逆向きである以外、プ
ラスキーと同じ機能である。
【0009】(4)電源スイッチ15:カメラの電源を
オンオフするスライド方式のスイッチである。 (5)メニューキー16:各種システム設定を行うため
のキーである。再生モード時には、デリートモード(画
像の消去モード)や動画表示モードをはじめとする各種
選択項目を液晶ディスプレイ26に表示し、記録モード
時には、画像の記録に必要な、例えば、記録画像の精細
度、オートフォーカスのオンオフ、動画撮影の撮影時間
などの選択項目を液晶ディスプレイ26に表示するため
のキーである。 (6)ディスプレイキー17:液晶ディスプレイ26の
表示画像に様々な情報をオーバラップ表示するためのキ
ーである。例えば、記録モード時には、残りの撮影可能
枚数や撮影形態(通常撮影、パノラマ撮影、動画撮影)
などの情報をオーバラップ表示し、再生モード時には、
再生画像の属性情報(ページ番号や精細度等)をオーバ
ラップ表示するキーである。
【0010】(7)記録モードキー18:記録モード時
にのみ使用可能になるキーであり、通常撮影やパノラマ
撮影等を選択するほか、本実施の形態では、後述の「特
殊効果撮影モード」を選択するキーである。 (8)セルフタイマーキー19:セルフタイマー機能を
オンオフするキーである。 (9)ストロボモードキー20:ストロボに関する様々
な設定、例えば、強制発光させたり、発光を禁止した
り、赤目を防止したりするキーである。 (10)REC/PLAYキー21 記録モードと再生モードを切り替えるためのキーであ
る。この例では、スライド方式になっており、上にスラ
イドすると記録モード、下にスライドすると再生モード
になる。
【0011】図2は、本実施の形態における電子スチル
カメラのブロック図である。図2において、30はCC
D、31はCCD30のドライバ、53はタイミング発
生器(TG)、54はサンプルホールド回路(S/
H)、34はアナログディジタル変換器(A/D)、3
5はカラープロセス回路、36はビデオトランスファー
回路、37はバッファメモリ、38は圧縮・伸長回路、
39はオートフォーカス部(AF部)、40はフラッシ
ュメモリ、41はCPU、42はキー入力部、43はデ
ィジタルビデオエンコーダ、44は通信部、45はバス
である。なお、23は写真レンズ、26は液晶ディスプ
レイである。
【0012】これら各部の機能は、概ね以下のとおりで
ある。 (A)写真レンズ23:CCD30の受光面上に被写体
の像を結ばせるためのものであり、自動焦点機能のため
の焦点合わせ機構を備えている。なお、ズーム機能を備
えたり、沈胴式であったりしてもよい。 (B)CCD30:電荷をアレイ状に転送する固体撮像
デバイスである。電荷結合素子とも呼ばれる。アナログ
遅延線などに用いられるものもあるが、本明細書では、
特に、二次元の光学情報を時系列(シリアル列)の電気
信号に変換して出力する固体のイメージセンサーを指
す。
【0013】一般にCCDは、多数の光電変換素子をア
レイ状に並べた光電変換部と、光電変換素子の出力電荷
を蓄積する電荷蓄積部と、電荷蓄積部の電荷を所定の方
式で読み出す電荷読み出し部とから構成されており、光
電変換素子の一つ一つが画素になる。例えば、有効画素
数が100万画素のCCDでは、少なくともアレイの桝
目が100万個並んでいることになる。以下、説明の都
合上、図示のCCD30の有効画素数を640×480
とする。すなわち、行方向(横方向)に640個、列方
向(縦方向)に480個の画素で構成された、640列
×480行のアレイ構造を有しているものとする。
【0014】なお、本実施の形態のCCD30はカラー
CCDである。一般にCCDの画素情報そのものは色情
報を持っていないため、カラーCCDでは前面に色フィ
ルタアレイ(光の三原色を用いた原色フィルタ又は色の
三原色を用いた補色フィルタ)を装着し、さらにその前
面に、色フィルタアレイのピッチに相当する周波数成分
を有する偽の色信号を除去するための光学ローパスフィ
ルタを装着するが、図面では略してある。また、CCD
は、電荷の読み出し方式によって二つのタイプに分ける
ことができる。第1は、信号を読み出すときに画素を一
つずつ飛ばす「飛び越し読み出し方式」(インターレー
スCCDとも言う)のタイプであり、第2は、全画素を
順番に読み出す「全面読み出し方式」(ノンインターレ
ースCCD又はプログレッシブCCDとも言う)のタイ
プである。電子スチルカメラでは第2のタイプがよく用
いられるものの、昨今の100万画素を越えるメガピク
セル級の電子スチルカメラでは第1のタイプを用いるこ
ともある。以下、説明の便宜上、本実施の形態のCCD
30は、第2のタイプ(全面読み出し方式)とする。
【0015】(C)ドライバ31とタイミング発生器3
2:CCD30の読み出しに必要な駆動信号を生成する
部分であり、CCD30はこの駆動信号に同期して画像
信号を出力する。本実施の形態のCCD30は、全面読
み出し方式と仮定されているから、CCD30の各列を
次々に指定しながら行単位に画素の情報を転送する(読
み出す)ことができる駆動信号、要するに、640列×
480行のアレイ構造の左上から右下の方向(この方向
はテレビジョンの走査方向に類似する)に画素情報をシ
リアルに読み出すための水平・垂直それぞれの駆動信号
を生成するものである。 (D)サンプルホールド回路33:CCD30から読み
出された時系列の信号(この段階ではアナログ信号であ
る)を、CCD30の解像度に適合した周波数でサンプ
リング(例えば、相関二重サンプリング)するものであ
る。なお、サンプリング後に自動利得調整を行うことも
ある。 (E)アナログディジタル変換器34:サンプリングさ
れた信号をディジタル信号に変換するものである。
【0016】(F)カラープロセス回路35:アナログ
ディジタル変換器34の出力から輝度情報と色情報を合
成した信号、いわゆる輝度・色差マルチプレクス信号
(以下、YUV信号と言う)を生成する部分である。Y
UV信号の生成理由は、次のとおりである。アナログデ
ィジタル変換器34の出力は、アナログかディジタルか
の違い及びサンプリングやディジタル変換の誤差を除
き、実質的にCCD30の出力と一対一に対応し、光の
三原色データ(RGBデータ)そのものであるが、この
データはサイズが大きく、限られたメモリ資源の利用や
処理時間の点で不都合をきたす。そこで、何らかの手法
で多少なりともデータ量の削減を図る必要がある。YU
V信号は、一般にRGBデータの各要素データ(Rデー
タ、Gデータ、Bデータ)は輝度信号Yに対して、G−
Y、R−Y、B−Yの三つの色差信号で表現できるう
え、これら三つの色差信号の冗長を取り除けば、G−Y
を転送しなくてもよく、G−Y=α(R−Y)−β(B
−Y)で再現できる、という原理に基づく一種のデータ
量削減信号と言うことができる。ここで、αやβは合成
係数である。
【0017】なお、YUV信号をYCbCr信号(Cb
とCrはそれぞれB−YとR−Y)と言うこともある
が、本明細書ではYUV信号に統一することにする。ま
た、YUV信号の信号フォーマットは、輝度信号と二つ
の色差信号のそれぞれを独立して含む“コンポーネン
ト”と呼ばれる固定長の三つのブロックで構成されてお
り、各コンポーネントの長さ(ビット数)の比をコンポ
ーネント比と言う。変換直後のYUV信号のコンポーネ
ント比は1:1:1であるが、色差信号の二つのコンポ
ーネントを短くする、すなわち、1:x:x(但し、x
<1)とすることによってもデータ量を削減できる。こ
れは、人間の視覚特性は輝度信号よりも色差信号に対し
て鈍感であると言うことを利用したものである。
【0018】(G)ビデオトランスファー回路36:ビ
デオトランスファー回路36は、(撮像系の出口を構成
する)カラープロセス回路35、バッファメモリ37、
(表示系の入り口を構成する)ディジタルビデオエンコ
ーダ43及び(圧縮・伸長系の主要部を構成する)圧縮
・伸張回路38の間を行き来するデータの流れをコント
ロールするものであり、具体的には、液晶ディスプレイ
26の表示を見ながら構図を調整する撮影準備段階で、
撮像系からバッファメモリ37への流れとバッファメモ
リ37から表示系への流れを許容し、シャッターキー1
2を押して表示中の画像をフラッシュメモリ40にキャ
プチャーする記録段階で、バッファメモリ37から圧縮
・伸長系への流れを許容し、所望の画像をフラッシュメ
モリ40から読み出して液晶ディスプレイ26に表示す
る再生段階で、圧縮・処理系からバッファメモリ37へ
の流れとバッファメモリ37から表示系への流れを許容
するものである。
【0019】なお、“流れ”とは、カラープロセス回路
35、バッファメモリ37、ディジタルビデオエンコー
ダ43及び圧縮・伸長回路38の間を行き来するデータ
の動きを概念的に捉えた便宜上の表現であり、その言葉
自体に格別の意味はないものの、一般にディジタルシス
テムにとっては、データの素早い動きはその性能を直接
に左右し、とりわけ大量の画素情報を取り扱う電子スチ
ルカメラにとっては、(データの素早い動きは)当然配
慮されなければならない設計条件の一つであるから、上
記流れのすべて又は一部は高速データ転送の手法を駆使
したデータの流れを意味するものである。すなわち、上
記流れのすべて又は一部は、例えば、DMA(direct m
emory access)転送によって制御された流れであり、ビ
デオトランスファー回路36は、それに必要な制御部
(DMAコントローラ)やその他の周辺部分(例えば、
転送速度調節のためのFIFOメモリ及びインターフェ
ース回路など)を含み、これら各部の働きによって、カ
ラープロセス回路35、バッファメモリ37、ディジタ
ルビデオエンコーダ43及び圧縮・伸長回路38の間の
“素早いデータ転送”(例えば、DMA転送)を可能と
するものである。
【0020】(H)バッファメモリ37:書き換え可能
な半導体メモリの一種であるDRAMで構成されてい
る。一般にDRAMは記憶内容を保持するために、デー
タの再書込み(リフレッシュ)をダイナミックに行う点
でスタティックRAM(SRAM)と相違するが、SR
AMと比べて書込みや読み出し速度が劣るものの、ビッ
ト単価が安く、大容量の一時記憶を安価に構成できるこ
とから、特に電子スチルカメラに好適である。但し、本
発明ではDRAMに限定しない。書き換え可能な半導体
メモリであればよい。ここで、バッファメモリ37の記
憶容量は、システムエリアやワークエリア(作業空間)
を確保できる充分な大きさでなければならないが、これ
に加えて、少なくともカラープロセス回路35で生成さ
れた高精細な画像の情報(640×480画素の画像情
報で且つ1:1:1のコンポーネント比をもつYUV信
号)を1画面又は複数画面格納できる程度の大きさのバ
ッファ(画像バッファ)を確保できる充分な大きさも必
要である。
【0021】(I)圧縮・伸長回路38:JPEGの圧
縮と伸長を行う部分である。JPEGの圧縮パラメータ
は固定であっても、圧縮処理の都度CPU41から与え
るようにしてもよい。なお、圧縮・伸長回路38は処理
速度の点で専用のハードウェアにすべきであるが、CP
U41でソフト的に行うことも可能である。なお、JP
EGとは、joint photographic experts groupの略であ
り、カラー静止画(2値画像や動画像を含まないフルカ
ラーやグレイスケールの静止画)の国際符号化標準であ
る。JPEGでは、圧縮されたデータを完全に元に戻す
ことができる可逆符号化と、元に戻せない非可逆符号化
の二つの方式が定められているが、殆どの場合、圧縮率
の高い後者の非可逆符号化が用いられている。JPEG
の使い易さは、圧縮に用いられるパラメータ(圧縮パラ
メータ)を調節することによって、符号化に伴う画質劣
化の程度を自在に変えられる点にある。すなわち、符号
化側では、画像品質とファイルサイズのトレードオフの
中から適当な圧縮パラメータを選択できるし、あるい
は、復号化側では、品質を多少犠牲にして復号スピード
を上げたり、時間はかかっても最高品質で再生したりす
るなどの選択ができる点で使い易い。JPEGの実用上
の圧縮率は、非可逆符号の場合で、およそ10:1から
50:1程度である。一般的に10:1から20:1で
あれば視覚上の劣化を招かないが、多少の劣化を許容す
れば30:1から50:1でも十分実用に供する。ちな
みに、他の符号化方式の圧縮率は、例えば、GIF(gr
aphics interchange format)の場合で5:1程度に留
まるから、JPEGの優位性は明らかである。
【0022】(J)AF部39:AF部39は、カメラ
本体11の前面に設けられたオートフォーカスユニット
部25や所要の周辺回路などで構成されており、オート
フォーカスユニット部25の構成は、例えば、赤外線を
発光する赤外発光ダイオード、この赤外発光ダイオード
から出力された赤外線の光軸を絞って被写体方向に照射
するレンズ、及び、被写体で反射された赤外線の光軸を
絞って受光センサの受光面に結像させるレンズなどを備
えるというものである。AF部39は、かかる構成のオ
ートフォーカスユニット部25を含むとともに、さら
に、シャッターキー12の“半押し”(最後まで押し切
らずに途中で止める動作)に応答して赤外発光ダイオー
ドの発光動作をオンにし、且つ、そのときの受光センサ
の受光面における赤外線の受光位置を演算してフォーカ
スのずれ量(被写体までの距離に相当)を求め、写真レ
ンズ23の焦点機構を駆動してフォーカス合わせ(合
焦)を行うという一連の合焦制御機能(この合焦制御機
能の全部又は一部は、例えば、CPU41によってソフ
ト的に実現される)を有している。
【0023】(K)フラッシュメモリ40:書き換え可
能な読み出し専用メモリ(PROM:programmable rea
d only memory)のうち、電気的に全ビット(又はブロ
ック単位)の内容を消して内容を書き直せるものを指
す。フラッシュEEPROM(flash electrically era
sablePROM)とも言う。本実施の形態におけるフラ
ッシュメモリ40は、カメラ本体から取り外せない固定
型であってもよいし、カード型やパッケージ型のように
取り外し可能なものであってもよい。なお、フラッシュ
メモリ40は、内蔵型であれ取り外し可能型であれ、所
定の形式で初期化(フォーマット)されている必要があ
る。初期化済みのフラッシュメモリ40には、その記憶
容量に応じた枚数の画像を記録できる。 (L)CPU41:所定のプログラムを実行してカメラ
の動作を集中制御するものである。プログラムや必要な
データはCPU41の内部のインストラクションROM
に書き込まれている。
【0024】(M)キー入力部42:カメラ本体に設け
られた各種キースイッチの操作信号を生成する部分であ
る。 (N)ディジタルビデオエンコーダ43:ビデオトラン
スファー回路36を介してバッファメモリ37の画像バ
ッファから読み出されたディジタル値の表示用画像をア
ナログ電圧に変換するとともに、液晶ディスプレイ26
の走査方式に応じたタイミングで順次に出力するもので
ある。 (O)通信部44:光、電波又は音波などの通信媒体を
利用し、所定の通信プロトコルを用いて同じプロトコル
に対応した図外の外部機器との間でデータの送受を行う
ものである。 (P)バス45:以上各部の間で共有されるデータ(及
びアドレス)転送路である。図では省略しているが、各
部の間には所要の制御線(コントロールライン)も設け
られている。
【0025】次に、作用を説明する。まず、はじめに画
像の記録と再生の概要を説明する。 <記録モード>このモードでは、写真レンズ23の後方
に配置されたCCD30がドライバ31からの信号で駆
動され、写真レンズ23で集められた映像が一定周期毎
に光電変換されて1画像分の映像信号が出力される。そ
して、この映像信号がサンプリングホールド回路34で
サンプリングされ、アナログディジタル変換器34でデ
ィジタル信号に変換された後、カラープロセス回路35
でYUV信号が生成される。このYUV信号は、ビデオ
トランスファー回路36を介してバッファメモリ37の
画像バッファに転送され、同バッファへの転送完了後
に、ビデオトランスファー回路36によって読み出さ
れ、ディジタルビデオエンコーダ43を介して液晶ディ
スプレイ26に送られ、スルー画像として表示される。
【0026】この状態でカメラの向きを変えると、液晶
ディスプレイ26に表示されているスルー画像の構図が
変化し、適宜の時点(所望の構図が得られた時点)でシ
ャッターキー12を“半押し”して露出とフォーカスを
セットした後、“全押し”すると、バッファメモリ37
の画像バッファに保存されているYUV信号がその時点
のYUV信号で固定され、かつ液晶ディスプレイ26に
表示されているスルー画像も同時点の画像で固定され
る。そして、その時点でバッファメモリ37の画像バッ
ファに保存されているYUV信号は、ビデオトランスフ
ァー回路36を介して圧縮・伸長回路38に送られ、
Y、Cb、Crの各コンポーネント毎に8×8画素の基
本ブロックと呼ばれる単位でJPEG符号化された後、
フラッシュメモリ40に書き込まれ、1画像分のキャプ
チャー画像として記録される。
【0027】<再生モード>このモードでは、CCD3
0からバッファメモリ37までの経路が停止されるとと
もに、最新のキャプチャー画像がフラッシュメモリ40
から読み出され、圧縮・伸長回路38で伸張処理された
後、ビデオトランスファー回路36を介してバッファメ
モリ37の画像バッファに送られる。そして、この画像
バッファのデータがビデオトランスファー回路36とデ
ィジタルビデオエンコーダ43を介して液晶ディスプレ
イ26に送られ、再生画像として表示される。
【0028】なお、プラスキー13やマイナスキー14
を押すことにより、フラッシュメモリ40から読み出す
画像を前に進めたり後に戻したりしながらこの動作を繰
り返すことができ、希望の画像を再生することができ
る。 <特殊加工モード>本実施の形態では、以上の撮影モー
ドと再生モードのほかに、撮影画像(または再生画像)
に対して簡単な加工を施す「特殊加工モード」を行うこ
とができる。図3は、その特殊加工に必要なデータを収
めたテーブルの概念図である。このテーブルは、CPU
41のインストラクションROMに書き込まれたもので
あり、図示の例では便宜的に、“タイトル”、“基本イ
メージ”、“可変項目”、“可変条件”及び“擬音”と
命名された複数のフィールドからなる多数のレコードで
構成され、各レコードはタイトルフィールドの情報によ
って一意に識別されるようになっている。
【0029】ここに、各フィールドのデータタイプ(デ
ータ型)は、基本イメージフィールドを除いて文字列型
(String型)である。例えば、タイトルフィールドに
は、“光”、“風”、“矢印”及び“移動”などの文字
情報が格納されており、また、擬音フィールドにも、
“キラッ”、“ビュー”、“テクテク”及び“スタス
タ”などの文字情報が格納されている。これらの文字情
報は後述するユーザインターフェースと画像加工に必要
となるものであり、人目に直接触れる情報である。した
がって、ユーザが理解できる言語(望ましくは母国語;
図示の例は日本語の2バイト文字)コードでなければな
らないが、他のフィールド(基本イメージフィールドを
除く)については、必ずしも言語コードである必要はな
い。例えば、可変項目フィールドに格納された“大き
さ”や“長さ”などの情報は、以下の説明からも明らか
になるが、後述の画像加工処理を行う際のパラメータ情
報であって、プログラム上で識別できる情報であればよ
い。したがって、例えば、数値型(Byte型、Integer型
など)やYES/NO型(Boolean型)または単なる記
号などの、それ自体で意味を持たない情報であっても構
わない。むしろ、データサイズの点を考慮すると、特に
可変項目フィールドと可変条件フィールドについては、
できるだけビット数の少ないデータ型(例えば、Byte型
は1バイトで済む)にすべきである。なお、以上のデー
タ型は構造の簡単なVisualBasic(登録商
標)のものであるが、これは説明の便宜であり、これに
限定されないことは言うまでもない。
【0030】ここで、各レコードの基本イメージフィー
ルドには、ビットマップなどのイメージオブジェクトが
格納されている。例えば、“光”で識別されるレコード
(以下、第1レコードという)には輝きを表現した適当
なデザインイメージ(図では縦長の星形イメージ)が格
納されており、また、“風”で識別されるレコード(以
下、第2レコードという)には風を表現した適当なデザ
インイメージ(図では風に舞う枯れ葉のイメージ)が格
納されている。同様に、“矢印”で識別されるレコード
(以下、第3レコードという)には右向きの白抜き矢印
イメージが格納されており、“移動”で識別されるレコ
ード(以下、第4レコードという)には左側に開いた三
つの円弧からなるイメージが格納されている。
【0031】可変項目フィールドに格納された情報は、
これらイメージデータの変更可能な“プロパティ”を示
している。これによれば、例えば、第1レコードのイメ
ージデータは「大きさ」のプロパティが変更可能であ
り、また、第2レコードのイメージデータは「長さ」と
「向き」の二つのプロパティが個別に若しくは同時に変
更可能である。同様に、第3レコードのイメージデータ
は「長さ」と「方向」、第4レコードのイメージデータ
は「数」と「方向」のプロパティが変更可能である。な
お、“プロパティ”とは、オブジェクト指向型の開発言
語で使われる用語であり、“メソッド”や“イベント”
とともにオブジェクトのスケルトン(骨格)を構成する
要素の一つである。プロパティを至近な例で説明すれ
ば、パソコンの画面上に表示されたボタンはマウスでク
リックするとあたかも押されたように変化する場合と、
ボタントップの文字がグレー表示になってクリックでき
ない場合があるが、前者はそのボタンのイネーブル(使
用可能)プロパティに真値(True)がセットされ、後者
は偽値(False)がセットされているからである。この
ようなプロパティの変更操作はデザイン段階で行うこと
も、コードの実行に合わせて動的に行うこともできる
が、特にコードで行う場合は、ユーザ操作に応答させて
オブジェクトのプロパティを変更できるから、ユーザフ
レンドリーなインターフェースの点で好ましく、近時の
設計手法の主流になっている。
【0032】本実施の形態におけるプロパティ(大き
さ、長さ、方向など)も、上記の例示と同様にコードか
ら操作されるようになっており、可変条件フィールドに
格納された情報は要するにそのプロパティ変更の“条
件”を示している。例えば、第1レコードのイメージオ
ブジェクトのプロパティ(大きさ)は“輝点の面積”ま
たは“輝点の明るさ”に対応して変更されるようになっ
ており、第2レコードのイメージオブジェクトのプロパ
ティ(長さと方向)は“手動選択”、すなわちユーザ操
作に応答して変更されるようになっている。また、第3
レコードのイメージオブジェクトのプロパティ(長さ、
方向)はそれぞれ“移動速度”と“移動方向”に応じて
変更されるようになっており、最後に、第4レコードの
イメージオブジェクトのプロパティ(数、方向)もそれ
ぞれ“移動速度”と“移動方向”に応じて変更されるよ
うになっている。
【0033】ここで、手動選択を除く他の可変条件(輝
点の面積、輝点の明るさ、移動速度、移動方向)は電子
スチルカメラの撮影画像または再生画像を解析すること
によって与えられる。すなわち、“輝点”は画像中の高
輝度部分、“移動”は画像中の移動部分であるから、輝
点の位置は画素値を解析することによって容易に判別で
きるし、また、移動部分も撮影画像の時系列的な変化を
解析(例えば、フレーム相関)することによって容易に
判別できる。図4は、液晶ディスプレイ26に表示され
た、「特殊加工撮影モード」の選択メニュー画面であ
る。図示の選択項目(光、風、矢印、移動)は、図3の
テーブルのタイトルフィールドに格納されたそれぞれの
情報に対応している。反転表示された項目を現在の選択
項目(この選択項目はプラスキー13やマイナスキー1
4を押すことによって変更可能である)とすると、この
状態でシャッターキー12を押せば、選択項目の情報
(図では“光”)をキーワードにして、図3のテーブル
が検索され、第1レコードの各フィールドから情報が抽
出される。以下、抽出された情報を、“光”に対応した
「星形」のイメージデータ、そのイメージデータの「大
きさ」プロパティ、そのプロパティの可変条件を示す
「輝点の面積」または「輝点の明るさ」並びに擬音を表
す「キラッ」というテキスト情報とする。
【0034】今、図5に示すような画像を想定し、この
画像に対して、抽出された情報を用いて特殊加工を施す
場合を考える。この場合の特殊加工は、画像中の幾つか
の高輝度部分(図では便宜的に飛翔体の胴体、手鏡及び
人体の歯を示している)の指示マークを見て、その一つ
を選択し、選択されたマーク位置に「星型」のイメージ
データを合成表示するというものであり、各指示マーク
の位置は「輝点」の位置になる。例えば、図示の画像の
場合、大きく開いた口から白い歯が見えているので、こ
の歯の表面の最も輝きのある部分に「星型」イメージを
位置させることができる。次に、「星型」イメージの
「大きさ」プロパティを明るさの程度や輝点の面積に応
じて変化させるという特殊加工を行い、最後に、「キラ
ッ」という擬音テキストを画像中の任意の位置(被写体
の邪魔にならない位置、例えば、図では右上隅)に合成
表示させて一連の特殊加工処理を終了する。
【0035】図6及び図7は、特殊加工処理のフローチ
ャートであり、このフローチャートでは、(S1)被写
体の画像を撮像し、(S2)特殊加工を行うか否かを判
定し、(S3)特殊加工を行う場合は、例えば、図4の
メニューを表示する。そして、(S4)メニュー項目の
選択(便宜的に「光」選択)に応答して、(S5)画像
中の高輝度部分の抽出と順番付けを行い、例えば、N=
1番目の高輝度部分を選択状態とし、他の高輝度部分を
選択候補状態とする指示マークを合成表示する。
【0036】ここに、図5(b)において、十字の印は
指示マークであり、黒丸付きの指示マークは選択状態を
表している。(S7〜S10)選択状態の指示マーク
は、プラスキー13やマイナスキー14を操作すること
によって、他の選択候補状態の指示マークと位置を入れ
換えることができるようになっており、例えば、図5の
歯の部分に表示された指示マークを選択状態にしてシャ
ッターキー12を押すことによって、(S7)歯の部分
への特殊加工を決定できる。
【0037】そして、(S11、S12)決定された高
輝度部分(便宜的に歯の部分)の大きさと明るさを抽出
し、その大きさと明るさに適したイメージを選択してそ
のイメージを含む合成画像を表示する。なお、(S13
〜S15)プラスキー13やマイナスキー14を操作す
ることによって、合成したイメージの大きさを変更する
ことができる。
【0038】最後に、(S16)イメージに合った擬音
を選択して画面上に表示するとともに、(S17〜S1
9)プラスキー13やマイナスキー14を操作して、擬
音の表示に用いるフォントの選択やフォントサイズの選
択を行った後、(S20)画面上に表示された合成画像
(特殊加工用イメージと擬音用テキストメッセージを合
成した画像)のフラッシュメモリ40への記録を行って
処理を終了する。
【0039】そして、特殊加工を施した画像を圧縮・伸
長回路38で圧縮処理した後、直接、通信部44を介し
て外部のパソコン等に転送し、または、一旦、フラッシ
ュメモリ40に書き込んでおき、後から通信部44を介
して外部のパソコン等に転送することにより、簡易な特
殊加工を施した画像を外部のパソコン等に転送すること
ができる。
【0040】したがって、同パソコン上では、特殊加工
済みの画像が最初から得られるから、改めて画像加工を
行うことなく、その画像をホームページやワープロ文書
等にそのまま貼り付けて、所要の視覚効果を得ることが
できるので、少なくとも、パソコン上で画像編集ソフト
を起動してその画像ファイルを読み込み、同ソフトを操
作して所要の加工を施すという手間を省くことができる
うえ、その種のソフトを入手(購入)する必要もなく、
コストの低減も図ることができるという従来技術にない
有利な効果が得られる。なお、以上の例では、画像中の
明るい部分(輝点)を見つけ出し、その部分に星型のイ
メージを合成しているが、これに限らない。要は、画像
中の画素値(輝度や色調)の特異部分を見つけ出し、そ
の特異部分を強調(ディフォルメ)して表現可能な適切
なイメージを合成すればよい。
【0041】図8は、プロパティを手動選択する場合
の、液晶ディスプレイ26の表示画面例である。図では
長さと方向のそれぞれの選択項目が示されており、反転
表示の項目が現在の選択項目である。かかる選択項目
は、例えば、図3のテーブルの第2レコードに適用でき
る。第2レコードにおいて、風を表現したイメージは三
つの曲線と二つの枯葉の絵からできており、曲線の長さ
と方向及び枯葉の位置が図8の選択項目に対応するの
で、例えば、長さの条件を「長」にすれば、“強い風”
を表現することができる。そして、この風のイメージを
適当な画像に合成することにより、静止画像では本来不
可能な“風”を擬似的に記録することができ、手間やコ
ストをかけることなく、ホームページやワープロ文書等
などのドキュメント類の視覚効果を高めることができ
る。
【0042】ところで、第2レコードの風のイメージを
画像に合成する場合、被写体の上に重ねても構わない
が、できれば被写体と背景の間に入るように加工してか
ら合成するのが望ましい。上に重ねた場合、被写体の一
部が隠れてしまうからである。ちなみに、上記の好まし
い合成スタイルにするには、被写体と背景を別々に認識
する必要があるが、それには被写体までの距離(AF部
の出力)を利用すればよい。記念撮影やポートレートな
どにおける被写体までの距離(数m程度)は背景距離
(ほぼ無限大)に比べて遥かに短く、容易に分離識別が
可能であるからである。したがって、被写体と背景画像
の分離識別を行った後、プロパティ変更をした風のイメ
ージの一部分(被写体と重なり合う部分)を取り除き、
その削除加工後の風のイメージと擬音テキスト情報を撮
影画像または再生画像に合成することにより、例えば、
図9に示すような、目に見えない風を視覚可能に表現し
た特殊加工画像を作成することができ、手間やコストを
かけることなく、ホームページやワープロ文書等などの
ドキュメント類の視覚効果を高めることができる。る。
【0043】図10及び図11は、図3のテーブルの第
3または第4レコードの情報を用いた場合の特殊加工画
像を示す図である。図10では被写体の頭の上には右向
きの白抜き矢印のイメージが合成されており、また、図
11では被写体の後ろに三つの円弧からなるイメージが
合成されている。これらの合成イメージは被写体の移動
方向と移動速度を視覚化して訴える効果を持つもので、
特に向きと長さ(円弧のイメージの場合は円弧の開く方
向と円弧の数または間隔)が重要である。被写体の移動
方向と移動速度を検出し、その検出結果に応じて、矢印
や円弧イメージのプロパティ(数、方向)を変更すれば
よい。プロパティの変更ステップ幅がきめ細かなもので
ない限り、被写体の移動方向と移動速度の検出精度はあ
る程度大雑把でよく、例えば、CCD30(正しくはカ
ラープロセス回路35)から所定時間ごとに出力される
フレーム画像に対して時間軸上の相関処理を行うことに
よって、所望の検出結果(移動速度と移動方向)を得る
ことが可能である。したがって、この検出結果に基づい
て、第3または第4レコードのイメージのプロパティを
変更して画像に合成することにより、図10や図11に
示す動きを視覚化して表現した加工画像を得ることがで
き、手間やコストをかけることなく、ホームページやワ
ープロ文書等などのドキュメント類の視覚効果を高める
ことができる。
【0044】
【発明の効果】請求項1又は請求項4記載の発明によれ
ば、画像中の画素値の特異部分を検出し、前記特異部分
を強調して表現可能な適切なイメージを、前記特異部分
に合成して合成画像を生成するので、電子スチルカメラ
若しくは画像加工処理だけで画像中の特異部分を強調し
て視覚に訴える特殊加工画像を作ることができる。した
がって、従来技術のような画像加工ツールを必要としな
いから、手間とコストの軽減を図ることができ、例え
ば、インターネットまたはイントラネット用のホームペ
ージやワープロ文書などの電子ドキュメント類の作成・
編集に利用して好適な電子スチルカメラ若しくは画像加
工方法を提供できる。請求項2又は請求項5記載の発明
によれば、画像中の被写体の動き方向及び動きの速さを
検出し、前記動き方向及び動きの速さを強調して表現可
能な適切なイメージを、前記被写体の周囲に合成して合
成画像を生成するので、電子スチルカメラ若しくは画像
加工処理だけで画像中の動きのある部分を強調して視覚
に訴える特殊加工画像を作ることができる。したがっ
て、従来技術のような画像加工ツールを必要としないか
ら、手間とコストの軽減を図ることができ、例えば、イ
ンターネットまたはイントラネット用のホームページや
ワープロ文書などの電子ドキュメント類の作成・編集に
利用して好適な電子スチルカメラ若しくは画像加工方法
を提供できる。請求項3又は請求項6記載の発明によれ
ば、画像中の被写体と該被写体の背景画像とを分離識別
し、任意のイメージを、前記被写体及び背景画像に合成
する際に、被写体と重ならないイメージ部分だけを合成
処理するので、あたかも被写体の後ろにイメージの一部
が入っているような特殊加工画像を作ることができ、画
像に視覚的な奥行きを持たせることができるうえ、かか
る処理操作を電子スチルカメラ若しくは画像加工処理だ
けで行うことができる。したがって、従来技術のような
画像加工ツールを必要としないから、手間とコストの軽
減を図ることができ、例えば、インターネットまたはイ
ントラネット用のホームページやワープロ文書などの電
子ドキュメント類の作成・編集に利用して好適な電子ス
チルカメラ若しくは画像加工方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】電子スチルカメラの外観図である。
【図2】電子スチルカメラのブロック図である。
【図3】特殊加工に必要な情報を収めたテーブル概念図
である。
【図4】特殊加工選択メニューの画面表示図である。
【図5】特殊加工を施した画像図(その1)である。
【図6】特殊加工処理のフローチャート(1/2)であ
る。
【図7】特殊加工処理のフローチャート(2/2)であ
る。
【図8】特殊加工の条件設定メニューの画面表示図であ
る。
【図9】特殊加工を施した画像図(その2)である。
【図10】特殊加工を施した画像図(その3)である。
【図11】特殊加工を施した画像図(その4)である。
【符号の説明】
10 電子スチルカメラ 23 写真レンズ 40 フラッシュメモリ(記録手段) 41 CPU(検出手段,保持手段,合成手段,識別手
段)

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 写真レンズを介して取り込まれた被写体
    像の撮影画像を生成し、シャッター操作に応答して該撮
    影画像を記録手段に記録する電子スチルカメラにおい
    て、 前記撮影画像または前記記録画像を再生した画像中の画
    素値の特異部分を検出する検出手段と、 前記特異部分を強調して表現可能な適切なイメージを保
    持する保持手段と、 前記特異部分に前記イメージを合成して合成画像を生成
    する合成手段と、 を備えたことを特徴とする電子スチルカメラ。
  2. 【請求項2】 写真レンズを介して取り込まれた被写体
    像の撮影画像を生成し、シャッター操作に応答して該撮
    影画像を記録手段に記録する電子スチルカメラにおい
    て、 前記撮影画像または前記記録画像を再生した画像中の被
    写体の動き方向及び動きの速さを検出する検出手段と、 前記動き方向及び動きの速さを強調して表現可能な適切
    なイメージを保持する保持手段と、 前記被写体の周囲に前記イメージを合成して合成画像を
    生成する合成手段と、を備えたことを特徴とする電子ス
    チルカメラ。
  3. 【請求項3】 写真レンズを介して取り込まれた被写体
    像の撮影画像を生成し、シャッター操作に応答して該撮
    影画像を記録手段に記録する電子スチルカメラにおい
    て、 前記被写体と該被写体の背景画像とを分離識別する識別
    手段と、 任意のイメージを保持する保持手段と、 前記被写体及び背景画像と前記イメージを合成する合成
    手段とを備え、 前記合成手段は、被写体と重ならないイメージ部分だけ
    を合成処理する、 ことを特徴とする電子スチルカメラ。
  4. 【請求項4】 写真画像中の画素値の特異部分を検出す
    るステップと、 前記特異部分に、前記特異部分を強調して表現可能な適
    切なイメージを合成して、合成画像を生成するステップ
    と、 を含むことを特徴とする画像加工方法。
  5. 【請求項5】 写真画像中の被写体の動き方向及び動き
    の速さを検出するステップと、 前記被写体の周囲に、前記動き方向及び動きの速さを強
    調して表現可能な適切なイメージを合成して、合成画像
    を生成するステップと、 を含むことを特徴とする画像加工方法。
  6. 【請求項6】 写真画像中の被写体と該被写体の背景画
    像とを分離識別するステップと、 前記被写体に重ならないように、前記背景画像に任意の
    イメージを合成して、合成画像を生成するステップと、 を含むことを特徴とする画像加工方法。
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