JP2000196067A - 窒化物系iii―v族化合物半導体装置 - Google Patents

窒化物系iii―v族化合物半導体装置

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JP2000196067A JP10372600A JP37260098A JP2000196067A JP 2000196067 A JP2000196067 A JP 2000196067A JP 10372600 A JP10372600 A JP 10372600A JP 37260098 A JP37260098 A JP 37260098A JP 2000196067 A JP2000196067 A JP 2000196067A
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    • H01L29/02Semiconductor bodies ; Multistep manufacturing processes therefor
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    • H01L29/20Semiconductor bodies ; Multistep manufacturing processes therefor characterised by the materials of which they are formed including, apart from doping materials or other impurities, only AIIIBV compounds
    • H01L29/2003Nitride compounds

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 組成分布の均一なInGaN混晶を備え、チ
ャネル電子移動度の大きな窒化物系III‐V族化合物半
導体装置を提供する。 【解決手段】 この窒化物系III‐V族化合物半導体装
置は、InGaNチャネル層15をGaN/InN多層
膜14の上に形成したから、組成分布が均一なInGa
Nチャネル層15を形成できる。その結果、従来よりも
大きな電子移動度を有するHFETを実現できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、窒化物系III‐
V族化合物半導体装置に関し、特に、高出力,高周波お
よび高温度特性に優れた2次元電子ガスを用いた半導体
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】2次元電子ガスを利用する半導体デバイ
スとしては、ヘテロ構造電界効果型トランジスタ(HF
ET),高電子移動度トランジスタ(HEMT),および変
調ドープ電界効果型トランジスタ(MODFET)が挙げ
られる。このような2次元電子ガスを利用する半導体デ
バイスでは、GaAs系材料を用いたものが開発されて
いる。
【0003】従来のGaAs系HFETでは、一般的
に、図6に示すように、半絶縁性GaAs基板101上
に、順次、アンドープGaAsバッファ層102(膜厚
1μm,キャリア濃度3×1016cm-3)、アンドープA
lGaAsスペーサ層103(膜厚10nm,キャリア濃
度1×1017cm-3)、n型AlGaAsドナー層10
4(膜厚20nm,キャリア濃度1×1018cm-3)、n
型GaAsキャップ層105(膜厚10nm,キャリア濃
度3×1018cm-3)が形成されている。なお、図6に
おいて、107はゲート電極、108はソース/ドレイ
ン電極である。また、500は2次元電子ガスである。
【0004】また、従来、上記GaAs系HFETとほ
ぼ同様な構造をしていて、窒化物系III‐V族化合物半
導体を用いたHFETトランジスタの構造が報告されて
いる(米国特許US5192987)。この窒化物系III−
V族化合物半導体を用いたトランジスタは、図7に示す
ように、サファイヤからなる絶縁性基板201上に、順
次、AlN低温成長バッファ層202(膜厚20nm)、
GaNバッファ層203(膜厚2μm,キャリア濃度8×
1016cm-3)、AlGaNドナー層204(膜厚20n
m,キャリア濃度1×1018cm-3)を積層した構造にな
っていて、チャネルとしてGaNを用いている。なお、
図7において、500は2次元電子ガスである。
【0005】また、窒化物系III−V族化合物半導体を
用いた今1つのトランジスタとして、図8に示すよう
に、絶縁性基板301上のAlN低温成長バッファ層3
02(膜厚20nm),GaNバッファ層303(膜厚3μ
m),AlN障壁層304(膜厚3nm),GaNチャネル
層305(膜厚100nm)からなる逆構造のHFETが
見られる(Electron.Lett.31(1995)1951頁)。
なお、図8において、500は2次元電子ガスである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、図9に示す
ように、チャネル層として一般に用いられるGaNの電
子移動度は、キャリア濃度が1×1018cm-3の場合に
約200cm2/Vs、キャリア濃度が1×1017cm-3
の場合に約400cm2/Vsであり、SiCなどの他の
ワイドバンドギャップ材料に比べて電子移動度が一桁程
度大きい。もっとも、このGaNチャネルの電子移動度
は、GaAs系HFETで用いられるGaAsチャネル
の電子移動度に比べて、一桁程度小さな値になる。
【0007】また、前記GaAs系HFETでは、特開
昭63‐161678号公報に記載されているように、
チャネルの材料として、より電子移動度の大きなInG
aAs混晶をAlGaAs/GaAs界面に挿入するこ
とも行われており、窒化物系半導体装置にも同様な手法
を用いることができると考えられた。
【0008】しかしながら、窒化物系III−V族半導体
装置においては、InGaN混晶の結晶性あるいは平坦
性に問題があり、電子移動度が必ずしも大きくはならな
いので、GaAs系HFETのInGaAsチャネル層
のような効果は期待できない。何故ならば、InGaN
混晶の組成が場所によって不均一になるからである。
【0009】しかしながら、均一な組成分布を有するI
nGaN混晶が得られたならば、GaNチャネルより
も、電子移動度を向上させることができると考えられ
る。
【0010】そこで、この発明の目的は、組成分布の均
一なInGaN混晶を備え、チャネル電子移動度の大き
な窒化物系III‐V族化合物半導体装置を提供すること
にある。
【0011】
【課題を解決するための手段】発明者らが鋭意研究を重
ねた結果、上記目的を達成するためには、以下に記載す
る構造が有効であることが分かった。
【0012】すなわち、請求項1の発明の窒化物系III
‐V族化合物半導体装置は、InGaNからなるInG
aNチャネル層が、GaNおよびInNで構成されたG
aN/InN多層膜の上に形成されていることを特徴と
している。
【0013】この請求項1の発明では、上記InGaN
チャネル層を上記GaN/InN多層膜の上に形成した
から、組成分布が均一なInGaNチャネル層を形成で
きる。その結果、従来よりも大きな電子移動度を有する
HFETを実現できる。
【0014】InGaN膜を、GaNおよびInNから
なる多層膜の上に成長することによって、歪のエネルギ
ーを低減でき、したがって、InGaN膜の組成分布を
均一化でき、GaNよりも移動度の大きいInGaN膜
を成長できるのである。
【0015】なお、GaN上に、直接InGaN膜を成
長させると、歪のエネルギーによってInGaN膜の組
成分布が均一にならず、GaNよりも移動度が低下す
る。
【0016】また、請求項2の発明は、請求項1に記載
の窒化物系III−V族化合物半導体装置において、上記
GaN/InN多層膜が、2対以上のGaN/InN構造
からなることを特徴としている。
【0017】この請求項2の発明では、GaN/InN
多層膜を、2対以上のGaN/InN構造で構成したか
ら、歪のエネルギーをより低減でき、InGaNチャネ
ル層の組成分布をより一層均一化でき、電子移動度のよ
り大きなHFETを実現できる。
【0018】また、請求項3の発明は、請求項1または
2に記載の窒化物系III‐V族化合物半導体装置におい
て、上記GaN/InN多層膜は、その平均面内格子定
数が、上記InGaNチャネル層の面内格子定数と同じ
になるように、GaNとInNの層厚比が設定されてい
ることを特徴としている。
【0019】この請求項3の発明では、GaN/InN
多層膜の平均面内格子定数が、InGaNチャネル層の
面内格子定数と同じになるように、GaNとInNの層
厚比が設定されているから、歪のエネルギーを最小にす
ることが可能になり、より好ましい。
【0020】より具体的には、GaN,InN,InGa
Nの面内格子定数を、aGaN,aInN,aInGaNとした場
合、aInGaN=aGaN[1+fGInNInN/(GGaNGaN
InNInN)]=aInN[1−fGGaNGaN/(GGaNGaN
+GInNInN)]となるように、GaN,InNの層厚を
決める(ここで、fは格子不整、hは層厚、Gは(剪断弾
性係数(shear moduli))である)。
【0021】また、請求項4の発明の窒化物系III-V族
化合物半導体装置は、InGaNからなるInGaNチ
ャネル層が、AlNおよびInNで構成されたAlN/
InN多層膜の上に形成されていることを特徴としてい
る。
【0022】この請求項4の発明では、InGaNチャ
ネル層が、AlN/InN多層膜の上に形成されている
から、組成分布が均一なInGaN層を形成することが
でき、その結果、より大きな移動度を有するHFETを
実現できる。
【0023】AlN/InN多層膜の上に、InGaN
チャネル層を成長することによって、歪のエネルギーを
低減でき、InGaNチャネル層の組成分布を均一化で
き、GaNよりも移動度の大きいInGaNチャネル層
を形成できるのである。
【0024】なお、AlN上に、直接InGaNを成長
した場合には、歪のエネルギーによってInGaN膜の
組成分布が均一にならず、GaNよりも移動度が低下す
る。
【0025】また、請求項5の発明は、請求項4に記載
の窒化物系III‐V族化合物半導体装置において、上記
AlN/InN多層膜が、2対以上のAlN/InN構造
からなることを特徴としている。
【0026】この請求項5の発明では、AlN/InN
多層膜が、2対以上のAlN/InN構造で構成されて
いるから、歪のエネルギーをより低減でき、InGaN
チャネル層の組成分布をより一層均一化でき、電子移動
度のより大きなHFETを実現できる。
【0027】また、請求項6の発明は、請求項4または
5に記載の窒化物系III‐V族化合物半導体装置におい
て、上記AlN/InN多層膜は、その平均面内格子定
数が、上記InGaNチャネル層の面内格子定数と同じ
になるように、AlNとInNの層厚比が設定されてい
ることを特徴としている。
【0028】この請求項6の発明では、AlN/InN
多層膜の平均面内格子定数が、InGaNチャネル層の
面内格子定数と同じになるように、AlNとInNの層
厚比を設定したので、歪のエネルギーを最小にすること
が可能となり、より好ましい。
【0029】具体的には、AlN,InN,InGaNの
面内格子定数を、aAlN ,aInN ,a InGaN とした場合、 aInGaN=aAlN [1+fGInNInN/(GAlNAlN +G
InNInN)] =aInN[1−fGAlN /(GAlNAlN+GInNInN)] となるように、AlN,InNの層厚が決められている
(ここで、fは格子不整、hは層厚、Gは(shear modul
i)である)。
【0030】また、請求項7の発明は、InGaNから
なるInGaNチャネル層と、バルクのGaNあるいは
ラテラル成長によるGaN厚膜を材料として用いたGa
N基板を備えたことを特徴としている。
【0031】この請求項7の発明では、基板材料として
バルクのGaNあるいはラテラル成長によるGaN厚膜
を用いたので、上に述べた効果がさらに大きくなる。
【0032】その理由は、バルクあるいは厚膜の上に、
InGaN膜を成長させた場合には、サファイア基板な
どの上にInGaN膜を成長した時に比べて、InGa
N膜がより理想的な無歪の状態に近づいて、組成分布の
不均一さがさらに小さくなるからである。
【0033】また、請求項8の発明は、InGaNから
なるInGaNチャネル層が、Al xGayIn1-x-y
(0≦x≦1,0≦y≦1)膜の上に形成されたサーフィ
スリアクタント層の上に形成されていることを特徴とし
ている。
【0034】この請求項8の発明では、InGaNチャ
ネル層がAlxGayIn1-x-y(0≦x≦1,0≦y≦
1)膜の上に形成されたサーフィスリアクタント層の上
に形成されている。このように、基板とInGaNチャ
ネル層との間に、サーフィスリアクタント層を挿入する
ことによって、3次元的な膜の成長を2次元的な膜の成
長に変えることが可能となり、InGaNチャネル層の
組成分布をより均一化できる。
【0035】また、請求項9の発明は、請求項8に記載
の窒化物系III−V族化合物半導体装置において、サー
フィスリアクタント層が、Li,Be,Na,Mg,K,C
a,Zn,S,Se,Teのうちの少なくとも1つで構成さ
れている。
【0036】この請求項9の発明では、サーフィスリア
クタント層が、Li,Be,Na,Mg,K,Ca,Zn,S,
Se,Teのうちの少なくとも1つで構成されているか
ら、3次元的な膜の成長を2次元的な膜の成長に変える
ことができ、InGaNチャネル層の組成分布をより均
一化できる。
【0037】なお、サーフィスリアクタント層をSi,
Geなどで構成すると、3次元的な膜の成長を促進する
ので、サーフィスリアクタント層としては好ましくな
い。
【0038】また、請求項10の発明は、請求項8また
は9に記載の窒化物系lII‐V族化合物半導体装置にお
いて、上記サーフィスリアクタント層の表面被覆率が1
以下であることを特徴としている。
【0039】この請求項10の発明では、上記サーフィ
スリアクタント層の表面被覆率が1以下であるから、そ
の上に成長されるInGaNチャネル層の結晶性を劣化
させることがない。
【0040】なお、サーフィスリアクタント層の表面被
覆率が1を超えると、その上に成長されるInGaNチ
ャネル層の結晶性が劣化する。なお、サーフィスリアク
タント層とは、結晶の表面エネルギーを変化させるため
に挿入される層のことである。
【0041】この発明では、InGaNをチャネル材料
として用いているが、これは組成分布の無いInGaN
の移動度が、GaNの移動度よりも優れているからであ
る。また、InxGa1-xNの組成としては、X>0の範
囲であればよい。
【0042】このようにして、組成分布の無いGaNよ
りも移動度が大きいInGaN膜を得ることが可能とな
り、このInGaN膜をチャネル層として用いることに
よって、チャネル電子移動度の大きな窒化物系III−V
族化合物半導体装置を実現できる。
【0043】
【発明の実施の形態】以下、この発明を図示の実施の形
態に基づいて詳細に説明する。
【0044】〔第1の実施の形態〕図1に、この発明の
第1の実施の形態である窒化物系HFETの概要を表す
断面を示す。
【0045】この窒化物系HFETは、(0001)サフ
ァイア基板11、膜厚20nmの低温成長AlNバッフ
ァ層12、キャリア濃度5×1016cm-3,膜厚2μm
のアンドープGaNバッファ層13、膜厚20nm/2
0nm,5周期のアンドープGaN/InN多層膜14が
順次積層されている。さらに、このアンドープGaN/
InN多層膜14の上に、キャリア濃度4×1017cm
-3,膜厚10nmのIn0 .2Ga0.8Nチャネル層15、
キャリア濃度5×1016cm-3,膜厚10nmのアンド
ープGaNスペーサ層16、キャリア濃度2×1018
-3,膜厚30nmのn型GaNドナー層17、Pt/A
uゲート電極18、Ti/Alソース/ドレイン電極19
が順次積層されている。なお、50は2次元電子ガスで
ある。
【0046】このような層構造を形成するための結晶成
長方法としては、MOVPE法,MBE法などを用いる
ことができる。この実施形態では、結晶成長方法として
MOVPE法を用いた。MOVPE法のプロセスは、以
下の通りである。
【0047】まず、水素雰囲気中で、基板11の温度を
1100℃にして、基板クリーニングを10分間だけ行
う。次に、基板11の温度を550℃に設定し、低温バ
ッファ層12を成長させた。その後、基板11の温度を
1000℃に設定し、GaNバッファ層13を成長させ
た。その後、700℃でGaN/InN多層膜14を成
長させ、引き続き、基板温度700℃でInGaNチャ
ネル層15を成長させた。その上のGaNスペーサ層1
6,GaNドナー層17は、基板温度を1000℃まで
上げながら成長させた。
【0048】この実施形態の窒化物系HFETと同一の
膜構造について、ホール測定を行った結果、室温におけ
る移動度800cm2/Vsおよび77K(絶対温度)にお
ける移動度1200cm2/Vsを確認した。
【0049】この実施形態では、ゲート長さを1μm,
ソースドレイン間距離を5μmのHFETとし、その特
性を評価した結果、室温において、最大発振周波数fma
x=18GHz、トランスコンダクタンスgm=150m
S/mm、温度250℃において、gm=100mS/m
mを得た。
【0050】一方、InGaNチャネル層15に換え
て、GaNチャネル層を採用した比較例では、室温にお
いて、最大発振周波数fmax =15GHz、トランスコ
ンダクタンスgm=120mS/mm、温度200℃にお
いて、gm=80mS/mmであった。したがって、この
実施形態で採用したInGaNチャネル層15の効果を
確認できた。また、この実施形態では、最大動作温度は
300℃であった。
【0051】アンドープInGaNチャネル層15のキ
ャリア濃度と電子移動度は、それぞれ、4×1017cm
-3と600cm2/Vsとなっており、その電子移動度
は、GaNチャネル層の約1.5倍となっていた。この
大きな移動度が、HFETの特性を大きく改善する原因
となっていると考えられる。
【0052】また、この実施形態のように、GaN/I
nN多層膜14の上に成長させたInGaNチャネル層
15の移動度と、比較例としてGaNバッファ層13の
上に直接成長したInGaNチャネル層の移動度とを比
較した。その結果、この実施形態のGaN/InN多層
膜14上のInGaNチャネル層15の移動度は、上記
比較例のGaN層直上のInGaNチャネル層の移動度
の2倍であった。これは、多層構造のGaN/InN層
14を採用したことによって、基板11の界面からの転
位が減少し、その結果、より組成分布の不均一が少ない
InGaNチャネル層15を作製できたからであると考
えられる。
【0053】〔第2の実施の形態〕次に、この発明の第
2の実施の形態の窒化物系HFETを説明する。この第
2実施形態は、図1に示すGaN/InN多層膜14の
面内格子定数とInGaNチャネル層15の面内格子定
数とが一致するように、GaN/InN多層膜14のG
aN層,InN層の層厚を設定した点だけが、前述の第
1の実施形態と異なっている。
【0054】この実施形態のような層構造を形成するた
めの結晶成長方法としては、MOVPE法,MBE法な
どを用いることができる。この第2実施形態では、結晶
成長方法としてMOVPE法を用いた。
【0055】この第2実施形態と同一の膜構造を用いて
ホール測定を行った結果、室温における移動度850c
2/Vsおよび77K(絶対温度)における移動度125
0cm2/Vsを確認した。
【0056】この実施形態では、ゲート長さを1μm,
ソースドレイン間距離を5μmのHFETを作製し、そ
の特性を評価した結果、室温において、最大発振周波数
fmax=20GHz、トランスコンダクタンスgm=16
0mS/mm、温度250℃において、gm=105mS
/mmであった。
【0057】一方、InGaNチャネル層15に換え
て、GaNチャネル層を採用した比較例では、室温にお
いて、最大発振周波数fmax=15GHz、トランスコ
ンダクタンスgm=120mS/mm、温度200℃に
おいて、gm=80mS/mmであった。したがって、こ
の実施形態で採用したInGaNチャネル層15の効果
を確認できた。また、この実施形態では、最大動作温度
は300℃であった。
【0058】この第2実施形態においては、GaN/I
nN多層膜14の面内格子定数が、InGaNチャネル
層15の面内格子定数と一致するように、GaN/In
N多層膜14におけるGaNとInNの層厚を設定し
た。チャネル層15と多層膜14の面内格子定数を一致
させたことによって、InGaNチャネル層15内に存
在する歪を小さくすることができる。したがって、上記
歪によって引き起こされる組成分布の不均一さを抑える
ことができ、より均質な移動度の高いInGaNチャネ
ル層15を得ることができる。その結果、この第2実施
形態では、第1実施形態よりもさらに特性を改善でき
た。
【0059】〔第3の実施の形態〕次に、図2に、この
発明の第3の実施の形態である窒化物系HFETの概要
を表す断面を示す。
【0060】この第3実施形態の窒化物系HFETは、
(0001)サファイア基板21、膜厚20nmの低温成
長GaNバッファ層22、キャリア濃度5×1016cm
-3,膜厚2μmのアンドープGaNバッファ層23、膜
厚20nm/20nm,5周期のアンドープAlN/In
N層24が順次積層されている。
【0061】さらに、このアンドープAlN/InN多
層膜24の上に、キャリア濃度4×1017cm-3,膜厚
10nmのIn0.2Ga0.8Nチャネル層25、キャリア
濃度5×1016cm-3,膜厚10nmのアンドープGa
Nスペーサ層26、キャリア濃度2×1018cm-3,膜
厚30nmのn型GaNドナー層27、Pt/Auゲー
ト電極28、Ti/Alソース/ドレイン電極29が順次
積層されている。
【0062】このような層構造を形成するための結晶成
長方法としては、MOVPE法,MBE法などを用いる
ことができる。この第3実施形態では、結晶成長方法と
してMOVPE法を用いた。MOVPE法のプロセス
は、以下の通りである。
【0063】まず、水素雰囲気中で基板21の温度を1
100℃にして、基板クリーニングを10分間行った。
次に、基板21の温度を550℃に設定し、低温バッフ
ァ層22を成長した。その後、基板21の温度を100
0℃に設定し、GaNバッファ層23を成長させた。そ
の後、700℃でAlN/InN多層膜24を成長さ
せ、引き続き、基板温度700℃でInGaN層25を
成長させた。その上のGaNスペーサ層26の成長は基
板温度を1000℃まで上げながら行った。
【0064】この実施形態の窒化物系HFETと同一の
膜構造について、ホール測定を行った結果、室温におけ
る移動度880cm2/Vsおよび77K(絶対温度)にお
ける移動度1250cm2/Vsを確認した。
【0065】この実施形態では、ゲート長さを1μm,
ソースドレイン間距離を5μmのHFETとし、その特
性を評価した結果、室温において、最大発振周波数fma
x=19GHz、トランスコンダクタンスgm=155m
S/mm、温度250℃において、gm=110mS/m
mであった。
【0066】一方、InGaNチャネル層25に換え
て、GaNチャネル層を採用した比較例では、室温にお
いて、最大発振周波数fmax=15GHz、トランスコ
ンダクタンスgm=120mS/mm、温度200℃にお
いて、gm=80mS/mmであった。したがって、この
第3実施形態で採用したInGaNチャネル層25の効
果を確認できた。また、この第3実施形態では、最大動
作温度は350℃であった。
【0067】また、この実施形態のように、AlN/I
nN多層膜24の上に成長したInGaNチャネル層2
5の移動度と、比較例としてGaNバッファ層23の上
に直接に成長させたInGaNチャネル層の移動度とを
比較した。その結果、この実施形態のAlN/InN多
層膜24上のInGaNチャネル層25の移動度は、上
記比較例のGaNバッファ層23上に直接成長させたI
nGaNチャネル層の移動度の1.7倍であった。これ
は、多層構造のAlN/InN多層膜24を採用したこ
とによって、基板21の界面からの転位が減少し、その
結果、組成分布の不均一がより少ないInGaNチャネ
ル層25を作製できたからであると考えられる。
【0068】また、この第3実施形態では、前記第1,
第2実施形態が有したGaN/InN多層膜14のGa
NをAlNに換えて、AlN/InN多層膜24を採用
したから、InGaNチャネル層25とその下側の層2
3,22との電気的絶縁性をさらに高めることができ
る。したがって、このAlN/InN多層膜24を採用
した第3実施形態によれば、GaN/InN多層膜14
を採用した第1,第2実施形態に比べて、InGaNチ
ャネル層25の移動度を、より一層大きくすることがで
きた。
【0069】〔第4の実施の形態〕次に、この発明の第
4実施形態の窒化物系HFETを説明する。この第2実
施形態は、図2に示すAlN/InN多層膜24の面内
格子定数とInGaNチャネル層25の面内格子定数と
が一致するように、AlN/InN多層膜24のAlN
層,InN層の層厚を設定した点だけが、前述の第3実
施形態と異なっている。
【0070】このような層構造を形成するための結晶成
長方法としては、MOVPE法,MBE法などを用いる
ことができる。この第4実施形態では、結晶成長方法と
してMOVPE法を用いた。
【0071】この第4実施形態と同一の膜構造を用いて
ホール測定を行った結果、室温における移動度950c
2/Vsおよび77K(絶対温度)における移動度140
0cm2/Vsを確認した。
【0072】この第4実施形態では、ゲート長さを1μ
m、ソースドレイン間距離を5μmのHFETを作製
し、その特性を評価した結果、室温において、最大発振
周波数fmax=21GHz、トランスコンダクタンスgm
=170mS/mm、温度250℃において、gm=13
0mS/mmであった。
【0073】一方、InGaNチャネル層25に替え
て、GaNチャネル層を採用した比較例では、室温にお
いて、最大発振周波数fmax=15GHz、トランスコ
ンダクタンスgm=120mS/mm、温度200℃にお
いて、gm=80mS/mmであった。したがって、この
実施形態で採用したInGaNチャネル層25の効果を
確認できた。また、この実施形態では、最大動作温度
は、380℃であった。
【0074】この第4実施形態においては、AlN/I
nN多層膜24の面内格子定数が、InGaNチャネル
層25の面内格子定数と一致するように、AlN/In
N多層膜24のAlNとInNの層厚を決めた。上記面
内格子定数の一致によって、InGaNチャネル層25
内に存在する歪を小さくし、歪によって引き起こされる
組成分布の不均一さを抑えることができ、より均質な移
動度の高いInGaNチャネル層25を得ることができ
る。さらに、この第4実施形態では、前記第3実施形態
と同様に、AlN層を採用したAlN/InN多層膜2
4による絶縁効果を発揮できる。
【0075】〔第5の実施形態〕次に、図3に、この発
明の第5の実施形態である窒化物系HFETの概要を表
す断面を示す。
【0076】この第5実施形態の窒化物系HFETは、
(0001)GaN基板31、キャリア濃度5×1016
-3,膜厚2μmのアンドープGaNバッファ層32、
膜厚20nmのアンドープAlN障壁層33、膜厚15
nmのアンドープInGaNチャネル層34が順次積層
されている。さらに、このアンドープInGaNチャネ
ル層34の上に、キャリア濃度5×1017cm-3,膜厚
30nmのSiドープGaNキャップ層35、Pt/A
uゲート電極36、Ti/Alソース/ドレイン電極37
が順次積層されている。
【0077】このような膜構造の結晶成長方法として
は、第1実施形態と同様に、MOVPE法,MBE法な
どを用いることができる。
【0078】この第5実施形態の窒化物系HFETと同
一の膜構造について、ホール測定を行った結果、室温に
おける移動度900cm2/Vsおよび77K(絶対温度)
における移動度1300cm2/Vsを確認した。
【0079】この実施形態では、ゲート長さを1μm,
ソースドレイン間距離を5μmのHFETとし、その特
性を評価した結果、室温において、最大発振周波数fma
x=19GHz、トランスコンダクタンスgm=155m
S/mm、温度250℃において、gm=110mS/m
mであった。一方、アンドープInGaNチャネル層3
4に替えて、GaNチャネル層を採用した場合には、室
温において、最大発振周波数fmax=15GHz、トラ
ンスコンダクタンスgm=120mS/mm、温度200
℃において、gm=80mS/mmであった。
【0080】〔第6の実施の形態〕次に、図4に、この
発明の第6の実施の形態である窒化物系HFETの概要
を表す断面を示す。
【0081】この第6実施形態の窒化物系HFETは、
(0001)GaNラテラル成長基板41、キャリア濃度
5×1016cm-3,膜厚2μmのアンドープGaNバッ
ファ層42、膜厚20nmのアンドープAlN障壁層4
3、膜厚15nmのアンドープInGaNチャネル層4
4が順次積層されている。
【0082】さらに、このInGaNチャネル層44の
上に、キャリア濃度5×1017cm -3,膜厚10nmの
SiドープGaNキャップ層45、Pt/Auゲート電
極46、Ti/Alソース/ドレイン電極47が順次積層
されている。
【0083】上記(0001)GaNラテラル成長基板4
1の製造方法としては、Jpn.J.Appl.Phy
s.Vol.36(1997)899頁に開示された方法
がある。また、上記膜構造の結晶成長方法としては、上
述した第1実施形態と同様に、MOVPE法,MBE法
などを用いることができる。
【0084】この実施形態の窒化物系HFETと同一の
膜構造について、ホール測定を行った結果、室温におけ
る移動度880cm2/Vsおよび77K(絶対温度)にお
ける移動度1250cm2/Vsを確認した。
【0085】この実施形態では、ゲート長さを1μm、
ソースドレイン間距離を5μmのHFETとし、その特
性を評価した結果、室温において、最大発振周波数fma
x=19GHz、トランスコンダクタンスgm=155m
S/mm、温度250℃において、gm=110mS/m
mであった。
【0086】一方、上記InGaNチャネル層44に替
えて、GaNチャネル層を採用した比較例では、室温に
おいて、最大発振周波数fmax=15GHz、トランス
コンダクタンスgm=120mS/mm、温度200℃に
おいて、gm=80mS/mmであった。
【0087】〔第7の実施形態〕次に、図5に、この発
明の第7の実施の形態である窒化物系HFETの概要を
表す断面を示す。
【0088】この第7実施形態の窒化物系HFETは、
サファイア基板51、膜厚20nmのアンドープGaN
低温バッファ層52、キャリア濃度5×1016cm-3,
膜厚1μmのアンドープGaNバッファ層53、被覆率
0.33のLi原子からなるサーフィスリアクタント層
54が順次積層されている。
【0089】さらに、このサーフィスリアクタント層5
4の上に、膜厚30nmのアンドープInGaNチャネ
ル層55、キャリア濃度5×1017cm-3,膜厚10n
mのSiドープGaNキャップ層56、Pt/Auゲー
ト電極57、Ti/Alソース/ドレイン電極58が順次
積層されている。
【0090】この第7実施形態では、RF‐MBE法に
より膜構造を作製した。RF−MBE法のプロセスは以
下の通りである。
【0091】まず始めに、真空中で基板51の温度を8
00℃にして、基板クリーニングを10分間行う。次
に、基板51の温度を550℃に設定し、結晶成長を良
くするために、窒素ラジカルを基板51に照射して、基
板表面を窒化する。その後、GaN(またはAlN)低温
バッファ層52を成長した。次に、窒素ラジカルを照射
しながら基板温度を750℃まで上昇し、GaNバッフ
ァ層53を成長した。そして、このGaNバッファ層5
3を成長させた後、基板温度を600℃に設定し、Li
ビームを照射し、所望の表面被覆率となるように、RH
EED(反射高速電子線回折)の表面再構成パターンを用
いて調整した。この所望の表面被覆率は、RHEEDの
再構成パターンから求めた。そして、引き続き、基板温
度600℃で、InGaNチャネル層55を成長させ、
最後に、基板温度を750℃まで上げながら、GaNキ
ャップ層56を成長させた。
【0092】この第7実施形態の窒化物系HFETと同
一の膜構造について、ホール測定を行った結果、室温に
おける移動度800cm2/Vsおよび77K(絶対温度)
における移動度1150cm2/Vsを確認した。
【0093】この実施形態では、ゲート長さを1μm、
ソースドレイン間距離を5μmのHFETとし、その特
性を評価した結果、室温において、最大発振周波数fma
x=18GHz、トランスコンダクタンスgm=155m
S/mm、温度250℃において、gm=105mS/m
mであった。
【0094】一方、InGaNチャネル層55に替え
て、GaNチャネル層を採用した比較例では、室温にお
いて、最大発振周波数fmax=15GHz、トランスコ
ンダクタンスgm=120mS/mm、温度200℃にお
いて、gm=80mS/mmであった。したがって、この
第7実施形態で採用したInGaNチャネル層55の効
果を確認できた。また、この第7実施形態では、最大動
作温度は、280℃であった。
【0095】なお、この第7実施形態では、サーフィス
リアクタント層54として、被覆率0.33のLi原子
を用いたが、これ以外の被覆率1以下のBe,Na,M
g,K,Ca,Zn,S,Se,Te原子を用いても同様の効
果が得られた。
【0096】尚、上記第1〜第7実施形態では、2次元
電子ガスを利用する半導体装置をヘテロ構造電界効果型
トランジスタ(HFET)としたが、高電子移動度トラン
ジスタ(HEMT),および変調ドープ電界効果型トラン
ジスタ(MODFET)にも適用できる。
【0097】
【発明の効果】以上より明らかなように、請求項1の発
明の窒化物系III‐V族化合物半導体装置は、InGa
Nチャネル層をGaN/InN多層膜の上に形成したか
ら、組成分布が均一なInGaNチャネル層を形成でき
る。その結果、従来よりも大きな電子移動度を有するH
FETを実現できる。
【0098】InGaN膜を、GaNおよびInNから
なる多層膜の上に成長させることによって、歪のエネル
ギーを低減でき、InGaN膜の組成分布を均一化で
き、GaNよりも移動度の大きいInGaN膜を成長で
きる。
【0099】また、請求項2の発明は、請求項1に記載
の窒化物系III−V族化合物半導体装置において、上記
GaN/InN多層膜を、2対以上のGaN/InN構造
で構成したから、歪のエネルギーをより低減でき、In
GaNチャネル層の組成分布をより一層均一化でき、電
子移動度のより大きなHFETを実現できる。
【0100】また、請求項3の発明は、請求項1または
2に記載の窒化物系III‐V族化合物半導体装置におい
て、GaN/InN多層膜の平均面内格子定数が、In
GaNチャネル層の面内格子定数と同じになるように、
GaNとInNの層厚比が設定されている。したがっ
て、歪のエネルギーを最小にすることができる。
【0101】また、請求項4の発明の窒化物系III-V族
化合物半導体装置は、InGaNチャネル層が、AlN
/InN多層膜の上に形成されているから、組成分布が
均一なInGaN層を形成することができ、より大きな
移動度を有するHFETを実現できる。
【0102】AlN/InN多層膜の上に、InGaN
チャネル層を成長することによって、歪のエネルギーを
低減でき、InGaNチャネル層の組成分布を均一化で
き、GaNよりも移動度の大きいInGaNチャネル層
を形成できる。
【0103】また、請求項5の発明は、請求項4に記載
の窒化物系III‐V族化合物半導体装置において、上記
AlN/InN多層膜が、2対以上のAlN/InN構造
で構成されているから、歪のエネルギーをより低減で
き、InGaNチャネル層の組成分布をより一層均一化
できる。したがって、電子移動度のより大きなHFET
を実現できる。
【0104】また、請求項6の発明は、請求項4または
5に記載の窒化物系III‐V族化合物半導体装置におい
て、上記AlN/InN多層膜の平均面内格子定数が、
InGaNチャネル層の面内格子定数と同じになるよう
に、AlNとInNの層厚比を設定したので、歪のエネ
ルギーを最小にすることが可能となる。
【0105】また、請求項7の発明は、InGaNから
なるInGaNチャネル層と、バルクのGaNあるいは
ラテラル成長によるGaN厚膜を材料として用いたGa
N基板を備えた。
【0106】この請求項7の発明では、基板材料として
バルクのGaNあるいはラテラル成長によるGaN厚膜
を用いたので、上に述べた歪エネルギー低減効果がさら
に大きくなる。バルクあるいは厚膜の上に、InGaN
膜を成長させることによって、サファイア基板などの上
にInGaN膜を成長した時に比べて、InGaN膜が
より理想的な無歪の状態に近づいて、組成分布の不均一
さがさらに小さくなる。
【0107】また、請求項8の発明は、InGaNチャ
ネル層がAlxGayIn1-x-y(0≦x≦1,0≦y≦
1)膜の上に形成されたサーフィスリアクタント層の上
に形成されている。このように、基板とInGaNチャ
ネル層との間に、サーフィスリアクタント層を挿入する
ことによって、3次元的な膜の成長を2次元的な膜の成
長に変えることが可能となり、InGaNチャネル層の
組成分布をより均一化できる。
【0108】また、請求項9の発明は、請求項8に記載
の窒化物系III−V族化合物半導体装置において、サー
フィスリアクタント層が、Li,Be,Na,Mg,K,C
a,Zn,S,Se,Teのうちの少なくとも1つで構成さ
れている。
【0109】この請求項9の発明では、サーフィスリア
クタント層が、Li,Be,Na,Mg,K,Ca,Zn,S,
Se,Teのうちの少なくとも1つで構成されているか
ら、3次元的な膜の成長を2次元的な膜の成長に変える
ことができ、InGaNチャネル層の組成分布をより均
一化できる。
【0110】なお、サーフィスリアクタント層をSi,
Geなどで構成すると、3次元的な膜の成長を促進する
ので、サーフィスリアクタント層としては好ましくな
い。
【0111】また、請求項10の発明は、請求項8また
は9に記載の窒化物系lII‐V族化合物半導体装置にお
いて、上記サーフィスリアクタント層の表面被覆率が1
以下であるから、その上に成長されるInGaNチャネ
ル層の結晶性を劣化させることがない。
【0112】この発明では、InGaNをチャネル材料
として用いているが、これは組成分布の無いInGaN
の移動度が、GaNの移動度よりも優れているからであ
る。また、InxGa1-xNの組成としては、X>0の範
囲であればよい。
【0113】このようにして、組成分布の無いGaNよ
りも移動度が大きいInGaN膜を得ることが可能とな
り、このInGaN膜をチャネル層として用いることに
よって、チャネル電子移動度の大きな窒化物系III−V
族化合物半導体装置を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の窒化物系III−V族化合物半導体
装置の第1実施形態であるHFETの素子構造を表す断
面図である。
【図2】 この発明の第3実施形態のHFETの素子構
造を表す断面図である。
【図3】 この発明の第5実施形態のHFETの素子構
造を表す断面図である。
【図4】 この発明の第6実施形態のHFETの素子構
造を表す断面図である。
【図5】 この発明の第7実施形態のHFETの素子構
造を表す断面図である。
【図6】 従来のGaAs系HFETの構造を示す図で
ある。
【図7】 GaN系HFETの従来例を示す図である。
【図8】 GaN系逆構造HFETの従来例を示す図で
ある。
【図9】 GaNにおけるキャリア濃度と移動度の関係
を示す図である。
【符号の説明】
11…(0001)サファイア基板、12…低温成長Al
Nバッファ層、13…アンドープGaNバッファ層、1
4…アンドープGaN/InN層、15…アンドープI
nGaNチャネル層、16…アンドープGaNスペーサ
ー層、17…n型GaNドナー層、18…ゲート電極、
19…ソース/ドレイン電極、21…(0001)サファ
イア基板、22…低温成長GaNバッファ層、23…ア
ンドープGaNバッファ層、24…AlN/InN層、
25…アンドープInGaNチャネル層、26…アンド
ープGaNスペーサー層、27…n型GaNドナー層、
28…ゲート電極、29…ソース/ドレイン電極、31
…(0001)GaN基板、32…アンドープGaNバッ
ファ層、33…アンドープAlN障壁層、34…アンド
ープInGaNチャネル層、35…SiドープGaNキ
ャップ層、36…Pt/Auゲート電極、37…Ti/A
lソース/ドレイン電極、41…(0001)GaNラテ
ラル成長基板、42…アンドープGaNバッファ層、4
3…アンドープAlN障壁層、44…アンドープInG
aNチャネル層、45…SiドープGaNキャップ層、
46…Pt/Auゲート電極、47…Ti/Alソース/ド
レイン電極、51…サファイア基板、52…アンドープ
GaN低温バッファ層、53…アンドープGaNバッフ
ァ層、54…サーフィスリアクタント層、55…アンド
ープInGaNチャネル層、56…SiドープGaNキ
ャップ層、57…Pt/Auゲート電極、58…Ti/A
lソース/ドレイン電極。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5F045 AA04 AB09 AB14 AD09 AD11 AD12 AD13 AD14 AF04 AF09 BB04 BB16 CA07 DA53 HA06 HA07 5F102 FA02 GB01 GC01 GD01 GJ04 GJ10 GK08 GK09 GL04 GL08 GL09 GM04 GQ01 GT03 HC01

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 InGaNからなるInGaNチャネル
    層が、GaNおよびInNで構成されたGaN/InN
    多層膜の上に形成されていることを特徴とする窒化物系
    III‐V族化合物半導体装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の窒化物系III−V族化
    合物半導体装置において、 上記GaN/InN多層膜が、2対以上のGaN/InN
    構造からなることを特徴とする窒化物系III−V族化合
    物半導体装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の窒化物系III
    ‐V族化合物半導体装置において、 上記GaN/InN多層膜は、その平均面内格子定数が
    上記InGaNチャネル層の面内格子定数と同じになる
    ように、GaNとInNの層厚比が設定されていること
    を特徴とする窒化物系III‐V族化合物半導体装置。
  4. 【請求項4】 InGaNからなるInGaNチャネル
    層が、AlNおよびInNで構成されたAlN/InN
    多層膜の上に形成されていることを特徴とする窒化物系
    III-V族化合物半導体装置。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の窒化物系III‐V族化
    合物半導体装置において、 上記AlN/InN多層膜が、2対以上のAlN/InN
    構造からなることを特徴とする窒化物系III‐V族化合
    物半導体装置。
  6. 【請求項6】 請求項4または5に記載の窒化物系III
    ‐V族化合物半導体装置において、 上記AlN/InN多層膜は、その平均面内格子定数が
    上記InGaNチャネル層の面内格子定数と同じになる
    ように、AlNとInNの層厚比が設定されていること
    を特徴とする窒化物系III‐V族化合物半導体装置。
  7. 【請求項7】 InGaNからなるInGaNチャネル
    層と、 バルクのGaNあるいはラテラル成長によるGaN厚膜
    を材料として用いたGaN基板を備えたことを特徴とす
    る窒化物系III‐V族化合物半導体装置。
  8. 【請求項8】 InGaNからなるInGaNチャネル
    層が、AlxGayIn1-x-yN(0≦x≦1,0≦y≦1)
    膜の上に形成されたサーフィスリアクタント層の上に形
    成されていることを特徴とする窒化物系III‐V族化合
    物半導体装置。
  9. 【請求項9】 請求項8に記載の窒化物系III−V族化
    合物半導体装置において、 上記サーフィスリアクタント層が、Li,Be,Na,M
    g,K,Ca,Zn,S,Se,Teのうちの少なくとも1つ
    で構成されていることを特徴とする窒化物系III−V族
    化合物半導体装置。
  10. 【請求項10】 請求項8または9に記載の窒化物系lI
    I‐V族化合物半導体装置において、 上記サーフィスリアクタント層の表面被覆率が1以下で
    あることを特徴とする窒化物系III‐V族化合物半導体
    装置。
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