JP2000195784A - 露光装置およびデバイス製造方法 - Google Patents

露光装置およびデバイス製造方法

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JP2000195784A
JP2000195784A JP10373768A JP37376898A JP2000195784A JP 2000195784 A JP2000195784 A JP 2000195784A JP 10373768 A JP10373768 A JP 10373768A JP 37376898 A JP37376898 A JP 37376898A JP 2000195784 A JP2000195784 A JP 2000195784A
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optical system
projection optical
deforming
distortion
exposure apparatus
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JP10373768A
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Yukihiro Yokota
幸広 横田
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Canon Inc
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  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)
  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高次の像歪みを小さくし、高い重ね合せ精度
を実現する。 【解決手段】 原板Rのパターンを投影光学系ULを介
して感光基板W上に投影露光する露光装置およびデバイ
ス製造方法において、原板と投影光学系の間に平板状の
光学部材9を配置するとともに、その平板面を部分的に
変形させて投影光学系のディストーションを補正する面
変形手段10、11、20を設け、この面変形手段によ
り光学部材の平板面を部分的に変形させることにより、
投影光学系のディストーションを補正してから投影露光
を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば半導体集積
回路、液晶基板、撮影素子(CCD)を製造するための
フォトリソグラフィ工程中でレチクルパターンを感光基
板上に転写する為に使用される露光装置およびデバイス
製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、例えば半導体素子を製造する
際に、レチクルのパターンを投影光学系を介してフォト
レジストが塗布されたウエハ上に転写する露光装置が使
用されている。一般に、半導体素子はウエハ上に複数層
の回路パターンを所定の位置関係で積み重ねて形成され
る。また、最近の半導体製造工場では、スループットを
高めるためにウエハ上の異なる層に異なる露光装置を混
用してミックス・アンド・マッチ方式で露光を行う場合
が多く、このような場合に使用される露光装置には、厳
密な重ね合せ精度が要求される。そのため、露光位置の
補正による平行移動の成分、投影倍率の補正による点対
称の成分、あるいは投影光学系の光学部材の傾斜角の補
正による線対称の成分などの補正できる像歪み成分を補
正手段を駆使して補正し、重ね合せ誤差を小さくするこ
とが試みられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな補正を行ってもなお、投影光学系には除去困難なガ
ラス材料の非均質性に基づく屈折率の非均一性、あるい
はガラス研磨時の部分的な球面からのずれ等により発生
する対称性のないランダムな成分による像歪みがある程
度存在することは避けられない。従来このようなランダ
ムな成分が重ね合せ精度上の障害となることは稀であっ
たが、近年益々パターン線幅が微細化するにつれて要求
される重ね合せ精度も厳しくなり、このような像歪み成
分が必要な重ね合せ精度を得る上で障害になってきた。
【0004】そこで本発明は、斯かる点に鑑み、高次の
像歪みを小さくし、高い重ね合せ精度を実現できる露光
装置およびデバイス製造方法を提供することを目的とす
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
本発明では、原板のパターンを投影光学系を介して感光
基板上に投影露光する露光装置において、前記原板と投
影光学系の間に配置した平板状の光学部材と、その平板
面を部分的に変形させて前記投影光学系のディストーシ
ョンを補正する面変形手段とを具備することを特徴とす
る。
【0006】また、本発明のデバイス製造方法は、原板
のパターンを投影光学系を介して感光基板上に投影露光
することによりデバイスを製造するデバイス製造方法に
おいて、前記原板と投影光学系の間に平板状の光学部材
を配置するとともに、その平板面を部分的に変形させて
前記投影光学系のディストーションを補正する面変形手
段を設け、この面変形手段により前記光学部材の平板面
を部分的に変形させることにより、前記投影光学系のデ
ィストーションを補正してから前記投影露光を行うこと
を特徴とする。
【0007】これによれば、光学部材の平板面を部分的
に変形させることによりディストーションを補正するよ
うにしているため、高次の像歪みが除去される。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の好ましい実施形態におい
ては、面変形手段は、前記平板面を変形させる部分にお
いて吸着方式で固定する吸着固定手段を有する。そし
て、面変形手段は、前記光学部材の平板面を複数部分に
おいて別個に変形させることができる。さらに、面変形
手段は、変形させる部分において前記平板面をその面の
法線方向またはその面に平行な方向に移動させる駆動手
段を有する。駆動手段はピエゾ素子、他の電歪素子、ま
たは磁歪素子を用いたものである。
【0009】また、前記投影露光により感光基板に投影
露光された原版のパターンの像歪みを計測した像歪みデ
ータを入力する入力手段、および入力された像歪みデー
タと所望の像歪みとの差、または像歪みの無い状態との
差を演算し、この差を無くすべく、面変形手段を駆動す
る駆動信号を出力する演算手段を有する。
【0010】かかる本発明に従った露光装置において
は、原板と投影光学系の間に構成する光学部材は、複数
の吸着面で、光学部材の裏面から所定の真空圧(約1気
圧弱)によって真空吸着され、保持される。そして、面
形状変形手段により、投影光学系のランダムな成分によ
る像歪みをキャンセルする方向に光学部材の吸着面の形
状が変形される。すなわち、駆動手段により、等間隔で
複数個設けられた吸着面が個別に上下に移動される。
【0011】このように面形状変形手段によって光学部
材を変形させることにより、感光基板に転写されたパタ
ーンの像歪みを所望の値に小さくすることができる。こ
れによれば、原板上の異なる層に異なる露光装置を混用
してミックス・アンド・マッチ方式で露光を行う場合で
も、高い重ね合せ精度が実現される。
【0012】
【実施例】本発明の実施例を、添付図面に基づいて詳述
する。図1は、本発明の一実施例に係る露光装置の構成
を概略的に示す図である。本例は、レチクルR上のパタ
ーンを投影光学系ULを介してウエハW上の各ショット
領域に一括露光するステッパ型の露光装置に本発明を適
用したものである。
【0013】図1に示すように、この露光装置では、光
源1で発生した照明光は不図示のシャッタを通過した
後、コリメータレンズ、フライアイレンズ等からなる照
度均一化照明系2により照度分布がほぼ均一な光束に変
換される。照明光としては、例えばKrFエキシマレー
ザ光やArFエキシマレーザ光、あるいは超高圧水銀ラ
ンプの紫外域の輝線(g線、i線等)が用いられる。
【0014】照度均一化照明系2を通過した照明光はレ
チクルRの照明状態を変更するための可変絞り3に入射
する。可変絞り3は、駆動系により回転されて、通常の
円形の開口、小さな円形の開口、光軸から偏心した4個
の小さな開口よりなる変形光源絞り、または輪帯状の絞
りの内の何れかが照明光の光路上に設定されるようにな
っている。これにより、照明系の開口絞りの開口数(照
明系のコヒーレンスファクタであるσ値)を変更した
り、あるいは輪帯照明法や変形光源法とする等、露光対
象のパターン(線幅、ピッチ、周期的、孤立等)に応じ
て最適な結像特性が得られる照明条件が選択できるよう
になっている。露光時には、可変絞り3により所定の照
明条件が設定された照明光は、更にリレーレンズ4、ダ
イクロイックミラー5およびコンデンサレンズ6を介し
てレチクルRを照明し、その照明光のもとでレチクル上
の回路パターンが投影光学系ULを介して投影倍率β
(βは1/5、1/4等)でウエハW上の各ショット傾
城に縮小投影される。ここで、投影光学系ULの光軸A
Xに平行にZ軸を取り、Z軸に垂直な平面内で、図1の
紙面に平行にX軸を、図1の紙面に垂直にY軸を取る。
【0015】レチクルRはレチクルホルダ7上に真空吸
着されており、レチクル基準マークに基づき、レチクル
駆動部(不図示)およびレチクルステージ8を介して位
置決めされる。
【0016】ウエハWはウエハホルダ17上に真空吸着
され、ウエハホルダ17はウエハステージWS上に保持
されている。ウエハステージWSは、モータ等を含むウ
エハステージ駆動部によりウエハWをX方向、Y方向に
ステップ・アンド・リピート方式で駆動する。また、ウ
エハステージWSは、投影光学系ULの最良結像面に対
し、任意方向にウエハWを傾斜させることが可能で、か
つ光軸方向(Z方向)にウエハWを微動できるように構
成されている。また、ウエハステージWSは所定範囲内
で光軸の回りにウエハWを回転できるようになってい
る。ウエハステージWSの端部には、レーザ干渉計19
からのレーザビームを反射するバーミラー18が固定さ
れ、ウエハステージWSのXY平面内での位置はレーザ
干渉計19によって、例えば0.01μm程度の分解能
で常時検出されている。ウエハステージWSの位置情報
は主制御系21に送られ、主制御系21はこの位置情報
に基づいてウエハステージWSを駆動する。
【0017】また、ウエハWの光軸方向(Z方向)の位
置(フォーカス位置)を測定する焦点位置検出系とし
て、検出光をスリット状あるいはピンホール状のスポッ
ト光としてウエハの表面に斜め方向から照射する送光光
学系15と、そのウエハの表面からの反射光を集光して
振動スリットを通過した光束を光電変換して検出信号を
生成する受光光学系16とからなる斜入射方式の焦点位
置検出系が備えられている。その検出信号を同期整流す
ることによりフォーカス信号が生成されている。この焦
点位置検出系は、結像面が零点基準となるように、予め
受光光学系16の内部に設けられた不図示の平行平板ガ
ラスの角度が調整されており、受光光学系16からのフ
ォーカス信号が0になるようにしてオートフォーカスが
行われる。焦点位置検出系からのフォーカス信号は結像
特性制御系20を介して主制御系21に送られており、
主制御系21は結像特性中の結像面のフォーカス位置が
変化した場合には、結像特性制御系20を介して、受光
光学系16の平行平板ガラスの角度を微動させてウエハ
のフォーカス位置をその結像面に追従させる。なお、焦
点位置検出系からウエハの表面に複数のスポット光を照
射することにより、ウエハWの傾斜角を検出してオート
レベリング方式でその傾斜角を補正するようにしてもよ
い。
【0018】また、図1の装置には投影光学系ULの結
像特性を補正するための補正機構が設けられている。こ
の補正機構は、主に対称性の像歪み等の結像特性を補正
する第1補正機構、および主に非対称性の像歪み等の結
像特性を補正する第2補正機構から構成されている。
【0019】まず、第1補正機構について説明する。投
影光学系ULの結像特性としては焦点位置(フォーカス
位置)、像面湾曲、ディストーション(倍率誤差、像歪
み等)、非点収差等があり、それらを補正する機構はそ
れぞれ考えられるが、ここではディストーションに関す
る補正機構の説明を行う。本例では、テスト露光により
ウエハW上に投影されたレチクルパターンを測定機で計
測した結果に基づき結像特性を補正する。
【0020】第1補正機構は、投影光学系ULの最もレ
チクル側のレンズエレメント14の駆動機構で構成され
ている。すなわち、結像特性制御系20によって投影光
学系ULのレンズエレメント14を駆動することによ
り、結像特性の補正を行う。投影光学系ULにおいて、
レチクルRに最も近いレンズエレメント14は支持部材
12に固定され、レンズエレメント14に続くレンズエ
レメント14等は投影光学系ULの鏡筒本体に固定され
ている。なお、投影光学系ULの光軸とは、レンズエレ
メント14以下の投影光学系UL本体の光学系の光軸を
指すものとする。支持部材12は伸縮自在の2つ以上の
複数のピエゾ素子13を介して投影光学系ULの鏡筒本
体と連結されている。この場合、ピエゾ素子13の伸縮
により、レンズエレメント14を光軸に平行に移動する
ことができる。また、ピエゾ素子13を3個設けて独立
に伸縮させることによって、レンズエレメント14を光
軸に垂直な面に対して傾けることもでき、これら動作に
よって投影光学系ULの結像特性例えば投影倍率、ディ
ストーション、像面湾曲、非点収差等を補正することが
できるようになっている。
【0021】ここで、レンズエレメント14が光軸の方
向に平行移動した場合、その移動量に応じた変化率で投
影光学系ULの投影倍率が変化する。また、レンズエレ
メント14が光軸に垂直な平面に対して傾斜した場合
は、その回転軸に対して一方の投影倍率が拡大し、他方
の投影倍率が縮小して、正方形の像が台形状に歪む変形
を起こすことができる。逆に、台形状の歪みはレンズエ
レメント14の傾斜によって補正できることになる。
【0022】上記のように、レンズエレメント14を駆
動することにより、投影光学系ULの投影倍率あるいは
像歪みを最適に補正できる。また、これらを駆動するこ
とによって結像面のフォーカス位置あるいは傾斜角が変
化するが、その量は焦点位置検出系のオフセットとして
フィードバックされ、ウエハWの表面のフォーカス位置
が常に投影光学系ULの結像面の平均的なフォーカス位
置と一致するように制御されている。
【0023】次に、第2補正機構の構成および動作につ
いて詳しく説明する。第2補正機構は前述のように主に
非対称性の像歪みの補正を行うものであり、ウエハW上
の像歪に合わせてレチクルRの投影像を歪ませることに
より結像特性の補正が行われる。先ず、構成について説
明する。図1に示すように、レチクルRと投影光学系U
Lのレンズエレメント14とのほぼ中間位置に、ガラス
板等の透明な平面板である光学部材(以下、補正板9と
表記)がXY平面に平行に配置されている。図2は補正
板9の面変形手段の平面図および断面図である。同図に
示すように、補正板9は面変形手段の真空吸着部を構成
する複数の吸着面10上に吸着保持されており、個々の
吸着面10を上下方向に僅かに移動させ、低段差をつけ
ると、補正板9の面形状が変化する。これが吸着面形状
変形手段の作用である。これによりウエハWに転写され
たパターンの歪みが変わる。
【0024】真空吸着部の吸着面10には真空配管につ
ながる吸着溝があり、これが補正板9を吸着する。各吸
着面10には個々にピエゾ素子11が装着されている。
ピエゾ素子11に電力を供給して駆動させ、吸着面10
を上下に動かすことにより、複数の吸着面10によって
支えられた補正板9の変形状態を変化させることができ
る。微小な変形を付与できるように、吸着面10はでき
るだけ小さい方が好ましい。この変形の結果、レチクル
Rのパターンの像歪みが変化する。この変化量は各ピエ
ゾ素子11の駆動量によって制御できる。補正板9の吸
着面形状変形手段であるピエゾ素子11の駆動量は、モ
ニタ上で入力されたテスト露光による計測データの像歪
みと所望の像歪みとの差、または像歪みの無い状態との
差を結像特性制御系20に設けられた演算部で演算処理
することにより算出する。そして結像特性制御系20か
ら駆動信号がピエゾ素子11に送られ、ピエゾ素子11
の駆動が制御される。
【0025】次に、この第2補正機構の動作について図
を参照して説明する。前述のように先ず、第1補正機構
により補正が行われる。しかし、補正しきれないディス
トーションが残留する。図3(a)は、この残留ディス
トーションの一例を示す。この図では、残留ディストー
ションをレチクルR上でのパターンのずれとして表して
いる。すなわち、ウエハW上での残留ディストーション
をレチクルR上でのパターンの横ずれ量に換算した状態
である。図3(a)において、破線で示す理想格子の各
格子点では、各矢印のように投影像のずれが生じてい
る。各矢印の方向および大きさは投影像のずれの方向お
よび大きさを示す。図3(a)に示すように、これら矢
印の方向および大きさは一貫性がなく、ランダムに分布
している。例えば、左上方の隣り合う4つの格子点P
1,1、P1,2、P2,1、P2,2は、それぞれ左上方の点V
1,1、左下方の点V1,2、右上方の点V2,1および右下方
の点V2,2までずれている。このように近接した位置同
士のずれがばらばらな方向を有している。また、他の角
部の格子点P1,5、P5,1、P5,5もそれぞれ左下方の点
1,5、左上方の点V5,1、および下方の点V5,5までず
れている。すなわち、部分領域および全体領域に関わら
ず、ずれの方向はランダムである。また、それらのずれ
の大きさもランダムである。
【0026】これらの対称性のないランダムな像歪みの
成分については、従来の方法では、通常これ以上の補正
はできない。しかし、本例では、このランダム像歪みの
成分を補正板9を使用して補正する。図3(b)は補正
板9がレチクルRと投影光学系ULの間に配置された状
態の断面図である。この図に示すように、補正板9の吸
着面形状変形手段により、レチクルRを通過した主光線
がディストーションを打ち消す方向に曲がるように、ピ
エゾ素子11の駆動量を調整して、補正板9を変形させ
る。
【0027】この場合の補正板9の断面形状は、図3
(a)の理想格子の中央の格子点P3, 1〜格子点P3,5
結ぶ直線上の投影像のディストーションを補正する場合
の例を示している。したがって、格子点P3,1を通る図
3(b)の主光線I3,1は格子点P3,1での左上方向への
ずれを打ち消す方向、すなわち右下方向に曲げられる。
同様に、格子点P3,2〜格了点P3,5をそれぞれ通過する
主光線I3,2〜I3,5も格子点P3,2〜格子点P3,5でのそ
れぞれのディストーションを打ち消す方向に曲げられ
る。そして、補正板9の全体の形状は、図3(a)のデ
ィストーションの分布に対応した形状に変形される。こ
のように補正板9を所定の形に変形させることで、対応
するディストーションの補正を行うことができる。
【0028】以上、本実施例の露光装置でランダムなデ
ィストーションを補正する場合の例について説明した。
ウエハ上の最終的な回路パターンは露光、エッチング、
および蒸着等の工程からなる一連のプロセスを繰り返す
ことにより形成される。このため、複数の露光装置が混
用される。この場合、本実施例のような補正板9により
高度にディストーションが補正された露光装置の間であ
れば、各種の異なる露光装置を混用してもディストーシ
ョンの差による重ね合せ精度の低下は生じない。したが
って、一旦変形させた補正板9の変形量を変える必要は
ない。しかし、本実施例のような補正板9を装備してい
ない露光装置を混用する場合は一方の露光装置が高度に
補正されていても重ね合せ精度は良くならないが、本実
施例によるものであれば、このような場合でも、補正板
9の変形量を変えることにより高精度な重ね合せ精度を
実現することができる。
【0029】また、近年の露光装置では、解像力向上の
ために、可変絞り3により照明条件が変化すると、投影
光学系内部の光線の通過光路が異なり、このため微妙な
投影光学系内部の不均一性の影響を受けてディストーシ
ョンが変化する。つまり、照明条件が変化すると、その
ディストーションは別の投影光学系のものになる。この
ような場合にも、本実施例の補正板9は有用であり、同
一の露光装置でも、照明条件等の露光条件が違う場合の
重ね合せ精度の向上に寄与することができる。したがっ
て、1つの露光装置を使用する場合でも、照明条件に合
わせて区別して補正板9を変形させる。
【0030】以上のような様々な使用条件での補正板9
の変形量データを主制御系21のメモリに記憶させてお
き、そのデータを必要に応じて読み出して、そのデータ
に基づき、結像特性制御部20を介して補正板9を変形
させて補正を行う。
【0031】<デバイス製造方法の実施例>次に上記説
明した露光装置を利用したデバイス製造方法の実施例を
説明する。図4は微小デバイス(ICやLSI等の半導
体チップ、液晶パネル、CCD、薄膜磁気ヘッド、マイ
クロマシン等)の製造のフローを示す。ステップ1(回
路設計)ではデバイスのパターン設計を行う。ステップ
2(マスク製作)では設計したパターンを形成したマス
クを製作する。一方、ステップ3(ウエハ製造)ではシ
リコンやガラス等の材料を用いてウエハを製造する。ス
テップ4(ウエハプロセス)は前工程と呼ばれ、上記用
意したマスクとウエハを用いて、リソグラフィ技術によ
ってウエハ上に実際の回路を形成する。次のステップ5
(組立て)は後工程と呼ばれ、ステップ4によって作製
されたウエハを用いて半導体チップ化する工程であり、
アッセンブリ工程(ダイシング、ボンディング)、パッ
ケージング工程(チップ封入)等の工程を含む。ステッ
プ6(検査)ではステップ5で作製された半導体デバイ
スの動作確認テスト、耐久性テスト等の検査を行う。こ
うした工程を経て、半導体デバイスが完成し、これが出
荷(ステップ7)される。
【0032】図5は上記ウエハプロセス(ステップ4)
の詳細なフローを示す。ステップ11(酸化)ではウエ
ハの表面を酸化させる。ステップ12(CVD)ではウ
エハ表面に絶縁膜を形成する。ステップ13(電極形
成)ではウエハ上に電極を蒸着によって形成する。ステ
ップ14(イオン打込み)ではウエハにイオンを打ち込
む。ステップ15(レジスト処理)ではウエハにレジス
トを塗布する。ステップ16(露光)では上記説明した
露光装置または露光方法によってマスクの回路パターン
をウエハの複数のショット領域に並べて焼付露光する。
ステップ17(現像)では露光したウエハを現像する。
ステップ18(エッチング)では現像したレジスト像以
外の部分を削り取る。ステップ19(レジスト剥離)で
はエッチングが済んで不要となったレジストを取り除
く。これらのステップを繰り返し行うことによって、ウ
エハ上に多重に回路パターンが形成される。
【0033】本実施例の生産方法を用いれば、従来は製
造が難しかった大型のデバイスを低コストに製造するこ
とができる。
【0034】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、原
板と投影光学系の間に挿入した光学部材を部分的に変形
させて投影光学系のディストーションを補正するように
したため、光学部材の変形量を制御することにより、投
影光学系の高次の像歪みをも減少させることができる。
したがって、基板の露光に際して高い重ね合せ精度を得
ることができる。また、像歪みが残留する露光装置と混
用する場合でも、高い重ね合せ精度を得ることができ
る。したがって、精度の高いデバイスの製造を行うこと
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例に係る露光装置の構成を示
す概略図である。
【図2】 図1の装置における補正板の面変形手段の詳
細な平面図および断面図である。
【図3】 非対称なディストーションの一例およびその
ディストーションを補正するために図1の装置における
補正板を変形させた様子を示す断面図である。
【図4】 本発明の露光装置を利用できるデバイス製造
方法を示すフローチャートである。
【図5】 図4中のウエハプロセスの詳細なフローチャ
ートである。
【符号の説明】
1:光源、2:照度均一化照明系、3:可変絞り、4:
リレーレンズ、5:ダイクロイックミラー、6:コンデ
ンサレンズ、7:レチクルホルダ、8:レチクルステー
ジ、9:補正板、10:吸着面、11:ピエゾ素子、1
2:支持部材、13:ピエゾ素子、14:レンズエレメ
ント、15:送光光学系、16:受光光学系、17:ウ
エハホルダ、18:バーミラー、19:レーザ干渉計、
20:結像特性制御系、21:主制御系、R:レチク
ル、W:ウエハ、UL:投影光学系、WS:ウエハステ
ージ。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原板のパターンを投影光学系を介して感
    光基板上に投影露光する露光装置において、前記原板と
    投影光学系の間に配置した平板状の光学部材と、その平
    板面を部分的に変形させて前記投影光学系のディストー
    ションを補正する面変形手段とを具備することを特徴と
    する露光装置。
  2. 【請求項2】 前記面変形手段は、前記平板面を変形さ
    せる部分において吸着方式で固定する吸着固定手段を有
    することを特徴とする請求項1に記載の露光装置。
  3. 【請求項3】 前記面変形手段は、前記光学部材の平板
    面を複数部分において別個に変形させ得るものであるこ
    とを特徴とする請求項1または2に記載の露光装置。
  4. 【請求項4】 前記面変形手段は、前記変形させる部分
    において前記平板面をその面の法線方向またはその面に
    平行な方向に移動させる駆動手段を有することを特徴と
    する請求項1〜3のいずれか1項に記載の露光装置。
  5. 【請求項5】 前記駆動手段はピエゾ素子、他の電歪素
    子、または磁歪素子を用いたものであることを特徴とす
    る請求項1〜4のいずれか1項に記載の露光装置。
  6. 【請求項6】 前記投影露光により前記感光基板に投影
    露光された前記原板のパターンの像歪みを計測した像歪
    みデータを入力する入力手段、および入力された像歪み
    データと所望の像歪みとの差、または像歪みの無い状態
    との差を演算し、この差を無くすべく、前記面変形手段
    を駆動する駆動信号を出力する演算手段を有することを
    特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の露光装
    置。
  7. 【請求項7】 原板のパターンを投影光学系を介して感
    光基板上に投影露光することによりデバイスを製造する
    デバイス製造方法において、前記原板と投影光学系の間
    に平板状の光学部材を配置するとともに、その平板面を
    部分的に変形させて前記投影光学系のディストーション
    を補正する面変形手段を設け、この面変形手段により前
    記光学部材の平板面を部分的に変形させることにより、
    前記投影光学系のディストーションを補正してから前記
    投影露光を行うことを特徴とするデバイス製造方法。
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