JP2000195103A - 光記録媒体およびその製造方法 - Google Patents

光記録媒体およびその製造方法

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JP2000195103A
JP2000195103A JP11059423A JP5942399A JP2000195103A JP 2000195103 A JP2000195103 A JP 2000195103A JP 11059423 A JP11059423 A JP 11059423A JP 5942399 A JP5942399 A JP 5942399A JP 2000195103 A JP2000195103 A JP 2000195103A
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JP11059423A
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English (en)
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Toru Yashiro
徹 八代
Hisamitsu Kamezaki
久光 亀崎
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Ricoh Co Ltd
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Ricoh Co Ltd
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  • Manufacturing Optical Record Carriers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高速度記録条件での信頼性が高く、低コスト
な光記録媒体を提供する。 【解決手段】 案内溝凸凹パターンを有するポリカーボ
ネート基板の表面に、フタロシアニン色素の溶媒溶液を
スピンコートすることにより記録層を設けた。窒素ガス
をスパッタガスとするスパッタ法によりこの記録層上
に、窒素含有量が約1.2atom%(原子%)のAg
反射層を設けた。スパッタ条件は、ガス圧:5Pa、パ
ワー:3kw、時間:5secとした。この反射層上に
紫外線硬化樹脂からなる保護層を設けてCD−R光記録
媒体とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高速度記録条件で
の信頼性が高く、しかも低コストな光記録媒体および、
その製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、追記型CD(コンパクトディス
ク)の開発が活発化してきている。これは、従来のCD
と異なりユーザが情報を記録することが可能で、かつ記
録後の信号が従来のCDの規格を満足するため、市販C
Dプレーヤで再生可能であるという特徴をもつ。このよ
うなメディアを実現する方法の一つとして、特開平2ー
42652号公報において、基板上に色素をスピンコー
ティングして光吸収層を設け、その上に金属反射層を設
けることが提案されている。また、特開平2−1326
56号公報に述べられているように、光吸収層の複素屈
折率、膜厚を適当に選ぶことにより、記録後の信号がC
D規格を満足するようになり、このCDがCD−Rメデ
ィアとして商品化されている。
【0003】一方、記録用ドライブとしては最近、従来
の等速度記録(約1.3m/s)から記録速度の高速化
が進み、より高性能な4倍速度記録モデル(約5.2m
/s)が一般的に普及している。
【0004】ところが、従来のCD−Rメディアは4倍
速のような高速度で記録した場合、等速度記録に比べて
信号品質が劣っていた。すなわち、高速度で記録した場
合は記録パワーに対する特性マージンが狭く、記録機と
再生機の組み合わせによっては、再生エラーが発生する
という問題があった。
【0005】また、このようなCD−Rメディアでは、
金属反射層の材料として通常、金が用い入られている。
その理由は、再生専用CDにおいては安価なアルミニウ
ムが使用されているが、CD−Rメディアでは光吸収層
があるために、アルミニウムよりも反射率の高い金属反
射層が必要となるからである。ところが、金は他の元素
に比べて安定で耐久性に優れているという利点はあるも
のの、アルミニウムに比べ高価であるため、メディアが
コスト高になるという問題があった。
【0006】特開平2−79235号公報、特開平2−
87341号公報には、金に代わる高反射金属として銀
や銅を用いることが提案されているが、これらの材料は
酸化されやすく耐久性が悪いという欠点があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】したがって本発明の目
的は、これらの問題点を解消し、高速度記録条件での信
頼性が高く、低コストな光記録媒体を提供することであ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る光記録媒
体は、少なくとも基板、記録層および反射層からなる光
記録媒体において、反射層が窒素を含む金属膜であるこ
とを特徴とする。
【0009】請求項2に係る光記録媒体は、請求項1に
おいて反射層中の窒素含有量が0.3atom%以上、
5atom%以下の範囲内にあることを特徴とする。な
お、atom%は原子%(atomic percent)を意味す
る。
【0010】請求項3に係る光記録媒体は、請求項1ま
たは2において反射層が銀、銅、金およびアルミニウム
よりなる群から選ばれる元素を主成分として含むことを
特徴とする。
【0011】請求項4に係る光記録媒体は、請求項1,
2または3において記録層がフタロシアニン系色素から
なることを特徴とする。
【0012】請求項5に係る光記録媒体の製造方法は、
少なくとも基板、記録層および反射層からなる光記録媒
体を製造する方法において、反射層を窒素含有ガスによ
りスパッタリング成膜することを特徴とする。
【0013】請求項6に係る光記録媒体の製造方法は、
請求項5においてスパッタリング成膜時のスパッタガス
圧が0.05Pa以上〜20Pa以下の範囲内にあるこ
とを特徴とする。
【0014】請求項7に係る光記録媒体の製造方法は、
情報ピットおよび/または案内溝が表面に形成されてな
る基板上に、直接または他の層を介して有機色素を主成
分とする記録層を塗布成膜手段により設け、その上に直
接または他の層を介して反射層を窒素含有ガスによりス
パッタリング成膜し、さらにその上に保護層を設けるこ
とを特徴とする。
【0015】請求項8に係る光記録媒体の製造方法は、
情報ピットおよび/または案内溝が表面に形成されてな
る基板上に、直接または他の層を介して無機材料からな
る記録層を真空成膜手段により設け、その上に直接また
は他の層を介して反射層を窒素含有ガスによりスパッタ
リング成膜し、さらにその上に保護層を設けることを特
徴とする。
【0016】請求項7または8の製造方法では、請求項
3,4または6の製造方法が採用できる。すなわち請求
項7または8の製造方法においては、(1)反射層が
銀、銅、金およびアルミニウムよりなる群から選ばれる
元素を主成分として含むようにスパッタリング成膜条件
を設定すること、(2)記録層をフタロシアニン系色素
を用いて形成すること、(3)スパッタリング成膜時の
スパッタガス圧を0.05Pa〜20Paの範囲内とす
ることが好ましい。
【0017】本発明の光記録媒体は、反射層の効果によ
り高速度記録条件において良好な信号品質・耐久性が得
られる。また、Ag,Cuなどの安価な反射層材料を使
用することにより、低コストが実現できる。
【0018】本発明者らは、高速度記録条件での信号品
質について検討した結果、反射層中に窒素を含有させる
ことにより、高速記録での記録パワーマージンが大きく
なることを見出し、本発明に至った。さらに、窒素を含
有させることにより反射層に銀、銅を用いた場合にも酸
化されにくくなり、耐久性が向上することが確認され
た。
【0019】反射層中に窒素を含有させるために、本発
明では反射層のスパッタ成膜時にスパッタガスとして窒
素を使用する。スパッタガスは窒素単独でも良いが、他
の不活性ガスとの混合ガスを使用することもできる。不
活性ガスとしては、He,Ne,Ar,Kr,Xeなど
を挙げることができる。反射層中に窒素を含有させるた
めにはスパッタ成膜時のガス圧を設定する必要がある。
スパッタガス圧は0.05Pa〜20Paが好ましい。
ガス圧が0.05Paよりも低いとスパッタ放電が不安
定となり、ガス圧が20Paよりも高いと反射膜中に窒
素が含有されにくくなる。また、窒素の含有量は0.3
atom%〜5atom%が好ましい。窒素含有量が小
さすぎると記録特性への効果が小さくなり、含有量が多
すぎると反射膜の反射率が低下するためである。
【0020】反射層材料としては、後に列挙する材料を
用いることができるがAg,Cu,Au,Alなどの特
に高反射率が得られる金属または、これらの金属を主成
分とする合金を使用することが好ましい。合金として用
いる元素はAg,Cu,Au,Alの他にTi,V,M
n,Fe,Co,Ni,Zn,Zr,Nb,Mo,T
c,Ru,Rh,Pd,Cd,Hf,Ta,W,Re,
Os,Ir,Pt,Ge,Sn,Pbなどを挙げること
ができる。特に好ましい反射層は、高反射率が得られ、
しかも安価なAg,Cuを主成分とするものである。
【0021】本発明の光記録媒体は、請求項7または8
に記載の方法により製造できる。また、光吸収層(吸収
層)の材料としては、後に列挙する有機材料または無機
材料を用いることができるが、フタロシアニン系色素が
好ましい。フタロシアニン系色素を用いることにより、
良好な耐久性が得られる。
【0022】高速度で記録した場合に記録パワーに対す
るマージンが狭くなるのは、以下の理由によるものと推
測される。すなわち高速度記録では、等速度で記録した
場合に比べ、光吸収層に形成される記録ピットの形成速
度が速く、記録ピットの前後および隣接トラックの熱干
渉が大きくなり、記録ピットが所望の長さからずれるた
めに信号ジッターが大きくなると考えられる。この場
合、記録パワーが大きいほど熱干渉の影響が大きい。本
発明の光記録媒体では、反射層中に窒素を混合すること
により、反射層の熱伝導を制御し(低下させ)、記録ピ
ットの熱干渉を抑える効果が得られるものと考えられ
る。
【0023】本発明における記録層(光吸収層)材料に
ついて説明すると、有機色素材料の具体例としてはフタ
ロシアニン系色素、シアニン系色素、アゾ系色素、ポル
フィラジン系色素、ピリリウム系・チオピリリウム系色
素、アズレニウム系色素、スクワリリウム系色素、N
i,Crなどの金属錯塩系色素、ナフトキノン系・アン
トラキノン系色素、インドフェノール系色素、インドア
ニリン系色素、トリフェニルメタン系色素、トリアリル
メタン系色素、アミニウム系・ジインモニウム系色素な
どを挙げることができる。さらに、これらの色素には必
要に応じて第3成分、例えばバインダー、安定剤などを
含有させることができる。
【0024】一方、無機材料としては、例えばGeT
e,GeTeSb,SeTe,InSbTe,AgIn
SbTe,TeOx,InSb,SbSnS,Sb2 S
3 ,SnS,Te−C、InSnなどを挙げることがで
きる。なお、記録層の膜厚は100Å〜5000Åの範
囲が適切である。
【0025】本発明において使用する基板材料は、従来
の情報記録媒体の基板として用いられている各種の材料
から任意に選択することができる。基板材料の例として
は、ポリメチルメタクリレートのようなアクリル樹脂、
ポリ塩化ビニル、塩化ビニル共重合体等の塩化ビニル系
樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、アモルフ
ァスポリオレフィン、ポリエステル、ソーダ石灰ガラス
等のガラス及びセラミックスを挙げることができる。ま
た寸法安定性、透明性及び平面性などが特に優れている
ものとしてポリメチルメタクリレート、ポリカーボネー
ト樹脂、エポキシ樹脂、アモルファスポリオレフィン、
ポリエルテル及びガラスなどを挙げることができる。
【0026】記録層が設けられる側の基板表面には平面
性の改善、接着力の向上及び吸収層の変質防止の目的
で、下塗層が設けられてもよい。下塗層の材料として
は、例えばポリメチルメタクリレート、アクリル酸/メ
タクリル酸共重合体、スチレン/無水マイレン酸共重合
体、ポリビニルアルコール、N−メチロールアクリルア
ミド、スチレン/スルホン酸共重合体、スチレン/ビニ
ルトルエン共重合体、クロルスルホン化ポリエチレン、
ニトロセルロース、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリオレフ
ィン、ポリエステル、ポリイミド、酢酸ビニル/塩化ビ
ニル共重合体、エチレン/酢酸ビニル共重合体、ポリエ
チレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート等の高分子
物質;シランカップリング剤などの有機物質;無機酸化
物(SiO2 ,Al2 O3 等)、無機フッ化物(MgF
2 )などの無機物質を挙げることができる。
【0027】なお、下塗層の層厚は一般に0.005μ
m〜20μmの範囲にあり、好ましくは0.01μm〜
10μmの範囲である。
【0028】また、基板(又は下塗層)上には、トラッ
キング用溝又はアドレス信号等の情報を表す凹凸を形成
する目的でプレグルーブ層が設けられてもよい。プレグ
ルーブ層の材料としては、アクリル酸のモノエルテル、
ジエステル、トリエステル、テトラエステルのうちの少
なくとも一種のモノマー(又はオリゴマー)と光重合開
始剤との混合物を用いることができる。
【0029】さらに、記録層の上にはS/N比、反射率
の向上及び、記録時の感度向上の目的で反射層が設けら
れる。反射層の材料である光反射性物質は、レーザー光
に対する反射率が高い物質であり、その例としては、M
g,Se,Y,Ti,Zr,Hf,V,Nb,Ta,C
r,Mo,W,Mn,Re,Fe,Co,Ni,Ru,
Rh,Pd,Ir,Pt,Cu,Ag,Au,Zn,C
d,Al,Ca,In,Si,Ge,Te,Pb,P
o,Sn,Siなどの金属及び半金属を挙げることがで
きる。これら物質は単独で用いてもよいし、あるいは二
種類以上の組合わせで又は合金として用いてもよい。
【0030】なお、反射層の層厚は一般に100Å〜3
000Åの範囲にある。また、反射層は基板と記録層と
の間に設けられてもよく、この場合には、情報の記録再
生は記録層側(基板とは反対の側)から行われる。
【0031】また、記録層(又は反射層)の上には、記
録層などを物理的及び化学的に保護する目的で保護層が
設けられてもよい。この保護層は、基板の光吸収層が設
けられていない側にも耐傷性、耐湿性を高める目的で設
けられてもよい。この保護層に用いられる材料の例とし
ては、SiO,SiO2 ,MgF2 ,SnO2 等の無機
物質、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、UV硬化樹脂を挙
げることができる。なお、保護層の層厚は一般的には5
00Å〜50μmの範囲にある。
【0032】次に、本発明の光記録媒体製造方法につい
て説明する。この製造方法は、請求項7または8に記載
されているとおりである。すなわち、本発明の製造方法
は下記の工程からなる。 (イ)情報ピット及び/又は案内溝が表面に形成されて
なる基板上に直接又は他の層を介して、有機色素からな
る記録層を塗布成膜手段により設ける工程、又は無機材
料からなる記録層を真空成膜により設ける工程、(ロ)
記録層上に直接又は他の層を介して反射層をスパッタリ
ング成膜方法により設ける工程、及び(ハ)反射層上に
保護層を設ける工程。以下、これらの工程について具体
的に説明する。
【0033】[記録層(光吸収層)形成工程]本発明の
方法では、まず情報ピット及び/又は案内溝が表面に形
成されている基板上に直接又は他の層を介して、記録層
が有機色素材料の場合は、これを溶媒に溶解し、液状の
塗布液として基板上にコートすることにより記録層が形
成される。この塗布液を調製するための溶媒としては、
公知の有機溶媒(例えばアルコール、セロソルブ、ハロ
ゲン化炭素、ケトン、エーテル)を使用することができ
る。有機記録層の形成手段としては蒸着法、ディップコ
ート法、スピンコート法等が挙げられる。これらの中で
はスピンコート法が記録層の濃度・粘度、溶媒の乾燥温
度を調節することにより層厚を制御することができるた
め望ましい。
【0034】一方、記録層が無機材料の場合は、無機材
料に対応する組成のターゲットを作製し、基板表面に無
機材料をスパッタ成膜することにより記録層が形成され
る。無機記録層の形成手段としては蒸着法、LB法、ス
パッタ法などが挙げられるが成膜速度・タクトが速いス
パッタ法(特に枚葉スパッタ)が望ましい。
【0035】なお、記録層が設けられる側の基体表面に
下塗層を設けることが、基板表面の平面性の改善や接着
力の向上あるいは記録層の変質防止等の目的で行われ
る。この場合の下塗層は、例えば前述した下塗層用物質
を適当な溶剤に溶解又は分散して塗布液を調製したの
ち、この塗布液をスピンコート、ディップコート、エク
ストルージョンコートなどの塗布法により基板表面に塗
布することにより形成することができる。
【0036】[反射層(光反射層)形成工程]本発明方
法では、次に記録層上に直接または他の層を介して、反
射層がスパッタリング成膜方法により設けられる。すな
わち、前述した反射性物質を、窒素を含むスパッタガス
を用いてスパッタリングすることにより反射層が記録層
の上に形成される。
【0037】[保護層形成工程]本発明方法では、反射
層上に保護層が設けられる。すなわち、前述した無機物
質や種々の樹脂からなる保護層用材料を、真空成膜又は
塗布成膜することにより形成される。保護層用材料とし
てUV硬化樹脂を用いるのが特に好ましく、該樹脂をス
ピンコート後、紫外線照射により硬化して保護層が形成
される。
【0038】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明するが、
本発明はこれらに限定されるものではない。実施例1 直径120mm、厚さ1.2mmのポリカーボネート製
円盤の表面上に深さ約1600Å、トラックピッチ1.
6μmの案内溝凸凹パターンを有する基板を用意した。
【0039】つぎに、構造式が下記[化1]で示される
フタロシアニン色素である化合物1、化合物2および化
合物3と、5,6−ベンズイミダゾールとを混合溶媒
(テトラヒドロフラン、2−メトキシエタノールおよび
エチルシクロヘキサンからなる)に溶解して塗布液と
し、これを基板表面にスピンコートすることにより記録
層(光吸収層)を設けた。記録層の膜厚は約1500Å
であった。なお化合物1、化合物2、化合物3、5,6
−ベンズイミダゾールの混合比(以下、すべてモル比)
は5:2:3:5とした。
【0040】
【化1】
【0041】次に、基板表面に設けた記録層の上に窒素
ガスをスパッタガスとして用いて、スパッタ法によりA
gを約1400Åの厚さに設け反射層とした。スパッタ
条件は、ガス圧:5Pa、パワー:3kw、時間:5s
ecとした。この反射層中の窒素含有量は約1.2at
om%であった。更にその上に紫外線硬化樹脂からなる
保護層を約5μmの厚さに設けて、本発明のCD−R光
記録媒体を得た。
【0042】これらの媒体に波長789nm、NA:
0.5、線速度4.8m/sの条件でEFM信号を記録
した。記録ストラテジは(n−1)Tとした。記録した
信号を波長780nm、NA:0.5、線速度1.2m
/sの条件で再生し、3Tピットのジッターをジッター
メーター(LAEDER社製 LJM−1851)にて
測定したところ、結果は図1(○印)に示すとおりであ
り、広い記録パワーレンジに対して良好(低い)なジッ
ター特性が得られた。
【0043】実施例2 実施例1において、スパッタ条件を変更すること以外は
同様にして、本発明の光記録媒体を作製した。条件は、
スパッタガス:Ar/N2 (5/2)、ガス圧:1P
a、パワー:3kw、時間:3secとした。反射層中
の窒素含有量は約0.5atom%であった。この媒体
を実施例1と同じ条件で評価したところ、高パワー記録
条件(β=8)での3Tピットのジッターは13nsで
あり、良好であった。
【0044】実施例3 実施例2において、スパッタ条件を変更するこ
と以外は同様にして、本発明の光記録媒体を作製した。
条件は、スパッタガス:Ne/N2 (3/1)、ガス
圧:10Pa、パワー:4kw、時間:3secとし
た。反射層中の窒素含有量は約0.8atom%であっ
た。この媒体を実施例1と同じ条件で評価したところ、
高パワー記録条件(β=8)での3Tピットのジッター
は13nsであり、良好であった。
【0045】実施例4 実施例2において、スパッタ条件を変更すること以外は
同様にして、本発明の光記録媒体を作製した。条件は、
ターゲット材料:Cu、スパッタガス:Ar/N2 (2
/1)、ガス圧:10Pa、パワー:4kw、時間:5
secとした。反射層中の窒素含有量は約0.7ato
m%であった。この媒体を実施例1と同じ条件で評価し
たところ、高パワー記録条件(β=8)での3Tピット
のジッターは12nsであり、良好であった。
【0046】実施例5 実施例1において作成した本発明の光記録媒体を80C
×85%(相対湿度)の環境条件下に800時間放置
し、信号欠陥の変化を測定することにより、反射層(反
射膜)の酸化の有無を評価した。結果は以下のとおりで
あり、初期と80C×85%保管後とで変化はなかっ
た。 初期欠陥率(面内平均) :2.5*10−6 80C×85%保管後の欠陥率(面内平均):2.3*10−6
【0047】実施例6 直径120mm、厚さ0.6mmのポリカーボネート製
円板の表面上に、深さ約1650Å、トラックピッチ
0.74μmの案内溝凸凹パターンを有する基板を用意
した。構造式が下記[化2]で表されるシアニン色素を
2,2,3,3−テトラクロロプロパノールに溶解し、
これを塗布液としてスピンコートすることにより記録層
を設けた。記録層の膜厚は約1400Åであった。
【0048】
【化2】
【0049】次に、記録層上に窒素ガスをスパッタガス
として用いて、スパッタ法によりAgを約1400Åの
厚さに設け反射層とした。スパッタ条件は、ガス圧:5
Pa、パワー:3kw、時間:5secとした。この反
射層中の窒素含有量は約1.2atom%であった。更
にその上に紫外線硬化樹脂からなる保護層を約5μmの
厚さに設けて、本発明のDVD−R光記録媒体を得た。
この媒体に波長635nm、NA:0.6、線速度3.
5m/sの条件でDVDフォーマット信号を記録・再生
し、クロックマークのジッターをインターバルアナライ
ザーにて測定したところ、高パワー記録条件(ASYM
METRY:0.15)でのジッターは9.5nsであ
った。
【0050】比較例1 実施例1において、スパッタ条件を変更すること以外は
同様にして、CD−R光記録媒体を作製した。条件は、
スパッタガス:Ar、ガス圧:5Pa、パワー:3k
w、時間:2.5secとした。この媒体を実施例1と
同じ条件で評価したところ、結果は図1(◆印)のとお
りで、高パワー記録条件にてジッターが増加することに
より、記録パワーに対するマージンが狭くなった。
【0051】比較例2 実施例6において、スパッタ条件を変更すること以外は
同様にしてDVD−R光記録媒体を作製した。条件は、
スパッタガス:Ar、ガス圧:5Pa、パワー:3k
w、時間:2.5secとした。この媒体を実施例6と
同じ条件で評価したところ、ジッターは12.5nsで
あり、実施例6に比較して、悪化する結果となった。
【0052】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明に
よれば以下の効果が得られる。 (1)請求項1の発明による効果 請求項1の光記録媒体は、窒素を含む金属反射膜を有す
るので、高速記録条件での記録再生の信頼性が高く、耐
久性に優れている。
【0053】(2)請求項2の発明による効果 請求項2の光記録媒体は、0.3atom%〜5ato
m%の窒素を含む金属反射膜を有するので特に、高速記
録条件での記録再生の信頼性が高く、耐久性に優れてい
る。
【0054】(3)請求項3の発明による効果 請求項3の光記録媒体は、銀・銅・金・アルミニウムか
ら選ばれる元素を主成分とする反射膜を有するので高反
射率であり、かつ高速記録条件での記録再生の信頼性が
高く、耐久性に優れている。
【0055】(4)請求項4の発明による効果 請求項4の光記録媒体は、記録層が耐久性の良いフタロ
シアニン系色素からなるので、高速記録条件での記録再
生の信頼性が高く、耐久性に優れている。
【0056】(5)請求項5の発明による効果 請求項5の製造方法においては、窒素を含むガスにより
反射膜がスパッタリング成膜されるので、高速記録条件
での記録再生の信頼性が高く、耐久性に優れた光記録媒
体を製造することができる。
【0057】(6)請求項6の発明による効果 請求項6の製造方法においては、0.05Pa〜20P
aの窒素含有ガスにより反射膜がスパッタリング成膜さ
れるので容易に、高速記録条件での記録再生の信頼性が
高く、耐久性に優れた光記録媒体を製造することができ
る。
【0058】(7)請求項7,8の発明による効果 請求項7,8の製造方法により容易に、高速記録条件で
の記録再生の信頼性が高く、耐久性に優れるCD−R,
CD−RW,DVD−RW媒体を安価に製造することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の結果と比較例のそれとを比較
して示すグラフである。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも基板、記録層および反射層か
    らなる光記録媒体において、反射層が窒素を含む金属膜
    であることを特徴とする光記録媒体。
  2. 【請求項2】 反射層中の窒素含有量が0.3atom
    %〜5atom%であることを特徴とする請求項1に記
    載の光記録媒体。
  3. 【請求項3】 反射層が銀、銅、金およびアルミニウム
    よりなる群から選ばれる元素を主成分として含むことを
    特徴とする請求項1または2に記載の光記録媒体。
  4. 【請求項4】 記録層がフタロシアニン系色素からなる
    ことを特徴とする請求項1,2または3に記載の光記録
    媒体。
  5. 【請求項5】 少なくとも基板、記録層および反射層か
    らなる光記録媒体を製造する方法において、反射層を窒
    素含有ガスによりスパッタリング成膜することを特徴と
    する光記録媒体の製造方法。
  6. 【請求項6】 スパッタリング成膜時のスパッタガス圧
    が0.05Pa〜20Paであることを特徴とする請求
    項5に記載の光記録媒体の製造方法。
  7. 【請求項7】 情報ピットおよび/または案内溝が表面
    に形成されてなる基板上に、直接または他の層を介して
    有機色素を主成分とする記録層を塗布成膜手段により設
    け、その上に直接または他の層を介して反射層を窒素含
    有ガスによりスパッタリング成膜し、さらにその上に保
    護層を設けることを特徴とする光記録媒体の製造方法。
  8. 【請求項8】 情報ピットおよび/または案内溝が表面
    に形成されてなる基板上に、直接または他の層を介して
    無機材料からなる記録層を真空成膜手段により設け、そ
    の上に直接または他の層を介して反射層を窒素含有ガス
    によりスパッタリング成膜し、さらにその上に保護層を
    設けることを特徴とする光記録媒体の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US6657942B2 (en) 2000-07-24 2003-12-02 Samsung Electronics Co., Ltd. Optical recording and reproducing apparatus having floating swing arm and optical disk for use therewith
US7169533B2 (en) * 2001-03-19 2007-01-30 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Optical information recording medium, method for manufacturing the same and recording/reproduction method
JP2009228068A (ja) * 2008-03-24 2009-10-08 Mitsubishi Electric Corp 反射電極およびその製造方法、反射電極を有する電気光学装置

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