JP2000193531A - 温度計測装置および温度計測要素およびこれらの製造方法ならびに床暖房装置の温度検出用温度計測装置 - Google Patents

温度計測装置および温度計測要素およびこれらの製造方法ならびに床暖房装置の温度検出用温度計測装置

Info

Publication number
JP2000193531A
JP2000193531A JP10370227A JP37022798A JP2000193531A JP 2000193531 A JP2000193531 A JP 2000193531A JP 10370227 A JP10370227 A JP 10370227A JP 37022798 A JP37022798 A JP 37022798A JP 2000193531 A JP2000193531 A JP 2000193531A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
coil
measurement
temperature
conductive member
measuring
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP10370227A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3034511B1 (ja
Inventor
Takeshi Abe
健 安部
Atsushi Fukuoka
敦 福岡
Yasuhiko Shinosawa
康彦 篠澤
Fumio Niida
文男 新居田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tokyo Gas Co Ltd
Original Assignee
Tokyo Gas Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tokyo Gas Co Ltd filed Critical Tokyo Gas Co Ltd
Priority to JP10370227A priority Critical patent/JP3034511B1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3034511B1 publication Critical patent/JP3034511B1/ja
Publication of JP2000193531A publication Critical patent/JP2000193531A/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Measuring Temperature Or Quantity Of Heat (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 渦電流を誘起しない材料で構成された対象の
温度を測定することができる、渦電流を使用した非接触
温度計を提供する。 【解決手段】 温度を測定する対象に接触させる金属製
の部材30と、該金属製の部材と所定の間隔を保って配
置された測定コイル20と、該測定コイルの前記金属製
部材と反対側に配置され高周波電源に接続されて交番磁
束を発生する励磁コイル10と、該励磁コイルの前記測
定コイルと反対側に配置され前記測定コイルに接続され
た参照コイル50とを有する温度計測装置1。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、床暖房システムの
配管のように床内に敷設された温水パイプなどの隔離さ
れた個所の温度を、床上など測定対象から離れた場所か
ら迅速に計測することができる非接触温度計測システム
に関する。
【0002】
【従来の技術】床暖房システムの敷設が完了すると、床
内の配管に温水を流したときに配管の温度が確実に上昇
するか否かを検査する竣工検査が行われる。この竣工検
査では、配管の温度上昇を、床表面に接触させて配置し
た熱電対やサーミスタなどの温度センサによって検出し
ている。このような温度上昇検査においては、床面に温
度センサを接触させなければならず、さらに配管と床面
との間には熱伝達速度が遅い木材などが介在しているこ
とから、配管の温度が上昇してから床表面の温度が上昇
するまでに長い時間がかかり、測定に長い時間を要して
いた。
【0003】一方、特公昭54−794号公報には、金
属表面に接触しないで金属表面の温度を測定する非接触
温度計が提案されている。この温度計は、圧延ロールの
表面近くに検出コイルを設け、この検出コイルに所定周
波数の高周波電流を流して、圧延ロールの表面近くに渦
電流を生じさせ、この渦電流が温度に依存して変化する
ことを利用して圧延ロールの表面温度を測定する方法を
用いている。
【0004】しかしながら、この温度計は、測定対象に
生じる渦電流が温度によって変化する現象を利用してい
ることから、測定対象が渦電流を発生する材料から構成
されていなければ使用することができない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、温度測定対
象自体が渦電流が誘起しない材料で構成されていても、
温度を測定することができる、渦電流を使用した非接触
温度計を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1に記載された発明は、温度計測装置を、渦
電流により生起された磁束によって電流を誘起する測定
コイルと、導電性を有する材料からなり交番磁束によっ
て渦電流を生起する前記測定コイルの温度を計測する対
象側に設けた測定用導電部材とを有して構成し、温度を
測定する対象が、気体,固体,液体などの非導電性の物
体であっても渦電流による温度測定を可能とした。
【0007】請求項2に記載された発明は、請求項1に
記載の温度計測装置において、上記測定用導電部材の熱
容量が小さくなるように構成して、測定対象への影響を
無くすとともに温度変化を迅速に検出できるようにし
た。
【0008】請求項3に記載された発明は、請求項2に
記載の温度計測装置において、上記測定用導電部材を、
金属箔から構成して、熱容量が小さくなるようにした。
【0009】請求項4に記載された発明は、請求項1な
いし請求項3のいずれかに記載の温度計測装置におい
て、上記測定用導電部材と上記測定コイルとの間に間隔
を設け、前記測定用導電部材と前記測定コイルを熱的お
よび電気的に絶縁して、測定用導電部材の温度が測定用
コイルへ逃げることを防ぎ応答性を向上させるととも
に、誤差を無くすようにした。
【0010】請求項5に記載された発明は、請求項4に
記載の温度計測装置において、上記測定用導電部材と上
記測定コイルとの間の前記間隔を所定の値に保持する間
隔保持部材を有し、測定条件を固定して校正した後、測
定対象の温度の絶対値を検出できるようにした。
【0011】請求項6に記載された発明は、請求項1な
いし請求項5のいずれかに記載の温度計測装置におい
て、上記測定用導電部材が、温度を測定する対象に直接
接触しないように構成し、温度測定対象からの輻射熱に
よって温度を検出できるようにした。
【0012】請求項7に記載された発明は、請求項1な
いし請求項5のいずれかに記載の温度計測装置におい
て、上記測定用導電部材が、温度を測定する対象に接触
するように構成し、温度測定対象の温度変化を正確に測
定できるようにした。
【0013】請求項8に記載された発明は、請求項5な
いし請求項7のいずれかに記載の温度計測装置におい
て、上記測定用導電部材が、上記測定コイルおよび上記
間隔保持部材と一体化されて構成して、測定条件を固定
した。
【0014】請求項9に記載された発明は、請求項5な
いし請求項7のいずれかに記載の温度計測装置におい
て、上記測定用導電部材を、上記測定コイルおよび上記
間隔保持部材と別体に構成して、温度測定対象が導電性
材料から構成されているときに、該温度測定対象自体を
測定用導電部材として使用できるようにした。
【0015】請求項10に記載された、発明は、請求項
1ないし請求項9のいずれかに記載の温度計測装置にお
いて、上記測定コイルの上記測定用導電部材と反対側に
配置した導電性を有する材料からなり交番磁束によって
渦電流を生起する参照コイルと、導電性を有する材料か
らなり交番磁束によって渦電流を生起する前記参照コイ
ルの前記測定コイルと反対側に設けた参照用導電性部材
とを有し、周囲温度と温度測定対象との温度差を検出で
きるようにした。
【0016】請求項11に記載された発明は、請求項1
0に記載の温度計測装置において、上記測定コイルと上
記参照コイルに発生した起電力が互いに打ち消しあう方
向に前記測定コイルと前記参照コイルを接続し、周囲温
度と温度測定対象との温度差をより正確に検出できるよ
うにした。
【0017】請求項12に記載された発明は、請求項1
0または請求項11に記載の温度計測装置において、上
記参照用導電性部材を移動可能に設け、ドリフトを調整
できるようにした。
【0018】請求項13に記載された発明は、請求項1
0ないし請求項11のいずれかに記載の温度計測装置に
おいて、上記参照用導電性部材の熱容量を大きく構成
し、周囲の温度変化の影響を少なくした。
【0019】請求項14に記載された発明は、請求項1
ないし請求項13のいずれかに記載の温度計測装置にお
いて、上記測定コイルに高周波励磁電流を流して生成さ
れた交番磁束によって上記測定用導電部材に渦電流を発
生させるようにし、自己誘導方式の温度測定装置を構成
可能とした。
【0020】請求項15に記載された発明は、請求項1
0ないし請求項13のいずれかに記載の温度計測装置に
おいて、上記測定コイルに高周波励磁電流を流して生成
された交番磁束によって上記測定用導電部材および上記
参照用導電部材に渦電流を発生させるようにして、自己
誘導方式でかつ周囲温度と温度測定対象の温度差を検出
できるようにした。
【0021】請求項16に記載された発明は、請求項1
ないし請求項13のいずれかに記載の温度計測装置にお
いて、上記測定コイルの上記測定用導電部材が配置され
る側と反対側に励磁コイルを設け、相互誘導型の温度計
測装置を構成可能とした。
【0022】請求項17に記載された発明は、請求項1
6に記載の温度計測装置において、上記励磁コイルに高
周波励磁電流を流して生成された交番磁束によって上記
測定用導電部材に渦電流を発生させるようにし、相互誘
導型の温度計測装置を構成可能とした。
【0023】請求項18に記載された発明は、請求項1
6に記載の温度計測装置において、上記励磁コイルに高
周波励磁電流を流して生成された交番磁束によって上記
測定用導電部材および上記参照用導電部材に渦電流を発
生させるようにして、相互誘導型でかつ周囲温度と温度
測定対象の温度差を検出できるようにした。
【0024】請求項19に記載された発明は、温度計測
装置を、励磁電流を流すことによって交番磁束を形成す
る励磁コイルと、導電性を有する材料からなり交番磁束
によって渦電流を生起する測定用導電部材と、渦電流に
より生起された交番磁束によって電流を誘起する測定コ
イルと、前記測定コイルと前記測定用導電部材との間隔
を保持する間隔保持部材と、参照用コイルとから構成し
た。
【0025】請求項20に記載された発明は、温度計測
装置を、励磁電流を流すことによって交番磁束を形成す
る励磁コイルと、導電性を有する材料からなり交番磁束
によって渦電流を生起する測定用導電部材と、渦電流に
より生起された交番磁束によって電流を誘起する測定コ
イルと、前記測定コイルと前記測定用導電部材との間隔
を保持する間隔保持部材と、参照用コイルと、該参照コ
イルに接続された調整コイルから構成した。
【0026】請求項21に記載された発明は、励磁電流
を流すことによって交番磁束を形成する励磁コイルと、
温度を計測する対象側の導電性を有する材料に生じた渦
電流により生起された磁束によって電流を誘起する測定
コイルと、参照コイルとを有する温度計測装置に用いる
温度計測要素において、前記測定コイルと、前記励磁コ
イルと、前記参照コイルとをこの順序に一体に構成し、
相互誘導・比較方式の温度計測要素を提供することを可
能とした。
【0027】請求項22に記載された発明は、励磁電流
を流すことによって交番磁束を形成する励磁コイルと、
温度を計測する対象側の導電性を有する材料に生じた渦
電流により生起された磁束によって電流を誘起する測定
コイルと、参照コイルと、前記励磁コイルと温度を計測
する対象側の導電性を有する材料との間の間隔を保持す
る間隔保持部材とを有する温度計測装置に用いる温度計
測要素において、前記間隔保持部材と、前記測定コイル
と、前記励磁コイルと、前記参照コイルとをこの順序に
一体に構成して、測定条件を固定した相互誘導・比較方
式の温度計測要素を提供することを可能とした。
【0028】請求項23に記載された発明は、励磁電流
を流すことによって交番磁束を形成する励磁コイルと、
励磁コイルが形成した交番磁束によって渦電流を生起す
る測定用導電部材と、該測定用導電部材に生じた渦電流
により生起された磁束によって電流を誘起する測定コイ
ルと、参照コイルと、前記励磁コイルと前記測定用導電
部材との間の間隔を保持する間隔保持部材とを有する温
度計測装置に用いる温度計測要素において、前記測定用
導電部材と、前記間隔保持部材と、前記測定コイルと、
前記励磁コイルと、前記参照コイルとをこの順序に一体
に構成して、相互誘導・比較方式でかつ周囲温度と温度
測定対象の温度差を検出できるようにした。
【0029】請求項24に記載された発明は、励磁電流
を流すことによって交番磁束を形成する励磁コイルと、
導電性を有する材料からなり交番磁束によって渦電流を
生起する測定用導電部材と、渦電流により生起された交
番磁束によって電流を誘起する測定コイルと、前記測定
コイルと前記測定用導電部材との間隔を保持する間隔保
持部材と、導電性を有する材料からなり交番磁束によっ
て渦電流を生起する参照用導電部材と、該参照用導電部
材に生起した渦電流により生起された交番磁束によって
電流を誘起する参照用コイルと、該参照用導電部材と参
照用コイルとの間隔を保持する参照用間隔保持部材とを
有する温度計測装置に用いる温度計測要素において、前
記測定用導電部材と、前記間隔保持部材と、前記測定コ
イルと、前記励磁コイルと、前記参照コイルと、前記参
照用間隔保持部材と、前記参照用導電部材とを一体に構
成して、相互誘導型でかつ周囲の温度との温度差を検出
できる温度計測要素を提供する。
【0030】また、本発明は、上記温度計測装置または
温度計測要素を、多層プリント配線基板製造方法を用い
て構成した。
【0031】さらに、本発明は、上記温度計測装置また
は温度計測要素を、薄膜集積回路製造方法または厚膜集
積回路製造方法を用いて製造した。
【0032】
【発明の実施の形態】まず、図1を用いて、渦電流を用
いた自己誘導方式の温度計測システムの基本的な構成と
原理を説明する。渦電流を用いた自己誘導方式の温度計
測装置は、測定コイル20と、測定コイルと所定の間隔
をおいて配置され温度測定対象に近付けて設けた測定用
導電部材30からなる温度計測要素と、高周波電源81
と、検出信号増幅器83と、抵抗86とからなる駆動回
路を有して構成される。この温度計測要素は、自己誘導
方式の温度計測要素として使用することができる。
【0033】いま、測定コイル20に電源81から高周
波の励磁電流iを流すと交番する磁束fを生じる。この
磁束fの変化は、測定コイル20に接近して設けられた
測定用導電部材30に渦電流ieを発生させる。さら
に、この渦電流ieは、磁束fsを発生する。渦電流ie
によって生起した磁束fsは、測定コイル20に電流is
を発生させる。
【0034】測定用導電部材30に発生する渦電流ie
の大きさは、測定用導電部材を通る磁束fの大きさと変
化の度合い、および測定用導電部材30の抵抗値などに
依存する。測定用導電部材30を通る磁束fの大きさ
は、測定コイル20に印加される高周波電流iの大き
さ、測定コイル20と測定用導電部材30との隔りの大
きさなどに依存する。一方、測定用導電部材30の抵抗
値は、温度に依存して変化する。
【0035】したがって、測定用導電部材30に発生す
る渦電流ieの大きさは、測定用導電部材30を通る磁
束fの大きさを一定とすれば、温度に依存して変化する
ことになり、この渦電流ieによって発生する磁束fs
と、この磁束fsによって測定コイル20に生じる電流
isも温度に依存して変化することになる。よって、測
定コイル20に流れる出力電流isの変化を見れば、測
定用導電部材30の温度が変化したことを知ることがで
きる。
【0036】次ぎに、図2を用いて、渦電流を用いた相
互誘導方式の温度計測システムの基本的な構成と原理を
説明する。渦電流を用いた相互誘導方式の温度計測装置
は、励磁コイル10と、測定コイル20と、励磁コイル
と所定の間隔をおいて配置され温度測定対象に近付けて
設けた測定用導電部材30からなる温度計測要素と、高
周波電源81と、励磁電流増幅器82と、検出信号増幅
器83と、乗算器84と、ローパスフィルタ85とから
なる駆動回路を有して構成される。
【0037】いま、励磁コイル10に電源81から高周
波の励磁電流iを流すと交番する磁束fを生じる。この
磁束fの変化は、励磁コイル10に接近して設けられた
測定用導電部材30に渦電流ieを発生させる。さら
に、この渦電流ieは、磁束fsを発生する。渦電流ie
によって生起した磁束fsは、測定コイル20に電流is
を発生させる。
【0038】図1に示した自己誘導方式の温度計測装置
と同様に、測定用導電部材30に発生する渦電流ieの
大きさは、測定用導電部材30を通る磁束fの大きさを
一定とすれば、温度に依存して変化することになり、こ
の渦電流ieによって発生する磁束fsと、この磁束fs
によって測定コイル20に生じる電流isも温度に依存
して変化することになる。よって、測定コイル20に流
れる出力電流isを増幅してその変化を見れば、測定用
導電部材30の温度が変化したことを知ることができ
る。
【0039】図3を用いて、本発明にかかる、相互誘導
・比較方式の温度計測装置1の構成の概要を説明する。
相互誘導・比較方式の温度計測装置1は、励磁コイル1
0と、測定コイル20と、測定コイルと所定の間隔をお
いて配置された温度測定対象に近付けて設けた測定用の
導電体である金属製の測定用導電部材30と、測定コイ
ル20と測定用導電部材30の間の間隔を所定の距離に
保つ間隔保持手段40と、参照コイル50と、参照コイ
ルと所定の間隔をおいて配置された参照用導電部材60
と、参照コイル50と参照用導電部材60の間の間隔を
所定の距離に保つ間隔保持部材70とからなる温度計測
要素と、交流電源81と、励磁電流増幅器82と、検出
信号増幅器83と、乗算器84と、ローパスフィルタ8
5とからなる駆動回路を有して構成される。
【0040】励磁コイル10は、測定コイル20と、参
照コイル50に挾まれている。各コイルは、それぞれ同
様の構成とすることができ、測定コイル20と参照コイ
ル50は、渦電流によって生じる起電力が逆方向に誘起
されるように、すなわち測定用導電部材30と参照用導
電部材60との温度差がないときに誘起電流が打ち消さ
れるように直列に接続されている。
【0041】測定用導電部材30は、温度計測ユニット
と一体に設けても良く、ユニットとは別に温度測定対象
物自体に取り付けられていても良い。後者の場合、間隔
保持手段40によって測定用導電部材30と測定コイル
20との距離を所定の間隔に維持するように構成する。
【0042】参照用導電部材60は、間隔保持部材70
によって参照コイル50と所定の間隔を保持して配置さ
れている。参照用導電部材60は熱容量を大きく構成さ
れていることが、測定対象の温度変化の影響を少なくす
ることから好ましい。
【0043】電源81から励磁電流増幅器82を介して
励磁コイル10に交番電流iを流すと、磁束fが測定用
導電部材30に渦電流ie1を、参照用導電部材60に渦
電流ie2を生起する。測定用導電部材30と参照用導電
部材60を励磁コイル10を中心にして上下に機械的お
よび磁気的に対称となるように配置することによって、
導電体に誘起される渦電流ie1と渦電流ie2をほぼ同じ
大きさとすることができる。励磁コイル10に生じた磁
束fによって測定コイル20と参照コイル50に誘起さ
れる電流は、大きさが同じで互いに打ち消しあう方向で
あるので出力として外部に現われない。
【0044】一方、測定用導電部材30の渦電流ie
1は、磁束fs1を生じ、測定コイル20に電流is1を誘
起する。参照用導電部材60の渦電流ie2は、磁束fs2
を生じ、参照コイル50に電流is2を誘起する。
【0045】測定用導電部材30と参照用導電部材60
とが同じ温度であるときには、測定コイル20に誘起さ
れる電流is1と参照コイル50に誘起される電流is
2は、方向が逆で同じ大きさとなり、互いに打ち消しあ
って外部には出力を生じない。双方の導電部材の温度が
異なるときには、測定コイルに誘起される電流と参照コ
イルに誘起される電流との平衡がくずれ、外部に出力が
表れ、温度の変化を検出することができる。
【0046】以上のように、この実施の形態の相互誘導
・比較方式の温度計測装置1は、参照コイル20を励磁
コイル10と分離するとともに、基準となる温度を参照
コイル50によって得るようにしたので、測定対象の温
度が変化したときのみ出力を取り出すことができる。
【0047】以上に説明した本発明にかかる温度計測要
素を構成する各構成部の働きなどを整理すると以下のよ
うになる。
【0048】励磁コイル10は、高周波の励磁電流iを
流して生じた磁束fによって、測定用導電部材30に渦
電流ie1を、参照用導電部材60に渦電流ie2を励起す
る働きを有している。さらに、励磁コイル10の磁束f
は、測定コイル20と参照コイル60に起電力を発生す
る。励磁用コイル10を、測定コイル20によって兼用
するときには、自己誘導方式の温度計測要素とすること
ができる。
【0049】測定コイル20は、測定用導電部材30に
生じた渦電流ie1を検知するコイルであり、励磁コイル
10の磁束fによって、起電力を生じるとともに、測定
用導電部材30に生じた渦電流ie1によって発生する磁
束fs1による起電力をも生じる。さらに、測定コイル2
0に励磁電流iを流すことによって磁束fを生じる励磁
コイルとしての働らきを持たせることもできる。測定コ
イル20は、図1のようにコイルの軸方向が測定用導電
部材30の表面に垂直に交差するように配置しても、図
2,図3のようにコイルの軸方向が測定用導電部材30
の表面に平行となるように配置しても良い。測定精度を
上げるために、測定コイル20は、測定用導電部材30
と一定の間隔を保って配置されることが好ましい。
【0050】測定用導電部材30は、温度測定対象の温
度変化の影響を受けて生起する渦電流ieに変化を生じ
る働きを有する。測定用導電部材30は、測定対象の温
度変化を迅速に検知する機能を有しており、励磁コイル
10からの交番磁束fによって渦電流ieが誘起される
こと、温度の変化によって抵抗値が変化し渦電流ieの
大きさが変化すること、熱容量が小さく応答性が良いこ
と、測定対象の温度変化を妨げないことなどの要件を満
たすことが望ましい。測定用導電部材30は、金属箔を
用いて構成することができる。このことによって、非導
電性の媒体の温度を渦電流ieを用いて迅速に測定する
ことができる。
【0051】したがって、測定用導電部材30の材料と
しては、金属箔のみならず、導電性物質であれば良く、
金属や導電性を有する半導電体などの導電性物質の蒸着
膜や、メッキなどのほか、流体に懸濁した導電性粒子な
ども用いることができる。測定用導電部材30は、温度
測定対象からの輻射熱を受けるように被測定対象から離
れて配置することができ、温度測定対象から伝導によっ
て直接熱を受けるように被測定対象に接して設けること
もできる。
【0052】間隔保持部材40は、測定コイル20と測
定用導電部材30との間に所定の間隔を形成し、励起電
流iによって測定用導電部材30に所定の大きさの渦電
流ie1を生起するとともに、渦電流ie1によって生成さ
れた磁束fsが測定コイル20に一定の条件の下で一定
の影響を与える働きを有しており、磁束f,fsに影響
を与えず非導電性で断熱性を有することが望ましい。
【0053】参照コイル50は、参照用導電部材60に
生じた渦電流ie2を検知するコイルであり、励磁コイル
10の磁束fによって、起電力を生じるとともに、参照
用導電部材60に生じた渦電流ie2によって発生する磁
束fs2による起電力をも生じる。
【0054】参照用導電部材60は、磁束fによって渦
電流ie2が生起され、この渦電流によって磁束fs2を生
起する働きを有している。参照用導電部材60は、測定
対象の温度の影響を受けないように配置され、かつ熱容
量を大きく構成することによって、安定した基準温度を
提供することができる。
【0055】間隔保持部材70は、参照用導電部材60
と参照コイル50との間に所定の間隔を形成し、励起電
流iによって参照用導電部材60に所定の大きさの渦電
流ie2を生起するとともに、渦電流ie2によって生成さ
れた磁束fs2が参照コイル60に一定の条件の下で一定
の影響を与える働きを有しており、磁束f,fs2に影響
を与えず非導電性で断熱性を有することが望ましい。
【0056】参照用導電部材60を移動可能に構成して
参照コイル50と参照用導電部材60との間隔を変更可
能とすることによって、参照コイル50の起電力のドリ
フトを調整することができる。
【0057】測定コイル20に生起する起電力と参照コ
イル50に生起する起電力とが互いに逆方向となるよう
に、測定コイル20と参照コイル50を直列に接続する
ことによって、両コイルの温度が等しいときの出力の和
を零とすることができ、測定開始前の出力を零点付近と
することができる。
【0058】以下、本発明にかかる温度計測装置を形成
する温度計測要素の構造を説明する。本発明にかかる温
度計測装置を形成する要素は、多層プリント配線技術を
用いて形成することができる。図4は、図1に示した自
己誘導方式の温度計測装置を構成する温度計測要素の構
造を示しており、図4(A)は平面図を、図4(B)は
図4(A)のA−A線での断面形状を模式的に示してい
る。温度計測要素は、絶縁性基板29の一方の表面に多
層プリント配線基板製造技術を用いてコイル20を形成
し、前記絶縁性基板29の他方の表面に所定の厚みを有
する絶縁層40を設けて作成した。さらに、この温度計
測要素に、前記絶縁層40の表面に金属箔30を形成す
ることができる。
【0059】絶縁性基板29は、フェノール樹脂,キシ
レン樹脂,ユリア樹脂,メラミン樹脂,ポリエステル樹
脂,アルキド樹脂,エポキシ樹脂,ケイ素樹脂(シリコ
ーン)などの熱硬化性樹脂など多層プリント配線基板に
用いられる絶縁性基板材料を用いることができる。
【0060】絶縁性基板29の表面に、プリント配線基
板製造技術を用いて、測定コイル20を形成する。コイ
ル20は、例えば、導電性材料を薄く圧延した銅箔など
を絶縁性基板20の表面に貼り付けて導電層を形成し、
この導電層を所定のパターンにエッチングして形成す
る。導電層の形成は、導電性金属のメッキなどによって
形成することができる。また、コイル20を、導電性金
属ペーストを用いたスクリーン印刷によって直接形成す
ることもできる。
【0061】測定コイル20は、絶縁性基板29の一面
に形成された巻線21およびパッド23−1,23−
2,23−3と、他方の面に形成され両端にパッド24
−1,24−2を有する引出線22とを有している。絶
縁性基板29の一面に設けたコイル20の巻きおわりに
あるパッド23−2と、他面に設けた引出線22のパッ
ド24−1とはスルーホール28−1の壁面に形成した
めっき層25−1によって接続される。絶縁性基板29
の一面に設けたパッド23−3と、他面に設けた他のパ
ッド24−2も同様にスルーホール28−2の壁面に形
成しためっき層25−2によって接続される。
【0062】絶縁性基板29のコイル20上には図示を
省略した保護層を設けることができる。絶縁性基板29
のコイル20を設けた面とは逆の面には、絶縁性材料か
ら形成される間隔保持部材40が設けられている。
【0063】自己誘導・比較方式の温度検出装置の例
を、図5を用いて説明する。この温度検出装置1は、測
定コイル20及び参照コイル50とからなる温度計測要
素と、交流電源81と励磁電流増幅器82と検出信号増
幅器83と掛算器84とローパスフィルタ85と可変抵
抗86−1と抵抗86−2からなる駆動回路を有して構
成される。温度計測要素の測定コイル側には、測定コイ
ルと所定の間隔をおいて配置された温度測定対象に熱的
に接する測定用導電部材30が位置する。他方、温度計
測要素の参照コイル側には、参照コイルと所定の間隔を
おいて配置された参照用導電部材60を設けてもよい。
【0064】測定用導電部材30に近接して温度計測要
素を配置した場合、測定コイル20と参照コイル50か
らなる検知コイルは、励磁コイルとしても働き、励磁電
流iは、参照コイル50と可変抵抗86−1と測定コイ
ル20と抵抗86−2からなるブリッジに供給されて、
測定用導電部材30に渦電流を生起する。この渦電流は
測定コイル20と参照コイル50に測定用導電部材30
からの距離に反比例した大きさの起電力を誘起する。温
度計測開始時に、可変抵抗86−1を調整して、検出信
号増幅器83への出力を調整しておく。この状態で、測
定用導電部材30の温度が変化すると、渦電流の大きさ
が変化するが、測定コイル20に生じる起電力の変化量
と参照コイル50に生じる起電力の変化量に差を生じ、
それぞれのコイルに誘起された起電力のバランスが崩
れ、出力が掛算器84を介して出力される。
【0065】図6を用いて、相互誘導・比較方式の温度
計測システムを説明する。この方式の温度計測装置1
は、直列接続した測定コイル20と抵抗86−2と、直
列接続した参照コイル50と抵抗86−1を並列に接続
している。この温度検出装置1は、励磁コイル10と、
測定コイル20と、測定コイルと所定の間隔をおいて配
置された温度測定対象に接した測定用導電部材30と、
参照コイル50とからなる温度計測要素と、交流電源8
1と、励磁電流増幅器82と、検出信号増幅器83と、
掛算器84と、ローパスフィルタ85と、可変抵抗86
−1と、抵抗86−2とからなる駆動回路から構成され
る。
【0066】励磁コイル10に励磁電流を流すと、生成
された磁束は、測定用導電部材30に渦電流を生起する
とともに、測定コイル20と参照コイル50にそれぞれ
電流を誘起する。測定用導電部材30に生起した渦電流
は、測定コイル20と参照コイル50に測定用導電部材
30からの距離によって異なる大きさの起電力を誘起す
る。温度計測開始時に、可変抵抗86−1を調整して、
検出信号増幅器83への出力を調整しておく。この状態
で、測定用導電部材30の温度が変化すると、渦電流の
大きさが変化するが、測定コイル20に生じる起電力の
変化量と参照コイル50に生じる起電力の変化量に差を
生じ、それぞれのコイルに誘起された起電力のバランス
が崩れ、出力が掛算器84を介して出力される。
【0067】この温度計測システムは、参照コイル50
に所定の間隔をおいて参照用導電部材60を配置するこ
とができる。この場合、測定用導電部材30と参照用導
電部材60が同じ温度のときに、出力が0となるように
可変抵抗86−1を調整しておく。両導電部材に温度差
が生じると、検出コイルに出力が現れ、掛算器84を介
して出力される。
【0068】図7を用いて、相互誘導・比較方式の他の
方法による温度計測システムを説明する。この方式の温
度計測装置1は、調整コイル55を参照コイル50に直
列に接続した点が図3に示した態様と異なっている。こ
の温度検出装置1は、励磁コイル10と、測定コイル2
0と、測定コイルと所定の間隔をおいて配置された温度
測定対象に接した測定用導電部材30と、参照コイル5
0と、参照コイル50近接して設けた調整コイル55と
からなる温度計測要素と、交流電源81と、励磁電流増
幅器82と、検出信号増幅器83と、掛算器84と、ロ
ーパスフィルタ85とからなる駆動回路とから構成され
る。測定コイル20の出力と、参照コイル50及び調整
コイル55の出力は、互いに打ち消しあう方向に接続さ
れている。
【0069】測定用導電部材30が所定の温度のとき
に、出力が0となるように調整コイル55を調整してお
く。測定用導電部材30の温度が変化すると、測定コイ
ル20と参照コイル50と調整コイル55からなる検出
コイルに出力が現れ、掛算器84を介して出力される。
このようにして、相互誘導方式でかつ周囲温度と温度測
定対象との温度差を検出する相互誘導・比較方式の温度
計測装置を提供することができる。
【0070】次ぎに、自己誘導・比較方式の温度計測要
素の構造を説明する。本発明にかかる温度計測装置を形
成する要素は、多層プリント配線技術を用いて形成する
ことができる。図8は、図5に示した自己誘導・比較方
式の温度計測装置を構成する温度計測要素の構造を示し
ており、図8(A)は図8(B)のB−B線での平面図
を、図8(B)は図8(A)のA−A線での断面形状を
それぞれ模式的に示している。この温度計測要素は、測
定コイル20と、測定用導電部材30と、測定用間隔保
持部材40と、参照コイル50と、参照用導電部材60
と、参照用間隔保持部材70とを有して構成される。測
定コイル20は、絶縁性基板29−1の表裏両面に多層
プリント配線基板製造技術を用いて形成される。参照コ
イル50は、絶縁性基板29−2の表裏両面に多層プリ
ント配線基板製造技術を用いて形成される。
【0071】測定コイル20は、絶縁性基板29−1の
一面に形成された巻線21およびパッド23と、他方の
面に形成され両端にパッド24を有する引出線22とを
有している。絶縁性基板29−1の一面に設けたコイル
20の巻き終わりにあるパッド23と、他面に設けた引
出線22のパッド24とはスルーホール28の壁面に形
成しためっき層によって接続される。
【0072】参照コイル50は、絶縁性基板29−2の
一面に形成された巻線51およびパッド53と、他方の
面に形成され両端にパッド54を有する引出線52とを
有している。絶縁性基板29−2の一面に設けたコイル
50の巻き終わりにあるパッド53と、他面に設けた引
出線52のパッド54とはスルーホール58の壁面に形
成しためっき層によって接続される。
【0073】前記絶縁性基板29−1の引出線22を設
けた面と、前記絶縁性基板29−2の引出線52を設け
た面とを対向させて積み重ねるとともに、測定コイル2
0を設けた面に対向して測定用間隔保持部材40を、参
照コイル50を設けた面に対向して参照用間隔保持部材
70を積層する。さらに、測定用間隔保持部材40の表
面に測定用導電部材30を、参照用間隔保持部材70の
表面に参照用導電部材60を積層して、自己誘導・比較
方式の温度計測要素を形成する。
【0074】絶縁性基板29−1,29−2は、図4に
示した例と同様の材料を用いることができる。測定コイ
ル20および参照コイル50は、図4に示した例と同様
の方法によって形成される。このようにして、自己誘導
・比較方式の温度計測要素を形成することができる。
【0075】図8に示した温度計測要素の参照用導電部
材60と間隔保持部材70を省略し、参照コイル50を
励磁コイル10として用いることによって、図2に示し
た相互誘導方式の温度計測装置を形成することができ
る。また、図8に示した、温度計測要素の測定コイル2
0と参照コイル50の間に、励磁コイル10を同様な方
法によって形成して設けることによって、図3に示した
相互誘導・比較方式の温度計測要素を形成することがで
きる。
【0076】以上の説明では、温度計測要素を多層プリ
ント配線基板の製造方法を用いて製造したが、以上に説
明した温度計測要素および温度計測装置を薄膜集積回路
を製造する方法を用いて製造することができる。また、
以上に説明した温度計測要素および温度計測装置を厚膜
集積回路を製造する方法を用いて製造することができ
る。
【0077】図3に示す相互誘導・比較方式の温度計測
要素を用いて温水を利用した床暖房配管の竣工検査を行
う例を図9を用いて説明する。この例の温度計測要素2
は、測定用間隔保持部材と測定用導電部材を省略して構
成されており、床暖房システムが敷設された床90上に
配置される。この温度計測要素2は、測定コイル20
と、励磁コイル10と、参照コイル50と、間隔保持部
材70と、参照用導電部材60とを、図示のように積み
重ねて構成される。励磁コイル10には、測定装置80
から89−1を介して励磁電流が供給される。測定コイ
ル20と参照コイル50は直列に接続されて、その出力
はリード89−2を介して測定装置80に供給される。
【0078】温水暖房システムを施した床90は、温水
が循環する例えば合成樹脂などからなる配管91が所定
の間隔で配列され、この配管に接してアルミ箔からなる
シート31が設けられ配管の温度を周囲に伝えるように
されている。アルミ箔31の上に床材92が配置されて
いる。
【0079】前述の温度計測要素2を、床90の上に配
置した状態では、アルミ箔31は、測定用導電部材30
の機能を果たし、励磁コイル10に励磁電流を流して生
じた磁束がアルミ箔31に渦電流を生起して、この渦電
流によって生じた磁束が測定コイル20に電流を誘起す
る。一方、励磁コイル10の励磁電流によって生じた磁
束は参照用導電部材60にも渦電流を生起して、この渦
電流によって参照コイル50に電流を誘起する。さら
に、床90は間隔保持部材としての機能を果たす。
【0080】配管91に温水を循環させる前の状態で
は、アルミ箔31と参照用導電部材60はほぼ同じ温度
なので、測定コイル20に誘起される電流と参照コイル
50に誘起される電流とが平衡しており、出力端子に出
力は現れない。アルミ箔31は、配管91に接している
ので、配管91に温水を流すとすぐに温度が上昇し始
め、アルミ箔31の抵抗値が変化して渦電流の大きさが
変化する。したがって、測定コイル20に誘起される電
流が変化して測定コイル20に誘起される電流と参照コ
イル50に誘起される電流の平衡が崩れ、出力端子83
に出力が現れる。よって、配管91の温度の変化を迅速
に検出することができる。
【0081】この温度計測要素2を用いて床暖房の温度
を時間を追って計測した例を図10に示す。図10
(A)は、図9に示したアルミ箔31に取り付けた熱電
対の出力すなわち循環水の温度変化を示した曲線であ
り、図10(B)は、この温度計測要素2を用いて配管
91の温度を測定した曲線であり、図10(C)は、図
9に示した床90の表面に貼り付けた熱電対の出力を示
した曲線である。
【0082】測定を開始して30秒後に配管91に60
℃の温水を流し30秒後に温水の循環を停止した。この
ときの、アルミ箔31の温度すなわち循環水の温度は、
図10(A)に示すように、温水の循環が始まると順次
立ち上り、循環を停止すると徐々に低下する。
【0083】この発明による温度計測要素の出力は、図
10(B)に示すようにアルミ箔の温度の上昇とほぼ同
じパターンで変化する。すなわち配管の温度の変化を直
ちに検出することができる。
【0084】一方、床90の表面に設けた熱電対の出力
は、120秒の間変わらなかった。すなわち、床90表
面に熱電対を取り付けて配管91温水が流れたことを検
出するには、30秒間温水を流しただけでは検出するこ
とができない。
【0085】このように、本発明による温度計測装置
は、熱伝導率の良くない材質を介しても渦電流によって
温度を迅速に計測することができる。
【0086】図11を用いて前記温度計測要素2を用い
て絶縁性材料からなる配管に流れる流体の温度を計測す
る例を説明する。この例では、配管91の内面に予め測
定用導電部材として働く金属箔93を貼り付けておく。
配管91に流れる流体の温度を計測するには、配管91
の金属箔93を貼り付けた個所の外に、温度計測要素2
を当てることによって、前記の例と同様に流体の温度を
計測することができる。この場合、配管91は断熱性を
有する材料で構成されていてもまったく問題なく、配管
91の内部に流れる流体の温度変化を迅速に計測するこ
とができる。
【0087】図12を用いて、温度計測要素の他の使用
態様を説明する。この使用態様は、温度計測要素を温度
センサとして使用するもので、ガスレンジの上部に設け
た換気扇を、ガスレンジを点火したことを検出して、自
動的に換気扇を動作させるようにした態様である。
【0088】図において、ガスレンジ95の上部に設け
たレンジフード96の内部壁面に温度計測要素2を貼り
付け、ガスレンジの点火による温度上昇を検出するとス
イッチ97を投入して換気扇98を回すようにしてい
る。
【0089】この温度計測要素2は、参照用導電部材6
0をレンジフード96の壁面で代用しており、測定用導
電部材30と、間隔保持部材40と、測定コイル20
と、励磁コイル10と、参照コイル50と、間隔保持部
材70とを図示のように積み重ねて構成され、参照導電
体として働くレンジフード壁面96に間隔保持部材70
を貼り付けて使用される。
【0090】この構成によれば、ガスレンジ95を点火
すると直ちに測定用導電部材30が加熱されて、ガスレ
ンジの点火を検出することができ、迅速に換気扇98を
回すことができる。
【0091】このような構成の温度計測要素2は、室内
の天井など適宜の個所に取り付け、スイッチ97に代え
て急激な温度の上昇を報知する報知手段を動作させるよ
うにすれば、火災などの検出に用いることができる。
【0092】温度の変化を、測定コイルと参照コイルと
の間に生じる起電力の差によって検出する例を説明した
が、温度の変化の検出は、これに限らず、測定コイルと
参照コイルの起電力の位相差によって、行うことができ
る。
【0093】
【発明の効果】以上のように、本発明にかかる温度計測
装置は、測定対象を特定の材質とすることがなく、あら
ゆる対象に用いることができる。また、測定用導電部材
を熱容量の小さな金属箔とすることによって、金属箔が
温まりやすく熱応答性の早い温度計測装置を提供するこ
とができる。さらに、本発明によれば、温度を測定する
対象に温度計測装置を直接接触させることなく温度を測
定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる渦電流を用いた温度計測装置の
原理と構成を説明する図。
【図2】本発明にかかる相互誘導方式の渦電流を用いた
温度計測装置の原理と構成を説明する図。
【図3】本発明にかかる相互誘導・比較方式の渦流を用
いた温度計測装置の原理と構成を説明する図。
【図4】図1に示した温度計測装置に用いる温度計測要
素の構成を示す図。
【図5】本発明にかかる自己誘導・比較方式の温度計測
装置の構成と温度検出方法を説明する図。
【図6】本発明にかかる相互誘導・比較方式の温度計測
装置の他の温度検出方法を説明する図。
【図7】本発明にかかる相互誘導・比較方式の温度計測
装置のさらに他の温度検出方法を説明する図。
【図8】本発明にかかる自己誘導・比較方式の温度計測
要素の構成を示す図。
【図9】図3に示した相互誘導・比較方式の温度計測要
素を用いて床暖房システムの竣工検査を行う例を説明す
る図。
【図10】図9に示した竣工検査時の温度特性を示す
図。
【図11】図3に示した相互誘導・比較方式の温度計測
要素を用いて配管内を流れる流体の温度を計測する例を
説明する図。
【図12】図3に示した相互誘導・比較方式の温度計測
要素を用いてガスレンジのファン駆動を行う例を説明す
る図。
【符号の説明】
1 温度計測装置 2 温度計測要素 10 励磁コイル 20 検出コイル 30 測定用導電部材 40 測定用間隔保持手段 50 参照コイル 55 調整コイル 60 参照用導電部材 70 参照用間隔保持部材
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年12月22日(1999.12.
22)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】発明の名称
【補正方法】変更
【補正内容】
【発明の名称】 温度計測装置および温度計測要素およ
これらの製造方法ならびに床暖房装置の温度検出用温
度計測装置
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正内容】
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1に記載された発明は、温度計測装置を、渦
電流により生起された磁束によって電流を誘起する測定
コイルと、該測定コイルの温度を計測する対象側に設け
た導電性を有する材料からなる測定用導電部材とを有
し、該測定用導電部材が温度を計測する対象と別に形成
されるとともに温度を計測する対象の温度変化によって
生起する渦電流に変化を生じる働きを有する部材として
構成し、温度を測定する対象が、気体,固体,液体など
の非導電性の物体であっても渦電流による温度測定を可
能とした。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正内容】
【0007】請求項2に記載された発明は、請求項1に
記載の温度計測装置において、上記測定用導電部材を上
記測定コイルと一体化して構成した。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正内容】
【0008】請求項3に記載された発明は、請求項1ま
たは請求項2に記載の温度計測装置において、上記測定
用導電部材の熱容量が小さくなるように構成して、測定
対象への影響を無くすとともに温度変化を迅速に検出で
きるようにした。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正内容】
【0009】請求項4に記載された発明は、請求項3
記載の温度計測装置において、上記測定用導電部材を、
金属箔から構成して、熱容量が小さくなるようにした。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正内容】
【0010】請求項5に記載された発明は、請求項1な
いし請求項3のいずれか1項に記載の温度計測装置にお
いて、上記測定用導電部材と上記測定コイルとの間に間
隔を設け、前記測定用導電部材と前記測定コイルを熱的
および電気的に絶縁して、測定用導電部材の温度が測定
用コイルへ逃げることを防ぎ応答性を向上させるととも
に、誤差を無くすようにした。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正内容】
【0011】請求項6に記載された発明は、請求項5
記載の温度計測装置において、上記測定用導電部材と上
記測定コイルとの間の前記間隔を所定の値に保持する間
隔保持部材を有し、測定条件を固定して校正した後、測
定対象の温度の絶対値を検出できるようにした。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正内容】
【0012】請求項7に記載された発明は、請求項1な
いし請求項のいずれか1項に記載の温度計測装置にお
いて、上記測定用導電部材が、温度を測定する対象に
接接触しないように構成し、温度測定対象からの輻射熱
によって温度を検出できるようにした。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正内容】
【0013】請求項8に記載された発明は、請求項
いし請求項のいずれか1項に記載の温度計測装置にお
いて、上記測定用導電部材が、温度を測定する対象に接
触するように構成し、温度測定対象の温度変化を正確に
測定できるようにした。
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正内容】
【0014】請求項9に記載された発明は、請求項
いし請求項のいずれか1項に記載の温度計測装置にお
いて、上記測定用導電部材が、上記測定コイルおよび上
記間隔保持部材と一体化されて構成して、測定条件を固
定した。
【手続補正12】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】変更
【補正内容】
【0015】請求項10に記載された、発明は、請求項
1ないし請求項9のいずれか1項に記載の温度計測装置
において、上記測定コイルの上記測定用導電部材と反対
側に配置した導電性を有する材料からなり交番磁束によ
って渦電流を生起する参照コイルと、導電性を有する材
料からなり交番磁束によって渦電流を生起する前記参照
コイルの前記測定コイルと反対側に設けた参照用導電性
部材とを有し、周囲温度と温度測定対象との温度差を検
出できるようにした。
【手続補正13】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】変更
【補正内容】
【0018】請求項13に記載された発明は、請求項1
0ないし請求項12のいずれか1項に記載の温度計測装
置において、上記参照用導電性部材の熱容量を大きく構
成し、周囲の温度変化の影響を少なくした。
【手続補正14】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0019
【補正方法】変更
【補正内容】
【0019】請求項14に記載された発明は、請求項1
ないし請求項13のいずれか1項に記載の温度計測装置
において、上記測定コイルに高周波励磁電流を流して生
成された交番磁束によって上記測定用導電部材に渦電流
を発生させるようにし、自己誘導方式の温度測定装置を
構成可能とした。
【手続補正15】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0020
【補正方法】変更
【補正内容】
【0020】請求項15に記載された発明は、請求項1
0ないし請求項13のいずれか1項に記載の温度計測装
置において、上記測定コイルに高周波励磁電流を流して
生成された交番磁束によって上記測定用導電部材および
上記参照用導電部材に渦電流を発生させるようにして、
自己誘導方式でかつ周囲温度と温度測定対象の温度差を
検出できるようにした。
【手続補正16】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0021
【補正方法】変更
【補正内容】
【0021】請求項16に記載された発明は、請求項1
ないし請求項13のいずれか1項に記載の温度計測装置
において、上記測定コイルの上記測定用導電部材が配置
される側と反対側に励磁コイルを設け、相互誘導型の温
度計測装置を構成可能とした。
【手続補正17】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0030
【補正方法】変更
【補正内容】
【0030】また、本発明は、上記温度計測装置または
温度計測要素を、多層プリント配線基板製造方法を用い
て構成した。さらに、本発明は、上記温度計測装置また
は温度計測要素を、薄膜集積回路製造方法または厚膜集
積回路製造方法を用いて製造した。
【手続補正18】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0031
【補正方法】変更
【補正内容】
【0031】本発明は、床暖房装置の温度検出用温度計
測装置を、被測定対象に設けた導電材料に生じた渦電流
により生起された交番磁束によって電流を誘起する測定
コイルと、励磁電流を流すことによって交番磁束を形成
する励磁コイルと、参照用導電部材に生じた渦電流によ
り生起された交番磁束によって電流を誘起する参照コイ
ルと、該参照コイルと参照用導電部材との間隔を保持す
る間隔保持部材と、導電性を有する材料からなり交番磁
束によって渦電流を生起する参照用導電部材とを上記し
た順に積層して構成した。

Claims (30)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 渦電流により生起された磁束によって電
    流を誘起する測定コイルと、導電性を有する材料からな
    り交番磁束によって渦電流を生起する前記測定コイルの
    温度を計測する対象側に設けた測定用導電部材とを有す
    ることを特徴とする温度計測装置。
  2. 【請求項2】 上記測定用導電部材の熱容量が小さくな
    るように構成したことを特徴とする請求項1に記載の温
    度計測装置。
  3. 【請求項3】 上記測定用導電部材を、金属箔から構成
    した請求項2に記載の温度計測装置。
  4. 【請求項4】 上記測定用導電部材と上記測定コイルと
    の間に間隔を設け、前記測定用導電部材と前記測定コイ
    ルが熱的および電気的に絶縁されていることを特徴とす
    る請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の温度計測
    装置。
  5. 【請求項5】 上記測定用導電部材と上記測定コイルと
    の間の前記間隔を所定の値に保持する間隔保持部材を有
    していることを特徴とする請求項4に記載の温度計測装
    置。
  6. 【請求項6】 上記測定用導電部材が、温度を測定する
    対象に直接接触しないように構成した請求項1ないし請
    求項5のいずれかに記載の温度計測装置。
  7. 【請求項7】 上記測定用導電部材が、温度を測定する
    対象に接触するように構成した請求項1ないし請求項5
    のいずれかに記載の温度計測装置。
  8. 【請求項8】 上記測定用導電部材が、上記測定コイル
    および上記間隔保持部材と一体化されて構成されている
    請求項5ないし請求項7のいずれかに記載の温度計測装
    置。
  9. 【請求項9】 上記測定用導電部材が、上記測定コイル
    および上記間隔保持部材と別体に構成されている請求項
    5ないし請求項7のいずれかに記載の温度計測装置。
  10. 【請求項10】 上記測定コイルの上記測定用導電部材
    と反対側に配置した導電性を有する材料からなり交番磁
    束によって渦電流を生起する参照コイルと、導電性を有
    する材料からなり交番磁束によって渦電流を生起する前
    記参照コイルの前記測定コイルと反対側に設けた参照用
    導電性部材とを有することを特徴とする請求項1ないし
    請求項9のいずれかに記載の温度計測装置。
  11. 【請求項11】 上記測定コイルと上記参照コイルに発
    生した起電力が互いに打ち消しあう方向に前記測定コイ
    ルと前記参照コイルを接続したことを特徴とする請求項
    10に記載の温度計測装置。
  12. 【請求項12】 上記参照用導電性部材を移動可能に構
    成したことを特徴とする請求項10または請求項11に
    記載の温度計測装置。
  13. 【請求項13】 上記参照用導電性部材の熱容量を大き
    く構成したことを特徴とする請求項10ないし請求項1
    1のいずれかに記載の温度計測装置。
  14. 【請求項14】 上記測定コイルに高周波励磁電流を流
    して生成された交番磁束によって上記測定用導電部材に
    渦電流を発生させるようにした請求項1ないし請求項1
    3のいずれかに記載の温度計測装置。
  15. 【請求項15】 上記測定コイルに高周波励磁電流を流
    して生成された交番磁束によって上記測定用導電部材お
    よび上記参照用導電部材に渦電流を発生させるようにし
    た請求項10ないし請求項13のいずれかに記載の温度
    計測装置。
  16. 【請求項16】 上記測定コイルの上記測定用導電部材
    が配置される側と反対側に励磁コイルを設けたことを特
    徴とする請求項1ないし請求項13のいずれかに記載の
    温度計測装置。
  17. 【請求項17】 上記励磁コイルに高周波励磁電流を流
    して生成された交番磁束によって上記測定用導電部材に
    渦電流を発生させるようにした請求項16に記載の温度
    計測装置。
  18. 【請求項18】 上記励磁コイルに高周波励磁電流を流
    して生成された交番磁束によって上記測定用導電部材お
    よび上記参照用導電部材に渦電流を発生させるようにし
    た請求項16に記載の温度計測装置。
  19. 【請求項19】 励磁電流を流すことによって交番磁束
    を形成する励磁コイルと、導電性を有する材料からなり
    交番磁束によって渦電流を生起する測定用導電部材と、
    渦電流により生起された交番磁束によって電流を誘起す
    る測定コイルと、前記測定コイルと前記測定用導電部材
    との間隔を保持する間隔保持部材と、参照用コイルとを
    有する温度計測装置。
  20. 【請求項20】 励磁電流を流すことによって交番磁束
    を形成する励磁コイルと、導電性を有する材料からなり
    交番磁束によって渦電流を生起する測定用導電部材と、
    渦電流により生起された交番磁束によって電流を誘起す
    る測定コイルと、前記測定コイルと前記測定用導電部材
    との間隔を保持する間隔保持部材と、参照用コイルと、
    該参照コイルに接続された調整コイルとを有する温度計
    測装置。
  21. 【請求項21】 励磁電流を流すことによって交番磁束
    を形成する励磁コイルと、温度を計測する対象側の導電
    性を有する材料に生じた渦電流により生起された磁束に
    よって電流を誘起する測定コイルと、参照コイルとを有
    する温度計測装置に用いる温度計測要素において、前記
    測定コイルと、前記励磁コイルと、前記参照コイルとを
    この順序に一体に構成したことを特徴とする温度計測要
    素。
  22. 【請求項22】 励磁電流を流すことによって交番磁束
    を形成する励磁コイルと、温度を計測する対象側の導電
    性を有する材料に生じた渦電流により生起された磁束に
    よって電流を誘起する測定コイルと、参照コイルと、前
    記励磁コイルと温度を計測する対象側の導電性を有する
    材料との間の間隔を保持する間隔保持部材とを有する温
    度計測装置に用いる温度計測要素において、前記間隔保
    持部材と、前記測定コイルと、前記励磁コイルと、前記
    参照コイルとをこの順序に一体に構成したことを特徴と
    する温度計測要素。
  23. 【請求項23】 励磁電流を流すことによって交番磁束
    を形成する励磁コイルと、励磁コイルが形成した交番磁
    束によって渦電流を生起する測定用導電部材と、該測定
    用導電部材に生じた渦電流により生起された磁束によっ
    て電流を誘起する測定コイルと、参照コイルと、前記励
    磁コイルと前記測定用導電部材との間の間隔を保持する
    間隔保持部材とを有する温度計測装置に用いる温度計測
    要素において、前記測定用導電部材と、前記間隔保持部
    材と、前記測定コイルと、前記励磁コイルと、前記参照
    コイルとをこの順序に一体に構成したことを特徴とする
    温度計測要素。
  24. 【請求項24】 励磁電流を流すことによって交番磁束
    を形成する励磁コイルと、導電性を有する材料からなり
    交番磁束によって渦電流を生起する測定用導電部材と、
    渦電流により生起された交番磁束によって電流を誘起す
    る測定コイルと、前記測定コイルと前記測定用導電部材
    との間隔を保持する間隔保持部材と、導電性を有する材
    料からなり交番磁束によって渦電流を生起する参照用導
    電部材と、該参照用導電部材に生起した渦電流により生
    起された交番磁束によって電流を誘起する参照用コイル
    と、該参照用導電部材と参照用コイルとの間隔を保持す
    る参照用間隔保持部材とを有する温度計測装置に用いる
    温度計測要素において、前記測定用導電部材と、前記間
    隔保持部材と、前記測定コイルと、前記励磁コイルと、
    前記参照コイルと、前記参照用間隔保持部材と、前記参
    照用導電部材とを一体に構成したことを特徴とする温度
    計測要素。
  25. 【請求項25】 請求項1ないし請求項18のいずれか
    に記載の温度計測装置の上記測定コイルを、多層プリン
    ト配線基板製造方法を用いて製造したことを特徴とする
    温度計測装置の製造方法。
  26. 【請求項26】 請求項1ないし請求項18のいずれか
    に記載の温度計測装置の上記測定コイルを、厚膜集積回
    路製造方法を用いて製造したことを特徴とする温度計測
    装置の製造方法。
  27. 【請求項27】 請求項1ないし請求項18のいずれか
    に記載の温度計測装置の上記測定コイルを、薄膜集積回
    路製造方法を用いて製造したことを特徴とする温度計測
    装置の製造方法。
  28. 【請求項28】 請求項21ないし請求項24いずれか
    に記載の温度計測要素の上記測定コイルを、多層プリン
    ト配線基板製造方法を用いて製造したことを特徴とする
    温度計測要素の製造方法。
  29. 【請求項29】 請求項23または請求項24に記載の
    温度計測要素の上記測定コイルを、厚膜集積回路製造方
    法を用いて製造したことを特徴とする温度計測要素の製
    造方法。
  30. 【請求項30】 請求項23または請求項24に記載の
    温度計測要素の上記測定コイルを、薄膜集積回路製造方
    法を用いて製造したことを特徴とする温度計測要素の製
    造方法。
JP10370227A 1998-12-25 1998-12-25 温度計測装置および温度計測要素およびこれらの製造方法ならびに床暖房装置の温度検出用温度計測装置 Expired - Fee Related JP3034511B1 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10370227A JP3034511B1 (ja) 1998-12-25 1998-12-25 温度計測装置および温度計測要素およびこれらの製造方法ならびに床暖房装置の温度検出用温度計測装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10370227A JP3034511B1 (ja) 1998-12-25 1998-12-25 温度計測装置および温度計測要素およびこれらの製造方法ならびに床暖房装置の温度検出用温度計測装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP3034511B1 JP3034511B1 (ja) 2000-04-17
JP2000193531A true JP2000193531A (ja) 2000-07-14

Family

ID=18496379

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10370227A Expired - Fee Related JP3034511B1 (ja) 1998-12-25 1998-12-25 温度計測装置および温度計測要素およびこれらの製造方法ならびに床暖房装置の温度検出用温度計測装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3034511B1 (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7322744B2 (en) * 2003-03-27 2008-01-29 Ashcroft, Inc. Temperature measurement device
US20110090937A1 (en) * 2009-10-19 2011-04-21 Tsi Technologies Llc Eddy current thermometer
JP2013167519A (ja) * 2012-02-15 2013-08-29 Tdk Corp 非接触温度センサ
CN106556466A (zh) * 2016-11-22 2017-04-05 华中科技大学 一种基于磁纳米磁化强度‑温度曲线的快速测温方法
CN109470375A (zh) * 2018-10-15 2019-03-15 浙江大学 基于涡流感应的非接触式金属温度在线测量装置
JP2022123039A (ja) * 2017-07-12 2022-08-23 ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ 温度補償式トルクセンサ

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7322744B2 (en) * 2003-03-27 2008-01-29 Ashcroft, Inc. Temperature measurement device
US20110090937A1 (en) * 2009-10-19 2011-04-21 Tsi Technologies Llc Eddy current thermometer
US8523429B2 (en) 2009-10-19 2013-09-03 Tsi Technologies Llc Eddy current thermometer
JP2013167519A (ja) * 2012-02-15 2013-08-29 Tdk Corp 非接触温度センサ
CN106556466A (zh) * 2016-11-22 2017-04-05 华中科技大学 一种基于磁纳米磁化强度‑温度曲线的快速测温方法
JP2022123039A (ja) * 2017-07-12 2022-08-23 ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ 温度補償式トルクセンサ
CN109470375A (zh) * 2018-10-15 2019-03-15 浙江大学 基于涡流感应的非接触式金属温度在线测量装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP3034511B1 (ja) 2000-04-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7441950B2 (en) Probe for electronic clinical thermometer
JP6275830B2 (ja) 熱流束を測定するための方法及びシステム
KR0145027B1 (ko) 열 전도도 측정장치 및 방법
JP2016523356A5 (ja)
US6223593B1 (en) Self-oscillating fluid sensor
US9395250B2 (en) Eddy current thermometer
US20140198824A1 (en) Sensor, System Having A Sensor and A Measurement Object, and Method For Temperature Measurement By Means of A Sensor
WO2006027974A1 (ja) 流量センサ
JP4243540B2 (ja) 加熱エレメントにより取り囲まれたセンサエレメントを備えたセンサ構成素子
US3232113A (en) Thermal parameter indicator
JP3034511B1 (ja) 温度計測装置および温度計測要素およびこれらの製造方法ならびに床暖房装置の温度検出用温度計測装置
JPH0436625A (ja) 等温端子ブロック
JP2009186433A (ja) 渦電流式試料測定方法と、渦電流センサと、渦電流式試料測定システム
KR101662713B1 (ko) 열전박막의 수직방향 열전특성 측정센서유닛
US2836639A (en) Constant temperature device
JP2005227010A (ja) 熱伝導率測定装置及び熱伝導率測定方法
JPH0348127A (ja) 非接触温度計測方法及びその温度センサ
EP3023804B1 (en) Magnetic induction measuring device and method
JP2008157892A (ja) 電流検出器、電流検出用具及び電流検出方法
Burdet et al. Thick-film radial position sensor for high temperature active magnetic bearings
JP2524384B2 (ja) 極低温用温度計
JP3073944B2 (ja) 平型シート状界面センサー
JP2004529332A (ja) ゼロシフト補償酸素センサ
CN117761109A (zh) 用于差示扫描量热仪的传感器组件
JPH05107099A (ja) 液面レベル計

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees