JP2000192813A - 内燃機関の排気浄化装置 - Google Patents

内燃機関の排気浄化装置

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JP2000192813A
JP2000192813A JP10369531A JP36953198A JP2000192813A JP 2000192813 A JP2000192813 A JP 2000192813A JP 10369531 A JP10369531 A JP 10369531A JP 36953198 A JP36953198 A JP 36953198A JP 2000192813 A JP2000192813 A JP 2000192813A
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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Exhaust Gas Treatment By Means Of Catalyst (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 内燃機関の排気浄化装置において、燃費の悪
化を抑制しながら確実に吸蔵型NOx触媒を再生可能と
する。 【解決手段】 吸蔵型NOx触媒25に吸蔵された被毒
S量Qsを複数のSパージ判定基準値A1〜A8と比較
して浄化能力低下度合を推定し、この浄化能力低下度合
に応じてSパージを実行する条件を触媒温度Tcat 、平
均所定車速V21,V22、加減速運転などに変更し、各浄
化能力低下度合でこの実行条件が成立したときにSパー
ジを実行する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、排気通路に設けら
れたNOx触媒の浄化能力低下を再生する再生手段を有
する内燃機関の排気浄化装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、内燃機関をリーン空燃比で運転し
て燃費の向上を図るようにした希薄燃焼内燃機関が実用
化されている。この希薄燃焼内燃機関では、リーン空燃
比で運転すると、三元触媒がその浄化特性から排ガス中
のNOx(窒素酸化物)を充分に浄化できないという問
題があり、最近では、リーン空燃比で運転中に排ガス中
のNOxを吸蔵し、ストイキオまたはリッチ空燃比で運
転中に吸蔵されたNOxを放出還元する吸蔵型NOx触
媒が採用されてきている。
【0003】この吸蔵型NOx触媒は、内燃機関の酸素
の過剰状態で排ガス中のNOxを硝酸塩(X−NO3
として吸蔵し、吸蔵したNOxを一酸化炭素(CO)の
過剰状態で放出して窒素(N2 )に還元させる特性(同
時に炭酸塩X−CO3 が生成される)を有した触媒であ
る。ところが、燃料中にはイオウ(S)成分が含まれて
おり、このS成分は酸素と反応して硫黄酸化物(SO
x)となり、このSOxがNOxの代わりに硫酸塩とし
て硝酸塩の代わりに吸蔵型NOx触媒に吸蔵されてしま
い、触媒の浄化効率が低下してしまうという問題があ
る。しかしながら、触媒に吸蔵されたSOxは、空燃比
をリッチ状態にして触媒を高温状態にすることで除去
(Sパージ)されることがわかっている。例えば、特開
平7−217474号公報では、SOxの吸蔵量が許容
量を越え、触媒温度が所定温度よりも高いときには、空
燃比を一時的にリッチにしてすると共に触媒を昇温させ
ることでSOxを放出し、吸蔵型NOx触媒の浄化効率
を復活させるようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上述した公
報では、SOxの吸蔵量と触媒温度を条件として、内燃
機関の運転状態に拘らず空燃比をリッチにしてSOxを
放出する吸蔵型NOx触媒の再生制御を実行している。
【0005】そのため、例えば、車両が市街地のような
場所で加減速を繰り返す運転状態のときに再生制御を実
行すると、吸蔵型NOx触媒がSOxを放出するのに必
要な高温状態になりにくく、吸蔵型NOx触媒の再生に
長時間を要してしまう。すると、吸蔵型NOx触媒のS
Oxの吸蔵量が許容量を越えているにも拘らず、適正に
吸蔵型NOx触媒の再生を実行することができず、ま
た、不要に燃料を噴射して空燃比をリッチにすることか
ら燃費を悪化させてしまうという問題がある。
【0006】本発明はこのような問題を解決するもので
あって、燃費の悪化を抑制しながら確実に吸蔵型NOx
触媒を再生可能とした内燃機関の排気浄化装置を提供す
ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めの本発明の内燃機関の排気浄化装置では、内燃機関の
排気通路に排気空燃比が酸化雰囲気のときに排気ガス中
のNOxを吸蔵すると共に還元雰囲気のときに吸蔵され
たNOxを放出または還元する吸蔵型NOx触媒を設け
る共に、排気ガス中に含まれるイオウ成分による吸蔵型
NOx触媒の浄化能力低下度合を検出または推定する浄
化能力検出手段と、吸蔵型NOx触媒を昇温すると共に
その周辺を還元雰囲気とすることで触媒浄化能力を再生
する再生手段と、触媒浄化能力低下度合に応じて再生手
段の実行条件を変更する実行条件変更手段とを設け、制
御手段が触媒浄化能力低下度合に応じた実行条件変更手
段の実行条件が成立したときに再生手段を作動させるよ
うにしている。
【0008】例えば、吸蔵型NOx触媒の浄化能力低下
度合に応じて触媒浄化能力を再生する再生手段の実行条
件を変更、即ち、イオウ成分による吸蔵型NOx触媒の
浄化能力低下度合が少ないときは再生手段の実行条件を
厳しくする一方、浄化能力低下度合が大きいときは再生
手段の実行条件を緩和しており、内燃機関の運転状態に
拘らず、燃費の悪化を抑制しながら吸蔵型NOx触媒に
吸蔵されたイオウ成分を確実に放出して吸蔵型NOx触
媒を再生することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明の実
施形態を詳細に説明する。
【0010】図1に本発明の一実施形態に係る内燃機関
の排気浄化装置の概略構成、図2に本実施形態の排気浄
化装置によるSパージ制御のフローチャート、図3及び
図4に本実施形態の排気浄化装置による吸蔵型NOx触
媒の劣化判定制御のフローチャート、図5にSパージを
行った場合の被毒S量の時間変化を示すタイムチャート
を示す。
【0011】本実施形態の内燃機関(以下、エンジンと
称する。)は、例えば、燃料噴射モード(運転モード)
を切換えることで、吸気行程での燃料噴射(吸気行程噴
射モード)または圧縮行程での燃料噴射(圧縮行程噴射
モード)を実施可能な筒内噴射型火花点火式直列4気筒
ガソリンエンジンである。そして、この筒内噴射型のエ
ンジン11は、容易にして理論空燃比(ストイキオ)で
の運転やリッチ空燃比での運転(リッチ空燃比運転)の
他、リーン空燃比での運転(リーン空燃比運転)が実現
可能となっており、特に圧縮行程噴射モードでは、超リ
ーン空燃比での運転が可能となっている。
【0012】本実施形態において、図1に示すように、
エンジン11のシリンダヘッド12には、各気筒毎に点
火プラグ13と共に電磁式の燃料噴射弁14が取付けら
れており、この燃料噴射弁14によって燃焼室15内に
燃料を直接噴射可能となっている。この燃料噴射弁14
には、図示しない燃料パイプを介して燃料タンク擁した
燃料供給装置(燃料ポンプ)が接続されており、燃料タ
ンク内の燃料が高燃圧で供給され、この燃料を燃料噴射
弁14から燃焼室15内に向けて所望の燃圧で噴射す
る。この際、燃料噴射量は燃料ポンプの燃料吐出圧と燃
料噴射弁14の開弁時間(燃料噴射時間)とから決定さ
れる。
【0013】シリンダヘッド12には、各気筒毎に略直
立方向に吸気ポートが形成されており、各吸気ポートと
連通するようにして吸気マニホールド16の一端がそれ
ぞれ接続されている。そして、吸気マニホールド16の
他端にはドライブバイワイヤ(DBW)方式の電動スロ
ットル弁17が接続されており、このスロットル弁17
にはスロットル開度θthを検出するスロットルセンサ1
8が設けられている。また、シリンダヘッド12には、
各気筒毎に略水平方向に排気ポートが形成されており、
各排気ポートと連通するようにして排気マニホールド1
9の一端がそれぞれ接続されている。
【0014】そして、エンジン11には、クランク角を
検出するクランク角センサ20が設けられており、この
クランク角センサ20はエンジン回転速度Neを検出可
能となっている。なお、上述した筒内噴射型エンジン1
1は既に公知のものであり、その構成の詳細については
ここでは説明を省略する。
【0015】また、エンジン11の排気マニホールド1
9には排気管(排気通路)21が接続されており、この
排気管21にはエンジン11に近接した小型の三元触媒
22及び排気浄化触媒装置23を介して図示しないマフ
ラーが接続されている。そして、この排気管21におけ
る三元触媒22と排気浄化触媒装置23との間の部分に
は、排気浄化触媒装置23の直上流、即ち、後述する吸
蔵型NOx触媒25のに直上流に位置して排気温度を検
出する高温センサ24が設けられている。
【0016】この排気浄化触媒装置23は、吸蔵型NO
x触媒25と三元触媒26との2つの触媒を有して構成
されており、三元触媒26の方が吸蔵型NOx触媒25
よりも下流側に配設されている。なお、吸蔵型NOx触
媒25が三元触媒の機能を有している場合には、この吸
蔵型NOx触媒25だけであってもよい。この吸蔵型N
Ox触媒25は、酸化雰囲気においてNOxを一旦吸蔵
させ、主としてCOの存在する還元雰囲気中においてN
Oxを放出してN2 (窒素)等に還元させる機能を持つ
ものである。詳しくは、吸蔵型NOx触媒25は、貴金
属として白金(Pt)、ロジウム(Rh)等を有した触
媒として構成されており、吸蔵材としてはバリウム(B
a)等のアルカリ金属、アルカリ土類金属が採用されて
いる。そして、吸蔵型NOx触媒25の下流にはNOx
濃度を検出するNOxセンサ27が設けられている。
【0017】更に、入出力装置、記憶装置(ROM、R
AM、不揮発性RAM等)、中央処理装置(CPU)、
タイマカウンタ等を有するECU(電子コントロールユ
ニット)28が設けられており、このECU28により
エンジン11を含めた本実施形態の排気浄化装置の総合
的な制御が行われる。即ち、ECU28の入力側には、
上述した高温センサ24やNOxセンサ27等の各種セ
ンサ類が接続されており、これらセンサ類からの検出情
報が入力する。一方、ECU28の出力側には、点火コ
イルを介して上述した点火プラグ13や燃料噴射弁14
等が接続されており、これら点火コイル、燃料噴射弁1
4等には、各種センサ類からの検出情報に基づき演算さ
れた燃料噴射量や点火時期等の最適値がそれぞれ出力さ
れる。これにより、燃料噴射弁14から適正量の燃料が
適正なタイミングで噴射され、点火プラグ13によって
適正なタイミングで点火が実施される。
【0018】実際に、ECU28では、スロットルセン
サ18からのスロットル開度情報θthとクランク角セン
サ20からのエンジン回転速度情報Neとに基づいてエ
ンジン負荷に対応する目標筒内圧、即ち目標平均有効圧
Peを求めるようにされており、更に、この目標平均有
効圧Peとエンジン回転速度情報Neとに応じてマップ
(図示せず)より燃料噴射モードを設定するようにされ
ている。例えば、目標平均有効圧Peとエンジン回転速
度Neとが共に小さいときには、燃料噴射モードは圧縮
行程噴射モードとされて燃料が圧縮行程で噴射され、一
方、目標平均有効圧Peが大きくなり、あるいはエンジ
ン回転速度Neが大きくなると燃料噴射モードは吸気行
程噴射モードとされ、燃料が吸気行程で噴射される。
【0019】そして、目標平均有効圧Peとエンジン回
転速度Neとから制御目標となる目標空燃比(目標A/
F)が設定され、適正量の燃料噴射量がこの目標A/F
に基づいて決定される。また、高温センサ24により検
出された排気温度情報からは触媒温度Tcat が推定され
る。詳しくは、高温センサ24と吸蔵型NOx触媒25
とが多少なりとも離れて配置されていることに起因する
誤差を補正するために、目標平均有効圧Peとエンジン
回転速度情報Neとに応じて温度差マップが予め実験等
により設定されており、触媒温度Tcat は、目標平均有
効圧Peとエンジン回転速度情報Neとが決まると一義
に推定されるようにされている。
【0020】以下、このように構成された本実施形態の
内燃機関の排気浄化装置の作用について説明する。
【0021】排気浄化触媒装置23の吸蔵型NOx触媒
25では、リーンモードにおける超リーン燃焼運転時の
ような酸素濃度過剰雰囲気で、排気中のNOxから硝酸
塩が生成され、これによりNOxが吸蔵されて排気の浄
化が行われる。一方、三元触媒26では、酸素濃度が低
下した雰囲気で、吸蔵型NOx触媒25に吸蔵した硝酸
塩と排気中のCOとが反応して炭酸塩が生成されると共
にNOxが放出される。従って、吸蔵型NOx触媒25
へのNOxの吸蔵が進むと、空燃比のリッチ化あるいは
追加の燃料噴射を行うなどして酸素濃度を低下させて吸
蔵型NOx触媒25からNOxを放出させて機能を維持
する。
【0022】ところで、燃料や潤滑油内に含まれるイオ
ウ成分も排気中に存在し、吸蔵型NOx触媒25は、酸
素濃度過剰雰囲気で、NOxの吸蔵とともにSOxも吸
蔵する。つまり、イオウ成分は酸化されてSOxにな
り、このSOxの一部は吸蔵型NOx触媒25上でさら
に元来はNOx用の吸蔵剤と反応して硫酸塩となって吸
蔵型NOx触媒25に吸蔵する。
【0023】また、吸蔵型NOx触媒25は、酸素濃度
が低下すると付着したSOxを放出する機能を有してい
る。つまり、酸素濃度が低下した雰囲気では、吸蔵型N
Ox触媒25に吸蔵した硫酸塩の一部と排気中のCOと
が反応して炭酸塩が生成されると共にSOxが離脱され
る。しかし、硫酸塩は硝酸塩よりも塩としての安定度が
高く、酸素濃度が低下した雰囲気になってもその一部し
か分解されないため、吸蔵型NOx触媒25に残留する
硫酸塩の量は時間とともに増加する。これにより、吸蔵
型NOx触媒25の型NOx吸蔵能力が時間と共に低下
し、吸蔵型NOx触媒25としての性能が悪化すること
になる(S被毒)。
【0024】このため、吸蔵型NOx触媒25に一定量
以上のイオウ成分(SOx)が吸着されてNOx触媒2
5が劣化したと判定されたときには、触媒を昇温させ、
且つ、空燃比を還元雰囲気にして吸蔵したSOxを放出
(再生手段)するようにしている(Sパージ運転)。
【0025】即ち、Sパージ制御において、図2に示す
ように、まず、ステップS11では、NOx触媒25が
S(イオウ)劣化したか否か、即ち、この吸蔵型NOx
触媒25に吸蔵されたSOxの量(被毒S量Qs)が所
定のSパージ判定基準値に達したか否かを判別する。こ
こに、被毒S量Qsは推定により求められる値であり、
以下、被毒S量Qsの推定手法(浄化能力検出手段)を
簡単に説明する。
【0026】被毒S量Qsは、基本的には燃料噴射積算
量Qfに基づき設定されるものであり、燃料噴射制御ル
ーチン(図示せず)の実行周期毎に次式により演算され
る。 Qs=Qs(n−1)+ΔQf・K−Rs ・・・(1) ここに、Qs(n−1)は被毒S量の前回値であり、Δ
Qfは実行周期当たりの燃料噴射積算量、Kは補正係
数、Rsは実行周期当たりの再生S量を示している。
【0027】つまり、現在の被毒S量Qsは、実行周期
当たりの燃料噴射積算量ΔQfを補正係数Kで補正して
積算すると共に、この積算値から実行周期当たりの再生
S量Rsを減算することで求められる。この補正係数K
は、例えば、次式(2)に示すように、空燃比A/Fに
応じたS被毒係数K1、燃料中のS含有量に応じたS被
毒係数K2及び触媒温度Tcat に応じたS被毒係数K3
の3つの補正係数の積からなっている。 K=K1・K2・K3 ・・・(2)
【0028】また、実行周期当たりの再生S量Rsは次
式(3)から演算される。 Rs=α・R1・R2・dT ・・・(3) ここに、αは単位時間当たりの再生率(設定値)であ
り、dTは燃料噴射制御ルーチンの実行周期を示してお
り、R1及びR2はそれぞれ触媒温度Tcat に応じた再
生能力係数及び空燃比A/Fに応じた再生能力係数を示
している。
【0029】そして、ステップS11にて、この吸蔵型
NOx触媒25の被毒S量QsがSパージ判定基準値に
達したか否かを判別するわけであるが、本実施形態で
は、吸蔵型NOx触媒25の被毒S量Qsと複数のSパ
ージ判定基準値と比較することで浄化能力低下度合を推
定し、この浄化能力低下度合に応じて触媒浄化能力を再
生(Sパージ)する条件を変更(実行条件変更手段)
し、その実行条件が成立したときにECU28(制御手
段)がSパージを実行するようにしている。
【0030】ここで、吸蔵型NOx触媒25の劣化判定
制御を説明する。なお、この劣化判定制御では、多数の
Sパージ判定基準値A1,A21,A22,A3,A
4,A5,A6,A7,A8があり、各Sパージ判定基
準値の関係は、A1<A21<A22<A3<A4<A
5<A6<A7<A8となっている。
【0031】吸蔵型NOx触媒25の劣化判定制御にお
いて、図3及び図4に示すように、ステップS31で
は、上記のようにして求めた吸蔵型NOx触媒25の被
毒S量QsがSパージ判定基準値A1以上かどうかを判
定する。そして、被毒S量Qsが未だ判定基準値A1に
達していないと判定される場合には、何もせずこのルー
チンを抜ける。一方、被毒S量Qsが判定基準値A1に
達したと判定される場合には、ステップS32に移行
し、被毒S量QsがSパージ判定基準値A21以上かど
うかを判定する。そして、このステップS32にて、被
毒S量Qsが判定基準値A22には達していないと判定
される場合には、ステップS48に移行し、高温センサ
24により検出された排気温度情報から推定された触媒
温度Tcat がSパージ可能な所定の高温TcatH(例え
ば、650℃)以上かどうか(実行条件)を判定する。
ここで、触媒温度Tcat がSパージ可能触媒温度TcatH
以上であればステップS12(図2参照)に移行して制
御モードをSパージモードに切り換える。即ち、この場
合、元々吸蔵型NOx触媒25がSパージ可能な高温と
なっているので、後述する触媒昇温のための制御を実際
には積極的に行わなくても全体A/Fをリッチとするだ
けでSパージ可能であり、Sパージに伴う燃料悪化を最
小限にとどめることができる。また、Sパージ可能触媒
温度TcatHより低ければこのルーチンを抜ける。
【0032】一方、ステップS32にて、被毒S量Qs
が判定基準値A21に達したと判定される場合には、ス
テップS33に移行し、被毒S量QsがSパージ判定基
準値A22以上かどうかを判定する。そして、このステ
ップS33にて、被毒S量Qsが判定基準値A22に達
していないと判定される場合には、ステップS47に移
行し、過去所定時間の平均車速Vが所定車速V21(例え
ば、80km/h)以上の定常運転かどうか(実行条件)を
判定する。ここで、平均車速Vが所定車速V21以上の定
常運転であればステップS12に移行して制御モードを
Sパージモードに切り換え、そうでなければステップS
48にて、触媒温度Tcat が開始触媒温度Tcat1以上で
あるかを判定する。
【0033】そして、ステップS33にて、被毒S量Q
sが判定基準値A22に達したと判定される場合には、
ステップS34に移行し、被毒S量QsがSパージ判定
基準値A3以上かどうかを判定する。そして、このステ
ップS34にて、被毒S量Qsが判定基準値A3に達し
ていないと判定される場合には、ステップS46に移行
し、過去所定時間の平均車速Vが所定車速V21より低速
の所定車速V22(例えば、50km/h)以上の定常運転か
どうか(実行条件)を判定する。ここで、平均車速Vが
所定車速V22以上の定常運転であれば、制御モードをS
パージモードに切り換え、そうでなければステップS4
7に移行する。
【0034】一方、ステップS34にて、被毒S量Qs
が判定基準値A3に達したと判定される場合には、ステ
ップS35に移行する。このようにして以下のステップ
S35〜39にて、被毒S量Qsと判定基準値A4,A
5,A6,A7,A8との比較判定(ステップS35,
36,37,38,39)を行う。そして、A4>Qs
≧A3であれば、平均車速Vに関係なく定常運転である
ことを条件(ステップ45)にSパージモードに切り換
え、A5>Qs≧A4であれば、減速運転であることを
条件(ステップ44)にSパージモード(但し、この場
合は、減速時にトルクが極力発生しないように燃料の大
部分もしくは全てを膨張行程に噴射する。)に切り換
え、A6>Qs≧A5であれば、緩加速運転であること
を条件(ステップ43)にSパージモードに切り換え、
A7>Qs≧A6であれば、加速運転であることを条件
(ステップ42)にSパージモードに切り換え、A8>
Qs≧A7であれば、アイドル運転であることを条件
(ステップ41)にSパージモードに切り換え、Qs≧
A8であれば、全域運転でSパージモードに切り換え
る。
【0035】このように吸蔵型NOx触媒25の被毒S
量Qsを複数のSパージ判定基準値A1〜A8と順に比
較することでその浄化能力低下度合を推定し、この浄化
能力低下度合に応じてSパージを実行する条件を触媒温
度Tcat 、平均所定車速V21,V22、加減速運転などに
順に運転領域を広げていくように変更し、各浄化能力低
下度合でこの実行条件が成立したときにSパージを実行
している。そのため、あらゆる運転状態、例えば、加減
速を繰り返す運転状態が継続してSパージモード実行条
件が成立せずに吸蔵型NOx触媒25の被毒S量Qsが
増加した場合であっても、被毒S量Qsに応じてSパー
ジを実行する条件が緩和されることで、確実にSパージ
モードが実行され、被毒S量Qsが増大し過ぎて吸蔵型
NOx触媒25の吸蔵能力が低下することによる排ガス
特性の悪化を阻止することができる。また、触媒を昇温
させやすい順にSパージ実行条件が設定されているの
で、燃費の悪化を抑制しながら吸蔵型NOx触媒25に
吸蔵されたSOxを放出するSパージモードに適正に切
り換えることができる。
【0036】そして、図2に戻り、ステップS11に
て、上記のように、被毒S量Qsが各判定基準値A1〜
A8と比較して各実行条件が成立したときには、ステッ
プS12に移行し、制御モードをSパージモードに切り
換える。これにより吸蔵型NOx触媒25に吸蔵された
SOxの除去、即ち、Sパージが開始される。
【0037】このSパージが開始されたら、ステップS
13において、目標平均有効圧Peが所定値Pe1(Ne
に対するPeの主噴射モード選択マップ)よりも小さい
か否かを判別する。そして、このステップS13にて、
目標平均有効圧Peが所定値Pe1よりも小さいような場
合、即ち、アイドル時や低速走行時のようにエンジン負
荷、エンジン回転速度が小さい場合にはステップS14
に移行する。
【0038】このステップS14では、主噴射の燃料噴
射モードを上述した通常の設定に拘わらず圧縮行程噴射
モードとすると共に、膨張行程において副噴射を行うよ
うにする。つまり、Sパージを行うときに圧縮行程噴射
と膨張行程噴射とで2段噴射を行う。そして、目標A/
F、つまり、主噴射と副噴射とを合わせた全体としての
目標A/F、即ち、全体A/Fが所定のリッチ空燃比
(Sパージに適した値、例えば、値12)に設定される
と共に、前述した主噴射モード選択マップに基づき目標
平均有効圧Peとエンジン回転速度Neに応じて主噴射
の目標空燃比(メインA/F)が決定される。このと
き、全体A/Fは所定のリッチ空燃比(例えば、値1
2)に保持されたまま、メインA/Fが設定されること
になる。つまり、全体のA/Fが一定に維持され、還元
雰囲気が良好に形成された状態のままに、主噴射量と副
噴射量のそれぞれの燃料噴射比率が適正に決定される。
【0039】通常、目標平均有効圧Peあるいはエンジ
ン回転速度Neが小さければ、吸蔵型NOx触媒25は
低温状態にあり、触媒温度Tcat は低く吸蔵型NOx触
媒25の昇温は容易でないと判断できる。よって、この
場合には、副噴射量を多くする一方、全体A/Fを、上
述のように、所定のリッチ空燃比に保持しながら主噴射
量を極力少なくするようにするのがよい。
【0040】しかしながら、吸気行程噴射モードで実現
可能な空燃比には上限値(例えば、値22)があり、こ
の吸気行程噴射モードでは上限値より大きい空燃比では
燃焼が成立しない。従って、メインA/Fが吸気行程噴
射モード時の上限値より大きくなるような場合には、こ
のように上限値よりも大きな空燃比で燃焼が成立する圧
縮行程において主噴射を実施するようにするのである。
【0041】また、エンジン負荷あるいはエンジン回転
速度が小さいほど吸蔵型NOx触媒25の温度、即ち、
触媒温度Tcat は低いとみなすことができる。従って、
メインA/Fは、目標平均有効圧Peあるいはエンジン
回転速度Neが小さいほどその値が大きく、よりリーン
空燃比側の空燃比となるようにされている。つまり、触
媒温度Tcat が低いほど主噴射量が少なく副噴射量が多
くなるようにされている。
【0042】更に、Sパージを行うときに圧縮行程噴射
と膨張行程噴射とで2段噴射を行い、全体の目標A/F
を一定値に維持した状態で、メインA/F(主噴射量)
とサブA/F(副噴射量)の比率を適正に決定している
が、このメインA/Fの変更に応じてスロットル弁17
を作動してスロットル開度θthを調整し、吸入空気量を
操作しており、これによってトルクがほぼ一定となるよ
うに制御している。つまり、メインA/Fがリッチ空燃
比側に補正されたときには、そのままであればトルクが
大きくなるので、スロットル弁17のスロットル開度θ
thを減少させる補正を行い、メインA/Fがリーン空燃
比側に補正されたときには、トルクが小さくなるので、
スロットル弁17のスロットル開度θthを増大させる補
正を行う。この場合、補正されたメインA/Fに対する
スロットル開度θthの選択マップにより設定するとよ
い。
【0043】ところで、このように2段噴射が行われて
副噴射により燃料が膨張行程で噴射されると、この燃料
の多くは燃焼しないまま、つまり未燃燃料成分(未燃H
C等)として排気管21内に排出されて一部は排気管内
で反応(燃焼)し、残りは三元触媒22に流入すること
になる。しかしながら、三元触媒22に流入した未燃燃
料成分は、三元触媒22が活性化している場合には三元
触媒22内で触媒の作用により酸化反応(燃焼)を起こ
すことになる。つまり、副噴射によって供給された燃料
の大部分は、吸蔵型NOx触媒25に到達する前に燃焼
し、吸蔵型NOx触媒25に流入する排気を十分に昇温
させることになる。これにより、触媒温度Tcat が低温
であっても排気昇温されて吸蔵型NOx触媒25はSパ
ージ可能な所定の高温触媒温度TcatH(例えば、650
℃)まで迅速に加熱されることになり、Sパージが良好
に実施可能とされる。
【0044】一方、前述したステップS13にて、目標
平均有効圧Peが所定値Pe1以上と判定された場合、即
ち、中速走行時のようにエンジン負荷、エンジン回転速
度が比較的大きい場合にはステップS15に移行する。
【0045】このステップS15では、主噴射の燃料噴
射モードを上述した通常の設定に拘わらず吸気行程噴射
モードとすると共に、膨張行程において副噴射を行うよ
うにする。つまり、Sパージを行うときに吸気行程噴射
と膨張行程噴射とで2段噴射を行う。そして、前述と同
様に、全体A/Fが所定のリッチ空燃比に設定されると
共に、全体A/Fを所定のリッチ空燃比に保持したまま
に主噴射の目標空燃比(メインA/F)が決定され、主
噴射量と副噴射量のそれぞれの燃料噴射比率が適正に決
定される。
【0046】通常、エンジン負荷、エンジン回転速度が
比較的大きければ、吸蔵型NOx触媒25はある程度高
温になるまで加熱されており、吸蔵型NOx触媒25を
容易に昇温可能と判断できる。よって、この場合には、
副噴射量を少なくする一方、全体A/Fを所定のリッチ
空燃比に保持すべく主噴射量を多くするようにするのが
よい。
【0047】しかしながら、圧縮行程噴射モードで実現
可能な空燃比には下限値(例えば、値24)があり、こ
の圧縮行程噴射モードでは、上記の場合とは逆に下限値
以下の空燃比では燃焼が成立しない。従って、主噴射の
空燃比が下限値以下となるような場合には、このように
下限値以下の空燃比で燃焼が成立する吸気行程において
主噴射を実施するようにするのである。
【0048】そして、この場合においても、上記同様、
三元触媒22に流入した未燃燃料成分は、三元触媒22
内で触媒の作用により酸化反応(燃焼)を起こすことに
なる。つまり、副噴射によって供給された燃料の大部分
は、吸蔵型NOx触媒25に到達する前に燃焼し、吸蔵
型NOx触媒25に流入する排気を十分に昇温させるこ
とになる。これにより、やはり全体のA/Fが一定に維
持されて還元雰囲気が良好に形成された状態のまま、中
速走行時において吸蔵型NOx触媒25がSパージ可能
な所定の高温触媒温度TcatH(例えば、650℃)まで
迅速に加熱されることになり、Sパージが良好に実施可
能とされる。
【0049】ところで、車両が高速走行してエンジン回
転速度Neと目標平均有効圧Peとが大きい状態にある
ような場合には、インジェクタドライバ等の制約もあっ
て2段噴射が困難である一方、元来排気温度が比較的高
く点火時期のリタードだけでも吸蔵型NOx触媒25を
Sパージ可能な所定の高温触媒温度TcatHまで加熱させ
ることが可能と判断できる。よって、この場合にはステ
ップS15の2段噴射に代えて主噴射のみを吸気行程で
行い、点火時期のリタードによって昇温制御を行うよう
にする。なお、この場合においても、全体A/Fは所定
のリッチ空燃比(例えば、値12)とされる。また、エ
ンジン回転速度Neと目標平均有効圧Peとが極めて大
きく、メインA/Fがリッチ空燃比であるような場合に
は、燃焼熱が極めて大きく昇温制御を実施しなくても排
気温度がSパージ可能なほど高いと判断でき、この場合
にはステップS15をスキップする。
【0050】このようにステップS14,S15にて、
2段噴射が実行され、三元触媒22での酸化反応によっ
て吸蔵型NOx触媒25に流入する排気が十分に昇温さ
せられると、ステップS16では、ステップS12の実
行によりSパージを開始してから所定時間t1(例え
ば、数十秒)が経過したか否かを判別する。そして、所
定時間t1が経過していればステップS17に進むが、
所定時間t1が経過していなければステップS12に戻
る。また、ステップS17では、触媒温度Tcatが所定
の触媒温度TcatMよりも高いか否かを判別し、所定の触
媒温度TcatMよりも高ければステップS18に進むが、
所定の触媒温度TcatM以下であれば、ステップS12に
戻る。
【0051】そして、Sパージを開始してから所定時間
t1が経過し、且つ、触媒温度Tcat が所定の触媒温度
TcatMよりも高くなると、触媒上流側より下流側の方が
温度が極端に高いという状態はなくなり、触媒直上流に
取付けた高温センサ24と触媒温度の差が小さく、触媒
温度フィードバック制御を行っても触媒を過昇温するこ
とはないと判断できるので、ステップS18に移行して
触媒温度のフィードバック制御を開始する。この触媒温
度のフィードバック制御においては、触媒温度Tcat と
所定の触媒温度TcatHとを比較し、主噴射モード選択マ
ップに基づいて設定したメインA/Fを触媒温度Tcat
の温度偏差積算ΣΔTcat に応じて補正する。更に、メ
インA/Fが上限値あるいは下限値に達した場合には、
主噴射モード選択マップに基づいて設定した点火時期を
触媒温度Tcat の温度偏差積算ΣΔTcat に応じて補正
する。
【0052】詳しくは、温度偏差積算ΣΔTcat は次式
(4)から算出される。 ΣΔTcat =ΣΔTcat (n−1)+ΔTcat ・・・(4) ここに、ΔTcat は温度偏差であり、所定の高温TcatH
(例えば、650℃)と高温センサ24に基づいて推定
された現在の触媒温度Tcat とに基づいて次式(5)か
ら算出される。 ΔTcat =TcatH−Tcat ・・・(5)
【0053】実際には、温度偏差積算ΣΔTcat とメイ
ンA/Fの補正値とが予め実験等により表1に示すよう
にマップ化されており、メインA/FはこのメインA/
Fの補正値マップに基づいて補正される(積分補正)。
【0054】
【表1】
【0055】ここに、メインA/Fの補正値のうち正符
号(+)はリーン側への補正を示し、負符号(−)はリ
ッチ側への補正を示している。つまり、吸蔵型NOx触
媒25が所定の高温TcatHを超えオーバシュートして加
熱させられた場合には、温度偏差積算ΣΔTcat は負の
値となり、この場合にはメインA/Fは負側、即ち、リ
ッチ側に補正され、副噴射の燃料量が減量されて所定の
高温TcatHに戻される。その後、アンダシュートして温
度偏差積算ΣΔTcat が正の値となるような場合には、
メインA/Fは正側、即ち、リーン側に補正され、副噴
射の燃料量が増量されて触媒温度Tcat が再び所定の高
温TcatHまで上昇させられる。
【0056】ところで、このようにメインA/Fを補正
していくと、触媒温度Tcat が所定の高温TcatHで安定
し、つまり吸蔵型NOx触媒25が所定の高温TcatHに
保持されることになるが、このように触媒温度Tcat が
安定すると、その後は所定の高温TcatHを維持するだけ
の昇温制御を行えばよいことになる。つまり、メインA
/Fを小さな値として主噴射量を増加させる一方、副噴
射量を少なく絞るようにする。
【0057】また、圧縮行程噴射モードで燃料噴射を行
う場合には、構造上、燃焼が成立する空燃比には制約が
あり、メインA/Fが下限値(例えば、値24)あるい
は上限値(例えば、値50)になったときには、全体A
/Fを所定のリッチ空燃比(例えば、値12)に保持す
ると共にメインA/F補正値も保持しながら、2段噴射
に加えて点火時期補正も行って昇温制御を継続するよう
にする。一方、吸気行程噴射モードで燃料噴射を行う場
合には、上述したように空燃比には上限値(例えば、値
22)による制限があると同時に、所定の全体A/F
(例えば、値12)が下限となり、メインA/Fが上限
値(例えば、値22)になったときには、全体A/Fを
所定のリッチ空燃比(例えば、値12)に保持すると共
にメインA/F補正値も保持しながら、2段噴射に加え
て点火時期補正も行って昇温制御を継続するようにす
る。
【0058】この点火時期補正量は、温度偏差積算ΣΔ
Tcat に応じて設定される。実際には、温度偏差積算Σ
ΔTcat と点火時期補正量とが予め実験等により表2に
示すようにマップ化されており、点火時期は当該点火時
期補正量マップに基づいて補正される(積分補正)。な
お、通常の燃焼制御時には基準点火時期はトルクが大と
なるようできるだけアドバンス側に設定されているので
あるが、点火時期補正を行う場合には点火時期をアドバ
ンス側に補正する際の余裕を持たせるため、補正を行う
際の基準点火時期はアドバンスとリタードとの中立位置
に設定される。
【0059】
【表2】
【0060】ここに、点火時期補正量において正符号
(+)はアドバンス側への補正を示し、負符号(−)は
リタード側への補正を示している。つまり、上記同様
に、吸蔵型NOx触媒25が所定の高温TcatHを超えオ
ーバシュートして加熱させられた場合には、温度偏差積
算ΣΔTcat は負の値となり、この場合には点火時期補
正量は正側、即ち、アドバンス側に補正されて昇温効果
が低減される。その後、アンダシュートして温度偏差積
算ΣΔTcat が正の値となるような場合には、点火時期
補正量は負側、即ち、リタード側に補正されて昇温効果
が高められて触媒温度Tcat が再び所定の高温TcatHま
で上昇させられる。
【0061】これにより、吸蔵型NOx触媒25が所定
の高温TcatHに安定的に保持され、Sパージが良好に継
続されることになる。
【0062】そして、図2に戻り、ステップS19で
は、吸蔵型NOx触媒25のSパージが終了したかどう
かを判定する。即ち、吸蔵型NOx触媒25が再生され
て被毒S量QsがSパージ終了基準値C(0または0近
傍の値)以下になったかどうかを判定する。なお、この
Sパージが終了したかどうかの判定を、Sパージモード
が開始されてからの経過時間に基づいて行ってもよい。
この場合、経過時間を吸蔵型NOx触媒25が還元雰囲
気中で所定の高温TcatHに保持されたときにSOxを十
分に除去可能な時間として実験等により予め設定すれば
よい。
【0063】このステップS19にて、吸蔵型NOx触
媒25の被毒S量Qsが終了基準値Cよりも大きくてS
パージが終了していないと判定された場合には、ステッ
プS12に戻りSパージモードでの昇温制御を継続す
る。一方、ステップS19にて、吸蔵型NOx触媒25
の被毒S量Qsが終了基準値C以下となってSパージが
終了したと判定されたら、SOxが十分に除去されたと
みなしてSパージ制御を終了すべくこのルーチンを抜け
る。
【0064】以上説明したように、図5に示すように、
本実施形態の内燃機関の排気浄化装置では、吸蔵型NO
x触媒25に吸蔵された被毒S量Qsが所定量を越えた
かどうかを判定するが、このとき、被毒S量Qsを複数
のSパージ判定基準値A1〜A8と順に比較して浄化能
力低下度合を推定し、この浄化能力低下度合に応じてS
パージを実行する条件を触媒温度Tcat 、平均所定車速
21,V22、加減速運転などに運転領域を順に広げてい
くように段階的に変更し、各浄化能力低下度合でこの実
行条件が成立したときにSパージモードに入り、2段噴
射を実行して排気を昇温することによって吸蔵型NOx
触媒25を昇温し、触媒温度Tcat をECU28にフィ
ードバックしてメインA/Fあるいは点火時期を補正す
ることで、吸蔵型NOx触媒25を所定の高温TcatHに
安定的に保持し、Sパージを良好に実行するようにして
いる。
【0065】従って、例えば、車両が市街地を走行する
場合など、加減速を繰り返す運転状態が継続すると、吸
蔵型NOx触媒25の被毒S量Qsが増加するが、被毒
S量Qsに応じてSパージを実行する条件を変更するこ
とで、エンジン11の運転状態に拘らず、燃費の悪化を
抑制しながら吸蔵型NOx触媒25に吸蔵されたSOx
を放出するSパージモードに適正に切り換えることがで
きる。
【0066】なお、上述した実施形態では、Sパージ判
定基準値をA1〜A8として被毒S量Qsと比較して浄
化能力低下度合を推定したが、この数は限定されるもの
ではない。また、吸蔵型NOx触媒は熱劣化等により経
時劣化し、S被毒に関係なくNOxの吸蔵能力が低下す
るので、その場合は、Sパージ実施回数を重ねるごとに
Sパージ判定基準値を小さくする等により早期にSパー
ジが実施されるようにしてもよい。具体的には、Sパー
ジ判定基準A1〜A8をそれぞれSパージ実施回数に対
するマップ、あるいは走行距離に対するマップとすれば
よい。更に、被毒S量Qsを燃料噴射積算量に基づく演
算により求めて浄化効率低下度合を検出してSパージを
実行してもよい。
【0067】また、浄化能力低下度合に応じてSパージ
を実行する条件を触媒温度Tcat 、平均所定車速V21
22、加減速運転などとしたが、この条件に限定される
ものではない。例えば、平均所定車速による判定条件S
46,S47のステップは、高速安定運転状態にあるこ
とを判定できるものであればよく、クルーズコントロー
ル装置が作動していること、あるいは、車載ナビゲーシ
ョン装置により高速走行可能な郊外道路や高速道路を走
行していることを判定条件としてもよい。更に、車速に
ヒステリシスを設けてS47のステップを瞬時車速90
km/h以上でSパージ運転を開始し、70km/h以下で解
除、S46のステップを瞬時車速60km/h以上でSパー
ジ運転を開始し、40km/h以下で解除としてもよい。あ
るいは、S46,S47のステップでの判定車速を更に
細分化してステップを増やしてもよい。そして、Sパー
ジ実行条件は、これらの条件の中から省略、統合、順序
の入れ換えをしてもよいし、新たな条件を追加してもよ
い。即ち、吸蔵型NOx触媒の劣化度合に応じてSパー
ジ実行の運転領域を変更するものであればよい。
【0068】また、上述の実施形態では、エンジン11
を筒内噴射型火花点火式直列4気筒ガソリンエンジンと
したが、エンジン11は吸蔵型NOx触媒25を用いる
ものであれば、吸気管噴射型のリーンバーンエンジンで
あってもよい。
【0069】
【発明の効果】以上、実施形態において詳細に説明した
ように、本発明の内燃機関の排気浄化装置によれば、吸
蔵型NOx触媒の浄化能力低下度合に応じて触媒浄化能
力を再生する再生手段の実行条件を変更することで、内
燃機関の運転状態に拘らず、燃費の悪化を抑制しながら
吸蔵型NOx触媒に吸蔵されたイオウ成分を確実に放出
して吸蔵型NOx触媒を再生することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る内燃機関の排気浄化
装置の概略構成図である。
【図2】本実施形態の排気浄化装置によるSパージ制御
のフローチャートである。
【図3】本実施形態の排気浄化装置による吸蔵型NOx
触媒の劣化判定制御のフローチャートである。
【図4】本実施形態の排気浄化装置による吸蔵型NOx
触媒の劣化判定制御のフローチャートである。
【図5】Sパージを行った場合の被毒S量の時間変化を
示すタイムチャートである。
【符号の説明】
11 エンジン(内燃機関) 13 点火プラグ 14 燃料噴射弁 15 燃焼室 17 スロットル弁 18 スロットルセンサ 20 クランク角センサ 21 排気管(排気通路) 22 三元触媒 23 排気浄化触媒装置 24 高温センサ 25 吸蔵型NOx触媒 26 三元触媒 28 電子コントロールユニット,ECU(浄化能力検
出手段、再生手段、実行条件変更手段、制御手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F01N 3/24 F01N 3/28 301C 3/28 301 F02D 41/04 305A F02D 41/04 305 B01D 53/36 101A (72)発明者 田村 保樹 東京都港区芝五丁目33番8号 三菱自動車 工業株式会社内 Fターム(参考) 3G091 AA02 AA12 AA17 AA23 AA24 AA28 AB03 AB06 BA04 BA11 BA14 BA15 BA19 BA33 CA18 CB02 CB03 CB05 CB07 DA09 DB01 DB06 DB07 DB08 DB10 DB13 DC01 EA01 EA07 EA17 EA31 EA33 EA39 FA02 FA04 FA08 FA12 FA17 FA18 FA19 FB02 FB03 FB10 FB11 FB12 FC07 FC08 GA18 GB02W GB02Y GB03W GB03Y GB05W GB06W HA03 HA08 HA36 HA37 3G301 HA04 HA15 JA02 JB09 KA07 KA12 KA16 KA21 KB03 KB04 LA00 LA01 LB04 MA01 MA19 MA23 MA26 NA01 NA04 NA08 NC02 ND01 NE13 NE17 NE19 NE26 PA11Z PA17Z PC02A PD00Z PD12A PD12Z PE01Z PE03Z PF00Z PF01Z 4D048 AA06 AB02 BD01 BD02 DA01 DA02 DA06 DA08

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関の排気通路に設けられて排気空
    燃比が酸化雰囲気のときに排気ガス中のNOxを吸蔵す
    ると共に還元雰囲気のときに吸蔵されたNOxを放出ま
    たは還元する吸蔵型NOx触媒と、排気ガス中に含まれ
    るイオウ成分が吸蔵されることによる該吸蔵型NOx触
    媒の浄化能力低下度合を検出または推定する浄化能力検
    出手段と、前記吸蔵型NOx触媒を昇温する共にその周
    辺を還元雰囲気とすることで該吸蔵型NOx触媒の浄化
    能力を再生する再生手段と、前記浄化能力検出手段が検
    出または推定した前記吸蔵型NOx触媒の浄化能力低下
    度合に応じて該再生手段の実行条件を変更する実行条件
    変更手段と、前記浄化能力検出手段が検出または推定し
    た浄化能力低下度合に応じた前記実行条件変更手段の実
    行条件が成立したときに前記再生手段を作動させる制御
    手段とを具えたことを特徴とする内燃機関の排気浄化装
    置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003083273A1 (fr) * 2002-03-29 2003-10-09 Isuzu Motors Limited Systeme d'epuration de nox et procede de reactivation de catalyseur deteriore
JP2010510439A (ja) * 2006-11-20 2010-04-02 ルノー・エス・アー・エス 窒素酸化物の触媒的捕捉用のデバイスから硫黄酸化物soxを除去するシステムおよび方法

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