JP2000192173A - 摩耗性材料および摩耗性被覆を有する金属製部品 - Google Patents
摩耗性材料および摩耗性被覆を有する金属製部品Info
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- C22—METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
- C22C—ALLOYS
- C22C32/00—Non-ferrous alloys containing at least 5% by weight but less than 50% by weight of oxides, carbides, borides, nitrides, silicides or other metal compounds, e.g. oxynitrides, sulfides, whether added as such or formed in situ
- C22C32/0089—Non-ferrous alloys containing at least 5% by weight but less than 50% by weight of oxides, carbides, borides, nitrides, silicides or other metal compounds, e.g. oxynitrides, sulfides, whether added as such or formed in situ with other, not previously mentioned inorganic compounds as the main non-metallic constituent, e.g. sulfides, glass
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- C—CHEMISTRY; METALLURGY
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- C09K—MATERIALS FOR MISCELLANEOUS APPLICATIONS, NOT PROVIDED FOR ELSEWHERE
- C09K3/00—Materials not provided for elsewhere
- C09K3/14—Anti-slip materials; Abrasives
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- C22—METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
- C22C—ALLOYS
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- Turbine Rotor Nozzle Sealing (AREA)
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 ガスタービンエンジンのナイフエッジシール
に適した摩耗性材料を提供する。 【解決手段】 銅粉末と窒化ホウ素粉末とを合わせてプ
ラズマ溶射することによって、約３５〜５０ｖｏｌ．％
の銅合金基質、約２５〜５５ｖｏｌ．％のＢＮ、残量分
の孔および基質の酸化物からなる摩耗性材料を形成す
る。銅合金基質は、約６５〜９５ｗｔ％の銅および残量
分のニッケルからなる固溶体である。この摩耗性材料が
高温状態にある潤滑油の存在下でナイフエッジと干渉す
る間、火花は発生せず、かつ潤滑油は劣化しない。さら
に、この摩耗性材料は適切な摩擦の特性を有しており、
これによって良好なシールが形成される。
に適した摩耗性材料を提供する。 【解決手段】 銅粉末と窒化ホウ素粉末とを合わせてプ
ラズマ溶射することによって、約３５〜５０ｖｏｌ．％
の銅合金基質、約２５〜５５ｖｏｌ．％のＢＮ、残量分
の孔および基質の酸化物からなる摩耗性材料を形成す
る。銅合金基質は、約６５〜９５ｗｔ％の銅および残量
分のニッケルからなる固溶体である。この摩耗性材料が
高温状態にある潤滑油の存在下でナイフエッジと干渉す
る間、火花は発生せず、かつ潤滑油は劣化しない。さら
に、この摩耗性材料は適切な摩擦の特性を有しており、
これによって良好なシールが形成される。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、ラビリンスシール
システムの部品としての利用に適する摩耗性材料に関
し、特に、一般的にナイフエッジシールと称されるタイ
プのラビリンスシールシステムに関する。
システムの部品としての利用に適する摩耗性材料に関
し、特に、一般的にナイフエッジシールと称されるタイ
プのラビリンスシールシステムに関する。
【０００２】
【従来の技術】ナイフエッジシールは、ガスタービンエ
ンジンや他の装置において広く使用されている。このよ
うなシールの一般的な形態においては、回転する軸上に
複数の隆起部が形成されており、この隆起部の厚さは、
これらの軸表面からの高さと比較して相対的に薄い。こ
のような隆起した“ナイフエッジ”部は、摩耗性材料と
干渉する。エンジンの運転中、このナイフエッジによっ
て摩耗性材料に溝が削られ、これによってシールの効果
が得られる。運転中、この隆起したナイフエッジと摩耗
性材料に切削された溝との組み合わせによって、ラビリ
ンス型シールが形成され、空気や他の流体の流れが妨げ
られる。このようなシールは、例えば米国特許第４，２
５７，７３５号に開示されている。
ンジンや他の装置において広く使用されている。このよ
うなシールの一般的な形態においては、回転する軸上に
複数の隆起部が形成されており、この隆起部の厚さは、
これらの軸表面からの高さと比較して相対的に薄い。こ
のような隆起した“ナイフエッジ”部は、摩耗性材料と
干渉する。エンジンの運転中、このナイフエッジによっ
て摩耗性材料に溝が削られ、これによってシールの効果
が得られる。運転中、この隆起したナイフエッジと摩耗
性材料に切削された溝との組み合わせによって、ラビリ
ンス型シールが形成され、空気や他の流体の流れが妨げ
られる。このようなシールは、例えば米国特許第４，２
５７，７３５号に開示されている。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】ある種のガスタービン
エンジンの用途においては、約６００℃もの高温状態の
潤滑油および潤滑油蒸気の存在下で動作可能なナイフエ
ッジシールの摩耗性材料が必要とされる。このような装
置において、ナイフエッジと摩耗性材料との干渉は、潤
滑油蒸気が発火しないように、火花を発生しない状態で
行われなければならない。潤滑油については、数種類の
金属の存在下における劣化およびコークスの生成が問題
となっている。この摩耗性材料によって、潤滑油の劣化
が生じてはならない。
エンジンの用途においては、約６００℃もの高温状態の
潤滑油および潤滑油蒸気の存在下で動作可能なナイフエ
ッジシールの摩耗性材料が必要とされる。このような装
置において、ナイフエッジと摩耗性材料との干渉は、潤
滑油蒸気が発火しないように、火花を発生しない状態で
行われなければならない。潤滑油については、数種類の
金属の存在下における劣化およびコークスの生成が問題
となっている。この摩耗性材料によって、潤滑油の劣化
が生じてはならない。
【０００４】シール材料は、さらに、ナイフエッジと適
切に干渉するように、適切な硬さと摩擦特性を有さなけ
ればならない。
切に干渉するように、適切な硬さと摩擦特性を有さなけ
ればならない。
【０００５】火花が発生しない、オイルの劣化が生じな
い、適切な摩擦特性を有する、という条件を全て満た
し、かつ高温状態で動作が可能な摩耗性材料は、これま
でに得られていない。
い、適切な摩擦特性を有する、という条件を全て満た
し、かつ高温状態で動作が可能な摩耗性材料は、これま
でに得られていない。
【０００６】本発明の利点は、この摩耗性材料がニッケ
ル超合金のナイフエッジシールと１５，０００ＳＦ／ｍ
ｉｎ（surface feet per minute）程度の表面速度で干
渉する間に、火花が発生しないことである。本発明の他
の利点は、この摩耗性シール材料によっては、使用され
る合成潤滑油の劣化が発生あるいは促進されないという
ことである。
ル超合金のナイフエッジシールと１５，０００ＳＦ／ｍ
ｉｎ（surface feet per minute）程度の表面速度で干
渉する間に、火花が発生しないことである。本発明の他
の利点は、この摩耗性シール材料によっては、使用され
る合成潤滑油の劣化が発生あるいは促進されないという
ことである。
【０００７】本発明の他の利点は、この摩耗性材料がニ
ッケルの超合金のナイフエッジシールと干渉する間に、
悪影響を及ぼすほどの熱エネルギーがナイフエッジシー
ル内に発生しないことである。
ッケルの超合金のナイフエッジシールと干渉する間に、
悪影響を及ぼすほどの熱エネルギーがナイフエッジシー
ル内に発生しないことである。
【０００８】本発明の目的は、約６００℃もの高温状態
にある合成潤滑油の存在下で、火花を発生させずに、か
つ合成潤滑油を劣化させずに使用することが可能であ
り、さらに超合金のナイフエッジによって摩耗される際
に良好なシーリングを形成するような適切な摩擦特性お
よび摩耗特性を有する摩耗性材料を形成することであ
る。
にある合成潤滑油の存在下で、火花を発生させずに、か
つ合成潤滑油を劣化させずに使用することが可能であ
り、さらに超合金のナイフエッジによって摩耗される際
に良好なシーリングを形成するような適切な摩擦特性お
よび摩耗特性を有する摩耗性材料を形成することであ
る。
【０００９】
【課題を解決するための手段】本発明では、プラズマ溶
射によって形成された、銅合金基質からなる材料を利用
する。この銅合金基質は固体状の非金属粒子を含んでお
り、この非金属粒子は低い強度と好ましくはある程度の
潤滑性とを有する。好ましい実施例において、銅合金基
質は、約７２ｗｔ％の銅および２８ｗｔ％のニッケルを
含む合金からなる。この合金は約３５ｗｔ％の窒化ホウ
素と組み合わせてプラズマ溶射され、これによって約４
０ｖｏｌ．％のＣｕＮｉ，約３５ｖｏｌ．％のＢＮ，残
りの孔，およびＣｕＮｉの酸化物からなる被覆が形成さ
れる。
射によって形成された、銅合金基質からなる材料を利用
する。この銅合金基質は固体状の非金属粒子を含んでお
り、この非金属粒子は低い強度と好ましくはある程度の
潤滑性とを有する。好ましい実施例において、銅合金基
質は、約７２ｗｔ％の銅および２８ｗｔ％のニッケルを
含む合金からなる。この合金は約３５ｗｔ％の窒化ホウ
素と組み合わせてプラズマ溶射され、これによって約４
０ｖｏｌ．％のＣｕＮｉ，約３５ｖｏｌ．％のＢＮ，残
りの孔，およびＣｕＮｉの酸化物からなる被覆が形成さ
れる。
【００１０】
【発明の実施の形態】このシール材料は、銅をベースに
した材料であり、好ましくはプラズマ溶射プロセスによ
って形成された、多孔度が低く、かつ窒化ホウ素、孔、
および基質材料の酸化物、を含む銅−ニッケル材料であ
る。
した材料であり、好ましくはプラズマ溶射プロセスによ
って形成された、多孔度が低く、かつ窒化ホウ素、孔、
および基質材料の酸化物、を含む銅−ニッケル材料であ
る。
【００１１】銅ベース材料は、窒化ホウ素の粒子、孔、
基質の酸化物、を囲む連続的な基質となる。この基質材
料の広い定義は、１ｖｏｌ．％までの第２強化相を含む
固溶体の銅ベース材料である、ということである。この
銅ベース材料の組成は、６５〜９５ｗｔ％が銅であり、
かつその残りはニッケルであることが好ましい。銅を用
いて合金を形成する技術は著しく開発され、様々な目的
に対応して少量の添加物を銅に加えることができること
は周知となっている。特に、少量の銅酸化物ならびにジ
ルコニアが、再結晶化および軟化に対する銅の耐性を増
加させることは周知である。固溶体は、Ｎｉ，Ａｇ，Ｚ
ｒ，ＭｎおよびＺｎを利用することによって強化するこ
とができる。合金化において、油の劣化の問題を考慮す
る必要がある。油の劣化は、アルミニウムを含む銅合金
が摩耗性シールとして使用されたときに、発見された。
基質の酸化物、を囲む連続的な基質となる。この基質材
料の広い定義は、１ｖｏｌ．％までの第２強化相を含む
固溶体の銅ベース材料である、ということである。この
銅ベース材料の組成は、６５〜９５ｗｔ％が銅であり、
かつその残りはニッケルであることが好ましい。銅を用
いて合金を形成する技術は著しく開発され、様々な目的
に対応して少量の添加物を銅に加えることができること
は周知となっている。特に、少量の銅酸化物ならびにジ
ルコニアが、再結晶化および軟化に対する銅の耐性を増
加させることは周知である。固溶体は、Ｎｉ，Ａｇ，Ｚ
ｒ，ＭｎおよびＺｎを利用することによって強化するこ
とができる。合金化において、油の劣化の問題を考慮す
る必要がある。油の劣化は、アルミニウムを含む銅合金
が摩耗性シールとして使用されたときに、発見された。
【００１２】銅合金技術に携わる当業者においては、銅
の硬度は、通常、合金成分の追加によって増大すること
が知られている。銅の硬度は、シール材料の摩耗性に影
響する。銅合金が硬い場合は、シールの積極的な干渉の
間に、過度な熱がナイフエッジシール内に発生し得る。
これは、より多量の窒化ホウ素の相および孔を使用する
ことによって、ある程度は緩和される。
の硬度は、通常、合金成分の追加によって増大すること
が知られている。銅の硬度は、シール材料の摩耗性に影
響する。銅合金が硬い場合は、シールの積極的な干渉の
間に、過度な熱がナイフエッジシール内に発生し得る。
これは、より多量の窒化ホウ素の相および孔を使用する
ことによって、ある程度は緩和される。
【００１３】摩耗性材料は、好ましくは、約３５〜５０
ｖｏｌ．％の銅基質、２５〜５５ｖｏｌ．％の窒化ホウ
素（ＢＮ）、残量分の孔および基質の酸化物からなる。
この六方晶の結晶状で利用されている窒化ホウ素は、あ
る程度、孔のように動作し、これによってナイフエッジ
と接触する摩擦表面積が減少する。さらに、窒化ホウ素
は潤滑効果を有しており、これによって干渉する際の摩
擦および発熱が緩和される。他の実施例として、Ｌｉ
Ｆ，ＮａＦ，ＣａＦ，ＢａＦ，ＷＳ2，ＭｏＳ2，テフロ
ン，グラファイト，からなる群から選択した固体の潤滑
剤を、ＢＮあるいはＢＮの一部の代わりに使用すること
も可能である。銅−ニッケルおよびＢＮ以外の材料を使
用する場合には、油との適合性を評価しなければならな
い。
ｖｏｌ．％の銅基質、２５〜５５ｖｏｌ．％の窒化ホウ
素（ＢＮ）、残量分の孔および基質の酸化物からなる。
この六方晶の結晶状で利用されている窒化ホウ素は、あ
る程度、孔のように動作し、これによってナイフエッジ
と接触する摩擦表面積が減少する。さらに、窒化ホウ素
は潤滑効果を有しており、これによって干渉する際の摩
擦および発熱が緩和される。他の実施例として、Ｌｉ
Ｆ，ＮａＦ，ＣａＦ，ＢａＦ，ＷＳ2，ＭｏＳ2，テフロ
ン，グラファイト，からなる群から選択した固体の潤滑
剤を、ＢＮあるいはＢＮの一部の代わりに使用すること
も可能である。銅−ニッケルおよびＢＮ以外の材料を使
用する場合には、油との適合性を評価しなければならな
い。
【００１４】加えて、５ｖｏｌ．％までの基質材料の酸
化物は存在してもよい。
化物は存在してもよい。
【００１５】シール材料は、潤滑油および軸受の近傍に
おいても利用されるように意図されている。その摩耗に
よって発生する異物は比較的柔軟であり、このために軸
受および他の潤滑される部品への損傷は発生しない。従
って、このシールはそのような部分での利用に適してい
る。
おいても利用されるように意図されている。その摩耗に
よって発生する異物は比較的柔軟であり、このために軸
受および他の潤滑される部品への損傷は発生しない。従
って、このシールはそのような部分での利用に適してい
る。
【００１６】従来技術のナイフエッジシールシステムに
おいては、摩耗を促進させるために研磨性被覆をナイフ
エッジに施すことが一般的である。これが摩耗してしま
った場合、この研磨性材料によって軸受および潤滑され
る他の部品に損傷が起こり得るため、本発明において
は、このような研磨性被覆は利用しない。
おいては、摩耗を促進させるために研磨性被覆をナイフ
エッジに施すことが一般的である。これが摩耗してしま
った場合、この研磨性材料によって軸受および潤滑され
る他の部品に損傷が起こり得るため、本発明において
は、このような研磨性被覆は利用しない。
【００１７】本発明においては、薄く（１〜５ミクロ
ン）、硬い、窒化チタン（ＴｉＮ）の被覆がナイフエッ
ジ上に施されており、これによると、研磨による検出可
能な損傷は発生しない。ナイフエッジにＴｉＮ被覆を施
すことは、任意である。
ン）、硬い、窒化チタン（ＴｉＮ）の被覆がナイフエッ
ジ上に施されており、これによると、研磨による検出可
能な損傷は発生しない。ナイフエッジにＴｉＮ被覆を施
すことは、任意である。
【００１８】本発明では、プラズマ溶射プロセスによっ
て摩耗性シール材料を形成する。しかし、ＨＶＯＦおよ
びＤ−Ｇｕｎプロセスのような他の溶射プロセスによっ
ても、同様なシール構造を形成することができると思わ
れる。さらに、加圧成形、押し出し成形、および熱間静
水圧圧縮成形のような粉末治金技術によって、銅合金粉
末および窒化ホウ素粉末の混合物から、ナイフエッジシ
ールの摩耗性材料として利用可能な材料を形成すること
も可能である。
て摩耗性シール材料を形成する。しかし、ＨＶＯＦおよ
びＤ−Ｇｕｎプロセスのような他の溶射プロセスによっ
ても、同様なシール構造を形成することができると思わ
れる。さらに、加圧成形、押し出し成形、および熱間静
水圧圧縮成形のような粉末治金技術によって、銅合金粉
末および窒化ホウ素粉末の混合物から、ナイフエッジシ
ールの摩耗性材料として利用可能な材料を形成すること
も可能である。
【００１９】本発明では、プラズマ溶射によってナイフ
エッジシール用摩耗性材料を形成する際に、メトコスル
ザーＳＭＦ２（Metco-Sulzer SMF2）プラズマ溶射ガン
を利用している。これは、制限された領域内にプラズマ
溶射被覆を形成するのに適した小型プラズマ溶射ガンで
ある。本発明においては、プラズマ溶射被覆を内径が約
４インチである数種類の部品の内側に施すために、この
小型ガンを使用している。しかし、他のタイプのプラズ
マ溶射ガンによっても、当業者が使用時のパラメータを
適切に調節して使用すれば、本発明に係る摩耗性シール
材料を形成することができると考えられる。
エッジシール用摩耗性材料を形成する際に、メトコスル
ザーＳＭＦ２（Metco-Sulzer SMF2）プラズマ溶射ガン
を利用している。これは、制限された領域内にプラズマ
溶射被覆を形成するのに適した小型プラズマ溶射ガンで
ある。本発明においては、プラズマ溶射被覆を内径が約
４インチである数種類の部品の内側に施すために、この
小型ガンを使用している。しかし、他のタイプのプラズ
マ溶射ガンによっても、当業者が使用時のパラメータを
適切に調節して使用すれば、本発明に係る摩耗性シール
材料を形成することができると考えられる。
【００２０】摩耗性を有する密度は約５．５ｇｍｓ／ｃ
ｃまでであるが、密度が約４．５ｇｍｓ／ｃｃ以上の場
合には、通常、耐性を有する非常に厚いナイフエッジ
か、あるいはナイフエッジ上に研磨性被覆が必要とな
る。密度が約３．５ｇｍｓ／ｃｃ以下の場合は、耐性を
有さない。好ましくは、密度は約３．７〜４．５ｇｍｓ
／ｃｃであり、最も好ましくは、密度は約３．９〜４．
４ｇｍｓ／ｃｃの範囲にあることである。
ｃまでであるが、密度が約４．５ｇｍｓ／ｃｃ以上の場
合には、通常、耐性を有する非常に厚いナイフエッジ
か、あるいはナイフエッジ上に研磨性被覆が必要とな
る。密度が約３．５ｇｍｓ／ｃｃ以下の場合は、耐性を
有さない。好ましくは、密度は約３．７〜４．５ｇｍｓ
／ｃｃであり、最も好ましくは、密度は約３．９〜４．
４ｇｍｓ／ｃｃの範囲にあることである。
【００２１】好ましくは、基盤と摩耗性シールとの間に
接着被覆を施すが、このような接着被覆は、いくつかの
状況においては任意である。数種類の接着被覆の形態
が、ニッケル−アルミニウムおよびニッケル−クロム−
アルミニウムを含めて、商業的に利用可能である。本発
明においては、（アルミニウム６ｗｔ％，クロム１８．
５ｗｔ％，残りはニッケルからなる）ニッケル−クロム
−アルミニウム接着被覆材料が使用され、好結果が得ら
れている。
接着被覆を施すが、このような接着被覆は、いくつかの
状況においては任意である。数種類の接着被覆の形態
が、ニッケル−アルミニウムおよびニッケル−クロム−
アルミニウムを含めて、商業的に利用可能である。本発
明においては、（アルミニウム６ｗｔ％，クロム１８．
５ｗｔ％，残りはニッケルからなる）ニッケル−クロム
−アルミニウム接着被覆材料が使用され、好結果が得ら
れている。
【００２２】現在の好ましい形成技術においては、銅粉
末がトーチ本体に注入され、これが、プラズマプルーム
が存在するトーチノズルから出てくるようになってい
る。さらに、トーチ外側のプラズマフレーム内に窒化ホ
ウ素材料を流すために、外部チューブが使用されてい
る。高密度に形成するためには、銅粉末を軟化あるいは
部分的に溶解することが必要であり、プラズマ内に長時
間滞留させることによって、そのような軟化あるいは溶
解が行われる。BNは、軟化および溶解はしないが、過度
に熱された場合に昇華あるいは分解する。BNをガン外側
でプラズマ内に導入することによって、BNの加熱は抑制
される。本発明では、また、粉末の混合器を使用し、銅
合金と窒化ホウ素粉末との混合物を形成して、プラズマ
トーチ本体に導入するようにしても、満足な結果が得ら
れた。
末がトーチ本体に注入され、これが、プラズマプルーム
が存在するトーチノズルから出てくるようになってい
る。さらに、トーチ外側のプラズマフレーム内に窒化ホ
ウ素材料を流すために、外部チューブが使用されてい
る。高密度に形成するためには、銅粉末を軟化あるいは
部分的に溶解することが必要であり、プラズマ内に長時
間滞留させることによって、そのような軟化あるいは溶
解が行われる。BNは、軟化および溶解はしないが、過度
に熱された場合に昇華あるいは分解する。BNをガン外側
でプラズマ内に導入することによって、BNの加熱は抑制
される。本発明では、また、粉末の混合器を使用し、銅
合金と窒化ホウ素粉末との混合物を形成して、プラズマ
トーチ本体に導入するようにしても、満足な結果が得ら
れた。
【００２３】銅粉末の粒子の大きさの範囲は、米国標準
ふるい約−２００〜＋３２５に形成されるべきであると
思われる。窒化ホウ素粉末の粒子の大きさは、米国標準
ふるい約−１４００〜＋２００に形成されるべきである
と考えられが、商業的に入手できるＢＮは、−８０＋２
００（８０％以上），−２００＋３２５（１６％以
下），−３２５メッシュ（１０％以下）のものであり、
これは使用されて成功している。
ふるい約−２００〜＋３２５に形成されるべきであると
思われる。窒化ホウ素粉末の粒子の大きさは、米国標準
ふるい約−１４００〜＋２００に形成されるべきである
と考えられが、商業的に入手できるＢＮは、−８０＋２
００（８０％以上），−２００＋３２５（１６％以
下），−３２５メッシュ（１０％以下）のものであり、
これは使用されて成功している。
【００２４】本発明の摩耗性シールは、発展した軍事上
のタービンエンジンにおいて利用するために設計され
た。ガスタービンエンジンを含めた高性能の装置に利用
される合成潤滑油は、通常、エステルベースであり、そ
の鎖の長さを変化させることによって粘性が制御されて
いる。様々な添加物が、安定化および他の目的に利用さ
れる。特殊なエンジン潤滑剤は、Ｍｏｂｉｌ ＲＭ ２
８４Ａであり、ＭＩＬ規格のＭＩＬ−Ｌ−７８０８Ｋ，
グレード４の条件を満たす合成潤滑油である。当業者
は、他の装置および他の潤滑剤においては、組成の変更
や、当業者の能力の範囲内において良いと考えられる変
更が必要されることを、認識するだろう。
のタービンエンジンにおいて利用するために設計され
た。ガスタービンエンジンを含めた高性能の装置に利用
される合成潤滑油は、通常、エステルベースであり、そ
の鎖の長さを変化させることによって粘性が制御されて
いる。様々な添加物が、安定化および他の目的に利用さ
れる。特殊なエンジン潤滑剤は、Ｍｏｂｉｌ ＲＭ ２
８４Ａであり、ＭＩＬ規格のＭＩＬ−Ｌ−７８０８Ｋ，
グレード４の条件を満たす合成潤滑油である。当業者
は、他の装置および他の潤滑剤においては、組成の変更
や、当業者の能力の範囲内において良いと考えられる変
更が必要されることを、認識するだろう。
【００２５】実施例直径が約１０インチ（２５４ｍｍ）
で、かつ超合金材料からなるシリンダー状シールアッセ
ンブリの内部表面を被覆することを目的とした。
で、かつ超合金材料からなるシリンダー状シールアッセ
ンブリの内部表面を被覆することを目的とした。
【００２６】その表面に脱脂およびグリットブラストが
行われ、清浄な粗い表面が形成された。
行われ、清浄な粗い表面が形成された。
【００２７】メトコスルザＳＭＦ２プラズマ溶射ガンが
Ｓ３４１００３−０３粉末ポートとともに使用された。
Ｓ３４１００３−０３粉末ポートとともに使用された。
【００２８】接着被覆材料は、通常、アルミニウム６ｗ
ｔ％，クロム１８．５ｗｔ％，残りはＮｉからなる商業
的に利用可能なＮｉＣｒ−Ａｌ粉末複合材料である。こ
れは、有機結合剤中のＮｉＣｒ粒子およびアルミニウム
粒子からなる複合物の粒子状のものであり、スルザーメ
トコ社製の材料である。
ｔ％，クロム１８．５ｗｔ％，残りはＮｉからなる商業
的に利用可能なＮｉＣｒ−Ａｌ粉末複合材料である。こ
れは、有機結合剤中のＮｉＣｒ粒子およびアルミニウム
粒子からなる複合物の粒子状のものであり、スルザーメ
トコ社製の材料である。
【００２９】以下のパラメータが接着被覆に利用され
た。
た。
【００３０】 一次ガス：アルゴン ４４ＳＬＰＭ 二次ガス：水素 ０．１〜１５．０ＳＬＰＭ 電流：２５０アンペア ガンからの溶射距離：５インチ（１２７ｍｍ） 粉末搬送ガス：アルゴン ２．８ＳＬＰＭ 接着被覆の厚さは比較的重要度が低く、０．００８〜
０．０１２インチ（０．２〜０．３ｍｍ）の厚さが好ま
しいが、約０．００４〜０．０５０インチ（０．１〜
１．２７ｍｍ）の範囲の変化は可能である。
０．０１２インチ（０．２〜０．３ｍｍ）の厚さが好ま
しいが、約０．００４〜０．０５０インチ（０．１〜
１．２７ｍｍ）の範囲の変化は可能である。
【００３１】以下のパラメータは（銅−ニッケル）＋Ｂ
Ｎ被覆に利用された。
Ｎ被覆に利用された。
【００３２】 一次ガス：アルゴン ６０ＳＬＰＭ 二次ガス：水素 ４．５ＳＬＰＭ 電流：２８０アンペア ガンからの溶射距離：２インチ（５０．８ｍｍ） 粉末搬送ガス：ＢＮにはアルゴン２．８０ＳＬＰＭ 銅−ニッケルにはアルゴン３．０ＳＬＰＭ 全ての粉末は、ガス圧力下で振動するホッパーから供給
される。銅−ニッケル粉末の組成は、銅が６２ｗｔ％、
ニッケルが３８ｗｔ％であり、その粉末の大きさは、米
国標準ふるい−２００＋３２５である。ＢＮ粉末の粒子
の大きさは、米国標準ふるい−８０＋３２５である。
される。銅−ニッケル粉末の組成は、銅が６２ｗｔ％、
ニッケルが３８ｗｔ％であり、その粉末の大きさは、米
国標準ふるい−２００＋３２５である。ＢＮ粉末の粒子
の大きさは、米国標準ふるい−８０＋３２５である。
【００３３】形成された被覆の組成は、ＣｕＮｉ約７０
ｗｔ％、ＢＮ約３０ｗｔ％であり、ＣｕＮｉ約４０ｖｏ
ｌ．％、ＢＮ約３０ｖｏｌ．％、孔が約３０ｖｏｌ％、
であった。
ｗｔ％、ＢＮ約３０ｗｔ％であり、ＣｕＮｉ約４０ｖｏ
ｌ．％、ＢＮ約３０ｖｏｌ．％、孔が約３０ｖｏｌ％、
であった。
【００３４】銅−ニッケル＋ＢＮ被覆の厚さは、シール
部品の設計によって決まる。約０．０１０〜０．１０イ
ンチ（０．２５４〜２．５４ｍｍ）の厚さが一般的であ
る。
部品の設計によって決まる。約０．０１０〜０．１０イ
ンチ（０．２５４〜２．５４ｍｍ）の厚さが一般的であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ウィリアム ジェイ．ダルゼル，ジュニ ア. アメリカ合衆国，フロリダ，ジュピター, ジュピター ランディングス ドライヴ 18290 (72)発明者 チャールズ ジー．デイヴィス アメリカ合衆国，フロリダ，ジュピター, ケイス ロード 5806
Claims (9)
- 【請求項１】 約５００℃までの温度での利用および超
合金と摩擦干渉するのに適した摩耗性材料であって、前
記摩耗性材料は、 約３５〜５０ｖｏｌ．％の銅の固溶体からなる基質と、 約２５〜５５ｖｏｌ．％の、前記基質内に分散した、非
金属からなる固体潤滑剤の粒子と、 残量分の孔および前記基質の酸化物と、からなることを
特徴とする摩耗性材料。 - 【請求項２】 前記基質は、２０〜４５ｗｔ％のニッケ
ルを含むことを特徴とする請求項１記載の摩耗性材料。 - 【請求項３】 前記摩耗性材料は、約３５〜４５ｖｏ
ｌ．％の固体潤滑剤の粒子を含むことを特徴とする請求
項１記載の摩耗性材料。 - 【請求項４】 前記固体潤滑剤の粒子は、ＢＮ，Ｌｉ
Ｆ，ＮａＦ，ＣａＦ，ＢａＦ，ＷＳ2，テフロン，グラ
ファイト，およびこれらの混合物からなる群から選択し
たことを特徴とする請求項１記載の摩耗性材料。 - 【請求項５】 前記固体潤滑剤の材料は、ＢＮからなる
ことを特徴とする請求項１記載の摩耗性材料。 - 【請求項６】 表面の少なくとも一部分に摩耗性被覆を
有する金属製部品であって、前記部品は、 鋼，鉄ベース超合金，ニッケルベース超合金，コバルト
ベース超合金，クロムベース超合金，およびチタン合金
からなる群から選択した基盤と、前記基盤上の接着被覆
と、 前記接着被覆上の摩耗性材料と、を備えており、前記摩
耗性材料は、 銅合金の固溶体からなる基質と、 約３５〜５０ｖｏｌ．％の銅合金と、 約２５〜５５ｖｏｌ．％の固体潤滑剤と、 残量分の孔および前記基質材料の酸化物と、 からなることを特徴とする金属製部品。 - 【請求項７】 前記非金属からなる固体潤滑剤は、ＢＮ
からなることを特徴とする請求項６記載の金属製部品。 - 【請求項８】 表面の少なくとも一部分に摩耗性被覆を
有する金属製部品であって、前記部品は、 鋼，鉄ベース超合金，ニッケルベース超合金，コバルト
ベース超合金，クロムベース超合金，およびチタン合金
からなる群から選択した基盤と、 前記基盤上の摩耗性材料と、を備えており、前記摩耗性
材料は、 ３５〜５０ｖｏｌ．％の銅合金の固溶体からなる基質
と、 約２５〜５５ｖｏｌ．％の非金属からなる固体潤滑剤材
料と、 残量分の孔および前記基質材料の酸化物と、 からなることを特徴とする部品。 - 【請求項９】 前記非金属からなる固体潤滑剤は、ＢＮ
からなることを特徴とする請求項６記載の金属製部品。
Applications Claiming Priority (2)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| US22046698A | 1998-12-23 | 1998-12-23 | |
| US09/220466 | 1998-12-23 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2000192173A true JP2000192173A (ja) | 2000-07-11 |
Family
ID=22823642
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP11289076A Pending JP2000192173A (ja) | 1998-12-23 | 1999-10-12 | 摩耗性材料および摩耗性被覆を有する金属製部品 |
Country Status (4)
| Country | Link |
|---|---|
| EP (1) | EP1013782B1 (ja) |
| JP (1) | JP2000192173A (ja) |
| KR (1) | KR100560034B1 (ja) |
| DE (1) | DE69912386T2 (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2015055186A (ja) * | 2013-09-11 | 2015-03-23 | 株式会社東芝 | シール装置及びシール装置の製造方法、流体機械 |
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|---|---|---|---|---|
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| US10247027B2 (en) | 2016-03-23 | 2019-04-02 | United Technologies Corporation | Outer airseal insulated rub strip |
| US10267174B2 (en) | 2016-04-28 | 2019-04-23 | United Technologies Corporation | Outer airseal abradable rub strip |
| US11225878B1 (en) | 2016-12-21 | 2022-01-18 | Technetics Group Llc | Abradable composite material and method of making the same |
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| US4257735A (en) * | 1978-12-15 | 1981-03-24 | General Electric Company | Gas turbine engine seal and method for making same |
| JPS55119144A (en) * | 1979-03-09 | 1980-09-12 | Mitsubishi Metal Corp | Porous cu-sn base sintered composite material containing solid lubricating agent |
| JPH0441601A (ja) * | 1990-06-06 | 1992-02-12 | Mitsubishi Heavy Ind Ltd | 複合粉末製造法 |
| US5536022A (en) * | 1990-08-24 | 1996-07-16 | United Technologies Corporation | Plasma sprayed abradable seals for gas turbine engines |
-
1999
- 1999-10-12 JP JP11289076A patent/JP2000192173A/ja active Pending
- 1999-11-18 KR KR1019990051252A patent/KR100560034B1/ko not_active IP Right Cessation
- 1999-12-22 EP EP99310421A patent/EP1013782B1/en not_active Expired - Lifetime
- 1999-12-22 DE DE69912386T patent/DE69912386T2/de not_active Expired - Lifetime
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2015055186A (ja) * | 2013-09-11 | 2015-03-23 | 株式会社東芝 | シール装置及びシール装置の製造方法、流体機械 |
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| Publication number | Publication date |
|---|---|
| DE69912386D1 (de) | 2003-12-04 |
| EP1013782B1 (en) | 2003-10-29 |
| KR20000047670A (ko) | 2000-07-25 |
| DE69912386T2 (de) | 2004-08-19 |
| KR100560034B1 (ko) | 2006-03-13 |
| EP1013782A1 (en) | 2000-06-28 |
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