JP2000191326A - 光源用材料 - Google Patents

光源用材料

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JP2000191326A
JP2000191326A JP10369793A JP36979398A JP2000191326A JP 2000191326 A JP2000191326 A JP 2000191326A JP 10369793 A JP10369793 A JP 10369793A JP 36979398 A JP36979398 A JP 36979398A JP 2000191326 A JP2000191326 A JP 2000191326A
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Genichi Otsu
元一 大津
Motonobu Korogi
元伸 興梠
Kinkei Ri
謹炯 李
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Kanagawa Academy of Science and Technology
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Kanagawa Academy of Science and Technology
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 LiNbO3を用いた新規な光源用材料を提
供する。 【解決手段】 本発明に係る光源用材料は、LiNbO
3薄膜からなり、電子線を照射することで青色帯域の光
を発する。この光源用材料は、アニール前には約520
nm付近の波長にピークを有する緑色帯域の光を発し、
アニール後には約420nm付近の波長にピークを有す
る青色帯域の光を発する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カソードルミネセ
ンスにより発光し、例えばディスプレイ装置等に用いて
好適な光源用材料に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の光源用材料として代表的なもの
は、例えば発光ダイオード(light-emitting diode:LE
D)に用いられる半導体がある。この半導体を用いた発
光ダイオードにおいては、例えばIII−V族化合物半導
体やII−VI族化合物半導体等のGaAs系等のものが主
として用いられている。
【0003】また、これらの半導体を用いた発光ダイオ
ードでは、主として通信用に用いられる赤外域の光を放
射するGaInAsP系、GaAs系、AlGaAs系
が用いられ、ランプやディスプレイ等に用いられる可視
域の光を放射するGaP系、AlGaAs系、GaAs
P系等がある。更に、波長470nm以下の青色発光す
る発光ダイオードに用いられる光源用材料としては、S
iCを用いたものが実用化されているが、量子効率が低
いという問題がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、LiNbO
3は、優れた焦電特性、非線形光学特性、及び電気光学
特性を有し、光学分野への応用が期待されている。この
LiNbO3を用いる一例としては、例えばチョクラル
スキー法(CZ法)により3〜4インチ径の大型単結晶
として作成され、例えばバルクSHG(second harmoni
c generation)及び光導波路形SHGの研究開発に広く
用いられている。
【0005】本発明は、上述したような実情に鑑みて提
案されたものであり、LiNbO3を用いた新規な光源
用材料を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本願発明者は、鋭意研究
を重ねた結果、所定の条件に基づいてLiNbO3を作
成することで、カソードルミネセンスによる発光が生ず
ることを見いだした。すなわち本発明に係る光源用材料
は、このような知見に基づいてなされたものであり、L
iNbO3薄膜からなり、電子線を照射することで青色
帯域の光を発光することを特徴とするものである。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照しながら詳細に説明する。
【0008】本発明を適用したLiNbO3薄膜は、例
えばサファイア(α−Al23)基板上にパルスレーザ
エピタキシャル法により成膜されることで作成される。
このLiNbO3薄膜は、上記パルスレーザエピタキシ
ャル法により成膜されることで図1に示すように四角形
状の結晶となされ、斜方面体晶系(rhombohedral)又は
六方晶系(hexagonal)の結晶構造を有するサファイア
基板上にエピタキシャル成長されることで単結晶薄膜と
なされている。なお、この図1は、AFM(atomic for
ce microscope)を用いてサファイア基板上に約400
nmの膜厚で成膜されたLiNbO3薄膜の表面状態を
示している。
【0009】上記パルスレーザエピタキシャル法は、タ
ーゲット材料にレーザ光を照射することで成膜を行うレ
ーザアブレーションによる薄膜作成法であり、レーザ光
を固体原料の分解気化エネルギー源とする物理的気相蒸
着法の一つである。このパルスレーザエピタキシャル法
は、通常、レーザ光を真空装置内の固体原料(ターゲッ
ト)に照射し、アブレーション(剥離)を起こし、上記
ターゲットから放出される粒子を基板上に埋積すること
で薄膜を作成する。
【0010】上記パルスレーザエピタキシャル法により
上記LiNbO3薄膜を作成するときには、図2に示す
ような成膜装置1を用いることにより、LiNbO3
膜を作成する。この成膜装置1は、RHEED(reflec
tion high energy electrondiffraction:反射高エネル
ギー電子線回折)を用いて構成されてなり、RHEED
を用いて試料の測定を行うためのRHEED電子銃2と、こ
の電子銃からの電子線を検出することで試料の表面特性
及び物性測定結果を観測するためのRHEED出力面3とを
備える。
【0011】RHEED電子銃2は、作成された試料に対し
て電子ビームを照射できる位置に配され、円筒状の筐体
4に向かって電子ビームを照射する。また、RHEED出力
面3は、RHEED電子銃2から照射され試料から反射した
電子ビームが入射されるようになされている。このRHEE
D出力面3は、筐体4を介してRHEED電子銃2と対向する
位置に配されている。
【0012】また、この成膜装置1は、ターゲット5に
光を照射する光源6と、光源6からの光を集光してター
ゲット5に照射させる光学レンズ7と、ターゲット5を
支持することで所定の位置に固定するターゲット支持機
構8と、基板9を支持することで所定の位置に固定する
とともに成膜時における基板温度の調整を行う基板支持
機構10と、筐体4の内部を所定の真空度に保持する真
空生成機構11とを備える。
【0013】このような成膜装置1によりLiNbO3
薄膜を成膜するときには、ターゲット5としてLiNb
3単結晶を用い、光源6としてKrFエキサイマレー
ザ(eximer laser)から出射したパルス幅が約20〜3
0nsのレーザ光を出射する。そして、レーザ光は、上
記光学レンズ7により集光され、10[J/cm2]の
エネルギー密度とされターゲット5に照射することで固
体表面約10nmを蒸発、アブレートさせる。そして、
ターゲット5から放出される中性原子、分子、イオン等
の粒子は、約10〜100eVとなされて蒸発し、プル
ームと称される発光柱を形成し、ターゲット5と対向し
て配設された基板9上に埋積する。
【0014】ここで、一般に薄膜作成では、基板を結晶
化温度以上に加熱することにより結晶化を行うが、上述
の成膜装置1による成膜手法では、ターゲット5から放
出されるエネルギーが大きく、当該エネルギーが結晶化
に寄与するため、基板温度を比較的低く設定して結晶化
を行う。また、この成膜装置1による成膜手法では、光
源6として短パルスレーザを用い、ターゲット5の極表
面層のみを瞬時に剥離することができるため、ターゲッ
ト5内で生ずる元素の拡散を無視でき、ターゲットの組
成がそのまま蒸発種の組成に転写され、ターゲット5と
基板9に形成される薄膜との組成ずれを生じにくくする
ことができる。
【0015】成膜装置1は、上述したように100nm
オーダの膜厚を有するLiNbO3薄膜をサファイアか
らなる基板9上に成膜する。更に、この成膜装置1によ
りLiNbO3薄膜を成膜するときの条件としては、サ
ファイアからなる基板9の温度が300℃以上、成膜雰
囲気を例えば酸素10-4Torr以上として行う。
【0016】つぎに、このように作成されたLiNbO
3薄膜の特性について説明する。このLiNbO3薄膜の
X線回折パターンを図3に示す。図3(a)は、(00
01)配向したサファイア基板上に成膜したLiNbO
3薄膜についてのX線回折パターンを示す。また、図3
(b)は、(1120)配向したサファイア基板上に成
膜したLiNbO3薄膜についてのX線回折パターンを
示す。
【0017】図3(a)及び(b)より、上述したよう
にサファイア基板上に作成することにより、サファイア
基板の配向方向に従ってLiNbO3薄膜が成長してい
ることが分かる。
【0018】図4に、室温雰囲気中(300K)におい
てLiNbO3薄膜に、電子ビームを照射したとき、L
iNbO3薄膜のカソードルミネセンススペクトルを示
す。この図4は、c軸配向したLiNbO3薄膜につい
てのカソードルミネセンススペクトルを特性(a)とし
て示し、(0001)配向したサファイア基板について
のカソードルミネセンススペクトルを特性(b)として
示し、a軸配向したLiNbO3薄膜におけるカソード
ルミネセンススペクトルを特性(c)として示し、所謂
z−cutを施したLiNbO3バルク単結晶について
のカソードルミネセンススペクトルを特性(d)として
示している。
【0019】この図4によれば、特性(a)より、c軸
配向したLiNbO3薄膜についてのみ約2.2eV〜
2.4eVにおいて高い発光強度を示していることが分
かる。また、特性(b)より、このc軸配向したLiN
bO3薄膜の発光は、サファイア基板によるものではな
いことが分かる。すなわち、このc軸配向したLiNb
3薄膜は、カソードルミネセンスにより発光する。ま
た、このLiNbO3薄膜における発光は、特性(b)
〜特性(d)に示すLiNbO3バルク単結晶等が発光
していないことから、c軸配向したLiNbO3薄膜に
ついてのみ高効率な発光がなされることが分かる。
【0020】図5に、液体窒素雰囲気中(77K)にお
いてLiNbO3薄膜及び上記z−cutを施したLi
NbO3バルク単結晶について電子ビームを照射したと
きのカソードルミネセンススペクトルを示す。
【0021】図5によれば、特性(a)に示すようにc
軸配向したLiNbO3薄膜は、上述の図4中の特性
(a)と同様に約2.2eV〜2.4eVにおいて高い
発光強度を示している。一方、図5中の特性(b)に示
すようにz−cutを施したLiNbO3バルク単結晶
は、ほとんど発光していないことが分かる。従って、L
iNbO3の発光は、薄膜として作成されることで生ず
る現象であることが分かる。また、LiNbO3薄膜
は、図4に示すように室温雰囲気中(300K)のみな
らず、液体窒素雰囲気中(77K)においても光放射が
発生していることから、物体の温度によって起こるので
はなく,所謂カソードルミネセンス、電子線照射のみに
起因する光放射が発生していることが分かる。
【0022】図6に、LiNbO3薄膜を成膜するとき
の酸素雰囲気を変化させたときのLiNbO3薄膜の発
光強度(CL intensity[a.u.])と発光したときの光の波
長[nm]との関係を示す。この図6において、特性
(a)に酸素雰囲気を4×10-1[Torr]として成
膜したときのLiNbO3薄膜は、約500nm付近に
発光強度のピークを有する。一方、特性(b)に示す酸
素雰囲気を1×10- 2[Torr]として成膜したとき
のLiNbO3薄膜及び特性(c)に示す酸素雰囲気を
1×10-4[Torr]として成膜したときのLiNb
3薄膜は、ピークを有しないことが分かる。
【0023】図7に、上述の図6の特性(a)〜(c)
で用いた酸素雰囲気を4×10-1[Torr]として成
膜したときのLiNbO3薄膜についてのX線回折パタ
ーンを図7(a)として示し、酸素雰囲気を1×10-2
[Torr]として成膜したときのLiNbO3薄膜及
び酸素雰囲気を1×10-4[Torr]として成膜した
ときのLiNbO3薄膜についてのX線回折パターンを
それぞれ図7(b)及び図7(c)として示す。
【0024】この図7によれば、酸素雰囲気を4×10
-1[Torr]として成膜したときには図7(a)に示
すようにLiNbO3の組成を示す(006)方向及び
(0012)方向にピークが検出されていることが分か
る。このことから、酸素雰囲気が4×10-1[Tor
r]として成膜されたLiNbO3薄膜は、全体として
LiNbO3から構成されていることが分かる。一方、
酸素雰囲気を1×10−2[Torr]及び1×10
−4[Torr]として成膜したときには図7(b)及
び図7(c)に示すように(006)方向のピークは検
出されているが、(0012)方向のピークからずれて
他の位置にピークを有し、(0012)方向のピークは
検出されていないことが分かる。LiNbO3薄膜は、
酸素雰囲気が4×10-1[Torr]として成膜された
ときには酸素欠損がない状態で成膜され、酸素雰囲気を
1×10-2[Torr]及び1×10-4[Torr]と
して成膜したときには内部に酸素欠損が生ずる状態とな
り、LiNbO3の組成が外れることが生ずる。
【0025】したがって、図6中の特性(a)に示した
約520nm付近の波長でピークを有する発光は、酸素
欠損が少ないLiNbO3薄膜についてのみ生ずる現象
であり、酸素欠損が多いLiNbO3薄膜については発
光が生じないことが分かる。
【0026】図8に、LiNbO3薄膜を成膜するとき
に用いるターゲットの組成を変化させたときに作成され
るLiNbO3薄膜についてのX線回折パターンを示
す。図8において、(a)は単結晶のLiNbO3ター
ゲットを用いてLiNbO3薄膜を成膜したときのX線
回折パターンであり、(b)はLiとNbとの比([L
i]/[Nb])を1.2として焼結することで作製し
たターゲットを用いて成膜したときのLiNbO3薄膜
のX線回折パターンを示し、(c)はLiとNbとの比
([Li]/[Nb])を1.0として焼結することで
作製したターゲットを用いて成膜したときのLiNbO
3薄膜のX線回折パターンを示し、(d)はLiとNb
との比([Li]/[Nb])を0.8として焼結する
ことで作製したターゲットを用いて成膜したときのLi
NbO3薄膜のX線回折パターンを示し、(e)はLi
とNbとの比([Li]/[Nb])を1.5として焼
結することで作製したターゲットを用いて成膜したとき
のLiNbO3薄膜のX線回折パターンを示している。
【0027】この図8によれば、(a)及び(b)に示
すLiNbO3薄膜のX線回折パターンについては(0
06)方向と(0012)方向とにピークが検出され、
他の(c)、(d)及び(e)に示すX線回折パターン
については、(006)方向及び(0012)方向の他
にLiNb38の組成を示す(1204)方向にピーク
が検出されている。すなわち、図8(c)、(d)及び
(e)に示すX線回折パターンが検出されたLiNbO
3薄膜は、LiNbO3とLiNb38とが混在して成膜
されていることになる。したがって、約500nm付近
の波長でピークを有する光を発光するLiNbO3薄膜
を成膜するときには、LiとNbとの比([Li]/
[Nb])を1とした単結晶のターゲットを用いること
が望ましいことになる。
【0028】図9に、上述の図8(a)〜(e)にその
X線回折パターンを示すLiNbO3薄膜についての発
光強度(CL intensity[a.u.])と発光したときの光の波
長[nm]との関係を示す。この図9において、図7
(a)にそのX線回折パターンを示す特性(a)のLi
NbO3薄膜は、約520nm付近の波長において発光
強度の強いピークを有する。一方、図7(b)〜(e)
にそのX線回折パターンを示す特性(b)〜特性(e)
のLiNbO3薄膜は、520nmの波長において強い
ピークを有しないことが分かる。
【0029】したがって、図9によれば、LiNbO3
以外の組成物を含むLiNbO3薄膜は大きな発光強度
を示さず、LiNbO3の組成が形成されていることを
示す(006)方向及び(0012)方向に大きなピー
クが検出されたLiNbO3薄膜は波長が約520nm
付近における発光強度が大きい光を発光することが分か
る。
【0030】図10に、上述の図7(a)に示すような
X線回折パターンが検出されたLiNbO3薄膜につい
て、酸素雰囲気中でアニールを施した後の発光強度(CL
intensity[a.u.])と発光したときの光の波長[nm]
との関係を示す。この図10は、特性(a)に約100
0℃でアニールしたとき、特性(b)に約900℃でア
ニールしたとき、特性(c)に約800℃でアニールし
たとき、特性(d)に約600℃でアニールしたとき、
特性(e)に約400℃でアニールした後おいてのLi
NbO3薄膜の発光強度(CL intensity[a.u.])と発光
したときの光の波長[nm]との関係を示す。
【0031】この図10によれば、特性(d)及び特性
(e)に示すように約400℃及び約600℃でアニー
ルした後のLiNbO3薄膜については発光強度のピー
クは検出されず、約600℃以上、すなわち特性
(c)、特性(b)及び特性(a)に示すように約80
0℃、約900℃及び約1000とアニールを行うとき
の温度を上昇させることで波長が約420nm付近の光
を発光する。すなわち、図9中の特性(a)に示すよう
に約520nm付近の波長の光を発光するLiNbO3
薄膜について、600℃以上の酸素雰囲気中でアニール
を施すことにより、約420nm付近の波長の光を発光
するLiNbO3薄膜を作製することができる。
【0032】図11に、アニールを2回に亘って行った
後のLiNbO3薄膜の発光強度(CL intensity[a.
u.])と発光したときの光の波長[nm]との関係を示
す。この図11において、特性(a)は1回目のアニー
ルを約400℃で行い2回目のアニールを約1000℃
で行った後のLiNbO3薄膜についての発光強度(CL
intensity[a.u.])と発光したときの光の波長[nm]
との関係を示し、特性(b)は1回目のアニールを約6
00℃で行い2回目のアニールを約1000℃で行った
後のLiNbO3薄膜についての発光強度(CL intensit
y[a.u.])と発光したときの光の波長[nm]との関係
を示し、特性(c)はLiNbO3薄膜についての発光
強度(CL intensity[a.u.])と発光したときの光の波長
[nm]との関係を示す。
【0033】この図11に示す特性(a)〜特性(c)
から明らかなように、アニールを2回に亘って行って
も、1回目のアニールが600℃以下であれば発光強度
のピークが発生しないことが分かる。すなわち、この図
11及び上述の図10より、1回目のアニール時の温度
を約600℃以上とすることにより、約420nm付近
で発光強度のピークを有する光を発光するLiNbO3
薄膜を作製することができる。
【0034】上述したように、LiNbO3薄膜は、ア
ニール前においては約520nm付近に発光強度のピー
クを有する緑色帯域の光を発光し、上述のように約60
0℃以上でアニールを施すことにより、約420nm付
近に発光強度のピークを有する青色帯域の光を発光す
る。
【0035】このようなLiNbO3薄膜は、例えばテ
レビ用ブラウン管における発光材料、LED(Light Em
itting Diode)として用いることができる。このような
用途に用いるとき、例えば図12(a)〜(f)に示す
ような構成となるように成膜する。
【0036】すなわち、図12(a)に示すように基板
上にn型LiNbO3層、p型LiNbO3層を成膜し、
所定の材料をドープすることで形成したn型LiNbO
3層及び所定の材料をドープすることで形成したp型L
iNbO3層上に電極を設けることで電気信号を供給
し、当該電気信号に応じてLiNbO3を発光させる。
【0037】また、図12(b)に示すように基板上
に、n型LiNbO3層、p型LiNbO3層の順に成膜
し、電極をp型LiNbO3層及び基板に設けたもので
あっても良い。
【0038】更に、図12(c)に示すように、基板上
に、バッファ層、n型LiNbO3層、p型LiNbO3
層の順に成膜し、p型LiNbO3層及び基板に電極を
設けたものであっても良い。
【0039】更にまた、図12(d)に示すように、基
板上に、n型LiNbO3層、p型LiNbO3層の順に
成膜し、基板を電極とし、他方の電極をp型LiNbO
3層上に形成したものであっても良い。
【0040】更にまた、図12(e)に示すように、基
板上に、バッファ層、n型LiNbO3層、p型LiN
bO3層の順に成膜し、p型LiNbO3層上に電極を設
け、バッファ層を他方の電極としたものであっても良
い。
【0041】更にまた、図12(f)に示すように、基
板上に、バッファ層、n型LiNbO3層、p型LiN
bO3層の順に成膜し、p型LiNbO3層及びn型Li
NbO3層に電極を設けたものであっても良い。
【0042】また、このようなLiNbO3薄膜は、例
えば図13(a)〜(f)に示すようにMIS(Metal-
Insulator-Semiconductor)構造ダイオードとしても用
いることができる。
【0043】すなわち、図13(a)に示すように基板
上にn型LiNbO3層、i型LiNbO3層の順に成膜
し、i型LiNbO3層及びn型LiNbO3層に設けた
ものであっても良い。
【0044】また、図13(b)に示すように基板上
に、n型LiNbO3層、i型LiNbO3層の順に成膜
し、電極をi型LiNbO3層及び基板に設けたもので
あっても良い。
【0045】更に、図13(c)に示すように、基板上
に、バッファ層、n型LiNbO3層、i型LiNbO3
層の順に成膜し、i型LiNbO3層及び基板に電極を
設けたものであっても良い。
【0046】更にまた、図13(d)に示すように、基
板上に、n型LiNbO3層、i型LiNbO3層の順に
成膜し、基板を電極とし、他方の電極をi型LiNbO
3層上に形成したものであっても良い。
【0047】更にまた、図13(e)に示すように、基
板上に、バッファ層、n型LiNbO3層、i型LiN
bO3層の順に成膜し、i型LiNbO3層上に電極を設
け、バッファ層を他方の電極としたものであっても良
い。
【0048】更にまた、図13(f)に示すように、基
板上に、バッファ層、n型LiNbO3層、i型LiN
bO3層の順に成膜し、i型LiNbO3層及びn型Li
NbO3層に電極を設けたものであっても良い。
【0049】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明に係
る光源用材料は、LiNbO3薄膜からなり、電子線を
照射することで青色帯域の光を発光する。したがって、
この光源用材料によれば、焦電特性、非線形光学特性及
び電気光学特性を有するLiNbO3を用いて新規な光
源用材料を提供することができる。
【0050】また、本発明に係る光源用材料は、上述の
ように、LiNbO3薄膜からなり、アニール前には緑
色帯域の光を電子線を照射することで発光し、アニール
後には青色帯域の光を電子線を照射することで発光させ
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用したLiNbO3薄膜の表面状態
を示す図である。
【図2】本発明を適用したLiNbO3薄膜を成膜する
ための成膜装置を説明するための図である。
【図3】(a)は(0001)配向のサファイア基板上
に成膜したLiNbO3薄膜についてのX線回折パター
ンを示す図であり、(b)は(1120)配向のサファ
イア基板上に成膜したLiNbO3薄膜についてのX線
回折パターンを示す図である。
【図4】室温雰囲気中(300K)における発光強度
(CL intensity[a.u.])と発光したときの光電子エネル
ギー[eV]との関係を示す図であり、(a)はc軸配
向したLiNbO3薄膜についての特性を示し、(b)
は(0001)配向のサファイア基板についての特性を
示し、(c)はa軸配向したLiNbO3薄膜について
の特性を示し、(d)はz−cutを施したLiNbO
3バルク単結晶についての特性を示す。
【図5】液体窒素雰囲気中(77K)における発光強度
(CL intensity[a.u.])と発光したときの光電子エネル
ギー[eV]との関係を示す図であり、(a)はc軸配
向したLiNbO3薄膜についての特性を示し、(b)
はz−cutを施したLiNbO3バルク単結晶につい
ての特性を示す。
【図6】LiNbO3薄膜を成膜するときの酸素雰囲気
を変化させたときのLiNbO3薄膜の発光強度(CL in
tensity[a.u.])と発光したときの光の波長[nm]と
の関係を示す図であり、(a)は酸素雰囲気を4×10
-1[Torr]として成膜したときのLiNbO3薄膜
の特性を示し、(b)は酸素雰囲気を1×10-2[To
rr]として成膜したときのLiNbO3薄膜の特性を
示し、(c)は酸素雰囲気を1×10-4[Torr]と
して成膜したときのLiNbO3薄膜の特性を示す。
【図7】(a)は酸素雰囲気を4×10-1[Torr]
として成膜したときのLiNbO3薄膜についてのX線
回折パターンを示し、(b)は酸素雰囲気を1×10-2
[Torr]として成膜したときのLiNbO3薄膜の
X線回折パターンを示し、(c)は酸素雰囲気を1×1
-4[Torr]として成膜したときのLiNbO3
膜についてのX線回折パターンを示す図である。
【図8】LiNbO3薄膜を成膜するときに用いるター
ゲットの組成を変化させたときに作成されるLiNbO
3薄膜についてのX線回折パターンを示す図であり、
(a)は単結晶のLiNbO3ターゲットを用いて成膜
したときのLiNbO3薄膜、(b)はLiとNbとの
比が1.2のターゲットを用いて成膜したときのLiN
bO3薄膜、(c)はLiとNbとの比が1.0のター
ゲットを用いて成膜したときのLiNbO3薄膜、
(d)はLiとNbとの比が0.8のターゲットを用い
て成膜したときのLiNbO3薄膜、(e)はLiとN
bとの比が1.5のターゲットを用いて成膜したときの
LiNbO3薄膜のX線回折パターンを示す。
【図9】上記図7(a)〜(e)にそのX線回折パター
ンを示すLiNbO3薄膜についての発光強度(CL inte
nsity[a.u.])と発光したときの光の波長[nm]との
関係を示す図であり、(a)は単結晶のLiNbO3
ーゲットを用いて成膜したときのLiNbO3薄膜、
(b)はLiとNbとの比が1.2のターゲットを用い
て成膜したときのLiNbO3薄膜、(c)はLiとN
bとの比が1.0のターゲットを用いて成膜したときの
LiNbO3薄膜、(d)はLiとNbとの比が0.8
のターゲットを用いて成膜したときのLiNbO3
膜、(e)はLiとNbとの比が1.5のターゲットを
用いて成膜したときのLiNbO3薄膜の発光強度(CL
intensity[a.u.])と発光したときの光の波長[nm]
との関係を示す。
【図10】上記図7(a)に示すようなX線回折パター
ンが検出されたLiNbO3薄膜について、酸素雰囲気
中でアニールを施した後の発光強度(CL intensity[a.
u.])と発光したときの光の波長[nm]との関係を示
す図であり、(a)は約1000℃でアニールした後お
いてのLiNbO3薄膜、(b)は約900℃でアニー
ルしたとき、(c)は約800℃でアニールした後おい
てのLiNbO3薄膜、(d)は約600℃でアニール
した後おいてのLiNbO3薄膜、(e)は約600℃
でアニールした後おいてのLiNbO3薄膜の特性を示
す。
【図11】アニールを2回に亘って行った後のLiNb
3薄膜の発光強度(CL intensity[a.u.])と発光した
ときの光の波長[nm]との関係を示す図であり、
(a)は1回目のアニールを約400℃で行い2回目の
アニールを約1000℃で行った後のLiNbO3
膜、(b)は1回目のアニールを約600℃で行い2回
目のアニールを約1000℃で行った後のLiNbO3
薄膜、(c)はアニールを行っていないLiNbO3
膜について示す。
【図12】LiNbO3薄膜を用いたp−n接合発光ダ
イオードの構成を示す断面図であり、(a)〜(f)は
p−n接合発光ダイオードの構成例を示す断面図であ
る。
【図13】LiNbO3薄膜を用いたMIS構造ダイオ
ードの構成を示す断面図であり、(a)〜(f)はMI
S構造ダイオードの構成例を示す断面図である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 LiNbO3薄膜からなり、 電子線を照射することで青色帯域の光を発光することを
    特徴とする光源用材料。
  2. 【請求項2】 アニール前には緑色帯域の光を発光し、
    アニール後には青色帯域の光を発光することを特徴とす
    る請求項1記載の光源用材料。
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