JP2000189931A5 - - Google Patents
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Description
【書類名】 明細書
【発明の名称】 生ごみ処理装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】 生ごみを投じた分解槽内の貯留水に酸素を供給して、その貯留水中で生ごみを好気性菌により分解する生ごみ処理装置であって、
前記分解槽における貯留水面上の槽内空間に対し、その槽内空間へ新鮮空気を導入する空気導入口、及び、その槽内空間から内部空気を排出する排気口を開口させ、
前記分離槽の下部に設けた吸入口から槽内の貯留水を吸入して、その吸入貯留水の一部を主循環路から散水用分岐路を通じて散水具から前記分離槽内の貯留水面上へ散布し、
かつ、吸入貯留水の他部を前記主循環路から撹拌用分岐路を通じて分離槽下部の撹拌用吐出口から前記分離槽内の貯留水中へ吐出する循環ポンプを設けてある生ごみ処理装置。【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、生ごみを投じた分解槽内の貯留水に酸素を供給して、その貯留水中で生ごみを好気性菌により分解する生ごみ処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種方式の生ごみ処理において、分解槽の貯留水中で生ごみを分解するのに対し、後続処理として、分解槽から分解残渣物を含んだ濃縮液を二次処理槽へ移し、この二次処理槽でヒータにより濃溶液を加熱して水を蒸発させることで、液中の分解残渣物を乾燥させて回収する方式がある(例えば、実用新案登録第3013267号(平成7年)公報参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、分解槽から取り出す分解残渣物には、分解槽への投入から未だ充分な処理時間を経ていない未分解物質や、好気性菌では分解が難しい難分解物質が含まれる場合が多く、この為、上記の如く分解槽からの取り出し濃縮液を加熱して単に水分を蒸発させるだけでは、これら未分解物質や難分解物質が乾燥後の回収残渣物の中にそのまま残り、充分な減量効果、無害化効果を得ることができない問題があった。
【0004】
殊に、分解槽に投入された生ごみの中に殺菌性を有する物質が含まれていた場合、この殺菌性物質の為に好気性菌の活性が損なわれて分解槽中における未分解物質の量及び存在時間が長くなり、これが原因で、回収残渣物中における未分解物質の量が大巾に増加して上記問題が一層顕著になることもあった。
【0005】
かといって、分解槽への投入物に選別処理を施して難分解物質や殺菌性物質を予め除外したり、また、分解槽への生ごみ投入を時間的に制限して分解槽からの取り出し残渣物に未分解物質が含まれるのを回避するのでは、利便性が大きく低下し、この点で未だ改善の余地があった。
【0006】
この実情に鑑み、本発明の主たる課題は、合理的な装置構成により生ごみの分解を促進する点にある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、生ごみ処理装置に係り、その特徴は、
生ごみを投じた分解槽内の貯留水に酸素を供給して、その貯留水中で生ごみを好気性菌により分解する生ごみ処理装置において、
前記分解槽における貯留水面上の槽内空間に対し、その槽内空間へ新鮮空気を導入する空気導入口、及び、その槽内空間から内部空気を排出する排気口を開口させ、
前記分離槽の下部に設けた吸入口から槽内の貯留水を吸入して、その吸入貯留水の一部を主循環路から散水用分岐路を通じて散水具から前記分離槽内の貯留水面上へ散布し、
かつ、吸入貯留水の他部を前記主循環路から撹拌用分岐路を通じて分離槽下部の撹拌用吐出口から前記分離槽内の貯留水中へ吐出する循環ポンプを設けてある点にある。
【0008】
この発明では、循環ポンプにより分解槽下部の吸入口から吸入した貯留水の一部は、主循環路から散水用分岐路を通じて散水具から槽内の貯留水面上へ散布し、他部は攪拌用分岐路を通じて分解槽下部の攪拌用吐出口から槽内の貯留水中へ吐出させ、生ごみを含む槽内貯留水の攪拌に用いる。
【0009】
つまり、この装置では、分解槽の槽内空間に開口させた排気口から臭気を帯びた空気(分解処理に伴う発生ガスを含む空気)を槽外へ排出し、また、それに伴い、空気導入口から槽外の新鮮空気を分解槽の槽内空間に導入しながら、その貯留水面上の槽内空間において、散水具により循環ポンプからの供給貯留水を貯留水面上へ拡げて飛散させることにより、その飛散過程での気液接触をもって、槽内空間における空気(空気導入口から導入した空気)から飛散水に酸素を効率的に与え、これにより、攪拌を伴う貯留水循環の下で分解槽内の貯留水に酸素を効率的かつ均一に供給して、貯留水中での好気性菌による生ごみの分解を促進することができる。
【0010】
なお、分解槽の貯留水に酸素を供給して貯留水中で好気性菌により生ごみを分解するのに対し、後続処理として、分解槽から取り出した分解残渣物を加熱乾燥機において炭化が生じる温度で加熱乾燥処理するように構成すれば、この加熱乾燥処理で、取り出し残渣物に含まれる未分解物質や難分解物質もともに炭化した乾燥状態にすることができる。
【0011】
したがって、未分解物質や難分解物質が単に水分除去されただけの乾燥状態で回収残渣物中にそのまま残る先述の従来方法に比べ、一層高い減量効果及び無害化効果(特に無臭化効果)が得られる。また、炭化により回収残渣物が均質な炭屑状のサラサラのものになり、回収残渣物の取り扱いも一層簡便になる。
【0012】
そして、未分解物質や難分解物質もともに良好に処理できることで、分解槽への投入物を選別処理して難分解物質や殺菌性物質を予め除外したり、分解槽への生ごみ投入を時間的に制限して分解槽からの取り出し残渣物に未分解物質が含まれるのを回避するといった処置も不要になり、また、良好な処理が可能な生ごみの種別範囲も拡大でき、利便性・汎用性の面でも優れた処理方法となる。
【0013】
また、分解槽から取り出した分解残渣物を加熱乾燥機において炭化が生じる温度で加熱するのに、分解残渣物を130℃〜170℃の範囲内の温度に加熱するのが好ましい。
【0014】
つまり、各種実験の結果、分解槽から取り出した分解残渣物を130℃〜170℃の範囲内の温度に加熱すれば、例えば、分解残渣物をさらに高い温度で焼却処理する方式を採るに比べ、有害な燃焼副生ガスの発生を回避して周辺環境への影響を極めて小さくし、また、加熱に要するコストは低くしながら、一般的な組成の生ごみについて、分解残渣物をそれに含まれる未分解物質や難分解物質とともに減量面、無害化面、取り扱い性の面で極めて良好な炭化状態にすることができる。
【0015】
更に、分解槽内の貯留水に酸素を供給して貯留水中で生ごみを好気性菌により分解する生ごみ処理装置に、その分解槽での分解処理に並行して槽内の分解残渣物の一部量を連続的又は間欠的に取り出す抜取手段、及び、その抜取手段により取り出した分解残渣物を炭化が生じる温度で加熱乾燥処理する加熱乾燥機を付帯装備する構成にすると、生ごみ処理を一連の工程でまとめて実施でき、これにより、従来方法を採る装置に比べ、前記の如く減量面、無害化面、回収残渣物の取り扱い性の面で一層処理性能に優れ、また管理も容易な処理装置となる。
【0016】
しかも、分解残渣物を加熱乾燥処理するのに、分解槽での分解処理に並行して槽内の分解残渣物の一部量を連続的又は間欠的に取り出すから、分解槽に残す分解残渣物を栄養源にして分解槽における好気性菌の働きを活発に保つことができて、生ごみ投入に対し常に備えた状態を維持でき、この点、分解槽内の分解残渣物の全量を一度に取り出して加熱乾燥機に送る方式を採るに比べ、利便性の一層高い装置となり、また、分解残渣物を受け入れる加熱乾燥装置も小型なもので済み、装置コスト面及び装置のコンクパクト化の面でも有利になる。
【0017】
更に、抜取手段により分解槽から取り出して加熱乾燥機に送る分解残渣物と、加熱乾燥処理において加熱乾燥機から排出される高温の水蒸気含有ガスとを熱交換させることで、その排出高温ガスの保有熱を回収利用して加熱乾燥機へ供給する分解残渣物を予熱する方式とするから、加熱乾燥処理の熱効率を高めてランニングコストを低減でき、省エネ面でも優れた処理装置となる。
【0018】
また、この熱交換をもって加熱乾燥機からの排出高温ガスに含まれる水蒸気(分解残渣物の加熱乾燥処理で発生する水蒸気)を復水させて、専用復水器の付帯装備を不要にしながら、加熱乾燥処理に伴う発生水蒸気の処理も合わせ行うことができる。
【0019】
そしてまた、上記熱交換器における分解残渣物の熱交換室を、残渣物導入路及び残渣物導出路の閉じ操作による密閉化が可能な構造にし、この密閉化した熱交換室の室内を低圧化する排気ポンプを設けることにより、加熱乾燥機からの排出高温ガスとの熱交換による加熱(予熱)と、排気ポンプによる低圧化とで水分蒸発を効果的に促進して、熱交換室から加熱乾燥機に送る分解残渣物の水分量を効果的に低下させることができ、これにより、加熱乾燥機を一層小型なもので済ませることができ、排気ポンプの付加があるにしても、装置コスト面、ランニングコスト面、及び、装置のコンクパクト化の面でさらに有利になる。
【0020】
そして更に、前記抜取手段を、分解槽から分解残渣物を含む貯留水を流入させる沈降槽と、この沈降槽への貯留水流入を断続する流入弁と、この沈降槽の上下中間部から沈降物上のうわずみ水を分解槽へ流出させる排水弁と、この沈降槽の底部から沈降物を流出させる導出弁とで構成し、これにより分解槽からの分解残渣物の取り出しを次の如く行うのが好ましい。
【0021】
排水弁及び導出弁を閉じた状態で流入弁を開き、分解槽における分解残渣物の一部量を貯留水とともに沈降槽に流入させ、その後、流入弁を閉じた状態で適当時間の間、そのまま放置し、沈降槽の槽内で貯留水中の分解残渣物を沈降させて槽底に堆積させる。
【0022】
この沈降の後、排水弁を開き、沈降物として槽底に堆積した分解残渣物の上のうわずみ水のみを沈降槽から流出させて分解槽へ戻し、その後、導出弁を開くことで槽底の堆積分解残渣物を沈降槽から流出させ、この分解残渣物を前記熱交換室(ないしは直接に加熱乾燥機)に送る。
【0023】
つまり、分解残渣物を貯留水とともに分解槽から流出させる形態を採ることで、分解槽からの分解残渣物の取り出しを円滑かつ容易に行えるようにしながらも、各弁を操作しての沈降槽での水の分離除去により後続の加熱乾燥処理の処理負担を小さくして、加熱乾燥機を初めとする加熱乾燥処理のための付帯構成を小さくすることができ、装置コスト面、ランニングコスト面、及び、装置のコンクパクト化の面でさらに有利になる。
【0024】
【発明の実施の形態】
図1は、分離槽1に投入した生ごみを槽内の貯留水W中で好気性菌により分解処理する方式の生ごみ処理装置を示し、分解槽1の上部には、貯留水面上の槽内空間Sに対し開口させる空気導入口2及び排気口3を設け、また、給水弁4の開閉により槽内に所要量の水Wを供給する給水路5を接続してある。
【0025】
6は分解槽1内の貯留水Wを循環させる循環ポンプであり、この循環ポンプ6により分解槽下部の吸入口7から吸入した貯留水Wの一部は、主循環路8から散水用分岐路9を通じて分解槽1内の頂部に配備の散水具10から槽内の貯留水面上へ散布し、他部は攪拌用分岐路11を通じて分解槽下部の攪拌用吐出口12から槽内の貯留水W中へ吐出させ、生ごみを含む槽内貯留水Wの攪拌に用いる。
【0026】
つまり、この装置では、分解槽1の槽内空間Sに開口させた排気口3から臭気を帯びた空気A’(分解処理に伴う発生ガスを含む空気)を排気ファン13により排気路14を通じて槽外へ排出し、また、それに伴い、空気導入口2から槽外の新鮮空気Aを分解槽1の槽内空間Sに導入しながら、その貯留水面上の槽内空間Sにおいて、散水具10により循環ポンプ6からの供給貯留水Wを貯留水面上へ拡げて飛散させることにより、その飛散過程での気液接触をもって、槽内空間Sにおける空気(空気導入口2から導入した空気A)から飛散水Wに酸素を効率的に与え、これにより、攪拌を伴う貯留水循環の下で分解槽1内の貯留水Wに酸素を効率的かつ均一に供給して、貯留水W中での好気性菌による生ごみの分解を促進する。
【0027】
なお、好気性菌による分解処理であるから発生臭気はそれほど強いものではないが、排気路14から槽外へ排出する空気A’に対しては付帯の脱臭装置により脱臭処理を施す。【0028】
前記散水具10は、図2に示すように、循環ポンプ6から供給される貯留水Wを大口径(例えば25mm以上の口径)の吐水口15から下向きに吐出させて、その吐出水Wを吐水口15の下方に設けた円板状衝突部16の上向き衝突面に衝突させることにより、吐出水Wを微細化した状態で水平方向への拡がりを持たせて分離槽1の貯留水面上へ広く飛散させる構造にしてあり、吐水口15を大口径にすることで循環ポンプ6からの供給貯留水Wに含まれる分解過程物質や分解残渣物による吐出口15の目詰まりを確実に防止しながら、上記の衝突をもって吐出水Wを貯留水面上へ大きく拡げて良好に飛散させる。
【0029】
また、衝突部16の水平方向周囲は、衝突部16からの飛散水Wを反射させる壁部aと衝突部16からの飛散水Wの通過を許す開口部bとを周方向に交互に多数並べて櫛歯状に形成した散水カバー17で囲ってあり、これにより、外方側への飛散水Wの拡がりは各開口部bを通過する飛散水Wにより充分にしながら、内方側に飛散水不存の空洞部が生じることを各壁部aによる飛散水Wの反射により防止して、貯留水面に対する散水の均一性を高める。
【0030】
さらにまた、散水具10は分解槽1の頂部に設けた下向き空気導入口2の内部に同芯上に配置してあり、これにより、散水具10の吐水口15から吐出させて衝突部16への衝突により飛散させる水Wに対し、空気導入口2からの導入新鮮空気Aを集中的かつ水吐出に伴う誘引作用の下で効率的に接触させる。
【0031】
18は上記の分解処理で最終的に残る分解残渣物Dを加熱乾燥処理して回収する加熱乾燥機であり、図1及び図3に示す如く、分解槽1での分解処理に並行して、攪拌用分岐路11から分解残渣物Dを含む循環貯留水Wの一部量を取出路19へ所定時間毎に取り出し、この取り出し水W中の分解残渣物Dを、沈降槽20での水分離処理、及び、それに続く熱交換器21での水分蒸発処理を経て加熱乾燥機18に送る。22は加熱乾燥機18から送出される処理済の残渣物Dを受け入れる回収容器である。
【0032】
23は取出路19を通じての沈降槽20への貯留水流入を断続する流入弁、24は沈降槽20の上下中間部から沈降物D上のうわずみ水Wを流出させる排水弁、25は沈降槽20の底部から沈降物Dを流出させる導出弁であり、この構成により沈降槽20での水分離処理を次の如く行う。
【0033】
排水弁24及び導出弁25を閉じた状態で流入弁23を開き、取出路19を通じて分解残渣物Dを貯留水Wとともに沈降槽20に流入させ、その後、流入弁23を閉じた状態で所定時間の間、そのまま放置し、沈降槽20の槽内で貯留水W中の分解残渣物Dを沈降させて槽底に堆積させる。そして、この沈降の後、排水弁24を開き、沈降物として槽底に堆積した分解残渣物Dの上のうわずみ水Wのみを還水路26を通じ沈降槽20から流出させて分解槽20へ戻し、その後、導出弁25を開くことで槽底の堆積分解残渣物Dを沈降槽20から熱交換器21の熱交換室21aへ流出させる。
【0034】
つまり、これら沈降槽20及び付帯の各弁23〜25は、分解槽1から分解残渣物Dの一部量を貯留水Wとともに取り出し、その取り出し残渣物Dを水分離処理した上で熱交換器21の熱交換室21aに送る抜取手段を構成する。
【0035】
なお、27は流入弁23を開いた状態で取出路19に導入される貯留水Wのうち、沈降槽20の受け入れ流量を上回る余剰流量分を分解槽1に戻す放水路であり、この放水路27を設けて流入弁23における過大な水通過を許すことで、流入弁23に大口径のものを選定できるように、また、その流入弁23を全閉か全開かの2位置で使用できるようにして、貯留水W中の分解残渣物Dによる弁の詰まりを防止する。
【0036】
熱交換器21は、沈降槽20で水分離処理した分解残渣物Dを、加熱乾燥機18から排出される高温の水蒸気含有ガスGと熱交換させて加熱(予熱)するものであり、沈降槽20からの分解残渣物Dを受け入れる熱交換室21aの周部に蒸気室21bを形成し、この蒸気室21aに加熱乾燥機18からのガス送出路28を接続してある。21cは熱交換を促進するための伝熱フィンである。
【0037】
また、熱交換室21aには、沈降槽20から熱交換室21aへの導出弁25、及び、熱交換室21aから加熱乾燥機18への導出弁29を閉じて熱交換室21aを密閉化した状態で、その熱交換室21aから排気ポンプ30(真空ポンプ)により室内気を吸引排気して熱交換室21aの室内を低圧化する吸引路31を接続してあり、これにより、加熱乾燥機18からの排出高温ガスGとの熱交換による加熱(予熱)と、排気ポンプ30による低圧化とで室内分解残渣物Dからの水分蒸発を促進して、熱交換室21aから加熱乾燥機18に送る分解残渣物Dの水分量を低下させる。
【0038】
32は蒸発室21bにおいて分解残渣物Dとの熱交換で復水した水蒸気凝縮水を蒸発室21bから排出するUトラップ装備のドレン路、33は蒸発室21bに導入した高温の水蒸気含有ガスGのうち非凝縮のガス分を蒸発室21bから排出する排ガス路であり、この排ガス路33への排出ガスと排気ポンプ30による熱交換室21aからの排出気とは合流排ガス路34を通じて排気ファン13に導き、分離槽1からの排出空気A’とともに脱臭装置で脱臭処理する。
【0039】
加熱乾燥機18は、熱交換器21の熱交換室21aから供給される分解残渣物Dを、複数の攪拌翼35の回転により攪拌しながら送出口36へ向けて機体内移動させる過程で、機壁に装備の電気ヒータ37により加熱して乾燥させる構造を採用してあり、その運転にあたっては、分解残渣物Dを130〜170℃の範囲内の温度に加熱して、分解残渣物D中に含まれる未分解物質や難分解物質もともに炭化させ、これにより、処理済残渣物Dとして均質でサラサラの炭屑状のものを送出口36から得る。
【0040】
38a,38bは加熱乾燥機18内での処理物移動を調整する堰、39は攪拌翼35の駆動モータである。
【0041】
なお、以上の処理において、各弁23〜25,29の開閉操作、及び、排気ポンプ30の発停は付帯の制御器(図示せず)が予め設定されたプログラムに従って自動的に行う。【0042】
〔別の実施形態〕
次に別の実施形態を列記する。
【0043】
加熱乾燥機での加熱温度は前記の如く130〜170℃が一般的に最適であるが、分解残渣物がそれに含まれる未分解物質や難分解物質とともに炭化する温度範囲であれば、生ごみの組成や要求される回収残渣物の組成によって、130〜170℃の範囲よりも低い加熱温度あるいは高い加熱温度を選定してもよい。
【0044】
前述の実施形態では、流入弁23の開閉操作により分解槽の槽内から分解残渣物の一部量を間欠的に取り出す方式を示したが、間欠的な取り出しに代え、分解槽の槽内から分解残渣物の一部量を連続的に取り出して加熱乾燥処理する方式を採ってもよく、分解槽での分解処理に並行して槽内の分解残渣物の一部量を連続的又は間欠的に取り出す抜取手段の具体的方式・構造は種々の構成変更が可能である。
【0045】
処理対象の生ごみは、魚屑や野菜屑に限られるのではなく、例えば油滓や廃棄油を初めとする油脂類などであってもよく、また、食品ごみ以外のものであってもよく、混入する難分解物質以外の主組成が好気性菌による水中での分解が可能なものであれば、どのようなものも処理対象とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】
装置の全体構成図
【図2】
散水具の構成図
【図3】
要部の拡大構成図
【符号の説明】
1 分解槽
18 加熱乾燥機
20,23,24,25 抜取手段
20 沈降槽
21 熱交換器
21a 熱交換室
30 排気ポンプ
23 流入弁
24 排水弁
25 導出弁
D 分解残渣物
G 水蒸気含有ガス
W 貯留水
【発明の名称】 生ごみ処理装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】 生ごみを投じた分解槽内の貯留水に酸素を供給して、その貯留水中で生ごみを好気性菌により分解する生ごみ処理装置であって、
前記分解槽における貯留水面上の槽内空間に対し、その槽内空間へ新鮮空気を導入する空気導入口、及び、その槽内空間から内部空気を排出する排気口を開口させ、
前記分離槽の下部に設けた吸入口から槽内の貯留水を吸入して、その吸入貯留水の一部を主循環路から散水用分岐路を通じて散水具から前記分離槽内の貯留水面上へ散布し、
かつ、吸入貯留水の他部を前記主循環路から撹拌用分岐路を通じて分離槽下部の撹拌用吐出口から前記分離槽内の貯留水中へ吐出する循環ポンプを設けてある生ごみ処理装置。【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、生ごみを投じた分解槽内の貯留水に酸素を供給して、その貯留水中で生ごみを好気性菌により分解する生ごみ処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種方式の生ごみ処理において、分解槽の貯留水中で生ごみを分解するのに対し、後続処理として、分解槽から分解残渣物を含んだ濃縮液を二次処理槽へ移し、この二次処理槽でヒータにより濃溶液を加熱して水を蒸発させることで、液中の分解残渣物を乾燥させて回収する方式がある(例えば、実用新案登録第3013267号(平成7年)公報参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、分解槽から取り出す分解残渣物には、分解槽への投入から未だ充分な処理時間を経ていない未分解物質や、好気性菌では分解が難しい難分解物質が含まれる場合が多く、この為、上記の如く分解槽からの取り出し濃縮液を加熱して単に水分を蒸発させるだけでは、これら未分解物質や難分解物質が乾燥後の回収残渣物の中にそのまま残り、充分な減量効果、無害化効果を得ることができない問題があった。
【0004】
殊に、分解槽に投入された生ごみの中に殺菌性を有する物質が含まれていた場合、この殺菌性物質の為に好気性菌の活性が損なわれて分解槽中における未分解物質の量及び存在時間が長くなり、これが原因で、回収残渣物中における未分解物質の量が大巾に増加して上記問題が一層顕著になることもあった。
【0005】
かといって、分解槽への投入物に選別処理を施して難分解物質や殺菌性物質を予め除外したり、また、分解槽への生ごみ投入を時間的に制限して分解槽からの取り出し残渣物に未分解物質が含まれるのを回避するのでは、利便性が大きく低下し、この点で未だ改善の余地があった。
【0006】
この実情に鑑み、本発明の主たる課題は、合理的な装置構成により生ごみの分解を促進する点にある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、生ごみ処理装置に係り、その特徴は、
生ごみを投じた分解槽内の貯留水に酸素を供給して、その貯留水中で生ごみを好気性菌により分解する生ごみ処理装置において、
前記分解槽における貯留水面上の槽内空間に対し、その槽内空間へ新鮮空気を導入する空気導入口、及び、その槽内空間から内部空気を排出する排気口を開口させ、
前記分離槽の下部に設けた吸入口から槽内の貯留水を吸入して、その吸入貯留水の一部を主循環路から散水用分岐路を通じて散水具から前記分離槽内の貯留水面上へ散布し、
かつ、吸入貯留水の他部を前記主循環路から撹拌用分岐路を通じて分離槽下部の撹拌用吐出口から前記分離槽内の貯留水中へ吐出する循環ポンプを設けてある点にある。
【0008】
この発明では、循環ポンプにより分解槽下部の吸入口から吸入した貯留水の一部は、主循環路から散水用分岐路を通じて散水具から槽内の貯留水面上へ散布し、他部は攪拌用分岐路を通じて分解槽下部の攪拌用吐出口から槽内の貯留水中へ吐出させ、生ごみを含む槽内貯留水の攪拌に用いる。
【0009】
つまり、この装置では、分解槽の槽内空間に開口させた排気口から臭気を帯びた空気(分解処理に伴う発生ガスを含む空気)を槽外へ排出し、また、それに伴い、空気導入口から槽外の新鮮空気を分解槽の槽内空間に導入しながら、その貯留水面上の槽内空間において、散水具により循環ポンプからの供給貯留水を貯留水面上へ拡げて飛散させることにより、その飛散過程での気液接触をもって、槽内空間における空気(空気導入口から導入した空気)から飛散水に酸素を効率的に与え、これにより、攪拌を伴う貯留水循環の下で分解槽内の貯留水に酸素を効率的かつ均一に供給して、貯留水中での好気性菌による生ごみの分解を促進することができる。
【0010】
なお、分解槽の貯留水に酸素を供給して貯留水中で好気性菌により生ごみを分解するのに対し、後続処理として、分解槽から取り出した分解残渣物を加熱乾燥機において炭化が生じる温度で加熱乾燥処理するように構成すれば、この加熱乾燥処理で、取り出し残渣物に含まれる未分解物質や難分解物質もともに炭化した乾燥状態にすることができる。
【0011】
したがって、未分解物質や難分解物質が単に水分除去されただけの乾燥状態で回収残渣物中にそのまま残る先述の従来方法に比べ、一層高い減量効果及び無害化効果(特に無臭化効果)が得られる。また、炭化により回収残渣物が均質な炭屑状のサラサラのものになり、回収残渣物の取り扱いも一層簡便になる。
【0012】
そして、未分解物質や難分解物質もともに良好に処理できることで、分解槽への投入物を選別処理して難分解物質や殺菌性物質を予め除外したり、分解槽への生ごみ投入を時間的に制限して分解槽からの取り出し残渣物に未分解物質が含まれるのを回避するといった処置も不要になり、また、良好な処理が可能な生ごみの種別範囲も拡大でき、利便性・汎用性の面でも優れた処理方法となる。
【0013】
また、分解槽から取り出した分解残渣物を加熱乾燥機において炭化が生じる温度で加熱するのに、分解残渣物を130℃〜170℃の範囲内の温度に加熱するのが好ましい。
【0014】
つまり、各種実験の結果、分解槽から取り出した分解残渣物を130℃〜170℃の範囲内の温度に加熱すれば、例えば、分解残渣物をさらに高い温度で焼却処理する方式を採るに比べ、有害な燃焼副生ガスの発生を回避して周辺環境への影響を極めて小さくし、また、加熱に要するコストは低くしながら、一般的な組成の生ごみについて、分解残渣物をそれに含まれる未分解物質や難分解物質とともに減量面、無害化面、取り扱い性の面で極めて良好な炭化状態にすることができる。
【0015】
更に、分解槽内の貯留水に酸素を供給して貯留水中で生ごみを好気性菌により分解する生ごみ処理装置に、その分解槽での分解処理に並行して槽内の分解残渣物の一部量を連続的又は間欠的に取り出す抜取手段、及び、その抜取手段により取り出した分解残渣物を炭化が生じる温度で加熱乾燥処理する加熱乾燥機を付帯装備する構成にすると、生ごみ処理を一連の工程でまとめて実施でき、これにより、従来方法を採る装置に比べ、前記の如く減量面、無害化面、回収残渣物の取り扱い性の面で一層処理性能に優れ、また管理も容易な処理装置となる。
【0016】
しかも、分解残渣物を加熱乾燥処理するのに、分解槽での分解処理に並行して槽内の分解残渣物の一部量を連続的又は間欠的に取り出すから、分解槽に残す分解残渣物を栄養源にして分解槽における好気性菌の働きを活発に保つことができて、生ごみ投入に対し常に備えた状態を維持でき、この点、分解槽内の分解残渣物の全量を一度に取り出して加熱乾燥機に送る方式を採るに比べ、利便性の一層高い装置となり、また、分解残渣物を受け入れる加熱乾燥装置も小型なもので済み、装置コスト面及び装置のコンクパクト化の面でも有利になる。
【0017】
更に、抜取手段により分解槽から取り出して加熱乾燥機に送る分解残渣物と、加熱乾燥処理において加熱乾燥機から排出される高温の水蒸気含有ガスとを熱交換させることで、その排出高温ガスの保有熱を回収利用して加熱乾燥機へ供給する分解残渣物を予熱する方式とするから、加熱乾燥処理の熱効率を高めてランニングコストを低減でき、省エネ面でも優れた処理装置となる。
【0018】
また、この熱交換をもって加熱乾燥機からの排出高温ガスに含まれる水蒸気(分解残渣物の加熱乾燥処理で発生する水蒸気)を復水させて、専用復水器の付帯装備を不要にしながら、加熱乾燥処理に伴う発生水蒸気の処理も合わせ行うことができる。
【0019】
そしてまた、上記熱交換器における分解残渣物の熱交換室を、残渣物導入路及び残渣物導出路の閉じ操作による密閉化が可能な構造にし、この密閉化した熱交換室の室内を低圧化する排気ポンプを設けることにより、加熱乾燥機からの排出高温ガスとの熱交換による加熱(予熱)と、排気ポンプによる低圧化とで水分蒸発を効果的に促進して、熱交換室から加熱乾燥機に送る分解残渣物の水分量を効果的に低下させることができ、これにより、加熱乾燥機を一層小型なもので済ませることができ、排気ポンプの付加があるにしても、装置コスト面、ランニングコスト面、及び、装置のコンクパクト化の面でさらに有利になる。
【0020】
そして更に、前記抜取手段を、分解槽から分解残渣物を含む貯留水を流入させる沈降槽と、この沈降槽への貯留水流入を断続する流入弁と、この沈降槽の上下中間部から沈降物上のうわずみ水を分解槽へ流出させる排水弁と、この沈降槽の底部から沈降物を流出させる導出弁とで構成し、これにより分解槽からの分解残渣物の取り出しを次の如く行うのが好ましい。
【0021】
排水弁及び導出弁を閉じた状態で流入弁を開き、分解槽における分解残渣物の一部量を貯留水とともに沈降槽に流入させ、その後、流入弁を閉じた状態で適当時間の間、そのまま放置し、沈降槽の槽内で貯留水中の分解残渣物を沈降させて槽底に堆積させる。
【0022】
この沈降の後、排水弁を開き、沈降物として槽底に堆積した分解残渣物の上のうわずみ水のみを沈降槽から流出させて分解槽へ戻し、その後、導出弁を開くことで槽底の堆積分解残渣物を沈降槽から流出させ、この分解残渣物を前記熱交換室(ないしは直接に加熱乾燥機)に送る。
【0023】
つまり、分解残渣物を貯留水とともに分解槽から流出させる形態を採ることで、分解槽からの分解残渣物の取り出しを円滑かつ容易に行えるようにしながらも、各弁を操作しての沈降槽での水の分離除去により後続の加熱乾燥処理の処理負担を小さくして、加熱乾燥機を初めとする加熱乾燥処理のための付帯構成を小さくすることができ、装置コスト面、ランニングコスト面、及び、装置のコンクパクト化の面でさらに有利になる。
【0024】
【発明の実施の形態】
図1は、分離槽1に投入した生ごみを槽内の貯留水W中で好気性菌により分解処理する方式の生ごみ処理装置を示し、分解槽1の上部には、貯留水面上の槽内空間Sに対し開口させる空気導入口2及び排気口3を設け、また、給水弁4の開閉により槽内に所要量の水Wを供給する給水路5を接続してある。
【0025】
6は分解槽1内の貯留水Wを循環させる循環ポンプであり、この循環ポンプ6により分解槽下部の吸入口7から吸入した貯留水Wの一部は、主循環路8から散水用分岐路9を通じて分解槽1内の頂部に配備の散水具10から槽内の貯留水面上へ散布し、他部は攪拌用分岐路11を通じて分解槽下部の攪拌用吐出口12から槽内の貯留水W中へ吐出させ、生ごみを含む槽内貯留水Wの攪拌に用いる。
【0026】
つまり、この装置では、分解槽1の槽内空間Sに開口させた排気口3から臭気を帯びた空気A’(分解処理に伴う発生ガスを含む空気)を排気ファン13により排気路14を通じて槽外へ排出し、また、それに伴い、空気導入口2から槽外の新鮮空気Aを分解槽1の槽内空間Sに導入しながら、その貯留水面上の槽内空間Sにおいて、散水具10により循環ポンプ6からの供給貯留水Wを貯留水面上へ拡げて飛散させることにより、その飛散過程での気液接触をもって、槽内空間Sにおける空気(空気導入口2から導入した空気A)から飛散水Wに酸素を効率的に与え、これにより、攪拌を伴う貯留水循環の下で分解槽1内の貯留水Wに酸素を効率的かつ均一に供給して、貯留水W中での好気性菌による生ごみの分解を促進する。
【0027】
なお、好気性菌による分解処理であるから発生臭気はそれほど強いものではないが、排気路14から槽外へ排出する空気A’に対しては付帯の脱臭装置により脱臭処理を施す。【0028】
前記散水具10は、図2に示すように、循環ポンプ6から供給される貯留水Wを大口径(例えば25mm以上の口径)の吐水口15から下向きに吐出させて、その吐出水Wを吐水口15の下方に設けた円板状衝突部16の上向き衝突面に衝突させることにより、吐出水Wを微細化した状態で水平方向への拡がりを持たせて分離槽1の貯留水面上へ広く飛散させる構造にしてあり、吐水口15を大口径にすることで循環ポンプ6からの供給貯留水Wに含まれる分解過程物質や分解残渣物による吐出口15の目詰まりを確実に防止しながら、上記の衝突をもって吐出水Wを貯留水面上へ大きく拡げて良好に飛散させる。
【0029】
また、衝突部16の水平方向周囲は、衝突部16からの飛散水Wを反射させる壁部aと衝突部16からの飛散水Wの通過を許す開口部bとを周方向に交互に多数並べて櫛歯状に形成した散水カバー17で囲ってあり、これにより、外方側への飛散水Wの拡がりは各開口部bを通過する飛散水Wにより充分にしながら、内方側に飛散水不存の空洞部が生じることを各壁部aによる飛散水Wの反射により防止して、貯留水面に対する散水の均一性を高める。
【0030】
さらにまた、散水具10は分解槽1の頂部に設けた下向き空気導入口2の内部に同芯上に配置してあり、これにより、散水具10の吐水口15から吐出させて衝突部16への衝突により飛散させる水Wに対し、空気導入口2からの導入新鮮空気Aを集中的かつ水吐出に伴う誘引作用の下で効率的に接触させる。
【0031】
18は上記の分解処理で最終的に残る分解残渣物Dを加熱乾燥処理して回収する加熱乾燥機であり、図1及び図3に示す如く、分解槽1での分解処理に並行して、攪拌用分岐路11から分解残渣物Dを含む循環貯留水Wの一部量を取出路19へ所定時間毎に取り出し、この取り出し水W中の分解残渣物Dを、沈降槽20での水分離処理、及び、それに続く熱交換器21での水分蒸発処理を経て加熱乾燥機18に送る。22は加熱乾燥機18から送出される処理済の残渣物Dを受け入れる回収容器である。
【0032】
23は取出路19を通じての沈降槽20への貯留水流入を断続する流入弁、24は沈降槽20の上下中間部から沈降物D上のうわずみ水Wを流出させる排水弁、25は沈降槽20の底部から沈降物Dを流出させる導出弁であり、この構成により沈降槽20での水分離処理を次の如く行う。
【0033】
排水弁24及び導出弁25を閉じた状態で流入弁23を開き、取出路19を通じて分解残渣物Dを貯留水Wとともに沈降槽20に流入させ、その後、流入弁23を閉じた状態で所定時間の間、そのまま放置し、沈降槽20の槽内で貯留水W中の分解残渣物Dを沈降させて槽底に堆積させる。そして、この沈降の後、排水弁24を開き、沈降物として槽底に堆積した分解残渣物Dの上のうわずみ水Wのみを還水路26を通じ沈降槽20から流出させて分解槽20へ戻し、その後、導出弁25を開くことで槽底の堆積分解残渣物Dを沈降槽20から熱交換器21の熱交換室21aへ流出させる。
【0034】
つまり、これら沈降槽20及び付帯の各弁23〜25は、分解槽1から分解残渣物Dの一部量を貯留水Wとともに取り出し、その取り出し残渣物Dを水分離処理した上で熱交換器21の熱交換室21aに送る抜取手段を構成する。
【0035】
なお、27は流入弁23を開いた状態で取出路19に導入される貯留水Wのうち、沈降槽20の受け入れ流量を上回る余剰流量分を分解槽1に戻す放水路であり、この放水路27を設けて流入弁23における過大な水通過を許すことで、流入弁23に大口径のものを選定できるように、また、その流入弁23を全閉か全開かの2位置で使用できるようにして、貯留水W中の分解残渣物Dによる弁の詰まりを防止する。
【0036】
熱交換器21は、沈降槽20で水分離処理した分解残渣物Dを、加熱乾燥機18から排出される高温の水蒸気含有ガスGと熱交換させて加熱(予熱)するものであり、沈降槽20からの分解残渣物Dを受け入れる熱交換室21aの周部に蒸気室21bを形成し、この蒸気室21aに加熱乾燥機18からのガス送出路28を接続してある。21cは熱交換を促進するための伝熱フィンである。
【0037】
また、熱交換室21aには、沈降槽20から熱交換室21aへの導出弁25、及び、熱交換室21aから加熱乾燥機18への導出弁29を閉じて熱交換室21aを密閉化した状態で、その熱交換室21aから排気ポンプ30(真空ポンプ)により室内気を吸引排気して熱交換室21aの室内を低圧化する吸引路31を接続してあり、これにより、加熱乾燥機18からの排出高温ガスGとの熱交換による加熱(予熱)と、排気ポンプ30による低圧化とで室内分解残渣物Dからの水分蒸発を促進して、熱交換室21aから加熱乾燥機18に送る分解残渣物Dの水分量を低下させる。
【0038】
32は蒸発室21bにおいて分解残渣物Dとの熱交換で復水した水蒸気凝縮水を蒸発室21bから排出するUトラップ装備のドレン路、33は蒸発室21bに導入した高温の水蒸気含有ガスGのうち非凝縮のガス分を蒸発室21bから排出する排ガス路であり、この排ガス路33への排出ガスと排気ポンプ30による熱交換室21aからの排出気とは合流排ガス路34を通じて排気ファン13に導き、分離槽1からの排出空気A’とともに脱臭装置で脱臭処理する。
【0039】
加熱乾燥機18は、熱交換器21の熱交換室21aから供給される分解残渣物Dを、複数の攪拌翼35の回転により攪拌しながら送出口36へ向けて機体内移動させる過程で、機壁に装備の電気ヒータ37により加熱して乾燥させる構造を採用してあり、その運転にあたっては、分解残渣物Dを130〜170℃の範囲内の温度に加熱して、分解残渣物D中に含まれる未分解物質や難分解物質もともに炭化させ、これにより、処理済残渣物Dとして均質でサラサラの炭屑状のものを送出口36から得る。
【0040】
38a,38bは加熱乾燥機18内での処理物移動を調整する堰、39は攪拌翼35の駆動モータである。
【0041】
なお、以上の処理において、各弁23〜25,29の開閉操作、及び、排気ポンプ30の発停は付帯の制御器(図示せず)が予め設定されたプログラムに従って自動的に行う。【0042】
〔別の実施形態〕
次に別の実施形態を列記する。
【0043】
加熱乾燥機での加熱温度は前記の如く130〜170℃が一般的に最適であるが、分解残渣物がそれに含まれる未分解物質や難分解物質とともに炭化する温度範囲であれば、生ごみの組成や要求される回収残渣物の組成によって、130〜170℃の範囲よりも低い加熱温度あるいは高い加熱温度を選定してもよい。
【0044】
前述の実施形態では、流入弁23の開閉操作により分解槽の槽内から分解残渣物の一部量を間欠的に取り出す方式を示したが、間欠的な取り出しに代え、分解槽の槽内から分解残渣物の一部量を連続的に取り出して加熱乾燥処理する方式を採ってもよく、分解槽での分解処理に並行して槽内の分解残渣物の一部量を連続的又は間欠的に取り出す抜取手段の具体的方式・構造は種々の構成変更が可能である。
【0045】
処理対象の生ごみは、魚屑や野菜屑に限られるのではなく、例えば油滓や廃棄油を初めとする油脂類などであってもよく、また、食品ごみ以外のものであってもよく、混入する難分解物質以外の主組成が好気性菌による水中での分解が可能なものであれば、どのようなものも処理対象とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】
装置の全体構成図
【図2】
散水具の構成図
【図3】
要部の拡大構成図
【符号の説明】
1 分解槽
18 加熱乾燥機
20,23,24,25 抜取手段
20 沈降槽
21 熱交換器
21a 熱交換室
30 排気ポンプ
23 流入弁
24 排水弁
25 導出弁
D 分解残渣物
G 水蒸気含有ガス
W 貯留水
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