JP2000187282A - 透明性プラスチックシート及びそれを用いたレンズシート、スクリーン、投射型画像表示装置 - Google Patents

透明性プラスチックシート及びそれを用いたレンズシート、スクリーン、投射型画像表示装置

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JP2000187282A
JP2000187282A JP10365466A JP36546698A JP2000187282A JP 2000187282 A JP2000187282 A JP 2000187282A JP 10365466 A JP10365466 A JP 10365466A JP 36546698 A JP36546698 A JP 36546698A JP 2000187282 A JP2000187282 A JP 2000187282A
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transparent plastic
plastic sheet
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screen
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Hiroyuki Nagahama
博之 長濱
Toshiyuki Otani
寿幸 大谷
Yozo Yamada
陽三 山田
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Toyobo Co Ltd
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Toyobo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光が透過しても、色変わり、色ムラが生じな
い透明性プラスチックシート及び当該透明性プラスチッ
クシートを用いたレンズシート、スクリーン、投射型画
像表示装置を提供する。 【解決手段】 透明性プラスチックにおける下記式
(1)から算出されるリターデーション値を2×103
nm以上とし、一軸異方性を付与することにより色変わ
り、色ムラを防止する。 (リターデーション値)=|Nx−Ny|×d・・・・
・・・(1) 〔式中、Nx、Nyはシート上の直交する二軸の屈折率
であり、dはシートの厚さ(nm)である〕

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、CRT、液晶パネ
ルなどに形成した画像を背面から投射して前面から視聴
する投射型画像表示装置に好適に用いることができる透
明性プラスチックシート及びそれを用いたレンズシー
ト、スクリーンそして投射型画像表示装置に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】近年、大画面表示装置に対するニーズが
高まり、これを比較的軽量コンパクトに実現できる背面
投射型の画像表示装置が注目されている。この背面投射
型画像表示装置のスクリーンには、一般にフレネルレン
ズシートやレンチキュラーレンズシートが用いられてい
る。かかるフレネルレンズシートやレンチキュラーレン
ズシートの基材となる透明性プラスチックシートとして
は、ポリエステルやポリカーボネートなどの樹脂が好適
であるが、これら樹脂を基材として使用した透明性プラ
スチックシートでは、光の振動方向によって異なる屈折
率を示す複屈折が生ずる。
【0003】光が複屈折を有する材料中を透過すると、
最も高い屈折率を示す方向(進相軸方向)に振動する光
(常光)と最も低い屈折率を示す方向(遅相軸方向)に
振動する光(異常光)の間に光路差(光路長の差)が生
じる。光路差を波長で割った値が位相差であり、光路差
は波長によらずほぼ一定なので、光の波長ごと異なる位
相差を生じることになる。偏向光の場合、位相差に応じ
て偏向軸が回転するが、前述のように複屈折材料を透過
後の偏向軸は波長ごとに異なった方向となる。このよう
な状態で偏向作用を受けると、波長ごとに光の強度が変
わり色変わりが生じる。この現象は2つの偏向子の間に
複屈折材料を置き、白色光を透過させたときの着色現象
として知られているものである。
【0004】加えて、背面投射型画像形成装置において
は、スクリーン自体が弱い偏向作用を有していることが
知られている(特開平7−230072号公報)。この
ため白色を表示した場合には色づいて観察され、色ムラ
が生じるという問題があった。
【0005】上記問題を解決する方法として、例えば特
開平10−48753号公報では、投射光の偏向軸とプ
ラスチックシートの光学異方軸がほぼ一致するように構
成すること、及び複数の透明プラスチックシートの光学
異方性を互いに打ち消すように配置することが提案され
ている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前者の
方法では完全に着色による色変わりを抑えることはでき
ない。また条件によっては正面方向からの視認性は満足
できるようになっても斜め方向からは着色による色変わ
りが生じる。一方後者の方法では、2枚以上のレンズシ
ートを用いる必要があるため構造が複雑となり高価なも
のとなる。
【0007】本発明は上記従来の問題に鑑みなされたも
のであり、その目的は、光が透過しても、色変わり、色
ムラが生じない透明性プラスチックシートを提供するこ
とにある。
【0008】また本発明は、上記透明性プラスチックシ
ートを用いたレンズシート、スクリーン、投射型画像表
示装置を提供することをその目的とする。
【0009】
〔式中、Nx、Nyはシート上の直交する二軸の屈折率であり、dはシートの厚さ(nm)である〕
【0010】このとき前記透明性プラスチックシート
は、配向主軸の最大歪みが10度以下であるものが好ま
しい。また前記透明性プラスチックシートはポリエステ
ル系樹脂で構成されてなるものが望ましい。より望まし
くはポリエチレンテレフタレート樹脂又はこれを主体と
するポリエステル樹脂で構成されてなるものである。
【0011】また本発明によれば、前記透明性プラスチ
ックシートとフレネルレンズを備えたフレネルレンズシ
ートが提供される。
【0012】さらに前記透明性プラスチックシートとレ
ンチキュラーレンズを備えたレンチキュラーレンズシー
トが提供される。
【0013】そしてまた、前記フレネルレンズシート又
は/及び前記レンチキュラーレンズシートを備えた投射
型画像表示用スクリーンが提供される。
【0014】前記フレネルレンズシート及び前記レンチ
キュラーレンズシートのうち2以上の同一又は異なるレ
ンズシートを備え、該レンズシートを構成する透明プラ
スチックシートの配向主軸間の関係が略平行又は略直交
の関係にあることを特徴とする投射型画像表示用スクリ
ーンが提供される。
【0015】また画像源と、画像源に形成した画像を拡
大投射する投射レンズと、前記スクリーンとを備えた投
射型画像表示装置が提供される。ここで投射レンズから
投射される光の偏向軸と少なくとも1つの透明性プラス
チックシートの配向主軸が略平行又は略直交することが
望ましい。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明者等は、光が透過しても、
色変わり、色ムラが生じない透明性プラスチックシート
を得ることができないか鋭意検討した結果、リターデー
ション値を特定範囲とし、且つ一軸異方性を付与するこ
とで色変わり、色ムラが生じないという新たな知見を
得、本発明をなすに至った。
【0017】すなわち本発明の透明性プラスチックシー
トの大きな特徴は、式(1)から算出されるリターデー
ション値が2×103 nm以上であり、一軸異方性を示
す点にある。リターデーション値が2×103 nmより
小さいとレンズシートに用いた場合に視覚により干渉が
現れやすくなる。より好ましいリターデーション値は1
0×103 nm以上である。リターデーション値は10
×103 nm以上であれば、可視光領域における干渉縞
の間隔が十分に広がるため、光学的に等方であるのと同
様になり視覚による干渉がほとんど現れない。式(1)
から理解されるように、リターデーション値はシート上
の直交する二軸の屈折率の差とシート厚さとの積であ
る。したがって、リターデーション値を大きくするに
は、前記屈折率差又はシート厚さ、あるいはその両方を
大きくすればよい。シート厚さとしては特に限定はない
が、機械的強度や作業性を考慮すれば20×103 nm
以上であるのが好ましい。
【0018】またプラスチックシートを一軸異方性とす
るには製法に特に限定はないが、例えば有機高分子を溶
融押出または溶液押出し、長手方向または幅方向に延
伸、冷却、熱固定を施せばよい。
【0019】本発明の透明性プラスチックシートに使用
できる樹脂としては透明であれば特に限定はなく、例え
ばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフ
タレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレート、ポリ
プロピレンテレフタレート、ナイロン6、ナイロン4、
ナイロン6,6、ナイロン12、ポリイミド、ポリアミ
ドイミド、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、
ポリエーテルエーテルケトン、ポリカーボネート、ポリ
アリレート、ポリアクリル、セルロースプロピオネー
ト、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニル
アルコール、ポリエーテルイミド、ポリフェニレンスル
フィド、ポリフェニレンオキサイド、ポリスチレン、シ
ンジオタクチクポリスチレン、ノルボルネン系樹脂など
の各樹脂が挙げられ、これらの1種又は2種以上を組み
合わせて使用することができる。また必要によりその他
単量体を配合して共重合体としてもよい。これらの中で
もポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6
−ナフタレート、ポリプロピレンテレフタレートなどの
ポリエステル系樹脂が好ましく、さらには透明性や機械
的特性、表面平滑性、耐溶剤性、耐スクラッチ性などの
点からポリエチレンテレフタレート樹脂またはこれを主
体とするポリエステル樹脂が特に好ましい。
【0020】本発明の透明性プラスチックシートは、こ
れまで公知の製法により製造することができ、例えば上
記単一重合体または共重合体の融液または溶液を、押出
法やカレンダー法、流延法などによってシートの成形
し、次いでロール法やテンター法、チューブラー法など
によって長手方向または幅方向に一軸延伸させることに
当該シートを得ることができる。ここで、前記透明性プ
ラスチックシートの配向主軸の最大歪みは10度以下で
あることが好ましく、より好ましくは8度以下、さらに
好ましくは5度以下である。配向主軸の最大歪みが10
度より大きいと、透明性プラスチックシートをレンズシ
ートとし、これをスクリーンとして使用した場合に、ス
クリーンのコントラストが不均一となるおそれがある。
なお本発明の配向主軸の最大歪みは次のように測定した
ものである。プラスチックシートがロール状に巻かれて
いる場合は、長手方向に1,000mm、幅方向に全幅
を切り出し、プラスチックシートがシート状である場合
は、当該シートに内接する最大面積の長方形を描き切り
出す。長方形の1頂点とその頂点から延びる2辺を共有
する100mm四方の正方形を4つの頂点それぞれから
切り出し試料とする。これら試料の配向主軸を、分子配
向計(「MOA−201A」神崎製紙社製)を用いたマ
イクロ波によって求め、最初に測定した点の分子配向角
を0度として、他の3点の配向角との差の最も大きいも
のを最大歪みとした。
【0021】本願請求項5のフレネルレンズシートは、
前記透明性プラスチックシートとフレネルレンズを備え
ている点に特徴がある。かかる構成とすることで、当該
フレネルレンズシートをスクリーンとして使用した場合
に、視野特性に優れ、色変わり、色ムラを抑制すること
ができる。図1にフレネルレンズシートの概略断面図を
示す。フレネルレンズシート1は、フレネルレンズ11
と透明性プラスチックシート12を備えており、これら
は直接接着していてもよいし、接着性の向上のためにプ
ライマー層を間に介してもよい。
【0022】また垂直方向の視野角を広げたり、フレネ
ルレンズによるモアレ現象の発生や写り込みなどを抑制
するために光拡散剤を含有させてもよい。かかる光拡散
剤としては特に限定はなく従来公知のものが使用でき、
例えばシリカ、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化チ
タン、アルミナ、酸化亜鉛、ガラスなどの無機微粉末;
架橋ポリマーなどの有機微粒子などが挙げられる。当該
光拡散剤の添加量としては特に限定はないが、例えば材
料樹脂100重量部に対して0.1〜3重量部の範囲が
好ましい。他方、光拡散剤を添加する代わりに、あるい
はこれと併用して、光拡散剤を含有する光拡散層を形成
してもよい。
【0023】その他必要により、本発明の効果を害さな
い範囲において、ティント剤、波長別吸収剤、難燃剤、
光安定剤、耐熱劣化防止剤などを添加してもよい。
【0024】本発明で使用できるフレネルレンズとして
は、従来公知のものが使用することができ、材料樹脂と
しても特に限定はないが、光線透過率、作業性、硬化性
の点から多価(メタ)アクリレート、モノ(メタ)アク
リレート及び光開始剤を主成分とする紫外線硬化型樹脂
組成物であることが望ましい。
【0025】前記多価(メタ)アクリレートとしては、
例えばポリオールポリ(メタ)アクリレート、ポリエス
テルポリ(メタ)アクリレート、エポキシポリ(メタ)
アクリレート及びウレタンポリ(メタ)アクリレートな
どが挙げられ、これらの1種または2種以上を組み合わ
せて使用することができる。
【0026】また前記モノ(メタ)アクリレートとして
は、モノアルコール(メタ)アクリレートなどが挙げら
れる。
【0027】本願請求項6のレンチキュラーレンズシー
トは、前記透明性プラスチックシートとレンチキュラー
レンズを備えている点に特徴がある。かかる構成とする
ことで、当該レンチキュラーレンズシートをスクリーン
として使用した場合に、視野特性に優れ、色変わり、色
ムラを抑制することができる。図2に本発明のレンチキ
ュラーレンズシートの概略断面図を示す。レンチキュラ
ーレンズシート2は、透明性プラスチックシート12と
レンチキュラーレンズ13を備え、これらは直接接着し
ていてもよいし、接着性の向上のためにプライマー層を
間に介してもよい。
【0028】またフレネルレンズシートの場合と同様
に、垂直方向の視野角を広げたり、レンチキュラーレン
ズによるモアレ現象の発生や写り込みなどを抑制するた
めに光拡散剤を含有させてもよく、かかる光拡散剤とし
てはフレネルレンズシートで例示したものがここでも例
示できる。
【0029】その他必要により、本発明の効果を害さな
い範囲において、ティント剤、波長別吸収剤、難燃剤、
光安定剤、耐熱劣化防止剤などを添加することができ
る。
【0030】本発明で使用できるレンチキュラーレンズ
としては、従来公知のものが使用することができ、材料
樹脂としても特に限定はないが、光線透過率、作業性、
硬化性の点から多価(メタ)アクリレート、モノ(メ
タ)アクリレート及び光開始剤を主成分とする紫外線硬
化型樹脂組成物であることが望ましい。
【0031】前記多価(メタ)アクリレートとしては、
例えばポリオールポリ(メタ)アクリレート、ポリエス
テルポリ(メタ)アクリレート、エポキシポリ(メタ)
アクリレート及びウレタンポリ(メタ)アクリレートな
どが挙げられ、これらの1種または2種以上を組み合わ
せて使用することができる。
【0032】また前記モノ(メタ)アクリレートとして
は、モノアルコール(メタ)アクリレートなどが挙げら
れる。
【0033】本願請求項7の投射型画像表示用スクリー
ンの特徴は、前記フレネルレンズシート又は/及びレン
チキュラーレンズシートを備えている点にある。かかる
構成により本発明のスクリーンでは視野特性に優れ、色
変わり、色ムラを抑制することができる。図3は本発明
のスクリーンの一実施例を示す図である。スクリーン3
は、光の進行方向手前にフレネルレンズシート1、後方
にレンチキュラーレンズシート2を配置したスクリーン
であって、発散的に入射する投射光をフレネルレンズシ
ート1によって主指向性がほぼスクリーン面に垂直な光
に変換し、次のレンチキュラーレンズシート2によって
当該光を拡散して適切な視野範囲が与えられる。
【0034】前記フレネルレンズシート及びレンチキュ
ラーレンズシートのうち2以上の同一又は異なるレンズ
シートを備えた投射型画像表示用スクリーンの場合、当
該レンズシートを構成する透明性プラスチックシートの
配向主軸間の関係が略平行又は略直交の関係にあるのが
よい。配向主軸間の関係が略平行又は略直交の関係にな
い場合、一軸異方性による複屈折効果により色ムラなど
が生じるおそれがある。
【0035】本願請求項9の投射型画像表示装置は、画
像源と、画像源に形成した画像を拡大投射する投射レン
ズと、前記記載のスクリーンとを備えたことをその特徴
とするものである。かかる構成により視野特性に優れ、
色変わり、色ムラを抑制することができる。図4に本発
明の投射型画像表示装置の一実施例を示す。液晶パネル
5の背面から光源6により光を照射して形成した画像を
投射レンズ4によって拡大投射する。スクリーン3は結
像面に設置され、全体として発散的で指向性が極めて強
く入射する投射光を、前述のフレネルレンズシート1で
主指向性がほぼスクリーン面に垂直な光に変換し、次の
レンチキュラーレンズシート2によって当該光を拡散し
て画像として認識できるようにする。
【0036】ここで、視野特性の向上及び色変わり、色
ムラの抑制を一層図るためには、投射レンズから投射さ
れる光の偏向軸と少なくとも1つの透明性プラスチック
シートの配向主軸が略平行又は略直交するように調整す
るのが望ましい。図5を参照して、紙面下方から投射さ
れる投射光7の偏向軸方向は白抜き矢印22で示され、
一方フレネルレンズシート1及びレンチキュラーレンズ
シート2の配向主軸は矢印21で示される。かかる矢印
22と矢印21とが略平行又は略直交するように調整す
る。
【0037】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に
説明するが本発明はこれらにより何ら限定されるもので
はない。なお特に断りのない限り、実施例および比較例
に記載された「部」は重量部を、「%」は「重量%」を
示すものとする。
【0038】(フレネルレンズシート及びレンチキュラ
ーレンズ用樹脂組成物の作製)エチレンオキシド変性ビ
スフェノールAジメタクリレート樹脂(「ファンクリル
FA−321M」日立化成社製)45%、エチレンオキ
シド変性ビスフェノールAジアクリレート樹脂(「NK
エステルA−BPE−4」新中村化学社製)25%、テ
トラヒドロフリルアクリレート樹脂(「サートマー28
5」サートマー社製)30%の混合物に、光開始剤とし
ての2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパ
ン−1−オン(「ダロキュア1173」メルクジャパン
社製)を当該混合物に対して3%となるように添加し紫
外線硬化型樹脂組成物を得た。
【0039】実施例1 水冷却した回転急冷ドラム上にシート形成ダイを通して
ポリエチレンテレフタレートを押出し未延伸シートを作
製した。この未延伸シートを幅方向に90℃で3.7倍
延伸した後、120℃で10秒間アニール処理を行っ
た。テンターを出た後、このシートをガラス転移温度
(Tg)以下に一旦冷却し、さらに230℃で熱固定処
理し、続いて200℃で4%弛緩処理して厚さ100×
103 nmの一軸延伸ポリエチレンテレフタレートシー
トを得た。この一軸延伸ポリエチレンテレフタレートシ
ートのリターデーション値は11×103 nm、全光線
透過率は90%、配向主軸の最大歪みは7度であった。
【0040】フレネルレンズ形状のスタンパーに上記作
製した紫外線硬化型樹脂組成物を充填しその上に上記ポ
リエチレンテレフタレートシートを乗せて、該シート側
から80W/cmの高圧水銀灯を用いて紫外線(320
〜390nm)を照射し硬化させてフレネルレンズシー
トを得た。
【0041】当該フレネルレンズシートとメタクリル樹
脂製のレンチキュラーレンズシートを組み合わせてスク
リーンとした。かかるスクリーンを、投射光の偏向軸と
レンズシートの配向主軸の方向が平行となるように液晶
プロジェクターに設置し、表示品位の評価を行ったとこ
ろ、色ムラがない良好な画像表示であった。
【0042】実施例2 水冷却した回転急冷ドラム上にシート形成ダイを通して
ポリエチレンテレフタレートを押出し未延伸シートを作
製した。この未延伸シートを幅方向に90℃で3.7倍
延伸した後、120℃で10秒間アニール処理を行っ
た。テンターを出た後、シート両端部を端から20mm
の位置でトリミングし、熱収縮量の小さい部位を切除し
た。続いてセラミックロールでシートを160℃に加熱
しながら2%弛緩処理を行った。その後、シート両端部
をクリップで把持し230℃で熱固定処理し、さらに2
00℃で4%弛緩処理して厚さ100×103 nmの一
軸延伸ポリエチレンテレフタレートシートを得た。この
一軸延伸ポリエチレンテレフタレートシートのリターデ
ーション値は11×103 nm、全光線透過率は90
%、配向主軸の最大歪みは5度であった。
【0043】上記作製したポリエチレンテレフタレート
シートを実施例1と同様にしてフレネルレンズシートと
し、メタクリル樹脂製のレンチキュラーレンズシートを
組み合わせてスクリーンとした。かかるスクリーンを、
投射光の偏向軸とレンズシートの配向主軸の方向が平行
となるように液晶プロジェクターに設置し、表示品位の
評価を行ったところ、色ムラがない良好な画像表示で、
さらに光線透過量の均一性が向上していた。
【0044】実施例3 フレネルレンズシートの配向主軸の方向を投射光の偏向
軸と直交するように取り付けた以外は実施例1同様にし
て実施し、表示品位の評価を行ったところ、色ムラがな
い良好な画像表示であった。
【0045】実施例4 レンチキュラーレンズ形状のスタンパーに上記作製した
紫外線硬化型樹脂組成物を充填しその上に実施例1で作
製したポリエチレンテレフタレートシートを乗せて、該
シート側から80W/cmの高圧水銀灯を用いて紫外線
(320〜390nm)を照射し硬化させてレンチキュ
ラーレンズシートを得た。
【0046】このレンチキュラーレンズシートとメタク
リル樹脂製のフレネルレンズシートを組み合わせてスク
リーンとした。このスクリーンを実施例1と同様にして
評価したところ、色ムラがない良好な画像表示であっ
た。
【0047】実施例5 フレネルレンズ形状及びレンチキュラーレンズ形状のス
タンパーに実施例1で作製した紫外線硬化型樹脂組成物
を充填しその上に実施例1で作製したポリエチレンテレ
フタレートシートを乗せて、該シート側から80W/c
mの高圧水銀灯を用いて紫外線(320〜390nm)
を照射し硬化させて、フレネルレンズシート及びレンチ
キュラーレンズシートを得た。
【0048】このフレネルレンズシートとレンチキュラ
ーレンズシートを各レンズシートの配向主軸が平行にな
るように組み合わせてスクリーンを作製した。このスク
リーンを実施例1と同様にして評価したところ、色ムラ
がない良好な画像表示であった。
【0049】実施例6 水冷却した回転急冷ドラム上にシート形成ダイを通して
ポリエチレン−2,6−ナフタレートを押出し未延伸シ
ートを作製した。この未延伸シートを幅方向に110℃
で4.0倍に延伸した後、130℃で10秒間アニール
処理を行った。テンターを出た後、シートをガラス転移
温度以下に一旦冷却し、さらに230℃で熱固定処理
し、続いて210℃で4%弛緩処理して厚さ110×1
3 nmの一軸延伸ポリエチレン−2,6−ナフタレー
トシートを得た。この一軸延伸ポリエチレン−2,6−
ナフタレートシートのリターデーション値は12×10
3 nm、全光線透過率は89%、配向主軸の最大歪みは
7度であった。
【0050】実施例1のポリエチレンテレフタレートシ
ートの代わりに上記一軸延伸ポリエチレン−2,6−ナ
フタレートシートを使用した以外は実施例1と同様にフ
レネルレンズシート、スクリーンを作製し、表示品位の
評価を行ったところ、色ムラがない良好な画像表示であ
った。
【0051】比較例1 水冷却した回転急冷ドラム上にシート形成ダイを通して
ポリエチレンテレフタレートを押出し未延伸シートを作
製した。この未延伸シートを幅方向に90℃で3.8倍
延伸して厚さ50×103 nmの一軸延伸ポリエチレン
テレフタレートシートを得た。この一軸延伸ポリエチレ
ンテレフタレートシートのリターデーション値は1.8
×103 nm、全光線透過率は90%、配向主軸の最大
歪みは4度であった。
【0052】実施例1のポリエチレンテレフタレートシ
ートの代わりに上記作製した一軸延伸ポリエチレンテレ
フタレートシートを使用した以外は実施例1と同様にフ
レネルレンズシート、スクリーンを作製し、表示品位の
評価を行ったところ、光の干渉が観察され画像表示は不
良であった。
【0053】比較例2 横延伸処理後、続けてテンターにおいて熱固定処理およ
び横弛緩処理を行った以外は実施例1と同様にして一軸
延伸ポリエチレンテレフタレートシートを得た。この一
軸延伸ポリエチレンテレフタレートシートのリターデー
ション値は11×103 nm、全光線透過率は90%、
配向主軸の最大歪みは12度であった。
【0054】実施例1のポリエチレンテレフタレートシ
ートの代わりに上記作製した一軸延伸ポリエチレンテレ
フタレートシートを使用した以外は実施例1と同様にフ
レネルレンズシート、スクリーンを作製し、表示品位の
評価を行ったところ、コントラストのムラが観察され、
画像表示は不良であった。
【0055】比較例3 水冷却した回転急冷ドラム上にシート形成ダイを通して
ポリエチレンテレフタレートを押出し未延伸シートを作
製した。この未延伸シートを長手方向に3.2倍延伸し
た後、幅方向に3.5倍延伸し、230℃で熱固定して
厚さ100×103 nmの二軸延伸ポリエチレンテレフ
タレートシートを得た。この二軸延伸ポリエチレンテレ
フタレートシートのリターデーション値は3.1×10
3 nm、全光線透過率は91%、配向主軸の最大歪みは
35度であった。
【0056】実施例1のポリエチレンテレフタレートシ
ートの代わりに上記作製した二軸延伸ポリエチレンテレ
フタレートシートを使用した以外は実施例1と同様にフ
レネルレンズシート、スクリーンを作製し、表示品位の
評価を行ったところ、光の干渉が観察され画像表示は不
良であった。
【0057】比較例4 実施例1で作製した一軸延伸ポリエチレンテレフタレー
トシートの配向主軸と投射光の偏向軸とが平行及び直交
しないように、実施例1で作製したスクリーンを液晶プ
ロジェクターに設置し表示品位の評価を行ったところ、
当該ポリエチレンテレフタレートシートの複屈折効果に
よる干渉が観察された。
【0058】
【発明の効果】特定範囲のリターデーション値を有し、
且つ一軸異方性を示す本発明の透明性プラスチックシー
トを備えたフレネルレンズシート及びレンチキュラーレ
ンズシートをスクリーンとして用いれば、大型化しても
なお視野特性に優れ、また色変わり、色ムラが生じない
画像表示装置が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のフレネルレンズシートの一例を模式的
に示した断面図である。
【図2】本発明のレンチキュラーレンズシートの一例を
模式的に示した断面図である。
【図3】本発明のスクリーンの一例を模式的に示した断
面図である。
【図4】背面投射型画像表示装置の基本構成を示す概略
図である。
【図5】本発明のフレネルレンズシート及びレンチキュ
ラーレンズシートの設置位置を模式的に示した説明図で
ある。
【符号の説明】
1 フレネルレンズシート 2 レンチキュラーレンズシート 3 スクリーン 4 投射レンズ 5 液晶パネル 6 光源 7 投射光 11 フレネルレンズ 12 透明性プラスチックシート 13 レンチキュラーレンズ 21 一軸異方性透明プラスチックシートの配向軸方向 22 投射光の偏向軸方向
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山田 陽三 滋賀県大津市堅田二丁目1番1号 東洋紡 績株式会社総合研究所内 Fターム(参考) 2H021 BA22 BA23 BA27 BA29 BA32

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記式(1)から算出されるリターデー
    ション値が2×10 3 nm以上であり、一軸異方性を示
    すことを特徴とする透明性プラスチックシート。 (リターデーション値)=|Nx−Ny|×d・・・・・・・(1) 〔式中、Nx、Nyはシート上の直交する二軸の屈折率
    であり、dはシートの厚さ(nm)である〕
  2. 【請求項2】 配向主軸の最大歪みが10度以下である
    請求項1記載の透明性プラスチックシート。
  3. 【請求項3】 透明性プラスチックシートがポリエステ
    ル系樹脂で構成されてなる請求項1又は2記載の透明性
    プラスチックシート。
  4. 【請求項4】 透明性プラスチックシートがポリエチレ
    ンテレフタレート樹脂又はこれを主体とするポリエステ
    ル樹脂で構成されてなる請求項1又は2記載の透明性プ
    ラスチックシート。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至4のいずれかに記載の透明
    性プラスチックシートとフレネルレンズを備えたフレネ
    ルレンズシート。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至4のいずれかに記載の透明
    性プラスチックシートとレンチキュラーレンズを備えた
    レンチキュラーレンズシート。
  7. 【請求項7】 請求項5のフレネルレンズシート又は/
    及び請求項6のレンチキュラーレンズシートを備えた投
    射型画像表示用スクリーン。
  8. 【請求項8】 請求項5のフレネルレンズシート及び請
    求項6のレンチキュラーレンズシートのうち2以上の同
    一又は異なるレンズシートを備え、該レンズシートを構
    成する透明プラスチックシートの配向主軸間の関係が略
    平行又は略直交の関係にあることを特徴とする投射型画
    像表示用スクリーン。
  9. 【請求項9】 画像源と、画像源に形成した画像を拡大
    投射する投射レンズと、請求項7又は請求項8記載のス
    クリーンとを備えた投射型画像表示装置。
  10. 【請求項10】 投射レンズから投射される光の偏向軸
    と少なくとも一つの透明性プラスチックシートの配向主
    軸が略平行又は略直交する請求項9記載の投射型画像表
    示装置。
JP10365466A 1998-12-22 1998-12-22 透明性プラスチックシート及びそれを用いたレンズシート、スクリーン、投射型画像表示装置 Pending JP2000187282A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006039289A (ja) * 2004-07-28 2006-02-09 Sony Corp 光反射型光学媒体及びスクリーン
JP2006349962A (ja) * 2005-06-15 2006-12-28 Dainippon Printing Co Ltd フレネル基材シート、及び、フレネルレンズシート、透過型スクリーン、背面投射型表示装置
JP2007011208A (ja) * 2005-07-04 2007-01-18 Dainippon Printing Co Ltd フレネル基材シート、フレネルレンズシート、透過型スクリーン、背面投射型表示装置

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