JP2000185511A - 自動二輪車用バイアスタイヤ - Google Patents
自動二輪車用バイアスタイヤInfo
- Publication number
- JP2000185511A JP2000185511A JP10365301A JP36530198A JP2000185511A JP 2000185511 A JP2000185511 A JP 2000185511A JP 10365301 A JP10365301 A JP 10365301A JP 36530198 A JP36530198 A JP 36530198A JP 2000185511 A JP2000185511 A JP 2000185511A
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- JP
- Japan
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- carcass
- tire
- band
- line
- degrees
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 バンドの利点を維持しながらタイヤ剛性を高
めることができ、軽量化と操縦安定性の向上を両立して
達成しうる。 【解決手段】 カーカスコードをタイヤ周方向に対して
30〜45度の角度で配列したカーカスプライ6a、6
bからなるカーカス6と、バンドコードをタイヤ周方向
に螺旋巻きしたバンドプライ7aからなるバンド7とを
具える。タイヤ1を正規リムJにリム組みしかつ正規内
圧を充填した内圧状態において、カーカスラインLのカ
ーカス最大巾点P1と、前記ビードコア5の中心点5G
とを通る傾き線Xの半径方向線Nに対するライン傾斜角
度αが20度以下である。
めることができ、軽量化と操縦安定性の向上を両立して
達成しうる。 【解決手段】 カーカスコードをタイヤ周方向に対して
30〜45度の角度で配列したカーカスプライ6a、6
bからなるカーカス6と、バンドコードをタイヤ周方向
に螺旋巻きしたバンドプライ7aからなるバンド7とを
具える。タイヤ1を正規リムJにリム組みしかつ正規内
圧を充填した内圧状態において、カーカスラインLのカ
ーカス最大巾点P1と、前記ビードコア5の中心点5G
とを通る傾き線Xの半径方向線Nに対するライン傾斜角
度αが20度以下である。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、軽量化と操縦安定
性の向上を両立して達成でき、特に大型車両の後輪用タ
イヤとして好適に採用しうる自動二輪車用バイアスタイ
ヤに関する。
性の向上を両立して達成でき、特に大型車両の後輪用タ
イヤとして好適に採用しうる自動二輪車用バイアスタイ
ヤに関する。
【0002】
【従来の技術、及び発明が解決しようとする課題】近
年、自動二輪車においては、大型化、高出力化の傾向が
強く、特にツアラー車用の後輪は、分担荷重が大きいた
めその荷重に耐えられるだけのタイヤ剛性が必要であ
る。一般的な対応法としては、カーカスのプライ枚数を
増加したり、またコード角度が小さいバイアス配列のカ
ーカスの外側に複数枚のベルトを巻装した所謂ベルテッ
ドバイアス構造を採用することが知られている。
年、自動二輪車においては、大型化、高出力化の傾向が
強く、特にツアラー車用の後輪は、分担荷重が大きいた
めその荷重に耐えられるだけのタイヤ剛性が必要であ
る。一般的な対応法としては、カーカスのプライ枚数を
増加したり、またコード角度が小さいバイアス配列のカ
ーカスの外側に複数枚のベルトを巻装した所謂ベルテッ
ドバイアス構造を採用することが知られている。
【0003】しかし、このような対応法は、何れも重量
増加を伴い、材料コストの上昇のみならず、燃費性を減
じるなど省資源化を阻害するという問題がある。
増加を伴い、材料コストの上昇のみならず、燃費性を減
じるなど省資源化を阻害するという問題がある。
【0004】特に、ベルトは、高速走行時のリフティン
グによりトレッド面の変形を充分に抑制できないため、
発熱性が増し高速耐久性に劣る傾向にあり、しかもタイ
ヤの動特性としても、コーナリングフォースが大きく、
操縦安定性の面で不利である。またベルトによるコーナ
リングフォースの上昇を抑えるために、トレッドゴムの
ゲージ厚の増加や軟質ゴムの使用が必要であり、重量増
加や高速耐久性のさらなる悪化を助長する。
グによりトレッド面の変形を充分に抑制できないため、
発熱性が増し高速耐久性に劣る傾向にあり、しかもタイ
ヤの動特性としても、コーナリングフォースが大きく、
操縦安定性の面で不利である。またベルトによるコーナ
リングフォースの上昇を抑えるために、トレッドゴムの
ゲージ厚の増加や軟質ゴムの使用が必要であり、重量増
加や高速耐久性のさらなる悪化を助長する。
【0005】そこで、本発明者は、従来のラジアルタイ
ヤにおいて採用されているバンドに着目し、該バンドを
ベルトに置き換えることを提案した。このバンドは、バ
ンドコードを周方向に沿って螺旋巻きしたものであり、
ベルトに比してコーナリングフォースを低く抑えること
ができる。従って、操縦安定性の面で有利であり、また
トレッドゴムにおけるゲージ厚の増加や軟質化が不要と
なるため、軽量化や高速耐久性の面でも有利となる。し
かも、リフティング量が小であるため発熱性の点でも好
ましい。
ヤにおいて採用されているバンドに着目し、該バンドを
ベルトに置き換えることを提案した。このバンドは、バ
ンドコードを周方向に沿って螺旋巻きしたものであり、
ベルトに比してコーナリングフォースを低く抑えること
ができる。従って、操縦安定性の面で有利であり、また
トレッドゴムにおけるゲージ厚の増加や軟質化が不要と
なるため、軽量化や高速耐久性の面でも有利となる。し
かも、リフティング量が小であるため発熱性の点でも好
ましい。
【0006】しかし、バンドはベルトに比してタイヤ剛
性の面では不利であり、従って重量増加等を招くことな
く、このバンドの利点を維持しながらタイヤ剛性を向上
しうる新規な手段が要求される。
性の面では不利であり、従って重量増加等を招くことな
く、このバンドの利点を維持しながらタイヤ剛性を向上
しうる新規な手段が要求される。
【0007】そこで本発明は、以上のような状況に鑑み
案出されたものであり、その目的は、カーカスラインの
ビード部における傾斜角度(ライン傾斜角度)を所定範
囲に規制することを基本として、バンドの利点を維持し
ながらタイヤ剛性を高めることができ、軽量化と操縦安
定性の向上を両立して達成しうる自動二輪車用バイアス
タイヤを提供することにある。
案出されたものであり、その目的は、カーカスラインの
ビード部における傾斜角度(ライン傾斜角度)を所定範
囲に規制することを基本として、バンドの利点を維持し
ながらタイヤ剛性を高めることができ、軽量化と操縦安
定性の向上を両立して達成しうる自動二輪車用バイアス
タイヤを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、請求項1の発明の自動二輪車用バイアスタイヤは、
トレッド部からサイドウォール部をへてビード部のビー
ドコアに至る本体部を有するとともにカーカスコードを
タイヤ周方向に対して30〜45度の角度で配列したカ
ーカスプライからなるカーカスと、トレッド部の内方か
つ前記カーカスの外側に配されるとともにバンドコード
をタイヤ周方向に螺旋巻きしたバンドプライからなるバ
ンドとを具え、タイヤを正規リムにリム組みしかつ正規
内圧を充填した内圧状態において、前記カーカスの本体
部の厚さ中間点を通るカーカスラインのタイヤ軸方向最
外点であるカーカス最大巾点と、前記ビードコアの中心
点とを通る傾き線Xの半径方向線Nに対するライン傾斜
角度αが20度以下であることを特徴としている。
に、請求項1の発明の自動二輪車用バイアスタイヤは、
トレッド部からサイドウォール部をへてビード部のビー
ドコアに至る本体部を有するとともにカーカスコードを
タイヤ周方向に対して30〜45度の角度で配列したカ
ーカスプライからなるカーカスと、トレッド部の内方か
つ前記カーカスの外側に配されるとともにバンドコード
をタイヤ周方向に螺旋巻きしたバンドプライからなるバ
ンドとを具え、タイヤを正規リムにリム組みしかつ正規
内圧を充填した内圧状態において、前記カーカスの本体
部の厚さ中間点を通るカーカスラインのタイヤ軸方向最
外点であるカーカス最大巾点と、前記ビードコアの中心
点とを通る傾き線Xの半径方向線Nに対するライン傾斜
角度αが20度以下であることを特徴としている。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、図
示例とともに説明する。図1は、本発明の自動二輪車用
バイアスタイヤ1(以下タイヤ1という)が、例えばタ
イヤサイズが160/70−17の大型車両の後輪用タ
イヤとして形成される場合を例示しており、また図1の
状態は、タイヤ1を正規リムJにリム組みしかつ正規内
圧を充填した内圧状態における子午断面を示している。
示例とともに説明する。図1は、本発明の自動二輪車用
バイアスタイヤ1(以下タイヤ1という)が、例えばタ
イヤサイズが160/70−17の大型車両の後輪用タ
イヤとして形成される場合を例示しており、また図1の
状態は、タイヤ1を正規リムJにリム組みしかつ正規内
圧を充填した内圧状態における子午断面を示している。
【0010】なお、本明細書において「正規リムJ」と
は、タイヤが基づいている規格を含む規格体系におい
て、当該規格がタイヤ毎に定めるリムであり、例えばJ
ATMAであれば標準リム、TRAであれば "Design R
im" 、或いはETRTOであれば "Measuring Rim" と
なる。また、「正規内圧」とは、タイヤが基づいている
規格を含む規格体系において、各規格がタイヤ毎に定め
ている空気圧であり、JATMAであれば最高空気圧、
TRAであれば表 "TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD
INFLATION PRESSURES" に記載の最大値、ETRTOで
あれば "INFLATION PRESSURE" である。
は、タイヤが基づいている規格を含む規格体系におい
て、当該規格がタイヤ毎に定めるリムであり、例えばJ
ATMAであれば標準リム、TRAであれば "Design R
im" 、或いはETRTOであれば "Measuring Rim" と
なる。また、「正規内圧」とは、タイヤが基づいている
規格を含む規格体系において、各規格がタイヤ毎に定め
ている空気圧であり、JATMAであれば最高空気圧、
TRAであれば表 "TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD
INFLATION PRESSURES" に記載の最大値、ETRTOで
あれば "INFLATION PRESSURE" である。
【0011】図1において、タイヤ1は、トレッド端T
E間をのびる凸曲線状のトレッド部2と、このトレッド
部2から半径方向内方にのびるサイドウォール部3と、
各サイドウォール部3の内方端に位置するビード部4と
を具え、このビード部4、4間にはカーカス6が架け渡
されるとともにこのカーカス6の半径方向外側かつトレ
ッド部2の内方にはバンド7が配される。
E間をのびる凸曲線状のトレッド部2と、このトレッド
部2から半径方向内方にのびるサイドウォール部3と、
各サイドウォール部3の内方端に位置するビード部4と
を具え、このビード部4、4間にはカーカス6が架け渡
されるとともにこのカーカス6の半径方向外側かつトレ
ッド部2の内方にはバンド7が配される。
【0012】なおタイヤ1は、前記内圧状態におけるト
レッド面上の赤道点Cpとトレッド端TEとの間の半径
方向及びタイヤ軸方向の各距離C、LOの比C/LOで
定義されるキャンバー値C/LOは、0.3〜0.7、
好ましくは0.5〜0.7であって、これによって車体
をバンクさせての旋回性能を確保している。
レッド面上の赤道点Cpとトレッド端TEとの間の半径
方向及びタイヤ軸方向の各距離C、LOの比C/LOで
定義されるキャンバー値C/LOは、0.3〜0.7、
好ましくは0.5〜0.7であって、これによって車体
をバンクさせての旋回性能を確保している。
【0013】前記カーカス6は、トレッド部2からサイ
ドウォール部3をへてビード部4のビードコア5に至る
本体部6Aと、この本体部6Aに連なり前記ビードコア
5の周りをタイヤ軸方向内側から外側に折り返された折
返し部6Bとを一体に有する少なくとも2枚、好ましく
は2枚のカーカスプライ6a、6bで構成される。
ドウォール部3をへてビード部4のビードコア5に至る
本体部6Aと、この本体部6Aに連なり前記ビードコア
5の周りをタイヤ軸方向内側から外側に折り返された折
返し部6Bとを一体に有する少なくとも2枚、好ましく
は2枚のカーカスプライ6a、6bで構成される。
【0014】このカーカスプライ6a、6bは、ラジア
ル構造よりも高いタイヤ剛性を得るために、カーカスコ
ードをタイヤ周方向に対して30〜45度の角度で配列
されたバイアス構造をなし、各カーカスコードがプライ
間相互で互いに交差するようにコードの向きを違えて配
している。カーカスコードとしては、ナイロン、ポリエ
ステル、レーヨン、芳香族ポリアミド等の有機繊維コー
ドが好適に採用される。
ル構造よりも高いタイヤ剛性を得るために、カーカスコ
ードをタイヤ周方向に対して30〜45度の角度で配列
されたバイアス構造をなし、各カーカスコードがプライ
間相互で互いに交差するようにコードの向きを違えて配
している。カーカスコードとしては、ナイロン、ポリエ
ステル、レーヨン、芳香族ポリアミド等の有機繊維コー
ドが好適に採用される。
【0015】また前記本体部6Aと折返し部6Bとの間
には、ビードコア5から半径方向外方にのびる断面先細
状のビードエーペックスゴム8が設けられる。このビー
ドエーペックスゴム8は、JISAゴム硬度HSaが6
5〜95゜の硬質ゴムからなり、ビード部4に剛性を付
与するとともにサイドウォール部3にかけて補強してい
る。
には、ビードコア5から半径方向外方にのびる断面先細
状のビードエーペックスゴム8が設けられる。このビー
ドエーペックスゴム8は、JISAゴム硬度HSaが6
5〜95゜の硬質ゴムからなり、ビード部4に剛性を付
与するとともにサイドウォール部3にかけて補強してい
る。
【0016】次に、前記バンド7は、バンドコードをタ
イヤ周方向に対して5度以下の角度を有して螺旋巻きし
た1枚以上、好ましくは1枚のエンドレス状のバンドプ
ライ7aからなる。このバンドプライ7aには、通常バ
ンドコードとして用いられている、ナイロン、ポリエス
テル、レーヨン等の低弾性の有機繊維コードに代え、例
えば芳香族ポリアミド(アラミド)、全芳香族ポリエス
テル、ポリビニルアルコールなどの高弾性の有機繊維コ
ード、或いはスチールコードが好適に使用できる。
イヤ周方向に対して5度以下の角度を有して螺旋巻きし
た1枚以上、好ましくは1枚のエンドレス状のバンドプ
ライ7aからなる。このバンドプライ7aには、通常バ
ンドコードとして用いられている、ナイロン、ポリエス
テル、レーヨン等の低弾性の有機繊維コードに代え、例
えば芳香族ポリアミド(アラミド)、全芳香族ポリエス
テル、ポリビニルアルコールなどの高弾性の有機繊維コ
ード、或いはスチールコードが好適に使用できる。
【0017】このようなエンドレス状のバンド7は、1
枚のプライでも充分なタガ効果を発揮できるため、従来
のベルトに比べてプライ枚数を大巾に減じながら、すな
わち軽量化を図りながら、高速走行時のリフティングを
確実に抑制できる。しかも、コーナリングフォースを低
く抑えることができるため、例えばトレッドゴムにおけ
るゲージ厚の増加や軟質ゴムの使用等を行うことなく、
操縦安定性を高く維持することが可能となる。
枚のプライでも充分なタガ効果を発揮できるため、従来
のベルトに比べてプライ枚数を大巾に減じながら、すな
わち軽量化を図りながら、高速走行時のリフティングを
確実に抑制できる。しかも、コーナリングフォースを低
く抑えることができるため、例えばトレッドゴムにおけ
るゲージ厚の増加や軟質ゴムの使用等を行うことなく、
操縦安定性を高く維持することが可能となる。
【0018】そして本発明では、前記バンド7による利
点を維持しながら、このバンド構造によるタイヤ剛性の
減少を抑えるために、図2に示すように、前記内圧状態
のタイヤ1において、前記カーカスの本体部6Aの厚さ
中間点を通るカーカスラインLの、ビード部4における
ライン傾き角度αが20度以下であることを特徴として
いる。
点を維持しながら、このバンド構造によるタイヤ剛性の
減少を抑えるために、図2に示すように、前記内圧状態
のタイヤ1において、前記カーカスの本体部6Aの厚さ
中間点を通るカーカスラインLの、ビード部4における
ライン傾き角度αが20度以下であることを特徴として
いる。
【0019】ここで「ライン傾き角度α」は、前記カー
カスラインLのタイヤ軸方向最外点であるカーカス最大
巾点P1と、前記ビードコア5の中心点5Gとを通る傾
き線Xの半径方向線Nに対する角度α角度として定義さ
れる。また前記ビードコア5の中心点5Gとは、ビード
コア5の断面における図心(重心点)を意味する。
カスラインLのタイヤ軸方向最外点であるカーカス最大
巾点P1と、前記ビードコア5の中心点5Gとを通る傾
き線Xの半径方向線Nに対する角度α角度として定義さ
れる。また前記ビードコア5の中心点5Gとは、ビード
コア5の断面における図心(重心点)を意味する。
【0020】このライン傾き角度αが20度以下のと
き、カーカス6がその機能を有効に発揮できタイヤ剛性
を向上しうる。その理由は明らかでないが、以下による
ものと推測される。
き、カーカス6がその機能を有効に発揮できタイヤ剛性
を向上しうる。その理由は明らかでないが、以下による
ものと推測される。
【0021】すなわち、タイヤ変形時の応力は、カーカ
スラインLと直角方向の曲げ応力、及びカーカスライン
Lに沿う引張圧縮応力に分かれてカーカス6に作用する
が、前記ライン傾き角度αが20度以下の時、カーカス
最大巾点P1よりも下方側のカーカス部分6ALでは、
引張圧縮応力の占める割合が大巾に増加する。その結
果、曲げ弾性力よりも大きい引張弾性力によって加重を
支持する分担比率が高まり、カーカス部分6ALの荷重
支承能力が向上するためと考えられる。
スラインLと直角方向の曲げ応力、及びカーカスライン
Lに沿う引張圧縮応力に分かれてカーカス6に作用する
が、前記ライン傾き角度αが20度以下の時、カーカス
最大巾点P1よりも下方側のカーカス部分6ALでは、
引張圧縮応力の占める割合が大巾に増加する。その結
果、曲げ弾性力よりも大きい引張弾性力によって加重を
支持する分担比率が高まり、カーカス部分6ALの荷重
支承能力が向上するためと考えられる。
【0022】従って、ライン傾き角度αが20度以下の
時、カーカス6の変形が相対的に減じるなどタイヤ剛性
が高まり、バンド7による利点を維持しながら軽量化と
操縦安定性の向上を両立して達成しうるのである。なお
タイヤ剛性の観点から、前記ライン傾き角度αは、17
度以下、さらには15度以下とするのが好ましい。
時、カーカス6の変形が相対的に減じるなどタイヤ剛性
が高まり、バンド7による利点を維持しながら軽量化と
操縦安定性の向上を両立して達成しうるのである。なお
タイヤ剛性の観点から、前記ライン傾き角度αは、17
度以下、さらには15度以下とするのが好ましい。
【0023】また本例では、前記ビードエーペックスゴ
ム8が、前記カーカス最大巾点P1よりも半径方向内方
で終端し、前記カーカス部分6ALの曲げ変形をさらに
抑制する場合を例示しており、このとき、カーカスプラ
イ6a、6bの少なくとも一方の折返し部を、前記カー
カス最大巾点P1とトレッド端TEとの間で終端させる
のが、プライ端剥離を防止する上で好ましい。
ム8が、前記カーカス最大巾点P1よりも半径方向内方
で終端し、前記カーカス部分6ALの曲げ変形をさらに
抑制する場合を例示しており、このとき、カーカスプラ
イ6a、6bの少なくとも一方の折返し部を、前記カー
カス最大巾点P1とトレッド端TEとの間で終端させる
のが、プライ端剥離を防止する上で好ましい。
【0024】
【実施例】図1の構造をなすタイヤサイ160/70−
17の自動二輪車用バイアスタイヤを表1の仕様に基づ
き試作するとともに、各試供タイヤの、バネ定数(縦バ
ネ定数、横バネ定数)、コーナリングパワー、重量、操
縦安定性をそれぞれ測定しその結果を表1に示す。なお
ライン傾き角度αの測定は、CTスキャンによるタイヤ
断層写真を撮影しカーカスラインを読み取り、角度を測
定した。
17の自動二輪車用バイアスタイヤを表1の仕様に基づ
き試作するとともに、各試供タイヤの、バネ定数(縦バ
ネ定数、横バネ定数)、コーナリングパワー、重量、操
縦安定性をそれぞれ測定しその結果を表1に示す。なお
ライン傾き角度αの測定は、CTスキャンによるタイヤ
断層写真を撮影しカーカスラインを読み取り、角度を測
定した。
【0025】(1)バネ定数:タイヤを正規リム(リム
サイズ:MT4.50)に装着し、室内試験器を用い
て、充填内圧290kPaで荷重別の撓み量を測定し、
基準荷重170kgf前後の勾配より縦バネ定数および
横バネ定数を測定し、比較例1を100とした指数によ
って比較した。数値が大きいほど横バネ定数が高い。
サイズ:MT4.50)に装着し、室内試験器を用い
て、充填内圧290kPaで荷重別の撓み量を測定し、
基準荷重170kgf前後の勾配より縦バネ定数および
横バネ定数を測定し、比較例1を100とした指数によ
って比較した。数値が大きいほど横バネ定数が高い。
【0026】(2)コーナリングパワー:室内試験器を
用いて測定したコーナリングフォースからコーナリング
パワーを求め、比較例1を100とした指数によって比
較した。数値が大きいほどコーナリングパワーが高い。
なおコーナリングパワーは、スリップ角+1°の時のコ
ーナリングフォース値CF(+1°)から、スリップ角
−1°の時のコーナリングフォース値CF(−1°)を
引いた値を2で割って得た、次式で示す、スリップ角1
°当たりのコーナリングフォースとして求める。 {CF(+1°)−CF(−1°)}/2 なおCF(+1°)、CF(−1°)は、プラスマイナ
スの符号を考慮する。
用いて測定したコーナリングフォースからコーナリング
パワーを求め、比較例1を100とした指数によって比
較した。数値が大きいほどコーナリングパワーが高い。
なおコーナリングパワーは、スリップ角+1°の時のコ
ーナリングフォース値CF(+1°)から、スリップ角
−1°の時のコーナリングフォース値CF(−1°)を
引いた値を2で割って得た、次式で示す、スリップ角1
°当たりのコーナリングフォースとして求める。 {CF(+1°)−CF(−1°)}/2 なおCF(+1°)、CF(−1°)は、プラスマイナ
スの符号を考慮する。
【0027】(3)重量:タイヤ1本当たりの重量を測
定し、比較例1を100とする指数で表示している。指
数は小さい方が良好である。
定し、比較例1を100とする指数で表示している。指
数は小さい方が良好である。
【0028】(4)操縦安定性:前記正規リムにリム組
みしたタイヤを1100ccの大型二輪車の後輪に取付
け、テストコースを実車走行したときのドライバーのフ
ィーリングにより、比較例1を100とする指数で表示
している。指数は小さい方が良好である。
みしたタイヤを1100ccの大型二輪車の後輪に取付
け、テストコースを実車走行したときのドライバーのフ
ィーリングにより、比較例1を100とする指数で表示
している。指数は小さい方が良好である。
【0029】
【表1】
【0030】実施例のタイヤは、ライン傾き角度αを2
0以下に設定することにより、コーナリングフォースを
低く保ちながら、カーカスのプライ枚数が3枚のものと
略同レベルまでタイヤ剛性を引上げることができ、軽量
化と操縦安定性の向上とを達成できる。
0以下に設定することにより、コーナリングフォースを
低く保ちながら、カーカスのプライ枚数が3枚のものと
略同レベルまでタイヤ剛性を引上げることができ、軽量
化と操縦安定性の向上とを達成できる。
【0031】
【発明の効果】本発明は叙上の如く構成しているため、
バンドの利点を維持しながらタイヤ剛性を高めることが
でき、軽量化と操縦安定性の向上を両立して達成しう
る。
バンドの利点を維持しながらタイヤ剛性を高めることが
でき、軽量化と操縦安定性の向上を両立して達成しう
る。
【図1】本発明の一実施例のタイヤの断面図である。
【図2】内圧状態におけるビード部でのカーカスライン
を拡大して示す線図である。
を拡大して示す線図である。
2 トレッド部 3 サイドウォール部 4 ビード部 5 ビードコア 5G ビードコアの中心点 6 カーカス 6A 本体部 6a、6b カーカスプライ 7 バンド 7a バンドプライ J 正規リム L カーカスライン P1 カーカス最大巾点
Claims (1)
- 【請求項1】トレッド部からサイドウォール部をへてビ
ード部のビードコアに至る本体部を有するとともにカー
カスコードをタイヤ周方向に対して30〜45度の角度
で配列したカーカスプライからなるカーカスと、トレッ
ド部の内方かつ前記カーカスの外側に配されるとともに
バンドコードをタイヤ周方向に螺旋巻きしたバンドプラ
イからなるバンドとを具え、 タイヤを正規リムにリム組みしかつ正規内圧を充填した
内圧状態において、前記カーカスの本体部の厚さ中間点
を通るカーカスラインのタイヤ軸方向最外点であるカー
カス最大巾点と、前記ビードコアの中心点とを通る傾き
線Xの半径方向線Nに対するライン傾斜角度αが20度
以下であることを特徴とする自動二輪車用バイアスタイ
ヤ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP36530198A JP3377459B2 (ja) | 1998-12-22 | 1998-12-22 | 自動二輪車用バイアスタイヤ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP36530198A JP3377459B2 (ja) | 1998-12-22 | 1998-12-22 | 自動二輪車用バイアスタイヤ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000185511A true JP2000185511A (ja) | 2000-07-04 |
JP3377459B2 JP3377459B2 (ja) | 2003-02-17 |
Family
ID=18483933
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP36530198A Expired - Fee Related JP3377459B2 (ja) | 1998-12-22 | 1998-12-22 | 自動二輪車用バイアスタイヤ |
Country Status (1)
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---|---|
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