JP2000185106A - 皮膚吸収型薬液投与装置 - Google Patents

皮膚吸収型薬液投与装置

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正孝 榮田
Osamu Shikame
修 鹿目
Kazunari Shishido
一成 宍戸
Tetsuhiro Ohashi
哲洋 大橋
Koji Fukunaga
耕司 福長
Koichi Komata
好一 小俣
Keiichiro Tsukuda
圭一郎 佃
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 非接触で皮膚吸収型薬剤を生体に投与する。 【解決手段】 薬液吐出部4から薬液300を吐出して
飛翔させ、非接触で皮膚55に投与する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、人体や動物の生体
に有用な薬液を皮膚を経由して投与する皮膚吸収型薬液
投与装置に関するもので、主に、医療分野に用いられる
ものである。動物の場合は、獣医学的医療分野に用いら
れるものである。
【0002】さらに、詳しくは、携帯型の機器を用いて
連続的もしくは、断続的、あるいは、ある制御プログラ
ムにより、種々の要因や因子に応じて薬液を投与する皮
膚吸収型薬液投与装置に関するものである。
【0003】また、さらに詳しくは、前記投与機構が、
皮膚への違和感やかぶれや炎症などの発生を防止するた
めに、皮膚に対して非接触型で薬液を投与する装置に関
するものである。
【0004】また、医療用ばかりでなく、薬効成分を健
康薬や美容薬に変更して、女性の肌や体の美容に応用す
ることで美容やエステティックにも関連するものであ
る。
【0005】
【従来の技術】皮膚経由の皮膚吸収型薬液投与方法は、
古くから湿布やバンソウコウなどといった炎症や腫れ、
かぶれなどの症状を押さえる薬液を、布や亜鉛華などの
粘着物に含浸させて、これを患部に直接あて、治療する
方法が知られている。これらの技術を詳しく公開したも
のの一例が、日本国特許登録第2533339号に示さ
れる湿布薬組成物とその投与方法であり、各種の薬効組
成物を複数組み合わせて、湿布薬として投与することが
記載されている。
【0006】しかしながら、この投与方法では主に2つ
の大きな問題点が存在する。
【0007】その第一の問題点は、湿布薬として湿布構
造体に前記の薬効成分を吸収させ、この状態の湿布薬を
皮膚に直接貼り付けて、所謂、拡散効果で薬液を皮膚経
由で吸収させるものであるために、その効能は貼り付け
初期に高く、暫時減衰して行くことは自明である。
【0008】また、効果が強すぎた場合は、該湿布薬を
取り除く必要がある。しかし、各自経験が在られると思
うが該湿布薬を除去するときに、非常に、痛い思いをす
る。これは、前記湿布薬が皮膚へ良好に密着しており、
且つ、表面にある微細な毛にまで密着しているために、
除去する時に皮膚に傷を付けるためである。むしろ、第
一の主な問題点は、薬効が暫時減衰することである。
【0009】第2の主な問題点は、前述した除去時の痛
みもその中に含まれるが、湿布薬が直接皮膚に接触して
いるために、違和感やかぶれやややもすると炎症を起こ
すことである。
【0010】このような問題点を一部解消したものが、
特開平9−262285号公報に記載されている。それ
は、図4に示すように薬液の貯蔵された薬液タンクから
薬液を吸引し、これを携帯の注入器により体内に注射針
などにより投与するというものである。この場合は皮膚
吸収型の薬液ばかりでなく、皮下注射や静脈注射などで
直接人体の血管に投与し臓器などの患部に効果を上げる
ように構成されている。注射を皮膚投与に切り替えれ
ば、容易に皮膚投与形態の薬液投与方法とすることは可
能であることは自明である。
【0011】しかしながら、この方法にも解決すべき問
題が存在する。それは、薬液の供給圧力を上げないと皮
膚に吹き付けることが不可能であり、吹き付けや噴霧が
不可能であれば、直接皮膚に接触しておかねばならな
い。それでは、前記の違和感やかぶれなどの症状が発生
することを防止できないのである。さらに、技術内容を
検証すると、その装置は携帯型とは言え、図4に示すよ
うにかなり、大掛かりな装置である。その理由は、投与
の方法がポンプや電磁アクチュエータユニット101を
用いているために、投与量の精度が0.2ml程度の誤
差を有することで、必然的にその許容範囲を低減させる
ために薬液を低い濃度に下げているためである。投与の
精度を0.001ml(1マイクロリットル)程度の精
度以下に出来るのであれば、その薬液濃度も上げられ、
図4中の6に示す貯蔵タンクや貯蔵量の低減などによ
り、該装置の小型化も可能である。しかしながら、現行
のポンプや電磁アクチュエータを用いている段階では、
この精度はクリアできないし、装置の小型化も計れな
い。
【0012】従って、後者の問題点は、噴霧圧や供給圧
を高く設定できないので、直接皮膚への密着投与か、注
射などでの投与しかできないことであり、さらには、投
与量の精度がバラツキが大きいために薬液の濃度が低濃
度化され、そのために貯蔵タンクや貯蔵量が増大し、携
帯装置の小型化が十分に行えないという問題点である。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、前記
の問題点を解決することで、以下に掲げる項目である。 1)直接人体の皮膚に触れずに、薬液を投与できる方法
を見出し、違和感やかぶれ、炎症の発生の恐れのない投
与装置を提供する。 2)連続的に投与する場合は投与量の一定化を実現する
装置を提供する。 3)断続的、あるいは、症状に応じて時系列的に投与量
を変化させて投与する装置を提供する。 4)噴霧圧もしくは供給圧を上げて、供給部が直接人体
の皮膚に触れない投与装置を提供する。 5)投与量の精度を著しく向上させる方法を実現して、
薬液の薬効成分の濃度を高め、貯蔵薬液やそのタンクを
小型化し、装置の更なる小型化や携帯利便性を向上させ
た薬液の投与装置を提供する。
【0014】
【課題を解決するための手段】上述の問題を解決する本
発明は、皮膚吸収型薬液の収容部と、前記薬液を皮膚表
面に対し吐出する吐出口を備えた薬液吐出部と、前記収
容部から前記薬液吐出部へ薬液を供給する供給部と前記
薬液供給部からの薬液の吐出を制御する手段とを備え、
前記吐出口は前記薬液の投与時に皮膚表面と非接触であ
ることを特徴とする皮膚吸収型薬液投与装置である。
【0015】
【発明の実施の形態】以上の問題を解決する方法として
鋭意検討した結果、本発明者は、5ng〜60ngを最
小の秤量単位として精度保証可能な方法で、且つ、空間
を約20mm程度飛翔可能な方法である薬液吐出機構を
用いる薬液の皮膚投与方法を見出した。
【0016】つまり、前記の薬効のある薬性成分を含ん
だ液体を薬液吐出機構から、皮膚に噴射投与すること
で、直接皮膚に触れることの無い投与方法とすることが
可能である。
【0017】また、薬液吐出機構を電子回路にてプログ
ラム制御することで、連続且つ断続且つ、投与量の変動
を付けて投与可能である。さらに、薬液吐出により供給
圧も薬液が空間を飛翔するレベルまで容易に上昇せしめ
ることが可能である。
【0018】さらには、その吐出量精度は一旦吐出穴の
大きさや吐出時間(吐出素子の駆動時間)を設定すれ
ば、設定量の約5%以内である。しかも、一回の吐出量
が最低5ng(0.000005マイクロリットル)〜
60ng(0.000060マイクロリットル)まで制
御可能である。従って、0.1ミリリットル程度の精度
はいともたやすくクリア出来るし、その1/1000の
01マイクロリットルの精度なども容易に達成可能なも
のである。つまり、20ng(20×10(-9)g)と一
回の吐出量を設定した場合、60本の吐出ノズルを用い
て、0.1マイクロリットルの投与量を設定しようとす
れば、約83回の吐出を行う必要があり、その動作量の
5%の誤差としても、0.005マイクロリットルの誤
差しか有り得ないのである。さらには、60本のノズル
それぞれの駆動が制御出来るので、その秤量レベルもさ
らに高くなる。一本のノズルで投与すれば、かなり時間
がかかるとしても、60本のノズルであれば、短時間に
処理可能である。一回の吐出時間が、約50マイクロ秒
程度であるので、1万回の駆動でも僅か0.5秒程度で
ある。
【0019】このように薬液吐出機構を用いることで、
前記の薬液の投与に関する従来の問題点は十分に解決す
ることが可能となる。
【0020】図1に、本発明の一例にかかる薬液投与装
置の構成概略図を示す。図1(a)は装置の外観図であ
り、図1(b)はその透視図である。図2にその動作ブ
ロック図を示す。
【0021】図1に示すように、薬液吐出機構1は複数
の吐出ノズル2から、薬液3を非常に微量なレベルで秤
量、吐出、投与することが可能である。薬液吐出機構と
しては、いわゆるインクジェットプリンタに用いられる
液体吐出機構を用いるのが好適である。
【0022】薬液吐出機構は、吐出口毎に設けられ薬液
に熱による状態変化を生起させ該状態変化に基づいて薬
液を吐出口から吐出させて飛翔的液滴を形成する熱エネ
ルギー発生素子を有する。この素子4の駆動により、薬
液3はノズルから吐出し、人体の皮膚5へと付着する。
薬液中の薬効成分は、人体の皮膚の表面にある汗腺や皮
膚の細胞膜を経由して、毛細血管へと浸透し、その周り
の細胞へも浸透拡散し、そこから毛細血管を経由して、
静脈や動脈を経由し、人体の各部へと拡散、供給され
る。皮膚投与の特徴は経口投与と異なり薬物の解毒分解
作用のある肝臓を経由せずに直接的に患部若しくは人体
に投与されることも優位な点の1つである。
【0023】薬液3は吐出ノズル2から吐出された分だ
け、薬液貯蔵タンク6から供給されて来る。
【0024】図1に示すように、インクジェット吐出機
構1のノズル2の出口を木綿などの皮膚にやさしい構造
物7を用いて皮膚5より約3〜6mm程度浮かすように
設定してさらにプログラムにより断続的に投与するよう
にしておけば、皮膚5が常に薬液で濡れているわけでは
ないので、違和感やかぶれ、カユミなどの発生もない。
【0025】さらに、薬液吐出機構1は縦横10mm以
下で高さもせいぜい10mm程度であり、そこに薬液供
給部として薬液パイプ31で薬液タンク6と結合させ、
小型の吐出制御機構8を用いれば、小型の携帯に便利な
薬液投与装置が構成される。
【0026】薬液の量も、患部の症状にもよるが10m
lもあれば、一日の使用量は満足出来るはずであり、従
って、薬液タンク6の大きさもせいぜい20立方センチ
メートル程度以下となる。
【0027】このような携帯装置システム9を図2に示
すブロック図に基付いて動作させれば、良好な薬液の皮
膚投与方法が確立される。
【0028】その動作システムは、図2を用いて説明す
れば、まず、使用者は使用を開始するにあたり起動スイ
ッチ91を動作ONにする。これにより、電力供給部8
1より電力が薬液吐出制御機構8に供給される。薬液吐
出制御機構8に配置されている演算制御部61は動作プ
ログラム記憶メモリ部60より所定のプログラムに従い
動作を開始する。
【0029】このプログラムは主にどのようなタイミン
グでどの位置の薬液吐出素子42を動作させるのかの制
御を行うものである。その信号は、前記吐出制御機構8
より信号線41を経由して薬液吐出素子4に伝えられ
る。
【0030】また、吐出される薬液3は薬液タンク6よ
り薬液パイプ31を経由して薬液吐出素子4に供給され
る。薬液3は、薬液吐出部4により微少薬液滴300と
して空間を飛翔して人体5の皮膚55へ到達し、さらに
皮膚55を経由して細胞組織56へ到達する。このよう
にして薬液3は微少液滴となり、非常に精緻な量で人体
5へ投与され、最終的には細胞56や人体内部の毛細血
管へと供給される。
【0031】図3は、薬液吐出素子4を拡大した場合の
断面概略図である。
【0032】薬液吐出素子4中の薬液3は共通液室44
を経由して個別液室43に導入される。この個別液室4
3内の薬液30はインク吐出駆動素子42により加熱発
泡し、薬液吐出孔2より液滴300となって皮膚55に
向かって飛翔する。吐出素子4と皮膚55とは直接接触
しないように、保護構造物7で隔離されている構造とな
っているために、インクジェット吐出孔2と皮膚55は
直接接することが無く、違和感やかぶれ、かゆみを発生
することはない。
【0033】前記装置システム9を人体5に、ベルトで
固定し、動作スイッチ91をONにすると、吐出動作制
御機構8により、設定されたプログラムに応じて、吐出
機構1より必要とされる量の薬液3が皮膚上に投与され
る。人体の皮膚5は、この薬液3を吸収し、患部に至
り、薬効効果を発揮して、症状の緩和が行われる。一定
の量の薬液の投与が終了したら、吐出機構1は動作を停
止し、次の吐出のタイミングまで待機しておくことで一
連の動作が確立される。
【0034】(実施例−1)図1に示した装置を、キヤ
ノン社製BC−02のインクジェットカートリッジのイ
ンクジェット吐出機構の先端部を用いて製作した。この
製作した装置を、ボタン電池を電力供給源として動作さ
せた。薬液3は、興和製薬(株)のインドメタシン配合
の鎮痛薬を水とエチルアルコールにより薄めて、20セ
ンチポイズ程度の粘度として用いた。この装置を腰の部
分に2機、左右に装着することで、腰痛の改善効果が見
られた。投与のタイミングは、3分間に0.03ml断
続的に投与するというものである。
【0035】(実施例−2)また、上記の薬液を、武田
製薬(株)の水虫治療薬ダマリンを使用して、純水を用
いて20センチポイズ以下に薄め、水虫の症状のある者
に試験的に用いてもらった。その結果、3日後では、随
時、該薬液が投与されていた部分は、水虫の症状が改善
しているのが確認された。
【0036】(実施例−3)子豚の背中に本装置を強固
に固定し、あがいても取れないように配置した。
【0037】薬液として、皮膚に炎症が発生しない程度
の非常に薄めた唐辛子抽出物水溶液を投与した。この子
豚は、他の子豚よりも発育が遅れ、体が幾分小型であ
り、冬期の畜舎の中では震えていた。唐辛子抽出物は、
発熱効果を生み出すカプサイシンが含まれており、これ
を皮膚に投与すると発熱しかぶれを起こすが、韓国や北
朝鮮などでは唐辛子を靴の内部にいれ、足の皮膚と該唐
辛子中のカプサイシンの接触発熱効果による保温効果と
して利用している。
【0038】3分間に一回、0.02mlを子豚の背中
の皮膚に投与することを行った結果、この子豚は震えを
停止させ、元気になった。その後、この装置を1月間こ
の子豚に搭載した結果、この子豚の発育は他の子豚より
も順調に進行し、1月後では他の子豚と同等の大きさま
で発育した。
【0039】これと、同じ成分の上記薬液を、被験者の
腰痛部分と肩こりの部分に同様に1週間投与したとこ
ろ、腰痛と肩こりの改善効果が見られた。
【0040】(実施例−4)前記薬液吐出機構を複数の
液室に別れたキヤノン社製BC−05カートリッジのヘ
ッド機構を用いて構成した。このヘッドは、20個ずつ
のノズルが3つの種類のインクを吐出できるように分割
されているものである。この3つの液室を3種類の薬液
のインクタンクと接続した。
【0041】1つの薬液は前記のインドメタシン配合の
鎮痛薬効液、2つ目の薬液は前記唐辛子のカプサイシン
の発熱発汗薬効液、3つ目の薬液は武田製薬(株)のア
リナミン錠をエチルアルコール中で粉砕し、エチルアル
コールをほぼ蒸発せしめた後に純水に溶解させた薬液で
ある。
【0042】これらの3つの薬液を前記薬液タンク6に
それぞれのタンクに分けて投与した。これら薬液の投入
された前記のインクジェットによる薬液投与機構を被験
者の腰痛の患部に装填し、同様に1週間の試験を行っ
た。プログラムは、3分置きに、0.03mlをインド
メタシン薬効液、アリナミン抽出液カプサイシン液の順
番で行った。同時に、これらの薬液を試しに皮膚に投与
した結果、違和感を感じたので、別々に分けて投与する
こととした。その結果、腰痛は前回使用した場合より、
かなり改善された。
【0043】また、薬液吐出口が直接皮膚に接触してい
ない非接触型であるので、その部分に冷感や寒気を感じ
る場合は、その部分の皮膚に目の粗いガーゼなどを添付
しても良い。そうすることで、薬液が直接皮膚に到達す
る確率が上昇するし、また、ガーゼに染み込んだとして
も、ガーゼの繊維量は少ないので吸着量も少なく、さら
に、人体の方へ再吸収される。
【0044】ガーゼを、状況に応じて、適時薬液吸着量
の少ないポリエステルやプリプロピレンの粗い繊維にし
ても良い。このようにすることで、間接的な薬液の投与
を行うことが可能となる。
【0045】(実施例−5)ニトログリセリンは、血管
の拡張作用が有り、心筋梗塞などの心臓病の処置薬とし
て使用され、主に、経口投与の錠剤の形で市販され使用
されている。また、近年は経皮膚投与の貼り剤に染み込
ませた形での投与処方の場合もある。
【0046】ニトログリセリンが、本発明の薬液吐出機
構1にて、空間を飛翔して投与可能かどうかの実験を行
った。ニトログリセリンは水には不溶であるが、エチル
アルコール、イソプロピルアルコールなどには溶解す
る。日本国政府指定の防爆施設の内部にて、ニトログリ
セリンをイソプロピルアルコールに10wt%溶解させ
た溶液を作製し、これを1%のマゼンダ色素を溶解させ
た純水と1:1で混合し、ニトログリセリン5wt%の
薬液3とした。薬液は、薄いピンク色の均一な溶液とな
り、良好にニトログリセリンが混合溶解されていること
を示した。この薬液3を注射器にて慎重に薬液タンク6
に入れ、これを薬液吐出機構1にて、吐出、空間飛翔の
確認を行った。その結果、何ら危険を伴うことなく良好
に連続吐出と空間飛翔が確認された。確認は、紙の上に
前記薬液を付着させて、マゼンダの色が紙に付着してい
るかどうかで行った。前記の10%のニトログリセリン
のイソプロピルアルコール溶液とマゼンダ色素混合の純
水の混合比率を、2:1にしても良好な吐出と空間飛
翔、および、薬液の付着が確認された。上記の紙を、人
体の皮膚に変更すれば、ニトログリセリンの人体の皮膚
への投与は良好に行えるものである。また、イソプロピ
ルアルコールをエチルアルコールに変更すれば、人体へ
のニトログリセリンの投与薬液とすることは容易に可能
である。
【0047】以上のように、本発明の吐出機構に使用さ
れ得る溶液に溶解する薬物であれば、その薬物は制限さ
れない。使用され得る溶液としては、基本的には、水溶
液であることが望ましい。
【0048】
【発明の効果】本発明によれば、皮膚吸収型の薬液をイ
ンクジェットにて、空間を飛翔して投与することが可能
なことで、皮膚に薬液を投与する機器や器材が長期間接
触し続けることがなくなることで、皮膚に違和感やかぶ
れやアレルギー症状や炎症を起こすことなく、投与する
ことが可能となる。
【0049】また、プログラム制御による投与とするこ
とで、連続の投与ばかりでなく、時系列的に断続した
り、あるいは、ある周期をもって投与したり、投与量を
変化させたりすることが可能となる。また、何らかのセ
ンサーを併用すれば、その出力に応じて薬液の投与や投
与量の変化を付けて薬液を投与することが可能となる。
【0050】また、小型にして精度の良い薬液投与機構
を用いることが可能となるので、小型で且つ軽量の携帯
に便利な薬液投与装置を実現できる。
【0051】また、複数の薬液を投与する構成とするこ
とで、各薬液を同時に、もしくは、別々に、あるいは、
各種混合組み合わせながら投与できるので、複数の薬液
の相乗効果を期待できるばかりでなく、複数の症状に合
わせて薬液の投与も可能となる。
【0052】また、薬液の投与の最小単位を5〜60n
gと超微量にすることができるので、薬液を薄めること
なく、高い濃度で精緻に投与量を制御して投与可能とな
る。このことにより、薬液の携帯量や貯蔵量を低減する
ことが可能となり、装置の小型化、軽量化をさらに進展
させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる一例の薬液投与装置の概略斜視
図である。
【図2】そのブロック構成図である。
【図3】薬液投与部分の断面概略図である。
【図4】従来技術の概略説明図である。
【符号の説明】
1 薬液吐出機構 2 吐出ノズル 3 薬液 4 吐出部 5 人体 6 薬液貯蔵タンク 7 保護構造物 8 薬液吐出制御機構 9 携帯装置システム 30 個別液室中の薬液 31 薬液パイプ 41 薬液吐出駆動信号線 42 発熱素子 43 個別液室 44 共通液室 48 薬液タンク残量検知信号線 55 皮膚層 56 皮下組織 60 プログラム等の記憶メモリ部 61 演算制御部 81 電力供給部 82 電力供給線 91 動作スイッチ 94 筐体 95 固定ベルト 96 固定フック 300 飛翔中の薬液 100 従来の薬液投与機器 101 注入動作機構 102 その他制御機構
フロントページの続き (72)発明者 宍戸 一成 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノ ン株式会社内 (72)発明者 大橋 哲洋 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノ ン株式会社内 (72)発明者 福長 耕司 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノ ン株式会社内 (72)発明者 小俣 好一 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノ ン株式会社内 (72)発明者 佃 圭一郎 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノ ン株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 皮膚吸収型薬液の収容部と、 前記薬液を皮膚表面に対し吐出する吐出口を備えた薬液
    吐出部と、 前記収容部から前記薬液吐出部へ薬液を供給する供給部
    と、 前記薬液吐出部からの薬液の吐出を制御する手段とを備
    え、 前記吐出口は前記薬液の投与時に皮膚表面と非接触であ
    ることを特徴とする皮膚吸収型薬液投与装置。
  2. 【請求項2】 前記薬液吐出部は、前記薬液を吐出する
    複数の吐出口と、対応する吐出口毎に設けられ、薬液に
    熱による状態変化を生起させ該状態変化に基づいて薬液
    を前記吐出口から吐出させて飛翔的液滴を形成する熱エ
    ネルギー発生体を有することを特徴とする請求項1記載
    の皮膚吸収型薬液投与装置。
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