JP2004041464A - 装着型の皮膚吸収薬液の投与装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】インクジェットを用いて、個人の外出や軽微な作業にも支障をきたさない大面積の患部に薬液を携帯形式で投与可能なシステムを実現する。
【解決手段】インクジェットを用いて、個人の腰や背中などに装着容易な曲面形状を有する携帯型の薬液投与装置を構成し、薬液投与装置をプログラム制御により動作させて、複数の薬液を混合し、広い患部に投与する。且つ、装置の大きさがそれほどおおきくない構成とすることで、外出や軽微な作業を行うにあたっても、外部から判断されず、安心して装着が可能となる構成とする。
【選択図】 図1
【解決手段】インクジェットを用いて、個人の腰や背中などに装着容易な曲面形状を有する携帯型の薬液投与装置を構成し、薬液投与装置をプログラム制御により動作させて、複数の薬液を混合し、広い患部に投与する。且つ、装置の大きさがそれほどおおきくない構成とすることで、外出や軽微な作業を行うにあたっても、外部から判断されず、安心して装着が可能となる構成とする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明の利用分野は、人体や動物の生体に有用な薬液を皮膚を経由して投与する皮膚吸収型薬液投与方法に関するもので、主に、医療や健康分野に用いられるものである。動物の場合は、獣医学的医療分野に用いられるものである。
【0002】
さらに、詳しくは、携帯型の機器を用いて連続的もしくは、断続的、あるいは、ある制御プログラムにより、種々の要因や因子に応じて薬液を投与する皮膚吸収型薬液投与による医療に用いる方法や医療機器、装置に関するものである。
【0003】
また、さらに詳しくは、前記投与機構が、皮膚への違和感やかぶれや炎症などの発生を防止するために、皮膚に対して非接触型で薬液を投与する方法や機器、装置に関するものである。
【0004】
さらに、詳しくは、前記薬液の投与装置が人体に接触する面が、曲面を形成している装置に関するものである。
【0005】
また、医療用ばかりでなく、薬効成分を健康薬や美容薬に変更して、女性の肌や体の美容に応用することで美容やエステティックにも関連するものである。
【0006】
【従来の技術】
皮膚経由の皮膚吸収型薬液投与方法は、古くから湿布やバンソウコウなどといった炎症や腫れ、かぶれなどの症状を押さえる薬液を、布や亜鉛華などの粘着物に含浸させて、これを患部に直接あて、治療する方法が知られている。これらの技術を詳しく公開したものの一例が、日本国特許登録第2533339号に示される湿布薬組成物とその投与方法であり、各種の薬効組成物を複数組み合わせて、湿布薬として投与することが記載されている。
【0007】
しかしながら、この投与方法では主に2つの大きな問題点が存在する。
【0008】
その第一の問題点は、湿布薬として湿布構造体に前記の薬効成分を吸収させ、この状態の湿布薬を皮膚に直接貼り付けて、所謂、拡散効果で薬液を皮膚経由で吸収させるものであるために、その効能は貼り付け初期に高く、暫時減衰して行くことは自明である。
【0009】
また、効果が強すぎた場合は、該湿布薬を取り除く必要がある。しかし、各自経験が在られると思うが該湿布薬を除去するときに、非常に、痛い思いをする。これは、前記湿布薬が皮膚へ良好に密着しており、且つ、表面にある微細な毛にまで密着しているために、除去する時に皮膚に傷を付けるためである。むしろ、第一の主な問題点は、薬効が暫時減衰することである。
【0010】
第2の主な問題点は、前述した除去時の痛みもその中に含まれるが、湿布薬が直接皮膚に接触しているために、違和感やかぶれやややもすると炎症を起こすことである。
【0011】
このような問題点を一部解消したものが、日本国公開特許公報平09−262285に技術公開されている。それは、図9に示すように、薬液の貯蔵された薬液タンクから薬液を吸引し、これを携帯の注入器により体内に注射針などにより投与するというものである。この場合は皮膚吸収型の薬液ばかりでなく、皮下注射や静脈注射などで直接人体の血管に投与し臓器などの患部に効果を上げるように構成されている。注射を皮膚投与に切り替えれば、容易に皮膚投与形態の薬液投与方法とすることは可能であることは自明である。
【0012】
しかしながら、この方法にも大きな欠点が存在する。それは、薬液の供給圧力を上げないと皮膚に吹き付けることが不可能であり、吹き付けや噴霧が不可能であれば、直接皮膚に接触しておかねばならない。それでは、前記の違和感やかぶれなどの症状が発生することを防止できないのである。さらに、技術内容を検証すると、その装置は携帯型とは言え、かなり、大掛かりな装置である。その理由は、投与の方法がポンプや電磁アクチュエータを用いているために、投与量の精度が0.2ml程度の誤差を有することで、必然的にその許容範囲を低減させるために薬液を低い濃度に下げているためである。投与の精度を0.001ml(1マイクロリットル)程度の精度以下に出来るのであれば、その薬液濃度も上げられ、貯蔵タンクや貯蔵量の低減などにより、該装置の小型化も可能である。しかしながら、現行のポンプや電磁アクチュエータを用いている段階では、この精度はクリアできないし、装置の小型化も計れない。
【0013】
従って、後者の問題点は、噴霧圧や供給圧を高く設定できないので、直接皮膚への密着投与か、注射などでの投与しかできないことであり、さらには、投与量の精度がバラツキが大きいために薬液の濃度が低濃度化され、そのために貯蔵タンクや貯蔵量が増大し、携帯装置の小型化が十分に行えないという問題点である。
【0014】
さらに、別な問題点も存在する。例えば、腰痛などは局所的とはいっても、腰全体のよう部位であり、その範囲は個人差もあるが、少なくとも幅20cm、高さ10cm程度の範囲である。
【0015】
このように広い皮膚の面積に、薬液を投与することは平成09−262285に記載の方法では不可能である。また、人体の表面は平面ではなく、断面的にはほぼ楕円形状である。このような面に、良好に接触しなければ、良好な携帯状態は得られない。
【0016】
したがって、広い面積の人体表面(皮膚)への投与、もしくは、固定されたある限定範囲の投与であろうと、人体表面への固定、もしくは、良好な携帯的接触が必要である。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、前記の問題点を解決することで、以下に掲げる項目である。
【0018】
1)直接人体の皮膚に触れずに、薬液を投与できる方法を見出し、違和感やかぶれ、炎症の発生の恐れのない投与装置を提供する。
【0019】
2)連続的に投与する場合は投与量の一定化を実現する装置を提供する。
【0020】
3)断続的、あるいは、症状に応じて時系列的に投与量を変化させて投与する装置を提供する。
【0021】
4)噴霧圧もしくは供給圧を上げて、供給部が直接人体の皮膚に触れない投与装置を提供する。
【0022】
5)投与量の精度を著しく向上させる方法を実現して、薬液の薬効成分の濃度を高め、貯蔵薬液やそのタンクを小型化し、装置の更なる小型化や携帯利便性を向上させた薬液の投与装置を提供する。
【0023】
6)人体表面(皮膚)への薬液投与に適した良好な固定、もしくは、接触状態を得ることを提供する。
【0024】
7)人体表面の広い範囲に薬液を投与でき、オーバーコートや背広などを羽織れば、その投与状況が外部よりは見えにくい構造であり、屋外での歩行や軽微な労働時においても支障をきたさないようにする。
【0025】
以上の7項目が主な本発明の課題である。
【0026】
【課題を解決するための手段】
以上の問題を解決する方法として鋭意検討した結果、我々は、1ng〜60ngを最小の秤量単位として精度保証可能な方法で、且つ、空間を約20mm程度飛翔可能な方法であるインクジェット吐出機構を用いる薬液の皮膚投与方法を見出した。
【0027】
つまり、前記の薬効のある薬性成分を含んだ液体をインクジェット吐出機構から、皮膚に噴射投与することで、直接皮膚に触れることの無い投与方法とすることが可能である。
【0028】
また、インクジェット吐出機構を電子回路にてプログラム制御することで、連続且つ断続且つ、投与量の変動を付けて投与可能である。さらに、インクジェットは出により供給圧も薬液が空間を飛翔するレベルまで容易に上昇せしめることが可能である。
【0029】
さらには、その吐出量精度は一旦吐出穴の大きさや吐出時間(吐出素子の駆動時間)を設定すれば、設定量の約5%以内である。しかも、一回の吐出量が最低1ng(0.00000マイクロリットル)〜60ng(0.000060マイクロリットル)まで制御可能である。従って、0.1ミリリットル程度の精度はいともたやすくクリア出来るし、その1/1000の01マイクロリットルの精度なども容易に達成可能なものである。つまり、20ng(20×10(−9)g)と一回の吐出量を設定した場合、60本の吐出ノズルを用いて、0.1マイクロリットルの投与量を設定しようとすれば、約83回の吐出を行う必要があり、その動作量の5%の誤差としても、0.005マイクロリットルの誤差しか有り得ないのである。さらには、60本のノズルそれぞれの駆動が制御出来るので、その秤量レベルもさらに高くなる。一本のノズルで投与すれば、かなり時間がかかるとしても、60本のノズルであれば、短時間に処理可能である。一回の吐出時間が、約50マイクロ秒程度であるので、1万回の駆動でも僅か0.5秒程度である。
【0030】
このようにインクジェット吐出機構を用いることで、前記の薬液の投与に関する従来の問題点は十分に解決することが可能となる。
【0031】
また、人体表面へ良好な薬液投与を行うにあたって、良好な携帯もしくは接触、あるいは固定状態に薬液投与装置を配置するにあたり、薬液投与装置の皮膚接触面を、曲面状態にすることで、上記の配置を良好にすることを見出した。
【0032】
さらに、人体の皮膚上の広い面積部位(横幅25cm縦15cm程度の面積)に、薬液を投与しようとすれば、前述の薬液投与手段(インクジェット吐出素子部)を縦、横の任意の位置に移動させるように構成すれば良い。また、これだけ広い面積で痛みなどの症状がでておらず、ある部分に特定される場合は、その特定部分のみの領域の位置規定を行い、その部分のみに薬液を投与するように配置すれば良いこととなる。このような、広い面積に薬液を投与する装置においては、なお更、曲面状態に皮膚との接触面を形成することは必要である。
【0033】
【発明の実施の形態】
図1に、本発明の一例にかかる薬液投与方法と装置の構成概略図を示す。
【0034】
図2にその動作ブロック図を示す。
【0035】
図1に示すように、薬液投与手段1はインクジェット吐出素子110の動作により、複数の吐出ノズル2から、薬液3を非常に微量なレベルで秤量、吐出、投与することが可能である。
【0036】
ここで使用されるインクジェット吐出素子110ならびにインクジェット吐出機構は、米国特許4723129号や4740796号に開示されている基本原理を用いることが望ましいものである。
【0037】
また、その動作信号形態は、同4463359号、4345262号その他4558333号、4459600号などにも記載されているものである。
【0038】
あるいは、平02−289351や平09−314837などに記載される静電型インクジェット吐出機構やピエゾ型インクジェット機構でもよい。望ましくは、小型で簡便で、且つ、経済的であることである。
【0039】
薬液投与手段1の内部にあるインクジェット吐出素子110の駆動により、薬液3はノズルから吐出し、人体5の皮膚55へと付着する。薬液中の薬効成分は、人体の皮膚表面にある汗腺や皮膚の細胞膜を経由して、毛細血管へと浸透し、その周りの細胞へも浸透拡散するなどの経路を経て、直接、間接的に薬効を発現すべき位置へと拡散、供給される。
【0040】
薬液3は吐出ノズル2から吐出された分だけ、薬液貯蔵タンク6から供給されて来る構成である。
【0041】
図3に示すように、担持構造物7は、薬液投与手段1を木綿などの皮膚にやさしい構造物7を用いて皮膚5より約1〜5mm程度浮かすように設定配置されている。さらにプログラムにより断続的に投与するようにしておけば、皮膚55が常に薬液で濡れているわけではないので違和感やかぶれ、カユミなどの発生もないように配置できる。その薬液投与手段1の概略斜視図を図1−2に示す。吐出ノズル2のある部分は、前記担持構造物7により奥側に入り込んでいるので、直接皮膚には接触しないものである。この保護構造物7の面を曲面にすることで、人体の皮膚への装着を容易にすることが可能である。また、図5に図1に示す機構部を一体に配置した装置の概略斜視透視図を示す。このように、薬液タンク6や電源81や制御機構8を含む筐体の皮膚接触面が曲面を形成することでより良好に携帯装着が可能となる。
【0042】
また、図5、7には、装置の概略上面図を示す。このように、皮膚接触面を平面から曲面にかえることで良好に装着できる。また、移動しながら薬液投与手段が投与する場合は接触面のみ(保護構造物7)だけが曲面でなく、移動シャフト77なども曲面に形成すればより良好に広い面積を投与することが可能となる。
【0043】
インクジェット吐出機構110は縦横10mm以下で高さもせいぜい6mm程度であり、そこに薬液パイプ31で薬液タンク6と結合させ、小型の吐出制御機構8を用いれば、小型の携帯に便利な薬液投与部1と、広い平面を移動する投与手段の移動機構にて構成することができる。
【0044】
薬液の量も、患部の症状にもよるが10mlもあれば、一日の使用量は満足出来るはずであり、また、使用にて薬液タンクの内容物が空になった場合はその薬液タンクのカートリッジを交換すれば良い。従って、薬液タンク6の大きさもせいぜい12立方センチメートル程度以下となる。
【0045】
このような携帯装置システム9を図2に示すブロック図に基付いて動作させれば、良好な広範囲の皮膚への薬液投与方法が確立される。
【0046】
その動作システムは、図2を用いて説明すれば、まず、使用者は使用を開始するにあたり起動スイッチ91を動作ONにする。これにより、電力供給部81より電力がインクジェット吐出制御機構8に供給される。インクジェット吐出制御機構8に配置されている演算制御部61は動作プログラム記憶メモリ部60より所定のプログラムに従い動作を開始する。
【0047】
このプログラムは主にどのようなタイミングでどの位置のインクジェット吐出素子42を動作させるのかの制御を行うものである。その信号は、前記吐出制御機構8より信号線41を経由してインクジェット吐出素子4(110)に伝えられる。
【0048】
また、皮膚との接触面を曲面にして、携帯容易性を実現したする機構を大面積での投与を可能とした場合を例に図4を用いて説明する。図4に示すように、筐体94の皮膚接触面、この場合は、違和感防止保護構造物7が、曲面を形成しており、腰などの人体に装着しやすく構成されている。
【0049】
薬液投与手段1が移動する場合は、どの部位にて、どれだけの量を投与するかを、吐出制御手段8の制御を用いて、インク吐出素子42と薬液投与手段1の制御により可能となる。
【0050】
皮膚との中間にある孔(窓)74の開いた部位においては薬液投与を行い、前記孔(窓)74の開いていない部分においては、投与を停止する構成とする。この構成により、皮膚に接触している担持構造物7の濡れを防止できる。開口していない部分の面積やその間隔はなるべく少なくして、投与面積を広げるようにする。また、皮膚内部での薬液は、深さ方向のみばかりでなく、横方向へも広がるので、開口していない部分の長さは約2〜5mm程度に設定することができる。これにより、ほぼ、所定の面積全体に渡って、薬効を発揮できる。
【0051】
しかし、薬効を必要とする部位が、裂傷、やけどなど皮膚表面に限定される場合は、この限りではなく、開口窓74を極端に広く取る必要がある。装置の大きさと強度のかねあいでこの開口面積は決定されることはいうまでもない。
【0052】
図4に示すように、X方向への移動機構は、移動のための駆動力を発揮する小型モータ75とそれを薬液投与手段1に伝達するベルト76と、担持シャフト77とで基本構成されている。
【0053】
また、Y方向への移動機構は、図5に示されるように、内部にある小型モータ65とギアシャフト67で構成されており、ギアシャフト67に配置されたスケール68を読み取りながら位置の確認と制御を行うものである。モータ65の回転数を読み取りながら行う方法で位置を確認する方法でも良い。
【0054】
このような機構を筐体94にて外部からの衝撃や接触からの損耗に耐える様に構成されている。
【0055】
さらに、図6−1に示すようにバンドなどの装着補助手段95を用いることで、移動機構を持つ薬液投与装置システム9全体を人体5に良好に装着できる。
【0056】
また、吐出される薬液3は薬液タンク6より薬液パイプ31を経由してインクジェット吐出素子110に供給される。薬液3は、インクジェット吐出素子110により微少薬液滴300として空間を飛翔して人体5の皮膚55へ到達し、さらに皮膚55を経由して細胞組織56へ到達する。このようにして薬液3は微少液滴となり、非常に精緻な量で人体5へ投与され、最終的には細胞56や人体内部の毛細血管へと供給される。
【0057】
図3は、インクジェット吐出素子4(110)を拡大した場合の断面概略図である。
【0058】
インクジェット吐出素子4中の薬液3は共通液室44を経由して個別液室43に導入される。
【0059】
この個別液室43内の薬液30はインク吐出駆動素子42により加熱発泡し、インクジェット吐出孔2よりインクジェット液滴300となって皮膚55に向って飛翔する。インクジェット吐出素子4(110)と皮膚55とは直接接触しないように、保護構造物7で隔離されている構造となっているために、インクジェット吐出孔2と皮膚55は直接接することが無く、違和感やかぶれ、かゆみを発生することはない。
【0060】
図6−1、6−2に示すように、前記装置システム9を人体に装着し、スイッチ部収納扉98の内部にある動作スイッチ91をONにすると、インクジェット動作制御機構8により、設定されたプログラムに応じて、薬液投与手段1より必要とされる量の薬液3が皮膚上に投与される。人体の皮膚55はこの薬液3を吸収し、皮膚やその周辺の細胞に至り、薬効効果を発揮して、皮膚やその周辺細胞の活性が行われる。
【0061】
これにより、痛みの改善、病巣の治癒、体調の改善や促進などが実施される。
【0062】
一定の量の薬液の投与が終了したら、インクジェット吐出機構は動作を停止し、次の吐出のタイミングまで待機しておくことで一連の動作が確立される。
【0063】
使用を停止したければ、装置の動作スイッチをOFFにすることで、装置の薬液投与は中断される仕組みとなっている。この場合、薬液投与手段1は、規定の位置に戻るか、もしくは、その位置に停止してもよい。これは、使用される装置の形状や構造携帯により変更することが出来る。また、規定の位置に戻る場合は、薬液投与手段1のインクジェット吐出面を乾燥や接触や衝撃による劣化から保護するように、保護手段を設けても良い。
【0064】
さらに、ひざや肘などの関節運動により伸縮や曲折の激しい部位においては、曲面を形成する構造物をゴムなどの材質にすれば、人体の変曲に対して追随できるので、装置の装着が容易である。ただし、変曲が大きい場合は、薬液の投与される開口窓の部分が大きく変形しているために、開口窓の中心付近部分は薬液が皮膚に投与されるが、開口窓74の周辺部分は変形した曲面構成体や違和感防止物に薬液が衝突して、皮膚に投与されず前記曲面構成体や違和感防止物7が濡れて、違和感の発生や薬液の投与量の低減ということが発生する。このような関節などの変曲の大きい部位に本装置を使用する場合には、開口窓74の中心付近のみを投与する構成であれば、上記のような問題は解決される。
【0065】
図1に、本発明の一例にかかる薬液投与方法と装置の構成概略図を示す。
【0066】
図2にその動作ブロック図を示す。
【0067】
図1に示すように、薬液投与手段1はインクジェット吐出素子110の動作により、複数の吐出ノズル2から、薬液3を非常に微量なレベルで秤量、吐出、投与することが可能である。
【0068】
ここで使用されるインクジェット吐出素子110ならびにインクジェット吐出機構は、米国特許4723129号や4740796号に開示されている基本原理を用いることが望ましいものである。また、その動作信号形態は、同4463359号、4345262号その他4558333号、4459600号などにも記載されているものである。
【0069】
あるいは、平02−289351や平09−314837などに記載される静電型インクジェット吐出機構やピエゾ型インクジェット機構でもよい。望ましくは、小型で簡便で、且つ、経済的であることである。
【0070】
薬液投与手段1の内部にあるインクジェット吐出素子110の駆動により、薬液3はノズルから吐出し、人体5の皮膚55へと付着する。薬液中の薬効成分は、人体の皮膚表面にある汗腺や皮膚の細胞膜を経由して、毛細血管へと浸透し、その周りの細胞へも浸透拡散するなどの経路を経て、直接、間接的に薬効を発現すべき位置へと拡散、供給される。
【0071】
薬液3は吐出ノズル2から吐出された分だけ、薬液貯蔵タンク6から供給されて来る構成である。
【0072】
図3に示すように、担持構造物7は、薬液投与手段1を木綿などの皮膚にやさしい構造物7を用いて皮膚5より約1〜5mm程度浮かすように設定配置されている。さらにプログラムにより断続的に投与するようにしておけば、皮膚55が常に薬液で濡れているわけではないので、違和感やかぶれ、カユミなどの発生もないように配置できる。その薬液投与手段1の概略斜視図を図1−2に示す。吐出ノズル2のある部分は、前記担持構造物7により奥側に入り込んでいるので、直接皮膚には接触しないものである。この保護構造物7の面を曲面にすることで、人体の皮膚への装着を容易にすることが可能である。また、図7に図1に示す機構部を一体に配置した装置の概略斜視透視図を示す。このように、薬液タンク6や電源81や制御機構8を含む筐体の皮膚接触面が曲面を形成することでより良好に携帯装着が可能となる。
【0073】
また、図8、9には、装置の概略上面図を示す。このように、皮膚接触面を平面から曲面にかえることで良好に装着できる。また、移動しながら薬液投与手段が投与する場合は接触面のみ(保護構造物7)だけが曲面でなく、移動シャフト77なども曲面に形成すればより良好に広い面積を投与することが可能となる。
【0074】
インクジェット吐出機構110は縦横10mm以下で高さもせいぜい6mm程度であり、そこに薬液パイプ31で薬液タンク6と結合させ、小型の吐出制御機構8を用いれば、小型の携帯に便利な薬液投与部1と、広い平面を移動する投与手段の移動機構にて構成することができる。
【0075】
薬液の量も、患部の症状にもよるが10mlもあれば、一日の使用量は満足出来るはずであり、また、使用にて薬液タンクの内容物が空になった場合はその薬液タンクのカートリッジを交換すれば良い。従って、薬液タンク6の大きさもせいぜい12立方センチメートル程度以下となる。
【0076】
このような携帯装置システム9を図2に示すブロック図に基付いて動作させれば、良好な広範囲の皮膚への薬液投与方法が確立される。
【0077】
その動作システムは、図2を用いて説明すれば、まず、使用者は使用を開始するにあたり起動スイッチ91を動作ONにする。これにより、電力供給部81より電力がインクジェット吐出制御機構8に供給される。インクジェット吐出制御機構8に配置されている演算制御部61は動作プログラム記憶メモリ部60より所定のプログラムに従い動作を開始する。
【0078】
このプログラムは主にどのようなタイミングでどの位置のインクジェット吐出素子42を動作させるのかの制御を行うものである。その信号は、前記吐出制御機構8より信号線41を経由してインクジェット吐出素子4(110)に伝えられる。
【0079】
また、皮膚との接触面を曲面にして、携帯容易性を実現する機構を大面積での投与を可能とした場合を例に図4を用いて説明する。
【0080】
図4に示すように、筐体94の皮膚接触面、この場合は、違和感防止保護構造物7が、曲面を形成しており、腰などの人体に装着しやすく構成されている。
【0081】
薬液投与手段1が移動する場合は、どの部位にて、どれだけの量を投与するかを、吐出制御手段8の制御を用いて、インク吐出素子42と薬液投与手段1の制御により可能となる。皮膚との中間にある孔(窓)74の開いた部位においては薬液投与を行い、前記孔(窓)74の開いていない部分においては、投与を停止する構成とする。この構成により、皮膚に接触している担持構造物7の濡れを防止できる。開口していない部分の面積やその間隔はなるべく少なくして、投与面積を広げるようにする。また、皮膚内部での薬液は、深さ方向のみばかりでなく、横方向へも広がるので、開口していない部分の長さは約2〜5mm程度に設定することができる。これにより、ほぼ、所定の面積全体に渡って、薬効を発揮できる。
【0082】
しかし、薬効を必要とする部位が、裂傷、やけどなど皮膚表面に限定される場合は、この限りではなく、開口窓74を極端に広く取る必要がある。装置の大きさと強度のかねあいでこの開口面積は決定されることはいうまでもない。
【0083】
図4に示すように、X方向への移動機構は、移動のための駆動力を発揮する小型モータ75とそれを薬液投与手段1に伝達するベルト76と、担持シャフト77とで基本構成されている。
【0084】
また、Y方向への移動機構は、図5に示されるように、内部にある小型モータ65とギアシャフト67で構成されており、ギアシャフト67に配置されたスケール68を読み取りながら位置の確認と制御を行うものである。モータ65の回転数を読み取りながら行う方法で位置を確認する方法でも良い。
【0085】
このような機構を筐体94にて外部からの衝撃や接触からの損耗に耐える様に構成されている。
【0086】
さらに、図6−1に示すようにバンドなどの装着補助手段95を用いることで、移動機構を持つ薬液投与装置システム9全体を人体5に良好に装着できる。
【0087】
また、吐出される薬液3は薬液タンク6より薬液パイプ31を経由してインクジェット吐出素子110に供給される。薬液3は、インクジェット吐出素子110により微少薬液滴300として空間を飛翔して人体5の皮膚55へ到達し、さらに皮膚55を経由して細胞組織56へ到達する。このようにして薬液3は微少液滴となり、非常に精緻な量で人体5へ投与され、最終的には細胞56や人体内部の毛細血管へと供給される。
【0088】
図3は、インクジェット吐出素子4(110)を拡大した場合の断面概略図である。
【0089】
インクジェット吐出素子4中の薬液3は共通液室44を経由して個別液室43に導入される。
【0090】
この個別液室43内の薬液30はインク吐出駆動素子42により加熱発泡し、インクジェット吐出孔2よりインクジェット液滴300となって皮膚55に向って飛翔する。インクジェット吐出素子4(110)と皮膚55とは直接接触しないように、保護構造物7で隔離されている構造となっているために、インクジェット吐出孔2と皮膚55は直接接することが無く、違和感やかぶれ、かゆみを発生することはない。図6−1、6−2に示すように、前記装置システム9を人体に装着し、スイッチ部収納扉98の内部にある動作スイッチ91をONにすると、インクジェット動作制御機構8により、設定されたプログラムに応じて、薬液投与手段1より必要とされる量の薬液3が皮膚上に投与される。人体の皮膚55はこの薬液3を吸収し、皮膚やその周辺の細胞に至り、薬効効果を発揮して、皮膚やその周辺細胞の活性が行われる。これにより、痛みの改善、病巣の治癒、体調の改善や促進などが実施される。
【0091】
一定の量の薬液の投与が終了したら、インクジェット吐出機構は動作を停止し、次の吐出のタイミングまで待機しておくことで一連の動作が確立される。
【0092】
使用を停止したければ、装置の動作スイッチをOFFにすることで、装置の薬液投与は中断される仕組みとなっている。この場合、薬液投与手段1は、規定の位置に戻るか、もしくは、その位置に停止してもよい。これは、使用される装置の形状や構造携帯により変更することが出来る。また、規定の位置に戻る場合は、薬液投与手段1のインクジェット吐出面を乾燥や接触や衝撃による劣化から保護するように、保護手段を設けても良い。
【0093】
さらに、ひざや肘などの関節運動により伸縮や曲折の激しい部位においては、曲面を形成する構造物をゴムなどの材質にすれば、人体の変曲に対して追随できるので、装置の装着が容易である。ただし、変曲が大きい場合は、薬液の投与される開口窓の部分が大きく変形しているために、開口窓の中心付近部分は薬液が皮膚に投与されるが、開口窓74の周辺部分は変形した曲面構成体や違和感防止物に薬液が衝突して、皮膚に投与されず前記曲面構成体や違和感防止物7が濡れて、違和感の発生や薬液の投与量の低減ということが発生する。このような関節などの変曲の大きい部位に本装置を使用する場合には、開口窓74の中心付近のみを投与する構成であれば、上記のような問題は解決される。
【0094】
図1に、本発明の一例にかかる薬液投与方法と装置の構成概略図を示す。
【0095】
図2にその動作ブロック図を示す。
【0096】
図1に示すように、薬液投与手段1はインクジェット吐出素子110の動作により、複数の吐出ノズル2から、薬液3を非常に微量なレベルで秤量、吐出、投与することが可能である。ここで使用されるインクジェット吐出素子110ならびにインクジェット吐出機構は、米国特許4723129号や4740796号に開示されている基本原理を用いることが望ましいものである。また、その動作信号形態は、同4463359号、4345262号その他4558333号、4459600号などにも記載されているものである。
【0097】
あるいは、平02−289351や平09−314837などに記載される静電型インクジェット吐出機構やピエゾ型インクジェット機構でもよい。望ましくは、小型で簡便で、且つ、経済的であることである。
【0098】
薬液投与手段1の内部にあるインクジェット吐出素子110の駆動により、薬液3はノズルから吐出し、人体5の皮膚55へと付着する。薬液中の薬効成分は、人体の皮膚表面にある汗腺や皮膚の細胞膜を経由して、毛細血管へと浸透し、その周りの細胞へも浸透拡散するなどの経路を経て、直接、間接的に薬効を発現すべき位置へと拡散、供給される。
【0099】
薬液3は吐出ノズル2から吐出された分だけ、薬液貯蔵タンク6から供給されて来る構成である。
【0100】
図3に示すように、担持構造物7は、薬液投与手段1を木綿などの皮膚にやさしい構造物7を用いて皮膚5より約1〜5mm程度浮かすように設定配置されている。さらにプログラムにより断続的に投与するようにしておけば、皮膚55が常に薬液で濡れているわけではないので、違和感やかぶれ、カユミなどの発生もないように配置できる。その薬液投与手段1の概略斜視図を図1−2に示す。吐出ノズル2のある部分は、前記担持構造物7により奥側に入り込んでいるので、直接皮膚には接触しないものである。この保護構造物7の面を曲面にすることで、人体の皮膚への装着を容易にすることが可能である。このように、薬液タンク6や電源81や制御機構8を含む筐体の皮膚接触面が曲面を形成することでより良好に携帯装着が可能となる。
【0101】
また、図7、8には、装置の概略上面図を示す。このように、皮膚接触面を平面から曲面にかえることで良好に装着できる。また、移動しながら薬液投与手段が投与する場合は接触面のみ(保護構造物7)だけが曲面でなく、移動シャフト77なども曲面に形成すればより良好に広い面積を投与することが可能となる。
【0102】
インクジェット吐出機構110は縦横10mm以下で高さもせいぜい6mm程度であり、そこに薬液パイプ31で薬液タンク6と結合させ、小型の吐出制御機構8を用いれば、小型の携帯に便利な薬液投与部1と、広い平面を移動する投与手段の移動機構にて構成することができる。
【0103】
薬液の量も、患部の症状にもよるが10mlもあれば、一日の使用量は満足出来るはずであり、また、使用にて薬液タンクの内容物が空になった場合はその薬液タンクのカートリッジを交換すれば良い。従って、薬液タンク6の大きさもせいぜい12立方センチメートル程度以下となる。
【0104】
このような携帯装置システム9を図2に示すブロック図に基付いて動作させれば、良好な広範囲の皮膚への薬液投与方法が確立される。
【0105】
その動作システムは、図2を用いて説明すれば、まず、使用者は使用を開始するにあたり起動スイッチ91を動作ONにする。これにより、電力供給部81より電力がインクジェット吐出制御機構8に供給される。インクジェット吐出制御機構8に配置されている演算制御部61は動作プログラム記憶メモリ部60より所定のプログラムに従い動作を開始する。
【0106】
このプログラムは主にどのようなタイミングでどの位置のインクジェット吐出素子42を動作させるのかの制御を行うものである。その信号は、前記吐出制御機構8より信号線41を経由してインクジェット吐出素子4(110)に伝えられる。
【0107】
また、皮膚との接触面を曲面にして、携帯容易性を実現する機構を大面積での投与を可能とした場合を例に図4を用いて説明する。
【0108】
図4に示すように、筐体94の皮膚接触面、この場合は、違和感防止保護構造物7が、曲面を形成しており、腰などの人体に装着しやすく構成されている。
【0109】
薬液投与手段1が移動する場合は、どの部位にて、どれだけの量を投与するかを、吐出制御手段8の制御を用いて、インク吐出素子42と薬液投与手段1の制御により可能となる。
【0110】
皮膚との中間にある孔(窓)74の開いた部位においては薬液投与を行い、前記孔(窓)74の開いていない部分においては、投与を停止する構成とする。この構成により、皮膚に接触している担持構造物7の濡れを防止できる。開口していない部分の面積やその間隔はなるべく少なくして、投与面積を広げるようにする。また、皮膚内部での薬液は、深さ方向のみばかりでなく、横方向へも広がるので、開口していない部分の長さは約2〜5mm程度に設定することができる。これにより、ほぼ、所定の面積全体に渡って、薬効を発揮できる。
【0111】
しかし、薬効を必要とする部位が、裂傷、やけどなど皮膚表面に限定される場合は、この限りではなく、開口窓74を極端に広く取る必要がある。装置の大きさと強度のかねあいでこの開口面積は決定されることはいうまでもない。
【0112】
図4に示すように、X方向への移動機構は、移動のための駆動力を発揮する小型モータ75とそれを薬液投与手段1に伝達するベルト76と、担持シャフト77とで基本構成されている。また、Y方向への移動機構は、図5に示されるように、内部にある小型モータ65とギアシャフト67で構成されており、ギアシャフト67に配置されたスケール68を読み取りながら位置の確認と制御を行うものである。モータ65の回転数を読み取りながら行う方法で位置を確認する方法でも良い。このような機構を筐体94にて外部からの衝撃や接触からの損耗に耐える様に構成されている。さらに、図6−1に示すようにバンドなどの装着補助手段95を用いることで、移動機構を持つ薬液投与装置システム9全体を人体5に良好に装着できる。また、吐出される薬液3は薬液タンク6より薬液パイプ31を経由してインクジェット吐出素子110に供給される。薬液3は、インクジェット吐出素子110により微少薬液滴300として空間を飛翔して人体5の皮膚55へ到達し、さらに皮膚55を経由して細胞組織56へ到達する。このようにして薬液3は微少液滴となり、非常に精緻な量で人体5へ投与され、最終的には細胞56や人体内部の毛細血管へと供給される。
【0113】
図3は、インクジェット吐出素子4(110)を拡大した場合の断面概略図である。インクジェット吐出素子4中の薬液3は共通液室44を経由して個別液室43に導入される。この個別液室43内の薬液30はインク吐出駆動素子42により加熱発泡し、インクジェット吐出孔2よりインクジェット液滴300となって皮膚55に向って飛翔する。インクジェット吐出素子4(110)と皮膚55とは直接接触しないように、保護構造物7で隔離されている構造となっているために、インクジェット吐出孔2と皮膚55は直接接することが無く、違和感やかぶれ、かゆみを発生することはない。図6−1、6−2に示すように、前記装置システム9を人体に装着し、スイッチ部収納扉98の内部にある動作スイッチ91をONにすると、インクジェット動作制御機構8により、設定されたプログラムに応じて、薬液投与手段1より必要とされる量の薬液3が皮膚上に投与される。人体の皮膚55はこの薬液3を吸収し、皮膚やその周辺の細胞に至り、薬効効果を発揮して、皮膚やその周辺細胞の活性が行われる。これにより、痛みの改善、病巣の治癒、体調の改善や促進などが実施される。一定の量の薬液の投与が終了したら、インクジェット吐出機構は動作を停止し、次の吐出のタイミングまで待機しておくことで一連の動作が確立される。使用を停止したければ、装置の動作スイッチをOFFにすることで、装置の薬液投与は中断される仕組みとなっている。この場合、薬液投与手段1は、規定の位置に戻るか、もしくは、その位置に停止してもよい。これは、使用される装置の形状や構造携帯により変更することが出来る。また、規定の位置に戻る場合は、薬液投与手段1のインクジェット吐出面を乾燥や接触や衝撃による劣化から保護するように、保護手段を設けても良い。
【0114】
さらに、ひざや肘などの関節運動により伸縮や曲折の激しい部位においては、曲面を形成する構造物をゴムなどの材質にすれば、人体の変曲に対して追随できるので、装置の装着が容易である。ただし、変曲が大きい場合は、薬液の投与される開口窓の部分が大きく変形しているために、開口窓の中心付近部分は薬液が皮膚に投与されるが、開口窓74の周辺部分は変形した曲面構成体や違和感防止物に薬液が衝突して、皮膚に投与されず前記曲面構成体や違和感防止物7が濡れて、違和感の発生や薬液の投与量の低減ということが発生する。このような関節などの変曲の大きい部位に本装置を使用する場合には、開口窓74の中心付近のみを投与する構成であれば、上記のような問題は解決される。
【0115】
(実施例1)
図4に示した装置を製作した。インクジェット吐出素子110はシリコン基板の上に、インクジェット加熱素子が形成され、その上にインクジェット吐出オリフィスノズル2が製作されたものを用いた。このインクジェット素子110に関しては、公開特許公報平成10−146976に記載された部類のものである。この素子は、比較的薄く、基板の裏側に薬液3の流路を接続すれば良く、簡便にこのインクジェット吐出が行えるものである。
【0116】
この吐出素子110を薬液投与手段1の筐体に接着し、該素子の駆動信号電極を信号線42と接続し、さらに、該素子の薬液供給口を薬液パイプ31で薬液タンク6と接続した。さらに、薬液投与手段1に駆動モータ65や駆動力伝達ギア、および、ギアシャフト67の位置目盛り68を読み取る検知センサー(図中記載省略)を取り付けた。このようにして、Y方向(高さ方向)の移動機構を作製した。次に、筐体94とX(横)方向の移動シャフト77とシャフト接続部78を介して接続した。吐出制御機構8と電力供給線82やその他移動や吐出の制御信号を流す信号線42を介して薬液投与手段1と電気的に接続した。また、X方向の移動を行うモータ75とも接続した。本モータ75はいわゆるステッピングモータで、内部に回転角度と回数を精緻に測定できるロータリーエンコーダーが取り付けられており、移動量を精緻に測定できる機能を備えているものである。また、X方向移動モータ75はベルト76を介して、前記薬液投与手段1と接続点79で機械的に固定され、駆動モータ75の正負の方向の回転が薬液投与手段1の左右の移動に変換されて、X方向の任意の位置へ移動できるようにした。この製作した装置を、リチウムイオン電池を電力供給源として動作させた。動作は、パソコンにより、制御ソフトを制御機構8の内部にあるメモリ部60に送致し、これをフラッシュメモリを用いて記憶させ、制御演算部61で動作させるようにしたものである。
【0117】
当然ながら、薬液3は、全面に吐出投与するものではなく、窓74の開いた部分にのみ投与するように、プログラム制御した。また、筐体94は腰に装着しやすいように、腰との接触方向の部位を曲面に形成した。
【0118】
この曲面に、木綿などの繊維製の違和感防止物7を貼り付けて固定した。該違和感防止物7の開口窓と筐体94に配置された開口窓74とは相対するものでこの開口窓を通じて、薬液は人体の皮膚55へ投与されるようにした。また、この装置をバンドなどで直接皮膚に装着するのではなく、下着のシャツに該投与装置の投与手段に相当する部位に穴を開け、その上から本装置を装着しても良い。その方が、全体的な違和感を防止できた。なぜなら、バンドなどが皮膚に直接接触するのではなく、下着の上からの固定の方が全体的に違和感が発生しないためである。また、薬液3は、コーワ製薬(株)のインドメタシン配合の鎮痛薬を水とエチルアルコールにより薄めて、3〜10センチポイズ程度の粘度として用いた。発明者は、腰痛になやんでいたが、この装置を腰の部分に装着することで、腰痛の改善効果が見られた。投与は、背骨を中心に両方に約8cm上下5cmの範囲で、中心の1cm幅の部分へは投与は行わなかった。それは、背骨の部分は痛くないからであった。投与の量は、薬液投与手段1が移動しながら、1分間に0.2mlを行うものである。そのタイミングは、断続的で、4秒間で投与部全域に投与し、6秒間停止し、次の4秒間で投与という繰り返しである。それは、連続的に行わず、投与された部分の乾燥と薬液の内部への浸透を促すためである。薬液投与手段1の移動をゆっくりさせながら連続投与で行っても良い。断続的に行うことで、電池の消耗を抑え長持ちさせるためである。発明者は腰痛をもっていたが、腰痛の症状の軽減により、それまでおっくうであった外出が割りと良好に行えるようになり、気分も軽快となった。
【0119】
(実施例2)
前記インクジェット吐出機構を2個のヘッド110で製作した。薬液タンク6は2個にし、パイプ31その他信号線42なども、それぞれに接続するようにした。このようにすることで、2種類の薬液を投与することが可能なようにした。この方法によれば、異なった薬液を、同じ部位もしくは、異なった部位にプログラム制御で投与することが可能となった。当然ながら、この投与へヘッドを3個、4個というように、数を増やせば、その分だけ投与可能な種類の薬液も増加するものである。
【0120】
(実施例3)
図1−1、図1−2に示すような固定型の薬液投与装置9を作製した。この装置において、曲面を形成する構造材170を硬度45°のシリコンゴムで形成した。そして、この曲面構造材170に、違和感防止物7を接着で固定した。違和感防止物7は木綿とポリエステルとブタジエンゴムエラストマーの混合織物(通称ストレッチ繊維織布)でこれを2枚重ね、ミシン縫いにて布がずれないようにしたものである。そして、開口窓74に対応して、開口部を設けたものである。このようにすることで、すこし大きい変曲が発生するようなひざの関節の側面部に固定したが、シリコンゴム製の曲面構造材170と違和感防止物7の効果により、関節を曲げても、薬液投与装置の装着外れなどは発生なく、薬液を投与することが可能であった。当然ながら、薬液の投与は、開口窓の中心付近の部位で行った。
【0121】
【発明の効果】
本発明によれば、以下に掲げる効果が得られる。
【0122】
第1、2の発明によれば、皮膚吸収型の薬液をインクジェット吐出機構を用いて、空間を飛翔して投与することが可能なことで、さらには、前記薬液投与手段を小型且つ軽量化することが可能で薬液投与手段部を移動させることが可能となり、さらに、消費電力も極小化可能なことで、広い面積の人体表面へ薬液を精緻に長期間投与することが可能となり、また、皮膚に薬液を投与する機器や器材が長期間接触し続けることがなくなることで、皮膚に違和感やかぶれやアレルギー症状や炎症を起こすことなく、投与することが可能となる。さらに、薬液投与装置の人体との接触面方向の面を曲面とすることで、家事や外出などの人体の運動などでの伸縮や屈折による変曲による人体からの装着外れを防止することが可能である。第3の発明によれば、プログラム制御による投与が可能となるので、連続の投与ばかりでなく、時系列的に断続したり、あるいは、ある周期をもって投与したり、投与量を変化させたりすることが可能となる。また、何らかのセンサーを併用すれば、その出力に応じて薬液の投与や投与量の変化を付けて薬液を投与することが可能となる。
【0123】
第4の発明によれば、インクジェットという小型にして精度の良い薬液投与機構を用いることが可能となるので、小型で且つ軽量の携帯に便利な薬液投与手段を実現できる。第5の発明によれば、複数の薬液を投与出来るので、各薬液を同時に、もしくは、別々に、あるいは、各種混合組み合わせながら投与できるので、複数の薬液の相乗効果を期待できるばかりでなく、複数の症状に合わせて薬液の投与も可能となる。第6の発明によれば、薬液の投与の最小単位が5〜60ngと超微量であるので、薬液を薄めることなく、高い濃度で精緻に投与量を制御して投与可能となる。このことにより、薬液の携帯量や貯蔵量を低減することが可能となり、装置の小型化、軽量化をさらに進展させることが可能となる。第7の発明によれば、以上の薬液投与方法を適時組み合わせ使用することで、携帯に優れた小型で軽量で、且つ、薬液投与量の精緻なプログラム制御できる投与機器とそのシステムを提供可能となる。
【0124】
第8〜9の発明によれば、上記記載の効果を発現可能な携帯型、もしくは、据え置き型の薬液投与装置を製作することが可能となる。
【0125】
以上のように、本発明のインクジェットを用いた薬液投与方法とその装置システムは、今までに到達できなかったような精緻な薬液投与量のコントロールが可能となり、一般社会への効果は絶大である。例えば、携帯型のモルヒネと抗癌剤と免疫活性剤の複合投与機器や、モルヒネとリュウマチ鎮痛剤と免疫活性剤、インシュリン、エンドルフィン、インターフェロンなどの複合投与機器を小型で精度良く投与できるようになれば、末期の癌患者やリュウマチ患者、その他腎臓病、糖尿病患者、肝臓病患者などに、社会復帰や生活復帰の可能性を高め、大いに社会への安寧の提供に役立ものである。さらに、これらの患者や寝たきり老人が病院から出て個人で生活活動を出来るようになれば、治療や検査などの医療費や病院の係員の人件費などの低減、介護家族の負担軽減、ならびにこれら患者の社会生活活動での生産効果により、一般社会への貢献度ははかりしれないものになり、ひいては国家への寄与も絶大なものとなることは容易に類推される。また、各種ホルモンの低下や異常に悩む人々へも、効果があると類推される。
【0126】
たとえば、閉経時の更年期の女性に多い更年期障害などを女性ホルモンであるエストロゲンやその誘導体や類似物質を投与することで、症状の軽減が図られると判断される。
【0127】
本方法や装置システムを用いれば、上記のような薬液の皮膚投与は容易に実現できるるものであり、従って、本発明の効果は、経済面ばかりでなく、心理精神面でも、はかりしれない程莫大なものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】1は、本発明にかかる一例の薬液投与装置の概略斜視図である。2は、図1の薬液投与手段の拡大図である。
【図2】そのブロック構成図である。
【図3】薬液投与部分の断面概略図である。
【図4】移動型のタイプの本発明にかかる一例の薬液投与装置の概略斜視図である。
【図5】図4の薬液投与手段の部分の概略図である。
【図6】1は薬液投与装置の外観図であり、2はその装着図である。
【図7】曲面の異なる場合の説明図である。
【図8】移動が異なる場合の説明図である。
【図9】従来技術の概略説明図である。
【符号の説明】
1 薬液投与手段
110 インクジェット吐出ヘッド部
2 吐出ノズル
3 薬液
4 インクジェット吐出素子部
5 人体
6 薬液貯蔵タンク
7 保護構造物
8 薬液投与制御手段
9 携帯装置システム
30 個別液室中の薬液
31 薬液パイプ
41 インクジェット吐出駆動信号線
42 インクジェット発熱素子
43 個別液室
44 共通液室
48 薬液タンク残量検知信号線
55 皮膚層
56 皮下組織
60 プログラム等の記憶メモリ部
61 演算制御部
65 Y方向駆動モーター
67 Y方向シャフト
73 回転駆動プーリー
74 開口窓
75 X方向駆動モーター
76 駆動ベルト
77 担持シャフト
78 スライド部
79 連結部
98 スイッチ部収納扉
81 電力供給部
82 電力供給線
91 動作スイッチ
94 筐体
95 固定バンド
96 固定フック
170 曲面形成構造体
300 飛翔中の薬液
100 従来の薬液投与機器
101 注入動作機構
102 その他制御機構
【発明の属する技術分野】
本発明の利用分野は、人体や動物の生体に有用な薬液を皮膚を経由して投与する皮膚吸収型薬液投与方法に関するもので、主に、医療や健康分野に用いられるものである。動物の場合は、獣医学的医療分野に用いられるものである。
【0002】
さらに、詳しくは、携帯型の機器を用いて連続的もしくは、断続的、あるいは、ある制御プログラムにより、種々の要因や因子に応じて薬液を投与する皮膚吸収型薬液投与による医療に用いる方法や医療機器、装置に関するものである。
【0003】
また、さらに詳しくは、前記投与機構が、皮膚への違和感やかぶれや炎症などの発生を防止するために、皮膚に対して非接触型で薬液を投与する方法や機器、装置に関するものである。
【0004】
さらに、詳しくは、前記薬液の投与装置が人体に接触する面が、曲面を形成している装置に関するものである。
【0005】
また、医療用ばかりでなく、薬効成分を健康薬や美容薬に変更して、女性の肌や体の美容に応用することで美容やエステティックにも関連するものである。
【0006】
【従来の技術】
皮膚経由の皮膚吸収型薬液投与方法は、古くから湿布やバンソウコウなどといった炎症や腫れ、かぶれなどの症状を押さえる薬液を、布や亜鉛華などの粘着物に含浸させて、これを患部に直接あて、治療する方法が知られている。これらの技術を詳しく公開したものの一例が、日本国特許登録第2533339号に示される湿布薬組成物とその投与方法であり、各種の薬効組成物を複数組み合わせて、湿布薬として投与することが記載されている。
【0007】
しかしながら、この投与方法では主に2つの大きな問題点が存在する。
【0008】
その第一の問題点は、湿布薬として湿布構造体に前記の薬効成分を吸収させ、この状態の湿布薬を皮膚に直接貼り付けて、所謂、拡散効果で薬液を皮膚経由で吸収させるものであるために、その効能は貼り付け初期に高く、暫時減衰して行くことは自明である。
【0009】
また、効果が強すぎた場合は、該湿布薬を取り除く必要がある。しかし、各自経験が在られると思うが該湿布薬を除去するときに、非常に、痛い思いをする。これは、前記湿布薬が皮膚へ良好に密着しており、且つ、表面にある微細な毛にまで密着しているために、除去する時に皮膚に傷を付けるためである。むしろ、第一の主な問題点は、薬効が暫時減衰することである。
【0010】
第2の主な問題点は、前述した除去時の痛みもその中に含まれるが、湿布薬が直接皮膚に接触しているために、違和感やかぶれやややもすると炎症を起こすことである。
【0011】
このような問題点を一部解消したものが、日本国公開特許公報平09−262285に技術公開されている。それは、図9に示すように、薬液の貯蔵された薬液タンクから薬液を吸引し、これを携帯の注入器により体内に注射針などにより投与するというものである。この場合は皮膚吸収型の薬液ばかりでなく、皮下注射や静脈注射などで直接人体の血管に投与し臓器などの患部に効果を上げるように構成されている。注射を皮膚投与に切り替えれば、容易に皮膚投与形態の薬液投与方法とすることは可能であることは自明である。
【0012】
しかしながら、この方法にも大きな欠点が存在する。それは、薬液の供給圧力を上げないと皮膚に吹き付けることが不可能であり、吹き付けや噴霧が不可能であれば、直接皮膚に接触しておかねばならない。それでは、前記の違和感やかぶれなどの症状が発生することを防止できないのである。さらに、技術内容を検証すると、その装置は携帯型とは言え、かなり、大掛かりな装置である。その理由は、投与の方法がポンプや電磁アクチュエータを用いているために、投与量の精度が0.2ml程度の誤差を有することで、必然的にその許容範囲を低減させるために薬液を低い濃度に下げているためである。投与の精度を0.001ml(1マイクロリットル)程度の精度以下に出来るのであれば、その薬液濃度も上げられ、貯蔵タンクや貯蔵量の低減などにより、該装置の小型化も可能である。しかしながら、現行のポンプや電磁アクチュエータを用いている段階では、この精度はクリアできないし、装置の小型化も計れない。
【0013】
従って、後者の問題点は、噴霧圧や供給圧を高く設定できないので、直接皮膚への密着投与か、注射などでの投与しかできないことであり、さらには、投与量の精度がバラツキが大きいために薬液の濃度が低濃度化され、そのために貯蔵タンクや貯蔵量が増大し、携帯装置の小型化が十分に行えないという問題点である。
【0014】
さらに、別な問題点も存在する。例えば、腰痛などは局所的とはいっても、腰全体のよう部位であり、その範囲は個人差もあるが、少なくとも幅20cm、高さ10cm程度の範囲である。
【0015】
このように広い皮膚の面積に、薬液を投与することは平成09−262285に記載の方法では不可能である。また、人体の表面は平面ではなく、断面的にはほぼ楕円形状である。このような面に、良好に接触しなければ、良好な携帯状態は得られない。
【0016】
したがって、広い面積の人体表面(皮膚)への投与、もしくは、固定されたある限定範囲の投与であろうと、人体表面への固定、もしくは、良好な携帯的接触が必要である。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、前記の問題点を解決することで、以下に掲げる項目である。
【0018】
1)直接人体の皮膚に触れずに、薬液を投与できる方法を見出し、違和感やかぶれ、炎症の発生の恐れのない投与装置を提供する。
【0019】
2)連続的に投与する場合は投与量の一定化を実現する装置を提供する。
【0020】
3)断続的、あるいは、症状に応じて時系列的に投与量を変化させて投与する装置を提供する。
【0021】
4)噴霧圧もしくは供給圧を上げて、供給部が直接人体の皮膚に触れない投与装置を提供する。
【0022】
5)投与量の精度を著しく向上させる方法を実現して、薬液の薬効成分の濃度を高め、貯蔵薬液やそのタンクを小型化し、装置の更なる小型化や携帯利便性を向上させた薬液の投与装置を提供する。
【0023】
6)人体表面(皮膚)への薬液投与に適した良好な固定、もしくは、接触状態を得ることを提供する。
【0024】
7)人体表面の広い範囲に薬液を投与でき、オーバーコートや背広などを羽織れば、その投与状況が外部よりは見えにくい構造であり、屋外での歩行や軽微な労働時においても支障をきたさないようにする。
【0025】
以上の7項目が主な本発明の課題である。
【0026】
【課題を解決するための手段】
以上の問題を解決する方法として鋭意検討した結果、我々は、1ng〜60ngを最小の秤量単位として精度保証可能な方法で、且つ、空間を約20mm程度飛翔可能な方法であるインクジェット吐出機構を用いる薬液の皮膚投与方法を見出した。
【0027】
つまり、前記の薬効のある薬性成分を含んだ液体をインクジェット吐出機構から、皮膚に噴射投与することで、直接皮膚に触れることの無い投与方法とすることが可能である。
【0028】
また、インクジェット吐出機構を電子回路にてプログラム制御することで、連続且つ断続且つ、投与量の変動を付けて投与可能である。さらに、インクジェットは出により供給圧も薬液が空間を飛翔するレベルまで容易に上昇せしめることが可能である。
【0029】
さらには、その吐出量精度は一旦吐出穴の大きさや吐出時間(吐出素子の駆動時間)を設定すれば、設定量の約5%以内である。しかも、一回の吐出量が最低1ng(0.00000マイクロリットル)〜60ng(0.000060マイクロリットル)まで制御可能である。従って、0.1ミリリットル程度の精度はいともたやすくクリア出来るし、その1/1000の01マイクロリットルの精度なども容易に達成可能なものである。つまり、20ng(20×10(−9)g)と一回の吐出量を設定した場合、60本の吐出ノズルを用いて、0.1マイクロリットルの投与量を設定しようとすれば、約83回の吐出を行う必要があり、その動作量の5%の誤差としても、0.005マイクロリットルの誤差しか有り得ないのである。さらには、60本のノズルそれぞれの駆動が制御出来るので、その秤量レベルもさらに高くなる。一本のノズルで投与すれば、かなり時間がかかるとしても、60本のノズルであれば、短時間に処理可能である。一回の吐出時間が、約50マイクロ秒程度であるので、1万回の駆動でも僅か0.5秒程度である。
【0030】
このようにインクジェット吐出機構を用いることで、前記の薬液の投与に関する従来の問題点は十分に解決することが可能となる。
【0031】
また、人体表面へ良好な薬液投与を行うにあたって、良好な携帯もしくは接触、あるいは固定状態に薬液投与装置を配置するにあたり、薬液投与装置の皮膚接触面を、曲面状態にすることで、上記の配置を良好にすることを見出した。
【0032】
さらに、人体の皮膚上の広い面積部位(横幅25cm縦15cm程度の面積)に、薬液を投与しようとすれば、前述の薬液投与手段(インクジェット吐出素子部)を縦、横の任意の位置に移動させるように構成すれば良い。また、これだけ広い面積で痛みなどの症状がでておらず、ある部分に特定される場合は、その特定部分のみの領域の位置規定を行い、その部分のみに薬液を投与するように配置すれば良いこととなる。このような、広い面積に薬液を投与する装置においては、なお更、曲面状態に皮膚との接触面を形成することは必要である。
【0033】
【発明の実施の形態】
図1に、本発明の一例にかかる薬液投与方法と装置の構成概略図を示す。
【0034】
図2にその動作ブロック図を示す。
【0035】
図1に示すように、薬液投与手段1はインクジェット吐出素子110の動作により、複数の吐出ノズル2から、薬液3を非常に微量なレベルで秤量、吐出、投与することが可能である。
【0036】
ここで使用されるインクジェット吐出素子110ならびにインクジェット吐出機構は、米国特許4723129号や4740796号に開示されている基本原理を用いることが望ましいものである。
【0037】
また、その動作信号形態は、同4463359号、4345262号その他4558333号、4459600号などにも記載されているものである。
【0038】
あるいは、平02−289351や平09−314837などに記載される静電型インクジェット吐出機構やピエゾ型インクジェット機構でもよい。望ましくは、小型で簡便で、且つ、経済的であることである。
【0039】
薬液投与手段1の内部にあるインクジェット吐出素子110の駆動により、薬液3はノズルから吐出し、人体5の皮膚55へと付着する。薬液中の薬効成分は、人体の皮膚表面にある汗腺や皮膚の細胞膜を経由して、毛細血管へと浸透し、その周りの細胞へも浸透拡散するなどの経路を経て、直接、間接的に薬効を発現すべき位置へと拡散、供給される。
【0040】
薬液3は吐出ノズル2から吐出された分だけ、薬液貯蔵タンク6から供給されて来る構成である。
【0041】
図3に示すように、担持構造物7は、薬液投与手段1を木綿などの皮膚にやさしい構造物7を用いて皮膚5より約1〜5mm程度浮かすように設定配置されている。さらにプログラムにより断続的に投与するようにしておけば、皮膚55が常に薬液で濡れているわけではないので違和感やかぶれ、カユミなどの発生もないように配置できる。その薬液投与手段1の概略斜視図を図1−2に示す。吐出ノズル2のある部分は、前記担持構造物7により奥側に入り込んでいるので、直接皮膚には接触しないものである。この保護構造物7の面を曲面にすることで、人体の皮膚への装着を容易にすることが可能である。また、図5に図1に示す機構部を一体に配置した装置の概略斜視透視図を示す。このように、薬液タンク6や電源81や制御機構8を含む筐体の皮膚接触面が曲面を形成することでより良好に携帯装着が可能となる。
【0042】
また、図5、7には、装置の概略上面図を示す。このように、皮膚接触面を平面から曲面にかえることで良好に装着できる。また、移動しながら薬液投与手段が投与する場合は接触面のみ(保護構造物7)だけが曲面でなく、移動シャフト77なども曲面に形成すればより良好に広い面積を投与することが可能となる。
【0043】
インクジェット吐出機構110は縦横10mm以下で高さもせいぜい6mm程度であり、そこに薬液パイプ31で薬液タンク6と結合させ、小型の吐出制御機構8を用いれば、小型の携帯に便利な薬液投与部1と、広い平面を移動する投与手段の移動機構にて構成することができる。
【0044】
薬液の量も、患部の症状にもよるが10mlもあれば、一日の使用量は満足出来るはずであり、また、使用にて薬液タンクの内容物が空になった場合はその薬液タンクのカートリッジを交換すれば良い。従って、薬液タンク6の大きさもせいぜい12立方センチメートル程度以下となる。
【0045】
このような携帯装置システム9を図2に示すブロック図に基付いて動作させれば、良好な広範囲の皮膚への薬液投与方法が確立される。
【0046】
その動作システムは、図2を用いて説明すれば、まず、使用者は使用を開始するにあたり起動スイッチ91を動作ONにする。これにより、電力供給部81より電力がインクジェット吐出制御機構8に供給される。インクジェット吐出制御機構8に配置されている演算制御部61は動作プログラム記憶メモリ部60より所定のプログラムに従い動作を開始する。
【0047】
このプログラムは主にどのようなタイミングでどの位置のインクジェット吐出素子42を動作させるのかの制御を行うものである。その信号は、前記吐出制御機構8より信号線41を経由してインクジェット吐出素子4(110)に伝えられる。
【0048】
また、皮膚との接触面を曲面にして、携帯容易性を実現したする機構を大面積での投与を可能とした場合を例に図4を用いて説明する。図4に示すように、筐体94の皮膚接触面、この場合は、違和感防止保護構造物7が、曲面を形成しており、腰などの人体に装着しやすく構成されている。
【0049】
薬液投与手段1が移動する場合は、どの部位にて、どれだけの量を投与するかを、吐出制御手段8の制御を用いて、インク吐出素子42と薬液投与手段1の制御により可能となる。
【0050】
皮膚との中間にある孔(窓)74の開いた部位においては薬液投与を行い、前記孔(窓)74の開いていない部分においては、投与を停止する構成とする。この構成により、皮膚に接触している担持構造物7の濡れを防止できる。開口していない部分の面積やその間隔はなるべく少なくして、投与面積を広げるようにする。また、皮膚内部での薬液は、深さ方向のみばかりでなく、横方向へも広がるので、開口していない部分の長さは約2〜5mm程度に設定することができる。これにより、ほぼ、所定の面積全体に渡って、薬効を発揮できる。
【0051】
しかし、薬効を必要とする部位が、裂傷、やけどなど皮膚表面に限定される場合は、この限りではなく、開口窓74を極端に広く取る必要がある。装置の大きさと強度のかねあいでこの開口面積は決定されることはいうまでもない。
【0052】
図4に示すように、X方向への移動機構は、移動のための駆動力を発揮する小型モータ75とそれを薬液投与手段1に伝達するベルト76と、担持シャフト77とで基本構成されている。
【0053】
また、Y方向への移動機構は、図5に示されるように、内部にある小型モータ65とギアシャフト67で構成されており、ギアシャフト67に配置されたスケール68を読み取りながら位置の確認と制御を行うものである。モータ65の回転数を読み取りながら行う方法で位置を確認する方法でも良い。
【0054】
このような機構を筐体94にて外部からの衝撃や接触からの損耗に耐える様に構成されている。
【0055】
さらに、図6−1に示すようにバンドなどの装着補助手段95を用いることで、移動機構を持つ薬液投与装置システム9全体を人体5に良好に装着できる。
【0056】
また、吐出される薬液3は薬液タンク6より薬液パイプ31を経由してインクジェット吐出素子110に供給される。薬液3は、インクジェット吐出素子110により微少薬液滴300として空間を飛翔して人体5の皮膚55へ到達し、さらに皮膚55を経由して細胞組織56へ到達する。このようにして薬液3は微少液滴となり、非常に精緻な量で人体5へ投与され、最終的には細胞56や人体内部の毛細血管へと供給される。
【0057】
図3は、インクジェット吐出素子4(110)を拡大した場合の断面概略図である。
【0058】
インクジェット吐出素子4中の薬液3は共通液室44を経由して個別液室43に導入される。
【0059】
この個別液室43内の薬液30はインク吐出駆動素子42により加熱発泡し、インクジェット吐出孔2よりインクジェット液滴300となって皮膚55に向って飛翔する。インクジェット吐出素子4(110)と皮膚55とは直接接触しないように、保護構造物7で隔離されている構造となっているために、インクジェット吐出孔2と皮膚55は直接接することが無く、違和感やかぶれ、かゆみを発生することはない。
【0060】
図6−1、6−2に示すように、前記装置システム9を人体に装着し、スイッチ部収納扉98の内部にある動作スイッチ91をONにすると、インクジェット動作制御機構8により、設定されたプログラムに応じて、薬液投与手段1より必要とされる量の薬液3が皮膚上に投与される。人体の皮膚55はこの薬液3を吸収し、皮膚やその周辺の細胞に至り、薬効効果を発揮して、皮膚やその周辺細胞の活性が行われる。
【0061】
これにより、痛みの改善、病巣の治癒、体調の改善や促進などが実施される。
【0062】
一定の量の薬液の投与が終了したら、インクジェット吐出機構は動作を停止し、次の吐出のタイミングまで待機しておくことで一連の動作が確立される。
【0063】
使用を停止したければ、装置の動作スイッチをOFFにすることで、装置の薬液投与は中断される仕組みとなっている。この場合、薬液投与手段1は、規定の位置に戻るか、もしくは、その位置に停止してもよい。これは、使用される装置の形状や構造携帯により変更することが出来る。また、規定の位置に戻る場合は、薬液投与手段1のインクジェット吐出面を乾燥や接触や衝撃による劣化から保護するように、保護手段を設けても良い。
【0064】
さらに、ひざや肘などの関節運動により伸縮や曲折の激しい部位においては、曲面を形成する構造物をゴムなどの材質にすれば、人体の変曲に対して追随できるので、装置の装着が容易である。ただし、変曲が大きい場合は、薬液の投与される開口窓の部分が大きく変形しているために、開口窓の中心付近部分は薬液が皮膚に投与されるが、開口窓74の周辺部分は変形した曲面構成体や違和感防止物に薬液が衝突して、皮膚に投与されず前記曲面構成体や違和感防止物7が濡れて、違和感の発生や薬液の投与量の低減ということが発生する。このような関節などの変曲の大きい部位に本装置を使用する場合には、開口窓74の中心付近のみを投与する構成であれば、上記のような問題は解決される。
【0065】
図1に、本発明の一例にかかる薬液投与方法と装置の構成概略図を示す。
【0066】
図2にその動作ブロック図を示す。
【0067】
図1に示すように、薬液投与手段1はインクジェット吐出素子110の動作により、複数の吐出ノズル2から、薬液3を非常に微量なレベルで秤量、吐出、投与することが可能である。
【0068】
ここで使用されるインクジェット吐出素子110ならびにインクジェット吐出機構は、米国特許4723129号や4740796号に開示されている基本原理を用いることが望ましいものである。また、その動作信号形態は、同4463359号、4345262号その他4558333号、4459600号などにも記載されているものである。
【0069】
あるいは、平02−289351や平09−314837などに記載される静電型インクジェット吐出機構やピエゾ型インクジェット機構でもよい。望ましくは、小型で簡便で、且つ、経済的であることである。
【0070】
薬液投与手段1の内部にあるインクジェット吐出素子110の駆動により、薬液3はノズルから吐出し、人体5の皮膚55へと付着する。薬液中の薬効成分は、人体の皮膚表面にある汗腺や皮膚の細胞膜を経由して、毛細血管へと浸透し、その周りの細胞へも浸透拡散するなどの経路を経て、直接、間接的に薬効を発現すべき位置へと拡散、供給される。
【0071】
薬液3は吐出ノズル2から吐出された分だけ、薬液貯蔵タンク6から供給されて来る構成である。
【0072】
図3に示すように、担持構造物7は、薬液投与手段1を木綿などの皮膚にやさしい構造物7を用いて皮膚5より約1〜5mm程度浮かすように設定配置されている。さらにプログラムにより断続的に投与するようにしておけば、皮膚55が常に薬液で濡れているわけではないので、違和感やかぶれ、カユミなどの発生もないように配置できる。その薬液投与手段1の概略斜視図を図1−2に示す。吐出ノズル2のある部分は、前記担持構造物7により奥側に入り込んでいるので、直接皮膚には接触しないものである。この保護構造物7の面を曲面にすることで、人体の皮膚への装着を容易にすることが可能である。また、図7に図1に示す機構部を一体に配置した装置の概略斜視透視図を示す。このように、薬液タンク6や電源81や制御機構8を含む筐体の皮膚接触面が曲面を形成することでより良好に携帯装着が可能となる。
【0073】
また、図8、9には、装置の概略上面図を示す。このように、皮膚接触面を平面から曲面にかえることで良好に装着できる。また、移動しながら薬液投与手段が投与する場合は接触面のみ(保護構造物7)だけが曲面でなく、移動シャフト77なども曲面に形成すればより良好に広い面積を投与することが可能となる。
【0074】
インクジェット吐出機構110は縦横10mm以下で高さもせいぜい6mm程度であり、そこに薬液パイプ31で薬液タンク6と結合させ、小型の吐出制御機構8を用いれば、小型の携帯に便利な薬液投与部1と、広い平面を移動する投与手段の移動機構にて構成することができる。
【0075】
薬液の量も、患部の症状にもよるが10mlもあれば、一日の使用量は満足出来るはずであり、また、使用にて薬液タンクの内容物が空になった場合はその薬液タンクのカートリッジを交換すれば良い。従って、薬液タンク6の大きさもせいぜい12立方センチメートル程度以下となる。
【0076】
このような携帯装置システム9を図2に示すブロック図に基付いて動作させれば、良好な広範囲の皮膚への薬液投与方法が確立される。
【0077】
その動作システムは、図2を用いて説明すれば、まず、使用者は使用を開始するにあたり起動スイッチ91を動作ONにする。これにより、電力供給部81より電力がインクジェット吐出制御機構8に供給される。インクジェット吐出制御機構8に配置されている演算制御部61は動作プログラム記憶メモリ部60より所定のプログラムに従い動作を開始する。
【0078】
このプログラムは主にどのようなタイミングでどの位置のインクジェット吐出素子42を動作させるのかの制御を行うものである。その信号は、前記吐出制御機構8より信号線41を経由してインクジェット吐出素子4(110)に伝えられる。
【0079】
また、皮膚との接触面を曲面にして、携帯容易性を実現する機構を大面積での投与を可能とした場合を例に図4を用いて説明する。
【0080】
図4に示すように、筐体94の皮膚接触面、この場合は、違和感防止保護構造物7が、曲面を形成しており、腰などの人体に装着しやすく構成されている。
【0081】
薬液投与手段1が移動する場合は、どの部位にて、どれだけの量を投与するかを、吐出制御手段8の制御を用いて、インク吐出素子42と薬液投与手段1の制御により可能となる。皮膚との中間にある孔(窓)74の開いた部位においては薬液投与を行い、前記孔(窓)74の開いていない部分においては、投与を停止する構成とする。この構成により、皮膚に接触している担持構造物7の濡れを防止できる。開口していない部分の面積やその間隔はなるべく少なくして、投与面積を広げるようにする。また、皮膚内部での薬液は、深さ方向のみばかりでなく、横方向へも広がるので、開口していない部分の長さは約2〜5mm程度に設定することができる。これにより、ほぼ、所定の面積全体に渡って、薬効を発揮できる。
【0082】
しかし、薬効を必要とする部位が、裂傷、やけどなど皮膚表面に限定される場合は、この限りではなく、開口窓74を極端に広く取る必要がある。装置の大きさと強度のかねあいでこの開口面積は決定されることはいうまでもない。
【0083】
図4に示すように、X方向への移動機構は、移動のための駆動力を発揮する小型モータ75とそれを薬液投与手段1に伝達するベルト76と、担持シャフト77とで基本構成されている。
【0084】
また、Y方向への移動機構は、図5に示されるように、内部にある小型モータ65とギアシャフト67で構成されており、ギアシャフト67に配置されたスケール68を読み取りながら位置の確認と制御を行うものである。モータ65の回転数を読み取りながら行う方法で位置を確認する方法でも良い。
【0085】
このような機構を筐体94にて外部からの衝撃や接触からの損耗に耐える様に構成されている。
【0086】
さらに、図6−1に示すようにバンドなどの装着補助手段95を用いることで、移動機構を持つ薬液投与装置システム9全体を人体5に良好に装着できる。
【0087】
また、吐出される薬液3は薬液タンク6より薬液パイプ31を経由してインクジェット吐出素子110に供給される。薬液3は、インクジェット吐出素子110により微少薬液滴300として空間を飛翔して人体5の皮膚55へ到達し、さらに皮膚55を経由して細胞組織56へ到達する。このようにして薬液3は微少液滴となり、非常に精緻な量で人体5へ投与され、最終的には細胞56や人体内部の毛細血管へと供給される。
【0088】
図3は、インクジェット吐出素子4(110)を拡大した場合の断面概略図である。
【0089】
インクジェット吐出素子4中の薬液3は共通液室44を経由して個別液室43に導入される。
【0090】
この個別液室43内の薬液30はインク吐出駆動素子42により加熱発泡し、インクジェット吐出孔2よりインクジェット液滴300となって皮膚55に向って飛翔する。インクジェット吐出素子4(110)と皮膚55とは直接接触しないように、保護構造物7で隔離されている構造となっているために、インクジェット吐出孔2と皮膚55は直接接することが無く、違和感やかぶれ、かゆみを発生することはない。図6−1、6−2に示すように、前記装置システム9を人体に装着し、スイッチ部収納扉98の内部にある動作スイッチ91をONにすると、インクジェット動作制御機構8により、設定されたプログラムに応じて、薬液投与手段1より必要とされる量の薬液3が皮膚上に投与される。人体の皮膚55はこの薬液3を吸収し、皮膚やその周辺の細胞に至り、薬効効果を発揮して、皮膚やその周辺細胞の活性が行われる。これにより、痛みの改善、病巣の治癒、体調の改善や促進などが実施される。
【0091】
一定の量の薬液の投与が終了したら、インクジェット吐出機構は動作を停止し、次の吐出のタイミングまで待機しておくことで一連の動作が確立される。
【0092】
使用を停止したければ、装置の動作スイッチをOFFにすることで、装置の薬液投与は中断される仕組みとなっている。この場合、薬液投与手段1は、規定の位置に戻るか、もしくは、その位置に停止してもよい。これは、使用される装置の形状や構造携帯により変更することが出来る。また、規定の位置に戻る場合は、薬液投与手段1のインクジェット吐出面を乾燥や接触や衝撃による劣化から保護するように、保護手段を設けても良い。
【0093】
さらに、ひざや肘などの関節運動により伸縮や曲折の激しい部位においては、曲面を形成する構造物をゴムなどの材質にすれば、人体の変曲に対して追随できるので、装置の装着が容易である。ただし、変曲が大きい場合は、薬液の投与される開口窓の部分が大きく変形しているために、開口窓の中心付近部分は薬液が皮膚に投与されるが、開口窓74の周辺部分は変形した曲面構成体や違和感防止物に薬液が衝突して、皮膚に投与されず前記曲面構成体や違和感防止物7が濡れて、違和感の発生や薬液の投与量の低減ということが発生する。このような関節などの変曲の大きい部位に本装置を使用する場合には、開口窓74の中心付近のみを投与する構成であれば、上記のような問題は解決される。
【0094】
図1に、本発明の一例にかかる薬液投与方法と装置の構成概略図を示す。
【0095】
図2にその動作ブロック図を示す。
【0096】
図1に示すように、薬液投与手段1はインクジェット吐出素子110の動作により、複数の吐出ノズル2から、薬液3を非常に微量なレベルで秤量、吐出、投与することが可能である。ここで使用されるインクジェット吐出素子110ならびにインクジェット吐出機構は、米国特許4723129号や4740796号に開示されている基本原理を用いることが望ましいものである。また、その動作信号形態は、同4463359号、4345262号その他4558333号、4459600号などにも記載されているものである。
【0097】
あるいは、平02−289351や平09−314837などに記載される静電型インクジェット吐出機構やピエゾ型インクジェット機構でもよい。望ましくは、小型で簡便で、且つ、経済的であることである。
【0098】
薬液投与手段1の内部にあるインクジェット吐出素子110の駆動により、薬液3はノズルから吐出し、人体5の皮膚55へと付着する。薬液中の薬効成分は、人体の皮膚表面にある汗腺や皮膚の細胞膜を経由して、毛細血管へと浸透し、その周りの細胞へも浸透拡散するなどの経路を経て、直接、間接的に薬効を発現すべき位置へと拡散、供給される。
【0099】
薬液3は吐出ノズル2から吐出された分だけ、薬液貯蔵タンク6から供給されて来る構成である。
【0100】
図3に示すように、担持構造物7は、薬液投与手段1を木綿などの皮膚にやさしい構造物7を用いて皮膚5より約1〜5mm程度浮かすように設定配置されている。さらにプログラムにより断続的に投与するようにしておけば、皮膚55が常に薬液で濡れているわけではないので、違和感やかぶれ、カユミなどの発生もないように配置できる。その薬液投与手段1の概略斜視図を図1−2に示す。吐出ノズル2のある部分は、前記担持構造物7により奥側に入り込んでいるので、直接皮膚には接触しないものである。この保護構造物7の面を曲面にすることで、人体の皮膚への装着を容易にすることが可能である。このように、薬液タンク6や電源81や制御機構8を含む筐体の皮膚接触面が曲面を形成することでより良好に携帯装着が可能となる。
【0101】
また、図7、8には、装置の概略上面図を示す。このように、皮膚接触面を平面から曲面にかえることで良好に装着できる。また、移動しながら薬液投与手段が投与する場合は接触面のみ(保護構造物7)だけが曲面でなく、移動シャフト77なども曲面に形成すればより良好に広い面積を投与することが可能となる。
【0102】
インクジェット吐出機構110は縦横10mm以下で高さもせいぜい6mm程度であり、そこに薬液パイプ31で薬液タンク6と結合させ、小型の吐出制御機構8を用いれば、小型の携帯に便利な薬液投与部1と、広い平面を移動する投与手段の移動機構にて構成することができる。
【0103】
薬液の量も、患部の症状にもよるが10mlもあれば、一日の使用量は満足出来るはずであり、また、使用にて薬液タンクの内容物が空になった場合はその薬液タンクのカートリッジを交換すれば良い。従って、薬液タンク6の大きさもせいぜい12立方センチメートル程度以下となる。
【0104】
このような携帯装置システム9を図2に示すブロック図に基付いて動作させれば、良好な広範囲の皮膚への薬液投与方法が確立される。
【0105】
その動作システムは、図2を用いて説明すれば、まず、使用者は使用を開始するにあたり起動スイッチ91を動作ONにする。これにより、電力供給部81より電力がインクジェット吐出制御機構8に供給される。インクジェット吐出制御機構8に配置されている演算制御部61は動作プログラム記憶メモリ部60より所定のプログラムに従い動作を開始する。
【0106】
このプログラムは主にどのようなタイミングでどの位置のインクジェット吐出素子42を動作させるのかの制御を行うものである。その信号は、前記吐出制御機構8より信号線41を経由してインクジェット吐出素子4(110)に伝えられる。
【0107】
また、皮膚との接触面を曲面にして、携帯容易性を実現する機構を大面積での投与を可能とした場合を例に図4を用いて説明する。
【0108】
図4に示すように、筐体94の皮膚接触面、この場合は、違和感防止保護構造物7が、曲面を形成しており、腰などの人体に装着しやすく構成されている。
【0109】
薬液投与手段1が移動する場合は、どの部位にて、どれだけの量を投与するかを、吐出制御手段8の制御を用いて、インク吐出素子42と薬液投与手段1の制御により可能となる。
【0110】
皮膚との中間にある孔(窓)74の開いた部位においては薬液投与を行い、前記孔(窓)74の開いていない部分においては、投与を停止する構成とする。この構成により、皮膚に接触している担持構造物7の濡れを防止できる。開口していない部分の面積やその間隔はなるべく少なくして、投与面積を広げるようにする。また、皮膚内部での薬液は、深さ方向のみばかりでなく、横方向へも広がるので、開口していない部分の長さは約2〜5mm程度に設定することができる。これにより、ほぼ、所定の面積全体に渡って、薬効を発揮できる。
【0111】
しかし、薬効を必要とする部位が、裂傷、やけどなど皮膚表面に限定される場合は、この限りではなく、開口窓74を極端に広く取る必要がある。装置の大きさと強度のかねあいでこの開口面積は決定されることはいうまでもない。
【0112】
図4に示すように、X方向への移動機構は、移動のための駆動力を発揮する小型モータ75とそれを薬液投与手段1に伝達するベルト76と、担持シャフト77とで基本構成されている。また、Y方向への移動機構は、図5に示されるように、内部にある小型モータ65とギアシャフト67で構成されており、ギアシャフト67に配置されたスケール68を読み取りながら位置の確認と制御を行うものである。モータ65の回転数を読み取りながら行う方法で位置を確認する方法でも良い。このような機構を筐体94にて外部からの衝撃や接触からの損耗に耐える様に構成されている。さらに、図6−1に示すようにバンドなどの装着補助手段95を用いることで、移動機構を持つ薬液投与装置システム9全体を人体5に良好に装着できる。また、吐出される薬液3は薬液タンク6より薬液パイプ31を経由してインクジェット吐出素子110に供給される。薬液3は、インクジェット吐出素子110により微少薬液滴300として空間を飛翔して人体5の皮膚55へ到達し、さらに皮膚55を経由して細胞組織56へ到達する。このようにして薬液3は微少液滴となり、非常に精緻な量で人体5へ投与され、最終的には細胞56や人体内部の毛細血管へと供給される。
【0113】
図3は、インクジェット吐出素子4(110)を拡大した場合の断面概略図である。インクジェット吐出素子4中の薬液3は共通液室44を経由して個別液室43に導入される。この個別液室43内の薬液30はインク吐出駆動素子42により加熱発泡し、インクジェット吐出孔2よりインクジェット液滴300となって皮膚55に向って飛翔する。インクジェット吐出素子4(110)と皮膚55とは直接接触しないように、保護構造物7で隔離されている構造となっているために、インクジェット吐出孔2と皮膚55は直接接することが無く、違和感やかぶれ、かゆみを発生することはない。図6−1、6−2に示すように、前記装置システム9を人体に装着し、スイッチ部収納扉98の内部にある動作スイッチ91をONにすると、インクジェット動作制御機構8により、設定されたプログラムに応じて、薬液投与手段1より必要とされる量の薬液3が皮膚上に投与される。人体の皮膚55はこの薬液3を吸収し、皮膚やその周辺の細胞に至り、薬効効果を発揮して、皮膚やその周辺細胞の活性が行われる。これにより、痛みの改善、病巣の治癒、体調の改善や促進などが実施される。一定の量の薬液の投与が終了したら、インクジェット吐出機構は動作を停止し、次の吐出のタイミングまで待機しておくことで一連の動作が確立される。使用を停止したければ、装置の動作スイッチをOFFにすることで、装置の薬液投与は中断される仕組みとなっている。この場合、薬液投与手段1は、規定の位置に戻るか、もしくは、その位置に停止してもよい。これは、使用される装置の形状や構造携帯により変更することが出来る。また、規定の位置に戻る場合は、薬液投与手段1のインクジェット吐出面を乾燥や接触や衝撃による劣化から保護するように、保護手段を設けても良い。
【0114】
さらに、ひざや肘などの関節運動により伸縮や曲折の激しい部位においては、曲面を形成する構造物をゴムなどの材質にすれば、人体の変曲に対して追随できるので、装置の装着が容易である。ただし、変曲が大きい場合は、薬液の投与される開口窓の部分が大きく変形しているために、開口窓の中心付近部分は薬液が皮膚に投与されるが、開口窓74の周辺部分は変形した曲面構成体や違和感防止物に薬液が衝突して、皮膚に投与されず前記曲面構成体や違和感防止物7が濡れて、違和感の発生や薬液の投与量の低減ということが発生する。このような関節などの変曲の大きい部位に本装置を使用する場合には、開口窓74の中心付近のみを投与する構成であれば、上記のような問題は解決される。
【0115】
(実施例1)
図4に示した装置を製作した。インクジェット吐出素子110はシリコン基板の上に、インクジェット加熱素子が形成され、その上にインクジェット吐出オリフィスノズル2が製作されたものを用いた。このインクジェット素子110に関しては、公開特許公報平成10−146976に記載された部類のものである。この素子は、比較的薄く、基板の裏側に薬液3の流路を接続すれば良く、簡便にこのインクジェット吐出が行えるものである。
【0116】
この吐出素子110を薬液投与手段1の筐体に接着し、該素子の駆動信号電極を信号線42と接続し、さらに、該素子の薬液供給口を薬液パイプ31で薬液タンク6と接続した。さらに、薬液投与手段1に駆動モータ65や駆動力伝達ギア、および、ギアシャフト67の位置目盛り68を読み取る検知センサー(図中記載省略)を取り付けた。このようにして、Y方向(高さ方向)の移動機構を作製した。次に、筐体94とX(横)方向の移動シャフト77とシャフト接続部78を介して接続した。吐出制御機構8と電力供給線82やその他移動や吐出の制御信号を流す信号線42を介して薬液投与手段1と電気的に接続した。また、X方向の移動を行うモータ75とも接続した。本モータ75はいわゆるステッピングモータで、内部に回転角度と回数を精緻に測定できるロータリーエンコーダーが取り付けられており、移動量を精緻に測定できる機能を備えているものである。また、X方向移動モータ75はベルト76を介して、前記薬液投与手段1と接続点79で機械的に固定され、駆動モータ75の正負の方向の回転が薬液投与手段1の左右の移動に変換されて、X方向の任意の位置へ移動できるようにした。この製作した装置を、リチウムイオン電池を電力供給源として動作させた。動作は、パソコンにより、制御ソフトを制御機構8の内部にあるメモリ部60に送致し、これをフラッシュメモリを用いて記憶させ、制御演算部61で動作させるようにしたものである。
【0117】
当然ながら、薬液3は、全面に吐出投与するものではなく、窓74の開いた部分にのみ投与するように、プログラム制御した。また、筐体94は腰に装着しやすいように、腰との接触方向の部位を曲面に形成した。
【0118】
この曲面に、木綿などの繊維製の違和感防止物7を貼り付けて固定した。該違和感防止物7の開口窓と筐体94に配置された開口窓74とは相対するものでこの開口窓を通じて、薬液は人体の皮膚55へ投与されるようにした。また、この装置をバンドなどで直接皮膚に装着するのではなく、下着のシャツに該投与装置の投与手段に相当する部位に穴を開け、その上から本装置を装着しても良い。その方が、全体的な違和感を防止できた。なぜなら、バンドなどが皮膚に直接接触するのではなく、下着の上からの固定の方が全体的に違和感が発生しないためである。また、薬液3は、コーワ製薬(株)のインドメタシン配合の鎮痛薬を水とエチルアルコールにより薄めて、3〜10センチポイズ程度の粘度として用いた。発明者は、腰痛になやんでいたが、この装置を腰の部分に装着することで、腰痛の改善効果が見られた。投与は、背骨を中心に両方に約8cm上下5cmの範囲で、中心の1cm幅の部分へは投与は行わなかった。それは、背骨の部分は痛くないからであった。投与の量は、薬液投与手段1が移動しながら、1分間に0.2mlを行うものである。そのタイミングは、断続的で、4秒間で投与部全域に投与し、6秒間停止し、次の4秒間で投与という繰り返しである。それは、連続的に行わず、投与された部分の乾燥と薬液の内部への浸透を促すためである。薬液投与手段1の移動をゆっくりさせながら連続投与で行っても良い。断続的に行うことで、電池の消耗を抑え長持ちさせるためである。発明者は腰痛をもっていたが、腰痛の症状の軽減により、それまでおっくうであった外出が割りと良好に行えるようになり、気分も軽快となった。
【0119】
(実施例2)
前記インクジェット吐出機構を2個のヘッド110で製作した。薬液タンク6は2個にし、パイプ31その他信号線42なども、それぞれに接続するようにした。このようにすることで、2種類の薬液を投与することが可能なようにした。この方法によれば、異なった薬液を、同じ部位もしくは、異なった部位にプログラム制御で投与することが可能となった。当然ながら、この投与へヘッドを3個、4個というように、数を増やせば、その分だけ投与可能な種類の薬液も増加するものである。
【0120】
(実施例3)
図1−1、図1−2に示すような固定型の薬液投与装置9を作製した。この装置において、曲面を形成する構造材170を硬度45°のシリコンゴムで形成した。そして、この曲面構造材170に、違和感防止物7を接着で固定した。違和感防止物7は木綿とポリエステルとブタジエンゴムエラストマーの混合織物(通称ストレッチ繊維織布)でこれを2枚重ね、ミシン縫いにて布がずれないようにしたものである。そして、開口窓74に対応して、開口部を設けたものである。このようにすることで、すこし大きい変曲が発生するようなひざの関節の側面部に固定したが、シリコンゴム製の曲面構造材170と違和感防止物7の効果により、関節を曲げても、薬液投与装置の装着外れなどは発生なく、薬液を投与することが可能であった。当然ながら、薬液の投与は、開口窓の中心付近の部位で行った。
【0121】
【発明の効果】
本発明によれば、以下に掲げる効果が得られる。
【0122】
第1、2の発明によれば、皮膚吸収型の薬液をインクジェット吐出機構を用いて、空間を飛翔して投与することが可能なことで、さらには、前記薬液投与手段を小型且つ軽量化することが可能で薬液投与手段部を移動させることが可能となり、さらに、消費電力も極小化可能なことで、広い面積の人体表面へ薬液を精緻に長期間投与することが可能となり、また、皮膚に薬液を投与する機器や器材が長期間接触し続けることがなくなることで、皮膚に違和感やかぶれやアレルギー症状や炎症を起こすことなく、投与することが可能となる。さらに、薬液投与装置の人体との接触面方向の面を曲面とすることで、家事や外出などの人体の運動などでの伸縮や屈折による変曲による人体からの装着外れを防止することが可能である。第3の発明によれば、プログラム制御による投与が可能となるので、連続の投与ばかりでなく、時系列的に断続したり、あるいは、ある周期をもって投与したり、投与量を変化させたりすることが可能となる。また、何らかのセンサーを併用すれば、その出力に応じて薬液の投与や投与量の変化を付けて薬液を投与することが可能となる。
【0123】
第4の発明によれば、インクジェットという小型にして精度の良い薬液投与機構を用いることが可能となるので、小型で且つ軽量の携帯に便利な薬液投与手段を実現できる。第5の発明によれば、複数の薬液を投与出来るので、各薬液を同時に、もしくは、別々に、あるいは、各種混合組み合わせながら投与できるので、複数の薬液の相乗効果を期待できるばかりでなく、複数の症状に合わせて薬液の投与も可能となる。第6の発明によれば、薬液の投与の最小単位が5〜60ngと超微量であるので、薬液を薄めることなく、高い濃度で精緻に投与量を制御して投与可能となる。このことにより、薬液の携帯量や貯蔵量を低減することが可能となり、装置の小型化、軽量化をさらに進展させることが可能となる。第7の発明によれば、以上の薬液投与方法を適時組み合わせ使用することで、携帯に優れた小型で軽量で、且つ、薬液投与量の精緻なプログラム制御できる投与機器とそのシステムを提供可能となる。
【0124】
第8〜9の発明によれば、上記記載の効果を発現可能な携帯型、もしくは、据え置き型の薬液投与装置を製作することが可能となる。
【0125】
以上のように、本発明のインクジェットを用いた薬液投与方法とその装置システムは、今までに到達できなかったような精緻な薬液投与量のコントロールが可能となり、一般社会への効果は絶大である。例えば、携帯型のモルヒネと抗癌剤と免疫活性剤の複合投与機器や、モルヒネとリュウマチ鎮痛剤と免疫活性剤、インシュリン、エンドルフィン、インターフェロンなどの複合投与機器を小型で精度良く投与できるようになれば、末期の癌患者やリュウマチ患者、その他腎臓病、糖尿病患者、肝臓病患者などに、社会復帰や生活復帰の可能性を高め、大いに社会への安寧の提供に役立ものである。さらに、これらの患者や寝たきり老人が病院から出て個人で生活活動を出来るようになれば、治療や検査などの医療費や病院の係員の人件費などの低減、介護家族の負担軽減、ならびにこれら患者の社会生活活動での生産効果により、一般社会への貢献度ははかりしれないものになり、ひいては国家への寄与も絶大なものとなることは容易に類推される。また、各種ホルモンの低下や異常に悩む人々へも、効果があると類推される。
【0126】
たとえば、閉経時の更年期の女性に多い更年期障害などを女性ホルモンであるエストロゲンやその誘導体や類似物質を投与することで、症状の軽減が図られると判断される。
【0127】
本方法や装置システムを用いれば、上記のような薬液の皮膚投与は容易に実現できるるものであり、従って、本発明の効果は、経済面ばかりでなく、心理精神面でも、はかりしれない程莫大なものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】1は、本発明にかかる一例の薬液投与装置の概略斜視図である。2は、図1の薬液投与手段の拡大図である。
【図2】そのブロック構成図である。
【図3】薬液投与部分の断面概略図である。
【図4】移動型のタイプの本発明にかかる一例の薬液投与装置の概略斜視図である。
【図5】図4の薬液投与手段の部分の概略図である。
【図6】1は薬液投与装置の外観図であり、2はその装着図である。
【図7】曲面の異なる場合の説明図である。
【図8】移動が異なる場合の説明図である。
【図9】従来技術の概略説明図である。
【符号の説明】
1 薬液投与手段
110 インクジェット吐出ヘッド部
2 吐出ノズル
3 薬液
4 インクジェット吐出素子部
5 人体
6 薬液貯蔵タンク
7 保護構造物
8 薬液投与制御手段
9 携帯装置システム
30 個別液室中の薬液
31 薬液パイプ
41 インクジェット吐出駆動信号線
42 インクジェット発熱素子
43 個別液室
44 共通液室
48 薬液タンク残量検知信号線
55 皮膚層
56 皮下組織
60 プログラム等の記憶メモリ部
61 演算制御部
65 Y方向駆動モーター
67 Y方向シャフト
73 回転駆動プーリー
74 開口窓
75 X方向駆動モーター
76 駆動ベルト
77 担持シャフト
78 スライド部
79 連結部
98 スイッチ部収納扉
81 電力供給部
82 電力供給線
91 動作スイッチ
94 筐体
95 固定バンド
96 固定フック
170 曲面形成構造体
300 飛翔中の薬液
100 従来の薬液投与機器
101 注入動作機構
102 その他制御機構
Claims (11)
- 皮膚吸収型の薬液をインクジェット投与手段を用いて、直接、人体や動物の皮膚に微量投与する装置であって、薬液の投与装置の人体に接触する面が曲面形状を成していることを特徴とする装着型の皮膚吸収薬液の投与装置。
- 前記インクジェットによる投与方法は、直接、投与手段が前記皮膚に接触しないことを特徴とする請求項1記載の携帯型の薬液投与装置。
- 前記薬液投与方法は、時系列的に断続的であるか、もしくは、プログラム制御により投与する携帯型の薬液投与装置。
- 前記薬液投与は携帯型の投与機械で行われることを特徴とする請求項1、2、3項記載の携帯型の薬液投与装置。
- 前記薬液の投与は、複数の種類の薬液を投与することを特徴とする請求項1、2、3、4項記載の携帯型の薬液投与装置。
- 前記薬液の投与は、最小の薬液投与単位が5ng〜60ngであることを特徴とする請求項1、2、3、4、5項記載の携帯型の薬液投与装置。
- 前記投与手段と皮膚との間には、部分的に孔の開いた違和感防止布、もしくは、違和感防止物が配置されていることを特徴とする請求項6記載の薬液投与装置。
- 前記装置の筐体において皮膚と近接する面、もしくは、違和感防止物、あるいは、その両方が曲面形状をなしていることを特徴とする請求項1〜7項記載の投与装置。
- 薬液投与手段の移動面が曲面であることを特徴とする請求項8記載の薬液投与装置。
- 前記曲面の構成体、もしくは、違和感防止物が柔軟性可撓体であることを特徴とする請求項1〜9項記載の携帯型の薬液投与装置。
- 前記投与装置の薬液投与部が、前記薬液を投与される部分へ移動し、プログラムにより広い範囲へ投与可能となる構成であることを特徴とする請求項10記載の携帯型の薬液投与装置。
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Cited By (2)
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-
2002
- 2002-07-12 JP JP2002203622A patent/JP2004041464A/ja not_active Withdrawn
Cited By (3)
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