JP2000184898A - 活性汚泥に対する排水の硝化阻害活性の評価方法 - Google Patents

活性汚泥に対する排水の硝化阻害活性の評価方法

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JP2000184898A
JP2000184898A JP10362680A JP36268098A JP2000184898A JP 2000184898 A JP2000184898 A JP 2000184898A JP 10362680 A JP10362680 A JP 10362680A JP 36268098 A JP36268098 A JP 36268098A JP 2000184898 A JP2000184898 A JP 2000184898A
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ammonia
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Taro Iiizumi
太郎 飯泉
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Kurita Water Industries Ltd
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  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 自然環境中で増殖が制限されるアンモニア酸
化細菌組換え体を用いることにより、組換え体の外部環
境への漏出を防止し、生物学的封じ込めの観点から高い
安全性が確保された状態で、活性汚泥に対する排水の硝
化阻害の程度を簡単にかつ迅速に測定する。 【解決手段】 生物発光能力を有し、かつ自然環境中で
増殖が制限されるアンモニア酸化細菌組換え体の培養液
2および排水4の一定量を第一のセル5に注入し、混合
する。この組換え体混合液10は一定時間反応させた
後、その一定量を第二のセル8に注入するとともに、基
質溶液7の一定量を第二のセル8に注入する。第一のセ
ル5からの組換え体混合液10の注入終了と同時に、基
質混合液11の発光量をルミノメーター感光部9により
測定する。上記と同様の操作をコントロールについても
行い、コントロールに対する排水4の発光量の変化によ
り、硝化阻害を判定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、生物発光能力を有
し、かつ自然環境中で増殖が制限されるアンモニア酸化
細菌組換え体を用い、この組換え体による発光量の変化
を指標とする活性汚泥に対する排水の硝化阻害活性の評
価方法に関する。
【0002】
【従来の技術】アンモニア酸化細菌はアンモニアを酸化
して亜硝酸を生成する化学反応を通じてエネルギーを獲
得する独立栄養細菌であり、この菌によるアンモニア酸
化反応は自然環境中の窒素循環において重要な役割を担
っている。ニトロソモナス(Nitrosomonas)属細菌はこ
のようなアンモニア酸化細菌に属する細菌であり、土
壌、水中、排水プラント等の環境中に広く生息すること
が知られている。
【0003】環境浄化における排水中のアンモニア性窒
素分除去は自然環境中の窒素循環を模擬したプロセスに
よって行われている。すなわち、排水中のアンモニアを
アンモニア酸化細菌および亜硝酸酸化細菌を用いて亜硝
酸または硝酸に酸化し、さらに窒素呼吸能を持つ細菌に
よって硝酸、亜硝酸を還元して窒素ガスとして空気中に
放出する。このようなプロセスのアンモニア酸化過程に
おいて、アンモニア酸化細菌は必要不可欠な微生物群で
ある。
【0004】しかしながら、BOD除去と比べ、窒素分除
去プロセスはやや不安定であることが多く、時として処
理能力が低下し、処理水の水質悪化が起こる場合があ
り、排水処理プラントの運転管理上の問題点となってい
る。この主な原因としては、活性汚泥中に含まれている
アンモニア酸化細菌が他の従属栄養微生物と比べて環境
変化に対して感受性が強く、温度やpH変化等の物理的要
因や、排水中に存在する低濃度の化学物質によって、そ
の生物活性が低下し易いことがあげられる。分子微生物
学的観点から見た場合、アンモニア酸化の最初の酸化反
応において触媒として働くアンモニア酸化酵素(アンモ
ニアモノオキシゲナーゼ、以下AMOと略記する場合があ
る)が、さまざまな化学物質や物理的要因によって失活
し易いことが指摘されている。
【0005】このような物理的、化学的要因によるアン
モニア酸化細菌の生物活性低下を初期段階で検知し、迅
速に処理工程を改善する等の方法をもって対応すること
は、排水処理プラントの運転管理上望ましいことである
が、環境中に存在する阻害物質や影響を与える物理的要
因は多岐にわたっており、機器分析や化学分析を用いて
個々の要因を分離定量することは事実上不可能である。
そのため、細胞に対する阻害要因を総括的に評価できる
ような、硝化細菌を利用した測定方法が必要となる。そ
してこのような方法は、測定結果を速やかに排水処理プ
ラントの運転管理に適用することができるように、特別
な生化学技術に精通していない作業者にも容易に扱える
必要性があり、また迅速性および簡便性を備えたもので
なくてはならない。
【0006】従来技術において、アンモニア酸化細菌の
阻害は環境条件を模擬した条件下でのアンモニア酸化速
度の比較から推定することができる。すなわち、アンモ
ニア酸化細菌またはこの細菌を含む活性汚泥等の生物群
を、アンモニアを含む試験水中に懸濁し、環境条件を模
擬した条件下で好気的にインキュベーションし、アンモ
ニア濃度、溶存酸素濃度、亜硝酸濃度等を指標としてア
ンモニア酸化速度を測定し、その速度の減少を測定する
ことができる。しかしながら、このような方法は試料中
の指標物質の濃度測定を経時的に行い、その増減からア
ンモニア酸化速度を算出するため、簡易性、迅速性に欠
けるという問題点がある。
【0007】より簡易、迅速な測定方法として、ルシフ
ェラーゼ遺伝子を内在するアンモニア酸化細菌組換え体
を用いて、硝化阻害物質に対する発光量の低下を定量的
に測定する方法が知られている。ルシフェラーゼは酸化
反応を触媒し、生物発光を引起こす発光酵素であり、大
別して蛍等の動物細胞由来のものと、Vibrio属細菌等の
発光性細菌由来のものとが存在する。前者は下記反応式
(1)、後者は下記反応式(2)で示される酸化反応を
触媒することによって光を発する。
【0008】
【化1】 ルシフェリン + O2 + ATP → オキシルシフェリン + CO2 + ADP + ピロリン酸 + 光 …(1) 還元型フラビンモノヌクレオチド(FMNH2) + 長鎖アルデヒド(RCHO) + O2 → FMN + RCOOH + H2O + 光 …(2)
【0009】上記反応式(2)で示される細菌ルシフェ
ラーゼの反応において、FMNH2は細胞内に存在するFMN還
元酵素の反応によってNADHまたはNADPHから生成するも
のであり、一定量のルシフェラーゼおよびFMN還元酵素
が存在する場合、発光の強度はNADHおよびNADPHの濃度
に依存する。
【0010】アンモニア酸化細菌は典型的な化学合成独
立栄養細菌であり、細胞内の還元力は主としてアンモニ
ア酸化反応により生成される。従って、硝化阻害物質に
よってアンモニア酸化細菌のアンモニアモノオキシゲナ
ーゼ(AMO)が阻害された場合、アンモニア酸化反応が
停止して、NADH濃度またはATP濃度の急激な低下が起こ
ることが予想されるから、細胞内のNADHまたはATPの濃
度を、生物発光の程度を指標としてモニタリングするこ
とで、硝化阻害の強度を測定することが可能である。
【0011】上記技術の具体例としては、ニトロソモナ
ス(Nitrosomonas)属細菌にビブリオ フェシリ(Vibr
io fischeri)由来のルシフェラーゼ遺伝子を導入した
組換え体を用いた公知例(EP 705904)、ある
いはニトロソモナス ユーロパエ(Nitrosomonas europ
aea)にビブリオ ハーベイ(Vibrio harveyi)由来の
ルシフェラーゼ遺伝子を導入した組換え体を用いた公知
例(特開平10−108697号)等が知られている。
【0012】このような生物発光能力を持つアンモニア
酸化細菌組換え体を、し尿処理場や工場排水処理施設等
の現場で使用するためには、組換え体の外部環境への漏
出を防止するため、生物学的封じ込めの観点から安全性
の高い組換え体を利用することが必要である。すなわ
ち、発酵槽内や実験室の試験管内等の人工的かつ保護さ
れた特殊な培養条件下では増殖するが、土壌や下水等の
外部環境(自然環境)中では増殖が制限されている組換
え体を使用することが望ましい。例えば具体的には、細
胞の増殖・維持に必要なビタミンやアミノ酸等の生合成
経路の遺伝子に変異を生させることによってこの遺伝子
の機能を失活させ、該当栄養素を合成できる能力を欠損
させた組換え体を用いることや、または紫外線照射を受
けた際の遺伝子修復機構に関与する遺伝子に変異を起こ
し、太陽光線等の微量の紫外線の下で生存能力を著しく
低下させた組換え体の利用が必要である。
【0013】このような微生物細胞を獲得するために
は、紫外線照射や変異原物質処理等により染色体DNAに
損傷を与え、結果として得られるさまざまな変異株の中
から目的とする変異株をスクリーニングする方法が一般
的である。しかし、アンモニア酸化細菌においては、DN
A損傷とこれに伴う遺伝的変異が生じる以前に、紫外線
や変異原物質がアンモニア酸化酵素の阻害剤として働
き、細胞自体の生物活性が低下または消失してしまうと
いう問題点がある。従って、変異原物質や紫外線を用い
てアンモニア酸化細菌を直接変異させる従来の手法で
は、アンモニア酸化能を維持した変異株を取得すること
は極めて困難である。このため、自然環境中で増殖が制
限されるアンモニア酸化細菌組換え体を用いた硝化阻害
物質の測定手法は、これまで確立されていない。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、自然
環境中で増殖が制限されるアンモニア酸化細菌組換え体
を用いることにより、組換え体の外部環境への漏出を防
止し、生物学的封じ込めの観点から高い安全性が確保さ
れた状態で、活性汚泥に対する排水の硝化阻害の程度を
簡単にかつ迅速に測定することができる活性汚泥に対す
る排水の硝化阻害活性の評価方法を提案することであ
る。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明は、次の活性汚泥
に対する排水の硝化阻害活性の評価方法である。 (1)生物発光能力を有し、かつ自然環境中で増殖が制
限されるアンモニア酸化細菌組換え体と、排水とを混合
し、この混合物の発光量を指標とする 活性汚泥に対する排水の硝化阻害活性の評価方法。 (2)生物発光能力を有し、かつ自然環境中で増殖が制
限されるアンモニア酸化細菌組換え体と、排水とを第一
のセル内で混合し、次にこの混合物と、生物発光に必要
な基質とを第二のセル内で混合したのち、この混合物の
発光量をルミノメーターで計測する 活性汚泥に対する排水の硝化阻害活性の評価方法。
【0016】本発明において使用するアンモニア酸化細
菌組換え体は、生物発光能力を有し、かつ自然環境中で
増殖が制限されるアンモニア酸化細菌組換え体であり、
少なくとも、宿主となるアンモニア酸化細菌、機能を人
為的に失活させる対象となる増殖の制限に関与する遺伝
子、ルシフェラーゼ遺伝子、およびアンモニア酸化細菌
内で機能するプロモーターによって構成される。
【0017】本明細書では、アンモニア酸化細菌にまず
増殖の制限に関与する遺伝子を導入して、自然環境中で
増殖が制限されるアンモニア酸化細菌組換え体を調製
し、この組換え体にさらにルシフェラーゼ遺伝子および
プロモーターを導入して、本発明で使用するアンモニア
酸化細菌組換え体を調製する方法を中心に説明するが、
組換え体の調製方法はこれに限定されず、例えば遺伝子
の導入順序を変更し、ルシフェラーゼ遺伝子およびプロ
モーターを導入したのち、増殖の制限に関与する遺伝子
を導入してアンモニア酸化細菌組換え体を調製すること
もできる。また生物発光能力を有するアンモニア酸化細
菌が入手可能であるならば、ルシフェラーゼ遺伝子およ
びプロモーターの導入は省略することができる。
【0018】宿主となるアンモニア酸化細菌はアンモニ
アを酸化して亜硝酸を生成し、このとき得られるエネル
ギーを用いて二酸化炭素の同化を行う独立栄養細菌であ
れば特に制限されず、具体的にはニトロソモナス(Nitr
osomonas)属細菌、ニトロソスピラ(Nitrosospira)属
細菌、ニトロソビブリオ(Nitrosovibrio)属細菌、ニ
トロソコッカス(Nitrosococcus)属細菌等があげられ
る。さらに具体的には、Nitrosomonas europaea IFO142
98、Nitrosococcus oceanus等が使用できる。これらの
微生物はATCC(American Type Culture Collection)、
IFO(Institutefor Fermentation, Osaka)等の公的微
生物保存機関から入手可能であり、これらの機関から分
譲されたものを使用することができる。また、アンモニ
ア酸化細菌は、土壌、海水、排水処理プラント等の環境
中に広範囲に生息しており、これらの環境中から分離し
た菌株を使用することもできる。
【0019】本発明で使用するアンモニア酸化細菌組換
え体は自然環境中で増殖が制限されるアンモニア酸化細
菌組換え体である。ここで「自然環境中で増殖が制限さ
れる」とは、組換え体の外部環境への漏出を防止するた
め、生物学的封じ込め対策が講じられた細菌であり、発
酵槽内や実験室内の試験管内等の人工的かつ保護された
特殊な培養条件下では増殖するが、土壌や下水等の外部
環境(自然環境)中では増殖が制限されていることを意
味する。
【0020】本発明で使用する自然環境中で増殖が制限
されるアンモニア酸化細菌組換え体は、例えば増殖の制
限に関与する遺伝子の機能を人為的に失活させたアンモ
ニア酸化細菌組換え体であり、具体的には細胞の増殖、
維持に必要なビタミンまたはアミノ酸等の栄養素の生合
成経路の遺伝子に変異を生じさせることによってこの遺
伝子の機能を失活させ、ビタミンまたはアミノ酸等の栄
養素の合成能力を欠損させたアンモニア酸化細菌組換え
体、または紫外線照射を受けた際の遺伝子修復機能に関
与する遺伝子に変異を起こして太陽光線等の微量の紫外
線下で生存能力を著しく低下させたアンモニア酸化細菌
組換え体等である。
【0021】前記の機能を人為的に失活させる対象とな
る増殖の制限に関与する遺伝子は、アンモニア酸化細菌
に由来し、この遺伝子の機能が失活することによって人
工的に保護された培養条件下では生育できるが、それ以
外の環境条件下では生育能力を欠くか、または野生株と
比較して生育能力が著しく低下した表現形質となる遺伝
子である。例えばこのような遺伝子としては、微生物が
生育に必要な栄養素を無機物または前駆体から合成する
ために必要な酵素をコードする遺伝子;紫外線照射を受
けた際にDNAの損傷修復に作用する遺伝子;これらの遺
伝子の発現を制御する調節遺伝子やプロモーター等の発
現制御領域等があげられる。
【0022】本発明では、栄養素の添加時および無添加
時における生育の違いによって比較的簡単に表現型を区
別できることから、栄養素を合成するために必要な酵素
をコードする遺伝子が失活したアンモニア酸化細菌組換
え体を使用するのが好ましい。この場合、栄養要求性変
異株を使用することになる。
【0023】微生物の生育に必要な栄養素としては、ト
リプトファン、アスパラギン酸等のタンパク質の構成成
分であるアミノ酸;アデニン、グアニン等の核酸の構成
成分となるプリン・ピリミジン類;チアミン(ビタミン
1)、パントテン酸等のビタミン類等が例としてあげ
られる。従って本発明では、これらの栄養素の合成に関
与する遺伝子、例えばビタミン合成酵素をコードするビ
タミン合成酵素遺伝子、アミノ酸合成酵素をコードする
アミノ酸合成酵素遺伝子、発現制御遺伝子等を失活させ
る。ただし、L−ヒスチジン、L−トレオニン等の一部
のアミノ酸は、培地に添加した場合アンモニア酸化細菌
のアンモニア酸化能を阻害することが指摘されているの
で、これらの栄養素の合成に関与する遺伝子を失活させ
ることは効果がない。機能を失活させる遺伝子の具体的
なものとしては、例えばチアミンシンセターゼ(thiami
ne synthetase)遺伝子、トリプトファンシンセターゼ
(tryptophan synthetase)遺伝子等があげられる。失活
させる方法としては、塩基置換、塩基挿入、欠失等があ
げられる。
【0024】アンモニア酸化細菌から増殖の制限に関与
する遺伝子をクローン化するには、次に示すような方法
が用いられる。すなわち、まずアンモニア酸化細菌染色
体DNAを市販されている適当な制限酵素で部分的または
完全に消化したのち、得られた消化DNA断片を大腸菌、
酵母等の宿主微生物内で自立的に複製できるクローニン
グベクター、例えばpUC19、pBR322、YEp24等のプラスミ
ドに連結する。次にこの組換えDNA分子を用いて宿主細
胞の形質転換を行い、アンモニア酸化細菌染色体DNA由
来のさまざまなDNA断片を内在する形質転換体によって
構成される遺伝子ライブラリーを構築する。
【0025】遺伝子ライブラリーから、増殖の制限に関
与する遺伝子を含む形質転換体をスクリーニングするに
は、さまざまな公知の手法が用いられる。例えば、 1)異種生物の該当遺伝子と相補性を持つDNA断片をプ
ローブとし、ハイブリダイゼーション等の手法によって
スクリーニングする方法 2)アンモニア酸化細菌の該当遺伝子産物を精製し、そ
の部分的アミノ酸配列に相当する遺伝子暗号を基にした
合成遺伝子をプローブとし、ハイブリダイゼーション等
の手法によってスクリーニングする方法 3)精製された該当遺伝子産物の抗体を作製し、形質転
換体が産生する外来蛋白質に対する抗原抗体反応でスク
リーニングする方法 4)該当遺伝子欠損変異株として表現型を示す微生物を
宿主とし、その形質を相補できる遺伝子をスクリーニン
グする方法 等があげられる。
【0026】一般に、増殖の制限に関与する遺伝子の多
くは真核、原核を問わず広範囲の生物において存在が知
られており、蛋白質の一次構造および機能は生物種間を
越えて高度に保存されていることから、既に塩基配列の
決定されている異種生物の相同遺伝子をDNAプローブと
して利用する上記1)の方法が簡便であり適している。
また、大腸菌、酵母等の遺伝子組換え実験に多用される
宿主微生物では、これまでに多くの変異株が分離されて
おり、このような微生物を入手できればその表現形質を
指標として相補性を用いる上記4)の方法も簡便であ
る。
【0027】このようにしてスクリーニングされたDNA
断片は、大腸菌、酵母等の宿主微生物を用いて増幅でき
る。また、PCR(Polymerase Chain Reaction、ポリメラ
ーゼ連鎖反応)等により、試験管内で増幅することもで
きる。増幅されたDNA断片を用いて制限酵素地図を作成
し、遺伝子構造を特定することができる。さらに、サン
ガー法等公知の方法を用いて塩基配列を決定し、増殖の
制限に関与する遺伝子と推定されるオープンリーディン
グフレームを特定することができる。特定されたオープ
ンリーディングフレームが増殖の制限に関与する遺伝子
であるかどうかは、例えばコードされるペプチドの一次
構造と異種生物由来の該当蛋白質との相同性、またはコ
ードされるペプチドの一次構造と精製されたタンパク質
の部分アミノ酸配列との相同性を調べることによって確
認することができる。
【0028】クローニングした遺伝子断片は、塩基置
換、塩基挿入、欠失等によって変異を与えることがで
き、遺伝子の機能を人為的に失活させた機能失活遺伝子
を得ることができる。例えば、コードされるタンパク質
の触媒作用(酵素活性)を失活させたり、遺伝子のプロ
モーター活性を失活させたりすることができる。機能の
失活した機能失活遺伝子を得る具体的な方法としては、 5)クローニングした遺伝子断片を生体内または試験管
内で紫外線または変異原物質で変異処理を行い、該当箇
所を変異させる方法 6)公知の部位特異的変異法によって該当箇所に変異を
生じさせる方法 7)クローニングした遺伝子断片を制限酵素等のDNA分
解酵素で切断し、切断点に挿入および/または欠失を施
したのち、再度連結する方法 8)目的遺伝子の配列をもとに変異遺伝子(機能失活遺
伝子)を合成する方法等があげられる。
【0029】本発明で使用する組換え体は、上記方法で
得られた変異遺伝子(機能失活遺伝子)を、元のアンモ
ニア酸化細菌の染色体DNA上の正常な遺伝子と交換する
ことにより作製することができる。遺伝子を交換するに
は、変異遺伝子(機能失活遺伝子)断片をアンモニア酸
化細菌中に導入し、相同的領域で生体内相同的組換えを
生じさせることにより行うことができる。そして、導入
変異遺伝子(機能失活遺伝子)の形質を持った組換え体
を選別することにより、自然環境中で増殖が制限される
アンモニア酸化細菌組換え体を得ることができる。
【0030】アンモニア酸化細菌中に導入する際の遺伝
子の形態としては、変異遺伝子(機能失活遺伝子)をコ
ードするDNA断片、またはこのDNA断片をファージ、プラ
スミド等のベクターに連結した状態で用いることができ
る。このとき、ベクターはアンモニア酸化細菌内で自律
的複製ができないものか、または制限酵素等で消化し複
製能力を欠如したものであることが望ましい。これらの
変異遺伝子(機能失活遺伝子)は、エレクトロポレーシ
ョン、接合伝達等の公知の方法を用いてアンモニア酸化
細菌に導入することができる。
【0031】遺伝子を導入された細胞の一部は、導入し
た変異遺伝子(機能失活遺伝子)と染色体DNA上の正常
な遺伝子との相同的な領域の間で組換えが生じ、変異遺
伝子(機能失活遺伝子)が染色体上に存在する形質とな
る。このような形質を持つ形質転換体を選び出すことに
よって自然環境中で増殖が制限されるアンモニア酸化細
菌組換え体を獲得することができる。選択作業を容易に
するためには、薬剤耐性遺伝子等のマーカー遺伝子を含
むベクターや変異遺伝子(機能失活遺伝子)を用いて形
質転換を行うことによって可能となる。得られた形質転
換体の遺伝子形態を確認するためには、該当領域の長さ
をPCR法やサザンブロッティング等の公知の方法で調べ
たり、再度クローニングを行い、塩基配列を調べること
によって確認することができる。
【0032】次に、上記のようにして得られた、自然環
境中で増殖が制限されるアンモニア酸化細菌組換え体に
ルシフェラーゼ遺伝子を導入して、生物発光能力を付与
する。上記ルシフェラーゼ遺伝子は、前記のように酸化
反応によって生物発光を引起こすルシフェラーゼ蛋白質
をコードする遺伝子であり、先に述べたように蛍等の動
物細胞や、Vibrio属等の発光性細菌等、種々の生物細胞
を起源とするものが使用できるが、細胞培養が容易であ
ることや通常の微生物細胞内には存在しない基質(ルシ
フェリン)を必要としないことから、Vibrio属、Photob
actrerium属等の細菌細胞由来のルシフェラーゼ遺伝子
を使用することが望ましい。ルシフェラーゼ遺伝子の具
体的なものとしては、luxAB等のlux遺伝子群およびこれ
らの遺伝子群を含むDNA断片等があげられる。いくつか
の細菌由来のルシフェラーゼ遺伝子の塩基配列は公知に
なっており、このような遺伝子としてはP. leiognathi
PL741株由来のluxAB遺伝子(参考文献:J. Biolumin. C
hemilumin., 4, 326-341(1989))、V. harveyi ATCC338
43株由来のluxAB遺伝子(参考文献:J. Biol. Chem., 2
60, 6139-6146(1985)、J. Biol. Chem., 261, 4805-481
1(1986))等があげられる。Vibrio属、Photobactrerium
属等の微生物は、自然界から分離して使用することも可
能であるが、ATCC、IFO等の公的微生物保存機関から入
手したものを使用することもできる。
【0033】ルシフェラーゼ遺伝子は前記生物細胞から
抽出・精製したDNAから、公知の方法に基づいてクロー
ニングすることができる。例えば、大腸菌等の比較的扱
いやすい細菌細胞を宿主とし、プラスミド等をベクター
とした宿主−ベクター系を用いて遺伝子ライブラリーを
構築し、ルシフェラーゼ蛋白質のアミノ酸配列に対応す
るDNAプローブや、形質転換体の形質発現等を利用して
目的遺伝子を含む形質転換体をスクリーニングすること
が可能である。より簡便には、目的とするルシフェラー
ゼ蛋白質のアミノ酸配列や、既に蛋白質の一次構造が明
らかになっている異種ルシフェラーゼ間において高度に
保存されているアミノ酸領域に対応するDNA配列を用い
て、PCRを用いてクローニングすることができる。
【0034】ルシフェラーゼ遺伝子の上流にはルシフェ
ラーゼ遺伝子をアンモニア酸化細菌内で発現させるため
のプロモーター領域が必要である。このようなプロモー
ター領域には、アンモニア酸化細菌由来のRNAポリメラ
ーゼで認識される転写開始領域が含まれている必要があ
る。アンモニア酸化細菌由来のRNAポリメラーゼにおけ
る共通認識配列はこれまでに報告されていないことか
ら、アンモニア酸化細菌内で発現させるためのプロモー
ター領域としては、アンモニア酸化細菌の既知遺伝子由
来の構造と機能が明らかになっているプロモーター、ま
たはプロモーターの存在が推測される既知遺伝子の5’
側上流領域が利用しやすい。具体的には、N. europaea
由来のアンモニアモノオキシゲナーゼ遺伝子(amo
5’側上流領域(参考文献:J. Bacteriol., 175, 2436
-2444 (1993))、N. europaea由来のヒドロキシルアミ
ンオキシドリダクターゼ遺伝子(hao)プロモーター
(参考文献:Bergmann, D. J. et al., J. Bacteriol.,
176, 3148-3153 (1994))、N. europaea由来の機能不
明のプロモータ−(参考文献:FEMS Microbiol. Lett.,
137,9-12(1996))、およびこれらのプロモーターを含
むDNA断片等が利用できる。また異種生物由来のプロモ
ーター領域も、アンモニア酸化細菌内において機能する
ものであれば使用することができる。
【0035】このようなプロモーター領域の下流に前記
ルシフェラーゼ遺伝子を連結した融合遺伝子を、宿主ア
ンモニア酸化細菌に導入することによって生物発光能力
を有するアンモニア酸化細菌組換え体を得ることができ
る。融合遺伝子は、プロモーター領域とルシフェラーゼ
遺伝子とを公知の方法により連結することにより得られ
る。また融合遺伝子の導入は、宿主となるアンモニア酸
化細菌内で自律的に複製可能であるプラスミド、ファー
ジ等のベクターを用いて、宿主内にサテライトDNAの形
態として共存させることができる。またトランスポゾ
ン、相同的組換え等の手法によって、目的融合遺伝子を
宿主染色体内にインテグレートした状態で導入させるこ
ともできる。
【0036】上記のようにして得られた生物発光能力を
有し、かつ自然環境中で増殖が制限されるアンモニア酸
化細菌組換え体は培養によって増殖させることができ
る。培養は組換え体に適した条件で行うのが好ましく、
例えば20〜30℃の温度管理下で、アンモニア酸化細菌の
培養に一般的に使用される無機培地を用いて増殖させる
ことができる。このような培地としては、塩化アンモニ
ウム、硫酸アンモニウム等のアンモニウム塩、および成
育に必要な無機塩類を含む培地、例えばP培地(lewis,
R. F. & Pramer, D., J. Bacteriol., 76, 524-528(19
58))等を用いて行うのが好ましい。
【0037】上記のようにして得られたアンモニア酸化
細菌組換え体は、細胞の増殖、維持に必要なビタミンや
アミノ酸等の生合成経路の遺伝子に異変を生じた結果、
この遺伝子の機能が失活し、該当栄養素を合成できる能
力を失っているので、該当栄養素またはその前駆体を培
地に供給する必要がある。例えば、トリプトファン合成
酵素群の遺伝子の一部を欠損した組換え体であれば、例
えばトリプトファンを培地中に添加する必要がある。添
加濃度は、充分な成育が認められ、かつ添加物質による
増殖阻害が認められない濃度であることが好ましく、ア
ミノ酸、核酸関連物質ではおおむね10〜100mg/l、ビタ
ミン類では0.001〜1mg/lとするのが好ましい。培養中
のpHは、アンモニア酸化細菌組換え体の増殖に伴って生
成される亜硝酸によって次第に低下するので、NaOH
等のアルカリ性水溶液を添加することによってpH7.5〜
8.0に維持することが好ましい。培養中は、紫外線およ
び可視光線の照射を防ぐため、暗所で培養することが好
ましい。初発の植菌量にもよるが、通常3〜7日間の培
養時間で対数増殖期に達する。例えば、P培地を用いて
培養した場合、対数増殖期において、菌体濃度は1×1
6〜1×107cells/mlとなり、培養液の亜硝酸濃度
は約1〜10mMに達する。
【0038】上記のようにして得られた組換え体培養液
は、そのまま排水の硝化阻害評価試験に用いることがで
きる。また菌体細胞を遠心分離法、膜濃縮法等によって
集菌、洗浄し、再びアンモニアまたはアンモニウム塩を
含む緩衝液に懸濁して利用してもよい。懸濁液のpHは7.
5〜8.0となるように維持することが好ましい。さらに菌
体懸濁液を蛋白質やグリセリン等の保護剤の共存下、凍
結または凍結乾燥処理を行い、これを復元したのち利用
しても差し支えない。復元液は基質となるアンモニアま
たはアンモニウム塩を含むものであることが好ましく、
復元後の懸濁液のpHが7.5〜8.0となるように調製するの
が好ましい。復元から測定までの時間は、細胞が生物活
性を取り戻すために必要な時間でよく、約5〜30分間が
適当である。復元液の温度は20〜30℃が好ましい。
【0039】本発明の硝化阻害活性の評価方法は、上記
のようにして得られた組換え体と、硝化阻害活性の有無
を判定を行いたい排水(以下、試料という場合がある)
とを混合し、この混合物の発光量を指標とする方法であ
り、後述するようにコントロールに対する発光量の変化
により阻害の有無または阻害の程度を判定することがで
きる。
【0040】試料と混合する組換え体としては、組換え
体の菌体のほか、前記のように組換え体培養液、組換え
体懸濁液または組換え体復元液等が使用できるが、培養
液、懸濁液または復元液が好ましい。組換え体の菌体を
用いる場合はアンモニアまたはアンモニウム塩を含む緩
衝液を混合するのが好ましい。組換え体と試料とを混合
した混合物の培養時間は、発光強度の変化が観察される
時間でよく、約1分間〜1時間程度が適当である。培養
温度は20〜30℃が好ましい。
【0041】発光は、ルミノメーター等の測定機器を用
いることにより定量的に測定することができる。反応は
短時間で起こることから測定時間は短い。また、組換え
体細胞を破壊することなく発光量を測定することができ
るので、操作は簡便かつ迅速に行うことができ、自動化
によるモニタリングも可能である。発光は、ルシフェラ
ーゼの活性およびアンモニア酸化細菌の生物活性が高く
維持される条件で測定するのが好ましく、通常温度20〜
30℃、pH7.5〜8.0の条件で測定するのが好ましい。
【0042】ルシフェラーゼの基質を必要とする場合に
は、基質、例えば長鎖アルデヒドなどを添加して発光反
応を進めなければならない。添加する基質の具体的なも
のとしては、n−デシルアルデヒド、n−ノニルアルデ
ヒド等の長鎖アルデヒドなどがあげられる。基質生成に
関与する遺伝子、例えばVibrio属、Photobactrerium
等のアルデヒド合成遺伝子群、より具体的にはVibrio h
arveyiluxCDE遺伝子を含む組換え体においては、基質
を添加する必要はない。
【0043】アンモニア酸化細菌の硝化活性が阻害され
ないコントロール試験、例えば水または緩衝液を試料の
代わりに加えたコントロール試験では、アンモニア酸化
反応は正常に進行するので、細胞内には発光に必要な濃
度のNADH、NADPHまたはATPが存在することになり、この
ため比較的強い発光が生じる。これに対して、試料中に
アンモニア酸化細菌に対する硝化阻害物質が含まれてい
る場合は、アンモニア酸化反応は阻害を受けることか
ら、細胞内には充分な発光に必要な濃度のNADH、NADPH
またはATPが存在しないことになり、このため比較的弱
い発光が生じるか、または全く発光が観察されない。阻
害の程度が大きい程、コントロールに対する発光強度の
低下(変化)は大きい。従って、発光の有無または発光
強度の低下(変化)により、硝化活性の阻害の有無また
は阻害の程度を判定することができる。
【0044】このような方法により検出される硝化阻害
物質の種類は限定されず、例えばアリルチオ尿素、ニト
ラピリン(Nitrapyrin、2-chloro-6-trichloromethyl p
yridine)またはこれらの混合物、あるいはこれまでに
知られていない硝化阻害物質があげられる。また硝化阻
害物質以外にも、pH等の物理的阻害も測定することがで
きる。
【0045】本発明で使用されるアンモニア酸化細菌組
換え体は、増殖の制限に関与する遺伝子の機能が失活し
た機能失活遺伝子が、相同的組換えにより染色体上に導
入されているので、外部環境(自然環境)中では増殖が
制限されることが期待され、生物学的封じ込めの観点か
らも安全性の向上を図ることができる。
【0046】
【発明の実施の形態】本発明の実施例を図面を用いて説
明する。図1は排水の硝化阻害活性の評価に使用する測
定装置の系統図である。図1おいて、1は組換え体用の
リザーバーであり、生物発光能力を有し、かつ自然環境
中で増殖が制限されるアンモニア酸化細菌組換え体の培
養液2が収容される。3は試料用のリザーバーであり硝
化阻害活性の有無の判定を行う試料(排水)4が収容さ
れる。5は第一のセル、6は基質用のリザーバーであ
り、生物発光に必要な基質溶液7が収容される。8は第
二のセル、9はルミノメーター感光部である。
【0047】図1の測定装置は、培養液2および試料4
の一定量がポンプ15、16によりラインL1、L2を
通して第一のセル5に注入され、充分に混合されるよう
に構成されている。また第一のセル5内の組換え体混合
液10および基質溶液7の一定量がポンプ17、18に
よりラインL3、L4を通して第二のセル8に注入さ
れ、充分に混合されるように構成されている。液の混合
は注入時の水流によって行うことができるし、振動等に
より行うこともできる。第二のセル8はルミノメーター
感光部9に密着した状態で設置され、第二のセル8内の
基質混合液11の発光量が測定されるように構成されて
いる。
【0048】図1の測定装置による発光量の測定は、ま
ず培養液2および試料4の一定量がポンプ15、16に
より第一のセル5に注入され、充分に混合される。この
組換え体混合液10は一定時間反応させた後、一定量が
ポンプ17により第二のセル8に注入されるとともに、
基質溶液7の一定量がポンプ18により第二のセル8に
注入される。例えば、100μlの組換え体混合液10
と、基質であるn−デシルアルデヒドをエタノールに溶
解した5μlの基質溶液7とが第二のセル8に注入さ
れ、充分に混合される。第一のセル5からの組換え体混
合液10の注入終了と同時に、基質混合液11の発光量
の測定がルミノメーター感光部9により開始される。リ
ザーバ1、3、6、第一のセル5、および第二のセル8
は25℃の温度下に保たれている。上記と同様の操作
が、コントロールについても行われ、コントロールに対
する試料4の発光量の変化により、前記のように硝化阻
害が判定される。図1の測定装置を用いた硝化阻害活性
の評価方法によれば、自動化によるモニタリングも可能
である。
【0049】
【発明の効果】本発明の請求項1の硝化阻害活性の評価
方法は、生物発光能力を有し、かつ自然環境中で増殖が
制限されるアンモニア酸化細菌組換え体を用いて、この
組換え体と排水との混合物の発光量を測定しているの
で、組換え体の外部環境への漏出を防止し、生物学的封
じ込めの観点から高い安全性が確保された状態で、活性
汚泥に対する排水の硝化阻害の程度を簡単にかつ迅速に
測定することができる。
【0050】本発明の請求項2の硝化阻害活性の評価方
法は、生物発光能力を有し、かつ自然環境中で増殖が制
限されるアンモニア酸化細菌組換え体を用いて、この組
換え体と排水とを第一のセル内で混合し、次にこの混合
物と基質とを第二のセル内で混合したのち、この混合物
の発光量をルミノメーターで計測するので、組換え体の
外部環境への漏出を防止し、生物学的封じ込めの観点か
ら高い安全性が確保された状態で、活性汚泥に対する排
水の硝化阻害の程度を簡単にかつ迅速に測定することが
できるとともに、自動化によるモニタリングも可能であ
る。
【0051】
【実施例】次に本発明の実施例について説明する。実施
例で使用したプラスミド、微生物等は次の通りである。 ○Nitrosomonas europaea IFO14298 株 IFO発行の「List of Cultures 1992 Microorganisms 9t
h Edition」に記載されている。 ○Escherichia coli DH5 株 チアミン(ビタミンB1)要求性の大腸菌。コンピテン
トセルとして東洋紡績株式会社より市販されている。 ○Escherichia coli ATCC23803 株 トリプトファン要求性の大腸菌。ATCCから入手できる(C
atalogue of Bacteria& Phages 17th edition, 1991)。
【0052】○pUC19 大腸菌用プラスミドベクター。東洋紡績株式会社より市
販されている。 ○pHSG299 カナマイシン耐性遺伝子をマーカーとする大腸菌用プラ
スミドベクター。宝酒造株式会社より市販されている。 ○pCH110 β−ガラクトシダーゼ遺伝子を含む大腸菌用プラスミド
ベクター。ファルマシアバイオテク株式会社より市販さ
れている。 ○pBR322 大腸菌用プラスミドベクター。東洋紡績株式会社より市
販されている。
【0053】実施例1 《N. europaea由来トリプトファン合成酵素遺伝子のク
ローニング》Nitrosomonas europaea IFO14298 株染色
体DNAを制限酵素EcoRIで完全消化した。すなわち、N. e
uropaea 染色体DNA 1 μgを含むTE溶液(10mM Tris-Cl
(pH 8.0), 1mM EDTA)を微量遠心管にとり、東洋紡株式
会社より販売されている10倍濃度の反応至適緩衝液、
およびEcoRI(東洋紡株式会社製)20 U を添加し、37℃
で1時間反応を行った。消化したDNA溶液は、フェノー
ル・クロロホルム処理後、エタノール沈殿によって回収
した。すなわち、DNA溶液に25:24:1の容量比のTE飽和フ
ェノール:クロロホルム:イソアミルアルコール混合液
を加え、10,000x g、5分間の遠心分離後、上清を得
た。この上清の1/10容量に相当する3 M酢酸ナトリウム
を加えてよく混合したのち、2.5倍容量に相当するエタ
ノールを加え、混合後−80℃に15分間放置した。次に1
0,000 x g、10分間の遠心分離を行い、沈殿物として得
られたPCR産物を70%エタノールでリンスしたのち、減圧
乾燥した。
【0054】得られたDNA断片約0.1 μgと、EcoRIで完
全消化しアルカリホスファターゼ処理によって5'末端の
リン酸基を除去したpUC19プラスミド0.05 μgとを混合
し、ライゲーションを行った。ライゲーションには宝酒
造株式会社製DNAライゲーションキットを用いた。すな
わち、混合DNA溶液の4倍量に相当するライゲーション
溶液Aを加えてよく混合したのち、混合DNA溶液と等量
のライゲーション溶液Bを添加し、混合後16℃で1時間
の反応を行った。
【0055】得られたライゲーション産物は大腸菌DH5
株コンピテントセル(東洋紡績株式会社製)に形質転換
し、50 μg/mlのアンピシリンを含むM9平板培地〔Na2HP
O4・7H2O 14.8 g/l, KH2PO4 3g/l, NaCl 0.5 g/l, NH4Cl
1.0g/l, グルコース 4 g/l,Agar noble (ディフコ社)
15 g/l〕に塗布した。37℃で3日間培養したのち、形成
したコロニーを滅菌済みの5 ml のLB液体培地〔バクト
トリプトン(ディフコ社) 10 g/l、バクトイーストエ
キストラクト(ディフコ社)5 g/l、 NaCl 5g/l (pH7.
0)〕に植種した。37℃で16時間振盪培養し、得られた培
養液から公知のアルカリリシス法(Molecular Cloning,
A Laboratory Manual, 第二版、ColdSpring Harbor La
boratory press, 1989、1.38〜1.39)によってプラスミ
ドを抽出した。
【0056】得られたプラスミド混合物を用いて、Esch
erichia coli ATCC23803 株を形質転換し、50 μg/mlの
アンピシリンおよび10ng /mlのチアミン塩酸塩を含むM9
平板培地に塗布した。37℃で3日間培養したのち、形成
したコロニーを、50 μg/mlのアンピシリンを含む滅菌
済みの5 ml のLB液体培地に植種した。37℃で16時間振
盪培養し、得られた培養液から前記アルカリリシス法に
よってプラスミドを抽出した。このプラスミド混合物
を、各種制限酵素で処理後、アガロースゲル電気泳動で
解析した結果、全て 1.3 kb のEcoRI DNA断片を保持し
ていた。これらの中から1クローンを選び、このプロス
ミドをpNTRP1と命名した。この断片の制限酵素地図を図
2に示す。
【0057】この断片についてジデオキシ法を用いて全
塩基配列を決定した。その結果、この断片は1,296 塩基
対より構成されるDNAであることが明らかになった。主
要なオープンリーディングフレーム(ORF)を検索した
ところ、EcoRIサイトより29塩基下流より始まる921 bp
よりなるORFが見い出された。このORFから推定されるア
ミノ酸配列と相同性を示す蛋白質を既知データーベース
より探索した結果、この遺伝子産物は異種微生物のトリ
プトファン合成系の酵素の一つであるindole 3-glycero
l phosphate synthetase 活性と、phosphoribosyl-anth
ranilate isomerase活性とを持つバイファンクショナル
蛋白質(大腸菌ではTrpC蛋白質)に相同性があることが
わかった。
【0058】この遺伝子は N. europaea の同蛋白質を
コードする遺伝子であり、この遺伝子をtrpXと命名し
た。配列番号1に、1296 bp EcoRI 断片の全塩基配列お
よびtrpX遺伝子のコーディングリージョンおよび推定さ
れるアミノ酸配列を示す。なおtrpX中の塩基配列の29
〜949番目の位置にトリプトファン合成酵素遺伝子が
存在している。
【0059】実施例2 《トリプトファン合成酵素遺伝子への変異導入とこの遺
伝子を含むベクターの構築》以下に示す手順でトリプト
ファン合成酵素遺伝子への変異導入と、この遺伝子を含
むベクターpNHR4の構築を行った。概略を図3〜図5に
示す。
【0060】まずpCH110プラスミドをHindIIIで完全分
解したのち、フェノール・クロロホルム処理後、エタノ
ール沈殿によって回収した。直鎖状pCH110はT4 DNA ポ
リメラーゼ(polymerase)によって末端を平滑化したの
ち、フェノール・クロロホルム処理後、エタノール沈殿
によって回収した。回収したDNAは、アルカリフォスフ
ァターゼ処理を行い、末端のリン酸基を除去した。さら
にフェノール・クロロホルム処理後、エタノール沈殿に
よって回収した。
【0061】得られたDNAと、宝酒造製 BglII-リンカー
DNA(pCAGATCTG)とを混合し、ライゲーションを行っ
た。得られたライゲーション産物は大腸菌DH5株コンピ
テントセル(東洋紡績株式会社製)に形質転換し、50
μg/mlのアンピシリンを含むLB平板培地に塗布した。37
℃で24時間培養後、得られたコロニーを50 μg/mlのア
ンピシリンを含むLB培地で培養し、培養液からpCH110の
HindIIIサイトがBglIIサイトに変換されたプラスミドpC
H110-1を得た(図3参照)。
【0062】次に、pHSG299プラスミドより106 bp SmaI
-PvuII を削除するために、SmaIとPvuIIで部分分解した
のちセルフライゲーションし、106 bp SmaI-PvuII を削
除したpHSG299-106を構築した(図3参照)。BamHIで完
全分解しアルカリフォスファターゼ処理したpHSG299-10
6に、前記pCH110-1をBglII、BamHI、PstI で完全分解し
て得られるlacZ遺伝子を含む3.7 kb BglII-BamHI 断片
を連結し、pHRlac1を構築した(図3および図5参
照)。
【0063】実施例1で得たpNTRP1をMfeIとMscIで完全
分解したのち、T4 DNA ポリメラーゼで処理し、末端を
平滑化した。反応産物をアガロースゲル電気泳動に供
し、3.9 kb の断片を分離、回収し、セルフライゲーシ
ョン後、E. coli DH5株に形質転換した。得られたアン
ピシリン耐性コロニーより、0.13 kpのMscI-MfeI領域を
失ったプラスミドpNTRP19を獲得した(図4参照)。
【0064】次に、上記のpNTRP19をSalIで完全分解し
て得られる 1.1 kb断片を、前記pHRlac1のSalIサイトに
クローニングしてpNHR4を構築した(図5参照)。なお
上記pNHR4中の△trpXは、実施例1で得たtrpX(トリプ
トファン合成酵素遺伝子)の 0.13 kb MscI-MfeI領域、
すなわち配列番号4に示すtrpX配列の617-739の領域を
欠失し、トリプトファン合成機能が失活した機能失活遺
伝子である。
【0065】実施例3 《相同的組換えによるトリプトファン要求株の作製》N.
europaea IFO14298株を100 mlのP培地〔2.5g/l (NH4)
2SO4, 0.7g/l KH2PO 4, 19.5g/l Na2HPO4, 0.5g/l NaHCO
3, 0.1g/l MgSO4・7H2O, 5mg/l CaCl2・2H2O,1mg/l Fe-ED
TA, pH 8.0〕を含む培養用フラスコに植菌し、暗所にお
いて30℃で10日間の振盪培養を行い、前培養とした。こ
の前培養液30 mlを3 literのP培地を含む 5 liter 容
の発酵槽に植種し、通気量0.5 vvm、攪拌数250rpm、30
℃の条件で10日間暗所で培養した。培地pHは7.8を保
つようにpH電極とNaOHの添加を連動させて調節した。
【0066】上記培養液2 liter を氷中で冷却し、GVHP
04700フィルター(日本ミリポアリミテッド社、商標)
を用いて集菌した。集菌した菌体は氷冷しておいた10%
グリセリン水溶液50 mlに懸濁して洗浄したのち、遠心
分離(8000xg、15分間)によって回収した。回収した
菌体は、さらに氷冷10%グリセリン水溶液1 mlに懸濁
し、氷中に10分間置いた。懸濁液 50 μlを予め氷冷し
ておいた1.5 ml 容量の微量遠心管に分注したのち、実
施例2で得たpNHR4を1 μg 混合し、さらに1分間氷冷
した。
【0067】混合液をバイオラッド社製キュベット(電
極間隔0.2 cm)に移し、ただちにジーンパルサーキュベ
ットチャンバーに装着して電気パルス(12.5 kV/cm、5.0
msec)をかけた。パルス後、キュベット中の混合物を、
100 mlのP培地を分注しておいたフラスコに移し、30℃
で振盪培養した。培養開始24時間後に、カナマイシンを
25 μg/ml となるように添加し、さらに2週間培養を続
けた。培養液の一部を、25 μg/ml カナマイシンを含む
ゲラン平板培地(1.2% のゲランで固化したP培地)に
塗布し、30℃で3週間培養した。
【0068】培養終了後、フィルタ滅菌した20 μg/ml
X-gal(5-bromo-4 chloro-3-indolyl-β-D-galactosid
e)水溶液をプレート表面に均一にスプレーした。この操
作によって、β−ガラクトシダーゼを生産しない菌はN.
europaea 固有の薄い橙赤色のコロニーのままである
が、β−ガラクトシダーゼを生産する菌はX-galを加水
分解するため、青緑色のコロニーとなる。培養の結果、
青緑色を示すコロニーを得、この菌株をNitrosomonas e
uropaea TRPA-1株と命名した。
【0069】このTRPA-1株のコロニーを50 μg/ml トリ
プトファンを含むP培地 100 ml を分注しておいたフラ
スコに植種し、3週間振盪培養した。さらに培養液の一
部を、50 μg/ml トリプトファンおよび20 μg/ml X-ga
lを含むゲラン平板培地に塗布し、30℃で3週間培養し
た。その結果、青緑色を示すコロニーと、薄い橙赤色の
コロニーを得た。
【0070】橙赤色のコロニーのトリプトファン要求性
を調べた結果、全てのコロニーは50μg/ml トリプトフ
ァンを含むP培地では増殖するが、トリプトファンを含
まないP培地では生育できるものとできないものに分か
れた。トリプトファンを含まないP培地で生育できない
株をトリプトファン要求性株として、Nitrosomonas eur
opaea TRPA-2株と命名した。
【0071】実施例4 《トリプトファン要求性株の染色体構造の確認》N. eur
opaea IFO14298株、TRPA-1株、TRPA-2株より染色体DNA
を回収し、回収したDNAを鋳型としてPCRを行った。プラ
イマーDNAの組み合わせは以下のようにした。
【0072】反応系1:染色体上のtrpX遺伝子の増幅 TrpF7 x TrpR1288 反応系2:pNHR2由来のカナマイシン耐性遺伝子の増幅 LacF295 x LacR3375 反応系3:染色体上のtrpX遺伝子とカナマイシン耐性遺
伝子の増幅 TrpF7 x LacF295
【0073】上記プライマーの配列は次の通りである。 ThiF7 :5'-CCAATCAGGTAAGTGCTTAATATG-3'(配列番号
1の配列 8-31 に対応) ThiR1288:5'-CGGTTTTTTTCCAGTGAGCATAGC-3'(配列番号
1の配列 1288-1265に対応) LacF295 :5'-CCGTCGTTTTACAACGTCG-3'(pCH110の塩基
配列の塩基番号295-313の配列に対応) LacR3375:5'-ATACGGGCAGACATGGCCTGCCCGG-3'(PCH110
の塩基配列の塩基番号3375-3351の配列に対応)
【0074】PCRの試薬は宝酒造株式会社製Takara PCR
amplification kit を用いた。すなわち、0.5 μgのN.
europaea染色体DNA、20 pmolの各プライマー、5 μl の
10 xPCR buffer、5 μl の2.5 mM dNTP mixture、0.5
μl の5U/μl Takara Taq polymerase をパーキンエル
マー社製Micro Ampチューブ(商標)に加え、蒸留水で5
0 μl に調整した。これを、パーキンエルマー社製 Gen
e Amp PCR System 2400に移し、94℃、30秒間の前処理
の後、1サイクルが 94℃30秒、55℃1分間、72℃2分
間の連続する反応よりなる反応を25サイクル繰り返し
た。さらに、72℃、7分間の後処理を行った。
【0075】得られたPCR産物は1%アガロースゲル電
気泳動に供した。泳動終了後、ゲルを10 μg/mlの臭化
エチジウム溶液に移し、室温で30分間放置した。ゲルを
充分に水洗後、紫外線照射によってDNAバンドを検出し
た。その結果、N. europaea IFO14298株全DNAを鋳型と
した場合、反応系1で 1.3kbの増幅産物が認められた
が、反応系2、3では産物は得られなかった。
【0076】N. europaea THIA-1株全DNAを鋳型とした
場合、反応系1で 1.3 kbに、反応系2では 3.1 kbに、
反応系3では 5.1 kbに増幅産物が認められた。N. europaea THIA-2株全DNAを鋳型とした場合は、反応
系1で 1.1 kbの増幅産物が認められたが、反応系2、
3では産物は得られなかった。
【0077】以上の結果より、図6および図7に示すよ
うにN. europaea TRPA-1株は染色体上のtrpX遺伝子上に
おいてpNHR4が相同的組換えによってインテグレートさ
れた状態にあるものであり、N. europaea TRPA-2株では
TRPA-1株染色体上の2コピーのtrpX遺伝子間で再び相同
的組換えが起こり正常なtrpX遺伝子が削除され変異遺伝
子が残存した遺伝子形態をとることがわかった。
【0078】実施例5 《トリプトファン要求株へのルシフェラーゼ遺伝子の導
入》実施例3で得たN. europaea TRPA-2株を100 mlの50
μg/ml トリプトファンおよび 25μg/ml のカナマイシ
ンを含むP培地を入れた培養用フラスコに植菌して、暗
所にて30℃で10日間の振盪培養を行い、前培養とした。
この前培養液30 mlを、3 literの50 μg/ml トリプト
ファンおよび25 μg/ml のカナマイシンを含むP培地を
含む、5 liter容の発酵槽に植種し、通気量0.5 vvm、
撹拌数250 rpm、30℃の条件で10日間暗所で培養し
た。培地pHは7.8を保つようにpH電極とNaOHの添加を連
動させて調節した。
【0079】上記培養液2 lietrを氷中で冷却し、GVHP0
4700フィルター(日本ミリポアリミテッド、商標)を用
いて集菌した。集菌した菌体は氷冷しておいた10%グリ
セリン水溶液50 mlに懸濁して洗浄したのち、遠心分離
(8,000 x g、15分間)によって回収した。回収した菌
体は、さらに氷冷10%グリセリン水溶液1 mlに懸濁
し、氷中に10分間置いた。懸濁液50 μlを、予め氷冷し
ておいた1.5 ml容量の微量遠心管に分注したのち、1 μ
gのpHLUX20(Iizumi et al. Appl. Environ. Microbio
l., 64, 3656-3662(1998))を混合し、さらに1分間氷冷
した。
【0080】混合液はバイオラッド社製キュベット(電
極間隔 0.2 cm)に移し、ただちにジーンパルサーキュ
ベットチャンバーに装着して電気パルス(12.5 kV/cm、
5.0msec)をかけた。パルス後、キュベット中の混合物
を100 mlの50 μg/ml トリプトファンを含むP培地を分
注しておいたフラスコに移し、30℃で振盪培養した。培
養開始24時間後に、カナマイシンを25 μg/ml となるよ
うに添加し、さらに2週間培養を続けた。培養液の一部
を、50 μg/ml トリプトファンおよび25 μg/ml のカナ
マイシンを含むゲラン培地(1.2%ゲランで固化したP培
地)に塗布し、30℃で3週間培養した。その結果、コロ
ニーを得、この菌株をTRPA-2(pHLUX20)株と命名した。
【0081】実施例6 《N. europaea TRPA-2(pHLUX20)株による硝化阻害物質
の検出》実施例5で得たアンモニア酸化細菌組換え体N.
europaea TRPA-2(pHLUX20)株を、25 μg/ml のカナマ
イシンおよび50 μg/ml のL−トリプトファンを含むP
培地(2.5g/l (NH4)2SO4, 0.7g/l KH2PO4, 19.5g/l Na2
HPO4, 0.5g/l NaHCO3, 0.1g/l MgSO4・7H2O, 5mg/l CaCl
2・2H2O, 1mg/l Fe-EDTA, pH 8.0)100 mlを用いて、500
ml容フラスコにて、亜硝酸濃度が約10 mMとなるまで30
℃で暗所にて好気的に振盪培養した。得られた培養液35
mlを、3.5 lieterの25 μg/ml のカナマイシンおよび5
0 μg/ml のL−トリプトファンを含むP培地に植種
し、暗所にて30℃で好気的に培養した。培養には5 lit
er容の発酵槽(MD300-5L、丸菱バイオエンジ社製)を用
いた。pHは、2N NaOHを用いて7.8を維持するように調節
した。通気量は0.5 vvm、撹拌条件は250 rpmとした。5
日間培養後、亜硝酸濃度が約10 mMとなった時点で培養
を終了した。
【0082】得られた培養液2 literを0.22 μmの酢酸
セルロース膜で濾過することにより菌細胞を膜状に捕ら
え、予め4℃に保っておいた5 mlの50 mM リン酸緩衝
液(pH 7.8)に懸濁した。懸濁液は遠心分離(10,000 x
g、10分間、4℃)によって再度集菌した。同様の懸濁
操作と遠心分離操作をさらに2回繰り返し、菌体を洗浄
した。集菌した菌体は最終的に2 mlの容量になるよう
に、冷却した水に懸濁した。この懸濁液0.05 mlを2.0 m
l容のセラムチューブにとり、0.25 mlの4%牛血清アル
ブミン水溶液(pH7.8)、0.05 mlの100 mM リン酸緩衝液
(pH 7.8)および0.15 mlの水を加え、最終的な容量を
0.5 mlとした。よく撹拌したのち、液体窒素中に1分間
浸漬して菌懸濁液を完全に凍結させた。凍結した菌体懸
濁液を内容するチューブは速やかに凍結乾燥機を用いて
約24時間減圧乾燥した。
【0083】乾燥終了後、チューブ内を窒素ガスで置換
し、密栓したのち、−20℃のフリーザーに保管した。調
製後、−20℃で7日間保存した凍結乾燥菌体に、1.5ml
の復元液(20 mM (NH4)2SO4、50 mM リン酸緩衝液(pH
7.8))を添加した。充分に溶解したのち、室温に15分間
放置し、発光の測定に使用するアンモニア酸化細菌組換
え体復元液を得た。
【0084】この組換え体復元液を用いて、図1の装置
により排水の硝化阻害活性の評価を次のようにして行っ
た。図1の培養液2の代わりに、上記の組換え体復元液
を用いた。試料4としては、水で500倍に希釈したA県
の民間産業廃棄物処分場滲出水、または10 μMアリルチ
オ尿素水溶液を用いた。コントロールとしては水を用い
た。基質溶液7としは、エタノールで10倍に希釈したn-
デシルアルデヒド溶液を用いた。なお、A県の民間産業
廃棄物処分場滲出水は、1 literの活性汚泥(I県し尿
処理場の活性汚泥、MLVSS=4030mg/l)に対し、0.25 ml
を投入して1時間曝気した時、アンモニア依存性の呼吸
速度を当初の20%とする阻害活性を持つことが予め明ら
かになっている。またアリルチオ尿素は、典型的な硝化
阻害物質である。操作は25℃で行った。
【0085】まず、組換え体復元液2の0.45 mlをリザ
ーバー1から第一のセル5に注入するとともに、A県の
民間産業廃棄物処分場滲出水4の50 μlを第一のセル5
に注入し、よく混合した。この組換え体混合液10は25
℃で1分間反応させた。次に、予めリザーバー6からn-
デシルアルデヒド溶液7の2.5 μlを注入しておいた第
二のセル8に、上記の組換え体混合液10の0.1 mlを注
入し、よく混合して基質混合液11を調製した。
【0086】第二のセル8セルは、ターナーデザイン社
製のルミノメーター Model 20eの感光部9に密着するよ
うに、あらかじめ装着されており、組換え体混合液10
の注入終了と同時に発光量測定が開始されるように設定
した。基質混合液11の測定は、delay time 5秒、inte
grate time 10秒の条件で行った。結果を表1に示す。
またA県の民間産業廃棄物処分場滲出水の代わりに、10
μMアリルチオ尿素水溶液または水を用いて、上記と同
様に発光量を測定した。結果を表1に示す。
【0087】
【表1】
【0088】表1の結果から、硝化阻害活性を持つ民間
産業廃棄物処分場滲出水、および典型的な硝化阻害物質
であるアリルチオ尿素は、組換え体の発光量を著しく低
下させることがわかる。従って、実施例で得られた自然
環境中で増殖が制限される組換え体を用いて試料中の硝
化阻害物質を検出できることがわかる。
【0089】
【配列表】 配列番号:1 配列の長さ:1296 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:Genomic DNA 起源 生物名:Nitrosomonas europaea 株名:IFO14298 配列の特徴 特徴を表す記号:peptide 存在位置:29..949 他の情報:トリプトファン合成酵素遺伝子 特徴を決定した方法:E 配列 GAATTCTCCA ATCAGGTAAG TGCTTAAT ATG TCA GAC ATT CTC GAT CGC ATC 52 Met Ser Asp Ile Leu Asp Arg Ile 1 5 CTT GCC GTG AAA AAA CAG GAG GTC GCG GCC GCC CGG GCA CGA AAA TCC 100 Leu Ala Val Lys Lys Gln Glu Val Ala Ala Ala Arg Ala Arg Lys Ser 10 15 20 CTG GAA GGA ATC CGT AAG CAG GCA GAA GAA ATG CCT GCT CCG CGT GAT 148 Leu Glu Gly Ile Arg Lys Gln Ala Glu Glu Met Pro Ala Pro Arg Asp 25 30 35 40 TTT CTC CAG GCG ATA CGC GGC CGG ATC AGT CAG CAT CGT GCC GCT GTA 196 Phe Leu Gln Ala Ile Arg Gly Arg Ile Ser Gln His Arg Ala Ala Val 45 50 55 ATT GCA GAG ATC AAA CGG GCC AGC CCA AGC AAG GGT GTA TTA CGC GGG 244 Ile Ala Glu Ile Lys Arg Ala Ser Pro Ser Lys Gly Val Leu Arg Gly 60 65 70 CGA TCA GAA GCA CCC AAT CCG CAG GGA TCA GGG CAT GCG GAA AAC TCA 292 Arg Ser Glu Ala Pro Asn Pro Gln Gly Ser Gly His Ala Glu Asn Ser 75 80 85 TCC GGG AAA AAT CTG ATT CCG CAA GAT TTC ATC CCG GCA GAA ATT GCG 340 Ser Gly Lys Asn Leu Ile Pro Gln Asp Phe Ile Pro Ala Glu Ile Ala 90 95 100 GCC AGT TAT GCC CGA AAT GGT GCT GCC TGC CTG TCA GTC CTG ACA GAT 388 Ala Ser Tyr Ala Arg Asn Gly Ala Ala Cys Leu Ser Val Leu Thr Asp 105 110 115 120 GAA CAG TTT TTC ATG GGC AGT GCC GAT TTC TTG CGG CAA GCA CGT GCT 436 Glu Gln Phe Phe Met Gly Ser Ala Asp Phe Leu Arg Gln Ala Arg Ala 125 130 135 GCT TGT GAT TTA CCG GTA TTG CGC AAG GAT TTC ATA CTG GAC GAA TAT 484 Ala Cys Asp Leu Pro Val Leu Arg Lys Asp Phe Ile Leu Asp Glu Tyr 140 145 150 CAG GTC TAC GAA GCA CGC GCG ATG GGA GCG GAT TGC ATA CTG TTG ATC 532 Gln Val Tyr Glu Ala Arg Ala Met Gly Ala Asp Cys Ile Leu Leu Ile 155 160 165 GTC GCA GCA TTT CTT TCA CCG GTT TTC CAG CAG GAT GCC TCT GTC AAT 580 Val Ala Ala Phe Leu Ser Pro Val Phe Gln Gln Asp Ala Ser Val Asn 170 175 180 CAG GGC GAC AGT GCA CTC GAA CGG ATG CGC ATA TTG GAA ACC ACG GCA 628 Gln Gly Asp Ser Ala Leu Glu Arg Met Arg Ile Leu Glu Thr Thr Ala 185 190 195 200 CAA GCA CTG GGA ATG GCC ATA CTG GTA GAA GTA CAC GAT GCA GAT GAG 676 Gln Ala Leu Gly Met Ala Ile Leu Val Glu Val His Asp Ala Asp Glu 205 210 215 CTC GAT CTC GCG CTG CAA TTG ACT ACT CCG CTC ATC GGG ATC AAC AAC 724 Leu Asp Leu Ala Leu Gln Leu Thr Thr Pro Leu Ile Gly Ile Asn Asn 220 225 230 CGC AAC CTG CGA ACT TTC GAG ACT ACG CTG GAT ACC ACC GTT CAA TTG 772 Arg Asn Leu Arg Thr Phe Glu Thr Thr Leu Asp Thr Thr Val Gln Leu 235 240 245 GTC AGA CGC ATA CCA TCC GAA CGC ATC GTC GTC ACC GAA AGC GGT ATC 820 Val Arg Arg Ile Pro Ser Glu Arg Ile Val Val Thr Glu Ser Gly Ile 250 255 260 CGT ATC CCT GCC GAT GTG GAA ATG ATG CTA TCT CAT CAT ATT TAC GCT 868 Arg Ile Pro Ala Asp Val Glu Met Met Leu Ser His His Ile Tyr Ala 265 270 275 280 TTT CTG ATC GGG GAA ACA TTC ATG CGG GCA CCG GAT CCG GGC GCC GCA 916 Phe Leu Ile Gly Glu Thr Phe Met Arg Ala Pro Asp Pro Gly Ala Ala 285 290 295 CTG GCA AGC CTG TTT ACG ACA AAC CTG ACG TAA GCTGCGCTGC ACCATCAGTC 969 Leu Ala Ser Leu Phe Thr Thr Asn Leu Thr 300 305 GGGTAACTAT CTCCCCGACC ACGATATAAC AATAATGCTT CAATCAACCA AAAGGAGACC 1029 TTTATGAACT TCAGGAAACA ACTGACAGGC GGTTTGAGCA GCCTGATTCT TTCAGCAGTC 1089 ATGTCCGGCA GCCTGCTGGC AGCAGGTGTG GCAGAGTTTA ACGACAAGGG AGAACTGCTG 1149 CTGCCGAAAA ATTACCGTGA ATGGGTGATG GTCGGTACCC AGGTAACACC TAACGAATTG 1209 AACGATGGCA AAGCACCCTT CACCGAAATC AGAACAGTCT ATGTCGACCC GGAAAGCTAT 1269 GCTCACTGGA AAAAAACCGG TGAATTC 1296
【0090】 配列番号:2 配列の長さ:25 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成プライマーDNA 配列 CCAATCAGGT AAGTGCTTAA TATG 24
【0091】 配列番号:3 配列の長さ:24 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成プライマーDNA 配列 CGGTTTTTTT CCAGTGAGCA TAGC 24
【0092】 配列番号:4 配列の長さ:19 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成プライマーDNA 配列 CCGTCGTTTT ACAACGTCG 19
【0093】 配列番号:5 配列の長さ:25 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成プライマーDNA 配列 ATACGGGCAG ACATGGCCTG CCCGG 25
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の排水の硝化阻害活性の評価に使用する
測定装置の系統図である。
【図2】実施例1で得た1.3 kb EcoRI 断片の制限酵素
地図である。図中、黒線はN. europaea 由来の外来DNA
を、白線部分はtrpX遺伝子のコーディング領域を示す。
【図3】実施例2におけるthiX合成遺伝子への変異導入
と、この遺伝子を含むベクターpNHR2の構築図である。
図中、AmpRはアンピシリン耐性遺伝子、KmRはカナマイ
シン耐性遺伝子を表す。lacZはβ−ガラクトシダーゼ遺
伝子を示す。
【図4】実施例2におけるtrpX遺伝子への変異導入と、
この遺伝子を含むベクターの構築図である。図中、△tr
pXは欠損したtrpX遺伝子、AmpRはアンピシリン耐性遺伝
子を示す。
【図5】実施例2におけるtrpX遺伝子への変異導入と、
この遺伝子を含むベクターの構築図である。図中、△tr
pXは欠損したtrpX遺伝子、KmRはカナマイシン耐性遺伝
子、lacZはβ−ガラクトシダーゼ遺伝子を示す。
【図6】相同的組換えによるトリプトファン要求性株の
作製概念図である。図中、KmRはカナマイシン耐性遺伝
子、lacZはβ−ガラクトシダーゼ遺伝子を示す。△trpX
は欠損したtrpX遺伝子を表す。TrpF7、TrpR1288、LacF2
95およびLacR3375はPCRに使用したプライマーを示し、
矢印はその方向を示す。
【図7】相同的組換えによるトリプトファン要求性株の
作製概念図である。図中、KmRはカナマイシン耐性遺伝
子、lacZはβ−ガラクトシダーゼ遺伝子を示す。△trpX
は欠損したtrpX遺伝子を表す。TrpF7およびTrpR1288はP
CRに使用したプライマーを示し、矢印はその方向を示
す。
【符号の説明】
1、3、6 リザーバー 2 培養液 4 試料 5 第一のセル 7 基質溶液 8 第二のセル 9 ルミノメーター感光部 10 組換え体混合液 11 基質混合液 15、16、17、18 ポンプ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // G01N 33/18 C12N 15/00 ZNAA (C12N 1/21 C12R 1:01) Fターム(参考) 4B024 AA11 AA17 BA80 CA01 DA05 DA06 EA04 GA11 HA08 HA11 4B063 QA05 QQ18 QQ61 QR08 QR14 QR33 QR58 QR59 QR62 QR63 QR69 QR75 QR80 QS24 QS25 QS38 QS39 QX02 4B065 AA01Y AA26X AB01 BA02 BB40 CA54 4D028 AA08 CC06 CD04 CE01 CE03 4D040 DD03 DD14

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 生物発光能力を有し、かつ自然環境中で
    増殖が制限されるアンモニア酸化細菌組換え体と、排水
    とを混合し、この混合物の発光量を指標とする活性汚泥
    に対する排水の硝化阻害活性の評価方法。
  2. 【請求項2】 生物発光能力を有し、かつ自然環境中で
    増殖が制限されるアンモニア酸化細菌組換え体と、排水
    とを第一のセル内で混合し、次にこの混合物と、生物発
    光に必要な基質とを第二のセル内で混合したのち、この
    混合物の発光量をルミノメーターで計測する活性汚泥に
    対する排水の硝化阻害活性の評価方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007525314A (ja) * 2003-07-08 2007-09-06 ゲオルグ フリッツマイヤー ゲーエムベーハー アンド カンパニー カーゲー バイオリアクタ
CN114426933A (zh) * 2020-10-29 2022-05-03 中国石油化工股份有限公司 一种提高亚硝酸细菌细胞产率的方法

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