JP2000183748A - オーバーサンプリング型a/d変換器 - Google Patents

オーバーサンプリング型a/d変換器

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JP2000183748A JP35243198A JP35243198A JP2000183748A JP 2000183748 A JP2000183748 A JP 2000183748A JP 35243198 A JP35243198 A JP 35243198A JP 35243198 A JP35243198 A JP 35243198A JP 2000183748 A JP2000183748 A JP 2000183748A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来のΔΣ変調方式のオーバーサンプリン
グ型A/D変換器おいては、差動型演算増幅回路が用い
られており、最終段の電圧比較手段ではアナログ信号の
極性のみ判定し、前段の変調手段にフィードバックをか
ける1ビット帰還方式が一般的であったため、S/N特
性を充分に向上させることができないという課題があっ
た。 【解決手段】 ΔΣ変調方式のオーバーサンプリング型
A/D変換器において、差動型の積分手段(24)を有
する変調手段(20)の差動出力を増幅して差動でない
信号として出力するアナログ差動増幅回路(30)と該
アナログ差動増幅回路の出力電圧を複数の参照電圧と比
較する電圧比較手段(40)とを設け、該電圧比較回路
から得られる複数ビットの信号をローカルD/A変換器
(50)でアナログ信号に変換して変調手段(10,2
0)に帰還させるようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アナログ電圧信号
を対応するディジタル信号に変換するためのアナログ−
ディジタル(A/D)変換器さらには半導体集積回路で
実現するのに好適なオーバーサンプリング型A/D変換
器に関し、特に、ΔΣ変調型A/D変換器に利用して有
効な技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、A/D変換器には、逐次比較
型やオーバーサンプリング型など種々の形式のものが開
発されている。一般に、非線形歪みの無いA/D変換器
でアナログ入力信号をディジタル信号に変換する場合、
入力アナログ入力信号が最小分解能の数倍以上であれ
ば、量子化雑音は、直流からナイキスト周波数(サンプ
リング周波数の1/2)の間にほぼ均一に分布される。
このため、量子化ビット数が等しければ、雑音電力の総
和は一定とされ、基本的にはサンプリング周波数を高く
すれば、信号周波数近傍のS/N(Signal to Noise Ra
tio)特性を向上させることができる。オーバーサンプ
リング型A/D変換器は、オーバーサンプリング比(信
号帯域の周波数に対するサンプリングクロックの周波数
の比)を高くすることによりS/N特性を向上させた方
式である。
【0003】オーバーサンプリング型A/D変換器は変
調手段を含み、この変調手段は逐次比較型のA/D変換
器などと同様にフィードバックループを形成する。つま
り、電圧比較を行う量子化手段と、フィードバックに必
要なD/A変換器を内蔵する。フィードバックループ内
にフィルタを配置することが、他の方式のA/D変換器
と大きく異なる点であるが、このフィルタをどこに配置
するか、そして信号入力点の位置関係によって、Δ(デ
ルタ)変調方式、ΔΣ(デルタ・シグマ)変調方式、そ
れらの混合方式に大別できる。
【0004】このうち、ΔΣ変調方式は、出力信号と入
力信号との差を積分し、この積分手段の出力が最小とな
るようにフィードバック制御するもので、このΔΣ変調
方式においては、アナログ積分の次数すなわち変調器の
数を増やすことにより、S/N特性をさらに改善するこ
とができる。つまり、アナログ積分の次数を1次増やす
毎に、ほぼオーバーサンプリング比の2乗に逆比例した
ノイズシェイピング特性(雑音減少)が期待できる。し
かしながら、積分の次数を増やすとキャパシタの比が大
きくなり、回路の面積が大きくなると共に消費電力も増
大し半導体集積回路化が困難になるため、一般には2次
のΔΣ変調方式とされる。尚、ΔΣ変調方式のオーバー
サンプリング型A/D変換器に関する発明としては、例
えば特開平9−294075号などがある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来のΔΣ変調方式の
オーバーサンプリング型A/D変換器おいては、例えば
上記先願に見られるように、差動型演算増幅回路が用い
られており、最終段の電圧比較手段ではアナログ信号の
極性のみ判定し、前段の変調手段にフィードバックをか
ける1ビット帰還方式が一般的であった。その理由は、
最終段の電圧比較手段で差動信号のまま電圧比較を行な
って極性だけでなく振幅のレベルまで判定して複数ビッ
ト帰還方式にしようとすると、電圧比較手段が非常に複
雑になり、かつ精度的にも充分なものが期待できないた
めであった。しかしながら、1ビット帰還方式では、S
/N特性を充分に向上させることができないという課題
があった。なお、オーバーサンプリング型A/D変換器
おいてS/N特性を向上させる方法としては、サンプリ
ング周波数を高くすることも考えられるが、そのように
すると回路の消費電力が増大するという問題が発生す
る。
【0006】また、近年A/D変換器は、例えばCOD
EC(符号器復号器)のようにディジタル回路とともに
1チップに搭載される場合が多くなってきているが、デ
ィジタル回路とともに1チップ化されると、ディジタル
回路の動作で生じる基板ノイズによってA/D変換器の
S/N特性が悪化するという課題もある。
【0007】本発明の目的は、比較的簡単な構成により
ΔΣ変調方式のオーバーサンプリング型A/D変換器に
おけるS/N特性の向上を図ることができる技術を提供
することにある。
【0008】本発明の他の目的は、消費電力を増大させ
ることなくΔΣ変調方式のオーバーサンプリング型A/
D変換器におけるS/N特性の向上を図ることができる
技術を提供することにある。
【0009】本発明の他の目的は、ディジタル回路とと
もに1チップに搭載した場合に生じる基板ノイズによる
S/N特性の悪化を防止することができるオーバーサン
プリング型A/D変換器を提供することにある。
【0010】本発明の前記並びにその他の目的と新規な
特徴は本明細書の記述及び添付図面から明らかになるで
あろう。
【0011】
【課題を解決するための手段】本願において開示される
発明のうち代表的なものの概要を簡単に説明すれば下記
の通りである。
【0012】すなわち、入力されたアナログ信号と帰還
信号との差を求める加算手段および該加算手段の出力信
号を積分する差動型の積分手段からなるΔΣ型変調手段
と、上記積分手段の積分結果を量子化する量子化手段
と、上記量子化手段の出力信号に基づいて上記帰還信号
を生成するローカルD/A変換器とを含んで構成される
オーバーサンプリング型A/D変換器において、上記積
分手段を差動型の積分手段とするとともに、上記量子化
手段を、上記積分手段の差動出力を増幅して差動でない
信号として出力するアナログ差動増幅回路と該アナログ
差動増幅回路の出力電圧を複数の参照電圧と比較する電
圧比較手段とにより構成し、該電圧比較回路から得られ
る複数ビットの信号を上記ローカルD/A変換器でアナ
ログ信号に変換して上記変調手段に帰還させるようにし
たものである。
【0013】上記した手段によれば、差動型の積分手段
を用いるためS/N特性を向上させることができ、しか
も電圧比較手段は差動でない信号の振幅を判定するため
比較的精度の高い回路を簡単な回路で構成することがで
きる。
【0014】また、望ましくは、上記変調手段は、入力
されたアナログ信号と帰還信号との差を求める第1加算
手段(11a,11b)および第1加算手段の出力信号
を積分する差動型の第1積分手段(13)からなる第1
の変調手段(10)と、上記第1積分手段の出力信号と
上記帰還信号との差を求める第2加算手段(22a,2
2b)および第2加算手段の出力信号を積分する差動型
の第2積分手段(24)からなる第2の変調手段(2
0)とからなる2次のΔΣ変調手段とする。
【0015】上記したA/D変換器において、サンプリ
ング周波数をfs、信号帯域幅をB、オーバーサンプリ
ング比をK、帰還信号のビット数をnとすると、1次の
ΔΣ変調方式のA/D変換器のS/Nは、 S/N=10Log{9(2n−1)23/(2π2)} で表わされる。ここで、K=fs/(2B)である。
【0016】また、2次のΔΣ変調方式のA/D変換器
のS/Nは、 S/N=10Log{15(2n−1)25/(2π4)} となる。上記2つの式より、K>2.43であれば1次
のΔΣ変調方式のA/D変換器よりも2次のΔΣ変調方
式のA/D変換器のS/Nの方が良好であることが分か
る。また、上記式より、帰還信号のビット数が多いほど
S/Nが向上することが分かる。具体的には、例えば2
次のΔΣ変調方式のA/D変換器では、1ビット帰還
(n=1)に対して、2ビット帰還とした方がS/Nが
9.5dB向上し、3ビット帰還とした方がS/Nが1
6.9dB向上する。
【0017】また、上記第1積分手段(13)の前段に
は、「1」より小さく設定されたゲインGlを有する第
1増幅手段(12a,12b)を、上記ローカルD/A
変換器(50)と上記第2加算手段(22a,22b)
との間には上記第1増幅手段(11a,11b)と略等
しいゲインGlを有する第2増幅手段(21a,21
b)を、さらに上記第2積分手段(24)の前段には
「1」より小さく設定されたゲインG2を有する第3増
幅手段(23a,23b)を設ける。
【0018】上記のように、「1」より小さく設定され
たゲインを有する第1増幅手段、第2増幅手段および第
3増幅手段を設けることにより、各積分手段で出力が蝕
和して回路が動作しなくなるのを防止することができる
とともに、積分手段を構成する容量の比精度や演算増幅
器のオフセット、セトリング等のばらつきによるS/N
特性の低下を防止することができる。上記の場合、S/
N特性を向上させるために好適な上記第1増幅手段、第
2増幅手段および第3増幅手段の各ゲインは2/3以
下、より好ましくは1/2である。
【0019】さらに、上記変調手段もしくは第1の変調
手段および第2の変調手段は、それぞれ対応する入力信
号をサンプリングするためのサンプリング容量と、該サ
ンプリング容量の端子切換えのための複数のスイッチと
を含むスイッチドキャパシタ回路と、演算増幅器と、積
分動作のための積分容量とにより構成するとよい。これ
により、変調器を構成する加算手段および積分手段さら
には増幅手段を一体に構成することができるとともに、
上記第1増幅手段、第2増幅手段および上記第3増幅手
段のゲインは、それぞれ対応する上記サンプリング容量
と上記積分容量との比によって設定することができるた
め、ゲインの設定が容易になる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、図面を用いて本発明の実施
形態を説明する。
【0021】図1には、本発明にかかるΔΣ変調方式の
オーバーサンプリング型A/D変換器の一実施例が示さ
れている。
【0022】図1に示されているオーバーサンプリング
型A/D変換器は、2次のΔΣ変調方式とされ、特に制
限されないが、公知の半導体集積回路製造技術により単
結晶シリコンチップのような一つの半導体基板に形成さ
れる。
【0023】実施例のオーバーサンプリング型A/D変
換器は、アナログ入力信号X,−Xと帰還信号VR,−
VRとの差分をとって積分を行なう差動入力差動出力型
の第1のΔΣ変調回路10と、該第1のΔΣ変調回路1
0の差動出力A1,−A1と帰還信号VR,−VRとの
差分をとって積分を行なう差動入力差動出力型の第2の
ΔΣ変調回路20と、該第2のΔΣ変調回路20の差動
出力を増幅して差動でない信号として出力する差動入力
シングル出力のアナログ差動増幅回路30と、該アナロ
グ差動増幅回路30の出力電圧をN個(Nは3以上の整
数)の参照電圧と比較する電圧比較手段40と、該電圧
比較回路40から得られるNビットの信号YをD/A変
換するローカルD/A変換器50とにより構成されてい
る。
【0024】そして、上記電圧比較手段30の出力信号
Yが、この実施例のオーバサンプリング型A/D変換器
の出力信号として後段回路に伝達されるとともに、ロー
カルD/A変換器50へも伝達され、ローカルD/A変
換器50でA/D変換されたアナログ信号が、上記帰還
信号VR,−VRとして上記ΔΣ変調回路10および2
0に帰還されるようにされている。
【0025】上記第1のΔΣ変調回路10は、アナログ
入力信号X,−Xと帰還信号VR,−VRとのそれぞれ
の差分をとる加算手段11a,11bと、その差分のレ
ベルを下げて積分手段13に伝える「1」より小さなゲ
インG1を有する増幅手段12a,12bと、この増幅
手段12a,12bの出力信号の積分を行なう差動型の
アナログ積分手段13とにより構成されている。「1」
より小さなゲインG1を有する増幅手段12a,12b
で上記差分を減衰して積分手段13に伝えることで、積
分手段13が飽和するのを防止することができる。な
お、aからbを減算する減算手段は、aに−bを加算す
る加算手段とみることもできるので、この明細書では減
算手段を加算手段と記すこととした。
【0026】上記第2のΔΣ変調回路20は、上記増幅
手段12a,12bと同じゲインG1を有する増幅手段
21a,21bと、該増幅手段21a,21bで上記帰
還信号VR,−VRのレベルを下げた信号G1・VR,
G1・−VRと上記第1のΔΣ変調回路10の差動出力
A1,−A1との差分をとる加算手段22a,22b
と、その差分を減衰して積分手段24に伝える「1」よ
り小さなゲインG2を有する増幅手段23a,23b
と、増幅手段23a,23bの出力信号の積分を行なう
差動型のアナログ積分手段24とにより構成されてい
る。
【0027】増幅手段12a,12bと同じゲインG1
を有する増幅手段21a,21bを設けて、帰還信号V
R,−VRのレベルを下げた信号G1・VR,G1・−
VRを加算手段22a,22bに供給することにより、
帰還信号のレベルと第1のΔΣ変調回路10の差動出力
A1,−A1のレベルをマッチングさせることができる
とともに、「1」より小さなゲインG2を有する増幅手
段23a,23bで上記差分を減衰して積分手段24に
伝えることで、積分手段24が飽和するのを防止するこ
とができる。
【0028】さらに、この実施例では、第2のΔΣ変調
回路20の差動出力A2,−A2を差動でない信号に変
換するアナログ差動増幅回路30のゲインG3も「1」
より小さな値に設定されている。これによって、このア
ナログ差動増幅回路30も飽和しないようにされる。上
記ゲインG1,G2,G3の望ましい値は2/3以下、
さらに好ましくは1/2である。また、N=3の場合に
おける上記比較手段40の参照電圧の好ましい関係は、
Vr/2,0,−Vr/2である。そして、N=3の場
合における上記ローカルD/A変換器50の出力信号す
なわち帰還信号VRの好ましい値は、アナログ差動増幅
回路30の出力A3が、Vr/2≦A3のときはVR=
Vr、0≦A3≦Vr/2のときはVR=Vr/4、−
Vr/2≦A3≦0のときはVR=−Vr/4、A3≦
−Vr/2のときはVR=−Vrである。
【0029】図2には、図1に示されている加算手段1
1a,11b、増幅手段12a,12bおよび積分手段
13からなる第1のΔΣ変調回路10の具体的な回路構
成例が示されている。図2に示されているように、加算
手段11a,11b、増幅手段12a,12bおよび積
分手段13は、サンプリング容量Cs1〜Cs4とその
端子切換えのためのスイッチSW1〜SW8とから成る
スイッチドキャパシタ回路と、オペアンプ(演算増幅
器)OP1及び積分容量Ci1,Ci2とにより構成さ
れる。
【0030】サンプリング容量Cs1の一端は、スイッ
チSW1を介して入力信号X1が入力される端子31ま
たはアナロググランドのような定電位点に接続されると
ともに、サンプリング容量Cs1の他端は、スイッチS
W2を介してオペアンプOP1の反転入力端子または定
電位点に接続される。また、サンプリング容量Cs2の
一端は、スイッチSW3を介して帰還信号VRが入力さ
れる端子32またはアナロググランドのような定電位点
に接続されるとともに、サンプリング容量Cs2の他端
は、スイッチSW4を介してオペアンプOP1の反転入
力端子または定電位点に接続される。
【0031】一方、サンプリング容量Cs3の一端は、
スイッチSW5を介して入力信号−X1が入力される端
子33またはアナロググランドのような定電位点に接続
されるとともに、サンプリング容量Cs3の他端は、ス
イッチSW6を介してオペアンプOP1の非反転入力端
子または定電位点に接続される。また、サンプリング容
量Cs4の一端は、スイッチSW7を介して帰還信号−
VRが入力される端子34またはアナロググランドのよ
うな定電位点に接続されるとともに、サンプリング容量
Cs4の他端は、スイッチSW8を介してオペアンプO
P1の非反転入力端子または定電位点に接続される。
【0032】この実施例のΔΣ変調回路10は、積分容
量Ci1,Ci2の容量値をC1としたときに、サンプ
リング容量Cs1〜Cs4の容量値を上記積分容量の値
C1のゲイン倍(G1倍)すなわちG1・C1とするこ
と、つまり積分容量Ci1,Ci2とサンプリング容量
Cs1〜Cs4との容量比によってゲインG1を設定す
ることができる。
【0033】この実施例のΔΣ変調回路10は、スイッ
チSW1〜SW8の状態によってサンプリング状態と積
分状態とが形成される。サンプリング状態は、図2に示
されるように、スイッチSW1,SW5が入力端子3
1、33に接続され、スイッチSW2,SW3,SW
4;SW6,SW7,SW8が定電位点に接続された状
態である。このとき、入力端子31,33から入力され
るアナログ信号X1,−X1による電荷がサンプリング
容量Cs1,Cs3に蓄積される。
【0034】積分状態は、スイッチSW1〜SW8が図
2に示されているのと逆の端子側に接続された状態であ
る。この積分状態では、サンプリング容量Cs2とCs
4の一方の端子が帰還信号VR,−VRの入力端子3
2,34に接続され、サンプリング容量Cs1,Cs2
の他方の端子がオペアンプOP1の反転入力端子に、ま
たサンプリング容量Cs3,Cs4の他方の端子がオペ
アンプOP1の非反転入力端子に接続される。これによ
って、上記サンプリング状態でサンプリングされた電荷
と帰還信号VR,−VRの電荷とが加算されるととも
に、オペアンプOP1の出力端子にそのときの積分結果
が現れる。
【0035】上記スイッチSW1〜SW8が図3に示さ
れているようなタイミングで変化するクロックφ1,φ
2によって切替え動作されて、上記サンプリング状態
(図2参照)と積分状態とが交互に繰り返されることに
より、アナログ入力信号X1,−X1とローカルD/A
変換器50からの帰還信号VR,−VRとの加算(減
算)とその差分の積分とが同時に行われる。連続した2
つのサンプリングタイミングをn,n+1で表わすと、
図2の回路のタイミングn+1時点での出力A1(n+
1)は、次式 A1(n+1)=G1(X1(n)−VR(n))+A
1(n) のようになる。
【0036】上記式より、ローカルD/A変換器50か
ら伝達される帰還信号VR,−VRのレベルよりも入力
信号X1,−X1のレベルが高ければ積分電荷量が増加
され、低ければ積分電荷量が減少されることが分かる。
【0037】図4には、図1に示されている第2のΔΣ
変調回路20の具体的な回路構成例が示されている。図
1に示されている増幅手段21a,21b、加算手段2
2a,22b、増幅手段23a,23bおよび積分手段
24は、図4に示されているように、サンプリング容量
Cs11〜Cs14とその端子切換えのためのスイッチ
SW11〜SW18とから成るスイッチドキャパシタ回
路と、オペアンプ(演算増幅器)OP2及び積分容量C
i11,Ci12とにより構成される。つまり、回路形
式は図2に示されている第1のΔΣ変調回路10と同じ
である。スイッチSW11〜SW18を動作させるクロ
ックも図2の回路と同様に、図3に示されているφ1と
φ2であり、同じように動作される。
【0038】第2のΔΣ変調回路20が第1のΔΣ変調
回路10と異なるのは、図2の第1のΔΣ変調回路10
ではサンプリング容量Cs1〜Cs4が同一容量値を有
しかつ積分容量Ci1,Ci2の値C1のG1倍とされ
ているのに対し、図4の第2のΔΣ変調回路20では、
サンプリング容量Cs11とCs13が同一容量値で積
分容量Ci11,Ci12の値C2のG2倍とされ、サ
ンプリング容量Cs12とCs14が同一容量値で積分
容量の値C2のG1・G2倍とされている点である。
【0039】スイッチSW11〜SW18が図4に示す
ような側に切り替えられているサンプリング状態とスイ
ッチSW11〜SW18が図4と逆の側に切り替えられ
る積分状態とが交互に繰り返されることにより、ローカ
ルD/A変換器50からの帰還信号VR,−VRの減衰
(G1倍)と、第1のΔΣ変調回路10の出力信号A
1,−A1とローカルD/A変換器50からの帰還信号
VR,−VRとの加算(減算)と、その差分の積分とが
同時に行われる。連続した2つのサンプリングタイミン
グをn,n+1で表わすと、図4の回路のタイミングn
+1時点での出力A2(n+1)は、次式 A2(n+1)=G2(X1(n)−G1・VR
(n))+A2(n) のようになる。
【0040】図5には、図1に示されているアナログ差
動増幅回路30および電圧比較回路40の具体的な回路
構成例が示されている。図5に示されているように、ア
ナログ差動増幅回路30は、サンプリング容量Cs2
1,Cs22とその端子切換えのためのスイッチSW2
1〜SW24とから成るスイッチドキャパシタ回路と、
オペアンプ(演算増幅器)OP3と、このオペアンプO
P3の出力端子と反転入力端子との間に接続された帰還
容量Cfおよびこれと並列なスイッチSW25とにより
構成される。また、オペアンプOP3の非反転入力端子
は、アナロググランドのような定電位点に接続される。
【0041】また、電圧比較回路40は、例えば3個
(N=3の場合)のコンパレータCMP1〜CMP3に
より構成されており、これらのコンパレータCMP1〜
CMP3の非反転入力端子にアナログ差動増幅回路30
の出力電圧A3が共通に入力されると共に、反転入力端
子にそれぞれ参照電圧としてVr/2,0,−Vr/2
が入力されている。
【0042】アナログ差動増幅回路30は、図3に示さ
れているようなタイミングのクロックφ2とφ3によっ
て、スイッチSW21〜SW25が図5に示すような側
に切り替えられている第1状態と、スイッチSW21〜
SW25が図5と逆の側に切り替えられる第2状態とを
交互に繰り返すように制御されることにより、第2のΔ
Σ変調回路20の差動出力信号A2と−A2の差を増幅
し、差動でない信号A3(=2G3・A2)を出力す
る。このアナログ差動増幅回路30のゲインG3は、サ
ンプリング容量Cs21,Cs22と帰還容量Cfとの
比によって決定される。具体的にはサンプリング容量C
s21,Cs22の容量値は、帰還容量Cfの容量値を
C3とすると、そのゲイン倍すなわちG3・C3のよう
に設定される。
【0043】電圧比較回路40は、図3に示されている
クロックφ4のようなタイミングで動作される。これに
よって、電圧比較回路40の各コンパレータCMP1〜
CMP3は、アナログ差動増幅回路30の出力A3と参
照電圧Vr/2,0,−Vr/2とを比較して、その大
小関係に応じて、3ビットの信号Y(0,1),Y(0,0),Y
(0,-1)を出力する。
【0044】なお、図5には、アナログ差動増幅回路3
0をスイッチドキャパシタ回路を利用して構成した実施
例を示したが、アナログ差動増幅回路30は、図6に示
すように、入力抵抗R1,R2と、オペアンプOP4
と、オペアンプOP4の非反転入力端子と接地点(アナ
ロググランド)との間に接続された抵抗R3と、オペア
ンプOP3の出力端子と反転入力端子との間に接続され
た帰還抵抗R4とにより構成することができる。この場
合、回路のゲインは、帰還抵抗Rfおよびオペアンプの
非反転入力端子側の抵抗R3の抵抗値を、入力抵抗R
1,R2の抵抗値rのゲイン倍(G3倍)に設計するこ
とにより設定することができる。
【0045】上記実施例によれば、以下の作用効果を得
ることができる。
【0046】(1)ΔΣ型変調手段と、量子化手段と、
ローカルD/A変換器とを含んで構成されるオーバーサ
ンプリング型A/D変換器において、上記量子化手段
を、上記積分手段の差動出力を増幅して差動でない信号
として出力するアナログ差動増幅回路と該アナログ差動
増幅回路の出力電圧を複数の参照電圧と比較する電圧比
較手段とにより構成し、該電圧比較回路から得られる複
数ビットの信号を上記ローカルD/A変換器でアナログ
信号に変換して上記変調手段に帰還させるようにしたの
で、電圧比較回路は差動でない信号の振幅を判定するた
め比較的精度の高い回路を簡単な回路で構成することが
できかつS/N特性を向上させることができる。しか
も、サンプリング周波数をそれほど高くすることなくS
/N特性を向上させることができる。
【0047】(2)上記変調手段を2次のΔΣ変調手段
とした場合には、1次のΔΣ変調手段よりもS/N特性
を向上させることができるとともに、3次以上とした場
合に比べて容量比もそれほど大きくならないので半導体
集積回路化するのに好適である。
【0048】(3)第1増幅手段、第2増幅手段および
第3増幅手段のゲインGlを略1/2に設定したことに
より、第1積分手段および第2積分手段における演算増
幅手段の飽和を抑え、S/N特性の一層の向上を図るこ
とができる。
【0049】以上本発明者によってなされた発明を実施
形態に基づいて具体的に説明したが、本発明はそれに限
定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲にお
いて種々変更可能であることは言うまでもない。例え
ば、実施例における第1および第2のΔΣ変調回路1
0、20もアナログ差動増幅回路30と同様にスイッチ
ドキャパシタ回路でなく抵抗を用いて構成することがで
きる。また、本発明は、2次の変調方式のみでなく3次
以上の変調方式のオーバーサンプリング型A/D変換器
にも適用することができる。
【0050】
【発明の効果】本願において開示される発明のうち代表
的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば下記
のとおりである。
【0051】すなわち、ΔΣ変調方式のオーバーサンプ
リング型A/D変換器において、差動入力差動出力の変
調手段を用いるとともに変調手段の差動出力を増幅して
差動でない信号として出力するアナログ差動増幅回路と
該アナログ差動増幅回路の出力電圧を複数の参照電圧と
比較する電圧比較手段とを設け、該電圧比較回路から得
られる複数ビットの信号を上記ローカルD/A変換器で
アナログ信号に変換して上記変調手段に帰還させるよう
にしたので、電圧比較回路は差動でない信号の振幅を判
定するため比較的精度の高い回路を簡単な回路で構成す
ることができかつS/N特性を向上させることができ
る。また、本発明に従うとディジタル回路とともに1チ
ップに搭載した場合に生じる基板ノイズによるS/N特
性の悪化を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るオーバーサンプリング型A/D変
換器の一実施例の機能ブロック図である。
【図2】上記オーバーサンプリング型A/D変換器にお
ける第1のΔΣ変調回路の具体例を示す回路図である。
【図3】上記オーバーサンプリング型A/D変換器を動
作させるクロックのタイミングを示すタイミングチャー
トである。
【図4】上記オーバーサンプリング型A/D変換器にお
ける第2のΔΣ変調回路の具体例を示す回路図である。
【図5】上記オーバーサンプリング型A/D変換器にお
けるアナログ差動増幅回路の具体例を示す回路図であ
る。
【図6】上記オーバーサンプリング型A/D変換器にお
けるアナログ差動増幅回路の他の具体例を示す回路図で
ある。
【符号の説明】
10 第1のΔΣ変調回路 11a,11b 加算手段 12a,12b 増幅手段 13 アナログ積分手段 20 第2のΔΣ変調回路 21a,21b 加算手段 22a,22b 加算手段 23a,23b 増幅手段 24 アナログ積分手段 30 差動入力シングル出力のアナログ差動増幅回路 40 電圧比較手段 50 ローカルD/A変換器 VR,−VR 帰還信号

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力されたアナログ信号と帰還信号との
    差を求める加算手段および該加算手段の出力信号を積分
    する差動型の積分手段からなるΔΣ型変調手段と、該変
    調手段の差動出力を増幅して差動でない信号として出力
    するアナログ差動増幅回路と、該アナログ差動増幅回路
    の出力電圧を複数の参照電圧と比較する電圧比較手段
    と、該電圧比較回路から得られる複数ビットの信号をア
    ナログ信号に変換して上記変調手段に帰還させる帰還信
    号を生成するローカルD/A変換器とを含むことを特徴
    とするオーバーサンプリング型A/D変換器。
  2. 【請求項2】 上記変調手段は、入力されたアナログ信
    号と帰還信号との差を求める第1加算手段および第1加
    算手段の出力信号を積分する差動型の第1積分手段から
    なる第1の変調手段と、上記第1積分手段の出力信号と
    上記帰還信号との差を求める第2加算手段および第2加
    算手段の出力信号を積分する差動型の第2積分手段から
    なる第2の変調手段とからなる2次のΔΣ変調手段であ
    ることを特徴とする請求項1に記載のオーバーサンプリ
    ング型A/D変換器。
  3. 【請求項3】 上記第1積分手段の前段には、「1」よ
    り小さく設定されたゲインを有する第1増幅手段が、上
    記ローカルD/A変換器と上記第2加算手段との間には
    上記第1増幅手段と略等しいゲインを有する第2増幅手
    段が、さらに上記第2積分手段の前段には「1」より小
    さく設定されたゲインを有する第3増幅手段が設けられ
    てなることを特徴とする請求項1または2に記載のオー
    バーサンプリング型A/D変換器。
  4. 【請求項4】 上記変調手段もしくは第1の変調手段お
    よび第2の変調手段は、それぞれ対応する入力信号をサ
    ンプリングするためのサンプリング容量と、該サンプリ
    ング容量の端子切換えのための複数のスイッチとを含む
    スイッチドキャパシタ回路と、演算増幅器と、積分動作
    のための積分容量とにより構成されていることを特徴と
    する請求項1もしくは2または3に記載のオーバーサン
    プリング型A/D変換器。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009267981A (ja) * 2008-04-28 2009-11-12 Toyota Motor Corp ミキサ及びδς変調器
JP2009267982A (ja) * 2008-04-28 2009-11-12 Toyota Motor Corp ミキサ及びδς変調器
CN108242937A (zh) * 2016-12-15 2018-07-03 通用汽车环球科技运作有限责任公司 多速率的能量有效型Delta-sigma转换器

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