JP2000182976A - 半導体の製造方法 - Google Patents

半導体の製造方法

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JP2000182976A
JP2000182976A JP10376000A JP37600098A JP2000182976A JP 2000182976 A JP2000182976 A JP 2000182976A JP 10376000 A JP10376000 A JP 10376000A JP 37600098 A JP37600098 A JP 37600098A JP 2000182976 A JP2000182976 A JP 2000182976A
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amorphous
silicon
light
pressure
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JP10376000A
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Tatsuji Sano
達二 佐野
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TDK Corp
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    • Y02E10/50Photovoltaic [PV] energy

Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた光特性を有し、しかも量産性が高い半
導体の製造方法を提供する。 【解決手段】 アモルファス半導体を形成した後、等方
的に好ましくは300kgf/cm2以上に加圧しながら、好
ましくは200℃以上の加熱処理を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体の製造方法
に関する。さらに詳しくは、SOI(silicon oninsula
tor)構造、または、光起電力素子、すなわち太陽電池
およびフォトダイオード等の光の照射によって半導体層
で発生するキャリアーを利用する半導体素子に用いられ
る半導体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、半導体は、その優れた電気特性に
よって多くの電気部品に用いられている。特に、シリコ
ンはその利用価値が高い。
【0003】シリコンの伝導度は不純物に敏感に反応
し、p型あるいはn型の半導体になることは広く知られ
ている。シリコンは、この性質によって、半導体素子と
して様々な電子部品に利用されている。また、真性のシ
リコン半導体は価電子バンドと伝導バンドとの間のバン
ドギャップが、単結晶で約1.2eV、アモルファスで約
1.8eVであり、可視光およびその近傍の光を吸収する
のに適している。特に、結晶性のシリコンは、アモルフ
ァスシリコンに比べて、キャリヤ移動度が高く、効率の
経時劣化が小さく、長波長の光を利用できることが知ら
れている。この性質により、真性または実質的に真性の
非アモルファスシリコンはフォトダイオードや太陽電池
のような光を利用した電気回路の光活性層やSOIとし
て広く利用されている。
【0004】しかしながら、シリコン、特に非アモルフ
ァスシリコンの伝導度は不純物に敏感に反応するため、
目的の伝導度を得るには不純物量を高精度で制御する必
要がある。
【0005】第45回応用物理学関係連合講演会講演予
稿集28a−YM−5で、松田らは、結晶化率が上がる
とともに暗伝導率が増加し、そのために光感度(光伝導
率/暗伝導率の比)が減少していくこと、また、光感度
が不純物量によって異なり、アモルファスの領域では不
純物量の違いによる変化はなく、不純物の影響は結晶化
率が上がるほど顕著で、不純物量の増加に従って暗伝導
率が高く、光感度が低くなってしまうことを報告してい
る。従来の半導体は結晶化度の増加に伴い暗伝導度が増
加する傾向を示すが、これは、結晶内ではキャリヤの移
動度がアモルファスよりも大きいために伝導度が不純物
量に敏感に応答するためと思われる。また、松田らは結
晶化に伴う暗伝導度の増加は、不純物が膜構造に大きな
影響を与えているためとも考察している。
【0006】このように、結晶、つまり、規則構造をも
つ半導体はアモルファス系に比べて電気伝導度が不純物
に対して敏感であるため、非アモルファス系の真性また
は実質的に真性な半導体は、製造時に酸素、炭素、窒素
等の不純物が混入すると、光活性層の不活性化やSOI
の暗伝導度の増加による特性の劣化・バラツキが生じて
しまう。暗伝導度が増加すると、リークが起こりやすく
なり、太陽電池にしたときに電圧が上がらない等の問題
がある。特に、気相法によって非アモルファス半導体を
作成する場合、不純物が混入しやすく、問題となってい
る。
【0007】Mat.Res.Soc.Symp.Proc.Vol.377 (1995)
p.39-44 で、A.Shahらは不純物の混入原因について報告
している。また、応用物理 Vol.67, No.3 (1998) p.332
-336では、松田らが不純物の起源とその抑制方法につい
て報告している。これらに記載されているように、不純
物混入の主たる原因は、反応容器壁面から脱着してくる
アウトガスや、反応容器の密閉性に起因する外部から漏
れ込むリークガスであり、優れた特性を持つ半導体を製
造するには、この不純物ガスを取り除く必要がある。
【0008】しかしながら、気相法においてアウトガス
の影響を取り除くためには、反応容器を開放・メンテナ
ンスする度に長時間のプリベイグが必要であり、量産上
の問題がある。前述の松田らの報告では、250〜40
0℃程度で1週間程度ベーキングしている。また、溶融
法においては、反応容器からの不純物が拡散するという
問題がある。
【0009】また、リークガスの影響を取り除くために
は、反応容器の密着性を確保するために高い寸法精度が
要求される。さらには、昇温時に容器が膨張し、降温時
に容器が収縮するので、使用するに従ってその密閉性が
損なわれるという問題もある。
【0010】このように、材料中への不純物の混入を防
ぎつつ非アモルファス半導体を作成することは極めて困
難である。そのため、アモルファス半導体と比べて、低
エネルギーの光の吸収が高く、長波長の光も利用でき、
しかも、効率の経時劣化が小さいという利点があるにも
かかわらず、非アモルファス半導体の暗伝導度を低く
し、高い光感度、光活性を得ることは実用的には困難で
あった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、優れ
た光特性を有し、しかも量産性が高い半導体の製造方法
を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意研究
を重ねた結果、アモルファス半導体を作成後、高い圧力
を加えながら熱処理することで、暗伝導度がほとんど増
加せず、低エネルギー側の光の吸収が大きくなり、優れ
た光特性が得られることを見いだした。
【0013】上記目的は、以下の構成により達成され
る。 (1) アモルファス半導体に対して加圧下、加熱処理
を行う工程を有する半導体の製造方法。 (2) アモルファス半導体に対して300kgf/cm2
上の加圧下、200℃以上の加熱処理を行う工程を有す
る上記(1)の半導体の製造方法。 (3) 前記半導体に対して加圧が実質的に等方的であ
る上記(1)または(2)の半導体の製造方法。 (4) 不活性ガス、水素またはハロゲンガス雰囲気中
で、前記半導体に対して加圧下、加熱処理を行う上記
(1)〜(3)のいずれかの半導体の製造方法。 (5) 前記半導体がシリコンから形成されている上記
(1)〜(4)のいずれかの半導体の製造方法。 (6) 前記半導体の膜厚が5nm〜20μm である上記
(1)〜(5)のいずれかの半導体の製造方法。 (7) 前記半導体が気相法によって形成されたもので
ある上記(1)〜(6)のいずれかの半導体の製造方
法。
【0014】
【作用】本発明の半導体素子の製造方法は、アモルファ
ス半導体に対して、加圧下、加熱処理を行う工程を有す
る。好ましくは、300kgf/cm2以上の加圧下で、20
0℃以上の加熱処理を行う。加圧は実質的に等方的であ
ることが好ましい。
【0015】アモルファス半導体に対して、加圧下で加
熱処理を行うことにより、半導体の低エネルギー側の光
の吸収が大きくなり、長波長の光も利用できるようにな
る。しかも、暗伝導度はほとんど増加しない。従来、長
波長の光を利用できる非アモルファス半導体は、基板温
度等の成膜条件を変えたり、溶融シリコンを徐冷したり
して製造している。本発明では、アモルファス半導体を
加圧・加熱処理することで、暗伝導度を処理前のアモル
ファス半導体と同程度に維持し、光感度を同程度の不純
物を含有する非アモルファス半導体よりも高くしてい
る。低エネルギー側の光吸収特性も非アモルファス半導
体と同等以上が得られる。
【0016】光特性が改善される理由は明らかではない
が、(1)結晶欠陥(点欠陥、不純物、転移等)が除去
される、(2)結晶粒とアモルファスとの界面の状態が
改善される、(3)半導体中の不純物が均一に分散す
る、などが考えられる。
【0017】このように本発明によると、不純物があっ
ても容易に非アモルファス半導体の優れた特性を有し、
しかも、暗伝導度を低く抑え、高い光感度が得られる。
従って、従来非アモルファス半導体製造時に不純物混入
を避けるために行われていたベーキング等が不必要にな
り、量産性が高い。
【0018】
【発明の実施の形態】まず、アモルファス半導体につい
て説明する。本明細書中では、アモルファス半導体と
は、X線回折で確認できる明確なピークが存在しないも
のをいい、アモルファスシリコンとは、X線回折で確認
できる明確なピークが存在せず、かつ、モノクロメータ
ーで測定した光吸収係数から求めた光学的エネルギーギ
ャップ(Eg opt)が約1.8eV(1.85〜1.75e
V)であるものをいう。非アモルファス半導体、非アモ
ルファスシリコンとは、上記以外のものをいう。すなわ
ち、非アモルファスシリコンの光学的エネルギーギャッ
プ(Eg opt)は、1.1eV以上1.75eV未満である。
【0019】アモルファス半導体の膜厚は5nm〜20μ
m であることが好ましい。膜厚がこれより厚いと、膜の
形状変化に弱くなってくる。つまり、引っ張り応力、曲
げ応力等が膜に働いたとき割れやすくなる。また、膜厚
がこれより薄いと、均一に成膜することが困難になって
くる。
【0020】半導体としては、目的により様々なものが
用いられ、いずれでも本発明の効果が得られるが、特に
アモルファスシリコンを用いることが好ましい。
【0021】半導体の成膜方法としては、特に限定され
ないが、通常、気相法、特にプラズマCVD法で成膜さ
れる。本発明では、半導体中に不純物が混入していて
も、後の加圧・加熱処理によって光特性を改善すること
ができるのでかまわない。
【0022】プラズマCVD法におけるプラズマは、直
流、交流のいずれであってもよいが、交流を用いること
が好ましい。交流としては数ヘルツから数ギガヘルツま
で使用可能である。
【0023】プラズマCVD膜は、成膜する膜の組成に
もよるが、通常、適当な原料ガスを流して、基板温度は
室温〜450℃、動作圧力0.01〜10Torr、投入電
力は10〜2000W程度で成膜すればよい。原料ガス
の流量は原料ガスの種類に応じて適宜決定すればよい。
【0024】他にも、スパッタ法等によりアモルファス
半導体を成膜することができる。
【0025】そして、本発明では、このようなアモルフ
ァス半導体を形成後、加圧下、加熱処理を行う。
【0026】加圧方法は特に限定されないが、等方的加
圧であることが好ましい。等方的加圧でなくても暗伝導
度が増加することなく、低エネルギー側の吸収が大きく
なるが、寸法変形が大きくなる傾向がある。加圧が押し
棒等固体を用いてなされる場合、圧力は面内で均一に成
りにくく、半導体膜が破壊しやすい。なお、通常、基板
上に形成した半導体を加圧・加熱処理するので、実際に
は、基板に接していない面のみが等方的に加圧されるこ
とになる。特に、熱間静水圧加圧装置(以下、HIPと
呼ぶ)は、加圧媒体が気体であるために、半導体への不
純物の混入が避けやすく、好ましい。
【0027】加圧圧力としては、好ましくは300kgf
/cm2以上、特に600kgf/cm2以上であることが好ま
しい。加圧圧力が300kgf/cm2未満では、暗伝導度が
増加し、低エネルギー側の吸収があまり大きくならない
傾向がある。加圧圧力の上限は特に規定されず、装置の
性能によるが、通常、1000kgf/cm2以下である。
【0028】加熱温度は特に限定されず、例えばシリコ
ンの場合、好ましくは200℃以上、特に400℃以上
であることが好ましい。加熱温度が200℃未満では、
加圧の効果が得られにくくなる傾向がある。加熱温度の
上限は、特に規定されないが、実際は、周辺材質によっ
て制限される。例えば、コーニング製7059ガラスを
基板にしたシリコン薄膜の場合、ガラス基板のガラス転
移温度が約600℃であるため、600℃以下に限定さ
れる。
【0029】加圧・加熱時間(処理時間)、好ましくは
圧力300kgf/cm2以上、温度200℃以上に保つ時間
は1分間〜2時間、特に5〜80分間とすることが好ま
しい。処理時間がこれより短いと、加圧の効果が得られ
にくくなる傾向がある。処理時間がこれより長いと、生
産性が落ちてくる上、周辺部材(例えば、基板)からの
不純物の拡散が多くなってくる。なお、先に加圧を始め
ても、先に加熱を始めても、加圧と加熱とを同時に始め
てもよく、加圧・加熱処理後、降圧、降温どちらを先に
しても、また、同時に行ってもよい。
【0030】処理雰囲気は、実験装置の材質によるが、
Ar、Kr、Xe等の不活性ガス、水素またはF、Cl
等のハロゲンガス、特にAr、H2が好ましい。これら
は2種以上を併用してもよい。ガス純度は半導体中に不
純物準位を形成する不純物の種類によるが、ガス中に含
まれる一般的な不純物(H2O、O2、CO、CO2、有
機物等)であれば5%以下、特に0.1%以下であるこ
とが好ましい。
【0031】本発明は、不純物が半導体、特に結晶成分
中に入りやすいプラズマCVD法等の気相法で作成され
たアモルファス半導体の特性改善に対して特に有効であ
る。
【0032】加圧・加熱処理後の半導体は、通常、結晶
化すると思われるが、アモルファスであってもよい。
【0033】基板としては、耐熱性を有するものが好ま
しく、通常、シリコンウェハー、カーボン、ガラス基板
や、ポリイミド、ポリエチレンナフタレート(PE
N)、ポリエーテルサルフォン(PES)等の樹脂フィ
ルムを用いることが好ましい。
【0034】本発明により得られる半導体は、時計やリ
モコン等に用いられる太陽電池に好ましく適用される。
太陽電池では、光電変換部、所謂発電層に相当するもの
として、通常、単結晶シリコンや多結晶シリコン、ある
いは、アモルファスシリコン等を有し、これに所定の不
純物を添加してpn接合あるいはpin接合、好ましく
はpin接合を形成したものを用いる。
【0035】太陽電池で設けられるシリコン層について
説明する。
【0036】p型には、不純物としては特にBが好まし
く用いられる。その含有量は1013〜1022atoms/cm3
が好ましい。含有量がこれより多くても少なくても、エ
ネルギー変換効率が低下してくる。
【0037】n型には、不純物としては特にPが好まし
く用いられる。その含有量は1013〜1022atoms/cm3
が好ましい。含有量がこれより多くても少なくても、エ
ネルギー変換効率が低下してくる。
【0038】膜厚は、特に限定されないが、p型では5
〜40nmが好ましく、i型では100nm〜20μmが好
ましく、n型では5〜40nmが好ましい。
【0039】アモルファスシリコン層は、通常、プラズ
マCVD法により成膜される。プラズマCVD法におけ
るプラズマは、直流、交流のいずれであってもよいが、
交流を用いることが好ましい。交流としては数ヘルツか
ら数ギガヘルツまで使用可能である。
【0040】p型のアモルファスシリコン層は、原料に
はSiH4、H2、B26等を用い、流量3〜1000sc
cm、基板温度は室温〜450℃、動作圧力0.01〜1
0Torr、投入電力は106〜109Hz、10〜2000W
程度で成膜すればよい。
【0041】i型のアモルファスシリコン層は、原料に
はSiH4、H2等を用い、流量1〜2000sccm、基板
温度は室温〜450℃、動作圧力0.01〜10Torr、
投入電力は10〜2000W程度で成膜すればよい。
【0042】n型のアモルファスシリコン層は、原料に
はSiH4、H2、PH3等を用い、流量3〜1000scc
m、基板温度は室温〜450℃、動作圧力0.01〜1
0Torr、投入電力は10〜2000W程度で成膜すれば
よい。
【0043】本発明では、このようなアモルファスシリ
コン層を成膜後、上記のような加圧・加熱処理を行い、
光特性を改善する。
【0044】太陽電池は、基板上に、透明電極、上記の
ようなp型半導体、光起電力層(i層)、n型半導体か
らなるシリコン層、下部電極が順に積層されたものであ
る。場合によっては、これと逆の順で積層してもよい。
【0045】下部電極としては、様々な金属を用いるこ
とができるが、特にアルミニウムを用いることが好まし
い。Alは電気伝導度が小さく、エネルギーロスや、発
熱による劣化が小さい。また、太陽電池等の光起電力素
子では、金属電極で反射された光も電気エネルギーに変
換されるので、金属電極の反射率が高い方が好ましい
が、Alは光の反射特性が優れており、好ましい。ま
た、Alは熱伝導度が大きく、耐腐食性が高い。しか
も、安価である。
【0046】透明電極には、様々なものを用いることが
できるが、透明性、伝導性、耐水素プラズマ性等から、
酸化スズ、ITO等がよく用いられる。
【0047】
【実施例】次に、実施例を示して本発明をより具体的に
説明する。 <実施例>基板にはコーニング製7059ガラスを用い
た。そして、この基板上に、Si膜を600nmの厚さに
プラズマCVD法で成膜した。このとき、原料にはSi
410sccm、H2500sccmを用い、基板温度160
℃、動作圧力1Torr、投入電力は13.56MHz、10
0Wとした。成膜したSi膜中の不純物量はSIMS
(二次イオン質量分析)によって確認し、酸素は2×1
19atoms/cm3以上、窒素は4×1018atoms/cm3
上、炭素は7×1018atoms/cm3以上混入するように制
御した。また、X線回折(薄膜法)によって、いずれも
Si膜に結晶相が存在していないことを確認した。ま
た、モノクロメーターによって光吸収係数を測定し、求
めた光学的エネルギーギャップ(Eg opt)は約1.8eV
程度であった。
【0048】そして、このアモルファスシリコンを、熱
間静水圧加圧装置を用い、Ar雰囲気中、表1に示した
ような条件で加圧・加熱処理し、本発明のシリコン半導
体を得た。
【0049】また、比較例1として、成膜条件を基板温
度300℃、動作圧力1Torr、投入電力は13.56MH
z、100Wに変えて実施例と同程度の不純物を含んだ非
アモルファスシリコン半導体を作成した。
【0050】比較例2として、実施例と同様にアモルフ
ァスシリコンを作成後、常圧で570℃、24時間熱処
理し、加熱結晶化して非アモルファスシリコン半導体を
作成した。
【0051】比較例3として、HIP条件を表1のよう
に変えた他は実施例と同様にしてシリコン半導体を作成
した。
【0052】このようにして得られたシリコン半導体に
ついて、HIP前後で暗伝導度(σd )と光伝導度(σ
ph )とを測定し、光感度を求めた。σd とσph は、1
00Vと−100Vの直流電圧下での伝導度として測定
した。σph は、ソーラーシュミレーターで100mW/c
m2の光を照射して測定した。表1にその結果を示す。
【0053】
【表1】
【0054】また、光の吸収係数(α)の光エネルギー
(hν)依存性をCPMによって測定した。図1に実施
例5のシリコン半導体のHIP前後の光吸収係数の光エ
ネルギー依存性を、図2に実施例6のシリコン半導体の
HIP前後の光吸収係数の光エネルギー依存性を、図3
に比較例2の加熱結晶化したシリコン半導体と、実施例
5、6のHIP後のシリコン半導体との光吸収係数の光
エネルギー依存性を示す。約1.7eV以上の光エネルギ
ーのもとでの吸収係数の見かけ上の減少は測定限界を超
えたためである。1.4eV以下での凸凹は光の干渉によ
るものである。いずれもCPMの測定ではよく見られる
現象で、サンプルの特性を反映したものではない。
【0055】本発明の製造方法で得られたシリコン半導
体は、いずれもHIP前、つまり、アモルファス半導体
と同程度に暗伝導度が低く、光感度もアモルファス半導
体よりは低いが、従来の方法で作成した非アモルファス
半導体(比較例1、2)よりも2桁以上高い。加圧圧力
820kgf/cm2、加熱温度570℃のとき、従来の方法
で作成した低不純物量(酸素:8×1018atoms/cm3
窒素:5×1016atoms/cm3、炭素:1×1016atoms
/cm3)でlc/laが約3のシリコン半導体と同程度の優
れた光感度が得られた。また、いずれの実施例において
も、従来のものと異なり、暗伝導度がほとんど変化せ
ず、光伝導度の変化によって光感度が変化するという挙
動を示した。
【0056】また、図1、図2から明らかなように、H
IP後には、低エネルギー側の吸収が大きくなってい
る。図3から、HIP後の実施例5、6のシリコン半導
体は、従来の加熱結晶化した比較例2のシリコン半導体
と同程度の挙動を示すことがわかる。なお、実施例1〜
4でも、HIP後には低エネルギー側の吸収が大きくな
り、実施例2、4では、実施例5、6と同等の結果が得
られた。
【0057】HIP条件が加圧圧力250kgf/cm2、加
熱温度170℃の比較例3のシリコン半導体は、暗伝導
度の増加は抑制されているが、実施例と比べて、低エネ
ルギー側の吸収は大きくならなかった。
【0058】実施例および比較例から明らかなように、
アモルファス半導体に対する加圧・加熱処理によって、
不純物が入っていても低エネルギー側での光の吸収が増
加し、半導体の光活性に関する特性が改善された。ま
た、暗伝導度が実質的に増加することなく、微結晶シリ
コン薄膜と同程度の高い光感度が得られた。しかも、加
圧下での熱処理は、製造時の不純物の混入を避けるため
の高精度で長時間におよぶプリベイグ、メンテナンスを
必要としないので量産性にも優れている。
【0059】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、優れた
光特性を有し、しかも量産性が高い半導体の製造方法を
提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例5のシリコン半導体のHIP前後の光吸
収係数の光エネルギー依存性を示すグラフである。
【図2】実施例6のシリコン半導体のHIP前後の光吸
収係数の光エネルギー依存性を示すグラフである。
【図3】比較例2の加熱結晶化したシリコン半導体と、
実施例5、6のHIP後のシリコン半導体との光吸収係
数の光エネルギー依存性を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5F045 AB04 AC01 AC16 AD06 AD07 AD08 AD09 AE30 BB16 BB18 CA13 DA61 DA63 DA65 GB12 HA16 5F051 AA05 BA17 CA15 CA32 DA04 GA03 5F052 AA11 DA02 DB03 JA09

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アモルファス半導体に対して加圧下、加
    熱処理を行う工程を有する半導体の製造方法。
  2. 【請求項2】 アモルファス半導体に対して300kgf
    /cm2以上の加圧下、200℃以上の加熱処理を行う工
    程を有する請求項1の半導体の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記半導体に対して加圧が実質的に等方
    的である請求項1または2の半導体の製造方法。
  4. 【請求項4】 不活性ガス、水素またはハロゲンガス雰
    囲気中で、前記半導体に対して加圧下、加熱処理を行う
    請求項1〜3のいずれかの半導体の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記半導体がシリコンから形成されてい
    る請求項1〜4のいずれかの半導体の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記半導体の膜厚が5nm〜20μm であ
    る請求項1〜5のいずれかの半導体の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記半導体が気相法によって形成された
    ものである請求項1〜6のいずれかの半導体の製造方
    法。
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