JP2000182826A - 電磁石 - Google Patents

電磁石

Info

Publication number
JP2000182826A
JP2000182826A JP10362121A JP36212198A JP2000182826A JP 2000182826 A JP2000182826 A JP 2000182826A JP 10362121 A JP10362121 A JP 10362121A JP 36212198 A JP36212198 A JP 36212198A JP 2000182826 A JP2000182826 A JP 2000182826A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
iron core
yoke
core
electromagnet
coil
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP10362121A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3033897B1 (ja
Inventor
Tsuneo Kamitsubara
常男 上津原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
CHUNICHI DENKI KOGYO KK
GOKOO DENKO KK
Original Assignee
CHUNICHI DENKI KOGYO KK
GOKOO DENKO KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by CHUNICHI DENKI KOGYO KK, GOKOO DENKO KK filed Critical CHUNICHI DENKI KOGYO KK
Priority to JP10362121A priority Critical patent/JP3033897B1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3033897B1 publication Critical patent/JP3033897B1/ja
Publication of JP2000182826A publication Critical patent/JP2000182826A/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Electromagnets (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】挿通型電磁石は、最大ストローク近傍では高吸
引力を発生するが、プランジャの吸引進行に伴ってプラ
ンジャに作用する吸引力が減少する傾向があり、電磁石
の駆動中の吸引力特性が高くなかった。これを改善す
る。 【解決手段】内筒にコイル20を巻いた二重円筒から成
る固定鉄心10と、二重円筒間に進入退避する円筒状の
可動鉄心30と、コイル通電時に前記可動鉄心を退避位
置に保持する手段40とを備えた電磁石を開発した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電磁石に関し、詳
しくは、通電によって機械力を発生し、特に微小電気入
力で強力な吸引力を発生すると共に、小形軽量化を可能
とした電磁石に関する。
【0002】
【従来の技術】本発明者は、微小電気入力で強力な吸引
力を発生すると共に小形軽量化を可能とする電磁石を開
示した(特開平10−50518号公報)。この技術は
図9に示すような挿通型電磁石と呼んでいるもので、筒
状ボビンに電線を巻装したコイルと、コイルの磁路を形
成しボビンの両端開口部外側に軸平行磁極面を形成した
ヨークと、ボビンの中空孔内に軸方向に移動自在に挿通
したプランジャとからなる電磁石において、ヨークの一
方の磁極面を軸延長方向に所要長さ延長すると共に、前
記コイルの無通電時の前記プランジャの軸直交端面の無
通電時の軸方向位置を前記ヨークの前記一方の磁極面の
内側端面と略一致させる手段を備えたことを特徴とする
電磁石である。
【0003】この電磁石は小さな電磁力で大きな初期吸
引力を得ることができ、高感度の電磁石として小型軽量
で微小電力で作動するものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記提案に係る挿通型
電磁石は、固定鉄心の磁極面にプランジャの磁極面を吸
引する旧来の電磁石に比して、所要ストロークが比較的
大きい場合に、微小電気入力で強力な初期吸引力を発生
して小形軽量化を可能とする。しかし、この挿通電型電
磁石は、最大ストローク近傍では高吸引力を発生する
が、プランジャの吸引進行によるストロークの減少に伴
ってプランジャに作用する吸引力が減少する傾向があ
り、電磁石の駆動中の吸引力特性が好ましくなかった。
【0005】本発明者は、この点について改善を図るべ
く各種の試作実験の結果、上記のプランジャの吸引進行
に伴う吸引力の低減は、電磁石の磁路におけるインピー
ダンスに起因するとの結論を得た。
【0006】図5に模式的電気回路を示した。電源内部
抵抗Ri、負荷抵抗Roと電源とを直列に結合し、起電
力をEとし、電源内部抵抗Riを変数とし、Kを比例定
数とし、またRo/Ri=1の場合の出力W値を100
%として、それぞれのRo/Riの数値に対応する出力
W(%)の数値を算出した。これを表1に取りまとめて
記載した。この値をグラフに示すと図6となる。W
(%)の数値は、Ro/Ri=1すなわち、Ro=Ri
の条件が成立するインピーダンス整合状態において最大
値を示し、Ro/Ri<0.5の範囲で急激に減少する
ことが明らかである。
【0007】
【表1】
【0008】ここで、電磁石の磁路におけるインピーダ
ンス整合について検討する。
【0009】図9に従来の挿通型電磁石の模式構造図を
掲げた。ヨーク50の内部にコイル51を内蔵しヨーク
の磁極面52,53は軸方向に平行に形成されており、
可動鉄心60はその一方の端面61がヨークの一方の磁
極面52より外れた位置にスプリング等により保持され
ており、可動鉄心60の他方の端部近傍62はヨークの
磁極面53に軸方向に軸方向平行に対極している。コイ
ル51に通電した時、可動鉄心60は一方の端面61が
ヨークの磁極面52に牽引され、スプリング等の付勢力
に抗して前進する。前進の最後には可動鉄心の一方の端
面61がヨークの停止端面55に吸着される。コイル通
電による起磁力をUとし、プランジャの動作間隙63の
磁気抵抗をRo、他方の対極面53の摺動部の磁気抵抗
をRi(ヨークとプランジャの鉄心部の磁気抵抗を含
む)とし、そしてこの動作間隙にコイル通電によって貯
えられる磁気エネルギーの変化率、すなわちプランジャ
に作用する吸引力をFとする。図5に示した電気回路の
起動力Eを起磁力Uにおきかえ、Ri,Roを磁気抵抗
とすれば図9に示した磁気回路と図5に示した電気回路
の相似関係から、下記の式が成立する。
【0010】 F=Ro(U/Ro+Ri)2=KU2/Ri これを図6のグラフに記載するとRo/Ri=1すなわ
ち、Ro=Riの条件が成立する場合にインピーダンス
整合状態となり、プランジャに作用する吸引力Fの数値
が最大値を示す。そして、Ro/Ri<0.5の範囲で
急激に減少することが理解できる。
【0011】すなわち、図9に掲げる従来の挿通型電磁
石は、起磁力Uを一定値とした場合、強力な吸引力を発
生して効果的に小形軽量化を図るためには、下記の2つ
の条件を満足しなければならない。
【0012】(1)プランジャの摺動部の間隙の磁気抵
抗(ヨークとプランジャの鉄心部の磁気抵抗を含む)R
iを微小な値に設定する。
【0013】(2)動作間隙の磁気抵抗Roとプランジ
ャの摺動部の間隙の磁気抵抗(ヨークとプランジャの鉄
心部の磁気抵抗を含む)Riとの比、Ro/Riの数値
を0.5乃至2.0の範囲で1.0の近傍の数値に限定
する。
【0014】図9に掲げる従来の挿通型電磁石は、この
2つの条件を十分に満足させる形状になっているか否か
検討を要する。
【0015】本発明者は、上記知見に基いて、従来の挿
通型電磁石の磁路の形状と構成を改良することによって
上記の2つの条件を十分に満足させ、安価で高性能な電
磁石を開発した。本発明はこのような新規な電磁石を提
供することを課題とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の本発明の技術手段は、鉄心に連結して平行に沿うヨー
クから成る固定鉄心と、前記鉄心に巻回したコイルと、
前記鉄心とヨーク間に進入退避する可動鉄心と、コイル
無通電時に前記可動鉄心を退避位置に保持する手段とか
ら成ることを特徴とする電磁石である。
【0017】固定鉄心及び可動鉄心の軸直角断面は任意
の形状とすることができるが、好ましくは前記鉄心が円
柱又は内筒であり、ヨークが外筒であり、前記可動鉄心
が円筒であると好適である。なお前記可動鉄心と、固定
鉄心が互いに密着する停止吸着面を備えると、吸着スト
ロークの後端において吸引力が大となり停止位置が安定
するので好適である。
【0018】可動鉄心を退避位置に保持する手段として
は可動鉄心を弁座、スイッチ接点その他、定位置に停止
する部材に組み込んで使用する場合はその安定停止位置
を保つ手段意味する。また、弾性バネ力、重力、流体の
浮力、磁気力等による付勢力に対抗して、可動鉄心とヨ
ーク間に作用させるスプリング抗力、あるいは永久磁石
吸引力によって可動鉄心を平衡位置に安定させる場合
は、可動鉄心の平衡保持位置に保つ手段を意味する。
【0019】また、停止吸着面として円筒状可動鉄心
に、軸に直交する磁極面を配置し、前記コイルに通電す
ることによって、前記固定鉄心の軸に直交する磁極面と
密着させ、旧来の平面対抗形電磁石の吸引力特性を合わ
せ持つようにすることができ、固定鉄心に対する可動鉄
心の吸着保持力を確保できる。
【0020】
【発明の実施の形態】図1に本発明の一実施例の電磁石
を掲げた。図1(a)は横断面図(図1(b)のA−A
矢視図)、図1(b)は縦断面図(図1(a)のB−B
矢視図)を示し、図1(b)の上半分は可動鉄心が退避
位置にある図、下半分はコイルに通電した後の作動状態
にある図である。この筒状可動鉄心型電磁石の模式構造
断面図を参照して前記課題を解決するための技術手段に
ついて説明する。
【0021】固定鉄心10は外筒をなすヨーク11と内
筒をなす鉄心13とから成り、内筒と外筒との内面に鉄
心13にコイル20を巻回している。ヨーク11の内面
12と鉄心13の外面14との間に円筒状の可動鉄心3
0が進退自在に配設されている。可動鉄心30の外周面
31、内周面32はそれぞれヨークの内面12、鉄心の
外面14と微小間隙を形成する。図1(b)の上半分に
示すように、可動鉄心が待避状態にある時は、ヨークの
内面12及び鉄心の外面と、可動鉄心の外周面31、内
周面32とは対面しない状態に保たれている。待避位置
はヨークの内面及び鉄心の外面に対して、可動鉄心の外
周面及び内周面が対向しておらず、可動鉄心の軸方向の
変位に対する電磁石のパアミアンスの変化が小さい位置
である。この退避位置に可動鉄心を保持する手段はスプ
リング40等である。
【0022】コイルに通電したときは図1(b)の下半
分に示すように、可動鉄心30はスプリング40を圧縮
してヨーク11と鉄心13との間に進入し、固定鉄心1
0の軸直角磁極面15と可動鉄心30の軸直角磁極面3
5が吸着、当接する。コイルの通電を停止すれば元に復
帰する。
【0023】このような構成を採用することによって、
図9に掲げる従来の挿通型電磁石のプランジャの摺動部
の間隙を零にして、間隙の磁気抵抗を零にし(但しヨー
クとプランジャの鉄心部の微小な磁気抵抗は残る)、ヨ
ークとプランジャの鉄心部の磁気抵抗Roに比して微小
なRi値を設定することが可能である。従って、Ro/
Riの数値を0.5乃至2.0の範囲で1.0の近傍の
数値に設定することが容易にできる。従って、本発明の
電磁石は従来の挿通型電磁石に比して、常に強力な吸引
力を発生するので、効果的に小形軽量化を図るための前
記の二つの条件を満足させることができ、吸引力特性を
改善することができる。
【0024】実施例では前記円柱状鉄心に同軸に設けた
貫通孔に、軸方向に移動自在な非磁性体ロッド34を同
軸に挿入している。可動鉄心30の運動の円滑化を図る
ため非磁性ロッド34に軸受37を設けることもでき
る。
【0025】図9に掲げる従来の挿通型電磁石の動作間
隙におけるプランジャの変移に伴うパアミアンスの変化
率、すなわちプランジャに作用する吸引力Fは、プラン
ジャの半径rpに比例するが、図1に掲げる本発明の筒
状可動鉄心型電磁石では、図示の円筒状可動鉄心30の
内側面と外側面の半径の和、rp1+rp2に比例するこ
とが明らかで、両者の動作間隙の磁束密度を同一である
とすれば、図1に掲げる本発明の筒状可動鉄心型電磁石
は、図9に掲げる従来の挿通型電磁石に比して2倍強の
吸引力を発生できることが明らかである。
【0026】なお、上述のように、円筒状可動鉄心30
に、軸に直交する磁極面35を配置して、コイル20に
通電することによって、固定鉄心10の軸に直交する磁
極面15と密着させ、該両鉄心間に吸着保持力を発生さ
せ、固定鉄心に対する可動鉄心の吸着保持力を確保する
ことができる。
【0027】本発明の他の実施例について、図2を参照
して説明する。
【0028】この実施例は、前記円柱状鉄心10の頂面
に非磁性体ロッド36を同軸に固定し、筒状の可動鉄心
30をこの非極性ロッド36に外嵌した点が異なるる他
は、図1に示す実施例の形態と同一である。図2の例は
所要ストロークの短い電磁石に対して好適な構成であ
る。
【0029】本発明の他の実施例について、図3を参照
して説明する。
【0030】コイル通電時の、固定鉄心10と可動鉄心
30の吸着保持の特性に対応して、図3、図4に掲げる
ように、種々の形状の固定鉄心10と可動鉄心30の組
合せを選択することができる。図3、図4では上半分は
可動鉄心30が退避位置にある状態を示し、下半分はコ
イルに通電した状態を示すものである。図3(a)は吸
着保持力を必要とせずに鉄心の残留磁気の影響を排除す
る場合に好適である。図3(b)は固定鉄心10のヨー
ク11を延出したもの、図3(c)は固定鉄心10の中
央鉄心13を延出したものである。このような構成は、
図3(a)の特徴を発揮すると共に電磁石の被駆動機構
との連結に好適な構成である。
【0031】図4(a)、図4(b)、図4(c)は、
可動鉄心30が軸直角磁極面33を有しそれぞれ強力な
吸着保持力の吸引力特性を発揮できる。この吸引力は
(a)、(b)、(c)の順に大きくなる。なお、図
3、図4に記載する各構成では、可動鉄心30が待避位
置に保持する手段としてのスプリングの記載を省略して
ある。
【0032】以上の説明では、固定鉄心の内外筒面及び
可動鉄心の内外周面は円筒面としているが所要の吸引力
特性曲線に対応して、所要ストロークの範囲内で交差し
ない円錐テーパ面、あるいは曲面を選択することができ
る。
【0033】
【発明の効果】図7に示すヨーク11とコイル20と可
動鉄心30とからなり、外形の寸法が16×20×28
mmのほぼ同寸法の挿通型電磁石(比較例)と本発明の
実施例の電磁石について、試作品によって吸引力特性を
比較した。図8はこれを示すグラフで印加電圧32V、
コイル抵抗150Ωの場合の特性を横軸にストローク長
mm、縦軸に吸引力(グラム)をとって示した。曲線7
0は実施例、曲線71は従来の挿通型電磁石の吸引力特
性を示すものである。ストローク長の両端近傍では同様
の吸引力を示すが、ストローク長の中央部近傍では挿通
型電磁石は吸引力の低下が見られる。本発明の電磁石で
はこの部分でも吸引力が大きい。従って、本発明の電磁
石は、省電力で高吸引力を発生でき、小形軽量であり、
構造が単純で量産に適する、などの優れた効果を発揮す
ることが明らかである。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の電磁石の(a)横断面図、(b)縦断
面図である。
【図2】実施例の電磁石の(a)横断面図、(b)縦断
面図である。
【図3】実施例の電磁石の変形例を示す縦断面図であ
る。
【図4】実施例の電磁石の変形例を示す縦断面図であ
る。
【図5】模式電気回路(磁気回路)図である。
【図6】Ro/RiとW(%)又はF(%)との関係を
示すグラフである。
【図7】試作電磁石の外形図、(a)側面図、(b)正
面図である。
【図8】実施例と比較例の吸引力特性を示すグラフであ
る。
【図9】従来の挿通型電磁石の縦断面図である。
【符号の説明】
1 電磁石 10 固定鉄心 11 ヨーク 12 内面 13 鉄心 14 外面 15 磁極面 20 コイル 30 可動鉄心 31 外周面 32 内周面 33 端面 34 非磁性ロッド 35 磁極面 36 非磁性ロッド 37 軸受 40 スプリング 50 ヨーク 51 コイル 52、53 磁極面 55 停止端面 60 可動鉄心 61 一方の端面 62 他方の端部近傍 63 間隙 70、71 曲線
【手続補正書】
【提出日】平成11年10月21日(1999.10.
21)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項1
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0002
【補正方法】変更
【補正内容】
【0002】
【従来の技術】本発明者は、微小電気入力で強力な吸引
力を発生すると共に小形軽量化を可能とする電磁石を開
示した(特開平10−50518号公報)。この技術は
図8に示すような挿通型電磁石と呼んでいるもので、筒
状ボビンに電線を巻装したコイルと、コイルの磁路を形
成しボビンの両端開口部外側に軸平行磁極面を形成した
ヨークと、ボビンの中空孔内に軸方向に移動自在に挿通
したプランジャとからなる電磁石において、ヨークの一
方の磁極面を軸延長方向に所要長さ延長すると共に、前
記コイルの無通電時の前記プランジャの軸直交端面の無
通電時の軸方向位置を前記ヨークの前記一方の磁極面の
内側端面と略一致させる手段を備えたことを特徴とする
電磁石である。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正内容】
【0006】図4に模式的電気回路を示した。内部抵抗
Ri、負荷抵抗Roと電源とを直列に結合し、起電力を
Eとし、電源内部抵抗Riを変数とし、Kを比例定数と
し、またRo/Ri=1の場合の出力W値を100%と
して、それぞれのRo/Riの数値に対応する出力W
(%)の数値を算出した。これを表1に取りまとめて記
載した。この値をグラフに示すと図5となる。W(%)
の数値は、Ro/Ri=1すなわち、Ro=Riの条件
が成立するインピーダンス整合状態において最大値を示
し、Ro/Ri<0.5の範囲で急激に減少することが
明らかである。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正内容】
【0009】図8に従来の挿通型電磁石の模式構造図を
掲げた。ヨーク50の内部にコイル51を内蔵しヨーク
の磁極面52,53は軸方向に平行に形成されており、
可動鉄心60はその一方の端面61がヨークの一方の磁
極面52より外れた位置にスプリング等により保持され
ており、可動鉄心60の他方の端部近傍62はヨークの
磁極面53に軸方向に軸方向平行に対極している。コイ
ル51に通電した時、可動鉄心60は一方の端面61が
ヨークの磁極面52に牽引され、スプリング等の付勢力
に抗して前進する。前進の最後には可動鉄心の一方の端
面61がヨークの停止端面55に吸着される。コイル通
電による起磁力をUとし、プランジャの動作間隙63の
磁気抵抗をRo、他方の対極面53の摺動部の磁気抵抗
をRi(ヨークとプランジャの鉄心部の磁気抵抗を含
む)とし、そしてこの動作間隙にコイル通電によって貯
えられる磁気エネルギーの変化率、すなわちプランジャ
に作用する吸引力をFとする。図4に示した電気回路の
起動力Eを起磁力Uにおきかえ、Ri,Roを磁気抵抗
とすれば図8に示した磁気回路と図4に示した電気回路
の相似関係から、下記の式が成立する。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正内容】
【0010】 F=Ro(U/Ro+Ri)2=KU2/Ri これを図5のグラフに記載するとRo/Ri=1すなわ
ち、Ro=Riの条件が成立する場合にインピーダンス
整合状態となり、プランジャに作用する吸引力Fの数値
が最大値を示す。そして、Ro/Ri<0.5の範囲で
急激に減少することが理解できる。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正内容】
【0011】すなわち、図8に掲げる従来の挿通型電磁
石は、起磁力Uを一定値とした場合、強力な吸引力を発
生して効果的に小形軽量化を図るためには、下記の2つ
の条件を満足しなければならない。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正内容】
【0014】図8に掲げる従来の挿通型電磁石は、この
2つの条件を十分に満足させる形状になっているか否か
検討を要する。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】変更
【補正内容】
【0016】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の本発明の技術手段は、コイルを巻回した鉄心及び該コ
イルの外周側に配設されたヨークから成りヨークの一端
は鉄心に結合されヨークの他端はヨークの内面と鉄心の
外面が対向する間隔を設けた固定鉄心と、該間隔内のヨ
ークの内面および鉄心の外面に微少間隙を介してそれぞ
れ対面する外周面および内周面を備え、該間隔内に進退
自在な可動鉄心と、コイル無通電時に前記可動鉄心の内
周面及び外周面がヨーク内面及び鉄心の外面に対面しな
退避位置に可動鉄心を保持する手段とを備えたことを
特徴とする電磁石である。本発明はコイルを巻回した固
定鉄心と、固定鉄心の一端に設けた間隙内の面に対面、
非対面位置に移動する可動鉄心とから構成されている。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0017
【補正方法】変更
【補正内容】
【0017】固定鉄心及び可動鉄心の軸直角断面は任意
の形状とすることができるが、好ましくは鉄心が円柱又
は内筒であり、ヨークが外筒であり、可動鉄心が円筒で
あると好適である。なお可動鉄心がヨークと鉄心間の間
隔に進入したとき可動鉄心と固定鉄心が互いに密着する
停止吸着面を備えると、吸着ストロークの後端において
吸引力が大となり停止位置が安定するので好適である。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】変更
【補正内容】
【0018】可動鉄心を退避位置に保持する手段として
は可動鉄心を弁座、スイッチ接点その他、定位置に停止
する部材に組み込んで使用する場合はその安定停止位置
を保つ手段意味する。また、弾性力、重力、流体の浮
力、磁気力等による付勢力に対抗して、可動鉄心と固定
鉄心との間に作用させるスプリング抗力による場合、あ
るいは永久磁石吸引力によって可動鉄心を平衡位置に安
定させる場合は、可動鉄心の平衡保持位置に保つ手段を
意味する。
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0023
【補正方法】変更
【補正内容】
【0023】このような構成を採用することによって、
図8に掲げる従来の挿通型電磁石のプランジャの摺動部
の間隙を零にして、間隙の磁気抵抗を零にし(但しヨー
クとプランジャの鉄心部の微小な磁気抵抗は残る)、ヨ
ークとプランジャの鉄心部の磁気抵抗Roに比して微小
なRi値を設定することが可能である。従って、Ro/
Riの数値を0.5乃至2.0の範囲で1.0の近傍の
数値に設定することが容易にできる。従って、本発明の
電磁石は従来の挿通型電磁石に比して、常に強力な吸引
力を発生するので、効果的に小形軽量化を図るための前
記の二つの条件を満足させることができ、吸引力特性を
改善することができる。
【手続補正12】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0025
【補正方法】変更
【補正内容】
【0025】図8に掲げる従来の挿通型電磁石の動作間
隙におけるプランジャの変移に伴うパアミアンスの変化
率、すなわちプランジャに作用する吸引力Fは、プラン
ジャの半径rpに比例するが、図1に掲げる本発明の筒
状可動鉄心型電磁石では、図示の円筒状可動鉄心30の
内側面と外側面の半径の和、rp1+rp2に比例するこ
とが明らかで、両者の動作間隙の磁束密度を同一である
とすれば、図1に掲げる本発明の筒状可動鉄心型電磁石
は、図8に掲げる従来の挿通型電磁石に比して2倍強の
吸引力を発生できることが明らかである。
【手続補正13】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0030
【補正方法】変更
【補正内容】
【0030】コイル通電時の、固定鉄心10と可動鉄心
30の吸着保持の特性に対応して、図3に掲げるよう
に、種々の形状の固定鉄心10と可動鉄心30の組合せ
を選択することができる。図3では上半分は可動鉄心3
0が退避位置にある状態を示し、下半分はコイルに通電
した状態を示すものである。
【手続補正14】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0031
【補正方法】変更
【補正内容】
【0031】図3(a)、図3(b)、図3(c)は、
可動鉄心30が軸直角磁極面33を有しそれぞれ強力な
吸着保持力の吸引力特性を発揮できる。この吸引力は
(a)、(b)、(c)の順に大きくなる。なお、図3
記載する各構成では、可動鉄心30が待避位置に保持
する手段としてのスプリングの記載を省略してある。
【手続補正15】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0033
【補正方法】変更
【補正内容】
【0033】
【発明の効果】図6に示すヨーク11とコイル20と可
動鉄心30とからなり、外形の寸法が16×20×28
mmのほぼ同寸法の挿通型電磁石(比較例)と本発明の
実施例の電磁石について、試作品によって吸引力特性を
比較した。図7はこれを示すグラフで印加電圧32V、
コイル抵抗150Ωの場合の特性を横軸にストローク長
mm、縦軸に吸引力(グラム)をとって示した。曲線7
0は実施例、曲線71は従来の挿通型電磁石の吸引力特
性を示すものである。ストローク長の両端近傍では同様
の吸引力を示すが、ストローク長の中央部近傍では挿通
型電磁石は吸引力の低下が見られる。本発明の電磁石で
はこの部分でも吸引力が大きい。従って、本発明の電磁
石は、省電力で高吸引力を発生でき、小形軽量であり、
構造が単純で量産に適する、などの優れた効果を発揮す
ることが明らかである。
【手続補正16】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図4
【補正方法】変更
【補正内容】
【図4】模式電気回路(磁気回路)図である。
【手続補正17】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図5
【補正方法】変更
【補正内容】
【図5】Ro/RiとW(%)又はF(%)との関係を
示すグラフである。
【手続補正18】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図6
【補正方法】変更
【補正内容】
【図6】試作電磁石の外形図、(a)側面図、(b)正
面図である。
【手続補正19】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図7
【補正方法】変更
【補正内容】
【図7】実施例と比較例の吸引力特性を示すグラフであ
る。
【手続補正20】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図8
【補正方法】変更
【補正内容】
【図8】従来の挿通型電磁石の縦断面図である。
【手続補正21】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図9
【補正方法】削除
【手続補正22】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図3
【補正方法】変更
【補正内容】
【図3】
【手続補正23】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図4
【補正方法】変更
【補正内容】
【図4】
【手続補正24】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図5
【補正方法】変更
【補正内容】
【図5】
【手続補正25】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図6
【補正方法】変更
【補正内容】
【図6】
【手続補正26】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図7
【補正方法】変更
【補正内容】
【図7】
【手続補正27】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図8
【補正方法】変更
【補正内容】
【図8】
【手続補正28】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図9
【補正方法】削除
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 上津原 常男 浦和市白幡3丁目1番9号2−601 Fターム(参考) 5E048 AA08 AD07

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鉄心に連結して平行に沿うヨークから成
    る固定鉄心と、前記鉄心に巻回したコイルと、前記鉄心
    とヨーク間に進入退避する可動鉄心と、コイル無通電時
    に前記可動鉄心を退避位置に保持する手段とから成るこ
    とを特徴とする電磁石。
  2. 【請求項2】 前記鉄心が円柱又は円筒であり、ヨーク
    が外筒であり、前記可動鉄心が円筒であることを特徴と
    する請求項1記載の電磁石。
  3. 【請求項3】 前記可動鉄心と固定鉄心が互いに密着す
    る停止吸着面を備えたことを特徴とする請求項1又は2
    記載の電磁石。
JP10362121A 1998-12-21 1998-12-21 電磁石 Expired - Fee Related JP3033897B1 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10362121A JP3033897B1 (ja) 1998-12-21 1998-12-21 電磁石

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10362121A JP3033897B1 (ja) 1998-12-21 1998-12-21 電磁石

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP3033897B1 JP3033897B1 (ja) 2000-04-17
JP2000182826A true JP2000182826A (ja) 2000-06-30

Family

ID=18475974

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10362121A Expired - Fee Related JP3033897B1 (ja) 1998-12-21 1998-12-21 電磁石

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3033897B1 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014519714A (ja) * 2011-06-14 2014-08-14 センテック・リミテッド ソレノイド・アクチュエータ

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014519714A (ja) * 2011-06-14 2014-08-14 センテック・リミテッド ソレノイド・アクチュエータ

Also Published As

Publication number Publication date
JP3033897B1 (ja) 2000-04-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US3460081A (en) Electromagnetic actuator with permanent magnets
KR100442676B1 (ko) 자석가동형 전자액츄에이터
US6639496B1 (en) Bistable long-stroke electro-magnetic mechanical actuator
CA2020787A1 (en) Proportional electropneumatic solenoid-controlled valve
JP2007089382A (ja) シリンダ形リニアアクチュエータ
US6870285B2 (en) Long stroke linear voice coil actuator with the proportional solenoid type characteristic
KR930024033A (ko) 쌍안정성 자기작동기
JP3033897B1 (ja) 電磁石
JP3182510B2 (ja) 挿通型電磁石
JPH0677046A (ja) 反発型電磁石
JP2999721B2 (ja) 電磁石
JPH073609Y2 (ja) 電磁装置
JP2004172516A (ja) 有極電磁石装置
JPS5923370Y2 (ja) 直流ソレノイド
CN214505174U (zh) 一种快速响应大行程电磁铁
JPH01168011A (ja) 有極電磁石
JPS5923371Y2 (ja) 直流ソレノイド
JPH0246707A (ja) 電磁石
JPS5923369Y2 (ja) 直流ソレノイド
JPH0356016Y2 (ja)
JPH04170009A (ja) 電磁石
RU2234789C2 (ru) Реверсивный электромагнитный привод с импульсным управлением
JPS5932086Y2 (ja) 有極電磁ソレノイド
JP2000286122A (ja) 省電力電磁石装置
JP4817091B2 (ja) 電磁アクチュエータ

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20000201

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees