JP2000182552A - 荷電粒子光学系のシミュレーション方法 - Google Patents

荷電粒子光学系のシミュレーション方法

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JP2000182552A
JP2000182552A JP10360469A JP36046998A JP2000182552A JP 2000182552 A JP2000182552 A JP 2000182552A JP 10360469 A JP10360469 A JP 10360469A JP 36046998 A JP36046998 A JP 36046998A JP 2000182552 A JP2000182552 A JP 2000182552A
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Atsushi Yamada
篤志 山田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 偏向場が存在する場合にも、短い計算時間で
光軸から離れた荷電粒子軌道を正確にシミュレーション
する方法を提供する。 【解決手段】 まず、計算条件の読み込みを行う(S1
1)。次に軸上レンズ場をC級の関数にフィッティン
グする(S12)。そして、軸上レンズ場を解析的に、
必要に応じた階数(n)まで微分する(S13)。次に
焦点位置を像面に合わせるように、前提条件として与え
たレンズの励磁電流を調節する(S15)。そして、ス
テップS19において、直接軌道の計算を行う。すなわ
ち、軸上レンズ場とそのn階微分までを考慮し、軸上の
任意の位置でのレンズ場を求める。光軸外のレンズ場
は、軸上レンズ場の関数の微分形式で記述する。それと
共に、ビオサバール則により直接偏向場を計算させる。
そして、求められたレンズ場と偏向場を用いて、直接軌
道方程式を解く。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は荷電粒子光学系の設
計の際に用いられる荷電粒子線光学系のシミュレーショ
ン方法に関するものであり、さらに詳しくは、偏向器を
有する荷電粒子線光学系のシミュレーション方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】荷電粒子光学は幾何光学との対応づけか
ら発展してきた。すなわち、荷電粒子の軌道を理想軌道
からのズレ(収差)として記述するものである。具体的
な手法としては、荷電粒子の運動方程式を書き下し、定
常状態である、という仮定から、時間微分を光軸方向
(z)に対する全微分に置き換え(d/dt = (dz/dt) d/dz
=Vz d/dz )、いわゆる軌道方程式を得る。そして、
この軌道方程式をr(光軸からの距離)が十分小さいと
して、展開した方程式について考えるのが一般的であっ
た。
【0003】この方程式を解くに当たって、展開の1次
までを考慮したものが、いわゆる近軸軌道方程式で、収
差のない理想的な光学系の解であり、二階の線形常微分
方程式となる。外場に円筒対称性がある場合(レンズ場
のみで偏向場のない場合)、この微分方程式は斉次方程
式となり、2つの独立な解をもつ。そして、この微分方
程式の任意の解は、この2つの独立な解の線形結合で書
くことができる。
【0004】偏向場のある場合の解は、偏向場を含んだ
非斉次方程式の特解に、斉次方程式の解を足し合わせる
ことで得られる。文献 Numerical Analysis of electro
n beam lithography systems. H. C. Chu and E. Munr
o, Optik 61, 121 (1982)では、これらの独立解をそれ
ぞれwa軌道、wb軌道と呼び、偏向場を含んだ非斉次方
程式の特解をwm軌道と呼んでいる。wa軌道は物面にお
いて、光軸上を傾き1で出射する軌道、wb軌道は物面
上の光軸から1離れた点から傾き0で出射される軌道、
mは物面上の指定した点から、像面上の指定した点M
に到達する軌道であるが、光学系にアパーチャのある場
合には、wb軌道とwm軌道は、アパーチャを通るように
再定義される。
【0005】3次までの展開式では、この微分方程式は
非斉次方程式となり、前述の微分方程式の解wa、wb
mを用い、ある種の近似下で、(収差積分と呼ばれる
定積分を含むが)解析的に解くことができる。像面にお
いて一つのサブフィールドを考え、光軸からこのサブフ
ィールド中心に向かうベクトルをM、サブフィールド中
心からサブフィールド内の点へのベクトルをBとすると
き、この方法では、像面において、理想的には、傾きα
で位置B+M(α,B,Mは、いずれも2次元ベクトルで
あり、複素数で表すことが多い)に到達すべき軌道が、
理想位置からどれだけずれるかを、αとB及びMに関す
る3次式に収差係数と呼ばれる前述の定積分をかけた形
式で表すことができる。このズレがいわゆる3次収差で
ある。同様に前述の常微分方程式に5次までの展開式を
取り込んだ場合の理想軌道からのずれを5次までの収
差、7次までの展開式を取り込んだ場合の理想軌道から
のずれを7次までの収差と呼ぶ。
【0006】以上のような収差計算の手順の例を図8に
示す。まず、ステップS31において、計算条件の読み
込みを行う。すなわち、像面位置、物面位置、アパーチ
ャ位置、ビームエネルギー、レンズデータ、開き角、近
軸軌道の像面位置、エネルギーの広がり、偏向器データ
(位置等)、偏向位置、偏向場の展開係数等の条件を入
力する。
【0007】次にステップS32において、軸上レンズ
場を離散的に計算し、計算されなかった点のレンズ場を
m次スプライン関数で補間する。そして、ステップS3
3において、スプライン関数で補間した軸上レンズ場の
m階の微分を求める。
【0008】次にステップS34において、焦点位置を
像面に合わせるように、前提条件として与えたレンズの
励磁電流を調節する。
【0009】その後、ステップS35において軸上レン
ズ場とその一階微分を用いて近軸軌道の計算を行う。次
に、ステップS36において偏向軌道の計算を行う。そ
して、ステップS37において、m次収差係数の計算を
行い、ステップS38においてその結果を出力する。
【0010】一方、軌道方程式を直接解く方法も知られ
ている。これは、有限要素法等を利用して直接軌道方程
式を解く方法である。この例を図9に示す。図9に示す
手順では、まず、ステップS41において、計算条件の
読み込みを行う。すなわち、像面位置、物面位置、アパ
ーチャ位置、ビームエネルギー、レンズ場及び偏向場、
開き角、近軸軌道の像面位置、エネルギーの広がり等の
条件を入力する。このとき、レンズ場と偏向場について
は、各メッシュポイントごとのデータを入力する。メッ
シュ点以外のレンズ場については、ステップS42で補
間により求める。
【0011】次に、ステップS43において軌道の初期
条件を導出し、これに基づいて、ステップS44におい
て直接軌道方程式を解いて厳密軌道を求め、ステップS
45で出力を行う。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記収
差計算を行う方法においては、大面積一括露光等を考え
る場合において、5次以上の収差が必要となるであろう
と考えられるが、実際に、収差係数として、計算機で計
算し、理論的に収差の意味づけができるのは、7次程度
までであろうと推定される(実際市販の収差係数計算ソ
フトは5次までのものしかない)。また、ある次数の収
差を求めた場合に、それが満足すべき精度を有するもの
なのか、それとも更に高次までの収差を考慮しなければ
ならないかどうかの判断がつかないという問題点があ
る。
【0013】また、図8に示される手順を見ても分かる
ように、軸上レンズ場をm次スプライン関数で補間し、
これについて以後の計算に必要な軸上レンズ場の微分を
求めているので、微分がm階に近くなるに従って精度が
悪くなってくるという問題を有している。
【0014】また、従来の直接軌道方程式を解く方法に
は、このような問題点はないが、軸外の場(レンズ場、
偏向場)をかなりの高精度で求める必要がある。すなわ
ち、多大なメッシュポイントでの正確なレンズ場計算が
要求されるため、計算時間等の点で極めて不利であると
いう別の問題点を有する。
【0015】本発明者は、このような問題点を解決し、
短い計算時間で光軸から離れた荷電粒子軌道を正確にシ
ミュレーションする方法を発明し、平成10年特許願第
193585号として特許出願した(先願発明)。しか
し、先願発明は、偏向場を0と仮定していたので、偏向
場が存在する場合には適用することができなかった。
【0016】本発明は、この先願発明の改良に関するも
ので、偏向場が存在する場合にも、短い計算時間で光軸
から離れた荷電粒子軌道を正確にシミュレーションする
方法を提供することを課題とする。
【0017】
【問題を解決するための手段】前記課題を解決するため
の第1の手段は、軸上レンズ場をC級又はCn級の関
数にフィットさせた形式で記述すると共に、光軸外のレ
ンズ場を上記軸上レンズ場の関数の微分形式で記述して
荷電粒子の軌道方程式を解く工程を含む荷電粒子光学系
のシミュレーション方法において、複数のコイルからな
る偏向器の作る偏向場を、偏向器以外の物体の影響を無
視して、直接ビオサバール則を解くことにより求める工
程を含むことを特徴とする荷電粒子光学系のシミュレー
ション方法(請求項1)である。
【0018】先願発明においては、軸上レンズ場をC
級又はCn級の関数にフィットさせた形式で記述すると
共に、光軸外のレンズ場を上記軸上レンズ場の関数の微
分形式で記述して荷電粒子の軌道方程式を解く工程を含
むことを特徴としていたが、本手段においては、これに
加え、複数のコイルからなる偏向器の作る偏向場を、偏
向器以外の物体の影響を無視して、直接ビオサバール則
を解くことにより求める。
【0019】この方法は、偏向器以外の物体の影響を無
視しているので、厳密性には欠けるが、有限要素法によ
る方法に比べ、偏向場を高速に得ることができる。
【0020】このようなシミュレーションを行う装置
は、荷電粒子光学系の軸上レンズ場を離散的に計算する
手段と、離散的に計算された軸上レンズ場をC級又は
n級の関数にフィットさせる手段と、光軸外のレンズ
場を上記軸上レンズ場の関数の微分形式で表わす手段
と、偏向場を、偏向器以外の物体の影響を無視して、直
接ビオサバール則を解くことによって求める手段と、C
級又はCn級の関数にフィットされた軸上レンズ場、
軸上レンズ場の関数の微分形式で表わされた光軸外のレ
ンズ場、計算された偏向場、及び与えられた他の条件を
入力として荷電粒子の軌道方程式を解く手段を有するこ
とにより構成できる。荷電粒子光学系の軸上レンズ場を
離散的に計算する手段と荷電粒子の軌道方程式を解く手
段は、従来より周知の手段を使用できる。
【0021】前記課題を解決するための第2の手段は、
前記第1の手段であって、シミュレーションに使用する
偏向器のサイズは、実際に光学系に使用するサイズを用
いることを特徴とするもの(請求項2)である。
【0022】本手段においては、偏向場を作る偏向器の
サイズは、実際に光学系に使用するサイズを直接用い
る。こうすることにより、光学系の中で、偏向器が孤立
していると考えられるほど周囲の磁性体の影響を受けて
いない場合には、偏向場を十分精度良く、最も簡単に計
算することができる。
【0023】前記課題を解決するための第3の手段は、
前記第1の手段であって、シミュレーションに使用する
偏向器のサイズは、有限要素法により、周囲の磁性体の
影響を考慮して計算した場合との、偏向場の展開係数
(d1(z))の差が所定範囲内となるように決定することを
特徴とするもの(請求項3)である。
【0024】偏向場の展開係数(d1(z), d3(z), d5(z),
… )とは、光学系内の任意の位置での偏向場を、その
位置が光軸から近いと仮定し、光軸に垂直な位置に関し
て展開した場合の係数であり、偏向器に特有の数値であ
る。
【0025】たとえば、文献 H. C. Chu. and E. Munro
Optik 61,121 (1982) によると、光軸をz軸とする直
交3次元系において、x−y平面位置をw=x+iyと
した複素数系で示し、偏向場(Bx,By,Bz)におい
て、Bw=Bx+iByと表した場合、複数の偏向器があ
る場合の偏向場は、その展開係数を使用して
【0026】
【数1】
【0027】と記載することができる。ただし、Iは電
流値でx軸方向偏向器に流す電流をI x、y軸方向偏向
器に流す電流をIyとするとき、I=Ix+iIyで示さ
れる値である。
【0028】ここで、d1(z), d3(z), d5(z)は、
【0029】
【数2】
【0030】で示される。ここに、dkj(z)は、j番目
の偏向器の展開係数dk(z)であり、Mは偏向器の数、X
jはj番目の偏向器と光学系のなす角である。
【0031】展開係数(d1(z), d3(z), d5(z), … )
は、有限要素法により、離散的に求めることができる。
なお、以上の説明において、iは複素数を示す記号であ
り、バーは共役な複素数を示す記号、ダッシュはzによ
る微分である。また、各変数間の・記号は、単なる積を
示す記号であり、ベクトル演算を示すものではない。
【0032】本手段においては、有限要素法により、周
囲の磁性体の影響を考慮して、偏向場の展開係数(d1
(z))を求める。この計算には有限要素法を使用してい
るが、偏向場の展開係数(d1(z))を求めるだけなの
で、それほど計算時間を必要としない。そして、ビオサ
バール則を利用して偏向場を計算するのに使用する偏向
器のサイズは、その展開係数(d1(z))が、有限要素法
を使用して求めたものと所定範囲内で一致するようなサ
イズとする。所定範囲は、シミュレーションに許される
誤差を勘案して、適当に決定される。
【0033】なお、ビオザバール則を利用して偏向場の
展開係数を求める手法としては、Eric Munro and H. C.
Chu, Optik 60,371 (1982)に記載されているような公
知の方法が使用できる。
【0034】この方法は、偏向器が光学系の中で孤立し
ていると考えられない場合(周囲の磁性体から偏向場が
影響を受ける)に偏向器形状に若干の変更を加え、この
磁性体の影響を等価的に考慮するためである。こうする
ことにより、磁性体の影響を取り込んだ場合の偏向場の
計算も、高速かつ高精度で行うことができる。
【0035】このようなシミュレーションを行う装置
は、前記第1の手段で述べた装置に、有限要素法により
偏向場の展開係数(d1(z))を求める手段と、この展開係
数に対して所定範囲内の偏向場の展開係数を有する偏向
器サイズを決定する、偏向器決定手段とを付加すること
により実現される。
【0036】前記課題を解決するための第4の手段は、
前記第1の手段から第3の手段のうちいずれかの方法で
計算したレンズ場及び偏向場を用い、直接軌道方程式を
解き電子の軌道を求める工程を含むことを特徴とする荷
電粒子光学系のシミュレーション方法(請求項4)であ
る。
【0037】前記第1の手段から第3の手段のいずれに
おいても、軸上レンズ場はC級の関数又はCn級の関
数にフィットされており、偏向場もビオサバール則を直
接とくことによって求められているので、荷電粒子の軌
道方程式を直接的に解いても、すなわち展開等により近
似すること無く解いても、計算時間が短くて済む。そし
て、荷電粒子の軌道方程式を直接的に解くことにより、
荷電粒子軌道を正確に求めることができる。
【0038】従来のように、レンズ場を展開形式で用
い、理想軌道からのずれ(いわゆる収差)を求めた場合
には、展開の次数が増えるにしたがって現れる収差の数
が莫大になり、各収差自体の意味付けも非情に複雑にな
る。それに従い、数値計算プログラム作成上のミス(バ
グ)も出現する頻度が高くなる。上記のように直接運動
方程式を解く方法では、収差係数としての具体的な値を
得ることはできないが、ある条件で物面を出た軌道が、
像面ではどのような位置、角度で入射するかを厳密に得
ることができる。
【0039】このようなシミュレーションを行う装置
は、前記第1の手段、第3の手段において説明したシミ
ュレーションを行う装置の、荷電粒子の軌道方程式を解
く手段を、荷電粒子の軌道方程式を直接的に解くものと
することにより実現できる。
【0040】前記課題を解決するための第5の手段は、
軸上レンズ場をC級又はCn級の関数にフィットさせ
た形式で記述すると共に、光軸外のレンズ場を上記軸上
レンズ場の関数の微分形式で記述して荷電粒子の軌道方
程式を解く工程を含む荷電粒子光学系のシミュレーショ
ン方法において、偏向場の展開係数(d1(z), d3(z),d5
(z), … )をC級の関数にフィットさせて計算を行う
工程を含むことを特徴とする荷電粒子光学系のシミュレ
ーション方法(請求項5)である。
【0041】収差理論による従来の計算方法(例えばME
BS社製ABERPやABERP5)では、偏向場は、展開係数を計
算し、その方法で得られた離散的な展開係数の値をスプ
ライン内挿で補間していたが、3次スプライン(Cubic
spline)ではC3級、5次スプラインではC5級であり、
高階微分不可能である。
【0042】これに対して、本手段においては、偏向場
の展開係数(d1(z), d3(z), d5(z),… )をC級の関
数にフィットさせて計算を行っているので、偏向場を計
算する際に用いるその偏向場の展開係数の微分値を、高
速に、精度良く得ることができる。よって、偏向場を、
高速に、精度良く計算することができる。
【0043】このようなシミュレーションを行う装置
は、荷電粒子光学系の軸上レンズ場を離散的に計算する
手段と、離散的に計算された軸上レンズ場をC級又は
n級の関数にフィットさせる手段と、光軸外のレンズ
場を上記軸上レンズ場の関数の微分形式で表わす手段
と、偏向場の展開係数(d1(z), d3(z), d5(z), … )を
離散的に計算する手段と、離散的に計算された偏向場の
展開係数をC級の関数にフィットさせる手段と、C
級又はCn級の関数にフィットされた軸上レンズ場、軸
上レンズ場の関数の微分形式で表わされた光軸外のレン
ズ場、C級の関数にフィットされた偏向場の展開係
数、及び与えられた他の条件を入力として荷電粒子の軌
道方程式を解く手段を有することにより構成できる。荷
電粒子光学系の軸上レンズ場と偏向場の展開係数を離散
的に計算する手段と、荷電粒子の軌道方程式を解く手段
は、従来より周知の手段を使用できる。
【0044】前記課題を解決するための第6の手段は、
前記第5の手段であって、偏向場を前記C級の展開係
数による微分形式で記述して計算を行う工程を含むこと
を特徴とするもの(請求項6)である。
【0045】本手段においては、偏向場を前記C級の
展開係数による微分形式で記述して計算を行うので、さ
らに高速に高次の偏向場を求めることができる。
【0046】このようなシミュレーションを行う装置
は、前記第5の手段で述べた装置に、偏向場を、前記C
級の展開係数による微分形式で記述して計算を行う手
段を付加すればすることによって実現される。
【0047】前記課題を解決するための第7の手段は、
前記第5の手段又は第6の手段であって、前記C級の
関数がフーリエ級数であることを特徴とするもの(請求
項7)である。
【0048】フーリエ級数は簡単に得ることのできるC
級の関数で、偏向場が、どのような形状の場合にも対
応できる。また、数値計算プログラム作成上容易であ
り、計算時間も比較的短くて済む。
【0049】このようなシミュレーションを行う装置
は、前記第5の手段、第6の手段で述べた装置の、離散
的に計算された偏向場の展開係数をC級の関数にフィ
ットさせる手段を、離散的に計算された偏向場の展開係
数をフーリエ級数にフィットさせる手段とすることによ
り実現できる。
【0050】前記課題を解決するための第8の手段は、
前記第5の手段又は第6の手段であって、前記C級の
関数がガウシアン関数であることを特徴とするもの(請
求項8)である。
【0051】本手段によれば、ガウシアン関数の半値幅
を調節することにより、シミュレーション値を実際の偏
向場に近い値とすることができる。
【0052】このようなシミュレーションを行う装置
は、前記第5の手段、第6の手段で述べた装置の、離散
的に計算された偏向場の展開係数をC級の関数にフィ
ットさせる手段を、離散的に計算された偏向場の展開係
数をガウシアン関数にフィットさせる手段とすることに
より実現できる。
【0053】前記課題を解決するための第9の手段は、
軸上レンズ場をC級又はCn級の関数にフィットさせ
た形式で記述すると共に、光軸外のレンズ場を上記軸上
レンズ場の関数の微分形式で記述して荷電粒子の軌道方
程式を解く工程を含む荷電粒子光学系のシミュレーショ
ン方法において、偏向場の展開係数(d1(z), d3(z),d5
(z), … )をCl級の関数にフィットさせて計算を行う
工程を含むことを特徴とする荷電粒子光学系のシミュレ
ーション方法(請求項9)である。
【0054】本手段は、前記第5の手段におけるC
の関数の代わりにCl級の関数を使用するものである。
実用的には、要求される微分の階数は無限大ではありえ
ないので、lを適当に定め、偏向場の展開係数(d1(z),
d3(z), d5(z), … )をCl級の関数にフィットさせた
形式で記述し、シミュレーションを行うことにより、前
記第5の手段と余り変わらない精度を得ることができ、
前記第5の手段に比して計算時間を短縮することができ
る。実用上は、lは11〜19程度である。
【0055】このようなシミュレーションを行う装置
は、荷電粒子光学系の軸上レンズ場を離散的に計算する
手段と、離散的に計算された軸上レンズ場をC級又は
n級の関数にフィットさせる手段と、光軸外のレンズ
場を上記軸上レンズ場の関数の微分形式で表わす手段
と、偏向場の展開係数(d1(z), d3(z), d5(z), … )を
離散的に計算する手段と、離散的に計算された偏向場の
展開係数をCl級の関数にフィットさせる手段と、C
級又はCn級の関数にフィットされた軸上レンズ場、軸
上レンズ場の関数の微分形式で表わされた光軸外のレン
ズ場、Cl級の関数にフィットされた偏向場の展開係
数、及び与えられた他の条件を入力として荷電粒子の軌
道方程式を解く手段を有することにより構成できる。荷
電粒子光学系の軸上レンズ場と偏向場の展開係数を離散
的に計算する手段と、荷電粒子の軌道方程式を解く手段
は、従来より周知の手段を使用できる。
【0056】前記課題を解決するための第10の手段
は、前記第9の手段であって、偏向場を前記Cl級の展
開係数による微分形式で記述して計算を行う工程を含む
ことを特徴とするもの(請求項10)である。
【0057】本手段においては、偏向場を前記Cl級の
展開係数による微分形式で記述して計算を行うので、さ
らに高速に高次の偏向場を求めることができる。
【0058】このようなシミュレーションを行う装置
は、前記第9の手段述べた装置に、偏向場を、前記Cl
級の展開係数による微分形式で記述して計算を行う手段
を付加することによって実現できる。
【0059】前記課題を解決するための第11の手段
は、前記第9の手段又は第10の手段であって、前記C
l級の関数がべき級数であることを特徴とするもの(請
求項11)である。
【0060】べき級数は、最も簡単なCl級の関数であ
り、かつ容易に微分できるので、Cl級の関数として採
用することが好ましい。
【0061】このようなシミュレーションを行う装置
は、前記第9の手段、第10の手段で述べた装置の、離
散的に計算された偏向場の展開係数をCl級の関数にフ
ィットさせる手段を、離散的に計算された偏向場の展開
係数をべき級数にフィットさせる手段とすることにより
実現できる。
【0062】前記課題を解決するための第12の手段
は、前記第11の手段であって、前記べき級数が、もと
の離散的なデータを最小自乗法でフィッティングして得
たものであることを特徴とするもの(請求項12)であ
る。
【0063】最小自乗法でべき級数にフィッティングさ
せることにより、容易にべき級数を得ることができる。
【0064】このようなシミュレーションを行う装置
は、前記第11の手段で述べた装置の、離散的に計算さ
れた偏向場の展開係数をべき級数にフィットさせる手段
を、最小自乗法でべき級数にフィッティングする手段と
することにより実現できる。
【0065】前記課題を解決するための第13の手段
は、前記第5の手段から第12の手段のうちいずれかで
あって、計算されたレンズ場及び偏向場を用い、直接軌
道方程式を解くことにより電子の軌道を求める工程を含
むことを特徴とするもの(請求項13)である。
【0066】前記第5の手段から第12の手段のいずれ
においても、軸上レンズ場はC級の関数又はCn級の
関数にフィットされており、偏向場の展開係数(d1(z),
d3(z), d5(z), … )がC級又はCl級の関数にフィ
ットされているので、荷電粒子の軌道方程式を直接的に
解いても計算時間が短くて済む。そして、荷電粒子の軌
道方程式を直接的に解くことにより、荷電粒子軌道を正
確に求めることができる。
【0067】従来のように、レンズ場を展開形式で用
い、理想軌道からのずれ(いわゆる収差)を求めた場合
には、展開の次数が増えるにしたがって現れる収差の数
が莫大になり、各収差自体の意味付けも非情に複雑にな
る。それに従い、数値計算プログラム作成上のミス(バ
グ)も出現する頻度が高くなる。上記のように直接運動
方程式を解く方法では、収差係数としての具体的な値を
得ることはできないが、ある条件で物面を出た軌道が、
像面ではどのような位置、角度で入射するかを厳密に得
ることができる。
【0068】このようなシミュレーションを行う装置
は、前記第5の手段から第12の手段手段の説明におい
て述べたしたシミュレーションを行う装置の、荷電粒子
の軌道方程式を解く手段を、荷電粒子の軌道方程式を直
接的に解くものとすることにより実現できる。
【0069】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図を用いて詳細に説明する。図1は、本発明の実施の
形態の1例であるシミュレーションの手順を示すフロー
チャートである。まず、ステップS11において、計算
条件の読み込みを行う。すなわち、像面位置、物面位
置、アパーチャ位置、ビームエネルギー、レンズデー
タ、開き角、近軸軌道の像面位置、エネルギーの広が
り、偏向器データ(位置等)、偏向位置、偏向器形状等
の条件を入力する。この手順は、従来技術で説明した図
8におけるステップS31と、ほぼ同じである。
【0070】次にステップS12において、軸上レンズ
場をC級の関数にフィッティングする。従来技術で説
明した図8ステップS32においては、軸上レンズ場を
離散的に計算し、計算されなかった点のレンズ場をm次
スプライン関数で補間していたが、本実施の形態におい
てはこの点が従来技術と異なっている。そして、ステッ
プS13において、軸上レンズ場を解析的に、必要に応
じた階数(n)まで微分する。この際、軸上レンズ場が
級の関数にフィッティングされているので、従来技
術と異なり、微分の階数が高くなっても、正確な値が得
られる。
【0071】次にステップS14において、焦点位置を
像面に合わせるように、前提条件として与えたレンズの
励磁電流を調節する。その後、ステップ15において軸
上レンズ場とその一階微分を用いて近軸軌道の計算を行
う。これらのステップは、それぞれ図8におけるステッ
プS34、S35と同じである。次にステップS16に
おいて、従来法により偏向場の展開係数を求め、これに
基づいて偏向軌道の計算を行う。
【0072】次に、ステップS17において軌道の初期
条件を導出し、これに基づいて、ステップS18におい
てm次収差軌道を計算する。その際、軸上レンズ場とそ
のm階微分までを考慮して計算を行う。そして、ステッ
プS19において、直接軌道の計算を行う。すなわち、
軸上レンズ場とそのn階微分までを考慮し、軸上の任意
の位置でのレンズ場を求める。光軸外のレンズ場は、軸
上レンズ場の関数の微分形式で記述する。それと共に、
ビオサバール則により直接偏向場を計算させる。そし
て、求められたレンズ場と偏向場を用いて、直接軌道方
程式を解く。軌道方程式を解く工程は、図9のステップ
S44で示した従来技術における工程と基本的には同じ
である。軌道方程式は、ルンゲクッタ法等を利用するこ
とにより解くことができる。次に、ステップS20にお
いてその結果を出力する。
【0073】なお、ステップS15、S16、S18の
処理は、従来法と本発明法の比較のために行った処理で
あり、従来法との比較を行わない場合は省略することが
できる。ただし、この場合でも、ビオサバール則を用い
て直接偏向場を計算させる場合に、偏向コイルの大きさ
を補正して用いる場合は、ステップS16において偏向
場の展開係数(d1(z))のみを求め、これと偏向場の展
開係数(d1(z))が所定誤差内で一致するサイズの偏向
コイルを決定する作業を行う必要がある。
【0074】図2は、本発明の実施の形態の他の例であ
るシミュレーションの手順を示すフローチャートであ
る。まず、ステップS21において、計算条件の読み込
みを行う。すなわち、像面位置、物面位置、アパーチャ
位置、ビームエネルギー、レンズデータ、開き角、近軸
軌道の像面位置、エネルギーの広がり、偏向器データ
(位置等)、偏向位置、偏向場の展開係数の離散的な値
の条件を入力する。
【0075】次にステップS22において、軸上レンズ
場をC級の関数にフィッティングする。従来技術で説
明した図8ステップS22においては、軸上レンズ場を
離散的に計算し、計算されなかった点のレンズ場をm次
スプライン関数で補間していたが、本実施の形態におい
てはこの点が従来技術と異なっている。また、これと同
時に、偏向場の展開係数を離散的に計算し、C級の関
数にフィッティングする。
【0076】そして、ステップS23において、軸上レ
ンズ場と偏向場の展開係数を解析的に、必要に応じた階
数(n)まで微分する。この際、軸上レンズ場、偏向場
の展開係数がC級の関数にフィッティングされている
ので、従来技術と異なり、微分の階数が高くなっても、
正確な値が得られる。
【0077】次にステップS24において、焦点位置を
像面に合わせるように、前提条件として与えたレンズの
励磁電流を調節する。その後、ステップ25において軸
上レンズ場とその一階微分を用いて近軸軌道の計算を行
う。これらのステップは、それぞれ図8におけるステッ
プS24、S25と同じである。次にステップS26に
おいて、従来法により偏向場の展開係数を求め、これに
基づいて偏向軌道の計算を行う。
【0078】次に、ステップS27において軌道の初期
条件を導出し、これに基づいて、ステップS18におい
てm次収差軌道を計算する。その際、軸上レンズ場とそ
のm階微分までを考慮して計算を行う。そして、ステッ
プS29において、直接軌道の計算を行う。すなわち、
軸上レンズ場とそのn階微分までを考慮し、軸上の任意
の位置でのレンズ場を求める。光軸外のレンズ場は、軸
上レンズ場の関数の微分形式で記述する。それと共に、
m級の関数にフィッティングされた偏向場の展開係数
を用い、偏向場をこの展開係数による微分形式で記述す
る。そして、これらのレンズ場と偏向場に基づいて、直
接軌道方程式を解く。軌道方程式を解く工程は、図9の
ステップS34で示した従来技術における工程と基本的
には同じである。軌道方程式は、ルンゲクッタ法等を利
用することにより解くことができる。次に、ステップS
30においてその結果を出力する。
【0079】なお、ステップS25、S26、S28の
処理は、従来法と本発明法の比較のために行った処理で
あり、従来法との比較を行わない場合は省略することが
できる。
【0080】
【実施例】図1に示すフローによるシミュレーションを
実施した。シミュレーションに使用した光学系の概略図
を図3に、レンズの形状を図4に、偏向器の形状を図5
に示す。これらの図において、1はコリメーターレン
ズ、2はプロジェクターレンズレンズ、3はマスク、4
はウェハ、5はアパーチャー、6は偏向器、7はポール
ピース、8はレンズコイル、9は偏向器コイル、zは光
軸である。
【0081】図3において、図示されない照明光学系に
よりマスク3上に照射された電子線は、転写光学系のレ
ンズ1、2により、マスク3上のパターンをウェハ4に
縮小転写する。光軸z以外の場所のマスクパターンを転
写するために、偏向器6が設けられている。アパーチャ
ー5は、マスク3から発生した散乱線を遮蔽するために
設けられている。レンズ1、2は、図4に示すように、
ポールピース7とレンズコイル8からなり、ポールピー
ス7は内径D、間隔Sを有している。図5に示されるも
のは、y軸方向偏向器であり、トロイダル型偏向器とよ
ばれ、8枚のコイルが図に示すように配置されている。
コイルの内半径はR1、外半径はR2、長さはLであ
る。x軸方向偏向器としては、図5に示すものを90°
回転したものが用いられている。
【0082】シミュレーションにおける計算条件とし
て、鏡筒長(マスク3とウェハ4の距離)400mm、ウェ
ハ面に入射する電子線の開き角6mrad、ビームエネルギ
ー100keV、エネルギー広がり5eV、コリメーターレン
ズ1におけるD=280mm、S=120mm、プロジェクターレン
ズ2におけるD=70mm、S=30mm、偏向器6個(図3に示
す配置)、マスク側偏向器のL=32mm、R1=104mm、R
2=128mm、ウェハ側偏向器のL=8mm、R1=26mm、R2=
32mmとした。
【0083】また、光軸であるz軸の原点をウェハ4の
位置とし、レチクル方向を負方向とした。コリメーター
レンズ1の中心位置をz=-240mm、プロジェクターレン
ズ2の位置をz=-40mm、アパーチャー5の位置をz=-80
mmとし、偏向器の位置は、マスク側のもの3つに関して
は、z=-328mm, -272mm, -148 mmの位置に、ウェハ側の
もの3つに関しては、z=-63mm, -32mm, -18mmに設置し
た。
【0084】このような光学系において、ウェハ4面に
おけるサブフィールドの中心位置をM(x、y)=(2.3
75,0.375)とし、このサブフィールドの中心位置Mを原
点としたサブフィールド内の点Bの(x、y)=(0.125,
0.125)(いずれも単位はmm)に電子線が入射する場合の
スポットダイアグラムを図6に、M=(4.875,0.375)、
B=(0.125,0.125)のとした点Bに電子線が入射する場合
のスポットダイアグラムを図7に示す。
【0085】図6、図7において、黒の四角で示され、
paraxialとされているものが近軸軌道であり、Traceと
されているものが、本実施例によって計算されたスポッ
トダイヤグラム、3rdとされているものが、従来法にお
いて3次までの収差を取りこんで計算したスポットダイ
ヤグラム、5thとされているものが、従来法において5
次までの収差を取りこんで計算したスポットダイヤグラ
ムである。
【0086】スポットダイヤグラムとは、物面のある点
から、ある特定の開き角において、その全ての方向に対
して飛び出した荷電粒子が、像面に到達した位置を示し
たものである。図6、図7においては、像面をx−y平
面とし、光軸を原点としてある。いずれの図において
も、本実施例の結果であるtraceの値が、直接軌道方程
式を解いているので正確である。また、5次までの収差
を取りこんで計算したスポットダイヤグラムとtraceと
の間にそれほど差が無いことは、本実施例の場合、5次
までの収差計算で、収差の次数に過不足のないことを示
している。
【0087】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のうち請求
項1に係る発明においては、複数のコイルからなる偏向
器の作る偏向場を、偏向器以外の物体の影響を無視し
て、直接ビオサバール則を解くことにより求めているの
で有限要素法による方法に比べ、偏向場を高速に得るこ
とができる。
【0088】請求項2に係る発明においては、偏向場を
作る偏向器のサイズとして、実際に光学系に使用するサ
イズを直接用いているので光学系の中で、偏向器が孤立
していると考えられるほど周囲の磁性体の影響を受けて
いない場合には、偏向場を十分精度良く、最も簡単に計
算することができる。
【0089】請求項3に係る発明においては、偏向器の
サイズを、有限要素法により、周囲の磁性体の影響を考
慮して計算した場合との、偏向場の展開係数(d1(z))の
差が所定範囲内となるように決定しているので、磁性体
の影響を取り込んだ場合の偏向場の計算も、高速かつ高
精度で行うことができる。
【0090】請求項4に係る発明においては、荷電粒子
の軌道方程式を直接的に解くことにより、荷電粒子軌道
を正確に求めることができる。
【0091】請求項5に係る発明においては、偏向場の
展開係数(d1(z), d3(z), d5(z),… )をC級の関数
にフィットさせて計算を行っているので、偏向場を計算
する際に用いるその偏向場の展開係数の微分値を、高速
に、精度良く得ることができる。よって、偏向場を、高
速に、精度良く計算することができる。
【0092】請求項6に係る発明においては、偏向場を
前記C級の展開係数による微分形式で記述して計算を
行うので、さらに高速に高次の偏向場を求めることがで
きる。
【0093】請求項7に係る発明においては、前記C
級の関数としてフーリエ級数を使用しているので、偏向
場が、どのような形状の場合にも対応できる。また、数
値計算プログラム作成上容易であり、計算時間も比較的
短くて済む。
【0094】請求項8に係る発明においては、前記C
級の関数としてガウシアン関数を使用しているので、半
値幅を調節することにより、シミュレーション値を実際
の偏向場に近い値とすることができる。
【0095】請求項9に係る発明においては、請求項5
に係る発明におけるC級の関数の代わりにCl級の関
数を使用しているので、請求項5に係る発明と余り変わ
らない精度を得ることができ、請求項5に係る発明に比
して計算時間を短縮することができる。
【0096】請求項10に係る発明においては、偏向場
を前記Cl級の展開係数による微分形式で記述して計算
を行うので、さらに高速に高次の偏向場を求めることが
できる。
【0097】請求項11に係る発明においては、Cl
の関数としてべき級数を用いているので、容易に微分が
でき、計算時間が短縮される。
【0098】請求項12に係る発明においては、最小自
乗法でべき級数にフィッティングさせることにより、容
易にべき級数を得ることができる。
【0099】請求項13に係る発明においては、荷電粒
子の軌道方程式を直接的に解くことにより、荷電粒子軌
道を正確に求めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施の形態の1例であるシミュレーショ
ンの手順を示すフローチャートである。
【図2】本発明実施の形態の他の例であるシミュレーシ
ョンの手順を示すフローチャートである。
【図3】シミュレーションに使用した光学系の概略図で
ある。
【図4】シミュレーションに使用したレンズの形状を示
す図である。
【図5】シミュレーションに使用した偏向器の形状を示
す図である。
【図6】本発明の実施例におけるシミュレーション結果
を示すスポットダイヤグラムである。
【図7】本発明の実施例におけるシミュレーション結果
を示すスポットダイヤグラムである。
【図8】従来のシミュレーション方法の1例を示すフロ
ーチャートである。
【図9】従来のシミュレーション方法の他の例を示すフ
ローチャートである。
【符号の説明】
1…コリメーターレンズ 2…プロジェクターレンズレンズ 3…マスク 4…ウェハ 5…アパーチャー 6…偏向器 7…ポールピース 8…レンズコイル 9…偏向器コイル

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軸上レンズ場をC級又はCn級の関数
    にフィットさせた形式で記述すると共に、光軸外のレン
    ズ場を上記軸上レンズ場の関数の微分形式で記述して荷
    電粒子の軌道方程式を解く工程を含む荷電粒子光学系の
    シミュレーション方法において、複数のコイルからなる
    偏向器の作る偏向場を、偏向器以外の物体の影響を無視
    して、直接ビオサバール則を解くことにより求める工程
    を含むことを特徴とする荷電粒子光学系のシミュレーシ
    ョン方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の荷電粒子光学系のシミ
    ュレーション方法であって、シミュレーションに使用す
    る偏向器のサイズは、実際に光学系に使用するサイズを
    用いることを特徴とする荷電粒子光学系のシミュレーシ
    ョン方法。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の荷電粒子光学系のシミ
    ュレーション方法であって、シミュレーションに使用す
    る偏向器のサイズは、有限要素法により、周囲の磁性体
    の影響を考慮して計算した場合との、偏向場の展開係数
    (d1(z))の差が所定範囲内となるように決定することを
    特徴とする荷電粒子光学系のシミュレーション方法。
  4. 【請求項4】 請求項1から請求項3のうちいずれか1
    項に記載の方法で計算したレンズ場及び偏向場を用い、
    直接軌道方程式を解いて電子の軌道を求める工程を含む
    ことを特徴とする荷電粒子光学系のシミュレーション方
    法。
  5. 【請求項5】 軸上レンズ場をC級又はCn級の関数
    にフィットさせた形式で記述すると共に、光軸外のレン
    ズ場を上記軸上レンズ場の関数の微分形式で記述して荷
    電粒子の軌道方程式を解く工程を含む荷電粒子光学系の
    シミュレーション方法において、偏向場の展開係数(d1
    (z), d3(z), d5(z), … )をC級の関数にフィットさ
    せて計算を行う工程を含むことを特徴とする荷電粒子光
    学系のシミュレーション方法。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載の荷電粒子光学系のシミ
    ュレーション方法であって、偏向場を前記C級の展開
    係数による微分形式で記述して計算を行う工程を含むこ
    とを特徴とする荷電粒子光学系のシミュレーション方
    法。
  7. 【請求項7】 請求項5又は請求項6に記載の荷電粒子
    光学系のシミュレーション方法であって、前記C級の
    関数がフーリエ級数であることを特徴とする荷電粒子光
    学系のシミュレーション方法。
  8. 【請求項8】 請求項5又は請求項6に記載の荷電粒子
    光学系のシミュレーション方法であって、前記C級の
    関数がガウシアン関数であることを特徴とする荷電粒子
    光学系のシミュレーション方法。
  9. 【請求項9】 軸上レンズ場をC級又はCn級の関数
    にフィットさせた形式で記述すると共に、光軸外のレン
    ズ場を上記軸上レンズ場の関数の微分形式で記述して荷
    電粒子の軌道方程式を解く工程を含む荷電粒子光学系の
    シミュレーション方法において、偏向場の展開係数(d1
    (z), d3(z), d5(z), … )をCl級の関数にフィットさ
    せて計算を行う工程を含むことを特徴とする荷電粒子光
    学系のシミュレーション方法。
  10. 【請求項10】 請求項9に記載の荷電粒子光学系のシ
    ミュレーション方法であって、偏向場を前記Cl級の展
    開係数による微分形式で記述して計算を行う工程を含む
    ことを特徴とする荷電粒子光学系のシミュレーション方
    法。
  11. 【請求項11】 請求項9又は請求項10に記載の荷電
    粒子光学系のシミュレーション方法であって、前記Cl
    級の関数がべき級数であることを特徴とする荷電粒子光
    学系のシミュレーション方法。
  12. 【請求項12】 請求項11に記載の荷電粒子光学系の
    シミュレーション方法であって、前記べき級数は、もと
    の離散的なデータを最小自乗法でフィッティングして得
    たものであることを特徴とする荷電粒子光学系のシミュ
    レーション方法。
  13. 【請求項13】 請求項5から請求項12のうちいずれ
    か1項に記載の荷電粒子光学系のシミュレーション方法
    であって、計算されたレンズ場及び偏向場を用い、直接
    軌道方程式を解くことにより電子の軌道を求める工程を
    含むことを特徴とする荷電粒子光学系のシミュレーショ
    ン方法。
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EP2887227A2 (en) 2013-12-20 2015-06-24 Fujitsu Limited Information processing apparatus and method
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