JP2000180595A - 医療用放射性パラジウム103小型放射線源およびその製造方法 - Google Patents

医療用放射性パラジウム103小型放射線源およびその製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 Pd-103活性のより経済的な利用、自己吸収の
最少化、均質な放射線場、空間的線量率分布の改善、X
線診断における良好な可視性および位置の確認、放射性
核種の良好な耐磨耗性などの要件を備えた組織内療法用
のパラジウム-103シードを提供する。 【解決手段】 微細な孔中にパラジウム-103を金属とし
てまたは安定な水不溶性Pd-103化合物の形態で含有する
構造的に安定な多孔質無機材料で構成された放射性担体
マトリックスを含み、該担体マトリックスが、発生した
放射線を透過しかつ該放射線に耐性のある耐蝕性生体適
合性材料中に密閉されている、医療用放射性パラジウム
-103小型放射線源。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、微細な孔中にパラ
ジウム-103を金属としてまたは安定な水不溶性Pd-103化
合物の形態で含有する、構造的に安定な多孔質無機材料
で構成された放射性担体マトリックスを含む新規な放射
性パラジウム-103小型放射線源(シード(sees))に関す
る。この放射性担体マトリックスは耐蝕性の生体適合性
材料で作られたカプセル内に封入されているか、または
こうした材料でコーティングされている。本発明のパラ
ジウム-103小型放射線源は(1または複数の)慣用のX
線マーカーを含んでいてもよい。本発明はまた、この新
規なパラジウム-103小型放射線源の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】このようなパラジウム小型放射線源は主
に腫瘍の治療分野で利用されている。放射体を治療すべ
き組織に埋め込む組織内療法が好ましい方法として考え
られる。この核種のサイズが小さくかつ半減期も短いた
め、組織内に永続的に留めておくことができる。長い
間、組織内インプラントを使用することによる腫瘍の局
所照射が実際におこなわれてきた。こうした治療方法で
は正確な線量を投与することができ、また、治療を局所
に限定することができる。したがって健康な組織への照
射の影響が最小限に抑えられる。パラジウム-103アイソ
トープは平均γ線エネルギーが20〜23 keVで、物理的半
減期が17日である。その結果、これは組織内近距離照射
療法によく適合する。照射は主に腫瘍に制限されて、健
康な組織は実質的に影響を受けない。医療現場の職員の
放射線暴露が最少ですむ。
【0003】小型放射線源は治療すべき組織内にそれを
迅速かつ簡単に導入することができるように構成しなけ
ればならない。一般的な導入技術のひとつは中空針を使
用するものである。こうした針を使用して、組織内に希
望する数の小型放射線源を配置して、その後針を引き抜
く。体内の放射線源を確認し、そしてその位置を指示す
るために、好ましくは診断において弱いX線が使用され
る。したがって、放射線源はX線診断で肉眼視できる高
原子番号および高密度の元素を含むという基本的な要件
を満たす必要がある。さらに、この種のいわゆる「X線
マーカー」は、小型放射線源の空間的配置に関する情報
を提供するような性質のものでなければならない。今日
まで、金、銀、プラチナ、鉛、イリジウム、または他の
高密度金属がかかる材料として使用されてきた。X線マ
ーカーの形状およびサイズは、一方では放射性担体の形
状とサイズに影響され、他方では画像化の要件に左右さ
れる。こうして、X線マーカーはビーズ、ワイアまたは
チューブでありうる。
【0004】文献、好ましくは特許文献には、近距離照
射療法用の小型放射線源が数多く記載されており、これ
らはしばしば「シード」と呼ばれている。核種として、
それらは、好ましくはヨウ素-125またはパラジウム-103
などの、低エネルギーγ線放射体を含有する〔米国特許
第5,405,165号(Carden)、同第5,354,257号(Roubi
n)、同第5,342,283号(Good)、同第4,891,165号(Sut
hanthiryan)、同第4,702,228号(Russelら)、同第4,3
23,055号(Kubiatowicz)、同第3,351,049号(Lawrenc
e)および国際公開WO 97/19706号(Coninglione)〕。
【0005】すなわち、例えば、Lawrence(米国特許第
3,351,049 号)は、放射性担体としてプラスチック本体
またはナイロン本体(そこにI-125やPd-103のような核
種が添加されている)を含む円筒形のシードを記載して
いる。Kubiatowicz(米国特許第4,323,055号)により記
載されたヨウ素-125シードは銀ロッドの表面に放射性ヨ
ウ素の層を有する。これらのシードは銀ロッドの銀表面
を塩化銀に変換し、続いてヨウ素-125を用いた交換反応
を行うことにより製造される。銀ロッドは同時にX線マ
ーカーとしても機能している。結果的にロッドの直径が
大きくなり、密閉されたカプセルの内部が事実上全部銀
で満たされるので、弱γ線の自己吸収がかなりの程度で
発生する。いずれにしても、治療に必要な線量率を得る
ために、それ相応に高い放射能を使用しなければならな
い。
【0006】Suthanthiranは彼の特許(米国特許第4,99
4,013号)において、炭素または活性炭でコーティング
されていて、対応する放射性核種を含有する金属基体か
ら構成された円筒形の放射性担体を記載している。炭素
コーティングに代えて、米国特許第5,163,896号ではポ
リ(アミノ酸)から成る材料について述べている。Russ
elは彼の特許(米国特許第4,702,228号)においてパラ
ジウムシードを記載している。そこには、濃縮されたパ
ラジウム-102を含む球形のアルミニウム圧縮体が載って
いる。中性子活性化を使用して、Pd-102がPd-103に変換
される。シードチューブは両端のそれぞれに球形の放射
性担体を含有している。棒状のX線マーカーが中間に配
置され、これは好ましくは鉛で構成される。
【0007】より最近の特許(米国特許第5,405,309
号)において、CardenはPd-102中性子活性化の欠点(線
量率の調節が困難、望ましくない副生成物のアイソトー
プ)について述べており、代わりに、サイクロトロンで
製造した、担体を含まないPd-103を使用することを提案
している。この設計はRusselにより記載されたものに類
似しているが、アルミニウム担体に代えて、そこでは、
不活性パラジウムとパラジウム-103の調整混合物を使用
して電解的にコーティングされたグラファイト本体が使
用されている。この設計においても、2個の放射性担体
が円筒形シードの各端に配置され、それらの間にX線マ
ーカーが位置づけられる。かかる設計は、中心部にX線
マーカーが存在するので、線量率がシードの実質的な容
積部分(すなわち中心部)で得られない、という点で不
利である。それどころか、後者は自己吸収の原因とな
り、Pd-103活性の増加を余儀なくされる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】近距離照射療法でのパ
ラジウム-103の使用は、その短い半減期およびより有利
な放射線スペクトルのため、ヨウ素-125に比べて好適で
ある。したがって、本発明の課題は、上記の欠点がな
く、次の要件: −Pd-103活性のより経済的な利用 −自己吸収の最少化 −均質な放射線場 −空間的線量率分布の改善 −X線診断における良好な可視性および位置の確認 −放射性核種の良好な耐磨耗性 −大量生産の可能性 を満たす組織内療法用のパラジウム-103シードを提供す
ることである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明のこの課題は、微
細な孔中に放射性パラジウム-103を金属としてまたは安
定な水不溶性Pd-103化合物の形態で含有する多孔質無機
材料で構成された担体マトリックスを含んでなる放射性
パラジウム-103小型放射線源によって達成される。本発
明に従うと、該無機放射性担体の製造は好ましくは(a)
含浸法または(b)射出成形もしくは押出法で行われる。
【0010】次に、このように製造した放射性無機担体
を、耐蝕性で生体適合性材料でカプセル化するか、また
はこの材料でコーティングすることができる。放射性マ
トリックスのカプセル化またはコーティングに好適な生
理学的に許容される材料は当業界で周知である。それら
は、耐性があって、ヒト組織適合性で、しかもX線遮蔽
を最少化するために低原子量である金属、例えばチタン
またはその他の耐蝕性金属合金、例えばステンレス鋼な
どで構成することができる。
【0011】さらに、それらを(コーティング中に反応
性の窒素、酸素、メタン、または一酸化炭素ガスを使用
して、遷移金属またはその他の金属の炭化物、窒化物ま
たは炭化窒化物を形成させて)炭化チタン、窒化チタ
ン、炭化窒化チタン、窒化チタンアルミニウム、窒化ジ
ルコニウムおよび窒化ハフニウムなどの、耐性のあるヒ
ト組織適合性金属化合物で構成してもよい。本発明の好
ましい実施形態においては、放射性マトリックスをチタ
ンまたはステンレス鋼カプセル内に封入する。カプセル
の閉鎖は周知の方法でおこなうことができ、例えば、レ
ーザー溶接、TiGタングステン不活性ガス溶接または電
子ビーム溶接がある。
【0012】別の実施形態において、マトリックスのカ
プセル化またはコーティングのための材料をプラスチッ
ク材料で構成することができるが、これは放射線耐性で
あり、発生した放射線を透過し、そして例えば4〜10μm
程度の非常に薄い層でも安定でなければならない。こう
した材料は当業界で周知であり、ポリプロピレン、ポリ
エチレンテレフタレート、ナイロン、ポリウレタン、ポ
リフェニレンオキサイドブレンド、ポリフェニルスルホ
ン、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニ
レンスルフィド、フェニルエーテルエーテルケトン、ポ
リエーテルイミドおよび液晶ポリマーが含まれる。本発
明の好ましい実施形態において、カプセル化材料または
コーティング材料として、Parylene(登録商標)(ポリ
-p-キシリレン)を使用することができる。ポリマーカ
プセル化も同様に周知の方法を用いておこなうことがで
き、例えば、ポリマーホース内に無機放射性担体を導入
して、接着や溶接によりそれを密閉する。
【0013】放射性無機マトリックスをプラスチック材
料でコーティングしてもよい。その場合、無機マトリッ
クス上でプラスチック材料を成形または収縮(shrink)さ
せるか、あるいは溶媒蒸発もしくは重合によってコーテ
ィングを形成させる。本発明において、放射性パラジウ
ム-103を担持するために選定される担体マトリックスと
して、構造的に安定で、かつパラジウム-103の低エネル
ギーγ線を吸収しないものならば、どんな多孔質無機材
料も使用することができる。好ましくは約15〜40%の多
孔度を有する無機材料が使用され、特に好ましいのは約
20〜30%の多孔度をもつものである。本発明において
は、担体マトリックスの多孔質無機材料をセラミック材
料、不溶性鉱物、不溶性塩および無機ポリマーからなる
群から選択する。
【0014】本発明に従うセラミック材料、不溶性鉱
物、不溶性塩および無機ポリマーとは、そのカチオンが
アルカリ土類金属もしくはそれらの組合せ物から(グル
ープ1)、Al、Si、Ga、Snもしくはそれらの組合せ物か
ら(グループ2)、またはTi、Zr、V、Cr、Mn、Fe、C
o、Ni、Cu、Znもしくはそれらの組合せ物(グループ
3)から選択され、そしてそのアニオンが酸化物、窒化
物、炭化物、リン酸塩、フッ化物、硫化物もしくはそれ
らの組合せ物を形成するような材料である。グループ1
と2、1と3、2と3の、またはグループ1と2と3の
カチオンを含む材料を使用することも可能である。
【0015】使用するのに好ましいものは、例えばクレ
ー、磁器、ケイ酸塩、またはゼオライト(Al/Si酸化
物)、ペロブスカイト、スピネルなどの混成金属酸化物
である。本発明において、特に好ましいものはセラミッ
ク材料、特にTiO2、Al2O3、SiO 2、ZrO2、Y2O3、これら
の混合物、ガラスまたは合成ガラスで構成されるセラミ
ック材料である。使用するのに特に好ましいのはAl2O3
またはこれと前記のその他のセラミック材料との混合物
である。
【0016】本発明の無機担体マトリックスの多孔性お
よびそこに含まれる空気によって、本発明のシードは超
音波による良好な可視性をすでに備えている。もし、そ
れに加えて、シードにX線マーカーが備わるのであれ
ば、超音波および蛍光測定のきわめて良好な画像化が達
成される。本発明においては、X線マーカーの材料は、
この目的のために常用される材料であって、それらは当
業界で周知であり、例えば、タンタル、タングステン、
金などの高密度金属である。好ましい実施形態では金が
使用される。シードの超音波画像化における更なる改良
は、カバーの内表面を超音波に適した塗料、例えばEcho
Coat(登録商標)でコーティングするか、または該表
面を粗面化することにより達成できる。
【0017】本発明の無機マトリックスは放射性担体に
ついて先行技術で記述されているどんな形状のものでも
よい。それらとして、例えばロッド、中空チューブ、フ
ィルム、シート、微小球粒子またはペレットの形状が使
用される。本発明においては、チューブ状の無機マトリ
ックスが好適である。もちろん、X線マーカーの形状は
無機マトリックスの形状とその無機マトリックスのカプ
セル内の所在位置によって左右されるだろう。X線マー
カーは無機マトリックスの側面または周囲に置くか、ま
たはそれらを無機材料内の中心部に置くことができる。
例えば、X線マーカーをロッド、チューブ、ビーズ、半
球形などの回転対称素子とするか、または素子の一端も
しくは両端が大きめの直径で中間部(両端の間)が小さ
めの直径を有する回転対称素子としてもよい。X線マー
カーは1個またはそれ以上の小片で構成することができ
る。マーカーはシード内部の全長を占めてもよくまたは
一部を占めてもよい。本発明において、マーカーはシー
ドの位置および方向の両方を指示する。
【0018】チューブ状無機担体用のX線マーカーとし
ては、特に好ましい様式において、ワイアまたはチュー
ブの形状でチューブ状の無機担体の中心に配置されたマ
ーカーが考えられる。典型的な長さが3.5 mmおよび想定
上の外径が0.6 mmのチューブ状無機担体用のX線マーカ
ーとして、例えば長さが0.3〜4 mmおよび直径が0.1〜0.
7 mmの切断ワイアまたは切断チューブ、ならびに直径が
0.1〜0.7 mmのビーズを使用することができる。この目
的のための可能なマーカーの形状として、全長が0.3〜4
mmおよび直径が0.1〜0.7 mmのその他の回転対称部材も
含まれる。本発明の特に好ましい実施形態において、無
機マトリックス内の中心部に配置されたワイアの形状の
X線マーカーが使用される。
【0019】好ましくは、本発明の好ましい実施形態に
おいてはチューブ状である放射性無機マトリックスとX
線マーカーとを、一端が閉じられたチューブ内に挿入
し、その後そのチューブの他方の、当初は開いていた末
端部を閉じる。金属チューブの場合、そのチューブの第
2末端を、レーザー溶接または例えば電子ビームやタン
グステン不活性ガス溶接などのその他の任意の好適な技
術によって閉鎖する。プラスチックチューブの場合に
は、チューブの第2末端を接着、熱シール、超音波溶接
または溶媒溶接によって閉鎖する。
【0020】放射性無機マトリックスをプラスチック材
料でコーティングしてもよい。その場合、無機マトリッ
クス上でプラスチック材料を成形または収縮(shrink)さ
せるか、あるいは溶媒蒸発もしくは重合によってコーテ
ィングを形成させる。本発明に従う一実施形態におい
て、放射性無機担体を製造するには(a)含浸法を用いる
ことができる。この方法では、多孔質無機マトリックス
にパラジウム-103化合物の水溶液を浸潤させるが、これ
は、Pd-103水溶液を無機担体マトリックスにピペットで
少しずつ添加するか、または担体マトリックスをPd-103
水溶液中に浸漬する(バッチ法)ことによりおこなう。
該溶液を無機マトリックスの全体に均質に分布させ、そ
こに吸着させる。その後無機担体を乾燥させるが、その
ためには、乾燥工程のスピードアップを図る目的で無機
担体を加熱することができる。この乾燥工程に続いて還
元工程をおこなう。使用するパラジウム化合物に応じ
て、焼き入れにより、または焼き入れ温度より相当に低
い温度でガス状または液状還元剤を添加することによ
り、この還元をおこなうことができる。浸潤および還元
法は所望の放射能が吸収されるまで繰り返しておこな
い、これは標準的な線量率測定法により決定される。
【0021】本発明においては、どのような水溶性Pd化
合物もパラジウム-103化合物として使用することがで
き、例えば、Pd-103塩、特にPd(NH3)4Cl2、PdCl2、PdBr
2、Pd(NO3)2、PdSO4、酢酸Pdを使用することができる。
同様に、窒素またはリンを含む他の塩基とのPd-103錯
体、Pd-103アルコラートまたはPdアセチルアセトナート
も担体マトリックスに浸潤させる際のパラジウム-103化
合物として使用することができる。
【0022】無機マトリックスの負荷(loading)の際に
例えばテトラアミンパラジウム-103ジクロライドを使用
する場合、負荷した無機担体を最低400℃で焼き入れし
て還元をおこなう。400℃での焼き入れの持続時間は添
加した化合物の濃度によるが、最低30分から1時間とす
る。有利には、400℃への温度上昇を段階的におこな
い、10 K/minが特に好ましいものである。焼き入れの間
に、テトラアミンパラジウムジクロライドはジアミンパ
ラジウムジクロライド中間体を経由して分解し、金属パ
ラジウムを形成する。この形態でそれは不溶性であり、
したがって水溶液により溶出され得ない。生成される可
能性のある気体を追い出すために、この焼き入れ工程を
不活性ガス流中で実施することが有利である。
【0023】有利には、焼き入れ工程に代えて、相当に
低い温度(約60〜150℃)で還元剤の存在下に還元する
方法を使用することができる。例えば、還元剤として一
酸化炭素または水素が考えられる。水素を使用する場合
は、形成されたPd-H付加物を分解するために、還元後に
約800℃で2時間の焼き入れをおこなう必要があることに
注意すべきである。
【0024】含浸用のパラジウム-103化合物として、例
えば、PdCl2、PdBr2、Pd(NO3)2、PdSO4、酢酸Pd、窒素
またはリンを含む他の塩基との錯体、Pdアルコラートま
たはPdアセチルアセトナートの水溶液を使用する場合
は、還元において過度に高い温度を避けるために還元工
程で還元剤を添加することが有利である。上述したよう
に、ガス状の還元剤としてはCOおよびH2が考えられる。
あるいはまた、還元剤を水溶液として添加して還元をお
こなってもよく、例えば、ヒドラジン溶液またはギ酸が
用いられる。不溶性の最終生成物として金属パラジウム
が形成され、これは無機マトリックス中に微細に分散さ
れている。Pd(NO3)2溶液を用いて含浸する別の実施形態
においては、後続の焼き入れ工程(約500℃で30分)で
酸化パラジウムが形成され、これは同様に難溶性で、生
理的条件下で溶出されない。
【0025】含浸法の別の実施形態においては、担体マ
トリックスに上記の水溶性パラジウム-103化合物の一つ
を含浸させ、その後NaOH、KOH、NH4OHなどの塩基を添加
してもよい。結果的に、孔の内部に水酸化パラジウムが
沈殿し、これは約400〜500℃での後続の焼き入れにより
不溶性の酸化パラジウムに変換される。塩基(例えば、
0.5モルのNaOH溶液)を用いる含浸に加えて、フッ化パ
ラジウムまたは硫化パラジウムを形成する沈殿反応も可
能である。この場合には、フッ化物または硫化物(例え
ば、NaFまたはNH4HS)を含有する溶液を、上記の水溶性
パラジウム-103化合物の一つを浸潤させた担体マトリッ
クスに添加すべきである。次に、焼き入れ工程、すなわ
ち約200℃で約30分の乾燥をおこなう。その結果とし
て、担体マトリックスの孔内には難溶性のフッ化パラジ
ウムまたは硫化パラジウムが存在する。本発明の特に好
ましい実施形態としては、Pd-103が生理的条件下で安定
かつ不溶性の金属Pd-103としての最終形態で担体マトリ
ックス中に存在する方法が選択される。
【0026】含浸法の好ましい実施形態では、例えば、
無機担体としてセラミックチューブを使用する。こうし
たチューブは市販されている。最も好ましい実施形態に
おいて、セラミックチューブはTiO2、Al2O3、SiO2、ZrO
2、Y2O3、これらの混合物、好ましくはAl2O3またはこれ
と他のセラミック材料との混合物で作られる。使用する
セラミックチューブの多孔度は15〜40%とする。長さが
約3.5 mm、外径が約0.6 mm、そして内径が0.22〜0.25 m
mとすると、必要量の放射能を受容するのに十分な孔体
積が得られる。
【0027】一般的に、このような担体に0.2〜4 mCiの
Pd-103を固定させる必要がある。それぞれの使用のタイ
プに適した正確な値は、線量率の要件と予期される工程
および送達時間に従って決定される。最も好ましい実施
形態では、無機担体の負荷においてパラジウム-103溶液
としてテトラアミン-Pd-103 ジクロライド[Pd(NH3)4C
l2]を使用する。
【0028】例えば、1.9〜2.1 mCiの活性を有するPd-1
03小型放射線源を製造するために、pH 8〜9で好ましく
は5 mCi/μlの放射能濃度を有するテトラアミン-Pd-103
ジクロライド溶液を調製する。次に、少量、好ましく
は0.1μlまたは0.2μlのこの溶液を無機担体にピペット
で分注し、該担体を乾燥し、その後金属パラジウムを形
成させる熱還元を行い、全溶液が吸収されて担体マトリ
ックスが所望の放射能を示すまで浸潤および還元を繰り
返す。その結果、生理的条件下で不溶性で、担体マトリ
ックスの多孔内に存在する金属Pd-103が形成される。
【0029】その後、放射性無機マトリックスにX線マ
ーカーを装着して、上記の材料でカプセル化するか、該
材料でコーティングすることができる。場合により、最
初からすでにX線マーカーを無機マトリックス内に包埋
してもよい。マトリックスの内部のX線マーカーの存在
は放射能の負荷プロセスに影響しない。
【0030】本発明の第2の実施形態において、無機放
射性担体は(b)射出成形または押出法で製造される。射
出成形法においては、あらかじめ放射性核種を含有させ
た流動性の無機素材を加圧して強制的に型の中に入れ、
そこで固化させ、型から取り出し、次に含浸法と同様に
して焼き入れをする。焼き入れは炭化水素を含有する可
塑剤を蒸発させるかまたは焼失させるために使用する。
射出成形法を使用することによって、選択したマトリッ
クスに応じて、どんな形状の放射性担体でも得ることが
できる。
【0031】射出成形法のほかに、押出法もまた使用す
ることができる。これは、あらかじめ放射性核種を含有
させた無機素材を強制的にダイに通し、ストランドを回
収し、射出成形法と同様に焼き入れをおこない、最後に
所望の長さに切断するものである。押出法を使用して、
チューブまたはロッド状放射能担体を製造することがで
きる。
【0032】本発明においては、射出成形および押出法
で、上記の材料、特にTiO2、Al2O3、SiO2、Y2O3、ZrO2
またはこれらの混合物などの金属酸化物粉末を無機素材
として使用し、これに市販の可塑剤を添加して、必要と
する粘度を調節し、また滑り特性を改善する。本発明に
おいては、可塑剤として、例えばセルロースまたはセル
ロース誘導体と多糖とパラフィンの混合物を使用する。
セルロースとして微結晶セルロースを使用するのが好ま
しい。好ましくは、重量で多糖1部に対してセルロース
2部とパラフィン3.3部を使用する。無機材料の量は製
造しようとする担体のサイズによって決まるが、本発明
にとって好ましいチューブ状放射性担体については200
〜250 mgであり、この場合の最終サイズは長さが約3.5
mm、外径が約0.6 mm、そして内径が0.22〜0.25 mmであ
る。この特定された成分を水を添加しながら混合して、
均一な素材を形成させる。その後、上記のパラジウム-1
03化合物、最も好ましくは、テトラアミンパラジウム-1
03ジクロライド溶液([103Pd(NH3)4]Cl2)をピペットで添
加し、その間攪拌して均質化することによって、放射性
核種を添加する。使用する溶媒の全量に対して、添加す
る溶媒の量を考慮する必要がある。
【0033】十分に混合した後、その素材を用意した型
の中に射出または押し出すが、そのためには射出成形機
または押出機として、微小化サンプル容積を有する装置
を使用すべきである。射出成形法用の型は結果的にチュ
ーブ、ロッド、ペレット、フィルム、ビーズまたはその
他の成形体の形をした放射性担体が得られるような設計
とする。射出成形は好ましくは低圧高温射出成形として
約70℃で実施される。その後、冷却した無機担体を型か
ら取り出して焼き入れのためにオーブン内に置く。押出
しの場合は、押出し生成物をセラミック製支持板(backi
ng)上に置く。一方では可塑剤を追い出すため、他方で
は素材中に含まれるパラジウム-103化合物の分解を開始
させて金属パラジウムを形成させるため、温度を段階的
に400℃以上にまで、好ましくは400〜500℃に上昇させ
る温度プログラムにおいて、射出成形または押出しによ
って得られた部材をアニーリングする。
【0034】このために、Pd化合物として[103Pd(N
H3)4]Cl2を使用する場合は、該化合物の濃度に応じて、
400℃以上の温度にして、少なくとも30分から1時間維持
しなければならない。好ましい実施形態では、5 K/min
で段階的に温度を上げる。この方法は反応ガスを追い出
すために不活性ガス流中で実施する。パラジウム-103化
合物として有利に用いられるテトラアミンパラジウムジ
クロライドはジアミンパラジウムジクロライド中間体を
経て分解され、金属パラジウムを形成する。この形態
で、それは不溶性であり、したがって、水溶液によって
溶出されない。
【0035】103PdCl2のような他のPd化合物を使用する
場合は、これらの化合物から微細な金属パラジウムを得
るために、上記の焼き入れに続いて約800℃で30分間再
アニーリングする必要がある。あるいはまた、焼き入れ
法に代えて、焼き入れ法よりも相当に低い温度(約60〜
120℃)で還元剤の存在下に還元する方法を実施しても
よい。例えば、還元剤として一酸化炭素や水素が考えら
れる。
【0036】本発明にとって好適なチューブ状の無機放
射性担体を製造する際には、最終寸法を次のようにす
る。すなわち、長さを約3.5 mmとし、外径を約0.6 mmと
し、そして内径を0.22〜0.25 mmとするのが好ましい。
一般的に、担体あたり0.2〜5 mCiのPd-103を固定させる
必要がある。それぞれの使用のタイプに適した正確な値
は、線量率の要件と予期される工程および送達時間に従
って決定される。
【0037】射出成形チューブまたは押出チューブの焼
き入れのため、この工程で収縮が生じるだろう。したが
って、射出成形用の型や押出用のダイは大きめに設計す
る。Pd-103のさまざまな放射能含有量はこの収縮時にほ
とんど影響を受けないので、このファクターを観測する
必要はない。最も好ましい実施形態において、射出成形
または押出用のパラジウム-103化合物としてテトラアミ
ンパラジウム-103ジクロライドが使用される。本発明に
とって好適なチューブ状の無機担体を製造するために、
pH 8〜9で0.5〜10 mCi/μlの放射能濃度を有する溶液を
前記化合物から調製する。
【0038】本発明の方法の一つに従って製造した無機
担体にX線マーカーを装着し、その後これをチタンやス
テンレス鋼のような生体適合性材料でカプセル化するこ
とができる。X線マーカーは射出成形もしくは押出しの
前または後で無機材料中に入れることができる。
【0039】こうして、本発明に従い、組織内近距離照
射療法に必要なサイズおよび放射能を有するパラジウム
-103小型放射線源を製造することが可能である。この場
合、特に外径、すなわち放射性担体マトリックスをカプ
セル化する外側のチューブの直径は0.8 mmを越えないよ
うにすべきである。
【0040】本発明の特に好ましい実施形態において、
外側のカプセル化用チューブの長さは1〜5 mmの間で変
更することができるが、最適値は約4.5 mmである。壁の
厚さはカプセル化のためにチタンを使用する場合は0.01
0 mm〜0.150 mm、プラスチック材料を使用する場合は0.
002 mm〜0.150 mmの間で変更することができる。チタン
について最適の厚さは約0.050 mm、parylene(登録商
標)コーティングの場合10〜20μmである。担体マトリ
ックスの外径はカプセル化用チューブの内径に対応す
る。安定した製造工程(外側のチューブへのマトリック
スの挿入)のためには、担体マトリックスの最適外径を
カプセル化用チューブの内径よりも0.100 mm小さくす
る。
【0041】X線マーカーの長さは0.1 mmからチューブ
の内部全長までの間で変更することができる。その直径
は0.1 mm〜0.5 mmの範囲であるが、最適直径は0.15 mm
〜0.25 mmである。最適長さは約3.5 mmである。担体マ
トリックスの内径はX線マーカーの直径および形状に対
応する。マーカーがチューブ状の放射性担体中に機械的
に挿入される場合は、その直径に0.05 mmの差が必要で
ある。
【0042】本発明の無機担体マトリックスでは、放射
性パラジウムがこの無機担体の滑らかな表面上に層とし
て存在するのではなく、微細な孔中に存在するので、良
好な耐磨耗性という特性があることが見出された。本発
明に従って製造した無機担体は構造的に安定であり、し
たがって、負荷および取付け中の良好な操作性が得られ
る。先行技術に記載されている他の異なる設計物に比較
して、本発明による無機担体は顕著により均質な線量率
分布を示す。特に、X線マーカーがワイアとして存在
し、内径のほんの一部を占める場合には、より低い自己
吸収が認められ、そのため、放射能の使用が少なくてす
む。結果的に、本発明による放射線源は原価効率のよい
方法で製造することが可能である。本発明の好ましい実
施形態において、X線マーカーは可能なかぎり細く、好
ましくはワイアの形状とし、ロッドまたはチューブまた
はペレットの内側で一端から他端まで確実に到達させ
る。
【0043】本発明の方法においては、該方法の最後に
X線マーカーを組み入れることが好ましい。このやり方
では直径または長さの変更が可能である。しかし、該方
法の開始頃にマーカーを組み入れてもよい。こうして、
射出成形法では、例えば、X線マーカーを最初に配置し
て、射出された素材によってしっかりと密封させること
ができる。しかし、この事例においては、温度が150℃
を越えない還元法を選択するように注意しなければなら
ない。というのは、異なった熱膨張係数のため、無機放
射性担体に破損やひび割れが生じることがあるからであ
る。以下に、具体例を用いて本発明をさらに詳細に説明
するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0044】
【発明の実施の形態】実施例1 含浸法(ピペット法)による0.45〜0.55 mCiの放射能を
有するPd-103小型放射線源の製造 外径が0.60+0.02 mm、長さが3.5+0.05 mmおよび内径
が0.21+0.01 mmのAl2O 3セラミックチューブを使用し
た。これらの200個をラック上の、組立てて切り取った
位置に明確に定められた様式で置いた。こうして自動ピ
ペットが確実にそれぞれの位置に到達できるようにし
た。[103Pd(NH3)4]Cl2ストック溶液から出発して、放射
能濃度が2.5 mCi/μlの溶液を調製した。コンピュータ
により制御されている可動性ピペットを使って、最初に
各セラミックに0.1μlの溶液を浸潤させた。自然乾燥
後、各セラミックに0.1μlの溶液を再度浸潤させた。そ
の後、ラックをオーブン内に移し、次の温度プログラム
を開始させた。すなわち、50℃の予熱から始まって、10
K/minで400℃まで上げ、その後30分間維持して冷却し
た。オーブンの操作は不活性ガス流下でおこなった。続
いて、セラミック放射性担体をラックから取り出し、一
端が閉じているチタン製チューブに入れ、X線マーカー
を通し、レーザー溶接をおこなった。
【0045】実施例2 バッチ含浸法による2.9〜3.1 mCiの放射能を有するPd-1
03小型放射線源 100個の製造 同様に、外径が0.60+0.02 mm、長さが3.5+0.05 mmお
よび内径が0.21+0.01mmのAl2O3セラミックチューブを
使用した。これらの100個を底部がスクリーンになって
いる円筒形の容器に入れた。[103Pd(NH3)4]Cl2ストック
溶液から出発して、放射能濃度が5 mCi/μlの溶液を調
製した。この溶液0.5 mlを用いて、前もって配置したセ
ラミックを完全に含浸させた。上清を収集容器に流し込
んだ。セラミックに付着している溶液を、短時間減圧に
して吸引除去した。自然乾燥後、セラミックを制御され
たガス供給口とガス出口を備えたオーブンに移した。一
酸化炭素ガスの連続流のもとで、セラミックを150℃で1
0分焼き入れし、その後取り出した。ここで、含浸と後
続の焼き入れをもう一度実施し、放射性担体が目的の放
射能に達するまでこの方法を繰り返しおこなった。目的
の放射能は線量率を測定することで決定された。その
後、セラミック放射性担体を取り出し、一端が閉じてい
るチタン製チューブに1個ずつ入れ、X線マーカーを通
し、レーザー溶接をおこなった。
【0046】実施例3 射出成形法を使用した、それぞれ5 mCiの放射能を有す
る本発明のPd-103小型 放射線源 100個の製造 射出成形法に必要な流動性の素材を次のように調製し
た。すなわち、平均粒径が1〜5μmの酸化アルミニウム
220 mgを、約70℃に加熱した小型撹拌容器に入れて、セ
ルロース粉末(微結晶セルロース)12 mgと混合し、デ
ンプン 6 mgを添加し、撹拌しながら混合し、その後パ
ラフィン20 mgを添加した。最後に、水を添加すること
によって、同様に加熱した小型射出成形機のサンプルチ
ャンバー中に残留物を残さずに移すことができる程度の
粗流動性のパラフィン−水エマルジョンを調製した。こ
こで、そのサンプルチャンバーに、10 mCi/μlの放射能
濃度および8〜9のpH値のテトラアミンパラジウム-103ジ
クロライド溶液を合計50μlピペットで分注して、各添
加後に撹拌をおこなった。アリコートの全部を添加した
後、残量の水を添加した。
【0047】十分にホモジナイズした後、最後に低圧高
温射出成形を実施した。ここでは、素材を強制的に低温
の型の中に送り込み、そこで固化させ、型から取り出
し、オーブン中に移した。焼き入れをおこなって、炭化
水素を含有する可塑剤を蒸発または焼失させると同時
に、微細な金属パラジウム-103を形成させるためのテト
ラアミンパラジウム-103ジクロライドの還元的分解を起
こさせた。形成された反応ガスを追い出すために、オー
ブンを不活性ガス流中で操作した。次の温度プログラム
で実施した。すなわち、室温から500℃まで 5 K/min
で、その後最終温度に60分維持し、そして冷却した。最
後に、この放射性セラミック担体の中心にX線マーカー
を装着し、チタンまたはステンレス鋼などの生体適合性
材料のカプセル内に封入した。そのために、X線マーカ
ーを含有する放射性セラミック担体を好ましくは一端を
閉じたチューブ中に導入し、レーザーを使用して残りの
開放末端を溶接した。
【0048】本発明の特徴は、以下の添付図面を参照し
ながら、最も好ましい実施形態の下記説明からさらによ
く理解されるであろう。図1には、微細な孔部が放射性
パラジウム-103を含有している多孔質無機チューブ2を
有するシードの横断面図を示す。この無機チューブ2は
カプセル1で取り囲まれている。カプセル1の外径は 1
mm未満である。チューブ2の空隙内の中心部にX線マ
ーカー3が配置されている。図2はシードの縦断面図を
示す。X線マーカー3はワイアであり、無機チューブ2
の一端から他端まで延びている。カプセル1はチタン製
である。カプセル1の2つの端部はX線マーカー3を含
有する無機チューブ2をカプセル1内に挿入した後、レ
ーザー溶接される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるチューブ状シードの横断面図であ
る。
【図2】図1に示したシードの縦断面図である。
【符号の説明】
1:カプセル 2:チューブ 3:X線マーカー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 グナール マン ドイツ連邦共和国 13125 ベルリン, ミュンヘアーゲンシュトラーセ 42 (72)発明者 アレクシー クルトジャコウ ドイツ連邦共和国 14169 ベルリン, モルヒンゲール シュトラーセ 22 (72)発明者 ユルゲン ツィーグラー ドイツ連邦共和国 12679 ベルリン, ルドヴィック−レン−シュトラーセ 56 (72)発明者 ロルフ パラス ドイツ連邦共和国 08412 ローブニッツ, アム パルク 4ビー

Claims (27)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 微細な孔中にパラジウム-103を金属とし
    てまたは安定な水不溶性Pd-103化合物の形態で含有する
    構造的に安定な多孔質無機材料で構成された放射性担体
    マトリックスを含み、該担体マトリックスが、発生した
    放射線を透過しかつ該放射線に耐性のある耐蝕性生体適
    合性材料中に密閉されている、医療用放射性パラジウム
    -103小型放射線源。
  2. 【請求項2】 担体マトリックスの無機材料の多孔度が
    15〜40%、好ましくは20〜30%である、請求項1に記載
    のPd-103小型放射線源。
  3. 【請求項3】 担体マトリックスの多孔質無機材料がセ
    ラミック材料、不溶性鉱物、不溶性塩および無機ポリマ
    ーを含む群から選択され、好ましくはセラミック材料で
    ある、請求項1または2に記載のPd-103小型放射線源。
  4. 【請求項4】 セラミック材料がTiO2、Al2O3、SiO2、Z
    rO2、Y2O3、これらの混合物、ガラスまたは合成ガラ
    ス、好ましくはAl2O3またはこれと前記セラミック材料
    との混合物で構成される、請求項1〜3のいずれか1項
    に記載のPd-103小型放射線源。
  5. 【請求項5】 担体マトリックスの微細な孔がPd-103化
    合物として酸化パラジウム、硫化パラジウムまたはフッ
    化パラジウムを含有する、請求項1〜4のいずれか1項
    に記載のPd-103小型放射線源。
  6. 【請求項6】 小型放射線源が高密度金属製の、好まし
    くはタンタル、タングステンまたは金製のX線マーカー
    を1以上含んでいる、請求項1〜5のいずれか1項に記
    載のPd-103小型放射線源。
  7. 【請求項7】 担体マトリックスの形状がチューブ、ロ
    ッド、フィルム、ペレットまたは球状、好ましくはチュ
    ーブ状である、請求項1〜6のいずれか1項に記載のPd
    -103小型放射線源。
  8. 【請求項8】 X線マーカーが担体マトリックス中に配
    置されているか、または担体マトリックスに隣接してい
    るか、あるいは担体マトリックスを包囲している、請求
    項1〜7のいずれか1項に記載のPd-103小型放射線源。
  9. 【請求項9】 X線マーカーが担体マトリックスの中心
    部に配置されている、請求項1〜8のいずれか1項に記
    載のPd-103小型放射線源。
  10. 【請求項10】 X線マーカーがワイアまたはチューブで
    ある、請求項1〜9のいずれか1項に記載のPd-103小型
    放射線源。
  11. 【請求項11】 X線マーカーのワイアまたはチューブが
    チューブ状の担体マトリックスの中心部に配置されてい
    る、請求項1〜10のいずれか1項に記載のPd-103小型放
    射線源。
  12. 【請求項12】 担体マトリックスを密閉する材料が金属
    合金またはプラスチック材料である、請求項1〜11のい
    ずれか1項に記載のPd-103小型放射線源。
  13. 【請求項13】 多孔質無機担体マトリックスにパラジウ
    ム-103化合物の水溶液を浸潤させ、該担体マトリックス
    を乾燥した後、該担体マトリックス中の水溶性Pd-103化
    合物を金属Pd-103に還元するかまたは水不溶性Pd-103化
    合物に変換し、得られる放射性無機担体マトリックスを
    耐蝕性生体適合性材料中に密閉することを特徴とする、
    医療用放射性パラジウム-103小型放射線源の製造方法。
  14. 【請求項14】 担体マトリックスに浸潤させるのに使用
    した水溶液がPd-103塩、窒素もしくはリンを含む塩基と
    のPd-103錯体、Pd-103アルコラート、またはPd-103アセ
    チルアセトナートをPd-103化合物として含有することを
    特徴とする、請求項13に記載の方法。
  15. 【請求項15】 PdCl2、PdBr2、Pd(NO3)2、PdSO4、酢酸P
    d、または[Pd(NH3)4]Cl2をPd-103塩として使用すること
    を特徴とする、請求項14に記載の方法。
  16. 【請求項16】 ピペットを用いるか、または担体マトリ
    ックスをPd-103化合物の水溶液中に浸漬することによ
    り、担体マトリックスにPd-103化合物の水溶液を浸潤さ
    せることを特徴とする、請求項13〜15のいずれか1項に
    記載の方法。
  17. 【請求項17】 [Pd(NH3)4]Cl2溶液をPd-103化合物とし
    て使用し、担体マトリックスの浸潤および乾燥後に、最
    低400℃で焼き入れすることにより金属Pd-103への還元
    をおこなうことを特徴とする、請求項13〜16のいずれか
    1項に記載の方法。
  18. 【請求項18】 ガス状還元剤または還元剤の水溶液の存
    在下に約60〜150℃の温度で金属Pd-103への還元をおこ
    なうことを特徴とする、請求項13〜17のいずれか1項に
    記載の方法。
  19. 【請求項19】 Pd(NO3)2溶液をPd-103化合物として使用
    し、担体マトリックスの浸潤および乾燥後に、約500℃
    で焼き入れすることにより酸化パラジウムへの変換をお
    こなうことを特徴とする、請求項13〜16のいずれか1項
    に記載の方法。
  20. 【請求項20】 請求項13に従って担体マトリックスにPd
    -103化合物の水溶液を浸潤させた後、該担体マトリック
    スに強塩基性溶液を添加してPd(OH)2を形成させ、その
    後これを約400〜500℃で焼き入れして酸化パラジウムに
    変換することを特徴とする、請求項13〜16のいずれか1
    項に記載の方法。
  21. 【請求項21】 担体マトリックスとしてチューブ状のマ
    トリックスを使用することを特徴とする、請求項13〜20
    のいずれか1項に記載の方法。
  22. 【請求項22】 可塑剤が添加されている少なくとも1種
    の金属酸化物粉末を無機材料として用いて均質な素材を
    調製し、該素材にPd-103化合物の水溶液を添加して均質
    に混合し、得られた素材を射出成形するかまたは押し出
    して所望の形状の放射性担体マトリックスを製造し、該
    担体マトリックス中のPd-103化合物を金属Pd-103に還元
    するかまたは水不溶性Pd-103化合物に変換し、得られた
    放射性無機担体マトリックスを耐蝕性生体適合性材料中
    に密閉することを特徴とする、医療用放射性パラジウム
    -103小型放射線源の製造方法。
  23. 【請求項23】 射出成形を約70℃で低圧高温射出成形と
    しておこなうことを特徴とする、請求項22に記載の方
    法。
  24. 【請求項24】 金属Pd-103への還元または水不溶性Pd-1
    03化合物への変換を、請求項17〜19に従う焼き入れによ
    りまたは還元剤の存在下でおこなうことを特徴とする、
    請求項22または23に記載の方法。
  25. 【請求項25】 無機材料として金属酸化物粉末、好まし
    くはTiO2、Al2O3、SiO2、ZrO2、Y2O3、またはこれらの
    混合物を使用し、好ましくはAl2O3またはその混合物を
    金属酸化物粉末として使用することを特徴とする、請求
    項22〜24のいずれか1項に記載の方法。
  26. 【請求項26】 射出成形したまたは押し出した放射性担
    体マトリックスがチューブの形状を有することを特徴と
    する、請求項22〜25のいずれか1項に記載の方法。
  27. 【請求項27】 耐蝕性生体適合性材料中に密閉する前
    に、X線マーカー、好ましくはワイアを放射性担体マト
    リックスの中心部に組み入れることを特徴とする、請求
    項13〜26のいずれか1項に記載の方法。
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