JP2000178041A - 結晶化ガラス及びその製造方法 - Google Patents

結晶化ガラス及びその製造方法

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JP2000178041A
JP2000178041A JP10353585A JP35358598A JP2000178041A JP 2000178041 A JP2000178041 A JP 2000178041A JP 10353585 A JP10353585 A JP 10353585A JP 35358598 A JP35358598 A JP 35358598A JP 2000178041 A JP2000178041 A JP 2000178041A
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glass
crystallized glass
mol
crystallized
producing
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Misako Ozaki
美佐子 尾▲ざき▼
Shuichi Ichikawa
周一 市川
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03CCHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
    • C03C10/00Devitrified glass ceramics, i.e. glass ceramics having a crystalline phase dispersed in a glassy phase and constituting at least 50% by weight of the total composition
    • C03C10/0036Devitrified glass ceramics, i.e. glass ceramics having a crystalline phase dispersed in a glassy phase and constituting at least 50% by weight of the total composition containing SiO2, Al2O3 and a divalent metal oxide as main constituents
    • C03C10/0045Devitrified glass ceramics, i.e. glass ceramics having a crystalline phase dispersed in a glassy phase and constituting at least 50% by weight of the total composition containing SiO2, Al2O3 and a divalent metal oxide as main constituents containing SiO2, Al2O3 and MgO as main constituents

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高ヤング率であるとともに、高平坦、平滑性
であり、ステンレス鋼に近い高熱膨張率を有する結晶化
ガラス及びその製造方法を提供する。 【解決手段】 ガラスの成形体を再加熱して微細結晶の
主結晶としてディオプサイトをガラス中に析出させた結
晶化ガラスである。ガラス原料の主組成は、CaOが1
0〜20mol%、MgOが10〜20mol%、Si
2が37〜62mol%、Al23が10〜15mo
l%、核形成剤が8〜12mol%であり、SiO
2は、ディオプサイトの量論組成である結晶モル比(C
aO:MgO:SiO2=1:1:2)よりも多く含有
されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は、主にコンピュー
タの情報記録媒体として使用されるハードディスク用の
基板材料である結晶化ガラス及びその製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】 近年、コンピュータの普及が急激に進
み、コンピュータの操作性を左右するオペレーションシ
ステム等のOSソフトや、OS上で作動する種々のプロ
グラムソフト等のソフトウエアが大容量化する傾向にあ
り、更に、これらのプログラムを用いて作成されるデー
タも、大容量化する傾向にある。
【0003】 これに伴い、このような大量の情報を高
速に記録/読出することのできる情報記録媒体としての
ハードディスクの開発においては、従来のアルミニウム
金属を用いた基板に変えて、硬度や平滑性に優れるガラ
ス基板を用いる動きが活発になっている。
【0004】 上記のようなガラス基板に用いられるガ
ラス材料は、高速回転の際に生じるたわみを防止するた
め、高ヤング率であるとともに、ハードディスクの高密
度化のため、その表面が高平坦、平滑性であり、更にガ
ラス基板を固定する部品の材質であるステンレス鋼と同
程度の高熱膨張率を有することが要求される。
【0005】 これを実現するために、酸素の一部を窒
素に置換し、結合力を強化したオキシナイトライドガラ
ス(酸窒化物ガラス)や、希土類等を加えて密度(充填
度)を上げた酸化物ガラス等を用いることが検討されて
いる。
【0006】 しかしながら、希土類等を加えた酸化物
ガラスは、高ヤング率であるが、重量が増加しすぎるた
め、ハードディスク用のガラス基板には不適であり、希
土類を用いた場合、原料コストもかかるという問題点が
あった。尚、ガラスディスク特性の指標としてヤング率
(E)を比重(ρ)で割ったE/ρの値が使用されてお
り、上記希土類添加ガラスが不適であるのはこの値が小
さくなるためである。一方、オキシナイトライドガラス
は、ハードディスク用のガラス基板としては、最適であ
るが、溶融温度が高く、窒素雰囲気で溶融させなければ
ならないため、工業的に実用化することが困難であっ
た。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】 本発明は、このよう
な従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、
その目的とするところは、ディオプサイト(CaO・M
gO・2SiO2)を主結晶として析出させることによ
り、高ヤング率であるとともに、高平坦、平滑性であ
り、ステンレス鋼に近い高熱膨張率を有する結晶化ガラ
ス及びその製造方法を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】 すなわち、本発明によ
れば、ガラスの成形体を再加熱して微細結晶をガラス中
に析出させた結晶化ガラスであって、その主結晶がディ
オプサイトであることを特徴とする結晶化ガラスが提供
される。
【0009】 このとき、本発明では、結晶化ガラスの
ヤング率(E)が110〜158GPa、ヤング率
(E)/比重(ρ)が、40〜50、表面粗さが5nm
以下、熱膨張率が6×10-6〜10×10-6/K、結晶
粒径が2μm以下であることが好ましい。
【0010】 また、本発明によれば、ガラスの成形体
を再加熱して微細結晶をガラス中に析出させた結晶化ガ
ラスの製造方法であって、ガラス原料の主組成が、Ca
Oが10〜20mol%、MgOが10〜20mol
%、SiO2が37〜62mol%、Al23が10〜
15mol%、核形成剤が8〜12mol%であること
を特徴とする結晶化ガラスの製造方法が提供される。こ
のとき、SiO2は、ディオプサイトの量論組成である
結晶モル比(CaO:MgO:SiO2=1:1:2)
よりも多く含有されていることが好ましい。
【0011】 更に、本発明によれば、ガラスの成形体
を再加熱して微細結晶をガラス中に析出させた結晶化ガ
ラスの製造方法であって、ガラス原料の主組成が、Ca
Oが10〜20mol%、MgOが10〜20mol
%、SiO2が20〜62mol%、Al23が10〜
15mol%、核形成剤が8〜12mol%、残部がガ
ラス形成酸化物であることを特徴とする結晶化ガラスの
製造方法が提供される。このとき、SiO2は、ディオ
プサイトの量論組成である結晶モル比(CaO:Mg
O:SiO2=1:1:2)以上含有されていることが
好ましい。
【0012】 尚、本発明では、ガラスの成形体は、大
気中、700〜800℃で2時間以上熱処理した後、更
に900〜1000℃で0.5〜4時間熱処理すること
が好ましい。
【0013】 また、本発明で用いる核形成剤は、Ti
2、ZrO2、P25、MoO3、As23、Ta25
からなる群より選択した1又は2以上の物質であること
が好ましく、本発明で用いるガラス形成酸化物は、B2
3、P25,GeO2のいずれかであることが好まし
い。
【0014】
【発明の実施の形態】 本発明の結晶化ガラスは、ガラ
スの成形体を再加熱して微細結晶をガラス中に析出させ
た結晶化ガラスであって、その主結晶がディオプサイト
(CaO・MgO・2SiO2)であるものである。こ
れにより、高ヤング率であるとともに、高平坦、平滑性
であり、ステンレス鋼と同程度の高熱膨張率を有する結
晶化ガラスを得ることができる。
【0015】 すなわち、本発明の結晶化ガラスは、主
結晶をディオプサイト(CaO・MgO・2SiO2
にすることにより、ヤング率を110〜158GPa、
ヤング率(E)/比重(ρ)を40〜50にすることが
できるため、従来の結晶化ガラスよりも高速回転の際に
生じるたわみを確実に防止することができる。また、本
発明の結晶化ガラスは、結晶粒径を2μm以下にするこ
とにより、表面粗さを5nm以下(より好ましくは、
0.5nm以下)にすることができるため、磁気ヘッド
の浮上高(磁気メディアとヘッド間距離)を小さくする
(例えば、0.075μm以下にする)ことが可能とな
り、ハードディスクの高密度化に寄与することができ
る。更に、本発明の結晶化ガラスは、熱膨張率が6×1
-6〜10×10-6/K程度であるため、ガラス基板を
固定する部品の材質であるステンレス鋼との相性がよ
い。
【0016】 ここで、本発明の結晶化ガラスは、全結
晶相中のディオプサイトの結晶相の占める割合(f)
が、少なくとも50%以上であることが上記に示す特性
を発現させるために好ましい。
【0017】 尚、全結晶中のそれぞれの結晶相の占め
る割合(f)は、CuKαを線源とするX線回折装置か
ら得られたそれぞれの結晶相のメインピークの積分強度
を用いて、以下に示す式により算出される。 f(dio) =Idio /[Idio+Ispinel+Irutile+IMAT]×100 (%) f(spinel)=Ispinel/[Idio+Ispinel+Irutile+IMAT]×100 (%) f(rutile)=Irutile/[Idio+Ispinel+Irutile+IMAT]×100 (%) f(MAT) =IMAT /[Idio+Ispinel+Irutile+IMAT]×100 (%) ここで、 Idio :X線回折パターンの(h,k,l)=(−
2,2,1)に相当するディオプサイト(CaO・Mg
O・2SiO2)のメインピークの積分強度 Ispinel:X線回折パターンの(h,k,l)=(3,
1,1)に相当するスピネル(MgAl24)のメイン
ピークの積分強度 Irutile:X線回折パターンの(h,k,l)=(1,
1,0)に相当するルチル(TiO2)のメインピーク
の積分強度 IMAT :X線回折パターンの25°付近に相当するM
AT(Mg−Al−Ti−O)のメインピークの積分強
度 を表したものである。
【0018】 次に、本発明の結晶化ガラスの製造方法
について説明する。本発明の結晶化ガラスは、ガラスの
成形体を再加熱してガラス中に微細結晶としてディオプ
サイト(CaO・MgO・2SiO2)を主に析出させ
たものである。このとき、主結晶であるディオプサイト
(CaO・MgO・2SiO2)は、ガラスの成形体の
表面から結晶化し析出する傾向があるため、内側のガラ
ス成分がガラスの表面に引っ張られ、結晶化ガラスの内
部が中空になり、機械的強度が著しく低下するという欠
点があった。
【0019】 これを解消するために、本発明の結晶化
ガラスの主結晶となるディオプサイト(CaO・MgO
・2SiO2)出発原料に、結晶化ガラス中のマトリッ
クスガラスを密にするため、加えられたものの一部が網
目を形成し、一部が修飾酸化物のように網目の間隙に入
って非架橋酸素を作るように作用するAl23とSiO
2又はガラス形成酸化物を加えるとともに、微細なディ
オプサイトの結晶をマトリックスガラス中に均一に析出
させるため、結晶核の生成を促進や分相などを起こし結
晶化を促進させる核形成剤を加えたガラス原料を用いる
ことが、本発明のガラス基板の製造方法の最大の特徴で
ある。
【0020】 以上のことから、上記のガラス原料の主
組成は、CaOが10〜20mol%、MgOが10〜
20mol%、SiO2が37〜62mol%、Al2
3が10〜15mol%、核形成剤が8〜12mol%
であることが好ましい。このとき、CaO及びMgOの
組成範囲は10mol%以上20mol%以下であるこ
とが、本発明の結晶化ガラスの特性を発現させるために
必要である。尚、CaO及びMgOの組成範囲が10m
ol%未満であると、ディオプサイトの析出量が減少
し、110GPa以上のヤング率を得ることができず、
一方、CaO及びMgOの組成範囲が20mol%より
大きいと表面結晶化が生じ、均一な結晶化ガラスを作製
することができない。更に、本発明では、SiO2をデ
ィオプサイトの量論組成である結晶モル比(CaO:M
gO:SiO2=1:1:2)よりも多く含有すること
が重要である。尚、ディオプサイトの析出に使用されな
かったSiO2は、結晶化ガラス中のマトリックスガラ
スを密にするため、加えられたものの一部が網目を形成
し、一部が修飾酸化物のように網目の間隙に入って非架
橋酸素を作るように作用するAl23と同様な効果をも
たらす。
【0021】 また、上記のガラス原料の主組成は、C
aOが10〜20mol%、MgOが10〜20mol
%、SiO2が20〜62mol%、Al23が10〜
15mol%、核形成剤が8〜12mol%、残部がガ
ラス形成酸化物であってもよい。このとき、CaO及び
MgOの組成範囲は10mol%以上20mol%以下
であることが、本発明の結晶化ガラスの特性を発現させ
るために必要である。尚、CaO及びMgOの組成範囲
が10mol%未満であると、ディオプサイトの析出量
が減少し、110GPa以上のヤング率を得ることがで
きず、一方、CaO及びMgOの組成範囲が20mol
%より大きいと表面結晶化が生じ、均一な結晶化ガラス
を作製することができない。更に、本発明では、SiO
2をディオプサイトの量論組成である結晶モル比(Ca
O:MgO:SiO2=1:1:2)以上含有すること
が重要である。
【0022】 次に、本発明の結晶化ガラスの製造方法
は、上記のガラス原料から作製されたガラスの成形体
を、大気中、700〜800℃で2時間以上熱処理した
後、更に900〜1000℃で0.5〜4時間熱処理す
ることが好ましい。これは、第1段階(700〜800
℃)の熱処理で、ガラス中に結晶核の生成を予め行った
後、第2段階(900〜1000℃)の熱処理で、結晶
化することにより、マトリックスガラス中に微細なディ
オプサイト結晶(CaO・MgO・2SiO2)を均一
に埋め込むことができるからである。尚、第1段階の熱
処理を行うにあたり、析出する結晶核の数が多いほど、
第2段階の熱処理後の結晶化ガラスの結晶粒径が小さく
なり、表面粗さも小さくなる傾向があるため、ガラス中
に結晶核を均一かつ多量に生成させることが重要であ
る。
【0023】 本発明で用いる核形成剤は、ガラスから
微細な結晶を析出させるために、結晶核の生成を促進す
るものや分相などを起こし結晶化を促進する作用をもつ
ものであることが好ましく、例えば、TiO2、Zr
2、P25、MoO3、As23、Ta25からなる群
より選択した1又は2以上の物質を好適に用いることが
できる。
【0024】 また、本発明で用いるガラス形成酸化物
は、Zachariasenのガラス形成条件(1個
の酸素は2個以上の陽イオンと連結しない。陽イオン
を取り囲む酸素は一般的に少ない。3または4である
陽イオンを中心とする酸素多面体は、互いにその隅(頂
点)で連結し、稜または面を共有しない。酸素多面体
は少なくともそれぞれ3つの隅で連結している。)を満
足してガラス形成能力がある酸化物であることが好まし
く、例えば、B23、P25及びGeO2を好適に用い
ることができる。
【0025】 以上のことから、結晶化ガラスの主結晶
がディオプサイト(CaO・MgO・2SiO2)であ
り、その内部をマトリックスガラスで密にすることによ
り、高ヤング率であるとともに、高平坦、平滑性であ
り、ステンレス鋼に近い高熱膨張率を有する結晶化ガラ
スの製造を可能とした。
【0026】
【実施例】 以下、本発明の実施例を示すが、本発明は
これに限定されるものではない。尚、各例によって得ら
れた結晶化ガラスは、以下に示す方法により特性を評価
した。
【0027】(ヤング率の測定方法)JIS R160
2に従い、歪ゲージ法で行った。
【0028】(結晶粒径の測定方法)得られた結晶化ガ
ラスの走査型電子顕微鏡(SEM)写真を画像解析装置
にかけて、結晶粒径を測定した。
【0029】(表面粗さの測定方法)JIS B060
1に従い、中心線平均粗さ(Ra)を測定した。
【0030】(微細構造の観測方法)得られた結晶化ガ
ラスを鏡面研磨し、5wt%HF水溶液(RT)で3分
間エッチングした後、蒸留水で超音波洗浄した試料を走
査型電子顕微鏡(SEM)で観察した。
【0031】(析出結晶相の測定方法)得られた結晶化
ガラスをアルミナ乳鉢で粉砕後、粉末X線回折法により
結晶相の同定を行った。尚、このときの測定条件は、5
0kV、300mA、スキャンスピード:4°/mi
n、スキャンステップ:0.02°、走査範囲:10〜
80°であった。
【0032】(実施例1〜3,比較例1〜4)表1〜2
に示す組成になるように粉砕混合されたガラス原料を1
480℃で溶融したものをカーボン板上に直接、溶融ガ
ラスを流し出し、上からステンレス板でプレスした後、
700℃×1hrの熱処理(アニール)を行い、その後
徐冷することにより、約10mm程度の厚さのガラス基
板をそれぞれ作製した。
【0033】
【表1】
【0034】
【表2】
【0035】 次に、表3に示す条件で上記のガラス基
板をそれぞれ熱処理することにより、結晶化ガラスをそ
れぞれ作製した(実施例1〜3、比較例1〜4)。それ
ぞれ得られた結晶化ガラスのヤング率、E/ρ、結晶粒
径、表面粗さ、熱膨張率の測定結果を表3に示す。ま
た、それぞれ得られた結晶化ガラスの微細構造の観察結
果と析出結晶相の測定結果を表4に示す。
【0036】
【表3】
【0037】
【表4】
【0038】(比較例5〜7)現在、ハードディスク用
の基板材料として使用されている化学強化ガラス、結晶
化ガラス、アルミニウム合金のヤング率及び熱膨張率を
表5に示す。
【0039】
【表5】
【0040】(考察:実施例1〜3,比較例1〜7)本
発明の結晶化ガラス(実施例1〜3)は、表3に示すよ
うに、従来のハードディスク用の基板材料(比較例3〜
7)と比較して、ヤング率とE/ρを大幅に向上させる
ことができるため、ハードディスク用の基板材料として
用いた場合、高速回転の際に生じるたわみを確実に防止
することができると考えられる。また、本発明の結晶化
ガラス(実施例1〜3)は、結晶粒径を2μm以下にす
ることにより、表面粗さを5nm以下にすることができ
るため、ハードディスク用の基板材料として用いた場
合、磁気ヘッドの浮上高(磁気メディアとヘッド間距
離)を小さくすることが可能となり、ハードディスクの
高密度化が可能であると考えられる。更に、本発明の結
晶化ガラス(実施例1〜3)は、熱膨張率を6.0×1
-6〜6.4×10-6/K程度にすることができるた
め、ハードディスク用の基板材料として用いた場合、基
板を固定する部品であるステンレス鋼との相性がよいと
考えられる。
【0041】 次に、本発明の結晶化ガラス(実施例1
〜3)は、表4に示すように、マトリックスガラス中に
多数の微細なディオプサイト結晶が均一に析出している
とともに、全結晶相中のディオプサイトの結晶相の占め
る割合(f)が少なくとも50%以上であることを確認
した。
【0042】 一方、比較例1は、ヤング率が110G
Pa未満、E/ρが40未満、熱膨張率が6.0×10
-6/K未満であるため、ハードディスク用の基板材料と
して不適であった。比較例2は、ガラス材料の組成中に
十分なSiO2又はガラス形成酸化物が含まれていない
ことから、結晶化ガラスの内部が中空となり、機械的強
度が著しく低下してしまうため、ヤング率及び熱膨張率
の測定ができなかった。
【0043】
【発明の効果】 以上説明したように、本発明によれ
ば、ディオプサイト(CaO・MgO・2SiO2)を
主結晶として析出させることにより、高ヤング率である
とともに、高平坦、平滑性であり、ステンレス鋼に近い
高熱膨張率を有する結晶化ガラスを得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4G015 EA02 4G062 AA11 CC01 CC09 CC10 DA05 DA06 DB04 DC01 DC02 DC03 DC04 DD01 DD02 DD03 DD04 DE01 DF01 EA01 EB01 EC01 ED04 EE04 EF01 EG01 FA01 FA10 FB01 FB02 FB03 FB04 FC01 FC02 FC03 FC04 FD01 FD02 FD03 FD04 FE01 FF01 FG01 FH01 FH02 FH03 FH04 FJ01 FK01 FL01 GA01 GB01 GC01 GD01 GE01 HH01 HH03 HH05 HH07 HH08 HH09 HH11 HH13 HH15 HH17 HH20 JJ01 JJ03 JJ04 JJ05 JJ07 JJ10 KK01 KK03 KK05 KK07 KK10 MM27 MM29 NN29 NN33 QQ08

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガラスの成形体を再加熱して微細結晶を
    ガラス中に析出させた結晶化ガラスであって、その主結
    晶がディオプサイトであることを特徴とする結晶化ガラ
    ス。
  2. 【請求項2】 ヤング率が、110〜158GPaであ
    る請求項1に記載の結晶化ガラス。
  3. 【請求項3】 ヤング率(E)/比重(ρ)が、40〜
    50である請求項1又は2に記載の結晶化ガラス。
  4. 【請求項4】 表面粗さが、5nm以下である請求項1
    〜3のいずれか1項に記載の結晶化ガラス。
  5. 【請求項5】 熱膨張率が、6×10-6〜10×10-6
    /Kである請求項1〜4のいずれか1項に記載の結晶化
    ガラス。
  6. 【請求項6】 結晶粒径が、2μm以下である請求項1
    〜5のいずれか1項に記載の結晶化ガラス。
  7. 【請求項7】 ガラスの成形体を再加熱して微細結晶を
    ガラス中に析出させた結晶化ガラスの製造方法であっ
    て、 ガラス原料の主組成が、CaOが10〜20mol%、
    MgOが10〜20mol%、SiO2が37〜62m
    ol%、Al23が10〜15mol%、核形成剤が8
    〜12mol%であることを特徴とする結晶化ガラスの
    製造方法。
  8. 【請求項8】 SiO2が、ディオプサイトの量論組成
    である結晶モル比(CaO:MgO:SiO2=1:
    1:2)よりも多く含有されている請求項7に記載の結
    晶化ガラスの製造方法。
  9. 【請求項9】 ガラスの成形体を、大気中、700〜8
    00℃で2時間以上熱処理した後、更に900〜100
    0℃で0.5〜4時間熱処理する請求項7又は8に記載
    の結晶化ガラスの製造方法。
  10. 【請求項10】 核形成剤が、TiO2、ZrO2、P2
    5、MoO3、As23、Ta25からなる群より選択
    した1又は2以上の物質である請求項7〜9のいずれか
    1項に記載の結晶化ガラスの製造方法。
  11. 【請求項11】 ガラスの成形体を再加熱して微細結晶
    をガラス中に析出させた結晶化ガラスの製造方法であっ
    て、 ガラス原料の主組成が、CaOが10〜20mol%、
    MgOが10〜20mol%、SiO2が20〜62m
    ol%、Al23が10〜15mol%、核形成剤が8
    〜12mol%、残部がガラス形成酸化物であることを
    特徴とする結晶化ガラスの製造方法。
  12. 【請求項12】 SiO2が、ディオプサイトの量論組
    成である結晶モル比(CaO:MgO:SiO2=1:
    1:2)以上含有されている請求項11に記載の結晶化
    ガラスの製造方法。
  13. 【請求項13】 ガラスの成形体を、大気中、700〜
    800℃で2時間以上熱処理した後、更に900〜10
    00℃で0.5〜4時間熱処理する請求項11又は12
    に記載の結晶化ガラスの製造方法。
  14. 【請求項14】 核形成剤が、TiO2、ZrO2、Mo
    3、As23、Ta25からなる群より選択した1又
    は2以上の物質である請求項11〜13のいずれか1項
    に記載の結晶化ガラスの製造方法。
  15. 【請求項15】 ガラス形成酸化物が、B23、P25
    及びGeO2のいずれかである請求項11〜14のいず
    れか1項に記載の結晶化ガラスの製造方法。
  16. 【請求項16】 核形成剤が、P25である請求項11
    〜13のいずれか1項に記載の結晶化ガラスの製造方
    法。
  17. 【請求項17】 ガラス形成酸化物が、B23又はGe
    2である請求項16に記載の結晶化ガラスの製造方
    法。
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