JP2000177033A - 合紙を原料とする精密三次元立体薄硬紙プレス形成法 - Google Patents

合紙を原料とする精密三次元立体薄硬紙プレス形成法

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JP2000177033A
JP2000177033A JP10354973A JP35497398A JP2000177033A JP 2000177033 A JP2000177033 A JP 2000177033A JP 10354973 A JP10354973 A JP 10354973A JP 35497398 A JP35497398 A JP 35497398A JP 2000177033 A JP2000177033 A JP 2000177033A
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Masami Ishibashi
正己 石橋
Satoshi Ishibashi
聡 石橋
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ISHIBASHI KK
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ISHIBASHI KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 厚紙古紙などの合紙を原料として、加熱プレ
スにより高い精度の型崩れを起さない高い強度を有し且
つ平滑面を有する精密三次元立体薄硬紙製品を製造する
方法を提供する。 【解決手段】 平板合紙を原料とし、その原料紙から収
縮率を計算して切り抜き形成した原型を得る抜型工程
と、その原型原料紙を吸水させて約80%の含水率にす
る含水工程と、三次元立体型のプレス機でプレスしつつ
同時に温度を約200℃に加熱し、約2%の含水率まで
脱水するプレス加熱脱水工程とから成り、表面が平滑且
つ薄くて硬い型崩れしない立体形成品を得ることを特徴
とする合紙を原料とする精密三次元立体薄硬紙プレス形
成法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、厚紙古紙などの合
紙を原料として、プレスにより機械工業用などの高精度
の三次元立体薄硬紙製品を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】これまで、厚紙古紙などの合紙を、その
ままプレスして立体加工しようとすると、折り曲げ部分
に割れが生じたり、湾曲に絞り加工しても曲げた状態か
ら復元方向に型戻りするなどの問題が生じて、粗雑な商
品としてはできたとしても、機械工業用などの寸法精度
の高い精密品としては商品として成り立たないため現在
そのように単にプレスによる立体加工をすることは殆ど
行われていない。単なる折り曲げ加工では、折り曲げ線
に沿って表面にVカットを入れて不規則な割れ目が入る
のを防いで折り曲げるなどの工夫をしている。
【0003】一方、三次元立体に加工においては、特開
平5−230787号及び特開平8−389号に開示さ
れているような、型を用いた紙抄きにより形成すること
が行われている。この紙抄きによる方法では出来上がっ
た製品の表面に原料スラリ−の抄きムラによる凹凸の発
生が避けられない難点があり、平滑な表面の紙製品はこ
の方法では得られなかった。このためこの方法の場合に
も精度の高い商品の製造方法としては実施されていな
い。
【0004】また、特開平7−214705号にボール
紙やカード紙などの原紙に水を含ませて紙質を柔らかく
し、接着剤を介して重ね合わせたて絞り皺を付与した後
に型を用いて平皿にプレス形成することが提案されてい
る。この方法の場合、「接着剤を介しての重ね合わせ」
や「絞り皺の付与」という製造上面倒な工程があり、ま
た得られた製品においては若干の型崩れや表面の平滑面
が得られない難点があり、特に寸法精度の高い複雑な三
次元立体製品を製造することはできなかった。
【0005】他方においては、現在、工作機械や輸送機
械などの製造にあたり、フレ−ムや車体などに設けるボ
ルト孔の位置決めなどには、位置を一度に合わせるため
に、予め決めた正確な寸法に多数孔の位置を示し、孔開
け対象面に対応させて三次元立体に形成した精密硬質樹
脂製品が使用されている。その製品はすべて一度使用す
ると、孔の正確なセンタ−位置を示せなくなり、再使用
することができずにそのまま全て廃棄されている。その
廃棄物は、再生利用されるものもあるが、再生すること
は経済効率が悪くその殆どが埋め立てや焼却により処分
されている。現在ごみ問題が大きな社会問題となってい
るが、この分野においてもその廃棄処分の有効な解決策
が待たれていた。
【0006】また、現在、廃棄されて回収することは進
んでいるが、その回収した古紙の再利用において用途の
開発が追い着かず、毎年膨大な量の回収紙が利用されな
いまま野積み状態になり回収業者も困惑している現状が
ある。その紙類の中で、包装などに用いられた厚紙も膨
大な回収量である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】これまで紙では精密さ
を求めることができないとされてきた一般通念を覆し、
本発明は、厚紙古紙などの合紙を原料として、工業用な
どに使用可能な高い寸法精度が得られ、その得られた製
品に型崩れがなく、高強度で且つ表面精度の高い平滑面
を有する精密三次元立体薄硬紙製品を製造する方法を提
供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するために、平板合紙を原料とし、その原料紙から収
縮率を計算して切り抜き形成した原型を得る抜型工程
と、その原型原料紙を吸水させて40〜90%の含水率
にする含水工程と、三次元立体型のプレス機でプレスし
つつ同時に温度を100〜250℃に加熱し、3〜2%
の含水率まで脱水するプレス加熱脱水工程とから成り、
表面が平滑且つ薄くて硬い型崩れしない立体形成品を得
ることを特徴とする合紙を原料とする精密三次元立体薄
硬紙プレス形成法である。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を以下説明す
る。本発明の製造工程は下記(1)〜(3)の順であ
る。
【0010】(1)抜型工程 平板合紙(多積層合紙)を原料とし、その原料紙から収
縮率を計算して切り抜き形成した原型を得る。 (2)含水工程 原型原料紙を吸水させて40〜90%の含水率にする。 (3)プレス加熱脱水工程 三次元立体型のプレス機でプレスしつつ同時に温度を1
00〜250℃に加熱し、3〜2%の含水率まで脱水す
る。
【0011】本発明は、以上(1)〜(3)の工程によ
り、表面が平滑且つ薄くて硬い型崩れしない精密三次元
立体薄硬紙の立体形成品を得ることができる。
【0012】上記(1)の抜型工程において、用いる原
料の平板合紙は、接着剤を介して複数積層形成された合
紙としての厚紙である。
【0013】そして、その原料紙から収縮率を計算して
切り抜き形成した原型を得る。収縮率は原料紙により異
なるが、予めテストしてその紙の収縮デ−タを得て、そ
のデ−タの収縮値からコンピュ−タにより全体の抜型形
状の寸法を演算した数値を原型設計値として用い、平面
状態の展開図を作成する。その展開図に基づいて原料紙
から抜型を作成する。
【0014】また、上記(2)の含水工程において、原
型原料紙を水中に入れたり、水蒸気を吹き付けたりする
ことにより吸水させて40〜90%の含水率にする。合
紙原料の厚さや材質などにより異なるが、約70〜80
%が最適値である。含水率が40%以下ではまだ硬さが
残り、商品に精度と強度を得ることが難しい。また紙は
多く水を含んでも90%以上には実際にはなりにくく、
無理に含ませても絡み合った繊維が分離して形が崩れる
虞がある。また、80%から90%に近づくにしたがっ
てこの後工程において脱水するのに乾燥時間が増加する
ことになる。
【0015】また、上記(3)のプレス加熱脱水工程に
おいて、各種製品の立体形状に形成した三次元立体型を
用いてプレス機で例えば1kg/cmの圧力でプレス
する。プレス金型は合紙の収縮率を計算して作ったもの
を用い、そのプレス金型面の各所には発生する水蒸気を
発散させる逃孔を設けてある。
【0016】このプレスと同時に付帯してあるヒ−タ−
で温度を100〜250℃に加熱する。合紙に含まれて
いる水は沸点を超えて水蒸気となり逃孔から発散して行
く。そして3〜2%の含水率まで脱水される。温度は1
00℃以下の場合には、含まれる水が沸騰しないので脱
水できない。また温度は250℃以上の場合には、紙の
表面が焦げたように黒変してしまう虞があり、温度をさ
らに高くすると焦げつき発火する虞がある。
【0017】また、含水率は脱水により3〜2%まで低
下させる必要がある。大きさや厚さなどにもよるが、例
えば4mmの厚さの合紙を用いた場合、約200℃の温
度設定では約5分で含水率が3〜2%まで低下する。そ
して、プレスにより厚さが約2mmに大変薄くなるとと
もに紙表面が平滑となり艶が出てプラスチック製品の如
く硬くなる。またその強度は下記の試験例のように優れ
たものとなる。
【0018】また、通常作られている合紙の厚さを考慮
しても、プレス加熱時間はおよそ1〜30分ほどであ
る。その時間の設定は、原料合紙が薄い場合には1分と
短時間に製造でき、逆に厚くて含水率が90%に近いと
乾燥に要する時間が30分程かかる場合があるので、紙
質、紙厚、含水率等を勘案して最適な時間に調整する。
そして、プレス加熱脱水工程において、乾燥不足、即ち
含水率が3%よりも高い場合には、含まれる水蒸気の悪
作用によって、得られた製品の形状が不安定となり、後
になって著しい変形が生じることがある。
【0019】できた製品の型が崩れないのは、加熱プレ
スにより容積が1/2〜1/6の高い密度になると同時
に合紙層間の糊が軟化して繊維に沁み込み繊維結合剤の
働きをするためである。そして、全体がプラスチックの
ように形状が保持された状態で硬くなる。したがって、
使用する水に酢酸ビニル系の糊を加えることによりその
繊維の結合効果を高め、型崩れしないより強度が優れ、
表面に艶のある加工品を製造することができる。また、
使用する水に水溶性ニス(熱硬化剤)を混入することに
よって、耐湿性の優れた製品を製造することができる。
【0020】なお、紙の色は薫んだ色になる傾向があ
り、前記含水工程において、水に顔料を入れれば得られ
る製品を各種好みの色に着色することもできる。
【0021】
【試験例】例えば、合紙を用いてプレス加工した円形の
中央に窪みを作った灰皿型のものを、単にプレスして製
作したものと本発明により製作したものとを比較耐圧試
験をした結果下記のようであった。
【0022】 加工条件 本発明品 原料紙含水率 :80% 加圧 :1kg/cm 加熱 :200℃ プレス時間 :5分 完成品含水率 :3% 比較品 加圧 :1kg/cm プレス時間 :5分 原料合紙 厚さ 4mm 完成品の形状 外径 100mm 窪み部分の内径 40mm 窪み部分の深さ 10mm 紙の厚さ 本発明の完成品 1.8mm 比較品の完成品 3.5mm(単なるプレスによる収縮)
【0023】 試験結果(中央部を加圧して破壊された時の荷重を測定) 本発明品の耐圧荷重 30kg 比較品の耐圧荷重 12kg
【0024】この試験の結果、比較品に比べて本発明品
は破壊強度が倍以上に向上したことがわかる。
【0025】
【発明の効果】本発明は以上のようで、これまで紙製品
では精密さや硬さを求めることができないとされてきた
一般通念を覆し、厚紙古紙などの合紙を原料として、精
密機械工業用などに使用可能な高い寸法精度が得られ、
且つその得られた製品に型崩れがなく、高強度で且つ表
面が平滑で精度の高い精密三次元立体薄硬紙製品を製造
することが可能となった。
【0026】特に、これまでのプレス成形後にカットし
て製造する方法では、「直角曲げ」及び「湾曲(R)曲
げ」などの加工はできたとしても、製品の辺縁が三次元
立体的な内側に巻き込んだ「U字曲げ」(「コの字曲
げ」とも呼ばれる)部分を有する物品の製造について
は、割れや変形の発生を免れなかったのでまともな製品
として製造することは殆どできず、まして精密品として
製造することは全く不可能であった。しかし、本発明に
より展開図から作成する原型原料紙をプレスする方法に
よって後カットによる外周縁などの形成が不要となり、
「U字曲げ」などの三次元的に変化に富んだ辺縁形状の
精密製品を製造することが初めて可能となった。
【0027】そして、そのように複雑な三次元立体的形
状の紙製品の製造が可能となるとともに加工品の精度及
び強度が高まったことにより紙製品の用途も精密機械工
業用の位置決め型紙、使い捨て治具、機械電子機器用の
立体部品、緩衝材及び各種収納容器などこれまでのプラ
スチックなどの石油化学原料の製品に替わるものとして
(また、これまでの樹脂製品よりも耐熱性の優れた素材
部品としてなど、その紙としての特性を生かして)各種
方面への用途範囲の拡大が可能となった。
【0028】また、廃棄物として回収した古紙を再利用
できるようにすることで消費でき、ゴミの量を削減する
のみならず、部分的ではあるがプラスチックなとの樹脂
と代替可能とすることでその分石油化学原料資源の消費
量を削減し、間接的には焼却によって発生する有害化学
物質の排出を削減に寄与することとなる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平板合紙を原料とし、その原料紙の収縮
    率を計算して切り抜き形成した原型を得る抜型工程と、
    その原型原料紙を吸水させて40〜90%の含水率にす
    る含水工程と、三次元立体型のプレス機でプレスしつつ
    同時に温度を100〜250℃に加熱し、3〜2%の含
    水率まで脱水するプレス加熱脱水工程とから成り、表面
    が平滑且つ薄くて硬い型崩れしない立体形成品を得るこ
    とを特徴とする合紙を原料とする精密三次元立体薄硬紙
    プレス形成法。
JP10354973A 1998-12-14 1998-12-14 合紙を原料とする精密三次元立体薄硬紙プレス形成法 Pending JP2000177033A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006075435A1 (ja) * 2005-01-13 2006-07-20 Ishibashi Co., Ltd. 板紙立体成形パレット
JP2010264986A (ja) * 2009-05-12 2010-11-25 Nakai Shiki Kogyo Kk 紙成形品の製造方法及び製造装置
US8282866B2 (en) 2008-06-30 2012-10-09 Seiko Epson Corporation Method and device for forming three-dimensional model, sheet material processing method, and sheet material processing device

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