JP2000176793A - 工作機械 - Google Patents

工作機械

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JP2000176793A
JP2000176793A JP10357082A JP35708298A JP2000176793A JP 2000176793 A JP2000176793 A JP 2000176793A JP 10357082 A JP10357082 A JP 10357082A JP 35708298 A JP35708298 A JP 35708298A JP 2000176793 A JP2000176793 A JP 2000176793A
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JP
Japan
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spindle
tool
detecting
supporting
spindle head
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Withdrawn
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JP10357082A
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English (en)
Inventor
Yoshiaki Akamatsu
良昭 赤松
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DMG Mori Co Ltd
Original Assignee
Mori Seiki Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】機上でのワーク測定を、安価なシステムで、し
かも簡単な準備作業で行うことができる工作機械を提供
する。 【解決手段】ワークWを固定,支持する支持手段50
と、主軸3を非接触で回転自在に支持する主軸ヘッド2
と、支持手段50及び主軸ヘッド2を支持するベッド
と、支持手段50及び/又は主軸ヘッド2を移動させる
駆動手段と、機械座標系における主軸3の位置を検出す
る位置検出手段42と、位置検出手段42により検出さ
れた位置データを基に駆動手段の作動を数値制御する数
値制御手段41とを備えた工作機械において、主軸3の
半径方向及び/又は軸方向の変位を検出する変位検出手
段45と、変位検出手段45により検出された検出信号
及び位置検出手段42により検出された位置データを基
に、ワークWの形状データを算出する形状データ算出手
段43とを設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ワークを固定,支
持する支持手段と、主軸を非接触で回転自在に支持する
主軸ヘッドと、前記支持手段及び主軸ヘッドを支持する
ベッドと、前記支持手段及び/又は主軸ヘッドを移動さ
せる駆動手段と、機械座標系における前記主軸の位置を
検出する位置検出手段と、該位置検出手段により検出さ
れた位置データを基に前記駆動手段を数値制御する数値
制御手段とを備えた工作機械に関し、更に詳しくは、加
工されたワークの形状測定、工具補正データの算出や工
具の損傷状態の検出を機上で行うことができる工作機械
に関する。
【0002】
【従来の技術】加工されたワークの形状を機上で測定す
ることができるように設けられた、上記工作機械の一例
としての立形マシニングセンタを図5に示す。同図に示
すように、このマシニングセンタ100は、ワークWを
固定,支持するテーブル103と、主軸102を回転自
在に支持する主軸ヘッド101と、テーブル103及び
主軸ヘッド101を支持する支持手段(ベッド,コラム
など)(図示せず)と、テーブル103及び/又は主軸
ヘッド101を移動させ、テーブル103と主軸ヘッド
101とを相対的に3次元3軸方向(X軸,Y軸,Z
軸)に移動させる駆動手段(図示せず)と、この駆動手
段(図示せず)の作動を数値制御する数値制御装置10
4と、前記主軸102に着脱自在に設けられたタッチセ
ンサ108と、前記主軸102の前端部近傍に設けられ
た受光器111とを備えている。
【0003】前記タッチセンサ108は、中立位置を中
心として揺動自在に設けられた接触子109と、タッチ
センサ108内部の接点がONとなったときに発光する
発光素子110とを備えており、前記接触子109が対
象物と接触して所定の角度だけ揺動した際に接点がON
となり、発光素子110が発光するようになっている。
そして、発光素子110が発光すると、主軸102の近
傍に設けられた受光器111がこれを受光し、この受光
器111から前記数値制御装置104に所定の受光信号
が入力されるようになっている。
【0004】また、前記数値制御装置104は、例え
ば、前記駆動手段(図示せず)に備えられるロータリエ
ンコーダなどに接続し、機械座標系における前記主軸1
02の位置を随時算出する位置座標算出部106と、こ
の位置座標算出部106により算出された位置データを
基に前記駆動手段(図示せず)の作動を数値制御する駆
動制御部105と、前記受光器111から入力された受
光信号及び前記位置座標算出部106により算出された
位置データを基に前記ワークWの形状データを算出する
形状データ算出部107とを備えている。
【0005】そして、このマシニングセンタ100によ
れば、まず、前記駆動制御部105による制御の下で前
記駆動手段(図示せず)を駆動して、ワークWを支持し
たテーブル103と主軸ヘッド101とを相対的に移動
させ、タッチセンサ108の接触子109をワークWに
接触させ、タッチセンサ108の内部接点をONにす
る。
【0006】タッチセンサ108の内部接点がONにな
ると、発光素子110から光が発せられて受光器111
に受光され、受光器111から数値制御装置104に受
光信号が入力される。受光信号が入力されると、形状デ
ータ算出部107は、そのときの主軸102とテーブル
103との相対的な位置関係、即ち、前記位置座標算出
部106により算出された機械座標系における主軸10
2の位置座標を、この位置座標算出部106から入力し
て記憶する。
【0007】このようにして、タッチセンサ108をワ
ークWに接触させ、そのときに検出された主軸102の
位置座標データを形状データ算出部106において処理
することにより、ワークWに加工された穴の寸法の他、
ワークWの長さ寸法、2つの面間の幅寸法や段差のある
2面間の段差寸法などワークWの各種の形状について、
これを測定することができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上述したタ
ッチセンサ108は、接触子109の揺動によってON
となる接点を内部に備えたものであるため、その機構が
複雑であること、並びに接触子109にルビーなどの高
価な材料が用いられることなどから、その価格が高く、
そのために、ワークWの形状を機上で測定するためのシ
ステム全体の価格が高くなるという問題があった。
【0009】また、これらは測定専用の部品であるた
め、全体として部品点数が多くなるという問題もあっ
た。
【0010】本発明は以上の実情に鑑みなされたもので
あって、機上でのワークの形状測定、工具補正データの
算出や工具の損傷状態の検出を、安価なシステムで、し
かも簡単な準備作業で行うことができる工作機械の提供
を目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段及びその効果】上記目的を
達成するための本発明の請求項1に係る発明は、ワーク
を固定,支持する支持手段と、主軸を非接触で回転自在
に支持する主軸ヘッドと、前記支持手段及び主軸ヘッド
を支持するベッドと、前記支持手段及び/又は主軸ヘッ
ドを移動させる駆動手段と、機械座標系における前記主
軸の位置を検出する位置検出手段と、該位置検出手段に
より検出された位置データを基に前記駆動手段の作動を
数値制御する数値制御手段とを備えた工作機械におい
て、主軸の半径方向及び/又は軸方向の変位を検出する
変位検出手段と、該変位検出手段により検出された検出
信号及び前記位置検出手段により検出された位置データ
を基に、前記ワークの形状データを算出する形状データ
算出手段とを設けて構成したことを特徴とするものであ
る。
【0012】この発明によれば、例えば、円柱状の部材
を保持した工具ホルダを主軸に装着し、数値制御手段に
よる制御の下、前記駆動手段を駆動して、ワークを支持
した支持手段と主軸ヘッドとを相対的に移動させる。
【0013】そして、例えば、ワークに加工された穴の
中心位置を測定する場合、前記円柱部材を穴内に侵入さ
せた後、この円柱部材が穴の内周面と接触するように、
前記主軸の軸線と直交する方向、即ち半径方向に前記支
持手段と主軸ヘッドとを相対的に移動させる。この接触
により、前記円柱部材と穴内周面との接触部において前
記主軸が穴内周面から抗力を受け、主軸が非接触で支持
されていることから、当該主軸が前記主軸ヘッドに対し
て相対的に移動し、その変位が変位検出手段により検出
される。
【0014】前記形状データ算出手段は、前記変位検出
手段からの検出信号を受信して、そのときの主軸の位置
データを前記位置検出手段から読み込み記憶する。こう
して、主軸ヘッドを順次移動させて前記円柱部材を穴内
周面の数カ所に接触させることにより、接触時の主軸の
各位置データが前記形状データ算出手段に記憶される。
そして、必要な位置データを全て記憶すると、前記形状
データ算出手段は記憶された各位置データを処理して前
記穴の中心位置を算出する。
【0015】このように、この発明によれば、主軸ヘッ
ドを移動させて、主軸に装着した接触子をワークに接触
させ、そのときに検出された主軸の位置データを形状デ
ータ算出手段において処理することにより、上述した穴
の中心位置他、ワークの長さ寸法、2つの面間の幅寸法
や段差のある2面間の段差寸法といったワークの各種の
形状データが算出される。
【0016】斯くして、この発明によれば、ワークと接
触子との接触を主軸の変位によって検出するようにした
ので、従来のように高価なタッチセンサを用いる必要が
無く、例えば円柱部材といった極めて安価な部材を接触
子に用いることができる。これにより、機上でワークを
測定するためのシステム全体の価格を安価なものとする
ことができる。また、測定専用の部品が多くなることも
ない。
【0017】また、本発明の請求項2に係る発明は、ワ
ークを固定,支持する支持手段と、磁気軸受により主軸
を非接触で回転自在に支持する主軸ヘッドと、前記支持
手段及び主軸ヘッドを支持するベッドと、前記支持手段
及び/又は主軸ヘッドを移動させる駆動手段と、機械座
標系における前記主軸の位置を検出する位置検出手段
と、該位置検出手段により検出された位置データを基に
前記駆動手段の作動を数値制御する数値制御手段とを備
えた工作機械において、前記磁気軸受に供給される供給
電力の変化を検出する電力変化検出手段と、該電力変化
検出手段により検出された検出信号及び前記位置検出手
段により検出された位置データを基に、前記ワークの形
状データを算出する形状データ算出手段とを設けて構成
したことを特徴とするものである。
【0018】この発明によれば、上記請求項1の発明に
おけると同様にして、例えば、円柱状の部材を保持した
工具ホルダを主軸に装着し、数値制御手段による制御の
下で前記駆動手段を駆動し、ワークを支持した支持手段
と主軸ヘッドとを相対的に移動させて円柱部材をワーク
に接触させると、主軸が非接触で支持されていることか
ら、当該主軸が前記主軸ヘッドに対して相対的に移動す
る。通常、磁気軸受は主軸が中立位置に位置するよう
に、その供給電力が調節されるように設けられているた
め、前記主軸の移動に応じた供給電力の変化、即ち主軸
が移動したことが電力変化検出手段によって検出され
る。
【0019】そして、このようにして主軸ヘッドを移動
させて円柱部材をワークに接触させることにより、請求
項1の発明におけると同様にして、接触時の主軸の位置
データが前記形状データ算出手段に読み込まれ、読み込
まれた位置データが形状データ算出手段により処理さ
れ、ワークの各種の形状データが算出される。
【0020】斯くして、この発明によっても上述した請
求項1の発明におけると同様の作用,効果が奏される。
【0021】また、本発明の請求項3に係る発明は、ワ
ークを固定,支持する支持手段と、主軸を非接触で回転
自在に支持する主軸ヘッドと、前記支持手段及び主軸ヘ
ッドを支持するベッドと、前記支持手段及び/又は主軸
ヘッドを移動させる駆動手段と、機械座標系における前
記主軸の位置を検出する位置検出手段と、該位置検出手
段により検出された位置データを基に前記駆動手段の作
動を数値制御する数値制御手段とを備えた工作機械にお
いて、主軸の半径方向及び/又は軸方向の変位を検出す
る変位検出手段と、該変位検出手段により検出された検
出信号を基に、前記主軸に装着された工具の工具補正デ
ータを算出する工具補正データ算出手段とを設けて構成
したことを特徴とするものである。
【0022】この発明によれば、工具を主軸に装着した
後、数値制御手段による制御の下、前記駆動手段を駆動
して、前記支持手段と主軸ヘッドとを相対的に移動さ
せ、主軸に装着された工具の刃先が支持手段上に固定さ
れた適宜基準部材と接触することができる位置に、主軸
ヘッドを移動させる。
【0023】工具刃先が基準部材と接触すると、請求項
1の発明における作用と同様の作用の下、前記変位検出
手段によって当該接触が検出される。前記工具補正デー
タ算出手段は、前記変位検出手段からの検出信号を受信
して、そのときの主軸の位置データを前記変位検出手段
から読み込み、この位置データなどを基に工具補正デー
タを算出する。
【0024】このように、この発明によれば、工具補正
データを算出するための特別な機器を必要とせず、これ
を効率良く、しかも低コストで算出することができる。
【0025】また、本発明の請求項4に係る発明は、ワ
ークを固定,支持する支持手段と、磁気軸受により主軸
を非接触で回転自在に支持する主軸ヘッドと、前記支持
手段及び主軸ヘッドを支持するベッドと、前記支持手段
及び/又は主軸ヘッドを移動させる駆動手段と、機械座
標系における前記主軸の位置を検出する位置検出手段
と、該位置検出手段により検出された位置データを基に
前記駆動手段の作動を数値制御する数値制御手段とを備
えた工作機械において、前記磁気軸受に供給される供給
電力の変化を検出する電力変化検出手段と、該電力変化
検出手段により検出された検出信号を基に、前記主軸に
装着された工具の工具補正データを算出する工具補正デ
ータ算出手段とを設けて構成したことを特徴とするもの
である。
【0026】上述したように、通常、磁気軸受は主軸が
中立位置に位置するように、その供給電力が調節される
ように設けられているため、この供給電力の変化を電力
変化検出手段により検出することによって、主軸の移動
(変位)の有無を検出することができる。
【0027】従って、この発明によっても上記請求項3
の発明におけると同様にして、工具を主軸に装着した
後、数値制御手段による制御の下、前記駆動手段を駆動
して、前記支持手段と主軸ヘッドとを相対的に移動さ
せ、主軸に装着された工具の刃先が支持手段上に固定さ
れた適宜基準部材と接触することができる位置に、主軸
ヘッドを移動させ、電力変化検出手段により工具刃先と
基準部材との接触を検出することによって、工具補正デ
ータ算出手段において工具補正データが算出される。
【0028】斯くして、この発明によっても上述した請
求項3の発明におけると同様の作用,効果が奏される。
【0029】また、本発明の請求項5に係る発明は、ワ
ークを固定,支持する支持手段と、主軸を非接触で回転
自在に支持する主軸ヘッドと、前記支持手段及び主軸ヘ
ッドを支持するベッドと、前記支持手段及び/又は主軸
ヘッドを移動させる駆動手段と、機械座標系における前
記主軸の位置を検出する位置検出手段と、該位置検出手
段により検出された位置データを基に前記駆動手段の作
動を数値制御する数値制御手段とを備えた工作機械にお
いて、主軸の半径方向及び/又は軸方向の変位を検出す
る変位検出手段と、該変位検出手段により検出された検
出信号を基に、前記主軸に装着された工具の損傷状態を
識別する識別手段とを設けて構成したことを特徴とする
ものである。
【0030】この発明によれば、工具を主軸に装着した
後、数値制御手段による制御の下、前記駆動手段を駆動
して、前記支持手段と主軸ヘッドとを相対的に移動さ
せ、主軸に装着された工具の刃先が支持手段上に固定さ
れた適宜基準部材と接触することができる位置に、主軸
ヘッドを移動させる。
【0031】その際、前記変位検出手段からの検出信号
が前記識別手段により監視され、変位検出手段から検出
信号が出力された場合には工具が正常であり、変位検出
手段から検出信号が出力されない場合には工具が異常で
あると、前記識別手段により判定される。
【0032】正常な工具の刃先が前記基準部材に接触す
ると、主軸が接触に伴う抗力を受けて主軸ヘッドに対し
て相対的に移動し、その際の変位が変位検出手段により
検出される一方、工具の刃先が異常に摩耗している場合
や欠損している場合には、主軸ヘッドを上記接触位置に
移動させても、刃先が基準部材と接触しないか若しくは
極めて僅かにしか接触しないため、変位検出手段による
主軸の変位は検出されない。従って、主軸ヘッドを前記
接触位置に移動させ、前記識別手段によって変位検出手
段からの検出信号を監視することにより、工具が正常で
あるか否かを判定することができる。
【0033】このように、この発明によれば、加工に使
用される工具の損傷状態を検出することができるので、
工具の異常摩耗や欠損によって加工不良が生じるのを未
然に防止することができる。
【0034】また、本発明の請求項6に係る発明は、ワ
ークを固定,支持する支持手段と、磁気軸受により主軸
を非接触で回転自在に支持する主軸ヘッドと、前記支持
手段及び主軸ヘッドを支持するベッドと、前記支持手段
及び/又は主軸ヘッドを移動させる駆動手段と、機械座
標系における前記主軸の位置を検出する位置検出手段
と、該位置検出手段により検出された位置データを基に
前記駆動手段の作動を数値制御する数値制御手段とを備
えた工作機械において、前記磁気軸受に供給される供給
電力の変化を検出する電力変化検出手段と、該電力変化
検出手段により検出された検出信号を基に、前記主軸に
装着された工具の損傷状態を識別する識別手段とを設け
て構成したことを特徴とするものである。
【0035】上述したように、通常、磁気軸受は主軸が
中立位置に位置するように、その供給電力が調節される
ように設けられているため、この供給電力の変化を電力
変化検出手段により検出することによって、主軸の移動
(変位)の有無を検出することができる。
【0036】従って、この発明によっても上記請求項5
の発明におけると同様にして、工具を主軸に装着した
後、数値制御手段による制御の下、前記駆動手段を駆動
して、前記支持手段と主軸ヘッドとを相対的に移動さ
せ、主軸に装着された工具の刃先が支持手段上に固定さ
れた適宜基準部材と接触することができる位置に、主軸
ヘッドを移動させ、その際の電力変化検出手段からの検
出信号を識別手段により監視することにより、工具が正
常であるか否かを検出することができる。
【0037】斯くして、この発明によっても上述した請
求項5の発明におけると同様の作用,効果が奏される。
【0038】尚、上記請求項1,3及び5の発明におけ
る、主軸を非接触で回転自在に支持する主軸ヘッドに
は、滑り軸受,静圧軸受若しくは磁気軸受などにより主
軸を支持する主軸ヘッドが含まれ、請求項1及び2の発
明における形状データには、ワークの直径、長さ、穴の
深さなどの形状寸法の他、輪郭データ等各種のデータが
含まれる。
【0039】
【発明の実施の形態】以下、本発明の具体的な実施形態
について添付図面に基づき説明する。
【0040】(第1の実施形態)まず、本発明の第1の
実施形態に係る工作機械について図1に基づき説明す
る。尚、図1は本発明の第1の実施形態に係る立形マシ
ニングセンタの主要部を一部ブロック図で示す正面図で
ある。
【0041】図1に示すように、本例の(立形)マシニ
ングセンタ1は、ワークWを固定,支持するテーブル5
0と、主軸3を回転自在に支持する主軸ヘッド2と、テ
ーブル50及び主軸ヘッド2を支持する支持手段(ベッ
ド,コラムなど)(図示せず)と、テーブル50及び/
又は主軸ヘッド2を移動させ、テーブル50と主軸ヘッ
ド2とを相対的に3次元3軸方向(X軸,Y軸,Z軸)
に移動させる駆動手段(図示せず)と、この駆動手段
(図示せず)の作動を数値制御する数値制御装置40
と、前記主軸3に着脱自在に設けられた工具ホルダTH
と、この工具ホルダTHに保持された円柱状の接触子5
1とを備えている。以下各部の詳細について説明する。
【0042】A.主軸ヘッド部 図2に示すように、前記主軸ヘッド2は、軸線が垂直方
向に向けられた主軸3と、この主軸3の後部側(上部
側)をラジアル方向に支持する後部ラジアル磁気軸受1
0と、主軸3の前部側(下部側)を同じくラジアル方向
に支持する前部ラジアル磁気軸受20と、この後部ラジ
アル磁気軸受10,前部ラジアル磁気軸受20間におい
て前記主軸3をアキシアル方向に支持するスラスト磁気
軸受30と、前記後部ラジアル磁気軸受10の後部側に
設けた後部アンギュラ玉軸受5と、前記前部ラジアル磁
気軸受20の前部側に設けた前部アンギュラ玉軸受7と
を備えている。尚、前記後部ラジアル磁気軸受10,前
部ラジアル磁気軸受20及びスラスト磁気軸受30はそ
の作動が前記数値制御装置40により制御されるように
なっている。
【0043】また、前記後部ラジアル磁気軸受10,後
部アンギュラ玉軸受5間には、主軸3のラジアル方向の
位置を検出する4個のセンサ16が半径方向同一平面内
に設けられ、前記前部ラジアル磁気軸受20,前部アン
ギュラ玉軸受7間には、同じく半径方向同一平面内に設
けられ、主軸3のラジアル方向の位置を検出する4個の
センサ25と、主軸3のアキシアル方向の位置を検出す
る2個のセンサ39が設けられている。
【0044】また、図中、6は駆動ロータであって、主
軸3を軸中心に回転させるビルトイン方式の駆動モータ
の一部を構成するものである。尚、この駆動モータのス
テータ及び上記主軸ヘッド2の各構成部分は図1に示し
たハウジング4に支持されており、図2においてはその
図示を省略している。
【0045】前記後部ラジアル磁気軸受10は、リング
状の金属板を積層して形成したロータ14と、このロー
タ14を保持する保持部材15と、同じく金属板を積層
して形成した積層体12及びこの積層体12に捲回した
コイル13からなる4個のステータ11とから構成され
るものであり、前記保持部材15はその内径部が前記主
軸3に外嵌,固定され、前記ステータ11は前記ハウジ
ング(図示せず)に保持されている。また、前記4個の
ステータ11は前記ロータ14の外周面に沿って均等に
配設されており、前記4個のセンサ16も同様に、前記
主軸3の外周面に沿い、前記ステータ11との対応関係
をもって均等に配設されている。前記ステータ11とロ
ータ14との間には、例えば0.5mm程度の空隙(エ
アギャップ)が設けられている。
【0046】前記前部ラジアル磁気軸受20は、リング
状の金属板を積層して形成したロータ24と、同じく金
属板を積層して形成した積層体22及びこの積層体22
に捲回したコイル23からなる4個のステータ21とか
ら構成されるものであり、前記ロータ24はその内径部
が前記主軸3に外嵌,固定され、前記ステータ21は前
記ハウジング(図示せず)に保持されている。また、前
記4個のステータ21は前記ロータ24の外周面に沿っ
て均等に配設されており、前記4個のセンサ25も同様
に、前記主軸3の外周面に沿い、前記ステータ21との
対応関係をもって均等に配設されている。前記後部ラジ
アル磁気軸受10におけると同様に、前記ステータ21
とロータ24との間にも、例えば0.5mm程度の空隙
(エアギャップ)が設けられている。また、前記主軸3
には2つのフランジ部8,9が形成されており、フラン
ジ部9の外周面が前記センサ25によって検出され、そ
の下端面が前記センサ39によって検出されるようにな
っている。また、前記ロータ24は、その前部側が前記
フランジ部8により係止されている。
【0047】前記スラスト磁気軸受30は、内径部が前
記主軸3に外嵌,固定されたロータ31と、リング状に
形成されたコイル33及びこのコイル33を保持する保
持リング34からなる後部ステータ32と、同じくリン
グ状に形成されたコイル36及びこのコイル36を保持
する保持リング37からなる前部ステータ35と、これ
ら後部ステータ32,前部ステータ35間に設けたスペ
ーサ38とからなる。尚、前記ロータ31の外周部には
フランジ部31aが形成されており、このフランジ部3
1aが前記後部ステータ32,前部ステータ35間に位
置している。また、前記フランジ部31aと前記後部ス
テータ32との間、及び前記フランジ部31aと前部ス
テータ35との間にも、例えば0.5mm程度の空隙
(エアギャップ)が設けられている。
【0048】尚、前記アンギュラ玉軸受5,7は、その
内輪部と主軸3との間に例えば0.2mm程度の空隙
(エアギャップ)をもつように設けられており、通常の
状態においては軸受として機能するものではなく、例え
ば停電,故障など不測の異常が生じた際に、前記主軸3
をラジアル方向及びアキシアル方向に支持して、前記ス
テータ11,21、後部ステータ32、前部ステータ3
5及びロータ14,24,31の各部が損傷するのを防
止する役割を果たすものである。このため、前記アンギ
ュラ玉軸受5,7におけるエアギャップは、前記後部ラ
ジアル磁気軸受10,前部ラジアル磁気軸受20及びス
ラスト磁気軸受30におけるエアギャップよりも狭くな
っている。
【0049】B.数値制御装置部 図1及び図2に示すように、前記数値制御装置40は、
例えば、前記駆動手段(図示せず)に備えられるロータ
リエンコーダなどに接続し、機械座標系における前記主
軸3(主軸ヘッド2)の位置を随時算出する位置座標算
出部42と、この位置座標算出部42により算出された
位置データを基に前記駆動手段(図示せず)の作動を数
値制御する駆動制御部41と、前記後部ラジアル磁気軸
受10,前部ラジアル磁気軸受20及びスラスト磁気軸
受30に電力を供給し、その作動を制御する主軸制御部
44と、前記センサ16,25,39に接続し、これら
からの信号を受信して主軸3の変位を検出する変位検出
部45と、主軸制御部44から後部ラジアル磁気軸受1
0,前部ラジアル磁気軸受20及びスラスト磁気軸受3
0に供給される電力の変化を検出する電力変化検出部4
6と、この電力変化検出部46により検出された検出信
号及び前記位置座標算出部42により算出された位置デ
ータを基に前記ワークWの形状データを算出する形状デ
ータ算出部43とを備えている。
【0050】前記主軸制御部44は、上述したように、
前記コイル13,23,33,36に所定の電力を供給
するものであり、前記変位検出部45により検出された
主軸3の変位に応じて前記コイル13,23,33,3
6に供給される電流を調節する。
【0051】この主軸制御部44から所定の電力が前記
コイル13,23,33,36に供給されると、前記後
部ラジアル磁気軸受10のステータ11,前記前部ラジ
アル磁気軸受20のステータ21,並びに前記スラスト
磁気軸受30の後部ステータ32及び前部ステータ35
がそれぞれ電磁石となり、これによって前記ロータ1
4,24,31がそれぞれ吸引される。
【0052】前記後部ラジアル磁気軸受10において
は、4個のステータ11による4方向の吸引力がロータ
14に作用し、前部ラジアル磁気軸受20においも同様
に、4個のステータ21による4方向の吸引力がロータ
24に作用し、これら後部ラジアル磁気軸受10及び前
部ラジアル磁気軸受20によって前記主軸3がラジアル
方向に支持される。
【0053】上述したように、センサ16及びセンサ2
5により主軸3のラジアル方向の位置が検出されてお
り、前記主軸3が前記ステータ11間の中立位置からず
れた場合、及び前記ステータ21間の中立位置からずれ
た場合には、この位置ずれがセンサ16及びセンサ25
によってそれぞれ検出され、この検知信号に基づいて、
前記各ステータ11及びステータ21に供給される電力
が前記主軸制御部44により調節される。即ち、各ステ
ータ11とロータ14との間隔、及び各ステータ21と
ロータ24との間隔において、当該間隔が基準間隔より
も広くなっているステータ11及びステータ21に対し
ては供給電力が増加され、その吸引力が増加せしめられ
る一方、当該間隔が基準間隔よりも狭くなっているステ
ータ11及びステータ21に対しては供給電力が減少さ
れ、その吸引力が減少せしめられる。これにより、前記
主軸3は常に前記ステータ11間及び前記ステータ21
間の中立位置に位置するように制御される。
【0054】また、前記スラスト磁気軸受30において
は、後部ステータ32及び前部ステータ35によりロー
タ31のフランジ部31aが前後(上下)両方向の吸引
力を受けており、これによって主軸3が後部ステータ3
2と前部ステータ35との中間位置に位置するようにア
キシアル方向に支持されるようになっている。
【0055】上述したように、センサ39により主軸3
のアキシアル方向の位置が検出されており、主軸3が後
部ステータ32と前部ステータ35との中間位置からず
れた場合には、当該位置ずれがセンサ39によって検出
され、この検知信号に基づいて、前記後部ステータ32
及び前部ステータ35に供給される電力が前記主軸制御
部44により調節される。即ち、後部ステータ32とロ
ータ31のフランジ部31aとの間隔、及び前部ステー
タ35と前記フランジ部31aとの間隔において、当該
間隔が基準間隔よりも広くなっている後部ステータ32
若しくは前部ステータ35に対しては供給電力が増加さ
れて、その吸引力が増加せしめられる一方、当該間隔が
基準間隔よりも狭くなっている後部ステータ32若しく
は前部ステータ35に対しては供給電力が減少されて、
その吸引力が減少せしめられる。斯くしてロータ31は
常に後部ステータ32と前部ステータ35との中間位置
に位置するように制御され、これによって主軸3は適正
にアキシアル方向に支持される。
【0056】而して、この主軸ヘッド2によれば、主軸
3と直接接触することなく、電磁石の吸引力によって当
該主軸3がラジアル方向及びアキシアル方向に支持され
るので、極めて高い回転数で回転する主軸3を適正に支
持することができる。
【0057】また、前記電力変化検出部46は、前記主
軸制御部44から後部ラジアル磁気軸受10,前部ラジ
アル磁気軸受20及びスラスト磁気軸受30に供給され
る電力を常時監視し、その変化量が所定のしきい値を超
えた場合に検出信号を前記形状データ算出部43に出力
する。
【0058】前記形状データ算出部43は、ワークWの
形状データを算出するための各種の処理プログラムを備
えており、電力変化検出部46により検出された検出信
号及び前記位置座標算出部42により算出された位置デ
ータを、前記処理プログラムに従って処理し、前記ワー
クWの形状データを算出する。
【0059】次に、以上の構成を備えた本例のマシニン
グセンタ1により、加工されたワークの形状を測定する
その具体的な態様について説明する。
【0060】例えば、図3(a)に示すように、ワーク
Wに加工された穴Hの中心位置P及び内径寸法dを測定
する場合、まず、前記駆動制御部41による制御の下で
前記駆動手段(図示せず)を駆動して、ワークWを支持
したテーブル50と主軸ヘッド2とを相対的にX軸,Y
軸,Z軸方向に移動させ、工具ホルダTHに保持した接
触子51を穴H内に侵入させた後、テーブル50と主軸
ヘッド2とを相対的にX軸マイナス方向のA位置まで移
動させて、穴Hの内周面に接触子51を接触させる。こ
れにより、接触子51と穴Hの内周面との接触部におい
て主軸3が抗力を受け、主軸3が非接触で支持されてい
ることから、当該主軸3がハウジング4に対して相対的
に移動し、この移動がセンサ25,16,39によって
検知され、これらセンサ25,16,39からの信号を
受信した変位検出部45によりその変位が検出される。
【0061】主軸3が移動したことが変位検出部45に
より検出されると、主軸制御部44からコイル13,2
3,33,36に供給される電力が調整され、電力の変
化量が所定のしきい値を超えると電力変化検出部46に
よってこれが検出され、この検知信号が形状データ算出
部43に入力される。尚、電力変化検出部46によって
主軸3の移動が検出されると、主軸ヘッド2の駆動が停
止されるようになっている。
【0062】電力変化検出部46からの検出信号を受信
すると形状データ算出部43は、そのときの主軸3とテ
ーブル50との相対的な位置関係、即ち、前記位置座標
算出部42により算出された機械座標系における主軸3
の位置座標(Xa,Ya)を、この位置座標算出部42
から入力して記憶する。
【0063】次に、テーブル50に対して主軸3をX軸
プラス方向のB位置に、続いてY軸マイナス方向のC位
置に、ついでY軸プラス方向のD位置にそれぞれ移動さ
せる。これにより、上記と同様にして同位置の位置座標
(Xb,Yb)、(Xc,Yc)、(Xd,Yd)が位
置座標算出部42からそれぞれ形状データ算出部43に
入力され、これに記憶される。
【0064】次に、記憶された位置座標データ(Xa,
Ya)、(Xb,Yb)、(Xc,Yc)、(Xd,Y
d)を基に、形状データ算出部43は、例えば、次式、 Xp=(Xa+Xb)/2 Yp=(Yc+Yd)/2 により、穴Hの中心位置Pの位置座標(Xp,Yp)を
算出し、更に、次式、 d=2×((Xa−Xp)+(Ya−Yp)
1/2+ds により、穴Hの内径dを算出する。但し、dsは接触子
51の直径であり、XaとYaはXb〜dとYb〜dで
も良い。
【0065】このように、このマシニングセンタ1によ
ると、接触子51をワークWに接触させ、この接触を電
力変化検出部46によって検出し、このときに検出され
た主軸3の位置座標データを形状データ算出部43にお
いて処理することにより、上述した穴Hの寸法を測定す
ることができる。
【0066】また、上述と同様の動作により検出された
主軸3の位置座標データを、形状データ算出部43に備
えられた各種の処理プログラムに従って処理することに
より、上記穴寸法の他に、ワークWの長さ寸法、2つの
面間の幅寸法や段差のある2面間の段差寸法といったワ
ークWの各種の形状について、これを測定することがで
きる。例えば、図3(b)に示すように、ワークWの加
工面に所定ピッチで前記接触子51を接触させ、そのと
きの主軸3の位置座標をそれぞれ検出することで、ワー
クWの輪郭形状を検出することができ、或いは、加工プ
ログラムに従った工具の移動軌跡に沿って、即ち、ワー
クWの加工面に沿って、この加工面に接触子51が接触
するように主軸3を移動させることで、同様に、ワーク
Wの輪郭形状を検出することができる。
【0067】このように、本例のマシニングセンタ1に
よれば、ワークWと接触子51との接触を主軸3の変位
によって検出するようにしたので、従来のように高価な
タッチセンサを用いる必要が無く、例えば円柱部材とい
った極めて安価な部材を接触子51に用いることができ
る。これにより、機上でワークWを測定するためのシス
テム全体の価格を安価なものとすることができる。ま
た、測定専用の部品が多くなることもない。
【0068】尚、この例では、前記形状データ算出部4
3を、電力変化検出部46により検出された主軸3の変
位信号をトリガとして主軸3の位置座標を読み込み、ワ
ークWの形状データを算出するように設けたが、主軸3
の変位を検出し得る点では、電力変化検出部46も変位
検出部45もその機能は同じである。従って、電力変化
検出部46により検出された主軸3の変位信号に代え
て、前記変位検出部45により検出された主軸3の変位
信号をトリガとして主軸3の位置座標を読み込み、ワー
クWの形状データを算出するように、前記形状データ算
出部43を構成しても良い。このようにすれば、通常、
磁気軸受には変位検出部45が当然に設けられているこ
とから、ワーク測定のために別途変位検出部45を設け
る必要が無く、この意味でも、機上でワークWを測定す
るためのシステム価格を安価なものとすることができ
る。
【0069】(第2の実施形態)次に、本発明の第2の
実施形態に係る工作機械について図4に基づいて説明す
る。尚、図4は本発明の第2の実施形態に係る立形マシ
ニングセンタの主要部を一部ブロック図で示す正面図で
ある。
【0070】図4に示すように、本例の(立形)マシニ
ングセンタ1’は、上述した第1の実施形態に係るマシ
ニングセンタ1に比べて、数値制御装置40’が工具損
傷識別部47,工具補正データ算出部48及び工具補正
データ記憶部49を備えている点が異なり、その他の構
成は第1の実施形態に係るマシニングセンタ1と同じで
ある。従って、上記マシニングセンタ1と同じ構成部分
については同一の符号を付してその詳しい説明を省略す
る。
【0071】本例のマシニングセンタ1’は、前記駆動
制御部41の制御の下、主軸3に装着された正常な工具
Tの刃先がテーブル50上に固定された基準ブロック5
2と接触することができる位置に、主軸ヘッド2を相対
的に移動させることができるようになっている。
【0072】前記工具補正データ算出部48は、テーブ
ル50上に固定した基準ブロック52に工具Tの刃先を
接触させた際に、上記実施形態1におけると同様にして
前記電力変化検出部46により検出される信号を受信し
て、そのときの主軸3とテーブル50との相対的な位置
関係、即ち、前記位置座標算出部42により算出された
機械座標系における主軸3の位置座標を、この位置座標
算出部42から入力し、入力した位置座標を基に、当該
工具Tの工具長或いは工具径などの工具補正データを算
出する。そして、前記工具補正データ記憶部49は、こ
のようにして算出された工具補正データを記憶する。
【0073】例えば、工具径を算出する具体的な手順に
ついて説明すると、まず、図4において2点鎖線で示す
ように、主軸ヘッド2とテーブル50とを相対的に移動
させて、工具Tの刃先を基準ブロック52の基準側面5
2aに当接させる。これにより、工具Tの刃先が基準ブ
ロック52に接触したことが前記電力変化検出部46に
よって検出され、この検出信号が前記工具補正データ算
出部48に入力される。
【0074】前記検出信号を受信すると前記工具補正デ
ータ算出部48は、そのときの機械座標系における主軸
3の位置座標を前記位置座標算出部42から読み込み、
まず、機械原点位置から接触位置まで相対移動した主軸
3の移動量Xを算出し、ついで、主軸ヘッド2が機械
原点位置にあるときの、主軸3の軸芯3bから基準ブロ
ック52の基準側面52aまでの距離Xから前記移動
量Xを減算して、接触位置にある主軸3の軸芯3bと
基準ブロック52の基準側面52aとの距離ΔXを算出
する。得られた距離ΔXが当該工具Tの工具半径とな
る。尚、上述した主軸ヘッド2が機械原点位置にあると
きの、主軸3の軸芯3bから基準ブロック52の基準側
面52aまでの距離Xは予め測定され、数値制御装置
40’内に格納されている。
【0075】同様に、工具長を算出する具体的な手順に
ついて説明すると、まず、図4において2点鎖線で示す
ように、主軸ヘッド2とテーブル50とを相対的に移動
させて、工具Tの刃先を基準ブロック52の基準上面5
2bに当接させる。これにより、工具Tの刃先が基準ブ
ロック52に接触したことが前記電力変化検出部46に
よって検出され、この検出信号が前記工具補正データ算
出部48に入力される。
【0076】前記検出信号を受信すると前記工具補正デ
ータ算出部48は、そのときの機械座標系における主軸
3の位置座標を前記位置座標算出部42から読み込み、
まず、機械原点位置から接触位置まで相対移動した主軸
3の前端面3aの移動量Zを算出し、ついで、主軸ヘ
ッド2が機械原点位置にあるときの、主軸3の前端面3
aからテーブル50上面までの距離Zから前記移動量
及び基準ブロック52の高さ寸法hを減算して、工
具長Lを算出する。尚、主軸ヘッド2が機械原点位置に
あるときの、主軸3の前端面3aからテーブル50上面
までの距離Z及び基準ブロック52の高さ寸法hは予
め測定され、数値制御装置40’内に格納されている。
【0077】前記工具損傷識別部47は、前記工具補正
データ記憶部49に記憶された工具補正データを用い
て、主軸ヘッド2とテーブル50とを相対的に移動さ
せ、工具Tの刃先を前記基準ブロック52の基準側面5
2a及び/又は基準上面52bと接触する位置に移動さ
せた際の、前記電力変化検出部46からの検出信号を監
視するように設けられており、前記電力変化検出部46
から検出信号が出力された場合には、工具Tが正常であ
ると判定し、前記電力変化検出部46から検出信号が出
力されない場合には、工具Tが異常であると判定する。
【0078】正常な工具Tの刃先が基準ブロック52と
接触すると、上述したように、主軸3が接触に伴う抗力
を受けてハウジング4に対して相対的に移動し、その際
の変位が、センサ25,16,39からの信号を受信し
た変位検出部45によって検出され、これにより、主軸
制御部44からコイル13,23,33,36に供給さ
れる電力が調整され、電力の変化量が所定のしきい値を
超えたときに電力変化検出部46によって主軸3の変位
が検出される。一方、工具Tの刃先が異常に摩耗してい
る場合や欠損している場合には、主軸ヘッド2を上記接
触位置に移動させても、刃先が基準ブロック52と接触
しないか若しくは極めて僅かにしか接触しないため、電
力変化検出部46により主軸3の変位は検出されない。
【0079】従って、主軸ヘッド2を前記接触位置に移
動させて、前記工具損傷識別部47によって電力変化検
出部46からの検出信号を監視することにより、工具T
が正常であるか否かを判定することができる。
【0080】このように、このマシニングセンタ1’に
よると、加工されたワークWの形状データの算出のみな
らず、工具径や工具長といった工具補正データを算出す
ることができ、また、加工に使用される工具の損傷状態
を検出することができる。従って、工具補正データを算
出するために特別な機器を必要とせず、また、工具の異
常摩耗や欠損によって加工不良が生じるのを未然に防止
することができる。
【0081】尚、上述したように、主軸3の変位を検出
し得る点では、電力変化検出部46も変位検出部45も
その機能は同じである。従って、本例において、前記工
具補正データ算出部48を、前記変位検出部45から出
力された検出信号を受信して、主軸3の位置座標を前記
位置座標算出部42から読み込み、これを基に工具補正
データを算出するように構成しても良い。また、前記工
具損傷識別部47を、前記変位検出部45からの検出信
号を監視するように構成し、前記変位検出部45から検
出信号が出力された場合には、工具Tが正常であると判
定し、前記変位検出部45から検出信号が出力されない
場合には、工具Tが異常であると判定するものとして構
成しても良い。
【0082】以上、本発明の実施形態について詳述した
が、本発明の具体的な態様がこれに限定されるものでな
いことは言うまでもなく、例えば、本発明を適用し得る
工作機械は立形のマシニングセンタに限られず、他の工
作機械にも当然にこれを適用することができる。また、
上例では、主軸ヘッド2が磁気軸受により主軸3を支持
するものを例示したが、これに限られるものではなく、
主軸3を非接触で支持するものであれば、例えば滑り軸
受若しくは静圧軸受により主軸3を支持するものであっ
ても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る工作機械の要部
を一部ブロック図で示す正面図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る工作機械の要部
を、その主軸ヘッドを拡大し、一部ブロック図で示す正
面図である。
【図3】第1の実施形態に係る工作機械によるワーク測
定の態様を説明するための説明図である。
【図4】本発明の第2の実施形態に係る工作機械の要部
を一部ブロック図で示す正面図である。
【図5】従来例に係る工作機械の要部を一部ブロック図
で示す正面図である。
【符号の説明】
1 マシニングセンタ 2 主軸ヘッド 3 主軸 10 後部ラジアル磁気軸受 16 センサ 20 前部ラジアル磁気軸受 25 センサ 30 スラスト磁気軸受 39 センサ 40 数値制御装置 41 駆動制御部 42 位置座標算出部 43 形状データ算出部 44 主軸制御部 45 変位検出部 46 電力変化検出部 47 工具損傷識別部 48 工具補正データ算出部 49 工具補正データ記憶部 50 テーブル 51 接触子

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ワークを固定,支持する支持手段と、主
    軸を非接触で回転自在に支持する主軸ヘッドと、前記支
    持手段及び主軸ヘッドを支持するベッドと、前記支持手
    段及び/又は主軸ヘッドを移動させる駆動手段と、機械
    座標系における前記主軸の位置を検出する位置検出手段
    と、該位置検出手段により検出された位置データを基に
    前記駆動手段の作動を数値制御する数値制御手段とを備
    えた工作機械において、 主軸の半径方向及び/又は軸方向の変位を検出する変位
    検出手段と、 該変位検出手段により検出された検出信号及び前記位置
    検出手段により検出された位置データを基に、前記ワー
    クの形状データを算出する形状データ算出手段とを設け
    て構成したことを特徴とする工作機械。
  2. 【請求項2】 ワークを固定,支持する支持手段と、磁
    気軸受により主軸を非接触で回転自在に支持する主軸ヘ
    ッドと、前記支持手段及び主軸ヘッドを支持するベッド
    と、前記支持手段及び/又は主軸ヘッドを移動させる駆
    動手段と、機械座標系における前記主軸の位置を検出す
    る位置検出手段と、該位置検出手段により検出された位
    置データを基に前記駆動手段の作動を数値制御する数値
    制御手段とを備えた工作機械において、 前記磁気軸受に供給される供給電力の変化を検出する電
    力変化検出手段と、該電力変化検出手段により検出され
    た検出信号及び前記位置検出手段により検出された位置
    データを基に、前記ワークの形状データを算出する形状
    データ算出手段とを設けて構成したことを特徴とする工
    作機械。
  3. 【請求項3】 ワークを固定,支持する支持手段と、主
    軸を非接触で回転自在に支持する主軸ヘッドと、前記支
    持手段及び主軸ヘッドを支持するベッドと、前記支持手
    段及び/又は主軸ヘッドを移動させる駆動手段と、機械
    座標系における前記主軸の位置を検出する位置検出手段
    と、該位置検出手段により検出された位置データを基に
    前記駆動手段の作動を数値制御する数値制御手段とを備
    えた工作機械において、 主軸の半径方向及び/又は軸方向の変位を検出する変位
    検出手段と、 該変位検出手段により検出された検出信号を基に、前記
    主軸に装着された工具の工具補正データを算出する工具
    補正データ算出手段とを設けて構成したことを特徴とす
    る工作機械。
  4. 【請求項4】 ワークを固定,支持する支持手段と、磁
    気軸受により主軸を非接触で回転自在に支持する主軸ヘ
    ッドと、前記支持手段及び主軸ヘッドを支持するベッド
    と、前記支持手段及び/又は主軸ヘッドを移動させる駆
    動手段と、機械座標系における前記主軸の位置を検出す
    る位置検出手段と、該位置検出手段により検出された位
    置データを基に前記駆動手段の作動を数値制御する数値
    制御手段とを備えた工作機械において、 前記磁気軸受に供給される供給電力の変化を検出する電
    力変化検出手段と、 該電力変化検出手段により検出された検出信号を基に、
    前記主軸に装着された工具の工具補正データを算出する
    工具補正データ算出手段とを設けて構成したことを特徴
    とする工作機械。
  5. 【請求項5】 ワークを固定,支持する支持手段と、主
    軸を非接触で回転自在に支持する主軸ヘッドと、前記支
    持手段及び主軸ヘッドを支持するベッドと、前記支持手
    段及び/又は主軸ヘッドを移動させる駆動手段と、機械
    座標系における前記主軸の位置を検出する位置検出手段
    と、該位置検出手段により検出された位置データを基に
    前記駆動手段の作動を数値制御する数値制御手段とを備
    えた工作機械において、 主軸の半径方向及び/又は軸方向の変位を検出する変位
    検出手段と、 該変位検出手段により検出された検出信号を基に、前記
    主軸に装着された工具の損傷状態を識別する識別手段と
    を設けて構成したことを特徴とする工作機械。
  6. 【請求項6】 ワークを固定,支持する支持手段と、磁
    気軸受により主軸を非接触で回転自在に支持する主軸ヘ
    ッドと、前記支持手段及び主軸ヘッドを支持するベッド
    と、前記支持手段及び/又は主軸ヘッドを移動させる駆
    動手段と、機械座標系における前記主軸の位置を検出す
    る位置検出手段と、該位置検出手段により検出された位
    置データを基に前記駆動手段の作動を数値制御する数値
    制御手段とを備えた工作機械において、 前記磁気軸受に供給される供給電力の変化を検出する電
    力変化検出手段と、 該電力変化検出手段により検出された検出信号を基に、
    前記主軸に装着された工具の損傷状態を識別する識別手
    段とを設けて構成したことを特徴とする工作機械。
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