JP2000176737A - ワイヤソービーズ及びその製造方法 - Google Patents

ワイヤソービーズ及びその製造方法

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JP2000176737A
JP2000176737A JP10361378A JP36137898A JP2000176737A JP 2000176737 A JP2000176737 A JP 2000176737A JP 10361378 A JP10361378 A JP 10361378A JP 36137898 A JP36137898 A JP 36137898A JP 2000176737 A JP2000176737 A JP 2000176737A
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wire saw
wire
beads
wire rope
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Masa Matsubara
雅 松原
Masanobu Norota
正信 野呂田
Daichi Yoshida
大地 吉田
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Asahi Diamond Industrial Co Ltd
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    • B23D61/00Tools for sawing machines or sawing devices; Clamping devices for these tools
    • B23D61/18Sawing tools of special type, e.g. wire saw strands, saw blades or saw wire equipped with diamonds or other abrasive particles in selected individual positions
    • B23D61/185Saw wires; Saw cables; Twisted saw strips

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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、超砥粒層がスリーブに強固に固着さ
れ、ワイヤソービーズとワイヤロープの接合強度が大き
く、しかも容易かつ安価に製造することができるワイヤ
ソービーズ及びその製造方法を提供する。 【解決手段】側面に複数個の穴を有する円筒形状のスリ
ーブの外周に、リング状の超砥粒層が固着されてなるこ
とを特徴とするワイヤソービーズ、及び、側面に複数個
の穴を有する円筒形状のスリーブの外周に、仮成形した
リング状の超砥粒成形体を装着し、加熱焼結することに
より超砥粒層を形成するとともに、超砥粒層をスリーブ
に固着することを特徴とするワイヤソービーズの製造方
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ワイヤソービーズ
及びその製造方法に関する。さらに詳しくは、本発明
は、超砥粒層がスリーブに強固に固着され、ワイヤソー
ビーズとワイヤロープの接合強度が大きく、しかも容易
かつ安価に製造することができるワイヤソービーズ及び
その製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】超砥粒層を固着した円筒状のビーズが、
スチールワイヤなどに数珠状に連なって多数個固定され
たワイヤソーは、ビーズソーとも呼ばれ、広く知られて
いる。このようなワイヤソーは、ワイヤの端をつないで
エンドレス状とし、張力を与えてプーリ駆動することに
より、コンクリート構築物の切断や、石材の切断などに
使用される。ワイヤソーによる切断は、ソーブレードに
よる切断に比べて騒音の発生が少なく、装置が簡単であ
り、水中での切断が可能であるなどの特長を有するため
に広く行われている。従来、ワイヤソービーズとワイヤ
ロープの接着は、合成樹脂若しくはゴムによる接着又は
スリーブのかしめにより行われ、さらに、ビーズのスリ
ーブ及びワイヤロープの露出面が加硫ゴムなどにより被
覆されていた。しかし、ビーズのスリーブ及びワイヤロ
ープと合成樹脂又はゴムの接着力が弱く、使用中に接着
破壊を起こして水が浸入し、錆を発生し、ついにはワイ
ヤソーの破断に至るおそれがある。また、ビーズのスリ
ーブ内周面とワイヤロープを合成樹脂又はゴムにより接
着した場合、ワイヤソーの使用時にはビーズに大きな力
がかかるため、ワイヤソービーズとワイヤロープの接着
破壊を起こしてワイヤソービーズが回転したり、位置ず
れを起こしたりして、ワイヤソーが破断するという事故
のおそれがある。スリーブのかしめによりワイヤソービ
ーズをワイヤロープに固定した場合は、かしめた部分に
応力が集中するために、使用中にワイヤソーがかしめ部
分で破断するという事故のおそれがある。ワイヤソービ
ーズとワイヤロープの接合強度を高めて、このようなワ
イヤソーの損傷を防ぐために、種々の検討が行われてい
る。例えば、実公平6−27329号公報には、円環状
スリーブの回転を防止し得るワイヤソーとして、円環状
スリーブに、スリーブから樹脂層に向かってワイヤの長
さ方向に突出する係止部を設けたワイヤソーが提案され
ている。しかし、ワイヤの長さ方向に突出する係止部
は、円環状スリーブの回転防止には有効であるが、ワイ
ヤの長さ方向の位置ずれ防止に対しては全く無力であ
る。実開平6−46853号公報には、スリーブと樹脂
層間の確実な固着が得られるワイヤソーとして、円環状
スリーブの内周面に、スリーブの両端部から中央に向か
って径小となるテーパ部を設け、テーパ部からスリーブ
内部に樹脂層を入り込ませるワイヤソーが提案されてい
る。スリーブの両端部にテーパ部を設けることは、手間
のかかる工作であり、また、樹脂層がスリーブ内部に入
り込むためには役立つが、樹脂層はスリーブ内周面との
接触面で接着しているに過ぎないので、接着力以上の力
が作用するとビーズは移動してしまう。また、ビーズと
合成樹脂又はゴムとの接着強度を向上させる目的で、ビ
ーズの内面にネジを切ることが行われているが、引張強
度は向上するものの、内面にネジ加工することはコスト
高になるという問題があった。特公平7−16868号
公報には、ビーズの固定力を増加し、ビーズの回転のみ
ならず、前後方向への移動も同時に防止し得るワイヤソ
ーとして、ビーズと接する樹脂などの固定材の厚みをビ
ーズの高さと同じ高さに盛り上げるとともに、ビーズの
端面に溝を形成し、溝に固定材を充填したワイヤソーが
提案されている。しかし、このようなビーズは、端面へ
の溝の加工が手間のかかる作業であり、固定材との間の
接着破壊が生ずると移動してしまう。実公平5−244
13号公報には、ワイヤロープの損傷及び発錆が生じに
くい長寿命のワイヤソーとして、ワイヤロープ表面とビ
ーズをゴム/金属接着用の接着剤で加硫接着したワイヤ
ソーが提案されている。このワイヤソーは、接着力の低
下にともなう剥離の発生は少ないが、ビーズに物理的に
大きな力が作用したときには、ビーズは移動してしま
う。実公平5−13460号公報には、使用時に切断部
材が移動することのないワイヤソーとして、ダイヤモン
ド粉末を含む焼結合金よりなる切断部材の周面から内面
に達する孔をあけ、孔の部分において切断部材をワイヤ
ロープにロウ付け固着してなるワイヤソーが提案されて
いる。しかし、ダイヤモンド粉末を含む焼結合金よりな
る切断部材に孔をあけてロウ付けする作業は手間がかか
るばかりでなく、あけられた孔のために切断部材に応力
集中が生じ、切断部材の強度が低下するおそれがある。
そのために、ワイヤロープに強固に接合することがで
き、使用中に移動するおそれのないワイヤソービーズが
求められている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、超砥粒層が
スリーブに強固に固着され、ワイヤソービーズとワイヤ
ロープの接合強度が大きく、しかも容易かつ安価に製造
することができるワイヤソービーズ及びその製造方法を
提供することを目的としてなされたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、側面に複数個の
穴を有する円筒形状のスリーブの外周に、リング状の超
砥粒層を固着したワイヤソービーズは、ビーズ固定用の
合成樹脂又はゴムが穴に充填され、ワイヤロープに強固
に結合されることを見いだし、この知見に基づいて本発
明を完成するに至った。すなわち、本発明は、(1)側
面に複数個の穴を有する円筒形状のスリーブの外周に、
リング状の超砥粒層が固着されてなることを特徴とする
ワイヤソービーズ、及び、(2)側面に複数個の穴を有
する円筒形状のスリーブの外周に、仮成形したリング状
の超砥粒成形体を装着し、加熱焼結することにより超砥
粒層を形成するとともに、超砥粒層をスリーブに固着す
ることを特徴とするワイヤソービーズの製造方法、を提
供するものである。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明のワイヤソービーズは、側
面に複数個の穴を有する円筒形状のスリーブの外側に、
リング状の超砥粒層が固着されてなるものである。図1
(a)は、本発明に使用するスリーブの平面図であり、図
1(b)は、その側面図である。本発明に使用するスリー
ブは、円筒形状を有し、その側面に複数個の穴1が設け
られている。本発明に使用する円筒形状のスリーブの内
径は、ワイヤソーに使用するワイヤロープの外径より
0.05〜0.5mm大きいことが好ましい。使用するスリ
ーブの長さに特に制限はなく、ビーズの超砥粒層の長さ
とワイヤソーのビーズのピッチ間隔の間の任意の長さと
することができるが、ビーズの超砥粒層の長さの1.2
〜5倍であることが好ましく、ビーズの超砥粒層の長さ
の1.5〜3倍であることがより好ましい。本発明に使
用するスリーブの材質に特に制限はなく、例えば、炭素
鋼、低合金鋼、高張力鋼、ステンレス鋼などを挙げるこ
とができる。本発明に使用するスリーブの側面に設ける
穴の形状に特に制限はなく、丸穴、角穴、長穴、マルジ
ュウ穴、イチョウ穴などを挙げることができる。これら
の中で、丸穴は加工が容易であり、ビーズのワイヤロー
プへの結合強度が大きいので、好適に使用することがで
きる。本発明に使用するスリーブの側面の穴数に特に制
限はないが、スリーブ1個当たり5〜200個であるこ
とが好ましく、10〜150個であることがより好まし
く、30〜100個であることがさらに好ましい。
【0006】本発明に使用するスリーブの製造方法に特
に制限はなく、例えば、金属製のチューブの側面に穴を
あけたのち適当な長さに切断することができ、金属製の
チューブを適当な長さに切断したのち穴をあけることも
でき、金属製の平板に穴をあけたのちカーリング加工な
どにより円筒形状とすることもでき、あるいは、金属製
の平板をカーリング加工などにより円筒形状としたのち
穴をあけることもできる。これらの方法の中で、金属製
の平板に穴をあけたのちカーリング加工などにより円筒
形状とする方法は、加工作業が容易であり、スリーブを
経済的に製造することができるので、特に好適に使用す
ることができる。穴をあけた金属製の平板は、いわゆる
パンチングメタルとして販売されている既製品を利用す
ることもできる。図2は、本発明に使用するスリーブの
製造方法の一態様の説明図である。図2(a)は、穴1を
あけた金属製の平板2の平面図であり、図2(b)は、そ
の側面図である。穴をあけた金属製の平板から、必要と
する円筒形状のスリーブが加工できるように、図2(a)
及び(b)に示すような長方形状に切り出し、図2(c)の
側面図に示されるような円筒形状に加工してスリーブ3
とする。必要に応じて、スリーブの両端の内側に面取り
4することができ、スリーブの両端の外側に糸面取りす
ることができる。本発明に使用するスリーブは、後加工
で内面にネジを切ることができる。
【0007】図3は、本発明のワイヤソービーズの製造
方法の説明図である。本発明方法においては、側面に複
数個の穴を有するスリーブの外周に、仮成形したリング
状の超砥粒成形体を装着し、加熱焼結することにより超
砥粒層を形成するとともに、超砥粒層をスリーブに固着
する。仮成形したリング状の超砥粒成形体は、超砥粒と
金属粉末を混合し、リング状に圧縮成形することによ
り、製造することができる。仮成形したリング状の超砥
粒成形体は、加熱焼結により収縮するので、あらかじめ
収縮率を考慮してその内径と外径を選定することが好ま
しい。仮成形したリング状の超砥粒成形体の内径は、ス
リーブの外周に装着できるように、スリーブの外径より
わずかに大きくすることが好ましい。使用する超砥粒と
しては、ダイヤモンド砥粒、CBN砥粒を挙げることが
できる。使用する金属粉末としては、例えば、銅、銅合
金、コバルト、ニッケル、コバルト−ニッケル合金、鉄
などの粉末を挙げることができる。本発明方法において
は、図3(a)の平面図及び図3(b)の側面図に示すよう
に、仮成形したリング状の超砥粒成形体5をスリーブ3
の外周に装着して加熱焼結してワイヤソービーズを製造
する。図4(a)は、本発明のワイヤソービーズの平面図
であり、図4(b)は、その側面図であり、図4(c)は、
そのA−A線断面図である。図4に示すように、加熱焼
結により、仮成形したリング状の超砥粒成形体より超砥
粒層6が形成されるとともに、収縮によって超砥粒層は
超砥粒成形体より外径、内径ともに小さくなり、スリー
ブに設けられた穴1にその一部が入り込み、スリーブに
固着される。本発明方法において、加熱焼結の方法に特
に制限はなく、例えば、マッフル炉、誘電加熱炉、抵抗
加熱炉などを用いて加熱焼結することができる。加熱焼
結時の雰囲気に特に制限はないが、酸化防止のために、
水素ガス、アンモニア分解ガス、窒素ガス、水素−窒素
混合ガス、アルゴンガスなどの雰囲気中の焼結、あるい
は、真空焼結を行うことができる。仮成形したリング状
の超砥粒成形体の加熱焼結を還元雰囲気中で行うと、超
砥粒層が収縮しやすくなり、スリーブとの固着強度が向
上するので好ましい。
【0008】本発明方法においては、必要に応じて、超
砥粒層とスリーブを、ロウ材又は接着剤を用いて接着す
ることができる。使用するロウ材に特に制限はなく、例
えば、銀ロウ、銅ロウ、黄銅ロウ、アルミニウム合金ロ
ウ、りん銅ロウ、パラジウムロウ、金ロウ、ニッケルロ
ウなどを挙げることができる。使用する接着剤に特に制
限はなく、例えば、エポキシ樹脂接着剤、ポリウレタン
接着剤、ポリイミド系接着剤、ゴム系接着剤などを挙げ
ることができる。本発明のワイヤソービーズを用いてワ
イヤソーを製造するためには、ビーズをワイヤロープに
挿通して固定する。ワイヤソービーズには、あらかじめ
ブラスメッキなどの被覆を施し、あるいは、接着剤を塗
付することができる。ブラスメッキなどの被覆や接着剤
の塗付により、ワイヤソービーズと合成樹脂、ゴムなど
との接着強度を向上することができる。本発明のワイヤ
ソービーズを接合するワイヤロープに特に制限はなく、
例えば、JIS G 3535に規定されている航空機用
ワイヤロープのような、細素線を撚り合わせた線状体
や、さらにこのような線状体を複数本撚り合わせたワイ
ヤロープを好適に使用することができる。使用するワイ
ヤロープの外径は、スリーブの内径よりわずかに小さい
ものとすることが好ましい。本発明のワイヤソービーズ
をワイヤロープに接合する方法に特に制限はないが、合
成樹脂又はゴムによりワイヤソービーズをワイヤロープ
に接合することが好ましい。合成樹脂又はゴムによりワ
イヤソービーズをワイヤロープに接合する場合は、同時
にワイヤロープを合成樹脂又はゴムにより被覆すること
が好ましい。ワイヤロープを合成樹脂又はゴムで被覆す
ることにより、ワイヤロープの傷と腐食を防ぎ、ワイヤ
ソーの寿命を延ばすことができる。
【0009】本発明のワイヤソービーズを、合成樹脂又
はゴムによりワイヤロープに接合する方法に特に制限は
ないが、ワイヤソービーズをワイヤロープに挿通して金
型内に嵌設し、金型内に合成樹脂を射出成形し、あるい
は、金型内で生ゴムを加硫することにより、ワイヤソー
ビーズをワイヤロープに接合するとともに、ワイヤロー
プを合成樹脂又はゴムで被覆することが好ましい。図5
は、金型の説明図であり、図5(a)は、金型のキャビテ
ィの構造を示す断面図であり、図5(b)は、金型内にワ
イヤソービーズとワイヤロープを設置した状態を示す平
面図である。金型のキャビティ7は、ワイヤソーのビー
ズのピッチ間隔と同じ間隔をおいて設けられたビーズ部
8と、ビーズ部を連結するワイヤ部9からなる。キャビ
ティのビーズ部は、ワイヤソービーズを超砥粒層部分に
おいて金型に保持し、スリーブの露出部に合成樹脂又は
ゴム被覆を施すための空間を有し、ワイヤ部は、ワイヤ
ロープに合成樹脂又はゴム被覆を施すための空間を有し
ている。ワイヤソービーズ10をワイヤロープ11に挿
通し、ワイヤソービーズをビーズ部に1個ずつ嵌設して
金型を閉じる。本発明のワイヤソービーズを合成樹脂又
はゴムによりワイヤロープに接合し、同時にワイヤロー
プを被覆する方法に特に制限はなく、例えば、上述のよ
うにワイヤソービーズ及びワイヤロープを金型内に設置
したのち、合成樹脂又は生ゴムを射出してワイヤソービ
ーズ内周面とワイヤロープの間隙及びスリーブとワイヤ
ロープの露出面に充填し、合成樹脂を固化し、あるい
は、ゴムを加硫することができる。また、ワイヤソービ
ーズをビーズ部に嵌設する際に、ワイヤソービーズのス
リーブの露出面及びワイヤロープに生ゴムのシートを被
せ、金型を閉じることによりスリーブ内周面とワイヤロ
ープの間隙及びスリーブとワイヤロープの露出面に生ゴ
ムを充填し、金型よりの加熱によりゴムを加硫すること
もできる。合成樹脂が固化し、あるいは、ゴムが加硫さ
れると、ワイヤソービーズのスリーブ及びワイヤロープ
の露出面が合成樹脂又は加硫ゴムによって被覆されると
ともに、ワイヤソービーズは合成樹脂又は加硫ゴムによ
ってワイヤロープに接合される。
【0010】本発明のワイヤソービーズとワイヤロープ
の接合に使用する合成樹脂に特に制限はなく、例えば、
ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリオレフィン
樹脂、塩化ビニル樹脂などを挙げることができる。本発
明のワイヤソービーズとワイヤロープの接合に使用する
ゴムに特に制限はなく、例えば、天然ゴム、スチレン−
ブタジエンゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、ア
クリロニトリル−ブタジエンゴム、クロロプレンゴムな
どを挙げることができる。生ゴムには、加硫剤及び加硫
促進剤を配合し、その他必要に応じて、可塑剤、粘着
剤、素練促進剤、硬化剤、発泡剤、補強剤、充填剤、老
化防止剤、着色剤、難燃剤、接着助剤などを配合するこ
とができる。本発明のワイヤソービーズのスリーブは、
側面に複数個の穴を有するので、合成樹脂又は加硫ゴム
はスリーブの穴に充填され、スリーブの穴を充填した合
成樹脂又は加硫ゴムは、ワイヤソービーズのスリーブ及
びワイヤロープの露出面を被覆する合成樹脂又は加硫ゴ
ムと連続し、一体化した構造となる。したがって、合成
樹脂又は加硫ゴムの破断が生じないかぎり、本発明のワ
イヤソービーズは回転もワイヤロープ方向への前後の移
動も生じない。合成樹脂又は加硫ゴムの破断強度は、常
に接着強度以上であるので、本発明のワイヤソービーズ
は、合成樹脂又は加硫ゴムにより面において接着されて
いた従来のワイヤソービーズよりも、ワイヤロープに強
固に接合され、ワイヤソーの使用中に、回転や移動を起
こしにくい。
【0011】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細
に説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限
定されるものではない。 実施例1 厚さ1.0mmの冷間圧延鋼板に、直径1.2mmの穴を60
oチドリにあけ、図2(a)に示す23.2mm×12.0mm
の長方形状に切断し、一番曲げ、一番カーリングを行っ
たのち、仕上げ加工して、図1に示す外径7.4mm、内
径5.2mm、長さ12.0mmで、側面に67個の穴を有す
る円筒形状のスリーブを作製した。ニッケル粉末に粒度
40/50の人造ダイヤモンド砥粒を集中度50になる
よう配合し、金型を用いて成形圧2トン/cm2で圧縮成
形し、長さ7〜8mm、外径12.0mm、内径8.65mm
の、図3に示す形状を有する仮成形したリング状のダイ
ヤモンド砥粒成形体を得た。スリーブの外周に、リング
状のダイヤモンド砥粒成形体を装着し、スリーブとダイ
ヤモンド砥粒層とを、水素ガス雰囲気中、900℃で1
80分間加熱し、フリーシンターによりダイヤモンド砥
粒層を形成するとともに、ダイヤモンド砥粒層をスリー
ブに固着した。次いで、リング状の銀ロウを装填し、水
素ガス雰囲気中、700℃で30分加熱し、ダイヤモン
ド砥粒層の銀ロウ付けを行って、図4に示す形状のワイ
ヤソービーズを完成した。ダイヤモンド砥粒層の寸法
は、長さ6.5mm、外径10.2mmであった。図5に示す
形状を有し、ピッチ25mmで上記のワイヤソービーズに
対応するビーズ部が設けられ、ワイヤ部の内径が8.0m
mである金型を用い、JIS G 3535に規定する、
A3号、A7×19、外径4.76mmの炭素鋼ワイヤを
用いて、ニトリルゴムによるワイヤソービーズのワイヤ
ロープへの接合とスリーブ及びワイヤロープの被覆を行
った。金型を165℃に加熱し、ワイヤソービーズのス
リーブ及びワイヤロープの露出面に生ゴムのシートを巻
き付け、ワイヤソービーズを金型のビーズ部に嵌設し、
金型キャビティのビーズ部とワイヤ部を充たし、直ちに
金型を閉じて加圧し、7分間加硫を行った。加硫ゴムの
JIS Hs硬度は、80であった。ワイヤロープに接合
された7個のワイヤソービーズの左端の1個を、スリー
ブの右端面で加硫ゴム部を切って取り外し、接合強度測
定用試験片を作製した。万能試験機[(株)島津製作所、
AG−20kNC]を用い、ワイヤロープに接合された
左端から2個目のワイヤソービーズとワイヤロープの右
端をチャックで掴んで、引張速度10mm/分で引張試験
を行った。10回の試験を繰り返し、ワイヤソービーズ
が外れるまでの最大荷重の平均値を求めたところ、29
2kgfであった。
【0012】実施例2 ワイヤソービーズのワイヤロープへの接合と、スリーブ
及びワイヤロープの被覆を、ポリウレタンを用いて行っ
た以外は、実施例1と同様にして、試験片を作製した。
ワイヤソービーズ9個を炭素鋼ワイヤに挿通し、図5に
示す形状を有する85℃に加熱した金型のビーズ部に、
ワイヤソービーズを嵌設して金型を閉じた。次いで、イ
ソシアネート成分及び触媒を添加したポリオール成分を
金型内に射出し、反応射出成形法によって、ポリウレタ
ンによるワイヤソービーズのワイヤロープへの接合と、
スリーブ及びワイヤロープの被覆を行った。ポリウレタ
ンのショアD硬度は、95であった。実施例1と同様に
して接合強度測定用試験片を作製し、10回の引張試験
を行った。ワイヤソービーズが外れるまでの最大荷重の
平均値は、285kgfであった。 比較例1 厚さ1.0mmの冷間圧延鋼板を23.2mm×12.0mmの
長方形状に切断し、カーリング加工により、外径7.4m
m、内径5.2mm、長さ12.0mmで、側面に穴を有しな
い円筒形状のスリーブを作製した。実施例1と同様にし
て、このスリーブを用いてワイヤソービーズを作製し、
ニトリルゴムによるワイヤソービーズのワイヤロープへ
の接合と、スリーブ及びワイヤロープの被覆を行った。
実施例1と同様にして、接合強度測定用試験片を作製
し、引張試験を行った。10回の引張試験で、ワイヤソ
ービーズが外れるまでの最大荷重の平均値は、193kg
fであった。 比較例2 比較例1で作製した側面に穴のない円筒形状のスリーブ
を有するワイヤソービーズを用い、実施例2と同様にし
て、ポリウレタンによるワイヤソービーズのワイヤロー
プへの接合と、スリーブ及びワイヤロープの被覆を行っ
た。実施例1と同様にして、接合強度測定用試験片を作
製し、引張試験を行った。10回の引張試験で、ワイヤ
ソービーズが外れるまでの最大荷重の平均値は、180
kgfであった。実施例1〜2及び比較例1〜2の結果
を、第1表に示す。
【0013】
【表1】
【0014】第1表に見られるように、同じ接合材料を
用いた場合、側面に穴を有するスリーブを用いた本発明
のワイヤソービーズの方が、側面に穴のない従来のスリ
ーブを用いたワイヤソービーズよりも、ワイヤロープか
ら外れるまでの最大荷重値が大きく、ワイヤロープに強
固に接合されていることが分かる。
【0015】
【発明の効果】本発明のワイヤソービーズは、スリーブ
の側面に穴を有し、ワイヤソービーズをワイヤロープに
接合する合成樹脂又はゴムが被覆部と連続した状態で穴
に充填されるので、超砥粒層がスリーブに強固に固着さ
れ、ワイヤソービーズとワイヤロープの接合強度が大き
い。本発明のワイヤソービーズの製造方法によれば、上
記のワイヤソービーズを容易かつ安価に製造することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明に使用するスリーブの平面図及
び側面図である。
【図2】図2は、本発明に使用するスリーブの製造方法
の一態様の説明図である。
【図3】図3は、本発明のワイヤソービーズの製造方法
の説明図である。
【図4】図4は、本発明のワイヤソービーズの平面図、
側面図及び断面図である。
【図5】図5は、金型の説明図である。
【符号の説明】
1 穴 2 平板 3 スリーブ 4 面取り 5 超砥粒成形体 6 超砥粒層 7 キャビティ 8 ビーズ部 9 ワイヤ部 10 ワイヤソービーズ 11 ワイヤロープ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】側面に複数個の穴を有する円筒形状のスリ
    ーブの外周に、リング状の超砥粒層が固着されてなるこ
    とを特徴とするワイヤソービーズ。
  2. 【請求項2】側面に複数個の穴を有する円筒形状のスリ
    ーブの外周に、仮成形したリング状の超砥粒成形体を装
    着し、加熱焼結することにより超砥粒層を形成するとと
    もに、超砥粒層をスリーブに固着することを特徴とする
    ワイヤソービーズの製造方法。
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