JP2000176056A

JP2000176056A - ゴルフのウッドクラブ

Info

Publication number: JP2000176056A
Application number: JP10355822A
Authority: JP
Inventors: Hitoshi Takeda; 均武田
Original assignee: Endo Manufacturing Co Ltd
Current assignee: Endo Manufacturing Co Ltd
Priority date: 1998-12-15
Filing date: 1998-12-15
Publication date: 2000-06-27

Abstract

(57)【要約】【課題】メタルウッドにおいて、インパクト時にヘッ
ドのボディ部の余計な変形を抑え、フェース部を効果的
に撓ませることによって、飛距離の増大を図る。【解決手段】ヘッド１の外殻部は金属製の殻部材から
なり、ヘッド１の内部は中空部11になっている。ヘッド
１の外殻部内に、そのフェース２から前後方向に所定の
距離をおいて中空部11のトウヒール方向の断面形状にほ
ぼ沿う形状を有する板状の補強リブ20を設ける。これに
より、フェース２部の弾性変形は許容しながら、ソール
４部やクラウン５部の変形は抑制できる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、ヘッドが金属製で
中空ないわゆるメタルウッドと呼ばれるゴルフのウッド
クラブに係わり、特にヘッドの構成に関する。

【０００２】

【発明が解決しようとする課題】いわゆるメタルウッド
のヘッドは、外殻部がチタンなどの金属製の殻部材から
なっており、内部が中空部になっている。この中空部
に、硬質発泡ウレタンなどの発泡樹脂を充填したものも
ある。

【０００３】ゴルフクラブのヘッドは、インパクトすな
わちボールの打撃の衝撃により変形する。従来のウッド
クラブのヘッドでは、インパクトにより外殻部のフェー
ス部、クラウン部およびソール部が全て変形していた。
フェースは実際にボールと接触する部分であり、フェー
ス部の変形による弾性力はボールの初速度を上げ、ボー
ルの飛距離を伸ばす効果を与える。したがって、フェー
ス部については、効果的な撓みが要求される。しかし、
ヘッドのボディ部を構成するソール部およびクラウン部
の変形は、フェース部の効果的な撓みを阻害してパワー
ロスを生じる。したがって、ソール部およびクラウン部
については、より堅牢であることが望ましい。

【０００４】また、例えば特開昭６０−３６０７４号公
報には、メタルウッドのヘッドにおいて、その外殻部内
にソール部およびフェース部に沿うほぼL字形状の補強
リブを溶着することが記載されている。しかし、このよ
うな補強リブでは、ヘッドのボディ部のみならずフェー
ス部の変形まで阻害されるため、インパクト時にフェー
ス部が効果的な撓みを生じない。

【０００５】本発明は、このような問題点を解決しよう
とするもので、メタルウッドと呼ばれるゴルフのウッド
クラブにおいて、ヘッドのボディ部の余計な変形を抑
え、フェース部を効果的に撓ませることによって、飛距
離の増大を図ることを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】請求項１の発明は、前記
目的を達成するために、前面にフェースを有するととも
にこのフェースの両側にそれぞれトウおよびヒールを有
するヘッドと、このヘッドのヒール側に接続されたシャ
フトとを備え、前記ヘッドの外殻部が金属製の殻部材か
らなるとともに、前記ヘッドの内部が中空部になったゴ
ルフのウッドクラブにおいて、前記ヘッドの外殻部内
に、そのフェースから前後方向に所定の距離をおいて前
記中空部のトウヒール方向の断面形状にほぼ沿う形状を
有する板状の補強リブを設けたものである。

【０００７】インパクト時つまりフェースによりボール
を打撃したとき、補強リブより後側の部分は変形しにく
い。すなわち、補強リブによってヘッドのボディ部を構
成するソール部およびクラウン部の変形が抑制され、逆
にフェース部は効果的に撓み、これによりボールの飛距
離が増大する。

【０００８】請求項２の発明は、請求項１の発明のゴル
フのウッドクラブにおいて、前記補強リブは、前記ヘッ
ドにおけるシャフトの接続部の後側近傍に位置している
ものである。

【０００９】ヘッドのボディ部の変形をより確実に抑制
するには、補強リブがフェース部のより近くに位置して
いた方がよい。しかしながら、特にシャフトの接続部が
フェース部と一体に成形されているような場合、前記接
続部が補強リブを設けることに対して障害になるので、
請求項２の発明のように、接続部の後側近傍に補強リブ
を位置させるとよい。

【００１０】請求項３の発明は、請求項１または２の発
明のゴルフのウッドクラブにおいて、前記補強リブは、
枠状になっていて、前記中空部のトウヒール方向の断面
形状の20％以上を占めているものである。

【００１１】このように補強リブを枠状にすれば、この
補強リブを軽量化でき、したがってヘッド全体の軽量化
も図れる。一方、補強リブを枠状にすると変形抑制効果
が低下するので、ある程度の変形抑制効果を得るには、
補強リブが中空部のトウヒール方向の断面形状の20％以
上を占めていることが望ましい。

【００１２】請求項４の発明は、請求項１または２の発
明のゴルフのウッドクラブにおいて、前記補強リブは、
閉塞した板状になっていて、前記中空部を分割している
ものである。

【００１３】このように補強リブが閉塞した板状になっ
ていると、この補強リブ自体の強度が高まり、ヘッドの
ボディ部の変形をより確実に抑制できる。

【００１４】

【発明の実施形態】以下、本発明のゴルフのウッドクラ
ブの第１実施例について、図１から図３を参照しながら
説明する。なお、本実施例のゴルフのウッドクラブは、
ヘッド１が金属製で中空のいわゆるメタルウッドであ
る。そのヘッド１は、前面がボールの打撃面をなすフェ
ース２、後側がバック３、下側がソール４、上側がクラ
ウン５、左右方向一側がトウ６、他側がヒール７をなし
ている。このヒール７の上側にはネック８が形成されて
おり、このネック８からホーゼル９が上方へ突出してい
る。このホーゼル９は、シャフト10が接続される接続部
をなすものである。そして、ヘッド１は、内部が中空部
11になっているが、この中空部11にはポリウレタンなど
の充填材を充填してもよい。また、フェース２には複数
の凹溝状のスコアライン12が形成されている。

【００１５】そして、前記ヘッド１は、前後に２分割さ
れて構成されている。すなわち、ヘッド１の外殻部は、
フェース側殻部材16とボディ部殻部材17とからなってい
る。さらに、これら両殻部材16,17間に挟まれて平板状
の補強リブ部材18が設けられている。これら殻部材16,1
7および補強リブ部材18は金属、例えばチタンあるいは
チタン合金からなっている。そして、殻部材16,17およ
び補強リブ部材18は、それぞれ鍛造を含めたプレス加
工、鋳造あるいは切削加工などの適宜の手段により成形
されており、溶接などの手段により互いに接合されてい
る。

【００１６】前記フェース側殻部材16は、フェース２部
とソール４部およびクラウン５部の前側の一部とネック
８およびホーゼル９とを構成するものであり、後方へ開
口した容器状になっている。また、前記ボディ部殻部材
17は、ヘッド１のボディ部すなわちバック３部とソール
４部およびクラウン５部の後側の大部分を構成するもの
であり、前方へ開口した容器状になっている。フェース
側殻部材16によりソール４部およびクラウン５部の前側
の一部を構成しているのは、同じフェース側殻部材16に
よりネック８およびホーゼル９も構成するためであり、
フェース側殻部材16の前後方向の寸法は、ネック８およ
びホーゼル９を構成するために必要最小限のものになっ
ている。

【００１７】前記補強リブ部材18は、中央部に開口19を
有して枠状になっており、その幅ｗは殻部材16,17の厚
みｔよりも大きくなっている。殻部材16,17および補強
リブ部材18の外形はそれらの接合部において同一なの
で、補強リブ部材18の内周側はヘッド１の中空部11内に
突出しており、この突出した部分が補強リブ20を構成し
ている。この補強リブ20は、フェース２から前後方向に
所定の距離をおいて前記中空部11のトウヒール方向の断
面形状にほぼ沿う形状を有しているとともに、この断面
形状の20％以上を占めている。これとともに、補強リブ
20は、ヘッド１におけるホーゼル９およびネック８の後
側近傍に位置している。

【００１８】つぎに、前記の構成についてその作用を説
明する。インパクト時つまり前面のフェース２によりボ
ールを打撃したとき、補強リブ20があるために、この補
強リブ20より後側の部分は変形しにくい。すなわち、補
強リブ20によってヘッド１のボディ部を構成するソール
４部およびクラウン５部が堅牢になり、その変形が抑制
される。そして、このようにボディ部の余計な変形が防
止されることにより、インパクトのエネルギーはフェー
ス側殻部材16のフェース２部の変形に費やされ、このフ
ェース２部は効果的に弾性変形して撓む。したがって、
フェース２部の変形による弾性力がボールの初速度を上
げ、このボールの飛距離が増大する。

【００１９】また、ヘッド１のボディ部の変形をより確
実に抑制するには、補強リブ20がフェース２のより近く
に位置していた方が効果的である。すなわち、フェース
側殻部材16のフェース２部と補強リブ20との間には、本
来打撃されたボールに適当な弾性力を付与できるだけフ
ェース２部が変形できる隙間があればよい。しかしなが
ら、本実施例のようにシャフト10の接続部であるホーゼ
ル９およびネック８がフェース側殻部材16としてフェー
ス２部と一体に成形されている場合、ホーゼル９および
ネック８が補強リブ20を設けることに対して障害になる
ので、ネック８の後側近傍に補強リブ20を位置させれ
ば、この補強リブ20をフェース２に極力近付けられる。

【００２０】さらに、補強リブ20を枠状にしたので、こ
の補強リブ20を軽量化でき、したがってヘッド１全体の
軽量化も図れる。そして、軽量化によりヘッド１の大型
化も可能になる。ヘッド1が大型化すれば、フェース２
の面積も増大し、スイートエリアが拡大する。一方、補
強リブ20を枠状にすると変形抑制効果が低下するので、
ある程度の変形抑制効果を得るには、補強リブ20が中空
部11のトウヒール方向の断面形状の20％以上を占めてい
ることが望ましい。

【００２１】つぎに、本発明のゴルフのウッドクラブの
第２実施例について図４および図５を参照しながら説明
する。なお、本第２実施例は、補強リブ部材21および補
強リブ22の形状以外、前記第１実施例と同じ構成になっ
ているので、この第１実施例と対応する部分には同一符
号を付して、その説明を省略する。本第２実施例は、補
強リブ部材21を閉塞した平板状にしたものであり、した
がって、この補強リブ部材21により形成される補強リブ
22も閉塞した平板状になっている。このように補強リブ
22は、閉塞した板状になっているために、ヘッド１内の
中空部11のトウヒール方向の断面を完全に塞いでおり、
この中空部11を前後に分割している。

【００２２】本第２実施例のように、補強リブ22が閉塞
した板状になっていると、この補強リブ22自体の強度が
高まる。したがって、ヘッド１のソール４部やクラウン
５部などのボディ部の変形をより確実に抑制できる。

【００２３】つぎに、本発明のゴルフのウッドクラブの
第３実施例について図６を参照しながら説明する。な
お、前記第１実施例および第２実施例と対応する部分に
は同一符号を付して、その説明を省略する。本第３実施
例は、補強リブ20,20を前後方向に平行に並べて２枚設
けたものである。そのために、ヘッド１を前後に３分割
して構成してある。そのうちフェース側殻部材16は前記
第１実施例のフェース側殻部材16と同じ構成であり、第
１実施例のボディ部殻部材17をさらに前後両面が開口し
た前側の第１のボディ部殻部材17aと、前面のみが開口
した後側の第２のボディ部殻部材17bとに分割してい
る。そして、前記両補強リブ20,20は、それぞれ補強リ
ブ部材18,18を各殻部材16,17a,17b間に挟み込んで接合
することにより構成されている。

【００２４】このように補強リブ20,20を２枚設けるこ
とにより補強効果が高まり、ヘッド１のソール４部やク
ラウン５部などのボディ部の変形をよりいっそう確実に
抑制できる。

【００２５】さらに、補強リブの数は前記第１実施例お
よび第２実施例の１枚、第３実施例の２枚に限るもので
はなく、３枚以上にしてもよい。複数枚の補強リブを設
ける場合、これらの補強リブは前後方向に並ぶことにな
る。

【００２６】なお、本発明は、前記実施例に限定される
ものではなく、種々の変形実施が可能である。例えば、
前記実施例では、ヘッド１の外殻部を構成する殻部材1
6,17と補強リブ20,22を構成する補強リブ部材18,21とを
別体にしたが、ヘッドの外殻部を複数の殻部材により構
成する際の分割数を増やすなどすれば、ヘッドの外殻部
を構成する殻部材に補強リブを一体に成形することも可
能である。例えば、前記第３実施例において、前後の補
強リブ20,20のうちの一方は、中央の第１のボディ部殻
部材17aと一体に成形することが可能である。

【００２７】また、前記各実施例では、ヘッド１の外殻
部を補強リブ部材18,21の位置を境界に分割して構成
し、外殻部を構成する各殻部材16,17,17a,17b間に補強
リブ部材18,21を挟む構成にしたが、ヘッドの外殻部の
分割位置は、必ずしも補強リブに対応させる必要はな
く、殻部材の内側に補強リブ部材を接合する構成にして
もよい。ただし、前記各実施例の分割構成の方が製造は
容易である。

【００２８】

【発明の効果】請求項１の発明のゴルフのウッドクラブ
によれば、ヘッドの外殻部が金属製の殻部材からなると
ともに、ヘッドの内部が中空部になったゴルフのウッド
クラブにおいて、ヘッドの外殻部内に、そのフェースか
ら前後方向に所定の距離をおいて中空部のトウヒール方
向の断面形状にほぼ沿う形状を有する板状の補強リブを
設けたので、ヘッドのボディ部の余計な変形を抑えて、
フェース部を効果的に撓ませることができ、これにより
飛距離の増大を図ることができる。

【００２９】請求項２の発明のゴルフのウッドクラブに
よれば、請求項１の発明の効果に加えて、補強リブは、
シャフトの接続部の後側近傍に位置しているので、シャ
フトの接続部が補強リブを設けることに対して障害にな
るような場合でも、ヘッドのボディ部の変形を極力抑制
できる。

【００３０】請求項３の発明のゴルフのウッドクラブに
よれば、請求項１または２の発明の効果に加えて、補強
リブは、枠状になっていて、中空部のトウヒール方向の
断面形状の20％以上を占めているので、ある程度の変形
抑制効果を確保しながら、ヘッドの軽量化を図ることが
できる。

【００３１】請求項４の発明のゴルフのウッドクラブに
よれば、請求項１または２の発明の効果に加えて、補強
リブは、閉塞した板状になっていて、中空部を分割して
いるので、ヘッドのボディ部の変形をより確実に抑制で
きる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のゴルフのウッドクラブの第１実施例を
示す斜視図である。

【図２】同上一部を断面にした斜視図である。

【図３】同上分解斜視図である。

【図４】本発明のゴルフのウッドクラブの第２実施例を
示す一部を断面にした斜視図である。

【図５】同上断面図である。

【図６】本発明のゴルフのウッドクラブの第３実施例を
示す断面図である。

【符号の説明】

１ヘッド２フェース６トウ７ヒール９ホーゼル（接続部） 10 シャフト 11 中空部 16 フェース側殻部材（殻部材） 17 ボディ部殻部材（殻部材） 17a 第1のボディ部殻部材（殻部材） 17b 第２のボディ部殻部材（殻部材） 20 補強リブ 22 補強リブ

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】前面にフェースを有するとともにこのフ
ェースの両側にそれぞれトウおよびヒールを有するヘッ
ドと、このヘッドのヒール側に接続されたシャフトとを
備え、前記ヘッドの外殻部が金属製の殻部材からなると
ともに、前記ヘッドの内部が中空部になったゴルフのウ
ッドクラブにおいて、前記ヘッドの外殻部内に、そのフ
ェースから前後方向に所定の距離をおいて前記中空部の
トウヒール方向の断面形状にほぼ沿う形状を有する板状
の補強リブを設けたことを特徴とするゴルフのウッドク
ラブ。
【請求項２】前記補強リブは、前記ヘッドにおけるシ
ャフトの接続部の後側近傍に位置していることを特徴と
する請求項１記載のゴルフのウッドクラブ。
【請求項３】前記補強リブは、枠状になっていて、前
記中空部のトウヒール方向の断面形状の20％以上を占め
ていることを特徴とする請求項１または２記載のゴルフ
のウッドクラブ。
【請求項４】前記補強リブは、閉塞した板状になって
いて、前記中空部を分割していることを特徴とする請求
項１または２記載のゴルフのウッドクラブ。