JP2000175897A - 手術支援用x線ct装置 - Google Patents

手術支援用x線ct装置

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JP2000175897A
JP2000175897A JP10358517A JP35851798A JP2000175897A JP 2000175897 A JP2000175897 A JP 2000175897A JP 10358517 A JP10358517 A JP 10358517A JP 35851798 A JP35851798 A JP 35851798A JP 2000175897 A JP2000175897 A JP 2000175897A
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Kazufumi Ihira
和史 伊平
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Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】血管等の体内の構造物の3次元的構造と、挿入
物の被検体内での位置や進行状況の確認をより明確にす
ることによって手術を行い易くすることを可能とするよ
うな手術支援用X線CT装置を提供することを目的とす
る。 【解決手段】X線管球と2次元検出器があり、被写体の
回りを回転しながら収集した投影データをもとに被写体
の3次元画像と任意方向の透視像を作成、表示させ、挿
入したカテーテルの先端位置を計算し、あるいは推定し
たりした結果にもとずいてカテーテルの先端位置を被写
体の3次元画像の中に表示させる手段を具備した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、手術(バイオプシ
ー、カテーテル挿入など)の支援をするためのX線CT
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、被検体を固定し、その被検体
内にカテーテル、穿刺針などの挿入物(以下、単に「挿
入物」と称する)を挿入して、被検体内に存在する腫瘍
等の異物に挿入物を到達させるために、その挿入物のガ
イドを行う手術支援システムがある。この手術支援シス
テムとしては、X線透視装置やX線断層像撮影装置を使
ったシステムなどがある。
【0003】X線透視装置を使ったシステムでは、複数
のモニターを持ち、予め、撮影した造影像およびリアル
タイムの1あるいは2方向からのX線透視像をガイドに
して挿入物を挿入していく。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、X線透
視装置を使った手術支援システムでは、2次元のデータ
しか収集できないため、3次元的に複雑な構造を持つ血
管などを2方向からのX線透視像により把握するのは難
しい。
【0005】本発明は、上記の従来技術の問題に鑑みて
なされたものであり、血管等の体内の構造物の3次元的
構造と、挿入物の被検体内での位置や進行状況の確認を
より明確にすることによって手術を行い易くすることを
可能とするような手術支援用X線CT装置を提供するこ
とを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の課題を
解決するために次のような手段を講じた。本発明の手術
支援用X線CT装置は、2次元検出器を持ったデータ収
集系と収集したデータから被写体の3次元画像と任意方
向の透視像を作成し、前記被写体の2方向からの透視像
に写った挿入物の透影像から前記被写体内にある挿入物
先端の位置を計算するデータ処理系と前記作成した3次
元画像と透視像と前記計算した挿入物先端の位置あるい
は前記計算した挿入物先端の位置結果から推定した現在
の挿入物先端の位置を3次元画像に表示する表示系を具
備したことを特徴とする。そして、前記データ収集系
は、投影像を収集するときには投影像を収集するときの
みX線を曝射することを特徴とする。
【0007】また、前記データ処理系は、3次元再構成
により被写体の3次元画像を作成し、回転しながら収集
した2次元検出器データの任意の方向からのデータを使
い、任意の方向の被写体の透視像を作成することを特徴
とする。そして、前記データ処理系により作成される3
次元画像は、造影像で、しきい値により一度しきい値を
決めると、あとは自動で作成されることを特徴とし、前
記作成した3次元画像と透視像を表示する表示系は、任
意方向の複数枚の透視像を表示することができることを
特徴とする。更に、前記透視像は、その各一枚が、それ
ぞれ前記2次元検出器が回転することによって収集され
たデータのほぼ一方向からの被写体の投影像であること
を特徴とする。
【0008】また、前記計算した挿入物先端の位置結果
から現在の挿入物先端の位置を推定する方法は、計算し
た挿入物先端の位置結果から最も近い血管内に現在の挿
入物先端があると推定する方法、あるいは、あらかじめ
体の一部を基準として、その基準に対する計算した挿入
物先端の位置結果との相対的位置から推定する方法、あ
るいは、あらかじめ血管内に一時的に基準を置いて、そ
の基準に対する計算した挿入物先端の位置結果との相対
的位置から推定する方法であることを特徴とする。
【0009】本発明の手術支援用X線CT装置におい
て、前記収集したデータから被写体の3次元画像が造影
像の場合に前記被写体の3次元造影像に前記挿入物先端
の位置を入力することでその挿入物位置で造影を行った
場合の造影の様子を模擬的に表示する表示系を具備した
ことを特徴とする。
【0010】上述のように本発明は、2次元検出器を持
ったデータ収集系と、収集したデータから被写体の3次
元画像と任意方向の透視像を作成し、前記被写体の2方
向からの透視像に写った挿入物の透影像から前記被写体
内にある挿入物先端の位置を計算するデータ処理系と、
前記作成した3次元画像と透視像と、前記計算した挿入
物先端の位置あるいは前記計算した挿入物先端の位置結
果から推定した現在の挿入物先端の位置を3次元画像に
表示する表示系を備えたので、血管等の体内の構造物を
3次元的に示すことができ、挿入物の被検体内での位置
や目的までの進行状況の確認を立体的にかつより明確に
することができるので、カテーテルの挿入等の手術を行
う医師の負担を減らすことができる。また、前記データ
収集系は、投影像を収集するときには投影像を収集する
ときのみX線を曝射するようにしたので、患者の被曝量
を減らすことができる。
【0011】そして、前記データ処理系は、3次元再構
成により被写体の3次元画像を作成し、回転しながら収
集した2次元検出器データの任意の方向からのデータを
使い、任意の方向の被写体の透視像を作成するようにし
たので、例えば、血管などの複雑な構造を持つ被写体の
構造が容易に把握できる。
【0012】また、前記データ処理系により作成される
3次元画像は、造影像で、しきい値により一度しきい値
を決めると、あとは自動で作成されるようにしたので、
造影時の画像処理を速くすることができ、よって前記デ
ータ処理系により作成される3次元画像は、ほぼリアル
タイムな画像として得られたものになる。
【0013】さらに、前記作成した3次元画像と透視像
を表示する表示系は、任意方向の複数枚の透視像を表示
することができるようにしたので、目的に応じて画像比
較などができ、挿入物の進行状況と共に現時点での表示
画面が被写体のどの部分に相当するかを容易に判断でき
るなど、画像から得られる有益な情報量が豊富になると
共に操作者の操作性の向上もはかれる。
【0014】また、前記透視像は、その各一枚が、それ
ぞれ前記2次元検出器が回転することによって収集され
たデータのほぼ一方向からの被写体の投影像であるよう
にしたので、前記透視像を得るまでの時間が短縮でき
る。
【0015】また、一般に、3次元画像データを収集し
た時間と透視像データを収集した時間は違うため、その
差異時間の間に被写体の位置が変わった場合、その3次
元画像と透視像が互いに同じ位置を表示しておらず、ず
れている可能性がある。その場合、前記計算した挿入物
先端の位置結果から現在の挿入物先端の位置を推定する
方法は、計算した挿入物先端の位置結果から最も近い血
管内に現在の挿入物先端があると推定する方法、あるい
は、あらかじめ体の一部を基準として、その基準に対す
る計算した挿入物先端の位置結果との相対的位置から推
定する方法、あるいは、あらかじめ血管内に一時的に基
準を置いて、その基準に対する計算した挿入物先端の位
置結果との相対的位置から推定する方法であるようにし
たので、そのずれを補正することができる。。
【0016】加えて、前記作成した3次元画像と透視像
と、前記計算した挿入物先端の位置あるいは前記計算し
た挿入物先端の位置結果から推定した現在の挿入物先端
の位置の3次元画像を表示する表示系において、前記収
集したデータから作成した被写体の3次元画像が造影像
の場合に、前記被写体の3次元造影像に前記挿入物先端
の位置を入力することでその挿入物位置で造影を行った
場合の造影の様子を模擬的に表示できるようにしたの
で、実際に何度も造影をやり直すことなく、ねらった造
影をすることが可能となり、医師の負担や患者の負担、
X線被曝量のすべての軽減を図ることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】図1〜図5を参照して、本発明の
実施の形態を詳細に説明する。図1は、本発明の第一の
実施形態のシステムの概略構成を示すブロック図であ
る。
【0018】そのシステムは架台1、寝台5、データ処
理部6、画像表示部4、入力部7とからなり、架台1内
には、図2に示すようなX線管球2と2次元検出器3が
あり、そのX線管球2と2次元検出器3が被写体の回り
を回転しながら投影データを収集する。
【0019】X線管球2と2次元検出器3が被写体の回
りを回転しながら収集した投影データをもとに画像を作
成するための方法としては、3次元画像作成方法(3次
元再構成)と透視像作成方法の2つの方法が可能であ
る。
【0020】3次元画像作成方法とは、X線管球2と2
次元検出器3が被写体の回りを回転しながら収集した投
影データから3次元再構成により画像を作成する方法で
のことである。この時、造影時には、予め決めておいた
しきい値処理により造影した血管像などを自動的に作成
する。また、透視像作成方法は、回転しながら収集した
2次元検出器3のデータの1方向からの出力カウントデ
ータのみを使い、その値に対応した画像の濃度値を求
め、その方向からの透視像を作成する方法のことであ
る。
【0021】図1に示すように、このシステムでは、画
像表示部4には複数の3次元画像、透視像が表示でき
る。また、方向1、2は任意に設定することが可能であ
る。このシステムにおいて、カテーテルを挿入するとき
の手順について述べる。
【0022】まず、表示する透視像の方向や、透視時、
造影時それぞれの撮影条件等必要になる条件をあらかじ
め入力しておき、必要があればそれらの条件は手術の途
中などで変更することができる。
【0023】次に、足の付け根の大腿動脈のような太い
血管から目的とする臓器あるいは腫瘍の近くまでカテー
テルを挿入する。その際、X線管球2と2次元検出器3
は被写体の回りを回転しながら投影データを収集し、そ
の収集した投影データをもとにデータ処理部6によりあ
らかじめ入力された方向の透視像を作成し、画像表示部
4がその作成されたあらかじめ入力された方向の透視像
を表示する。
【0024】そして、挿入したカテーテルが目的とする
臓器あるいは腫瘍の近くまできたら、そこでまず、必要
な範囲の造影を行う。造影している間は、X線管球2と
2次元検出器3は被写体の回りを回転しながら投影のデ
ータを収集し、その収集した投影データをもとにデータ
処理部6が3次元の造影像を再構成して、画像表示部4
がその再構成した3次元造影像を表示する。この時、画
像表示部4には、あらかじめ入力された方向の透視像と
再構成した3次元造影像が同時に表示されており、その
3次元造影像を参考にしながら、ほぼリアルタイムとい
える透視像をガイドにカテーテルを目的とするところま
でさらに進めていく。その際、例えば、血管の分岐点等
では、軽く造影を行い、血管を選択しながらカテーテル
を進めていく。そのときは、最初に収集した3次元造影
像と比較し参考とするために、造影するタイミングで3
次元画像を収集するようにする。このように最初に収集
した3次元造影像と比較しながらカテーテルを進め、目
的とする臓器あるいは腫瘍のところまできたら処置を行
う。
【0025】なお、投影像を収集するときには、投影像
を収集するときのみX線を曝射するようにして被曝を少
なくする。また、3次元画像は造影するたびに更新する
こともできるので、任意の造影時の3次元画像を複数枚
同時に画像表示部4に表示することができ、3次元造影
像どうし比較もすることができる。
【0026】上記のように第一の実施形態では、画像表
示部4に、あらかじめ入力された方向の透視像とカテー
テルを挿入したときの3次元造影像が同時に複数枚表示
できるようにしたので、その3次元造影像を参考にしな
がら、ほぼリアルタイムといえる透視像をガイドにする
ことにより、カテーテルなどの挿入物の挿入状態及び被
検体内の位置の確認を容易にし、その挿入物を目的とす
るところまで正しく挿入することができる。そして、投
影像を収集するときには、投影像を収集するときのみX
線を曝射するようにしたので、被検体に対する被曝量を
少なくすることができる。
【0027】次に、本発明の第二の実施形態を図1〜図
4を用いて説明する。そのシステムは、第一の実施形態
と同様に、架台1、寝台5、データ処理部6、画像表示
部4、入力部7とからなり、架台1内には、図2に示す
ようなX線管球2と2次元検出器3があり、被写体の回
りを回転しながら投影データを収集する。
【0028】まず、表示する透視像の方向や、透視時、
造影時それぞれの撮影条件等必要になる条件をあらかじ
め入力しておき、必要があればそれらの条件は手術の途
中などで変更することができる。
【0029】次に、足の付け根の大腿動脈のような太い
血管から目的とする臓器あるいは腫瘍の近くまでカテー
テルを挿入する。その際、X線管球2と2次元検出器3
は被写体の回りを回転しながら投影データを収集し、そ
の収集した投影データをもとにデータ処理部6によりあ
らかじめ入力された方向の透視像を作成し、画像表示部
4がその作成されたあらかじめ入力された方向の透視像
を表示する。
【0030】そして、挿入したカテーテルが目的とする
臓器あるいは腫瘍の近くまできたら、そこでまず、必要
な範囲の造影を行う。造影している間は、X線管球2と
2次元検出器3は被写体の回りを回転しながら投影のデ
ータを収集し、その収集した投影データをもとにデータ
処理部6が3次元の造影像を再構成して、画像表示部4
がその再構成した3次元造影像を表示する。
【0031】ここまでは第一の実施形態と同様である。
次の段階において、以下のような動作を行う。目的とす
る臓器あるいは腫瘍の近くまでカテーテルを挿入してい
る間にデータ処理部6により作成、収集された透視像に
おいて、データ処理部6がカテーテルの投影像を抽出
し、カテーテルの投影像の先端位置を確定する。そし
て、データ処理部6がカテーテルの投影像の先端位置を
確定させた透視像のうち2枚の透視像からデータ処理部
6がカテーテルの先端位置を計算し、その計算結果にも
とずいて画像表示部4が、挿入したカテーテルが目的と
する臓器あるいは腫瘍の近くまできた時になされた必要
な範囲の造影に対して収集された投影データをもとにデ
ータ処理部6により作成された3次元造影像の中にカテ
ーテルの先端位置を表示させる。あとは、カテーテルの
先端位置が表示されている3次元造影像を参考にしなが
ら、ほぼリアルタイムといえる透視像をガイドにカテー
テルを目的とするところまでさらに進めていく。その
際、例えば、血管の分岐点等あれば、第一の実施形態と
同様に軽く造影を行い、血管を選択しながらカテーテル
を進めていき、造影するタイミングで3次元画像を収集
するようにする。このようにカテーテルの先端位置が表
示されている3次元造影像と比較しながらカテーテルを
進め、目的とする臓器あるいは腫瘍のところまできたら
処置を行う。
【0032】2枚の透視像からデータ処理部6がカテー
テルの先端位置を計算する方法は、例えば次のようにす
ればよい。ある時点でのカテーテルの状態が図4に示す
ようになったとする。次に、データ処理部6がそのカテ
ーテルの状態を示す透視像のうち2枚(図4では、方向
1からの透視像9と方向2からの透視像10)を選んで
きて、その2枚の透視像9、10のそれぞれにおいて、
その透視像の中からカテーテルの投影像12、13を抽
出し、カテーテルの投影像12、13の先端位置をそれ
ぞれ確定する。そして、データ処理部6が、2枚の透視
像9、10のそれぞれにおける確定されたカテーテルの
投影像12、13の先端位置を2次元検出器の中心から
どれぐらいの距離にあるかを測る(図4では、2次元検
出器の中心から、方向1、方向2でのカテーテルの投影
像の先端位置のそれぞれの2次元的距離a、cとb、c
の計測)ことにより、それら2つの位置情報(透視像9
におけるa、bと透視像10におけるbとc)を合わせ
れば、3次元的なカテーテルの先端位置を確定すること
ができる。
【0033】この場合、上記の説明からわかるように、
3次元造影像を収集した時と透視像を収集した時が違う
ので、被写体の位置が変わった場合、例えば、血管の中
にあるはずのカテーテルが血管の外にあるなど、撮影し
た状態や位置がずれている可能性がある。そのときは、
2枚の透視像からデータ処理部6が計算したカテーテル
の先端位置の計算結果にもとずいて、その先端位置に最
も近い血管内にカテーテルが存在するとして、その推定
した位置を画像表示部4が、挿入したカテーテルが目的
とする臓器あるいは腫瘍の近くまできた時になされた必
要な範囲の造影に対して収集された投影データをもとに
データ処理部6により作成された3次元造影像の中にカ
テーテルの先端位置を表示させる。
【0034】そして、計算結果にもとずいたカテーテル
の先端位置を表示させた3次元造影像と、計算結果にも
とずいたカテーテルの先端位置に最も近い血管内にカテ
ーテルが存在すると推定したカテーテルの先端位置を表
示させた3次元造影像の両方あるいはどちらか一方と、
ほぼリアルタイムといえる透視像を画像表示部4に表示
することにより操作者はそれらをガイドに目的とする臓
器あるいは腫瘍のところまでさらにカテーテルを挿入さ
せていく。
【0035】2枚の透視像からデータ処理部6が計算し
たカテーテルの先端位置の計算結果にもとずいて推定す
るカテーテル先端の存在位置の推定方法としては、例え
ば、骨などの体の一部を基準として、そこからの計算結
果にもとずいたカテーテルの先端位置との相対的な位置
からカテーテル先端の存在位置を推定する方法でもよ
い。また、例えば、カテーテルを挿入している血管内に
一時的に基準を置いて、そこからの計算結果にもとずい
たカテーテルの先端位置との相対的な位置からカテーテ
ル先端の存在位置を推定する方法でもよい。
【0036】なお、X線曝射については第一の実施形態
と同様に、投影像を収集するときには、投影像を収集す
るときのみX線を曝射するようにする。上記のように第
二の実施形態では、第一の実施形態同様に、画像表示部
6に、あらかじめ入力された方向の透視像とカテーテル
を挿入したときの3次元造影像が同時に複数枚表示で
き,さらに、その3次元造影像の中にカテーテルの先端
位置を表示できるようにしたので、3次元造影像の中の
カテーテルの先端位置を参考にしながら、ほぼリアルタ
イムといえる透視像をガイドにすることにより、カテー
テルなどの挿入物の挿入状態及び被検体内の位置の確認
を容易にし、その挿入物を目的とするところまで正しく
挿入することができる。そして、投影像を収集するとき
には、投影像を収集するときのみX線を曝射するように
したので、被検体に対する被曝量を少なくすることがで
きる。
【0037】次に、本発明の第三の実施形態を図1、図
2、図5を用いて説明する。そのシステムは、第一の実
施形態と同様に、架台1、寝台5、データ処理部6、画
像表示部4、入力部7とからなり、架台1内には、図2
に示すようなX線管球2と2次元検出器3があり、被写
体の回りを回転しながら投影データを収集するわけだ
が、ここでは特に、ボリュームスキャナーあるいはヘリ
カルスキャナーといった被写体の3次元データを収集で
きるX線CT装置で血管を造影した画像を収集する場合
を考える。その際、表示する透視像の方向や、透視時、
造影時それぞれの撮影条件等必要になる条件をあらかじ
め入力しておき、必要があればそれらの条件は手術の途
中などで変更することができる。
【0038】まず、必要な範囲の血管の造影を行う。造
影している間は、X線管球2と2次元検出器3は被写体
の回りを回転しながら投影のデータを収集し、その収集
した投影データをもとにデータ処理部6が3次元の造影
像を再構成して、画像表示部4がその再構成した3次元
造影像を表示する。
【0039】次に、データ処理部6がしきい値処理等の
画像処理技術により、その3次元造影像の中から血管像
のみを抽出して、画像表示部4がその抽出した血管像を
表示させる。
【0040】更に、データ処理部6が、抽出された血管
像において、その血管を適当な領域ごとに分割し、血管
の枝分かれ、血管の太さ等の情報から血流の上流、下流
を認識して分割した血管の領域のラベリングを行う。
【0041】次に、足の付け根の大腿動脈のような太い
血管から目的とする臓器あるいは腫瘍の近くまでカテー
テルを挿入する。その際、必要に応じてX線管球2と2
次元検出器3は被写体の回りを回転しながら投影データ
を収集し、その収集した投影データをもとにデータ処理
部6によりあらかじめ入力された方向の透視像を作成
し、画像表示部4がその作成されたあらかじめ入力され
た方向の透視像を表示させるようにする。
【0042】そして、第二の実施形態と同様にして、そ
の透視像のうち2枚の透視像からデータ処理部6がカテ
ーテルの先端位置を計算したり、3次元造影像を収集し
た時と透視像を収集した時が違うので、被写体の位置が
変わった場合などでは、必要に応じて、第二の実施形態
と同様にして、カテーテルの先端位置を推定したりした
結果にもとずいて、画像表示部4が先程ラベリングを行
った3次元血管造影像の中にカテーテルの先端位置を表
示させる。その際、先程行った血管の領域のラベリング
に応じてカテーテルの先端位置の下流の部分の3次元血
管造影像のみを表示させることもできる。
【0043】血管の領域の分割からカテーテルの先端位
置の下流の部分の3次元血管造影像のみを表示させるま
での方法は、例えば、次のようにすればよい。図5に示
すように、3次元血管造影像15を必要に応じて適当な
領域幅で分割してやる。次に、それぞれ分割領域内の血
管における血流の方向を認識して、その領域における境
界に対して血流の始点に相当する境界を上流、終点に相
当する境界を下流と認識し、それぞれA、Bとする。そ
して、その3次元血管造影像15の中にカテーテルの先
端位置を表示させる。そのカテーテルの先端11が領域
ABに存在したとする。その時、そのカテーテルの先端
11を境にして血管を2つの流域に分割して、Aを含む
流域、即ち、カテーテルの先端から見てAの方向の血管
は「カテーテルの先端の上流」、Bを含む流域、即ち、
カテーテルの先端から見てBの方向の血管は「カテーテ
ルの先端の下流」と認識する。そして、画像表示部4は
「カテーテルの先端の下流」と認識した部分の3次元血
管造影像15のみを表示させる。
【0044】上記からわかるように、カテーテルを挿入
しカテーテルの先端位置を計算し、あるいは推定したり
した結果にもとずいてカテーテルの先端位置を表示させ
る過程と、抽出された血管像において、その血管を適当
な領域ごとに分割し、血流の上流、下流を認識して分割
した血管の領域のラベリングを行う過程はその順番を逆
にしても同様である。
【0045】このようにすることにより、ある時点での
カテーテルの先端位置からさらに先にカテーテルを挿入
しようとする場合、いちいちその位置から先の血管造影
をしなくても、そのカテーテルの先端から造影剤を注入
した場合に造影される血管の様子を造影せずに知ること
ができるので、手術中の手間や時間を減らすことができ
る。
【0046】
【発明の効果】本発明によれば、血管等の体内の構造物
を3次元的に示すことができ、挿入物の被検体内での位
置や目的までの進行状況の確認を立体的にかつより明確
にすることができるので、血管などの複雑な構造を持つ
被写体の構造が容易に把握できると共に、カテーテルの
挿入等の手術を行う医師の負担を減らすことができる。
また、目的に応じて画像比較などができ、挿入物の進行
状況と共に現時点での表示画面が被写体のどの部分に相
当するかを容易に判断できるなど、画像から得られる有
益な情報量が豊富になると共に操作者の操作性の向上も
はかれる。更に、収集したデータから作成した被写体の
3次元画像が造影像の場合に、被写体の3次元造影像に
前記挿入物先端の位置を入力することでその挿入物位置
で造影を行った場合の造影の様子を模擬的に表示できる
ので、実際に何度も造影をやり直すことなく、ねらった
造影をすることが可能となり、医師の負担や患者の負
担、X線被曝量のすべての軽減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のシステムの概略構成を示すブロック図
である。
【図2】架台内のX線管球と2次元検出器からなるデー
タ収集系を示す図である。
【図3】データ収集とそれに対する画像表示の一例を示
す図である。
【図4】カテーテルの先端位置の計算方法について説明
するための図である。
【図5】血管の領域の分割からカテーテルの先端の下流
部分の3次元血管造影像のみを表示させるまでの過程を
説明するための図である。
【符号の説明】
1 架台 2 X線管球 3 2次元検出器 4 画像表示部 5 寝台 6 データ処理部 7 入力部 8 3次元画像 9 方向1からの透視像 10 方向2からの透視像 11 カテーテル先端 12 方向1からのカテーテル造影像 13 方向2からのカテーテル造影像 14 カテーテル 15 3次元血管造影像

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】2次元検出器を持ったデータ収集系と、収
    集したデータから被写体の3次元画像と任意方向の透視
    像を作成し、前記被写体の2方向からの透視像に写った
    挿入物の透影像から前記被写体内にある挿入物先端の位
    置を計算するデータ処理系と、前記作成した3次元画像
    と透視像と、前記計算した挿入物先端の位置あるいは前
    記計算した挿入物先端の位置結果から推定した現在の挿
    入物先端の位置を3次元画像に表示する表示系を具備し
    たことを特徴とする手術支援用X線CT装置。
  2. 【請求項2】前記データ収集系は、投影像を収集すると
    きには投影像を収集するときのみX線を曝射することを
    特徴とする請求項1記載の手術支援用X線CT装置。
  3. 【請求項3】前記データ処理系は、3次元再構成により
    被写体の3次元画像を作成し、回転しながら収集した2
    次元検出器データの任意の方向からのデータを使い、任
    意の方向の被写体の透視像を作成することを特徴とする
    請求項1記載の手術支援用X線CT装置。
  4. 【請求項4】前記データ処理系により作成される3次元
    画像は、造影像で、しきい値により一度しきい値を決め
    ると、あとは自動で作成されることを特徴とする請求項
    1記載の手術支援用X線CT装置。
  5. 【請求項5】前記作成した3次元画像と透視像を表示す
    る表示系は、任意方向の複数枚の透視像を表示すること
    ができることを特徴とする請求項1記載の手術支援用X
    線CT装置。
  6. 【請求項6】前記透視像は、その各一枚が、それぞれ前
    記2次元検出器が回転することによって収集されたデー
    タのほぼ一方向からの被写体の投影像であることを特徴
    とする請求項5記載の手術支援用X線CT装置。
  7. 【請求項7】前記計算した挿入物先端の位置結果から現
    在の挿入物先端の位置を推定する方法は、計算した挿入
    物先端の位置結果から最も近い血管内に現在の挿入物先
    端があると推定する方法であることを特徴とする請求項
    1記載の手術支援用X線CT装置。
  8. 【請求項8】前記計算した挿入物先端の位置結果から現
    在の挿入物先端の位置を推定する方法は、あらかじめ体
    の一部を基準として、その基準に対する計算した挿入物
    先端の位置結果との相対的位置から推定する方法である
    ことを特徴とする請求項1記載の手術支援用X線CT装
    置。
  9. 【請求項9】前記計算した挿入物先端の位置結果から現
    在の挿入物先端の位置を推定する方法は、あらかじめ血
    管内に一時的に基準を置いて、その基準に対する計算し
    た挿入物先端の位置結果との相対的位置から推定する方
    法であることを特徴とする請求項1記載の手術支援用X
    線CT装置。
  10. 【請求項10】2次元検出器を持ったデータ収集系と、
    収集したデータから被写体の3次元画像と任意方向の透
    視像を作成し、前記被写体の2方向からの透視像に写っ
    た挿入物の透影像から前記被写体内にある挿入物先端の
    位置を計算するデータ処理系と、前記作成した3次元画
    像と透視像と、前記計算した挿入物先端の位置、あるい
    は前記計算した挿入物先端の位置結果から推定した現在
    の挿入物先端の位置の3次元画像と、前記収集したデー
    タから作成した被写体の3次元画像が造影像の場合に前
    記被写体の3次元造影像に前記挿入物先端の位置を入力
    することでその挿入物位置で造影を行った場合の造影の
    様子を模擬的に表示する表示系とを具備したことを特徴
    とする手術支援用X線CT装置。
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