JP2000175451A - 直流遮断装置 - Google Patents

直流遮断装置

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JP2000175451A
JP2000175451A JP34404598A JP34404598A JP2000175451A JP 2000175451 A JP2000175451 A JP 2000175451A JP 34404598 A JP34404598 A JP 34404598A JP 34404598 A JP34404598 A JP 34404598A JP 2000175451 A JP2000175451 A JP 2000175451A
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current
voltage
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capacitor
line
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JP34404598A
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English (en)
Inventor
Takashi Yoneda
孝史 米田
Masahiko Akamatsu
昌彦 赤松
Kazuhiko Tada
一彦 多田
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡便な構成でしかも、既存構成要素を有効活
用して低価格化が可能となる直流遮断装置を得ることを
目的とする。 【解決手段】 交直電力変換器12の直流側端子間に接
続された第1のキャパシタ16、直流線路14Pに挿入
された直流遮断器15、および直流遮断器15の線路側
で両直流線路14P、14N間に接続された第2のキャ
パシタ17を備え、直流遮断器15の遮断時、制御手段
20に変化指令信号ΔXを送出して交直電力変換器12
の出力電流を変化させ直流遮断器15の電流ICBをゼロ
クロスさせる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、交直電力変換装
置に接続される直流線路の電流を遮断する直流遮断装置
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図11は例えば、日立評論VOL.6
7、No6(1985−6)、p.13〜18に掲載さ
れた従来の直流遮断装置を示す回路構成図である。図に
おいて、1は直流電源(E)、2は直流線路3の端子T
1−T2間に挿入された直流遮断器で、互いに直列に接
続された接触子CB1とCB2とで構成されている。4
は各接触子CB1、CB2に並列に接続された電圧上昇
率抑制用キャパシタ(Cp1、Cp2)、5は転流イン
ダクタンス(L)、6は転流キャパシタ(Cc)、7は
転流用開閉器、8は充電用抵抗器(R1、R2)、9は
充電用補助開閉器、10はアレスタ(ZnO)である。
Iは遮断されるべき直流電流である。
【0003】次に動作について説明する。直流遮断器2
が閉じ直流電流Iが流れている時に、充電用抵抗器8を
介してあらかじめ転流キャパシタ6が図示極性に充電さ
れる。この際、充電用補助開閉器9を閉じることによ
り、充電抵抗値が下げられ充電動作が促進される。直流
電流Iを遮断する際は、先ず転流用開閉器7を閉じ、転
流キャパシタ6を転流インダクタンス5と直流遮断器2
を介して放電させる。転流キャパシタ6が転流インダク
タンス5と共振するため、その放電電流は高周波の正弦
波状のパルス電流となる。このパルス電流の波高値が直
流電流Iの値より大きくなるように設定される結果、直
流遮断器2の電流がゼロクロスする。
【0004】開極動作中の直流遮断器2は、このゼロク
ロスタイミングの近傍で消弧する。アークの消弧後、急
峻な電圧が直流遮断器2の極間に印加されると、再度ア
ークが生じるのでこれを防止するため電圧上昇率抑制用
キャパシタ4が必要とされる。消弧後も、線路インダク
タンスにより直流電流Iが流れ続ける場合が多いので、
線路電圧や直流遮断器2の電圧が過電圧となることが普
通である。この電圧を制限するため、アレスタ10が設
けられる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来の直流遮断装置は
以上のように構成されているので、直流遮断器2では、
その極間電圧上昇速度を一定限度以下に抑える必要があ
るため、特に超高圧の場合には、十分大きいキャパシタ
ンスの電圧上昇率抑制用キャパシタCp1、Cp2が必
要となる。また、転流キャパシタ6には数百Hz相当で
かつ大電流のパルス電流が流れるため、静電容量は小さ
くても高価なものとなる。更に、電流をゼロクロスさせ
るため、上記パルス電流は急峻でその波高値も大きくす
る必要があり、このため直流遮断器2−転流インダクタ
ンス5−転流キャパシタ6−転流用開閉器7からなる閉
ループの配線インダクタンスが制約され、機器自体や各
機器配置の設計自由度が制限されるとともに、絶縁設計
も困難となる。以上のような構成、作用上の理由によ
り、機器構成が複雑になるとともに、機器仕様が特殊と
なり結果として装置が高価になるという問題点があっ
た。
【0006】この発明は、以上のような問題点を解消す
るためになされたもので、簡便な構成でしかも、既存構
成要素を有効活用して低価格化が可能となる直流遮断装
置を得ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明に係る直流遮断
装置は、一対の直流線路と、この直流線路に挿入された
開閉手段と、上記一対の直流線路間に接続されたキャパ
シタと、変動電圧発生手段とで閉回路を形成し、通電中
の上記開閉手段を遮断する場合、上記変動電圧発生手段
により上記閉回路に変動電圧を発生させこれによって上
記閉回路に電流変化を与えこの電流変化分により上記開
閉手段の電流をゼロクロスさせるようにしたものであ
る。
【0008】この発明に係る直流遮断装置は、交流側端
子が交流系統に接続され直流側端子が一対の直流線路に
接続された交直電力変換手段、この交直電力変換手段の
出力を制御する制御手段、上記直流線路に挿入された開
閉手段、およびこの開閉手段と上記直流線路と上記交直
電力変換手段の直流側端子とで閉回路を形成するように
上記一対の直流線路間に接続されたキャパシタを備え、
通電中の上記開閉手段を遮断する場合、上記制御手段の
指令値を変化させることにより上記閉回路に出力電流変
化を与えこの出力電流変化分により上記開閉手段の電流
をゼロクロスさせるようにしたものである。
【0009】この発明に係る直流遮断装置は、交流側端
子が交流系統に接続され直流側端子が一対の直流線路に
接続された交直電力変換手段、この交直電力変換手段の
出力を制御する制御手段、上記交直電力変換手段の一対
の直流側端子間に接続された第1のキャパシタ、上記直
流線路に挿入された開閉手段、およびこの開閉手段と上
記直流線路と上記交直電力変換手段の直流側端子とで閉
回路を形成するように上記一対の直流線路間に接続され
た第2のキャパシタを備え、通電中の上記開閉手段を遮
断する場合、上記制御手段の指令値を変化させることに
より上記閉回路に出力電流変化を与えこの出力電流変化
分により上記開閉手段の電流をゼロクロスさせるように
したものである。
【0010】この発明に係る直流遮断装置は、その第2
のキャパシタのキャパシタンスを第1のキャパシタのキ
ャパシタンスより大きくしたものである。
【0011】この発明に係る直流遮断装置は、その開閉
手段に流れる電流の極性を判別する電流判別手段を備
え、通電中の上記開閉手段を遮断する場合、上記電流判
別手段からの判別極性を基に制御手段の指令値を変化さ
せる方向を決定するようにしたものである。
【0012】この発明に係る直流遮断装置は、一対の直
流線路、この直流線路に挿入された開閉手段、上記一対
の直流線路間に接続された第1のキャパシタ、および上
記直流線路と上記開閉手段と上記第1のキャパシタとで
閉回路を形成するように上記一対の直流線路間に接続さ
れた第2のキャパシタを備えるとともに、上記閉回路に
変動電圧発生手段を挿入し、通電中の上記開閉手段を遮
断する場合、上記変動電圧発生手段により上記閉回路に
変動電圧を発生させこれによって上記閉回路に電流変化
を与えこの電流変化分により上記開閉手段の電流をゼロ
クロスさせるようにしたものである。
【0013】この発明に係る直流遮断装置は、その第1
および第2のキャパシタのキャパシタンスを互いに等し
くしたものである。
【0014】この発明に係る直流遮断装置の変動電圧発
生手段は、一対の出力端子間に接続された直流電圧源
と、上記一対の出力端子と直流電圧源とに接続され常時
は上記一対の出力端子間を短絡し、変動電圧発生時は所
定時間上記一対の出力端子から上記直流電圧源の電圧を
出力するよう上記直流電圧源の両極を上記一対の出力端
子に接続するスイッチング素子とを備えたものである。
【0015】この発明に係る直流遮断装置の変動電圧発
生手段は、ブリッジ接続された4個のスイッチング素子
を備えることにより、一対の出力端子に接続する直流電
圧源の極性を可逆としたものである。
【0016】この発明に係る直流遮断装置の変動電圧発
生手段は、一対の出力端子間にそれぞれ接続された、ス
イッチとキャパシタとの直列接続体、およびリアクトル
を備え、常時は上記スイッチを開路し変動電圧発生時は
上記スイッチを所定時間閉路し予め充電した上記キャパ
シタの上記リアクトルへの放電電圧を上記一対の出力端
子から出力するようにしたものである。
【0017】この発明に係る直流遮断装置の変動電圧発
生手段は、その一対の出力端子間に、ダイオードと抵抗
との直列接続体を接続することにより、リアクトルの電
圧反転を抑制するようにしたものである。
【0018】この発明に係る直流遮断装置は、キャパシ
タの充電電圧の極性を互いに逆にした2個の変動電圧発
生手段を直列にして閉回路に挿入し、閉路するスイッチ
を選択することにより上記閉回路に出力する変動電圧の
極性を可逆としたものである。
【0019】この発明に係る直流遮断装置は、その開閉
手段に流れる電流の極性を判別する電流判別手段を備
え、通電中の上記開閉手段を遮断する場合、上記電流判
別手段からの判別極性を基に変動電圧発生手段から出力
する電圧の極性を決定するようにしたものである。
【0020】この発明に係る直流遮断装置は、その一対
の直流線路の一方が接地される場合、変動電圧発生手段
を上記接地される直流線路側に挿入するようにしたもの
である。
【0021】この発明に係る直流遮断装置は、その開閉
手段の閉路動作時、一旦インピーダンス要素を介して閉
路ししかる後完全閉路するよう、上記開閉手段を、その
両極間に挿入された上記インピーダンス要素とこのイン
ピーダンス要素と直列に接続された第1の接触子と上記
インピーダンス要素と並列に接続された第2の接触子と
で構成したものである。
【0022】この発明に係る直流遮断装置は、そのキャ
パシタまたは開閉手段の電圧を所定値以下に制限する電
圧制限手段を備えたものである。
【0023】
【発明の実施の形態】実施の形態1.図1はこの発明の
実施の形態1における直流遮断装置を示す回路構成図で
ある。図において、11は交流電力系統、12はその交
流側端子が変圧器13を介して交流電力系統11に接続
された交直電力変換器で、その直流側端子は正負一対の
直流線路14P、14Nに接続されている。15は直流
線路14Pに挿入された開閉手段としての直流遮断器、
16は直流遮断器15と交直電力変換器12との間の両
直流線路14P、14N間に接続された第1のキャパシ
タ、17は直流遮断器15の線路側で両直流線路14
P、14N間に接続された第2のキャパシタ、18は線
路インダクタンスで、直流線路14のインダクタンスま
たは電流上昇率抑制用インダクタンスを挿入する場合は
それを含むインダクタンスを示している。19aは交直
電力変換器12の直流側端子間に接続された電圧制限手
段で、交直電力変換器12自体の過電圧保護作用を行う
ものである。19bは第2のキャパシタ17の両端子間
に接続された電圧制限手段、19cは直流遮断器15の
両極間に接続された電圧制限手段で、後述するように、
電圧制限手段19b、19cはそのいずれかが存在すれ
ばよい。また、線路インダクタンス18が大きい場合に
必要でその値によっては必ずしも必要でない場合もあ
る。なお、電圧制限手段19a〜19cは、従来の図1
1に示すように、Y結線で構成するようにしてもよい。
【0024】20は交直電力変換器12の制御手段で、
交直電力変換器12の交流側に挿入された交流電流検出
手段21からの交流電流Iac、交直電力変換器12の
直流側端子内に挿入された直流電圧検出手段22からの
直流電圧Vdcおよび交直電力変換器12の直流側に挿
入された直流電流検出手段23からの直流電流ICを入
力信号として交直電力変換器12のスイッチング素子を
オンオフ制御するスイッチング信号を出力する。24は
開閉指令手段で、遮断指令が入力されたとき、制御手段
20に対して交直電力変換器12の出力を変化させるた
めの変化指令信号ΔXを送出するとともに直流遮断器1
5に開極指令信号Sを送出する。
【0025】なお、変化指令信号ΔXとしては、例え
ば、有効電流の変化指令ΔIP、無効電流の変化指令Δ
Q、直流電圧の変化指令ΔVdc、有効電力の変化指
令ΔP、無効電力の変化指令ΔQ、変換器動作位相の変
化指令Δθ、変換器直流電流の変化指令ΔIC、d軸電
圧の変化指令ΔVd、q軸電圧の変化指令ΔVq等の交
直電力変換器12の出力電流を変化させ得る1または2
以上の変化指令を個々のケースで選択することになる。
【0026】図2は電圧制限手段19a等の具体的構成
例を示す。同図(a)はZnOやMOなどのアレスタ2
5で、電圧制限手段19a、19b、19cに使用でき
る。同図(b)は電圧制限手段19bに使用できる要素
で、ダイオード26と抵抗または非線形抵抗器27との
直列体からなる。ダイオード26が直流線路14の平常
時の電圧をブロックするように接続する。抵抗器27は
冷却効果が得やすいので、繰り返し遮断動作による繰り
返しエネルギー吸収に耐えることができるという特長が
ある。
【0027】次に動作について説明する。図3は直流遮
断器15の遮断にともなう一連の動作を示す動作波形図
である。今、線路電流ILが直流遮断器15に流れてい
たとする。時点t1で直流線路14に事故が発生し、時
点t2で開閉指令手段24は直流遮断器15に開極指令
が与える。これとほとんど同時に、開閉指令手段24は
制御手段20に対して変化指令信号ΔX、具体的には、
既述した通り、例えば、有効電流の変化指令ΔIPや変
換器直流電流の変化指令ΔIC等を与える。これによ
り、交直電力変換器12の直流電流ICが初期電流の極
性と逆方向に変化する(図1参照)。
【0028】この交直電力変換器12からの出力電流変
化分ΔICは第1のキャパシタ16と第2のキャパシタ
17とに分流するので、第2のキャパシタ17に流れる
電流変化分ΔIC2は式(1)で表される。 ΔIC2={C2/(C1+C2)}・ΔIC ・・・(1) 但し、C1:第1のキャパシタ16のキャパシタンス C2:第2のキャパシタ17のキャパシタンス
【0029】線路インダクタンス18が十分大きく、線
路電流ILが交直電力変換器12の電流変化に反応しな
いものと仮定すると、直流遮断器15の電流ICBは線路
電流ILと第2のキャパシタ17の電流変化ΔIC2とよ
り式(2)で表される。 ICB=IL−ΔIC2 =IL−{C2/(C1+C2)}・ΔIC ・・・(2)
【0030】従って、式(2)で表される直流遮断器1
5の電流ICBがゼロクロスするように、出力電流変化分
ΔICを与えることにより、直流遮断器15はその電流
CBがゼロクロス近傍になってそのアークが消弧され
る。この時点が図3のt3である。この後、交直電力変
換器12は無負荷状態となって、その電流ICは第1の
キャパシタ16との間で動揺しながらゼロになる。この
特性は制御手段20によって制御することができる。
【0031】続いて、第2のキャパシタ17の電圧VL
は、第2のキャパシタ17が放電して極性が反転し、逆
極性の電圧が電圧制限手段19bの制限電圧に達する時
点t4において電圧の変化が止まる。このとき、電圧制
限手段19bと第2のキャパシタ17とからなる閉ルー
プインダクタンスなどにより、時点t5まで若干の電圧
動揺があり得る。その後、線路電流ILが減少を続け、
時点t6で線路電流ILが一旦消滅し、線路の浮遊アド
ミッタンスなどにより電圧や電流が減衰振動する。直流
遮断器15の極間電圧VCBは、第2のキャパシタ17の
電圧VL対応して図3(d)に示すように変化する。
【0032】以上は、第2のキャパシタ17と並列に電
圧制限手段19bを設け電圧制限手段19cは設けない
場合について説明したが、逆に、電圧制限手段19bは
設けず、直流遮断器15の両極間に電圧制限手段19c
を設けた場合は、電圧制限手段19cの制限電圧から交
直電力変換器12の直流電圧Vdcを引いた値と第2の
キャパシタ17の逆極性電圧とが等しくなった時点で電
圧制限が始まり、これが時点t4になる。他の動作は上
記と同様である。
【0033】前記動作において、直流遮断器15の遮断
時の電圧上昇速度dv/dtは第2のキャパシタ17の
キャパシタンスC2により抑制され、 dv/dt≒IL/C2 となる。他方、第1のキャパシタ16と第2のキャパシ
タ17は共に、交直電力変換器12によって変換された
直流出力を平滑する作用を有する。換言すると、この発
明における第1のキャパシタ16および第2のキャパシ
タ17は、電圧型交直電力変換器12が本来必要とする
直流平滑キャパシタ(Cdc)をそのまま分割して配置
すれば済む訳である。なお、その際、式(2)の関係が
あるので、C1<C2とすることにより、交直電力変換
器12で発生させる出力電流変化分ΔICが小さくて済
むと共に、上述した電圧上昇速度dv/dtもより一層
抑制されるという効果が得られる。
【0034】特に、第1のキャパシタ16を、交直電力
変換器12内のスイッチング素子のサージ過電圧保護に
必要なキャパシタ分に相当する交直電力変換器12内構
成要素にとどめ、見かけの機器構成としては第2のキャ
パシタ17のみを設けるようにしてもよい。要は、交直
電力変換器12により、直流線路14と直流遮断器15
と第2のキャパシタ17とで形成される閉回路に出力電
流変化を与え、この出力電流変化分ΔICにより直流遮
断器15の電流ICBをゼロクロスさせるようにすればよ
い。
【0035】なお、図1では、直流遮断器15を直流線
路14P側に挿入しているが、接地(Gr)される直流
線路14N側に挿入してもよく、また、両直流線路14
P、14Nに挿入するようにしてもよい。
【0036】以上のように、この発明の実施の形態1に
おいては、交直電力変換手段に本来必要である直流平滑
キャパシタを有効に活用し、これにより交直電力変換器
による出力電流の変化を可能とすることで直流遮断器の
電流をゼロクロスさせる。従って、直流遮断を可能とす
ることができる。また、このキャパシタにより直流遮断
器の電圧上昇速度を抑制することができる。従って、従
来必要であった、転流インダクタンスや転流キャパシ
タ、更に転流キャパシタの充放電手段が不要となり、構
成機器の有効利用による簡便で低コストの直流遮断装置
を実現することができる。
【0037】実施の形態2.図4は、直流遮断器15の
変形例を示す構成図で、図において、28、31はイン
ピーダンス要素、29、32は第1の接触子、30、3
3は第2の接触子である。
【0038】先ず、図4(a)は、2つの接触子29、
30を互いに直列に接続したもので、直流遮断器15の
閉路の際は、先に第1の接触子29を閉極し、インピー
ダンス要素28を介して両キャパシタ16、17間の電
圧差が縮小されるようにする。しかる後、第2の接触子
30を閉極して直流遮断器15を通電可能状態にする。
直流遮断器15の遮断時は、第1の接触子29と第2の
接触子30とを同時に開極する。あるいは、先に第2の
接触子30を開極して限流状態にし、しかる後第1の接
触子29を開極する。以上により、電位差のあるキャパ
シタ16、17の短絡によるコンタクトの溶着を防止で
きる効果が得られる。
【0039】次に、図4(b)は、2つの接触子32、
33を互いに並列に接続したもので、直流遮断器15の
閉路の際は、先に第1の接触子32を閉極し、インピー
ダンス要素31を介して両キャパシタ16、17間の電
位差が縮小されるようにする。しかる後、第2の接触子
33を閉極して直流遮断器15を通電可能状態にする。
その後、第1の接触子32を開極し、遮断可能状態で待
機する。あるいは、通電時、両接触子を閉極状態にして
おき、遮断時に、先ず第2の接触子33を開極して限流
状態にし、しかる後第1の接触子32を開極する。この
場合も、図4(a)と同様、電位差のあるキャパシタ1
6、17の短絡によるコンタクトの溶着を防止できる効
果が得られる。
【0040】実施の形態3.図5はこの発明の実施の形
態3における直流遮断装置を示す回路構成図である。図
において、11〜20、24は図1と同一のもので個々
の説明は省略する。34は直流遮断器15に流れる電流
CBの極性や大きさを判別する電流判別手段で、電流検
出手段35から得られた交直電力変換器12の電流i1
と電流検出手段36から得られた第1のキャパシタ16
の電流i2とを電流判別部37で加算して電流iCBを求
める。電流検出手段35、36は接地(Gr)レベルに
設ければよいので、その絶縁構成が簡便となる利点があ
る。高電位の直流線路14Pに電流検出手段38を挿入
し、直流遮断器15の電流iCBを直接検出するようにし
てもよい。
【0041】次に動作について説明する。交直電力変換
器12が直流負荷へ電力を供給している状態か交流電力
系統11へ電力を回生している状態かで直流遮断器15
に流れる電流iCBの極性が異なる。電流判別手段34
は、遮断指令が出たとき、少なくとも、この電流iCB
極性を判別し、変化指令信号ΔXの極性、即ち、交直電
力変換器12によってその出力電流を変化させる方向を
決定して制御手段20に送出する。もし、極性が判らな
ければ、交流的に両極性の電流変化を与える必要があり、
結果として必要な電流変化量を大きくせざるを得ず、電
流iCBをゼロクロスさせるまでの時間も長くなる。これ
に対し、この電流判別手段34を設けた場合は、電流i
CBの大きさを減じるために変化させる方向(極性)が確
定されるので、必要な電流変化量も小さくでき、電流iCB
をゼロクロスさせるまでの時間も短縮される。
【0042】電流判別手段34により、電流iCBの極性
に加えてその大きさも判別するようにし、前記式(2)
から必要な電流変化分の大きさを演算して指令すること
により、変化量を更に小さく絞り込むことができる。換
言すれば、最小の出力電流変化により、電流のゼロクロ
スを形成して直流遮断器15を消弧させることができる
訳である。
【0043】実施の形態4.図6はこの発明の実施の形
態4における直流遮断装置を示す回路構成図である。図
において、41は交流電力系統、42はその交流側端子
が変圧器43を介して交流電力系統41に接続された交
直電力変換器で、その直流側端子は正負一対の直流線路
44P、44Nに接続されている。45は直流線路44
Pに挿入された開閉手段としての直流遮断器、46は直
流遮断器45と交直電力変換器42との間の両直流線路
44P、44N間に接続された第1のキャパシタ、47
は直流遮断器45の線路側で両直流線路44P、44N
間に接続された第2のキャパシタ、48a、48bは線
路インダクタンスで、直流線路44にインダクタンスま
たは電流上昇率抑制用インダクタンスを挿入する場合は
それを含むインダクタンスを示している。49aは交直
電力変換器42の直流端子間に接続された電圧制限手段
で、交直電力変換器42自体の過電圧保護作用を行うも
のである。49bは第2のキャパシタ47の両端子間に
接続された電圧制限手段で、実施の形態1の図2で説明
した構成のものを採用することができる。
【0044】50は変動電圧発生手段としてのパルス発
生回路で、両直流線路44P、44Nと第1のキャパシ
タ46と直流遮断器45と第2のキャパシタ47とで形
成される閉回路Sのいずれかの位置に挿入される。図6
では、点線で図示したものを含め挿入位置として3個所
を例示している。Grは接地を示す。
【0045】図7はパルス発生回路50の内部構成を示
す図である。図において、51〜54は、自己OFF機
能をもつ逆導通型のスイッチング素子または逆並列ダイ
オード付きサイリスタスイッチ等の固体スイッチング素
子で、4個のスイッチング素子がブリッジ接続されてい
る。55は直流電圧源(電圧E)である。また、端子P
1、P2はそれぞれ図6の点P1、P2に対応する。
【0046】次に動作を図8の動作波形図を参照して説
明する。なお、図6、図8において、ICBは直流遮断器
45に流れる電流、IPはパルス発生回路50に流れる
電流、Vpはパルス発生回路50の端子間電圧、IL
線路電流、I49bは電圧制限手段49bの電流、V49b
その制限電圧、VLは直流回路の電圧である。先ず、通
常運転状態では、直流遮断器45に線路電流ILが流れ
ており、つまりICB=ILである。このとき、パルス発
生回路50はスイッチング素子51、53(または5
2、54)が導通状態、スイッチング素子52、54
(または51、53)が非道通状態にあり、これによ
り、端子P1、P2間は、端子P1−スイッチング素子
51−スイッチング素子53−端子P2(または、端子
P1−スイッチング素子52−スイッチング素子54−
端子P2)を通る経路で短絡されている。
【0047】この状態から、図8の時点t1で直流遮断
器45に開極指令が与えられると、これと同時にパルス
発生回路50にもパルス発生指令を与える。パルス発生
指令を受け取ったパルス発生回路50は、スイッチング
素子53をOFFしスイッチング素子54をONして一
定時間後元の短絡状態に戻すことにより、パルス発生回
路50の端子P1、P2間に電圧Eのパルス電圧Vpを
発生する。このパルス電圧Vpにより生じるパルス電流
Pは、パルス発生回路50−第2のキャパシタ47−
直流線路44P−直流遮断器45−直流線路44Nを通
る経路で閉回路Sを還流する。このパルス電流が線路電
流ILより大きくなるように設計することにより直流遮
断器45を流れる電流ICBをゼロクロスさせそのアーク
が消弧される。これが時点t2である。
【0048】直流遮断器45を流れていた電流ILは、
直流遮断器45が開路した後は第2のキャパシタ47に
転流する。つまりIP=ILとなる。この後、第2のキャ
パシタ47は電流ILにより通常運転時とは逆極性に充
電されるため直流回路の電圧VLは極性反転する。反転
後の電圧は電圧制限手段49bが動作することにより−
49bに制限される。これが時点t3である。
【0049】電圧制限手段49bが動作を開始すると、
第2のキャパシタ47に流れていた電流ILは電圧制限
手段49bに転流する。つまりI49b=ILである。この
後、電流ILは、直流回路の電圧VLが極性反転したため
徐々に減少して零となる。これが時点t4である。この
ようにして、上記一連の動作により直流遮断器45によ
り直流電流を遮断することが可能である。
【0050】遮断直前の線路電流ILの流れる方向が上
記と逆の場合は、パルス発生回路50の発生するパルス
発生Vpの極性を上記と逆にする(つまり−Eとする)
必要がある。このため、パルス発生回路50がパルス発
生指令を受け取ると、スイッチング素子51をOFFし
スイッチング素子52をONさせ一定時間後元の短絡状
態に戻すことにより可能である。なお、電流ICBの極性
に応じてスイッチング素子のON/OFF動作を選択す
る点は、先の実施の形態3の図5で説明した電流判別手
段34を採用すればよい。
【0051】仮に、線路電流ILの流れる方向が一方向
のみである場合は、パルス発生回路50の発生する電圧
極性は1極性のみでよいため、図7において、スイッチ
ング素子53、54は不要となり、スイッチング素子5
1、52のみを使用し端子P2の代わりに点線で示した
端子P2′とすればよい。これにより、パルス発生回路
50の構成がより簡単となる。
【0052】パルス発生回路50は閉回路Sであればど
こにでも挿入することが可能であるが、図6の点線で示
す位置を含め、接地される直流線路44Nまたは第1の
キャパシタ46、第2のキャパシタ47の接地側に配置
することによりパルス発生回路50の絶縁レベルを低く
して装置の低コスト化が図れる。
【0053】また、両キャパシタ46、47のキャパシ
タンスは、両者の和を一定値とした場合、両者のキャパ
シタンスを互いに等しい値に設定すると、パルス発生回
路50から見た閉回路Sのキャパシタンスが最大となる
ので、パルス電圧発生に伴う電流の変化速度が最大とな
り、直流遮断器45の電流のゼロクロスに至る時間(図
8の(t2−t1)が相当)が最短となる。従って、適
切な遮断性能の直流遮断器45を採用することにより、
高速遮断が可能となる。
【0054】なお、電圧制限手段は第2のキャパシタ4
7と並列に挿入する場合に限らず、これに代わり、直流
遮断器45の両極間に挿入するようにしてもよいのは先
の形態例で説明したと同様である。また、電位差のある
キャパシタ46、47の短絡によるコンタクトの溶着を
防止するため、先に図4で説明した構成を直流遮断器に
採用して効果を奏することは言うまでもない。
【0055】以上のように、この実施の形態4では、従
来のような特別の転流インダクタンスや転流キャパシタ
が不要で、転流キャパシタ充放電手段も不要となる。そ
して、直流遮断器45が開極後、その極間に現れる電圧
の上昇率の抑制は第1のキャパシタ46および第2のキ
ャパシタ47がその機能を発揮するので、従来、直流遮
断器45の極間に挿入されていた電圧上昇率抑制用キャ
パシタ4も不要となる。また、第1のキャパシタ46お
よび第2のキャパシタ47は、共に本来、直流送電に必
要な直流平滑キャパシタと同じ作用をもっているので、
その直流平滑キャパシタを分散配置することにより第1
のキャパシタ46および第2のキャパシタ47を兼ねる
ことができる。即ち、元来必要な構成要素の有効利用に
よる簡素化を図ることができ、装置の低コスト化を図る
ことができるという効果が得られる。
【0056】実施の形態5.先の実施の形態4のパルス
発生回路50の変形例をこの発明の実施の形態5として
以下に説明する。図9はそのパルス発生回路60の内部
構成を示す図である。図において、61は補助キャパシ
タ、62は点弧制御可能な放電ギャップ、63はリアク
トル、64はダイオード、65は抵抗である。なお、放
電ギャップ62は、図7のスイッチング素子51等と同
様のものとしてもよい。
【0057】次に動作を図10の動作波形図を参照して
説明する。補助キャパシタ61は図示していない電源に
より予め図9に示す極性に充電されているものとする。
時点t1において、放電ギャップ62をONすることに
より、リアクトル63の端子間、即ち端子P1、P2間
に補助キャパシタ61の電圧Vcを印加する。この印加
で補助キャパシタ61とリアクトル63とで生じるいく
らかの共振性振動によりリアクトル63の電圧Vpはゼ
ロクロスする。これが時点t2である。
【0058】この後、ダイオード64と抵抗65との直
列接続体を通して電流が流れ、リアクトル63の端子間
電圧Vpが制限される。これにより、リアクトル63の
端子間電圧Vpの極性が大きく反転することを阻止する
作用を行う。このようにして、パルス発生回路60の端
子P1、P2間にパルス電圧Vpを発生させることがで
きる。従って、実施の形態4と同様、このパルス電圧を
閉回路Sに出力することで直流遮断器45の電流をゼロ
クロスさせその遮断動作が可能となる。そして、実施の
形態4で説明したと同様、従来の装置に比較して、構成
が簡単になり低コスト化を図ることができるという効果
が得られる。
【0059】なお、図9においては、補助キャパシタ6
1を使用するが、ダイオード64と抵抗65との直列接
続体を設けることにより、補助キャパシタ61はその極
性が反転せず、直流コンデンサの採用が可能となり、電
圧が反転し従って交流コンデンサとなる従来の転流キャ
パシタ6に比較して安価となる利点がある。もっとも、
上記直列接続体64、65は、直流遮断器45の電流を
ゼロクロスさせるという機能自体からは、必ずしも必要
とするものではないので、省略することも可能である。
【0060】更に、図9に示すパルス発生回路60を2
個、両者の補助キャパシタ61の充電電圧の極性を互い
に逆にして閉回路Sに挿入し、遮断直前の直流遮断器4
5に流れる電流の向きに応じていずれかのパルス発生回
路60を選択してその放電ギャップ62をONさせるこ
とで、速やかな電流のゼロクロスを実現させることもで
きる。
【0061】
【発明の効果】以上のように、この発明に係る直流遮断
装置は、一対の直流線路と、この直流線路に挿入された
開閉手段と、上記一対の直流線路間に接続されたキャパ
シタと、変動電圧発生手段とで閉回路を形成し、通電中
の上記開閉手段を遮断する場合、上記変動電圧発生手段
により上記閉回路に変動電圧を発生させこれによって上
記閉回路に電流変化を与えこの電流変化分により上記開
閉手段の電流をゼロクロスさせるようにしたので、直流
送電に必要な直流平滑キャパシタを有効に活用して、簡
便安価な構成で直流遮断を可能とすることができる。
【0062】また、この発明に係る直流遮断装置は、交
流側端子が交流系統に接続され直流側端子が一対の直流
線路に接続された交直電力変換手段、この交直電力変換
手段の出力を制御する制御手段、上記直流線路に挿入さ
れた開閉手段、およびこの開閉手段と上記直流線路と上
記交直電力変換手段の直流側端子とで閉回路を形成する
ように上記一対の直流線路間に接続されたキャパシタを
備え、通電中の上記開閉手段を遮断する場合、上記制御
手段の指令値を変化させることにより上記閉回路に出力
電流変化を与えこの出力電流変化分により上記開閉手段
の電流をゼロクロスさせるようにしたので、交直電力変
換手段に必要な直流平滑キャパシタと制御手段の制御機
能を有効に活用して、簡便安価な構成で直流遮断を可能
とすることができる。
【0063】また、この発明に係る直流遮断装置は、交
流側端子が交流系統に接続され直流側端子が一対の直流
線路に接続された交直電力変換手段、この交直電力変換
手段の出力を制御する制御手段、上記交直電力変換手段
の一対の直流側端子間に接続された第1のキャパシタ、
上記直流線路に挿入された開閉手段、およびこの開閉手
段と上記直流線路と上記交直電力変換手段の直流側端子
とで閉回路を形成するように上記一対の直流線路間に接
続された第2のキャパシタを備え、通電中の上記開閉手
段を遮断する場合、上記制御手段の指令値を変化させる
ことにより上記閉回路に出力電流変化を与えこの出力電
流変化分により上記開閉手段の電流をゼロクロスさせる
ようにしたので、交直電力変換手段に必要な直流平滑キ
ャパシタと制御手段の制御機能を有効に活用して、簡便
安価な構成で直流遮断を可能とすることができる。
【0064】また、この発明に係る直流遮断装置は、そ
の第2のキャパシタのキャパシタンスを第1のキャパシ
タのキャパシタンスより大きくしたので、必要な出力電
流変化量を低減することができ、また、開閉手段の消弧
後の極間電圧上昇速度を低減することができる。
【0065】また、この発明に係る直流遮断装置は、そ
の開閉手段に流れる電流の極性を判別する電流判別手段
を備え、通電中の上記開閉手段を遮断する場合、上記電
流判別手段からの判別極性を基に制御手段の指令値を変
化させる方向を決定するようにしたので、必要な出力電
流変化量を低減することができ、ゼロクロスに至る時間
を短縮することができる。
【0066】また、この発明に係る直流遮断装置は、一
対の直流線路、この直流線路に挿入された開閉手段、上
記一対の直流線路間に接続された第1のキャパシタ、お
よび上記直流線路と上記開閉手段と上記第1のキャパシ
タとで閉回路を形成するように上記一対の直流線路間に
接続された第2のキャパシタを備えるとともに、上記閉
回路に変動電圧発生手段を挿入し、通電中の上記開閉手
段を遮断する場合、上記変動電圧発生手段により上記閉
回路に変動電圧を発生させこれによって上記閉回路に電
流変化を与えこの電流変化分により上記開閉手段の電流
をゼロクロスさせるようにしたので、直流送電に必要な
直流平滑キャパシタを有効に活用して、簡便安価な構成
で直流遮断を可能とすることができる。
【0067】また、この発明に係る直流遮断装置は、そ
の第1および第2のキャパシタのキャパシタンスを互い
に等しくしたので、開閉手段の電流を速やかにゼロクロ
スさせることができる。
【0068】また、この発明に係る直流遮断装置の変動
電圧発生手段は、一対の出力端子間に接続された直流電
圧源と、上記一対の出力端子と直流電圧源とに接続され
常時は上記一対の出力端子間を短絡し、変動電圧発生時
は所定時間上記一対の出力端子から上記直流電圧源の電
圧を出力するよう上記直流電圧源の両極を上記一対の出
力端子に接続するスイッチング素子とを備えたので、簡
便な構成で、開閉手段の電流をゼロクロスさせるために
必要な変動電圧を確実に発生させることが可能となる。
【0069】また、この発明に係る直流遮断装置の変動
電圧発生手段は、ブリッジ接続された4個のスイッチン
グ素子を備えることにより、一対の出力端子に接続する
直流電圧源の極性を可逆としたので、開閉手段の電流の
向きに応じた変動電圧の極性選択が可能となる。
【0070】また、この発明に係る直流遮断装置の変動
電圧発生手段は、一対の出力端子間にそれぞれ接続され
た、スイッチとキャパシタとの直列接続体、およびリア
クトルを備え、常時は上記スイッチを開路し変動電圧発
生時は上記スイッチを所定時間閉路し予め充電した上記
キャパシタの上記リアクトルへの放電電圧を上記一対の
出力端子から出力するようにしたので、開閉手段の電流
をゼロクロスさせるために必要な変動電圧を確実に発生
させることが可能となる。
【0071】また、この発明に係る直流遮断装置の変動
電圧発生手段は、その一対の出力端子間に、ダイオード
と抵抗との直列接続体を接続することにより、リアクト
ルの電圧反転を抑制するようにしたので、変動電圧発生
手段に必要なキャパシタの低コスト化を実現することが
できる。
【0072】また、この発明に係る直流遮断装置は、そ
のキャパシタの充電電圧の極性を互いに逆にした2個の
変動電圧発生手段を直列にして閉回路に挿入し、閉路す
るスイッチを選択することにより上記閉回路に出力する
変動電圧の極性を可逆としたので、開閉手段の電流の向
きに応じた変動電圧の極性選択が可能となる。
【0073】また、この発明に係る直流遮断装置は、そ
の開閉手段に流れる電流の極性を判別する電流判別手段
を備え、通電中の上記開閉手段を遮断する場合、上記電
流判別手段からの判別極性を基に変動電圧発生手段から
出力する電圧の極性を決定するようにしたので、開閉手
段の電流のゼロクロスに至る時間を短縮することができ
る。
【0074】また、この発明に係る直流遮断装置は、そ
の一対の直流線路の一方が接地される場合、変動電圧発
生手段を上記接地される直流線路側に挿入するようにし
たので、変動電圧発生手段の絶縁レベルを低くして装置
の低コスト化を図ることができる。
【0075】また、この発明に係る直流遮断装置は、そ
の開閉手段の閉路動作時、一旦インピーダンス要素を介
して閉路ししかる後完全閉路するよう、上記開閉手段
を、その両極間に挿入された上記インピーダンス要素と
このインピーダンス要素と直列に接続された第1の接触
子と上記インピーダンス要素と並列に接続された第2の
接触子とで構成したので、電位差のある2つのキャパシ
タの短絡による開閉手段のコンタクトの溶着を確実に防
止することができる。
【0076】また、この発明に係る直流遮断装置は、そ
のキャパシタまたは開閉手段の電圧を所定値以下に制限
する電圧制限手段を備えたので、各構成機器の過電圧保
護が確実になされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1における直流遮断装
置を示す回路構成図である。
【図2】 図1の電圧制限手段19a等の具体的構成例
を示す図である。
【図3】 直流遮断器の遮断にともなう一連の動作を示
す動作波形図である。
【図4】 この発明の実施の形態2における直流遮断装
置の直流遮断器の変形例を示す構成図である。
【図5】 この発明の実施の形態3における直流遮断装
置を示す回路構成図である。
【図6】 この発明の実施の形態4における直流遮断装
置を示す回路構成図である。
【図7】 図6のパルス発生回路50の内部構成を示す
図である。
【図8】 直流遮断器の遮断にともなう一連の動作を示
す動作波形図である。
【図9】 この発明の実施の形態5における直流遮断装
置のパルス発生回路60の内部構成を示す図である。
【図10】 図9のパルス発生回路60の動作を示す動
作波形図である。
【図11】 従来の直流遮断装置を示す回路構成図であ
る。
【符号の説明】
11,41 交流電力系統、12 交直電力変換器、1
4P,14N,44P,44N 直流線路、15,45
直流遮断器、16,46 第1のキャパシタ、17,
47 第2のキャパシタ、18,48a,48b 線路
インダクタンス、19a,19b,19c,49a,4
9b 電圧制限手段、20 制御手段、21 交流電流
検出手段、22 直流電圧検出手段、23 直流電流検
出手段、24 開閉指令手段、28,31 インピーダ
ンス要素、29,32 第1の接触子、30,33 第
2の接触子、34 電流判別手段、35,36,38
電流検出手段、50 パルス発生回路、51〜54 ス
イッチング素子、55 直流電圧源、60 パルス発生
回路、61 補助キャパシタ、62 放電ギャップ、6
3 リアクトル、64 ダイオード、65 抵抗、S
閉回路。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 多田 一彦 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 Fターム(参考) 5G028 AA08 FB08 FC01 5H006 AA05 CA00 CA06 CA07 CA12 CB09 CC08 DA03 DB01 DC02 DC04 DC05 FA01 GA04

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一対の直流線路と、この直流線路に挿入
    された開閉手段と、上記一対の直流線路間に接続された
    キャパシタと、変動電圧発生手段とで閉回路を形成し、 通電中の上記開閉手段を遮断する場合、上記変動電圧発
    生手段により上記閉回路に変動電圧を発生させこれによ
    って上記閉回路に電流変化を与えこの電流変化分により
    上記開閉手段の電流をゼロクロスさせるようにした直流
    遮断装置。
  2. 【請求項2】 交流側端子が交流系統に接続され直流側
    端子が一対の直流線路に接続された交直電力変換手段、
    この交直電力変換手段の出力を制御する制御手段、上記
    直流線路に挿入された開閉手段、およびこの開閉手段と
    上記直流線路と上記交直電力変換手段の直流側端子とで
    閉回路を形成するように上記一対の直流線路間に接続さ
    れたキャパシタを備え、 通電中の上記開閉手段を遮断する場合、上記制御手段の
    指令値を変化させることにより上記閉回路に出力電流変
    化を与えこの出力電流変化分により上記開閉手段の電流
    をゼロクロスさせるようにした直流遮断装置。
  3. 【請求項3】 交流側端子が交流系統に接続され直流側
    端子が一対の直流線路に接続された交直電力変換手段、
    この交直電力変換手段の出力を制御する制御手段、上記
    交直電力変換手段の一対の直流側端子間に接続された第
    1のキャパシタ、上記直流線路に挿入された開閉手段、
    およびこの開閉手段と上記直流線路と上記交直電力変換
    手段の直流側端子とで閉回路を形成するように上記一対
    の直流線路間に接続された第2のキャパシタを備え、 通電中の上記開閉手段を遮断する場合、上記制御手段の
    指令値を変化させることにより上記閉回路に出力電流変
    化を与えこの出力電流変化分により上記開閉手段の電流
    をゼロクロスさせるようにした直流遮断装置。
  4. 【請求項4】 第2のキャパシタのキャパシタンスを第
    1のキャパシタのキャパシタンスより大きくしたことを
    特徴とする請求項3記載の直流遮断装置。
  5. 【請求項5】 開閉手段に流れる電流の極性を判別する
    電流判別手段を備え、通電中の上記開閉手段を遮断する
    場合、上記電流判別手段からの判別極性を基に制御手段
    の指令値を変化させる方向を決定するようにしたことを
    特徴とする請求項2ないし4のいずれかに記載の直流遮
    断装置。
  6. 【請求項6】 一対の直流線路、この直流線路に挿入さ
    れた開閉手段、上記一対の直流線路間に接続された第1
    のキャパシタ、および上記直流線路と上記開閉手段と上
    記第1のキャパシタとで閉回路を形成するように上記一
    対の直流線路間に接続された第2のキャパシタを備える
    とともに、上記閉回路に変動電圧発生手段を挿入し、 通電中の上記開閉手段を遮断する場合、上記変動電圧発
    生手段により上記閉回路に変動電圧を発生させこれによ
    って上記閉回路に電流変化を与えこの電流変化分により
    上記開閉手段の電流をゼロクロスさせるようにした直流
    遮断装置。
  7. 【請求項7】 第1および第2のキャパシタのキャパシ
    タンスを互いに等しくしたことを特徴とする請求項6記
    載の直流遮断装置。
  8. 【請求項8】 変動電圧発生手段は、一対の出力端子間
    に接続された直流電圧源と、上記一対の出力端子と直流
    電圧源とに接続され常時は上記一対の出力端子間を短絡
    し、変動電圧発生時は所定時間上記一対の出力端子から
    上記直流電圧源の電圧を出力するよう上記直流電圧源の
    両極を上記一対の出力端子に接続するスイッチング素子
    とを備えたことを特徴とする請求項6または7に記載の
    直流遮断装置。
  9. 【請求項9】 変動電圧発生手段は、ブリッジ接続され
    た4個のスイッチング素子を備えることにより、一対の
    出力端子に接続する直流電圧源の極性を可逆としたこと
    を特徴とする請求項8記載の直流遮断装置。
  10. 【請求項10】 変動電圧発生手段は、一対の出力端子
    間にそれぞれ接続された、スイッチとキャパシタとの直
    列接続体、およびリアクトルを備え、常時は上記スイッ
    チを開路し変動電圧発生時は上記スイッチを所定時間閉
    路し予め充電した上記キャパシタの上記リアクトルへの
    放電電圧を上記一対の出力端子から出力するようにした
    ことを特徴とする請求項6または7に記載の直流遮断装
    置。
  11. 【請求項11】 変動電圧発生手段は、その一対の出力
    端子間に、ダイオードと抵抗との直列接続体を接続する
    ことにより、リアクトルの電圧反転を抑制するようにし
    たことを特徴とする請求項10記載の直流遮断装置。
  12. 【請求項12】 キャパシタの充電電圧の極性を互いに
    逆にした2個の変動電圧発生手段を直列にして閉回路に
    挿入し、閉路するスイッチを選択することにより上記閉
    回路に出力する変動電圧の極性を可逆としたことを特徴
    とする請求項10または11に記載の直流遮断装置。
  13. 【請求項13】 開閉手段に流れる電流の極性を判別す
    る電流判別手段を備え、通電中の上記開閉手段を遮断す
    る場合、上記電流判別手段からの判別極性を基に変動電
    圧発生手段から出力する電圧の極性を決定するようにし
    たことを特徴とする請求項9または12に記載の直流遮
    断装置。
  14. 【請求項14】 一対の直流線路の一方が接地される場
    合、変動電圧発生手段を上記接地される直流線路側に挿
    入するようにしたことを特徴とする請求項6ないし13
    のいずれかに記載の直流遮断装置。
  15. 【請求項15】 開閉手段の閉路動作時、一旦インピー
    ダンス要素を介して閉路ししかる後完全閉路するよう、
    上記開閉手段を、その両極間に挿入された上記インピー
    ダンス要素とこのインピーダンス要素と直列に接続され
    た第1の接触子と上記インピーダンス要素と並列に接続
    された第2の接触子とで構成したことを特徴とする請求
    項3ないし14のいずれかに記載の直流遮断装置。
  16. 【請求項16】 キャパシタまたは開閉手段の電圧を所
    定値以下に制限する電圧制限手段を備えたことを特徴と
    する請求項1ないし15のいずれかに記載の直流遮断装
    置。
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