JP2000174550A - 偏波共用平面アンテナ - Google Patents

偏波共用平面アンテナ

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JP2000174550A
JP2000174550A JP10345862A JP34586298A JP2000174550A JP 2000174550 A JP2000174550 A JP 2000174550A JP 10345862 A JP10345862 A JP 10345862A JP 34586298 A JP34586298 A JP 34586298A JP 2000174550 A JP2000174550 A JP 2000174550A
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power supply
radiating element
layer
radiating
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JP10345862A
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Keiichi Natsuhara
啓一 夏原
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Japan Radio Co Ltd
Original Assignee
Japan Radio Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 正面利得を低下させることなくE面指向性、
H面指向性の主偏波及び交差偏波の規定を満足させ、か
つ上層、下層間のアイソレーションの規定を満足させ
る。 【解決手段】 下層給電基板30は各放射素子32を同
一方向、同一位相で給電線路33により給電、励振する
構造とする。上層給電基板40は下層給電基板30の放
射素子32の励振方向に平行なY軸とこのY軸に直交す
るX軸とにより放射素子42が同数づつ含まれる4つの
象限に仕切り、これら4つの象限の放射素子42をこれ
ら放射素子の空間的な励振方向及び電気的な位相が隣接
する象限間で互いに180度の差を持ちかつ放射素子3
2の励振方向と直交するように位相差調整部45a〜4
5cを含む給電線路43により給電、励振する構造とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は偏波共用平面アンテ
ナに関し、特に衛星通信や地上通信において直交する2
つの偏波に対する切換え使用が可能な偏波共用平面アン
テナに属する。
【0002】
【従来の技術】マイクロ波帯の衛星通信では、受信チャ
ンネルごとに垂直偏波、水平偏波の切換えが必要であ
り、また、その他の、地上無線通信などでも、送信と受
信とを偏波の切換えで対応するようにしているため、1
つのアンテナで直交する2つの偏波(垂直偏波、水平偏
波)が共用できる、偏波共用平面アンテナが必要とな
り、既にその開発が進められている。このように偏波共
用平面アンテナの従来の一例(第1の例)の、分解斜視
図を図5に、また上層給電基板及び下層給電基板の部分
の平面図及び全体の側面図を図6(a)〜(c)に示
す。この偏波共用平面アンテナは、第1の地導体板10
a、第1の誘電体層20a、下層給電基板30、第2の
誘電体層20b、第2の地導体板10b、第3の誘電体
層20c、上層給電基板40x、第4の誘電体層20
d、及び第3の地導体板10cを、この順で順次積み重
ねて構成され、これらの詳細は次のとおりとなってい
る。
【0003】第1の地導体板10aは、予め定められた
厚さの導電性板材、例えば約2mmのアルミニウム板で形
成される。第1〜第4の誘電体層20a〜20dは、予
め定められた厚さ及び比誘電率を有する誘電体板材、例
えば給電損失低減上、一般的に良いとされている、波長
の0.09倍程度の厚さ2mm、比誘電率1.1の発泡ポ
リエチレン板で形成される。下層給電基板30は、絶縁
性薄板、例えば厚さ25μmのPETフィルムによるフ
レキシブルな基板31の表面に、例えば、厚さ18μm
の四辺形の銅箔による放射素子32を複数行複数列に配
置して張り合わせ、これら放射素子32を、同一方向か
ら同一位相で給電、励振する給電線路33(この下層給
電基板30への外部からの給電点:基板給電点34)が
形成された構成、構造となっている。
【0004】上層給電基板40xは、下層給電基板30
の基板31と同様の基板41の表面の、下層給電基板3
0の複数行複数列の放射素子32それぞれと対応する位
置に、これら放射素子32と同様の放射素子42を配置
して張り合わせ、これら放射素子42を、下層給電基板
30の放射素子32の給電、励振と直交する方向に、同
一方向、同一位相で給電、励振する給電線路43x(こ
の上層給電基板40xへの外部からの給電点:基板給電
点44x)が形成された構成、構造となっており、対応
する放射素子32,42は互いに電磁結合するようにな
っている。地導体板10b,10cは、予め定められた
厚さの導電性板材、例えば、厚さ0.3mm のアルミニ
ウム板で、複数行複数列の放射素子32,42と対応す
る位置に、これら放射素子32,42と同程度の大きさ
のスロット11b,11cを備えて形成される。
【0005】この偏波共用平面アンテナにおいて、例え
ば、上層給電基板40xの各放射素子42を給電線路4
3xで励振した場合、各放射素子42と、対応する放射
素子32の間の間隔が広いため、各放射素子42上に基
本モード励振以外の大きな高次モード励振が存在し、素
子指向性が、図7(a),(b)に示すように、E面指
向性では、その主偏波で正面方向に対し左右非対称とな
り、かつ正面方向の交差偏波特性が悪くなり、H面指向
性では、その主偏波での左右非対称はないが、交差偏波
特性が更に悪くなる。
【0006】この結果、これら放射素子42による、こ
の偏波共用平面アンテナの指向性は、図8(a),
(b)に示すように、E面指向性では、主偏波における
片側(左側)の広角で(−90°に近づくほど)サイド
ローブが大きくなって規格値上限を上回り、交差偏波レ
ベルも正面方向で高くなる。また、H面指向性では、主
偏波は規格値を満足するが、交差偏波特性が悪い。更
に、上層・下層間のアイソレーション特性が、図8
(c)に示すように、規格値上限より大幅に高くなって
しまう。
【0007】このような問題点を避けるために、上層給
電基板40x,下層給電基板30のうちの一方、例えば
上層給電基板側を、図9(a)に示すように、放射素子
1列ごとに、その素子給電点(励振点),素子励振方向
を空間的に180度回転させ、かつ給電位相を電気的に
180度変えるために位相調整部45yを設けて上層給
電基板40yとし、また図9(b)に示すように、上層
給電基板の中心線で放射素子42を左右半分づつに分
け、この左右半分づつの素子給電点、素子励振方向を空
間的に180度回転させ、かつ給電位相を電気的に18
0度変えるために位相調整部45zを設けて上層給電基
板40zとした例(従来の第2,第3の例)がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来の偏波共
用平面アンテナは、第1の例では、複数行複数列に配置
された放射素子32を同一方向、同一位相で給電線路3
3により給電、励振する下層給電基板30と、複数行複
数列に配置されて下層給電基板30の対応する放射素子
32と電磁結合する放射素子42を、下層給電基板30
の放射素子に対し直交する同一方向から同一位相で給電
線路43xにより給電、励振する上層給電基板40xと
を備え、これら下層給電基板30及び上層給電基板40
xの間に、予め定められた厚さの誘電体層20b,20
cを介して、放射素子32,42と対応する部位にスロ
ット11bが形成された地導体板10bを積層し、上層
給電基板40x上には、予め定められた厚さの誘電体層
20dを介して、放射素子42と対応する部位にスロッ
ト11cが形成された地導体板10cを積層した構成、
構造となっているので、放射素子32と放射素子42間
の間隔が広いことによる基本モード励振以外の高次モー
ド励振が存在して、E面指向性における主偏波の片側広
角部分で規格値上限を上まわる上に、正面方向の交差偏
波特性が悪くなり、また、H面指向性における交差偏波
特性が正面方向で悪くなるという問題点、及び上層、下
層間のアイソレーションが悪いという問題点があり、こ
れら問題点を避けるために、下層給電基板、上層給電基
板の一方、例えば上層給電基板の放射素子を、1列ごと
に、その給電、励振方向を空間的に180度回転させ、
かつ給電位相も電気的に180度変えるようにした第2
の例では、図10(a)に示すように、E面指向性にお
ける、主偏波の片側広角、及び交差偏波特性の正面方向
の特性は改善されるものの、主偏波、交差偏波共、両側
中間角度(正,負の36度付近)で放射素子の各列の干
渉と見られるグレーティングローブが発生するという問
題点があり、例えば上層給電基板の中心線の左右で放射
素子の給電、励振方向を空間的に180度、給電位相を
180度変えた第2の例では、図10(b)に示すよう
に、E面指向性における、交差偏波特性の正面方向の特
性は改善されるものの、主偏波の両側広角で規格値上限
を上まわってしまうという問題点がある。
【0009】高次モード励振を低減する方法として、誘
電体層(20a〜20d)の厚さを薄くする方法もある
が、給電線路(33,43)による損失が増大するた
め、アンテナの正面利得が減少してしまうという問題点
がある。
【0010】本発明の目的は、上記従来技術の問題点に
鑑みて、アンテナの正面利得を低下させることなく、E
面指向性及びH面指向性において主偏波及び交差偏波共
規格値を満足すると同時に、上層・下層間のアイソレー
ションの規定を満足することができる偏波共用平面アン
テナを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の偏波共用平面ア
ンテナは、直交する2つの偏波に共用できる偏波共用平
面アンテナであって、上記の目的を達成するために次の
各構成を有することを特徴とする。 (イ)予め定められた厚さの導電性板材で形成された第
1の地導体板 (ロ)前記第1の地導体板上に、予め定められた厚さで
積層された第1の誘電体層 (ハ)前記第1の誘電体層上に、絶縁性薄板材の基板
と、この基板上に複数行複数列に配置され張り付けられ
た導電箔状の放射素子と、これら放射素子を同一方向か
ら同一位相で給電、励振する給電線路とを含んで形成積
層された下層給電基板 (ニ)前記下層給電基板上に、予め定められた厚さで積
層された第2の誘電体層 (ホ)前記第2の誘電体層上に、予め定められた厚さの
導電性板材で、前記下層給電基板の複数行複数列の放射
素子と対応する部位にスロットを設けて形成積層された
第2の地導体板 (ヘ)前記第2の地導体板上に、予め定められた厚さで
積層された第3の誘電体層 (ト)前記第3の誘電体層上に、絶縁性薄板材の基板
と、この基板上の、前記下層給電基板の各放射素子と対
応する部位に配置され張り付けられてこれら放射素子と
互いに電磁結合可能な導電箔状の放射素子と、これら放
射素子が張り付けられた基板を、前記下層給電基板の放
射素子励振方向に平行な第1の軸、及びこの第1の軸と
直交する第2の軸により等しい数の放射素子が含まれる
ように4つの象限に仕切り、これら4つの象限の各放射
素子を、これら放射素子の空間的な励振方向、及び電気
的な位相が、隣接する象限間で互いに180度の差を持
ち、かつ、前記下層給電基板の放射素子励振方向と直交
するように給電、励振する給電線路と、を含んで形成積
層された上層給電基板 (チ)前記上層給電基板上に、予め定められた厚さで積
層された第4の誘電体層 (リ)前記第4の誘電体層上に、予め定められた厚さの
導電性板材で、前記上層給電基板の複数行複数列の放射
素子と対応する部位に放射用スロットを設けて形成積層
された第3の地導体板
【0012】また、前記上層給電基板の給電線路が、こ
の上層給電基板への給電点から各放射素子の給電、励振
点までの距離に差を持たせて隣接する象限間で互いに1
80度の電気的な位相差を持たせるように形成されて構
成される。
【0013】また、前記偏波共用平面アンテナにおい
て、上層給電基板が、第3の誘電体層上に、絶縁性薄板
材の基板と、この基板上に複数行複数列に配置され張り
付けられた導電箔状の放射素子と、これら放射素子を同
一方向から同一位相で給電、励振する給電線路とを含ん
で形成積層されたものであり、下層給電基板が、第1の
誘電体層上に、絶縁性薄板材の基板と、この基板上の、
前記上層給電基板の各放射素子と対応する部位に配置さ
れ張り付けられてこれら放射素子と互いに電磁結合可能
な導電箔状の放射素子と、これら放射素子が張り付けら
れた基板を、前記上層給電基板の放射素子励振方向に平
行な第1の軸、及びこの第1の軸と直交する第2の軸に
より等しい数の放射素子が含まれるように4つの象限に
仕切り、これら4つの象限の各放射素子を、これら放射
素子の空間的な励振方向、及び電気的な位相が、隣接す
る象限間で互いに180度の差を持ち、かつ、前記上層
給電基板の放射素子励振方向と直交するように給電、励
振する給電線路とを含んで形成積層されたものである構
成を有している。
【0014】また、前記下層給電基板の給電線路が、こ
の下層給電基板への給電点から各放射素子の給電、励振
点までの距離に差を持たせて隣接する象限間で互いに1
80度の電気的な位相差を持たせるように形成されて構
成される。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の一実施の形態は、下層給
電基板及び上層給電基板のうちの一方、例えば下層給電
基板が、その基板上に複数行複数列に配置され張り付け
られた放射素子を同一方向から同一位相で給電、励振す
るように形成され、他方、例えば上層給電基板が、その
放射素子を複数行複数列に配置して張り付けられた基板
を上記下層給電基板の放射素子励振方向に平行な第1の
軸とこの第1の軸に直交する第2の軸とにより等しい数
の放射素子が含まれるように4つの象限に仕切って、こ
れら4つの象限の放射素子を、これら放射素子の空間的
な励振方向、電気的な位相が隣接する象限間で互いに1
80度の差を持ち、かつ上記下層給電基板の放射素子励
振方向と直交するように給電、励振するように形成され
て構成される。
【0016】このような構成とすることにより、各誘電
体層の厚さを、給電損失低減上一般的に良いとされてい
る、波長の0.09倍程度としても、高次モード励振の
不要な放射も、隣接する象限間で互いに打ち消し合うよ
うに作用するので、アンテナの正面利得を低下させるこ
となく、E面指向性及びH面指向性における主偏波及び
交差偏波の規定を満足させることができ、かつ、上層、
下層間のアイソレーションの規定を満足させることがで
きる。
【0017】
【実施例】次に本発明の実施例について図面を参照して
説明する。図1(a)〜(c)は本発明の一実施例を示
す上層給電基板及び下層給電基板の平面図、並びに全体
の部分側面図、図2(a),(b)はその上層給電基板
の素子給電位相及び素子励振点を示す模式平面図であ
る。この実施例が図5及び図6(a)〜(c)に示され
た従来の偏波共用平面アンテナと相違する点は、その上
層給電基板40xの給電線路43x及び基板給電点44
xの配置を、複数行複数列の放射素子42が張り付けら
れた基板41を、下層給電基板30の放射素子励振方向
に平行な第1の軸のX軸と、このX軸に直交する第2の
軸のY軸とにより等しい数の放射素子42が含まれよう
に4つの象限に仕切って、これら4つの象限の各放射素
子42を、これら放射素子42の空間的な励振方向、電
気的な位相が、隣接する象限間で互いに180度の差を
持ち、かつ下層給電基板30の放射素子励振方向と直交
するように給電、励振する配置に変えて、位相調整部4
5a〜45cを含む給電線路43及び基板給電点44と
し、これらを含む上層給電基板を40とした点にある。
【0018】このような構造、構成とすることにより、
誘電体層20a〜20dの厚さを、給電損失低減上良い
とされている、波長の0.09倍程度の2mmとしても、
放射素子32と放射素子42間の間隔が広いことによる
高次モード励振などの不要な放射を、隣接する象限間で
互いに打ち消し合うように作用するので(図9(a),
(b)に示された従来の偏波共用アンテナでは、横方向
に部分的に打ち消し効果はあるが、縦方向には打ち消し
効果は全くない)、アンテナの正面利得を低下させるこ
となく、E面指向性及びH面指向性における主偏波及び
交差偏波の規定を満足することができ、また、下層・上
層間のアイソレーションの規定も満足することができ
る。この様子を、放射素子32,42を行方向,列方向
とも16素子とした場合の図3(a),(b)、及び図
4(a)〜(c)を併せて参照して説明する。
【0019】図3(a),(b)は必要帯域である上層
給電周波数14.00〜14.50GHz及び下層給電
周波数12.25〜12.75GHzを含む周波数範囲
12.0〜15.0GHzで上層給電時(上層給電基板
への給電時、以下同様)及び下層給電時における交差偏
波レベルの特性、並びにアイソレーションレベルを示す
特性図である。このように、必要帯域内で、交差偏波レ
ベルは規格値上限の−32dBに対し−38dB以下
(放射素子励振方向の同一の下層給電基板30給電時の
方が悪く、この値となる)、アイソレーションレベルは
規格値上限の−30dBに対し−36dB以下と、共に
規格値上限を大幅に下まわっている。
【0020】また、図4(a)〜(c)は上層給電時に
おける主偏波及び交差偏波のE面指向性(X軸・Z軸面
内、Z軸はX軸、Y軸に垂直な軸)及びH面指向性(Y
軸・Z軸面内)、並びにE面,H面に対する対角面内指
向性を示す特性図である。このように、各面において、
主偏波、交差偏波とも主偏波のメインローブ(正面方
向)部分を除き、規格値上限のラインを下まわってい
る。特に、E面,H面における交差偏波レベルはこれら
の最低表示レベル(−50dB)以下となっている。
【0021】なお、この実施例においては、下層給電基
板側を放射素子励振方向同一、給電位相同一とし、上層
給電基板側を、4つの象限に仕切って、隣接する象限間
で、放射素子励振方向が空間的に互いに180度の差を
持ち、給電位相が互いに180度の差を持つような構
造、構成としたが、上層給電基板側を放射素子励振方向
同一、給電位相同一とし、下層給電基板側を、4つの象
限に仕切って、隣接する象限間で、放射素子励振方向が
空間的に互いに180度の差を持ち、給電位相が互いに
180度の差を持つような構造、構成としても、上述し
た実施例と同様の効果が得られる。
【0022】また、隣接する象限間で、給電位相が互い
に180度の差を持つように給電線路(43)を配置す
るには、図1(a)から分かるように、まず、基板給電
点(44)を基板(41)の中心点から左方向にずらし
てY軸の右側、左側間に180度の差を与える位相調整
部(45a)を設け、更に、Y軸両側における上,下の
象限への給電点を上方向にずらして上,下の象限間に1
80度の差を与える位相調整部(45b,45c)を設
けて、基板給電点(44)から放射素子励振点までの距
離を変えるようにすればよい。
【0023】なお、この実施例においては、アンテナの
正面方向の利得を低下させないで良好な指向性、交差偏
波特性、アイソレーション特性が得られるようにしてい
るが、各誘電体層の厚さを薄くして、アンテナの正面方
向の利得を落としても所定の各特性が得られるようにし
た従来例と比較した場合に、例えば、誘電体層の厚さを
波長の0.05倍程度にすると、その分の0.2〜0.
5dB程度、正面方向利得が低減するので、この程度の
正面方向利得で良いものとするならば、本発明のアンテ
ナ面積を、従来より5〜10%小さくすることができ
る。
【0024】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、下層給電
基板及び上層給電基板のうちの一方が、各放射素子を同
一方向、同一位相で給電、励振するように形成され、他
方が、複数行複数列の放射素子を、上記一方の放射素子
励振方向に平行な第1の軸と、この第1の軸に直交する
第2の軸とにより、同数の放射素子を含む4つの象限に
仕切り、これら4つの象限の放射素子を、これら放射素
子の空間的な励振方向、電気的な位相が隣接する象限間
で互いに180度の差を持ち、かつ上記一方の放射素子
励振方向と直交するように給電、励振するように形成さ
れた構成とすることにより、各誘電体層の厚さを給電損
失低減上良いとされている波長の0.09倍程度にして
も、高次モード励振などの不要な放射を、隣接する象限
間で互いに打ち消し合う作用をするので、アンテナの正
面方向の利得を低下させることなく、E面指向性及びH
面指向性における主偏波及び交差偏波の規定、並びに上
層・下層間のアイソレーションの規定を満足させること
ができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す上層給電基板及び下層
給電基板の平面図、並びに全体の部分側面図である。
【図2】図1に示された実施例における上層給電基板の
各象限の電気的な位相差及び空間的な素子励振方向を示
す図である。
【図3】図1に示された実施例の周波数に対する交差偏
波レベル特性及びアイソレーションレベル特性を示す特
性図である。
【図4】図1に示された実施例のE面指向性、H面指向
性及び対角面内指向性を示す特性図である。
【図5】従来の偏波共用平面アンテナの第1の例の分解
斜視図である。
【図6】図5に示された偏波共用平面アンテナの上層給
電基板及び下層給電基板の平面図、並びに全体の部分側
面図である。
【図7】図5に示された偏波共用平面アンテナにおける
放射素子のE面指向性及びH面指向性を示す特性図であ
る。
【図8】図5に示された偏波共用平面アンテナのE面指
向性、H面指向性及び上層、下層間のアイソレーション
レベルを示す特性図である。
【図9】従来の偏波共用平面アンテナの第2の例及び第
3の例における上層給電基板の平面図である。
【図10】図9に示された偏波共用平面アンテナの第2
の例及び第3の例のE面指向性を示す特性図である。
【符号の説明】
10a〜10c 地導体板 11b〜11c スロット 20a〜20d 誘電体層 30 下層給電基板 31 基板 32 放射素子 33 給電線路 34 基板給電点 40,40x〜40z 上層給電基板 41 基板 42 放射素子 43,43x〜43z 給電線路 44,44x,44z 基板給電点 45a〜45c,45y,45z 位相調整部

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 直交する2つの偏波に共用できる偏波共
    用平面アンテナであって、次の各構成を有することを特
    徴とする偏波共用平面アンテナ。 (イ)予め定められた厚さの導電性板材で形成された第
    1の地導体板 (ロ)前記第1の地導体板上に、予め定められた厚さで
    積層された第1の誘電体層 (ハ)前記第1の誘電体層上に、絶縁性薄板材の基板
    と、この基板上に複数行複数列に配置され張り付けられ
    た導電箔状の放射素子と、これら放射素子を同一方向か
    ら同一位相で給電、励振する給電線路とを含んで形成積
    層された下層給電基板 (ニ)前記下層給電基板上に、予め定められた厚さで積
    層された第2の誘電体層 (ホ)前記第2の誘電体層上に、予め定められた厚さの
    導電性板材で、前記下層給電基板の複数行複数列の放射
    素子と対応する部位にスロットを設けて形成積層された
    第2の地導体板 (ヘ)前記第2の地導体板上に、予め定められた厚さで
    積層された第3の誘電体層 (ト)前記第3の誘電体層上に、絶縁性薄板材の基板
    と、この基板上の、前記下層給電基板の各放射素子と対
    応する部位に配置され張り付けられてこれら放射素子と
    互いに電磁結合可能な導電箔状の放射素子と、これら放
    射素子が張り付けられた基板を、前記下層給電基板の放
    射素子励振方向に平行な第1の軸、及びこの第1の軸と
    直交する第2の軸により等しい数の放射素子が含まれる
    ように4つの象限に仕切り、これら4つの象限の各放射
    素子を、これら放射素子の空間的な励振方向、及び電気
    的な位相が、隣接する象限間で互いに180度の差を持
    ち、かつ、前記下層給電基板の放射素子励振方向と直交
    するように給電、励振する給電線路と、を含んで形成積
    層された上層給電基板 (チ)前記上層給電基板上に、予め定められた厚さで積
    層された第4の誘電体層 (リ)前記第4の誘電体層上に、予め定められた厚さの
    導電性板材で、前記上層給電基板の複数行複数列の放射
    素子と対応する部位に放射用スロットを設けて形成積層
    された第3の地導体板
  2. 【請求項2】 前記上層給電基板の給電線路が、この上
    層給電基板への給電点から各放射素子の給電、励振点ま
    での距離に差を持たせて隣接する象限間で互いに180
    度の電気的な位相差を持たせるように形成された請求項
    1記載の偏波共用平面アンテナ。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の偏波共用平面アンテナに
    おいて、上層給電基板が、第3の誘電体層上に、絶縁性
    薄板材の基板と、この基板上に複数行複数列に配置され
    張り付けられた導電箔状の放射素子と、これら放射素子
    を同一方向から同一位相で給電、励振する給電線路とを
    含んで形成積層されたものであり、下層給電基板が、第
    1の誘電体層上に、絶縁性薄板材の基板と、この基板上
    の、前記上層給電基板の各放射素子と対応する部位に配
    置され張り付けられてこれら放射素子と互いに電磁結合
    可能な導電箔状の放射素子と、これら放射素子が張り付
    けられた基板を、前記上層給電基板の放射素子励振方向
    に平行な第1の軸、及びこの第1の軸と直交する第2の
    軸により等しい数の放射素子が含まれるように4つの象
    限に仕切り、これら4つの象限の各放射素子を、これら
    放射素子の空間的な励振方向、及び電気的な位相が、隣
    接する象限間で互いに180度の差を持ち、かつ、前記
    上層給電基板の放射素子励振方向と直交するように給
    電、励振する給電線路とを含んで形成積層されたもので
    ある偏波共用平面アンテナ。
  4. 【請求項4】 前記下層給電基板の給電線路が、この下
    層給電基板への給電点から各放射素子の給電、励振点ま
    での距離に差を持たせて隣接する象限間で互いに180
    度の電気的な位相差を持たせるように形成された請求項
    3記載の偏波共用平面アンテナ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016058839A (ja) * 2014-09-08 2016-04-21 電気興業株式会社 薄型アンテナ
JP2016537872A (ja) * 2014-10-07 2016-12-01 ソウウェーブ カンパニー リミテッドSawwave Co.,Ltd 偏電効果を用いた指向性mimoアンテナ

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JP2016537872A (ja) * 2014-10-07 2016-12-01 ソウウェーブ カンパニー リミテッドSawwave Co.,Ltd 偏電効果を用いた指向性mimoアンテナ

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