JP2000173344A - 導電性ペースト - Google Patents
導電性ペーストInfo
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- JP2000173344A JP2000173344A JP10348128A JP34812898A JP2000173344A JP 2000173344 A JP2000173344 A JP 2000173344A JP 10348128 A JP10348128 A JP 10348128A JP 34812898 A JP34812898 A JP 34812898A JP 2000173344 A JP2000173344 A JP 2000173344A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 速硬化性を示すとともに、接着性、耐湿性に
優れ、硬化後の空隙の発生と熱収縮がほぼ防止された導
電性ペーストを提供するもので、この導電性ペーストは
半導体チップのマウントや各種電子部品類等の接着に好
適である。 【解決手段】 (A)樹脂成分が、ダイマー酸ジグリシ
ジルエステルなどグリシジルエステル、脂環式エポキシ
樹脂およびアリナジックイミド化合物からなり、グリシ
ジルエステル、脂環式エポキシ樹脂の有するエポキシ基
およびアリナジックイミド化合物を、スルフォニウム塩
によるカチオノイド重合(陽イオン重合)により開環結
合させる導電性ペーストである。
優れ、硬化後の空隙の発生と熱収縮がほぼ防止された導
電性ペーストを提供するもので、この導電性ペーストは
半導体チップのマウントや各種電子部品類等の接着に好
適である。 【解決手段】 (A)樹脂成分が、ダイマー酸ジグリシ
ジルエステルなどグリシジルエステル、脂環式エポキシ
樹脂およびアリナジックイミド化合物からなり、グリシ
ジルエステル、脂環式エポキシ樹脂の有するエポキシ基
およびアリナジックイミド化合物を、スルフォニウム塩
によるカチオノイド重合(陽イオン重合)により開環結
合させる導電性ペーストである。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、速硬化性および耐
湿性に優れ、半導体装置の製造におけるチップマウント
や各種電子部品類等の接着に好適に使用できる導電性ペ
ーストに関する。
湿性に優れ、半導体装置の製造におけるチップマウント
や各種電子部品類等の接着に好適に使用できる導電性ペ
ーストに関する。
【0002】
【従来の技術】半導体装置の製造に際し、金属薄板(リ
ードフレーム)上の所定部分に、IC、LSI等の半導
体チップを接続する工程は、素子の長期信頼性に大きな
影響を与える重要な工程の一つである。従来からこの接
続方法として、低融点の合金(半田)を用いてろう付け
をする方法や、銀粉末を配合したエポキシ樹脂からなる
導電性ペーストを使用して接続する方法がとられてき
た。
ードフレーム)上の所定部分に、IC、LSI等の半導
体チップを接続する工程は、素子の長期信頼性に大きな
影響を与える重要な工程の一つである。従来からこの接
続方法として、低融点の合金(半田)を用いてろう付け
をする方法や、銀粉末を配合したエポキシ樹脂からなる
導電性ペーストを使用して接続する方法がとられてき
た。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、半田等の低融
点合金を用いたろう付けによる接続方法は、一部で実用
化されているが半田や半田ボールが飛散して電極等に付
着し、腐食断線の原因となる可能性が指摘されている。
点合金を用いたろう付けによる接続方法は、一部で実用
化されているが半田や半田ボールが飛散して電極等に付
着し、腐食断線の原因となる可能性が指摘されている。
【0004】一方、導電性ペーストを使用して接続する
方法は、シリコンチップにおけるAu−Siの共晶合金
を生成させる共晶法に比較して信頼性に欠けるという問
題があった。即ち、導電性ペーストを用いて接続する
と、半田等の低融点合金を用いたろう付けによる接続方
法と比較して耐熱性には優れるが、反面、導電性ペース
トが熱硬化性樹脂であるため、その硬化に時間を要する
という問題があった。
方法は、シリコンチップにおけるAu−Siの共晶合金
を生成させる共晶法に比較して信頼性に欠けるという問
題があった。即ち、導電性ペーストを用いて接続する
と、半田等の低融点合金を用いたろう付けによる接続方
法と比較して耐熱性には優れるが、反面、導電性ペース
トが熱硬化性樹脂であるため、その硬化に時間を要する
という問題があった。
【0005】また、上記導電性ペーストを短時間で硬化
させた場合には、導電性ペーストを用いて形成された接
着層に空隙が発生するという問題があった。
させた場合には、導電性ペーストを用いて形成された接
着層に空隙が発生するという問題があった。
【0006】さらに、ICやLSI等の半導体素子の大
型化に伴って、アッセンブリ工程や実装工程中の熱履歴
により、チップクラックやパッケージクラックが発生す
るという問題があった。
型化に伴って、アッセンブリ工程や実装工程中の熱履歴
により、チップクラックやパッケージクラックが発生す
るという問題があった。
【0007】本発明は、上記従来の問題に鑑みてなされ
たもので、速硬化性を示すとともに、接着性、耐湿性に
優れ、硬化後の空隙の発生防止と応力緩和性に優れた導
電性ペーストを提供しようとするものである。
たもので、速硬化性を示すとともに、接着性、耐湿性に
優れ、硬化後の空隙の発生防止と応力緩和性に優れた導
電性ペーストを提供しようとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の目的
を達成しようと鋭意研究を重ねた結果、後述する組成物
が、上記の目的を達成できることを見いだし、本発明を
完成したものである。
を達成しようと鋭意研究を重ねた結果、後述する組成物
が、上記の目的を達成できることを見いだし、本発明を
完成したものである。
【0009】即ち、本発明は、 (A)(a)次の一般式に示されるグリシジルエステル
と
と
【0010】
【化4】 (但、式中、Rは2価以上の有機基を、nは0〜15の
整数を、mは2〜4の整数をそれぞれ表す) (b)脂環式エポキシ樹脂と (c)次の一般式に示されるアリナジックイミド化合物
整数を、mは2〜4の整数をそれぞれ表す) (b)脂環式エポキシ樹脂と (c)次の一般式に示されるアリナジックイミド化合物
【0011】
【化5】 (但、式中、Rは2価以上の有機基を表す)とを含有す
る樹脂成分、 (B)次の一般式(1)又は(2)で示されるスルフォ
ニウム塩および
る樹脂成分、 (B)次の一般式(1)又は(2)で示されるスルフォ
ニウム塩および
【0012】
【化6】 (C)導電性粉末 を必須成分としてなることを特徴とする導電性ペースト
である。
である。
【0013】以下、本発明を詳細に説明する。
【0014】本発明に用いる(A)樹脂成分は、(a)
のグリシジルエステルと、(b)の脂環式エポキシ樹脂
と、(c)のアリナジックイミド化合物との配合物であ
る。
のグリシジルエステルと、(b)の脂環式エポキシ樹脂
と、(c)のアリナジックイミド化合物との配合物であ
る。
【0015】ここで、(a)グリシジルエステルとして
は、例えば、ダイマー酸グリシジルエステルを好適に用
いることができる。(b)脂環式エポキシ樹脂として
は、例えば、シクロヘキセンオキシド基、トリシクロデ
センオキシド基あるいはシクロペンテンオキシド基等を
有する化合物を挙げることができる。(c)のアリナジ
ックイミド化合物としては、ジフェニル型ビスアリナジ
ックイミドを挙げることができる。
は、例えば、ダイマー酸グリシジルエステルを好適に用
いることができる。(b)脂環式エポキシ樹脂として
は、例えば、シクロヘキセンオキシド基、トリシクロデ
センオキシド基あるいはシクロペンテンオキシド基等を
有する化合物を挙げることができる。(c)のアリナジ
ックイミド化合物としては、ジフェニル型ビスアリナジ
ックイミドを挙げることができる。
【0016】また、(a)に示されるグリシジルエステ
ルと(b)の脂環式エポキシ樹脂との配合比は、(a)
/(b)=10/90〜90/10(重量部)の範囲と
することが望ましい。グリシジルエステルが100重量
部あたり10%未満であると、硬化後の低応力化が損な
われるため、例えば、大型の半導体素子の金属板へのマ
ウントに用いた場合にチップクラックやパッケージクラ
ックが発生しやすくなる。さらに、脂環式エポキシ樹脂
が100重量部あたり10%未満であると、速硬化性を
得ることが困難となる。(c)のアリナジックイミド化
合物は、(a)、(b)の混合物100重量部に対し、
5〜50重量部であることが好ましい。5重量部未満で
あると、十分な接着性を得ることができず、また、50
重量部を超えると、ペースト化したとき粘度が高くなり
過ぎ、ディスペンス作業等、ペーストとしての作業性が
悪くなるため好ましくない。
ルと(b)の脂環式エポキシ樹脂との配合比は、(a)
/(b)=10/90〜90/10(重量部)の範囲と
することが望ましい。グリシジルエステルが100重量
部あたり10%未満であると、硬化後の低応力化が損な
われるため、例えば、大型の半導体素子の金属板へのマ
ウントに用いた場合にチップクラックやパッケージクラ
ックが発生しやすくなる。さらに、脂環式エポキシ樹脂
が100重量部あたり10%未満であると、速硬化性を
得ることが困難となる。(c)のアリナジックイミド化
合物は、(a)、(b)の混合物100重量部に対し、
5〜50重量部であることが好ましい。5重量部未満で
あると、十分な接着性を得ることができず、また、50
重量部を超えると、ペースト化したとき粘度が高くなり
過ぎ、ディスペンス作業等、ペーストとしての作業性が
悪くなるため好ましくない。
【0017】本発明に用いる(B)のスルフォニウム塩
は、前記化6で示されるものである。このスルフォニウ
ム塩は、加熱すると活性化され、カチオン種或いはルイ
ス酸を生成し、カチオノイド重合(陽イオン重合)によ
ってエポキシ樹脂どうしを開環重合させる。スルホニウ
ム塩の配合割合は、脂環式エポキシ樹脂100重量部に
対して0.5〜20重量部配合することが望ましい。ス
ルフォニウム塩が脂環式エポキシ樹脂樹脂成分100重
量部に対し0.5未満の場合には、速硬化性の効果を発
揮することが困難となり硬化速度が低下するので実用性
に乏しくなる。また、スルフォニウム塩が脂環式エポキ
シ樹脂成分100重量部に対し20重量部を超えた場合
には、導電性ペーストの硬化により生成した生成物中に
ルイス酸が残留するため、例えば、半導体素子の金属薄
板へのマウントに用いた場合に、高湿条件下での半導体
素子の電気特性が劣化したり、金属薄板やアルミ等から
なる配線を腐食(電食)したりして信頼性に欠け好まし
くない。
は、前記化6で示されるものである。このスルフォニウ
ム塩は、加熱すると活性化され、カチオン種或いはルイ
ス酸を生成し、カチオノイド重合(陽イオン重合)によ
ってエポキシ樹脂どうしを開環重合させる。スルホニウ
ム塩の配合割合は、脂環式エポキシ樹脂100重量部に
対して0.5〜20重量部配合することが望ましい。ス
ルフォニウム塩が脂環式エポキシ樹脂樹脂成分100重
量部に対し0.5未満の場合には、速硬化性の効果を発
揮することが困難となり硬化速度が低下するので実用性
に乏しくなる。また、スルフォニウム塩が脂環式エポキ
シ樹脂成分100重量部に対し20重量部を超えた場合
には、導電性ペーストの硬化により生成した生成物中に
ルイス酸が残留するため、例えば、半導体素子の金属薄
板へのマウントに用いた場合に、高湿条件下での半導体
素子の電気特性が劣化したり、金属薄板やアルミ等から
なる配線を腐食(電食)したりして信頼性に欠け好まし
くない。
【0018】本発明に用いる(C)導電性粉末として
は、例えば銀粉末、銅粉末およびニッケル粉末等の金属
粉末を好適に用いることができ、これらは単独又は2 種
以上混合して使用することができる。また、導電性を有
する粉末であれば金属粉末に限定されることなく、例え
ば、表面にのみ金属層を備えた粉末でもよい。また、導
電性粉末の形状については特に限定するものではない
が、導電性粉末の粒径は、50μm以下とすることが好
ましい。導電性粉末粒径が50μmを超えると導電性粉
末の導電性が不安定になる。なお、粒径とは、同一の体
積からなる球の直径として定義している。
は、例えば銀粉末、銅粉末およびニッケル粉末等の金属
粉末を好適に用いることができ、これらは単独又は2 種
以上混合して使用することができる。また、導電性を有
する粉末であれば金属粉末に限定されることなく、例え
ば、表面にのみ金属層を備えた粉末でもよい。また、導
電性粉末の形状については特に限定するものではない
が、導電性粉末の粒径は、50μm以下とすることが好
ましい。導電性粉末粒径が50μmを超えると導電性粉
末の導電性が不安定になる。なお、粒径とは、同一の体
積からなる球の直径として定義している。
【0019】さらに、(C)導電性粉末の上記(A)樹
脂成分に対する混合比は、導電性ペースト中の(A)樹
脂成分および(C)導電性粉末の含有量を100重量部
とした場合、(A)/(C)=40/60〜5/95
(重量部)の範囲とすることが望ましい。(C)導電性
粉末が60重量部未満である場合には、十分な導電性を
得ることが困難となり、95重量部を超えた場合には作
業性や密着性が低下する。
脂成分に対する混合比は、導電性ペースト中の(A)樹
脂成分および(C)導電性粉末の含有量を100重量部
とした場合、(A)/(C)=40/60〜5/95
(重量部)の範囲とすることが望ましい。(C)導電性
粉末が60重量部未満である場合には、十分な導電性を
得ることが困難となり、95重量部を超えた場合には作
業性や密着性が低下する。
【0020】本発明において、例えば、導電性ペースト
の粘度を調整するための溶剤、エポキシ基の開環重合に
対する反応性を備えた希釈剤、消泡剤、カップリング
剤、その他の各種の添加剤を本発明の目的に反しない限
り、必要に応じて配合することができる。具体的な溶剤
としては、酢酸セロソルブ、エチルセロソルブ、ブチル
セロソルブ、ブチルセロソルブアセテート、ブチルカル
ビトールアセテート、ジエチレングリコールジメチルエ
ーテル、ジアセトンアルコール、N−メチルピロリド
ン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、γ
−ブチロラクトン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリ
ジノン等が挙げられ、これらは単独又は2種以上混合し
て使用することができる。さらに、希釈剤としては、n
−ブチルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテ
ル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、スチレン
オキサイド、フェニルグリシジルエーテル、クレジルグ
リシジルエーテル、p−sec−ブチルフェニルグリシ
ジルエーテル、グリシジルメタクリレート、(t−ブチ
ルフェニル)グリシジルエーテル、ジグリシジルエーテ
ル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポ
リプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ブタン
ジオールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパ
ントリグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオール
ジグリシジルエーテル等が挙げられ、これらは単独又は
2種以上混合して使用することができる。さらにカップ
リング剤としては、例えば、γ−グリシドキシプロピル
トリメトキシシランやγ−メタクリロキシプロピルトリ
メトキシシラン等を挙げることができる。
の粘度を調整するための溶剤、エポキシ基の開環重合に
対する反応性を備えた希釈剤、消泡剤、カップリング
剤、その他の各種の添加剤を本発明の目的に反しない限
り、必要に応じて配合することができる。具体的な溶剤
としては、酢酸セロソルブ、エチルセロソルブ、ブチル
セロソルブ、ブチルセロソルブアセテート、ブチルカル
ビトールアセテート、ジエチレングリコールジメチルエ
ーテル、ジアセトンアルコール、N−メチルピロリド
ン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、γ
−ブチロラクトン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリ
ジノン等が挙げられ、これらは単独又は2種以上混合し
て使用することができる。さらに、希釈剤としては、n
−ブチルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテ
ル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、スチレン
オキサイド、フェニルグリシジルエーテル、クレジルグ
リシジルエーテル、p−sec−ブチルフェニルグリシ
ジルエーテル、グリシジルメタクリレート、(t−ブチ
ルフェニル)グリシジルエーテル、ジグリシジルエーテ
ル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポ
リプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ブタン
ジオールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパ
ントリグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオール
ジグリシジルエーテル等が挙げられ、これらは単独又は
2種以上混合して使用することができる。さらにカップ
リング剤としては、例えば、γ−グリシドキシプロピル
トリメトキシシランやγ−メタクリロキシプロピルトリ
メトキシシラン等を挙げることができる。
【0021】本発明の導電性ペーストは、上述した
(A)樹脂成分を十分溶解した後、(B)のスルフォニ
ウム塩、(C)導電性粉末、その他添加剤を添加し、常
法に従い十分混合した後、更にディスパース、ニーダー
または三本ロールミル等により混練処理を行い、その
後、減圧脱泡して製造することができる。こうして製造
した導電性ペーストは、半導体装置の製造や各種電子部
品類等の接着に好適に用いることができる。例えば、半
導体装置の製造に用いる場合には、導電性ペーストをシ
リンジ等に充填した後、ディスペンサを用いて金属薄板
上に吐出し、導電性ペーストを介して半導体素子を金属
薄板上にマウントし、短時間の加熱により導電性ペース
トを硬化させる。なお、本発明に係る導電性ペーストを
硬化するにあたっては、通常、120〜250℃で10
sec〜120secの間熱板等で、または100〜2
00℃で30分程度オーブンにて加熱することにより容易
に実施される。
(A)樹脂成分を十分溶解した後、(B)のスルフォニ
ウム塩、(C)導電性粉末、その他添加剤を添加し、常
法に従い十分混合した後、更にディスパース、ニーダー
または三本ロールミル等により混練処理を行い、その
後、減圧脱泡して製造することができる。こうして製造
した導電性ペーストは、半導体装置の製造や各種電子部
品類等の接着に好適に用いることができる。例えば、半
導体装置の製造に用いる場合には、導電性ペーストをシ
リンジ等に充填した後、ディスペンサを用いて金属薄板
上に吐出し、導電性ペーストを介して半導体素子を金属
薄板上にマウントし、短時間の加熱により導電性ペース
トを硬化させる。なお、本発明に係る導電性ペーストを
硬化するにあたっては、通常、120〜250℃で10
sec〜120secの間熱板等で、または100〜2
00℃で30分程度オーブンにて加熱することにより容易
に実施される。
【0022】
【作用】本発明の導電性ペーストは、(A)に示したグ
リシジルエステルと脂環式エポキシ樹脂の有するエポキ
シ基およびアリナジックイミド化合物を、(B)のスル
フォニウム塩によるカチオノイド重合(陽イオン重合)
により開環結合させるので、硬化に際して速硬化性を示
すとともに優れた接着性、耐湿性を発揮することが可能
となる。また、重合により得られた生成物は、三次元の
網目構造をもった緻密なものとなるので、溶剤に不溶
で、かつ、加熱により不融な安定した性質を示すことに
なる。したがって、硬化後の空隙の発生と応力緩和性に
優れた生成物を生成することが可能となる。さらに、本
発明の導電性ペーストを半導体装置の製造に適用した場
合には、上述した生成物を生成することから、信頼性の
高い半導体装置を製造することが可能となる。
リシジルエステルと脂環式エポキシ樹脂の有するエポキ
シ基およびアリナジックイミド化合物を、(B)のスル
フォニウム塩によるカチオノイド重合(陽イオン重合)
により開環結合させるので、硬化に際して速硬化性を示
すとともに優れた接着性、耐湿性を発揮することが可能
となる。また、重合により得られた生成物は、三次元の
網目構造をもった緻密なものとなるので、溶剤に不溶
で、かつ、加熱により不融な安定した性質を示すことに
なる。したがって、硬化後の空隙の発生と応力緩和性に
優れた生成物を生成することが可能となる。さらに、本
発明の導電性ペーストを半導体装置の製造に適用した場
合には、上述した生成物を生成することから、信頼性の
高い半導体装置を製造することが可能となる。
【0023】
【実施例】次に本発明を実施例によって説明するが、本
発明はこれらの実施例によって限定されるものではな
い。以下の実施例および比較例において「部」とは特に
説明のない限り「重量部」を意味する。
発明はこれらの実施例によって限定されるものではな
い。以下の実施例および比較例において「部」とは特に
説明のない限り「重量部」を意味する。
【0024】実施例1 グリシジルエステルとしてYD171(東都化成株式会
社製、商品名)50部、脂環式エポキシ樹脂としてセロ
キサイド2081(ダイセル化学工業株式会社製、商品
名)50部、およびジフェニルメタン−4,4′−ビス
アリナジックイミド20部を均一に溶解後、スルフォニ
ウム塩としてSI−80L(三新化学工業株式会社製、
商品名)2部、カップリング剤としてγ−グリシドキシ
プロピルトリメトキシシラン1部、および銀粉末458
部を添加し十分に混合した後、さらに、三本ロールで混
練して導電性ペーストを得た。
社製、商品名)50部、脂環式エポキシ樹脂としてセロ
キサイド2081(ダイセル化学工業株式会社製、商品
名)50部、およびジフェニルメタン−4,4′−ビス
アリナジックイミド20部を均一に溶解後、スルフォニ
ウム塩としてSI−80L(三新化学工業株式会社製、
商品名)2部、カップリング剤としてγ−グリシドキシ
プロピルトリメトキシシラン1部、および銀粉末458
部を添加し十分に混合した後、さらに、三本ロールで混
練して導電性ペーストを得た。
【0025】実施例2 グリシジルエステルとしてPGYD171(東都化成株
式会社製、商品名)30部、脂環式エポキシ樹脂として
セロキサイド2083(ダイセル化学工業株式会社製、
商品名)70部、およびジフェニルプロパン−4,4′
−ビスアリナジックイミド15部を均一に溶解後、スル
フォニウム塩としてSI−100L(三新化学工業株式
会社製、商品名)2部、カップリング剤としてγ−メタ
クリロキシプロピルトリメトキシシラン1部、および銀
粉末458部を添加し十分に混合した後、さらに、三本
ロールで混練して導電性ペーストを得た。
式会社製、商品名)30部、脂環式エポキシ樹脂として
セロキサイド2083(ダイセル化学工業株式会社製、
商品名)70部、およびジフェニルプロパン−4,4′
−ビスアリナジックイミド15部を均一に溶解後、スル
フォニウム塩としてSI−100L(三新化学工業株式
会社製、商品名)2部、カップリング剤としてγ−メタ
クリロキシプロピルトリメトキシシラン1部、および銀
粉末458部を添加し十分に混合した後、さらに、三本
ロールで混練して導電性ペーストを得た。
【0026】比較例 市販のエポキシ樹脂ベースの無溶剤型半導体用導電性ペ
ーストを準備した。なお、該無溶剤型導電性ペースト
は、イミダゾール系の硬化剤およびイミダゾール系の促
進剤を含有したものである。
ーストを準備した。なお、該無溶剤型導電性ペースト
は、イミダゾール系の硬化剤およびイミダゾール系の促
進剤を含有したものである。
【0027】次いで、実施例1〜2および比較例により
得られた導電性ペーストを用いて、半導体チップと金属
薄板(リードフレーム)とを接着硬化させ、接着強度、
チップの反り量、空隙の発生の有無およびポットライフ
について特性試験を行った。なお、これらの特性試験は
以下の条件の下で実行した。
得られた導電性ペーストを用いて、半導体チップと金属
薄板(リードフレーム)とを接着硬化させ、接着強度、
チップの反り量、空隙の発生の有無およびポットライフ
について特性試験を行った。なお、これらの特性試験は
以下の条件の下で実行した。
【0028】接着強度:Cuフレーム上に導電性ペース
トを介して2mm角のシリコンチップを配置し、180
℃のヒートブロック上で導電性ペーストを所定の時間
(15sec〜120sec)キュアした後、即破壊
(剥離)させることにより測定した。
トを介して2mm角のシリコンチップを配置し、180
℃のヒートブロック上で導電性ペーストを所定の時間
(15sec〜120sec)キュアした後、即破壊
(剥離)させることにより測定した。
【0029】チップの反り量:厚さ200μmのCuフ
レーム上に4mm×12mmのシリコンチップを導電性
ペーストを介して配置し、180℃に熱したオーブンで
2時間キュアした後、チップの表面を表面粗さ計を用い
て測定した。
レーム上に4mm×12mmのシリコンチップを導電性
ペーストを介して配置し、180℃に熱したオーブンで
2時間キュアした後、チップの表面を表面粗さ計を用い
て測定した。
【0030】空隙の発生の有無:Cuフレーム上に導電
性ペーストを介して8mm角のガラスチップを配置し、
180℃のヒートブロック上で導電性ペーストを2分間
キュアした後、肉眼にて観察した。
性ペーストを介して8mm角のガラスチップを配置し、
180℃のヒートブロック上で導電性ペーストを2分間
キュアした後、肉眼にて観察した。
【0031】ポットライフ:得られた導電性ペーストを
25℃,湿度50%の環境中に放置して6 時間毎にその
一部を採取し、上記接着強度と同様の試験を行って接着
強度が劣化するまでの期間を測定した。
25℃,湿度50%の環境中に放置して6 時間毎にその
一部を採取し、上記接着強度と同様の試験を行って接着
強度が劣化するまでの期間を測定した。
【0032】以上、これらの結果を表1に示したが、い
ずれも本発明が優れており、本発明の顕著な効果が認め
られた。
ずれも本発明が優れており、本発明の顕著な効果が認め
られた。
【0033】
【表1】
【0034】表1から明らかなように、実施例1、2お
よび比較例において、キュアに要する時間を同一とした
場合には、実施例1、2により得られた導電性ペースト
は、比較例により得られた導電性ペーストと比べて接着
強度が高くなっている。また、キュアに要する時間を1
20secとした場合、比較例では接着強度が14.8
Nとなっているが、この接着強度は、実施例1および実
施例2において、キュアに要する時間が30secの
時、すでに到達していた値である。従って、実施例1お
び実施例2において得られた導電性ペーストは、比較例
の導電性ペーストと比べて硬化に要する時間が短く、短
時間で高い接着強度を示すことが理解できる。また、実
施例1および実施例2におけるチップの反り量は、比較
例におけるチップの反り量と比べ半分以下であることか
ら、実施例1おび実施例2において得られた導電性ペー
ストは、熱に対して安定であり、熱履歴の影響を受けに
くく、応力緩和性に優れていることが理解された。さら
に、実施例1および実施例2の導電性ペーストは、硬化
に要する時間が短く容易に高い接着強度を示すが、硬化
後の生成物に空隙を生じさせず、環境に対しても安定で
あることが空隙の発生の有無およびポットライフから理
解された。
よび比較例において、キュアに要する時間を同一とした
場合には、実施例1、2により得られた導電性ペースト
は、比較例により得られた導電性ペーストと比べて接着
強度が高くなっている。また、キュアに要する時間を1
20secとした場合、比較例では接着強度が14.8
Nとなっているが、この接着強度は、実施例1および実
施例2において、キュアに要する時間が30secの
時、すでに到達していた値である。従って、実施例1お
び実施例2において得られた導電性ペーストは、比較例
の導電性ペーストと比べて硬化に要する時間が短く、短
時間で高い接着強度を示すことが理解できる。また、実
施例1および実施例2におけるチップの反り量は、比較
例におけるチップの反り量と比べ半分以下であることか
ら、実施例1おび実施例2において得られた導電性ペー
ストは、熱に対して安定であり、熱履歴の影響を受けに
くく、応力緩和性に優れていることが理解された。さら
に、実施例1および実施例2の導電性ペーストは、硬化
に要する時間が短く容易に高い接着強度を示すが、硬化
後の生成物に空隙を生じさせず、環境に対しても安定で
あることが空隙の発生の有無およびポットライフから理
解された。
【0035】
【発明の効果】以上の説明および表1から明らかなよう
に、本発明の導電性ペーストによれば、グリシジルエス
テル、脂環式エポキシ樹脂の有するエポキシ基およびア
リナジックイミド化合物を、スルフォニウム塩によるカ
チオノイド重合(陽イオン重合)により開環結合させる
ので、速硬化性を示すとともに接着強度が高く、耐湿性
にも優れる導電性ペーストを提供することができる。
に、本発明の導電性ペーストによれば、グリシジルエス
テル、脂環式エポキシ樹脂の有するエポキシ基およびア
リナジックイミド化合物を、スルフォニウム塩によるカ
チオノイド重合(陽イオン重合)により開環結合させる
ので、速硬化性を示すとともに接着強度が高く、耐湿性
にも優れる導電性ペーストを提供することができる。
【0036】また、本発明の導電性ペーストによれば、
重合により得られた生成物は、三次元の網目構造をもっ
た緻密なものとなるので、溶剤に不溶で、かつ、加熱に
より不融な安定した性質を示すことになる。したがっ
て、硬化後の空隙の発生と熱収縮がほぼ防止された生成
物を生成する導電性ペーストを提供することができる。
そして、この導電性ペーストを用いることによって、信
頼性の高い半導体装置および電子部品を製造することが
できる。
重合により得られた生成物は、三次元の網目構造をもっ
た緻密なものとなるので、溶剤に不溶で、かつ、加熱に
より不融な安定した性質を示すことになる。したがっ
て、硬化後の空隙の発生と熱収縮がほぼ防止された生成
物を生成する導電性ペーストを提供することができる。
そして、この導電性ペーストを用いることによって、信
頼性の高い半導体装置および電子部品を製造することが
できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J036 AG04 AJ09 FA02 FA12 GA03 JA06 4J040 EC091 EC092 EC261 EC262 FA191 FA192 HD18 JA05 JB10 KA03 KA32 LA05 LA07 NA20 5G301 DA03 DA06 DA10 DA42 DA51 DA57 DD01
Claims (1)
- 【請求項1】 (A)(a)次の一般式に示されるグリ
シジルエステルと 【化1】 (但、式中、Rは2価以上の有機基を、nは0〜15の
整数を、mは2〜4の整数をそれぞれ表す) (b)脂環式エポキシ樹脂と (c)次の一般式に示されるアリナジックイミド化合物 【化2】 (但、式中、Rは2価以上の有機基を表す)とを含有す
る樹脂成分、 (B)次の一般式(1)又は(2)で示されるスルフォ
ニウム塩および 【化3】 (C)導電性粉末 を必須成分としてなることを特徴とする導電性ペース
ト。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10348128A JP2000173344A (ja) | 1998-12-08 | 1998-12-08 | 導電性ペースト |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10348128A JP2000173344A (ja) | 1998-12-08 | 1998-12-08 | 導電性ペースト |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000173344A true JP2000173344A (ja) | 2000-06-23 |
Family
ID=18394944
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10348128A Pending JP2000173344A (ja) | 1998-12-08 | 1998-12-08 | 導電性ペースト |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000173344A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011111557A (ja) * | 2009-11-27 | 2011-06-09 | Hitachi Chem Co Ltd | 接着剤組成物、回路接続材料、接続体及び回路部材の接続方法、並びに半導体装置 |
JP2011111556A (ja) * | 2009-11-27 | 2011-06-09 | Hitachi Chem Co Ltd | 接着剤組成物、回路接続材料、接続体及び回路部材の接続方法、並びに半導体装置 |
JP2013093315A (ja) * | 2011-10-03 | 2013-05-16 | Sekisui Chem Co Ltd | 異方性導電材料及び接続構造体 |
-
1998
- 1998-12-08 JP JP10348128A patent/JP2000173344A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011111557A (ja) * | 2009-11-27 | 2011-06-09 | Hitachi Chem Co Ltd | 接着剤組成物、回路接続材料、接続体及び回路部材の接続方法、並びに半導体装置 |
JP2011111556A (ja) * | 2009-11-27 | 2011-06-09 | Hitachi Chem Co Ltd | 接着剤組成物、回路接続材料、接続体及び回路部材の接続方法、並びに半導体装置 |
JP2013093315A (ja) * | 2011-10-03 | 2013-05-16 | Sekisui Chem Co Ltd | 異方性導電材料及び接続構造体 |
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