JP2000172264A - 電子楽器 - Google Patents

電子楽器

Info

Publication number
JP2000172264A
JP2000172264A JP10360015A JP36001598A JP2000172264A JP 2000172264 A JP2000172264 A JP 2000172264A JP 10360015 A JP10360015 A JP 10360015A JP 36001598 A JP36001598 A JP 36001598A JP 2000172264 A JP2000172264 A JP 2000172264A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
speed
initial
key
tone
keyboard
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10360015A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroaki Nagasaka
浩明 長坂
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Casio Computer Co Ltd
Original Assignee
Casio Computer Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Casio Computer Co Ltd filed Critical Casio Computer Co Ltd
Priority to JP10360015A priority Critical patent/JP2000172264A/ja
Publication of JP2000172264A publication Critical patent/JP2000172264A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Electrophonic Musical Instruments (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 鍵盤における連続的タッチ制御の困難性を解
消する鍵盤タイプの電子楽器を提供する。 【解決手段】 鍵盤40とは別に、連続的または不連続
的に操作位置を変えられる演奏操作子50を設ける。鍵
を押した後で演奏操作子50を操作し始めると、CPU
10はその操作開始タイミングで押鍵の音をノートオン
し、そのイニシャル特性をその時点の操作速度等でコン
トロールする。演奏操作子50の操作中に押鍵が発生し
たときは、その押鍵タイミングでノートオンし、そのイ
ニシャル特性をその時点の演奏操作子速度等でコントロ
ールするとともに発音中の音を演奏操作子の現在速度等
に従ってアフター制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は電子楽器に関し、
特に、演奏入力装置からの演奏コントロール入力に対す
る応答である楽音制御の方式に属する。
【0002】
【従来の技術】今日、デジタル的に動作する電子鍵盤楽
器はもっともポピュラーな電子楽器である。一般に、電
子鍵盤楽器では、押鍵操作で音高(音階音)を指定する
と同時にその音高のノートオンタイミング(発音タイミ
ング)を指示するように構成されている。タッチレスポ
ンシブな電子鍵盤楽器も電子ピアノ等でよく知られてい
る。この種の電子鍵盤楽器では押鍵速度をタッチ情報
(イニシャルタッチ情報)として検出し、押鍵速度に従
って発生楽音の特性をコントロールする。離鍵速度を検
出するタイプの電子鍵盤楽器も知られている。検出した
離鍵速度は楽音のリリース制御に利用される。更に、押
鍵状態下での鍵圧力等を検出するタイプのものも知られ
ている。検出した鍵圧力等は、アフタータッチ制御(発
音中の楽音の特性制御)に用いられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】電子鍵盤楽器の特徴
は、発音の指示を押鍵操作によってしか与えられないと
いうことである(これに対し、電子ギター等の電子弦楽
器では弦に振動を生じさせる弾弦操作により発音タイミ
ングがコントロールされる)。電子鍵盤楽器のもう1つ
の特徴は、発生する楽音の特徴付け(音楽表現)が基本
的には押鍵速度で決まってしまう点である。電子鍵盤楽
器のもう1つの特徴は、いわゆるアフタータッチのコン
トロール(発音中の楽音の音色、音量等の特性のコント
ロール)が本質的に困難なことである。本発明は、以上
のような電子鍵盤楽器の特徴をこの種の電子楽器の制御
能力の限界としてとらえるものである。したがってこの
発明の目的は、鍵盤を有する電子楽器でありながら、ア
フタータッチ制御が容易であり、かつ押鍵操作によらな
くてもノートオン(発音)制御やイニシャルタッチ制御
が可能な電子楽器を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、この発明によれば、(A)鍵盤と、(B)操作位置
を連続的または離散的に変えることができる演奏操作子
と、(C)上記鍵盤の状態をモニターする鍵盤モニター
手段と、(D)上記演奏操作子の状態をモニターする操
作子モニター手段と、(E)上記鍵盤モニター手段と上
記操作子モニター手段のモニター結果を受け、楽音の発
生を制御する楽音制御手段と、を備え、上記楽音制御手
段は、(i)上記鍵盤上のある鍵が押された状態におい
て上記演奏操作子の操作が開始したときに、その鍵に対
応する音高を当該操作開始タイミングでノートオンする
とともにその音高の楽音特性を演奏操作子の操作開始時
における操作速度または操作加速度に従ってイニシャル
制御する第1のイニシャル制御手段と、(ii)上記演奏
操作子の操作速度または操作加速度が新たに検出される
都度、発音中の音高に対しその楽音特性を新たに検出し
た操作速度または操作加速度に従ってアフター制御する
アフター制御手段と、(iii)上記演奏操作子の操作中
に上記鍵盤上のある鍵が押されたとき、その鍵に対応す
る音高を当該押鍵タイミングでノートオンするとともに
当該音高の楽音特性をその時点の操作速度または操作加
速度に従ってイニシャル制御する第2のイニシャル制御
手段と、を含むこと、を特徴とする電子楽器が提供され
る。この構成(第1構成)によれば、演奏操作子の操作
中に鍵を押せば、その押鍵のタイミングで音高(その鍵
に対応する音高)をノートオン(発音)できるのみなら
ず、鍵を押した状態で演奏操作子を操作開始すればその
操作開始タイミングで音高をノートオンできる。
【0005】更に、この構成によれば、ノートオンされ
る楽音のイニシャル特性を操作開始時における演奏操作
子の操作速度(初期速度)や操作加速度に従ってコント
ロールできる。更に、この構成によれば、演奏操作子の
操作速度あるいは操作加速度を新たに検出したときに
は、その都度、その検出速度、検出加速度に従って発音
中の音高の楽音特性をアフター制御することができる。
したがって、演奏者(ユーザー)は、押鍵のタイミング
で音を鳴らすこともできれば、演奏操作子に対する操作
の開始タイミングで音を鳴らすこともでき、イニシャル
のタッチのつけ方はそのタイミングでの演奏操作子に対
する操作態様(操作速度、操作加速度)でコントロール
でき、音が鳴っている間の音色、音量等の変化付けはそ
の間の演奏操作子に対する操作態様(操作速度、操作加
速度)でコントロールできる。
【0006】例えば、本構成のノートオン機能を利用す
れば、いったん、いくつかの鍵を押した後(和音指定操
作した後)、演奏操作子を操作開始すれば、そのタイミ
ングで同時に和音を鳴らすことができる。あるいは、演
奏操作子を操作しながら、順次鍵を押していけば、その
都度、鍵対応の音を発音中の音に重ねて鳴らすことがで
きる。また、本構成のイニシャル及びアフター制御機能
を利用すれば、発生楽音の特性(音色、音量等の変化づ
け等)を演奏操作子に対する操作で自由にコントロール
することができる。
【0007】上記構成において、上記楽音制御手段は、
更に(iv)上記演奏操作子の操作が終了したときに、発
音中の音高をノートオフする第1のノートオフ手段と、
(v)上記鍵盤上のすべての鍵が離鍵状態に変化したと
きに、即ち、押鍵状態の鍵がなくなったときに、発音中
の音高をノートオフする第2のノートオフ手段とを有し
得る。この代りに、上記楽音制御手段は、更に(iv)上
記演奏操作子の操作が終了したときに、発音中の音高を
ノートオフする第1のノートオフ手段と、(v)発音中
の音高に係る鍵が離されたときに、当該発音中の音高を
ノートオする第2のノートオフ手段とを有し得る。
【0008】また、上記楽音制御手段は、更に(iv)上
記演奏操作子の操作が終了したときに、発音中の音高の
楽音をリリース制御するものであって、操作終了の際の
操作加速度に従ってリリースの態様をコントロールする
リリース制御手段を有し得る。リリースの制御態様とし
ては、例えば、リリースの時間(長短)を制御したり、
あるいは操作終了の際の操作加速度が大きいような場合
に、「発音体に対しエネルギーが与えられた」とみなし
て振幅エンベロープ等が一時的に盛り上った後で減衰す
るようにする制御を採用することができる。
【0009】一構成例において、上記第1のイニシャル
制御手段は、当該イニシャル制御用のパラメータとして
上記操作開始時の操作速度(初期速度という)の関数と
して楽音特性制御パラメータの初期値を算出する手段を
含み、上記第2のイニシャル制御手段はその時点の操作
速度と上記初期速度との比の関数としてパラメータ変更
率を算出し、このパラメータ変更率に楽音制御パラメー
タの初期値を乗じ、その結果を当該イニシャル制御用の
パラメータとする手段を含む。この構成は、初期速度と
して検出される操作速度が一般に(特に、ホイールやス
ライダーや回転ディスク(ターンテーブル)、あるいは
2次元パッドのように操作位置が連続的にかわる演奏操
作子の場合)操作中の操作速度(ランニング速度)より
遅くなるが、その一方で、初期速度がイニシャル制御に
利用されるだけでなくランニング速度も第2イニシャル
制御手段によりイニシャル制御に利用されることを配慮
し、両者の調整を図ったものである。この調整機能によ
り、ランニング速度=初期速度×K(Kは乗数)を満た
すランニング速度と初期速度とが、それぞれイニシャル
制御用に用いられる場合に同様の作用を奏することにな
る。
【0010】一構成例において、上記第1のイニシャル
制御手段は、当該イニシャル制御用のパラメータとして
上記操作開始時の操作速度(初期速度という)の関数と
して楽音特性制御パラメータの初期値を算出する手段を
含み、上記アフター制御手段は新たに検出した操作速度
と上記初期速度との比の関数としてパラメータ変更率を
算出し、このパラメータ変更率に楽音特性制御パラメー
タの初期値を乗じ、その結果をアフター制御用のパラメ
ータとする手段を含む。この構成は、上の構成例で述べ
たような調整機能をイニシャル制御とアフター制御との
間にもたせたものである。
【0011】また、第1構成において、(a)イニシャ
ル制御の方は操作加速度を利用して行ない、アフター制
御の方は操作速度を利用して行なうようにしたり、
(b)第1のイニシャル制御は初期加速度で行うが第2
のイニシャル制御は操作速度を用いて行う等の取捨選択
ができるようにしてもよい。あるいは、「ポテンシャル
エネルギー(PE)+運動エネルギー(KE)=総エネ
ルギー(TE)」を考慮し、かつ操作子に対する操作の
動作シーケンスにおいて、操作開始時点(t=0)に近
いほど加速度(α)によって意図されるポテンシャルエ
ネルギーの占める割合が大きいと考え、PE=f(t)
×α(ここにf(t)は時間tについて減少する関数)
を求め、一方運動エネルギーKEの方は操作速度(υ)
の自乗に比例すると考え、K=υ2を求め、(PEの初
期値)+(KEの初期値)の値を用いて第1のイニシャ
ル制御を行い(楽音特性制御パラメータの初期値を算出
し)、第2のイニシャル制御とアフター制御について
は、その時点のυとαから(PEの値)+(KEの値)
を求め、この求めた値を用いて行うようにしてもよい。
これは、操作速度と操作加速度との組合わせに従ってイ
ニシャル、アフター制御する方式の例である。したがっ
て、第1構成例によれば、操作速度と操作加速度との組
合わせに従って第1のイニシャル制御、第2のイニシャ
ル制御、アフター制御を行うことができる。
【0012】更に、この発明によれば、(A)鍵盤と、
(B)操作位置を連続的または不連続的に変えることが
できる演奏操作子と、(C)上記鍵盤の状態をモニター
する鍵盤モニター手段と、(D)上記演奏操作子の状態
をモニターする操作子モニター手段と、(E)上記鍵盤
モニター手段と上記操作子モニター手段のモニター結果
を受け、楽音の発生を制御する楽音制御手段と、を備
え、上記楽音制御手段は、(i)上記鍵盤上のある鍵が
押された状態において上記演奏操作子の操作が開始した
ときに、その鍵に対応する音高を当該操作開始タイミン
グでノートオンするとともにその音高の楽音特性を演奏
操作子の操作開始時における操作位置(初期操作位置)
に従ってイニシャル制御する第1のイニシャル制御手段
と、(ii)上記演奏操作子の操作位置が新たに検出され
る都度、発音中の音高に対しその楽音特性を新たに検出
した操作位置に従ってアフター制御するアフター制御手
段と、(iii)上記演奏操作子の操作中に上記鍵盤上の
ある鍵が押されたとき、その鍵に対応する音高を当該押
鍵タイミングでノートオンするとともに当該音高の楽音
特性をその時点の操作位置に従ってイニシャル制御する
第2のイニシャル制御手段と、を含むこと、を特徴とす
る電子楽器が提供される。この構成は、第1構成におけ
る「演奏操作子の操作速度または操作加速度」の代りに
「演奏操作子の操作位置」を採用したものである。即
ち、この構成によれば、演奏操作子の初期操作位置の情
報は第1のイニシャル制御のために利用され、操作中に
検出される操作位置はアフター制御のために利用され
る。更に、操作中に新たな操作位置を検出した際に鍵が
押されればその操作位置情報を利用して押鍵音高のイニ
シャル制御(第2のイニシャル制御)を行う。
【0013】以上の説明から理解されるように、この発
明の原理によれば、第1、第2のイニシャル制御及びア
フター制御のために利用する演奏操作子情報として、演
奏操作子の(a)操作位置、(b)操作速度、(c)操
作加速度の任意の組み合わせを採用し得る。即ち、操作
パラメータである操作位置、操作速度、操作加速度のい
ずれか1つ、または、いずれか2つの組み合わせ、ある
いはこの3つのパラメータの組み合わせに基づいて第1
のイニシャル制御、第2のイニシャル制御、アフター制
御を行うことができる。このような自由度を有する本発
明の電子楽器は、鍵盤による演奏表現の限界、アフター
制御の本質的な困難性を打破するものである。また、本
発明の電子楽器にあっては、鍵盤の機構として押鍵速度
等のタッチを検出する機構、回路は不要であり、タッチ
検出機能をもつ高価な鍵盤を使用する必要がない。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照してこの発明の
実施の形態を説明する。図1にこの発明の実施の形態に
係る電子楽器のハードウェア構成例をブロック図で示
す。この電子楽器は中央処理装置としてのCPU10、
プログラムと固定データを記憶するROM20、各種変
数を一時記憶するRAM30、鍵盤40、演奏操作子5
0、一定時間ごとにCPU10に割込要求信号を発生す
るタイマー60、楽音信号を発生する音源70、音源7
0からの楽音信号を音響信号に変換するサウンドシステ
ム80(DAC、アンプ、スピーカ含む)を含む。この
発明によれば、楽音の発生開始時における特性であるイ
ニシャル特性(立上り時、アタック時の特性)や、発音
中の楽音特性の調整(音量や音色等の変化付け)は演奏
操作子50に対する操作態様である奏法(操作位置、操
作速度、操作加速度)によってコントロール可能であ
る。
【0015】したがって、鍵盤40としては、低価な鍵
盤を使用できる。即ち、鍵ごとに押鍵状態と離鍵状態と
を判別できるスイッチを設けたもの程度で十分であり、
いわゆる鍵タッチ機構や鍵タッチ検出回路等は不要であ
る。本電子楽器のシステムからみた、鍵盤40の基本機
能は、どの鍵がいつ押鍵、あるいは離鍵されたかをマイ
クロコンピュータ(プログラム制御されるCPU10)
に知らせることである。鍵盤40上の各鍵は音高に対応
づけられており、CPU10は鍵盤40で発生した押鍵
イベントから指定音高(指定音階音)情報としての押鍵
データを検出(獲得)する。したがって、CPU10は
押鍵40の状態をモニターする鍵盤モニター手段として
機能する。
【0016】この発明によれば、演奏操作子50の機能
はノートオン、ノートオフのためのタイミングコントロ
ール入力と発生楽音の特性を連続的にコントロールする
ための入力情報を入力する機能である。したがって、演
奏操作子50としては操作位置を連続的または離散的
(不連続的に)変えることができる入力デバイスであれ
ばよく、特定の構造、形態に制限されるものではない。
例えば、演奏操作子50としては、ホイール、パッド、
フットボリューム、スライダー、タッチパネル、ジョイ
スティック、押釦アレー、あるいは手または指あるいは
眼球の運動を無接触方式で(例えば光学的に)検出する
センサー、あるいは呼気や唇の圧力等を検出するマウス
ピース型のセンサー、あるいはこれらの1以上の組合せ
等、任意のものが使用可能である。
【0017】演奏操作子50として、例えば図2に示す
ホイールのように、あるいは図示しないスライダーのよ
うに連続的に操作位置を変えることのできる入力デバイ
スを用いた場合、この種の演奏操作子はマイクロコンピ
ュータ(CPU10)に操作位置情報を知らせる。この
種の演奏操作子は例えば、操作位置をアナログ的に検出
するアナログセンサーと、操作位置のアナログ信号をデ
ジタル化するADC(AD変換器)を含む。あるいは、
光電式エンコーダのように操作位置をデジタル的に検出
するデジタル出力変位センサーを含む。一方、演奏操作
子50としてスイッチアレー(複数のスイッチを配設し
たもの)のように不連続的に操作位置を変えることがで
きる入力デバイスを用いた場合、CPU10に与えられ
る操作位置情報は不連続なものになる。例えば、スイッ
チアレーのケースでは、各スイッチが離散的な操作位置
のいずれかに対応するわけであり、CPU10は操作さ
れたスイッチを検出することで操作位置情報を獲得す
る。
【0018】いずれにしても、CPU10は演奏操作子
50の状態をモニターする操作モニター手段として機能
する。図1においてROM20は、本電子楽器の動作を
制御するためのプログラムを記憶するプログラム記憶媒
体及び本電子楽器の動作に必要な固定的データを記憶す
るデータ記憶媒体として機能する。プログラム制御の下
に、本電子楽器のマイクロコンピュータ(CPU10、
ROM20のデータ、RAM30)は鍵盤40と演奏操
作子50をモニターし、そのモニター結果に基づいて音
源70における楽音の発生を制御する楽音制御手段とし
て機能する。
【0019】この楽音制御機能は、鍵盤40上のある鍵
が押された状態において、演奏操作子の操作が開始した
ときは、その鍵に対応する音高を当該操作開始タイミン
グでノートオンするとともにその音高の楽音特性を操作
開始時における演奏操作子の操作形態(操作位置、操作
速度、操作加速度のいずれか、またはこれらの適当な組
合せ)に従ってイニシャル制御する。更に、この楽音制
御機能は、演奏操作子50の新たな操作形態が検出され
る都度、その検出情報に従って発音中の音高の楽音特性
をアフター制御する。更に、この楽音制御機能は演奏操
作子50の操作中に鍵盤40上のある鍵が押されたとき
は、その鍵に対応する音高を当該押鍵タイミングでノー
トオンするとともにその時点の演奏操作子50の操作形
態に従って当該音高の楽音特性をイニシャル制御する。
【0020】更に、この楽音制御機能は、演奏操作子5
0の操作が終了したときに(停止状態になったとき
に)、発音中の音高をすべてノートオフする。また、鍵
盤40上のすべての鍵が離鍵状態に変化したときに、即
ち、押鍵状態の鍵がなくなったときに発音中の音高をす
べてノートオフする(あるいは、この代りに、発音中の
音高に係る鍵が離されたときに当該音高のみをノートオ
フする)。また、この楽音制御機能は、演奏操作子50
の操作が終了したときに、当該操作終了の際の操作形態
(操作位置、操作速度、操作加速度のいずれか、または
これらの2以上の適当な組合せ)に従って発音中の音高
のリリースの態様(例えばリリースの形状、リリースの
時間)をコントロールする。
【0021】さて、一般に、(操作)速度は(操作)位
置の変化の時間微分で示され、(操作)加速度は(操
作)速度の時間微分で示される物理的パラメータであ
る。したがって、CPU10が、演奏操作子50からの
信号から「操作位置」を検出した際に、その時刻情報を
タイマー60から読み取り、操作位置と時刻情報からな
る操作レコードの来歴を記録媒体(例えば、RAM3
0)に記録するようにすれば、この操作レコードの来歴
から操作速度(例えば、操作速度=(現操作位置−直前
の操作位置)÷(現操作レコードの時刻−直前の操作レ
コードの時刻)による計算により)、及び操作加速度
(例えば操作加速度=(現操作速度−直前の操作速度)
÷(現操作レコードの時刻と直前の操作レコードの時刻
との中間時刻−直前の操作レコードの時刻と2つ前の操
作レコードの時刻との中間時刻)を計算することによ
り)を求めることは容易である。このような時刻記録方
式は、演奏操作子50の方でその状態が変化する都度
(例えば、新しい操作位置が検出される都度)、CPU
10に対し、割込をかけてその状態情報(例えば操作位
置情報)を受け取らせるような場合(入力デバイス割込
方式の場合)に使用できる。
【0022】しかしながら、この発明の好ましい実施の
形態によれば、タイマー60に一定時間ごとにタイムア
ップ信号を発生させ、このタイムアップ信号でCPU1
0に割込をかけるようにしている(定時間割込方式)。
そして、定時間毎の割込プログラム(割込ルーチン)の
なかでCPU10は演奏操作子50の状態(例えば操作
位置情報)を読み取り記録する(定時間割込・位置記録
方式)。このような定時間割込・位置記録方式によれ
ば、時間の差分値は一定または予めわかっているので、
操作レコードのために時刻を記録する必要がない。ま
た、操作速度、操作加速度を求めるために、時間差分値
を計算する必要がない。例えば、(現操作位置−直前の
操作位置)を計算することで現操作速度を得る(評価す
る)ことができ、(現操作速度−直前の操作速度)を計
算することで現操作加速度を得る(評価する)ことがで
きる。
【0023】つまり、定時間割込・位置記録方式によれ
ば、操作位置の来歴データから操作速度、操作加速度の
情報を極めて簡単に求められるわけである。さらに、後
述する割込プログラム(図6、図7)では、その処理の
なかで、音源70に対するノートオン、イニシャル制
御、アフター制御、ノートオフ、リリース制御等の必要
な事項をすべて実行している。
【0024】さて、図1のROMのブロック20内に
は、プログラム201(図6、図7のような割込プログ
ラムを含む)とともに、プログラムの実行中に参照する
データテーブル(音源70で発生する楽音の特性制御に
必要な変換テーブル)の例を202、203、204と
して示してある。各種パラメータルックアップテーブル
202は、演奏操作子のモニター結果として得た操作形
態情報(例えば操作速度)でルックアップされて、その
操作形態情報に対応する各種楽音特性パラメータ値を返
す表である。
【0025】例えば、図3に示すように、各種パラメー
タルックアップテーブル202を、演奏操作子50の操
作開始時における操作速度(初期速度)でルックアップ
して、各種楽音特性パラメータ(例えば、音量パラメー
タ、音色フィルタパラメータ)の初期値(ノートオンの
際に音源70の発音チャンネルにセットするパラメータ
の値)を返すパラメータ初期値ルックアップテーブルと
して使用することができる。なお、図3において、初期
速度からパラメータへの変換特性をfo( )で示して
いるが、これは例示にすぎない。また、変換特性はパラ
メータの種類によって異なり得る。
【0026】図1のROMブロック20内に示す203
は変更率ルックアップテーブルである。この変更率ルッ
クアップテーブル203は、演奏操作子50の操作中に
おける現操作形態の初期操作形態に対する関係、例えば
現操作速度の相対的な大きさ、例えば操作速度/初期速
度でルックアップされて楽音特性パラメータの変更率を
返す表である。この変更率ルックアップテーブル203
はテーブル202をパラメータ初期値ルックアップテー
ブルとして使用する実施形態で有効である。即ち、
「(パラメータ初期値)×変更率」の計算結果をパラメ
ータ現在値として用いることができるので、パラメータ
メモリ202の容量を小さくできる(操作中の操作形態
に応じたパラメータ変換メモリが不要なので)。変更率
ルックアップテーブル203のもう1つの機能は、パラ
メータテーブルへの引数(オーギュメント)である操作
形態情報として「操作速度」を使用するような場合に、
「初期速度」が操作中の操作速度(ランニング速度)よ
り小さいこと(ホイール操作子のように連続的に操作位
置が変わる演奏操作子の場合にこれが成立する)を補償
することである。
【0027】即ち、この発明によれば、初期速度で楽音
のイニシャル制御を行うだけでなく、ランニング速度も
楽音のイニシャル制御として利用するので、ランニング
速度=c×初期速度(ここにcは1より大きな適当な値
または定数a>1、定数b>1としてa<c<bを満た
す変数)を満たす、「初期速度」と「ランニング速度」
とが同様な楽音のイニシャル特性を与えるようにするの
が都合よい。またこの発明によれば、ランニング速度は
楽音のアフター制御としても利用される。つまり、アフ
ター制御のために楽音発生チャンネルに送られるパラメ
ータ現在値(パラメータ更新値)はランニング速度の現
在値(更新値)となる。その一方で、初期速度から求め
られたパラメータ初期値で楽音発生チャンネルはノート
オン時に初期化される。したがって、ランニング速度=
K×初期速度(K>1の値または値域、K=cでよいが
K≠cであってもよい)を満たす「ランニング速度」と
「初期速度」とが、値の等しい、アフター制御用パラメ
ータ値とイニシャル制御用パラメータ値に変換されるよ
うにすると都合がよい。なおKの値や範囲はパラメータ
の種類によって異なり得る。変更率ルックアップテーブ
ル203として操作速度/初期速度を引数としてパラメ
ータ変更率を返す変換テーブルを用いた場合の変換特性
の例を図4にf1()、f2( )として示す。
【0028】図1のROMブロック20内に示す204
はリリースルックアップテーブルである。このリリース
ルックアップテーブル204は、演奏操作子50の操作
終了(ストップ)時における操作形態(操作位置、操作
速度、操作加速度のいずれか、あるいはこのなかの2以
上の組合せ)情報を引数としてリリース制御パラメータ
(例えばリリースレート、あるいはリリース時間)を返
す表である。例えば、リリースルックアップテーブル2
04は操作ストップ時の操作加速度でルックアップされ
てリリースレート(振幅エンベロープのリリースレー
ト)を返す表である。図5には、この種のリリースルッ
クアップテーブル204による、加速度からリリース時
間への変換特性の例をf3( )として示している。こ
の例では操作ストップ時の加速度がしきい値THより小
さいときはリリースレートを通常の値(最短のリリース
時間MIN)とし、しきい値THを超えたら加速度の値
に応じたロングリリースになるようなリリースレートに
している。
【0029】図1のRAM30のブロック内には、図
6、図7の割込プログラムの実行中にCPU10がアク
セスする変数を示してある。押鍵バッファ301には押
鍵状態にある鍵のデータ(押鍵データ:指定音高情報)
がストアされる。発音バッファ302には発音中の音高
データがストアされる。CPU10はノートオン処理時
に押鍵データを音高データとして発音バッファ302に
書き込み、ノートオフ処理時には音高データを消去する
(発音バッファクリア)。今回操作位置303、前回操
作位置304、今回操作速度305、前回操作速度30
6、操作加速度307、初期速度308、パラメータ初
期値309、変更率310の各変数(レジスタ)の意味
は上述した通りである。
【0030】それでは、図6、図7の割込プログラムの
フローを参照して、好ましい実施形態の動作を説明す
る。まずCPU10は鍵盤40の入力状態を調べ(6−
1)、押鍵位置にある鍵のデータ(押鍵データ)を押鍵
バッファ301にストアする(6−2)。次にCPU1
0はホイール操作子50(図2参照)の状態を調べる
(6−3)。即ち、ホイール操作子50ブロック内のデ
ジタル出力データ(その時点の操作位置を表わすデー
タ)を読みにいき、それを現操作位置情報として取り込
む(今回操作位置情報303の獲得)。
【0031】次にCPU10は、 操作速度=|今回操作位置−前回操作位置| ……
(式1) (| |は絶対値を表わす)により、現操作速度(今回
操作速度305)を算出する(6−4)。6−5で現操
作速度をテストする。現操作速度=0ならホイール操作
子(演奏操作子50)は停止しているのでそのまま図6
のフローを抜け図7のフローに進む。なお、フローにお
いて現操作速度と比較される数値“0”として示してい
るが、この数値は必ずしも“0”である必要はなく、
「有意の操作速度でない」ことをしきい値で示す適当な
最小値MINであり得る。例えば、上の(式1)で算出
した操作速度データの下位何ビットかを除いたものが
“0”かどうかとして比較され得る。現操作速度>0で
(6−5でYES)、前回の操作速度=0(6−6でN
O)なら、演奏操作子の操作開始である。したがって、
この場合は現操作速度を初期速度308として獲得し
(6−9)、パラメータ初期値309を算出する(6−
10)。
【0032】即ち、初期速度308を用いて各種パラメ
ータルックアップテーブル202をルックアップして各
種楽音特性パラメータの初期値を獲得する(図3参
照)。現操作速度>0で(6−5でYES)、前回操作
速度>0(6−6でYES)なら、演奏操作子は「操作
中」である。そこで変更率を算出する(6−7)。即
ち、(現操作速度/初期速度)を用いて変更率ルックア
ップテーブル203をルックアップして変更率310を
獲得する(図4参照)。また、操作速度の来歴から操作
加速度を算出する(6−8)。例えば、 操作加速度=今回の操作速度−前回の操作速度 により操作加速度307を獲得する。
【0033】なお、(式1)の代りに、操作速度を、 操作速度=今回操作位置−前回操作速度 ……(式
2) で求めてもよく、この場合、6−6等に示す判定「操作
速度>0」は「|操作速度|>0」に読み替わる。6−
8または、6−10の後、あるいは6−5で操作速度=
0(操作停止)のときは、図7のフローに進む。図7の
最初のステップ6−11でCPU10は押鍵バッファ3
01中に押鍵データがあるかどうかを調べる。
【0034】押鍵バッファ301が空なら6−12に進
み、発音バッファ302中に発音中の音高が残っている
かどうかを調べる。押鍵バッファ301が空で発音バッ
ファ302が空でない(発音中の音高がある)という事
態は、発音中の状態下で鍵盤40のすべての鍵が離れた
状態に移行したタイミング(それまで押していた鍵が離
れた状態に移行したタイミング)で発生する。したがっ
て、発音中の音高をすべてノートオフすることにより、
この全鍵離鍵状態への移行タイミングでそれまで押鍵状
態にあった鍵に係る音を消音できる。押鍵バッファ30
1に押鍵データがあれば、現操作速度305をテストす
る(6−13)。ここで現操作速度>0のときは、6−
14でパラメータ初期値と変更率を読み込む(各パラメ
ータ初期値309→REG1(P)、各変更率310→
REG2(P)。ここにPはパラメータの種類)。
【0035】そして6−15で発音バッファ301中に
発音中の音があるかどうか調べる。この6−15で「発
音中の音なし」と判定されるのは、鍵を押した状態で
(鍵を押した後で)演奏操作子50(ホイール操作子)
を操作開始したときである。したがって、この場合は、
この発明に従い、各押鍵データの音高をパラメータ初期
値でノートオンする(6−19)。即ち、押鍵データご
とに発音割当チャンネルを決め(ヴォイスアサイン)、
そのチャンネルに対し、パラメータ初期値とノートオン
コマンドをセットしてイニシャル制御を実行する。6−
15で「発音中の音あり」と判定されるのは、演奏操作
子が操作中の場合である。したがって、この発明に従
い、現操作速度に基づくアフター制御を行う必要があ
る。そこで現パラメータ値を算出し、この現パラメータ
値で発音中の音をアフター制御を行う(6−16)。現
パラメータは、例えば REG1(P)=REG1(P)×REG2(P) で求めることができる。算出された各々の現パラメータ
値REG1(P)は該当する発音チャンネルに送られ
る。
【0036】6−16の後、6−17で発音バッファ3
02の内容と押鍵バッファ301の内容とを比較して新
たな押鍵データ(発音バッファにはない押鍵データ)が
あるかどうか調べる。これは、演奏操作子50の「操作
中」に鍵盤40で新たな鍵が押される場合があるからで
ある。その場合には、この発明に従い、その押鍵に係る
音高をノートオンさせ、その時点の操作態様(図7の例
では操作速度)に基づいてイニシャル制御することにな
る。そこで、6−18に示すように新しい押鍵データの
音高を現パラメータ値(REG1(P))でノートオ
ン、イニシャル制御する。発音中において、演奏操作子
50の操作が終了(ストップ)したときは、6−13で
操作速度=0となり、6−20で発音バッファ中に発音
中の音があることが見い出される。
【0037】この場合は操作加速度307がしきい値T
H(図5参照)を超えているかどうか調べる(6−2
1)。そして、しきい値を超えていなければ、発音中の
音を通常の方法(ハイリリース)でノートオフするが
(6−13)、しきい値を超えていれば、リリースルッ
クアップテーブル204から操作加速度に対応するリリ
ースレートを取り出し、発音チォンネルに送ることによ
り、対応するロングリリース制御を実行する(6−2
2)。6−18、6−19、6−22、6−23、また
は6−12の後は、次回のパスのための準備処理(図示
しないが、今回操作位置を前回操作位置304に移す処
理、今回操作速度を前回操作速度306に移す処理、ま
たはこれと等価な処理を含む)を行った後、メインプロ
グラム(図示せず)にリターンする。
【0038】なお、図6、図7の割込処理(実施形態)
が好ましいホイール操作子として想定するホイール操作
子は、自由に回転可能なものであり、例えばロータリエ
ンコーダ等を角度(操作位置)センサーとして用いるも
のである。なお、回転可能な角度の範囲が制約されたホ
イール操作子(例えば、回転可能な角度範囲が180度
くらいのホイール操作子)を使用できない意味では決し
てない。その場合には、「操作中」に操作速度が瞬間的
に“0”になれば、その時点でノートオフされた後、再
び(それに続く操作速度の発生により)ノートオンされ
ることになる。または操作速度が瞬間的に下がったとこ
ろで音量等が小さくなった後、再び音量等が立上ること
になる。この意味でホイール操作子に対する往復的な操
作はバイオリン等の「弓」による運弓奏法に似た作用を
もたらすことができる。また、ホイール操作子に限ら
ず、操作方向を変化可能な操作子についても同様の作用
を奏させることができる。
【0039】実施の形態の動作例のタイムチャートを図
8、図9に示す、図8に示すように、演奏操作子50を
操作する以前に押鍵した鍵(C4)については、操作子
50の操作開始を検出したタイミングtxでノートオン
を実行する(P1)。その際、初期速度に対応するパラ
メータ初期値を用いて楽音のイニシャル特性を制御す
る。操作子50の操作中(M)に押した鍵(E4)につ
いては、その押鍵を検出したタイミングt1でノートオ
ンを実行する(P2)。その際のイニシャル制御のため
にその時点の操作速度が利用される。操作子50の操作
中、新たな操作速度が検出される都度、その検出速度に
応じた楽音特性パラメータ値が算出され、発音中の音
(C4、E4)がアフター制御される。すべての鍵が離
鍵状態になる前に演奏操作子50の操作が終了(停止)
したときは、その検出タイミングtyで発音中の音高
(C4、E4)をノートオフするコマンドを発音チャン
ネルに発行する(P3〜P6)。
【0040】この場合、操作速度の経時カーブM′に示
すように操作終了時の加速度が小さいときには、ハイリ
リースで通常のノートオフとなる(P3、P4参照)。
一方、操作速度の経時カーブMで示すように操作終了時
の加速度が大きいときには加速度の値に対応したロング
リリースでノートオフが実行される(P5、P6)。こ
の代りに、点線で示すようなアタック付(盛上り部をも
つ)ロングリリースを実現するようにしてもよい。これ
に対し、図8に示すように、演奏操作子50の操作中に
押鍵状態の鍵がなくなってしまった(いずれも離鍵状態
に移行した)場合にはその検出時t2のタイミングでオ
ールノートオフを実行する(P7、P8)。
【0041】図10に定時間割り込み処理のもう1つの
実施形態を示す。図10のフローの各ブロック内に示す
6−(数字)の記号は、図6、図7の対応するステップ
を表わしている。例えば、ブロック10−1では図6の
ステップ6−1から6−4に相当する処理が行われる。
図10の10−2でCPU10は操作速度の来歴レコー
ド(例えば、前回の操作速度と今回の操作速度)から演
奏操作子50の状態モードを判別する。例えば、前回操
作速度=0で今回操作速度>0なら“操作開始”と判定
し、前回操作速度>0かつ今回操作速度>0なら“操作
中”と判定し、前回操作速度>0で今回操作速度=0な
ら“操作終了”と判定し、前回操作速度=0で今回操作
速度=0なら“静止中”と判定する。そして、それらの
判定結果に従って、10−3から10−8に示すように
対応する処理を実行する。
【0042】即ち、“操作開始”のときは、押鍵バッフ
ァに押鍵データがあれば6−19で述べたように押鍵デ
ータの音高を操作初期速度対応のパラメータ初期値でノ
ートオン、イニシャル制御する(10−3、10−
4)。“操作中”のときは、発音バッファと押鍵バッフ
ァの内容を比較する。比較の結果、発音バッファにはあ
るが押鍵バッファにはない音があれば(10−5でYE
S)、演奏操作子50の“操作中”に鍵が離鍵したとき
なので、その離鍵した鍵に対応する音(押鍵バッファか
ら消えた発音中の音)をノートオフする(10−6)。
これにより、演奏操作子50の操作中に発音中の音高に
係る鍵が離されたときは、その離鍵タイミングで当該発
音中の音高がノートオフされる。10−6の後、または
10−5でNOの場合は、10−7で図7の6−16か
ら6−18に示す処理に相当する、発音中の音(もしあ
れば)に対するアフター制御、及び新たに押された鍵
(もしあれば)に対するノートオン、イニシャル制御を
実行する。“操作終了”のときは図7の6−20から6
−23に相当する処理を実行する。“静止中”のときは
音源に対する処理を行うことなくメインプログラムにリ
ターンする。
【0043】図11にスイッチアレー型の演奏操作子5
0を示す。ff、f、mf、mp、ppの各スイッチ
(例えば押している間だけONするタイプ)は不連続の
操作位置を有する操作子として機能する。CPU10は
ffスイッチが“ON”のときは、“最強”の操作位置
とみなして、これに対応する楽音特性パラメータ値(例
えば音量と音色パラメータ値)を計算する(ルックアッ
プする)。CPU10はppスイッチが“ON”したと
きは“最弱の操作位置”が選ばれたとして、それに対応
する楽音特性パラメータ値を計算する(ルックアップす
る)。このように、操作位置を離散的(不連続的)に変
えることができる演奏操作子を用いる場合には、離散的
な(不連続の)操作位置に対応して楽音特性パラメータ
値が割り当てられる。なお、複数の“不連続的な操作位
置”に対応する複数の“楽音特性パラメータ値”は不連
続であるので、アフタータッチ制御として用いるとき
は、音源でノイズが発生しないように、操作位置の切替
操作に応答して、切替前のパラメータ値からパラメータ
目標値(新たに指定された不連続操作位置に対応するパ
ラメータ値)に向けてのパラメータ値の補間処理を行う
のが望ましい。なお、親指等で操作する停止スイッチを
設け、停止スイッチの“ON”で演奏操作子の“操作終
了”をCPU10に知らせるようにする。停止スイッチ
の“ON”をff〜pp操作スイッチの“ON”に優先
させ、停止スイッチの“ON”のタイミングで(ff〜
pp操作スイッチの状態にかかわらず)ノートオフを実
行するようにするとよい。
【0044】図12に2次元パッド型の演奏操作子50
を示す。この2次元パッド50は、タッチパネルなどと
同様に、接触方式で押した位置を検出する機能、あるい
は無接触方式でポインティングした位置を検出する機能
を有しており、その位置情報(操作位置座標)をCPU
10に知らせることができる。2次元パッド50のx軸
は、所定の種類の楽音特性パラメータ(例えば音色パラ
メータ)をコントロールするための軸であり、y軸はそ
れとは異なる種類の楽音特性パラメータ(例えば音量パ
ラメータ)をコントロールするための軸として用いられ
る。定時間割込プログラム制御の下で、CPU10は2
次元パッド50から定時間ごとに獲得した操作位置
(x、y)からその来歴レコードを作成し、この操作位
置の来歴レコードから操作速度ベクトルの来歴(例えば
前回と今回の操作速度ベクトル)を求める。さらに操作
加速度ベクトルを求めることもできる。
【0045】例えば、操作速度ベクトルと加速度ベクト
ルのx成分に基づいて音色パラメータ値を求め、操作速
度ベクトルと加速度ベクトルのy成分に基づいて音量パ
ラメータ値を求める。図3、図4に関連して述べたパラ
メータ初期値、変更率の考え方はテーブルの引数に係る
「操作速度」をx成分、y成分ごとの「操作速度+操作
加速度」とみなすことにより、容易に2次元パッド等
(操作位置を複数の方向で変えられる演奏操作子)にも
適用できる。なお、ノートオフのタイミングをCPU1
0に正確に知らせるため、停止スイッチを設け、停止ス
イッチのON操作に応答してノートオフを行うようにす
るとよい。これは、「操作の軌跡」の図示の例のよう
に、「操作中」でも操作速度ないし操作速度ベクトルが
一時的に“ゼロ”近くになるため、これと区別するため
に「停止」の検出に時間がかかる(例えば数十ミリ秒程
度)からである。以上で実施の形態の説明を終えるがこ
の発明の範囲内で種々の変形、変更が容易である。
【0046】
【発明の効果】以上詳細に述べたように、この発明によ
れば、鍵盤を有するにもかかわらず、アフタータッチ制
御が容易であり、なおかつ押鍵操作によらなくてもノー
トオン(発音)制御や、ノートオン時の楽音のイニシャ
ルタッチ制御が容易である。また、低コストで簡単な構
成の鍵盤を使用できる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態に係る電子楽器のハード
ウェア構成例を示すブロック図。
【図2】鍵盤40のサイドに設けられるホイール型の演
奏操作子の外観図。
【図3】各種パラメータルックアップテーブルを説明す
るグラフ。
【図4】変更率ルックアップテーブルを説明するグラ
フ。
【図5】リリースルックアップテーブルを説明するグラ
フ。
【図6】実施形態の動作を示す割込プログラムのフロー
チャート。
【図7】実施形態の動作を示す割込プログラムのフロー
チャート。
【図8】実施形態の動作を示すタイムチャート。
【図9】実施形態の動作を示すタイムチャート。
【図10】もう1つの実施形態の動作を示す割込プログ
ラムのフローチャート。
【図11】スイッチアレー型の演奏操作子を示す図。
【図12】2次元パッド型の演奏操作子を示す図。
【符号の説明】
10 CPU 20 ROM 30 RAM 40 鍵盤 50 演奏操作子 60 タイマー

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)鍵盤と、(B)操作位置を連続的ま
    たは離散的に変えることができる演奏操作子と、(C)
    上記鍵盤の状態をモニターする鍵盤モニター手段と、
    (D)上記演奏操作子の状態をモニターする操作子モニ
    ター手段と、(E)上記鍵盤モニター手段と上記操作子
    モニター手段のモニター結果を受け、楽音の発生を制御
    する楽音制御手段と、 を備え、 上記楽音制御手段は、 (i)上記鍵盤上のある鍵が押された状態において上記
    演奏操作子の操作が開始したときに、その鍵に対応する
    音高を当該操作開始タイミングでノートオンするととも
    にその音高の楽音特性を演奏操作子の操作開始時におけ
    る操作速度または操作加速度に従ってイニシャル制御す
    る第1のイニシャル制御手段と、 (ii)上記演奏操作子の操作速度または操作加速度が新
    たに検出される都度、発音中の音高に対しその楽音特性
    を新たに検出した操作速度または操作加速度に従ってア
    フター制御するアフター制御手段と、 (iii)上記演奏操作子の操作中に上記鍵盤上のある鍵
    が押されたとき、その鍵に対応する音高を当該押鍵タイ
    ミングでノートオンするとともに当該音高の楽音特性を
    その時点の操作速度または操作加速度に従ってイニシャ
    ル制御する第2のイニシャル制御手段と、 を含むこと、 を特徴とする電子楽器。
  2. 【請求項2】請求項1記載の電子楽器において、 上記楽音制御手段は、更に (iv)上記演奏操作子の操作が終了したときに、発音中
    の音高をノートオフする第1のノートオフ手段と、 (v)上記鍵盤上のすべての鍵が離鍵状態に変化したと
    きに、即ち、押鍵状態の鍵がなくなったときに、発音中
    の音高をノートオフする第2のノートオフ手段と、 を有することを特徴とする電子楽器。
  3. 【請求項3】請求項1記載の電子楽器において、 上記楽音制御手段は、更に (iv)上記演奏操作子の操作が終了したときに、発音中
    の音高をノートオフする第1のノートオフ手段と、 (v)発音中の音高に係る鍵が離されたときに、当該発
    音中の音高をノートオする第2のノートオフ手段と、 を有することを特徴とする電子楽器。
  4. 【請求項4】請求項1記載の電子楽器において、 上記楽音制御手段は、更に (iv)上記演奏操作子の操作が終了したときに、発音中
    の音高の楽音をリリース制御するものであって、操作終
    了の際の操作加速度に従ってリリースの態様をコントロ
    ールするリリース制御手段を、 有することを特徴とする電子楽器。
  5. 【請求項5】請求項1記載の電子楽器において、 上記第1のイニシャル制御手段は、当該イニシャル制御
    用のパラメータとして上記操作開始時の操作速度(初期
    速度という)の関数として楽音特性制御パラメータの初
    期値を算出する手段を含み、 上記第2のイニシャル制御手段はその時点の操作速度と
    上記初期速度との比の関数としてパラメータ変更率を算
    出し、このパラメータ変更率に楽音制御パラメータの初
    期値を乗じ、その結果を当該イニシャル制御用のパラメ
    ータとする手段を含む、 ことをことを特徴とする電子楽器。
  6. 【請求項6】請求項1記載の電子楽器において、 上記第1のイニシャル制御手段は、当該イニシャル制御
    用のパラメータとして上記操作開始時の操作速度(初期
    速度という)の関数として楽音特性制御パラメータの初
    期値を算出する手段を含み、 上記アフター制御手段は新たに検出した操作速度と上記
    初期速度との比の関数としてパラメータ変更率を算出
    し、このパラメータ変更率に楽音特性制御パラメータの
    初期値を乗じ、その結果をアフター制御用のパラメータ
    とする手段を含む、 ことをことを特徴とする電子楽器。
  7. 【請求項7】(A)鍵盤と、(B)操作位置を連続的ま
    たは不連続的に変えることができる演奏操作子と、
    (C)上記鍵盤の状態をモニターする鍵盤モニター手段
    と、(D)上記演奏操作子の状態をモニターする操作子
    モニター手段と、(E)上記鍵盤モニター手段と上記操
    作子モニター手段のモニター結果を受け、楽音の発生を
    制御する楽音制御手段と、 を備え、 上記楽音制御手段は、 (i)上記鍵盤上のある鍵が押された状態において上記
    演奏操作子の操作が開始したときに、その鍵に対応する
    音高を当該操作開始タイミングでノートオンするととも
    にその音高の楽音特性を演奏操作子の操作開始時におけ
    る操作位置(初期操作位置)に従ってイニシャル制御す
    る第1のイニシャル制御手段と、 (ii)上記演奏操作子の操作位置が新たに検出される都
    度、発音中の音高に対しその楽音特性を新たに検出した
    操作位置に従ってアフター制御するアフター制御手段
    と、 (iii)上記演奏操作子の操作中に上記鍵盤上のある鍵
    が押されたとき、その鍵に対応する音高を当該押鍵タイ
    ミングでノートオンするとともに当該音高の楽音特性を
    その時点の操作位置に従ってイニシャル制御する第2の
    イニシャル制御手段と、 を含むこと、 を特徴とする電子楽器。
JP10360015A 1998-12-04 1998-12-04 電子楽器 Pending JP2000172264A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10360015A JP2000172264A (ja) 1998-12-04 1998-12-04 電子楽器

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10360015A JP2000172264A (ja) 1998-12-04 1998-12-04 電子楽器

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000172264A true JP2000172264A (ja) 2000-06-23

Family

ID=18467459

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10360015A Pending JP2000172264A (ja) 1998-12-04 1998-12-04 電子楽器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000172264A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7470855B2 (en) 2004-03-29 2008-12-30 Yamaha Corporation Tone control apparatus and method

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7470855B2 (en) 2004-03-29 2008-12-30 Yamaha Corporation Tone control apparatus and method

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6018118A (en) System and method for controlling a music synthesizer
US20100107857A1 (en) Tone Control Apparatus and Method
JP2024111240A (ja) 楽音情報出力装置、楽音情報生成方法およびプログラム
JPH03206493A (ja) 電子楽器
JP2002366145A (ja) 楽音生成装置
JP2007322683A (ja) 楽音制御装置およびプログラム
JP2000172264A (ja) 電子楽器
JPH1091061A (ja) 演奏指示装置及びプログラムを記録した媒体
JP3008419B2 (ja) 電子楽器
JPH0643867A (ja) 電子楽器
JP2000200085A (ja) 電子楽器
JP2008008946A (ja) 楽音制御装置およびプログラム
US5430240A (en) Parameter control system for electronic musical instrument
JP2626211B2 (ja) 電子楽器
JP2638287B2 (ja) 擦弦型電子楽器用演奏入力装置
JPH03161799A (ja) 電子楽器
JP3581763B2 (ja) 電子楽器
JP2580817B2 (ja) 楽音制御装置
JP5056078B2 (ja) 電子鍵盤楽器およびその制御方法を実現するためのプログラム
JP2008216871A (ja) 電子鍵盤楽器およびその制御方法を実現するためのプログラム
JP2712224B2 (ja) 電子弦楽器
JP2007240929A (ja) 鍵域分割位置決定装置
JP2004045455A (ja) 電子楽器
JP3279122B2 (ja) テンポ制御装置
JP4040193B2 (ja) 電子楽器