JP2000171398A - 排ガス中のクロロフェノール類の測定方法および装置 - Google Patents

排ガス中のクロロフェノール類の測定方法および装置

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JP2000171398A JP10345852A JP34585298A JP2000171398A JP 2000171398 A JP2000171398 A JP 2000171398A JP 10345852 A JP10345852 A JP 10345852A JP 34585298 A JP34585298 A JP 34585298A JP 2000171398 A JP2000171398 A JP 2000171398A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 排ガス試料を水に溶解させ、溶解したクロロ
フェノール類を蛍光強度により測定する際、NOX,S
X およびフェノールによる測定誤差発生を低減する。 【解決手段】 排ガス試料の水溶解前に、排ガス試料
中のNO2をNOに変換する、水に溶解したSOX
よる蛍光強度を含むクロロフェノール類の見かけの蛍光
強度測定値から、予め検量された硫酸イオン濃度と蛍光
強度の相関関係に基づき、硫酸イオンによる蛍光強度分
を差し引き、蛍光強度測定値を補正する、水に溶解し
たフェノールの蛍光強度を含むクロロフェノール類の,
二つの異なる所定の測定波長におけるフェノールおよび
クロロフェノール類の両者を含む蛍光強度測定値から、
予め検量されたクロロフェノール類およびフェノールの
蛍光強度と前記測定波長との関係に基づいて求めた所定
の演算式により、正味のクロロフェノール類の蛍光強度
を求める。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えば一般廃棄
物や産業廃棄物を焼却した燃焼排ガス中に含まれるクロ
ロフェノール類の濃度を測定する方法および装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】各種の廃棄物を焼却する際に、焼却炉か
ら極めて猛毒なダイオキシン類が発生し、その排ガスが
大きな環境問題の一つとなっていることが知られてい
る。このダイオキシン類を連続的に直接測定するのは困
難なために、ダイオキシン類の排出濃度と比較的相関性
が高いといわれている一酸化炭素(CO)や有機化合物
の濃度を測定してダイオキシン類の排出濃度を推定して
いる。
【0003】前記COによる方法は連続測定は可能では
あるものの、CO濃度が概ね50ppm以下の低濃度領域
ではダイオキシン類との相関性が良好でない問題があ
り、これに対して、例えば、第8回廃棄物学会研究発表
会講演論文集562〜564頁(1997年)図5に記
載されたように、排ガス中有機化合物、特に、クロロフ
ェノール類は、50ppm以下の低濃度領域でもダイオキ
シン類とよい相関性があることが知られている。この観
点から、クロロフェノール類の濃度をレーザーイオン化
質量分析装置により測定し、ダイオキシン類の濃度を間
接的に測定する技術が提案されている(特開平9-243601
号公報参照)。
【0004】しかしながら、上記クロロフェノール類か
ら間接測定する方法でも、以下のような問題があった。
即ち、排ガス中のクロロフェノール類は、他の有機化合
物に比較して極性が強く、捕集の際、排ガス中に含まれ
る水分に移行(溶解)し易い問題、又、分析上、熱的に
不安定であるなどの問題があり、正確なダイオキシン類
の濃度測定が困難であるという問題があった。
【0005】上記のような問題点を解決するために、本
願発明者は、前記問題点の「クロロフェノール類が水に
溶解し易いという性質」を逆に有効利用し、排ガス試料
をガス捕集用の水に積極的に溶解させ、水に溶解したク
ロロフェノール類の蛍光強度を公知の方法により測定す
ることにより、予め検量されたクロロフェノール類の濃
度と蛍光強度との相関関係からクロロフェノール類の濃
度を求め、さらに、予め検量されたクロロフェノール類
の濃度とダイオキシン類の濃度との相関関係からダイオ
キシン類の濃度を間接的に求める方法を提案した(特願
平10-221610号参照)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記ク
ロロフェノール類の測定方法においても、以下のような
問題がある。排ガス中には、種々の無機化合物および有
機化合物が存在するが、窒素酸化物(NOX)は、水に
溶解して硝酸イオンおよび亜硝酸イオンを生じ、紫外部
に吸収帯を持つことから、クロロフェノール類の蛍光強
度を減少させるという問題がある。
【0007】次に、硫黄酸化物(SOX )は水に溶解し
て硫酸イオンを生じ、捕集水のpHが1以下になるよう
な高濃度の場合、クロロフェノール類の測定波長域(約
400nm以下)に蛍光スペクトルが現れるため、実際のク
ロロフェノール類の濃度より蛍光強度の測定値が大きく
なるという問題がある。
【0008】さらに、フェノールはクロロフェノール類
と同様に比較的水に溶けやすく、自然蛍光を有すること
から、クロロフェノール類の蛍光強度を測定する際、フ
ェノールのスペクトルが含まれてしまい、実際のクロロ
フェノール類の濃度より蛍光強度の測定値が大きくなる
という問題点がある。
【0009】本発明は、上記のような問題点を解決する
ためになされたもので、本発明の課題は、排ガス中のク
ロロフェノール類を測定する際に、クロロフェノール類
の蛍光強度に影響を及ぼし測定誤差をもたらす物質、即
ち、窒素酸化物(NOX),硫黄酸化物(SOX )およ
びフェノールの影響を、削減もしくは除去する測定方法
および装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】前述の課題を解決するた
め、請求項1の発明では、排ガス試料をガス捕集用の水
に溶解させ、水に溶解したクロロフェノール類の蛍光強
度を測定することにより、予め検量されたクロロフェノ
ール類の濃度と蛍光強度との相関関係からクロロフェノ
ール類の濃度を求める排ガス中のクロロフェノール類の
測定方法において、排ガス試料をガス捕集用の水に溶解
させる前に、排ガス試料中の二酸化窒素(NO2)を一
酸化窒素(NO)に変換することとする。後に詳述する
ように、水へのNOXの吸収率は、排ガス中のNOの割
合が大きい程低下するので、NO2をNOに変換するこ
とにより、クロロフェノール類を捕集する際に、水に溶
解するNOXを減少することができ、クロロフェノール
類の蛍光強度減少による測定精度の低下を防止すること
ができる。
【0011】上述の方法を実現する装置としては、請求
項5の発明のように、排ガス試料を水に溶解させるガス
捕集器の前段に、排ガス試料中の二酸化窒素(NO2
を一酸化窒素(NO)に変換するNOX変換器を設ける
ものとする。NOX変換器としては、例えば、活性炭や
モリブデン等の触媒を利用した市販のNOX変換器を使
用することができる。
【0012】また、請求項2の発明では、排ガス試料を
ガス捕集用の水に溶解させ、水に溶解したクロロフェノ
ール類の蛍光強度を測定することにより、予め検量され
たクロロフェノール類の濃度と蛍光強度との相関関係か
らクロロフェノール類の濃度を求める排ガス中のクロロ
フェノール類の測定方法において、水に溶解した硫黄酸
化物(SOX )による蛍光強度を含むクロロフェノール
類の見かけの蛍光強度測定値から、予め検量された硫酸
イオン濃度と蛍光強度の相関関係に基づき、硫酸イオン
による蛍光強度分を差し引くことによって前記見かけの
蛍光強度測定値を補正することにより、正味のクロロフ
ェノール類の蛍光強度を求めることとする。これによ
り、硫黄酸化物(SOX )の影響による測定誤差を補正
することができる。
【0013】上述の方法を実現する装置としては、請求
項6の発明のように、排ガス試料中の硫黄酸化物(SO
X )の濃度を測定するSOX計を設け、データ処理装置
は、前記SOX計の濃度測定値から硫黄酸化物が水に溶
解した際の硫酸イオン濃度を演算するとともに、水に溶
解した硫黄酸化物(SOX )による蛍光強度を含むクロ
ロフェノール類の見かけの蛍光強度測定値から、予め検
量された硫酸イオン濃度と蛍光強度の相関関係に基づ
き、硫酸イオンによる蛍光強度分を差し引くことによっ
て前記見かけの蛍光強度測定値を補正するものとする。
【0014】さらに、請求項3の発明では、排ガス試料
をガス捕集用の水に溶解させ、水に溶解したクロロフェ
ノール類の蛍光強度を測定することにより、予め検量さ
れたクロロフェノール類の濃度と蛍光強度との相関関係
からクロロフェノール類の濃度を求める排ガス中のクロ
ロフェノール類の測定方法において、水に溶解したフェ
ノールの蛍光強度を含むクロロフェノール類の,二つの
異なる所定の測定波長におけるフェノールおよびクロロ
フェノール類の両者を含む蛍光強度測定値から、予め検
量されたクロロフェノール類およびフェノールの蛍光強
度と前記測定波長との関係に基づいて求めた所定の演算
式により、正味のクロロフェノール類の蛍光強度を求め
ることとする。
【0015】具体的に好適な方法としては、請求項4に
記載したとおり、二つの異なる所定の測定波長は、後述
するように、フェノールおよびクロロフェノール類の蛍
光スペクトルの極大波長である296nmおよび310nm
とする。前記所定の演算式としては、詳細は後述する
が、当該各波長における見かけの蛍光強度測定値をそれ
ぞれaおよびbとし、正味のクロロフェノール類の蛍光
強度をx,正味のフェノールの蛍光強度をyとしたと
き、正味のクロロフェノール類の蛍光強度xを演算する
ための所定の演算式は、下記の連立方程式 kx+hy=a (k,hは所定の定数) x+ y=b に基づいて得られる演算式、x=(a−hb)/(k−
h)とし、これによりxを求めることとする。これによ
り、フェノールの影響による測定誤差を補正することが
できる。
【0016】上述の方法を実現する装置としては、請求
項7の発明のように、蛍光強度測定器を、水に溶解した
フェノールの蛍光強度を含むクロロフェノール類の,二
つの異なる所定の測定波長における見かけの蛍光強度を
測定するものとし、データ処理装置を、予め検量された
クロロフェノール類およびフェノールの蛍光強度と前記
測定波長との関係に基づいて求めた所定の演算式によ
り、正味のクロロフェノール類の蛍光強度を求める演算
手段を有するものとする。
【0017】
【発明の実施の形態】図面により、本発明の実施の形態
について以下にのべる。
【0018】実施例1 図1は、請求項1および請求項5の発明に関わる実施例
を示す構成図である。同図において、1は排ガス試料2
中の二酸化窒素(NO2)を一酸化窒素(NO)に変換
するNOX変換器、3は排ガス試料2を水に溶解させる
ガス捕集装置、4はガスを溶解した水をガス捕集装置3
から導入する試料セル、5は水に溶解したクロロフェノ
ール類の蛍光強度を測定する蛍光強度測定器、6は予め
検量されたクロロフェノール類の濃度と蛍光強度との相
関関係から前記測定器で測定された蛍光強度をクロロフ
ェノール類の濃度に換算するデータ処理装置を示す。さ
らに、必要であれば、前述の特願平10-221610号に記載
されたように、予め検量されたクロロフェノール類の濃
度とダイオキシン類の濃度との相関関係からダイオキシ
ン類の濃度に換算する機能をデータ処理装置6に付与し
ても良い。図1のNOX変換器1の機能に関し以下に詳
述する。排ガスに含まれるNOXは濃度が数十ppm、その
90%以上がNOで、残りはNO2である。NOXは水に溶
解して硝酸イオンおよび亜硝酸イオンを生じるが、両イ
オンは紫外部(400nm以下)に吸収帯を持つため、クロ
ロフェノール類の蛍光強度を測定する際の励起光(モノクロ
ロフェノール測定の場合:230nm)および蛍光(モノクロロフェノール測
定の場合:310nm)を吸収する。
【0019】図2、3は、モノクロロフェノール標準液
(100μg/L)中の硝酸イオンおよび亜硝酸イオンと蛍光
強度との関係を示すが、硝酸イオンNO3 -および亜硝酸
イオンNO2 -が増加するにしたがって、モノクロロフェ
ノール標準液の蛍光強度は著しく小さくなることが分か
る。なお、図2、3において、p-CPは、モノクロロフェ
ノールの三つの異性体(オルト、メタ、パラ)の内の一
つであるパラクロロフェノールであることを示す。
【0020】上記から明らかなように、硝酸イオンNO
3 -および亜硝酸イオンNO2 -を低減することにより、よ
り正しい蛍光強度の測定が可能となることが分かる。そ
のためには、NOXの水への吸収・溶解を出来る限り減
少させることが必要となる。図4は、NOもしくはNO
2標準ガスを大気で希釈した模擬排ガス中のNOX組成を
変えたときの、水へのNOXの吸収率を示す。実験条件
は、模擬排ガス流量=10L/min、NOX濃度≒4ppm(4〜8
0ppmの間で濃度依存性なし)、捕集水量=20ml、相対湿
度=50%(室温)で行い、NOXの吸収にはガス捕集装置
3を使用した。前述のように、排ガスに含まれるNOX
は、その90%以上がNOで、残りはNO2であるので、図
4の横軸が0.1以下の範囲が対象領域となるが、図4
より、模擬排ガス中に占めるNOの割合が大きいほどN
X吸収率は低くなり、NOのみの場合、NOX吸収率は
ほぼ0%となる。
【0021】従って、排ガス試料をガス捕集用の水に溶
解させる前に、前述のように、排ガス試料中のNO2
NOに変換することにより、捕集水に溶解するNOX
削減でき、クロロフェノール類の蛍光強度減少による測
定精度の低下を防止することができる。
【0022】実施例2 図5は、請求項2および6の発明に関わる実施例を示す
構成図である。図6は、硫酸イオンの蛍光スペクトルを
示す。図5において図1と同一部材2〜5に関しては、
同一番号を付して説明を省略する。図5において、7は
SOx計である。排ガス中のSOxは濃度が数〜数十ppm
で、水に溶解して硫酸イオンを生じ、捕集水のpHを1
以下にするような高濃度の場合、図6に示すように、ク
ロロフェノール類の測定波長域(約400nm以下)に蛍光
スペクトルが現れるため、実際のクロロフェノール類の
濃度より蛍光強度が大きくなる。
【0023】そこで、予め検量されたSOx濃度と捕集
水に溶け込む硫酸イオン濃度との関係から、SOx計7
より出力されたSOx濃度をデータ処理装置61におい
て硫酸イオン濃度に演算するとともに、水に溶解した硫
黄酸化物(SOX )による蛍光強度を含むクロロフェノ
ール類の見かけの蛍光強度測定値から、予め検量された
硫酸イオン濃度と蛍光強度の相関関係に基づき、硫酸イ
オンによる蛍光強度分を差し引くことによって前記見か
けの蛍光強度測定値を補正することにより、正味のクロ
ロフェノール類の蛍光強度を求めることができる。
【0024】実施例3 図7は請求項3,4および7の発明に関わる実施例を示
す構成図である。同図において図1と同一部材2〜4に
関しては、同一番号を付して説明を省略する。図7にお
いて、51は、図1または図5とは異なる機能を備えた
蛍光強度測定器、62は、図1または図5とは異なる機
能を備えたデータ処理装置である。
【0025】排ガス中のフェノールはクロロフェノール
類と同様に比較的水に溶けやすく、自然蛍光を有するこ
とから、クロロフェノール類の蛍光強度を測定する際、
フェノールのスペクトルが含まれてしまい、実際のクロ
ロフェノール類の濃度より蛍光強度が大きくなる。そこ
で、実施例2の場合と同様にして、見かけのクロロフェ
ノール類の蛍光強度から、フェノールの蛍光強度を差し
引けば補正できるわけであるが、両者の蛍光強度の極大
を示す波長が異なるので、実施例2のように、一つの測
定波長に基づく単純補正はできない。
【0026】図8に励起波長=230nmのときのフェノー
ルとモノクロロフェノールの蛍光スペクトルを示す。こ
のように両者の極大波長は異なる。そこで、本発明者
は、フェノールとモノクロロフェノールの濃度を変えて
図8と同様のデータを吟味した結果、互いの極大波長
(図8では、それぞれ296nm、310nm)における蛍光強度
を測定し、検量することにより、予め両者の濃度と蛍光
強度との関係式を求めておくことにより補正することが
できることを見いだした。
【0027】その方法は、請求項3および4に記載の方
法であって、即ち、水に溶解したフェノールの蛍光強度
を含むクロロフェノール類の,二つの異なる所定の測定
波長におけるフェノールおよびクロロフェノール類の両
者を含む蛍光強度測定値から、予め検量されたクロロフ
ェノール類およびフェノールの蛍光強度と前記測定波長
との関係に基づいて求めた所定の演算式により、正味の
クロロフェノール類の蛍光強度を求める。具体的には、
二つの異なる所定の測定波長は、前述のフェノールおよ
びクロロフェノール類の蛍光スペクトルの極大波長であ
る296nmおよび310nmとする。前記所定の演算式と
しては、当該各波長における見かけの蛍光強度測定値を
それぞれaおよびbとし、正味のクロロフェノール類の
蛍光強度をx,正味のフェノールの蛍光強度をyとした
とき、正味のクロロフェノール類の蛍光強度xを演算す
るための所定の演算式は、下記の連立方程式 kx+hy=a (k,hは所定の定数) x+ y=b に基づいて得られる式、x=(a−hb)/(k−h)
とし、これによりxを求める。
【0028】上記において、k,hを所定の定数と仮定
することにより、正味のクロロフェノール類の蛍光強度
xを算定できることになるが、この発明は、前記仮定を
おいても実用上精度のよい測定が可能であることを、各
種測定データから見いだした知見に基づいてなされたも
のである。
【0029】図7の蛍光強度測定器51において、2つ
の異なる測定波長(上記の場合、296nm・310nm)におけ
る蛍光強度を測定し、データ処理装置62において、前
述の演算を行うことにより、モノクロロフェノールの真
の濃度を求めることができる。
【0030】ところで、前記の実施例においては、排ガ
ス中のクロロフェノール類を測定する際に、クロロフェ
ノール類の蛍光強度に影響を及ぼし測定誤差をもたらす
物質、即ち、窒素酸化物(NOX),硫黄酸化物(SO
X )およびフェノールのそれぞれの影響を、個別に削減
もしくは除去する測定方法および装置に関して述べた
が、実際の排ガス中には、上記三つの物質が二種類また
は三種類複合して存在することが多い。この場合には、
前述の方法または装置を、対象となる排ガスの条件に合
わせて、適宜組み合わせて使用することができる。
【0031】
【発明の効果】以上のように、この発明によれば、排ガ
ス試料をガス捕集用の水に溶解させ、水に溶解したクロ
ロフェノール類の蛍光強度を測定することにより、予め
検量されたクロロフェノール類の濃度と蛍光強度との相
関関係からクロロフェノール類の濃度を求める排ガス中
のクロロフェノール類の測定方法または装置において、 排ガス試料をガス捕集用の水に溶解させる前に、排ガ
ス試料中の二酸化窒素(NO2)を一酸化窒素(NO)
に変換すること、また、水に溶解した硫黄酸化物(S
X )による蛍光強度を含むクロロフェノール類の見か
けの蛍光強度測定値から、予め検量された硫酸イオン濃
度と蛍光強度の相関関係に基づき、硫酸イオンによる蛍
光強度分を差し引くことによって前記見かけの蛍光強度
測定値を補正すること、さらに、水に溶解したフェノ
ールの蛍光強度を含むクロロフェノール類の,二つの異
なる所定の測定波長におけるフェノールおよびクロロフ
ェノール類の両者を含む蛍光強度測定値から、予め検量
されたクロロフェノール類およびフェノールの蛍光強度
と前記測定波長との関係に基づいて求めた所定の演算式
により、正味のクロロフェノール類の蛍光強度を求める
ことにより、排ガス中のクロロフェノール類を測定する
際に、クロロフェノール類の蛍光強度に影響を及ぼし測
定誤差をもたらす物質、即ち、窒素酸化物(NOX),
硫黄酸化物(SOX )およびフェノールの影響を、削減
もしくは除去してクロロフェノール類の濃度を精度よく
測定することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施例を示す構成図である。
【図2】モノクロロフェノール標準液中の硝酸イオンと
蛍光強度との関係を示す図である。
【図3】モノクロロフェノール標準液中の亜硝酸イオン
と蛍光強度との関係を示す図である。
【図4】模擬汚染ガス中のNOX組成と水へのNOX吸収
率の関係を示す図である。
【図5】この発明の第2の実施例を示す構成図である。
【図6】硫酸イオンの蛍光スペクトルを示す図である。
【図7】この発明の第3の実施例を示す構成図である。
【図8】フェノールとモノクロロフェノールの蛍光スペ
クトルを示す図である。
【符号の説明】
1:NOX変換器、3:ガス捕集装置、4:試料セル、
5,51:蛍光強度測定器、6,61,62:データ処
理装置。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 排ガス試料をガス捕集用の水に溶解さ
    せ、水に溶解したクロロフェノール類の蛍光強度を測定
    することにより、予め検量されたクロロフェノール類の
    濃度と蛍光強度との相関関係からクロロフェノール類の
    濃度を求める排ガス中のクロロフェノール類の測定方法
    において、排ガス試料をガス捕集用の水に溶解させる前
    に、排ガス試料中の二酸化窒素(NO2)を一酸化窒素
    (NO)に変換することを特徴とする排ガス中のクロロ
    フェノール類の測定方法。
  2. 【請求項2】 排ガス試料をガス捕集用の水に溶解さ
    せ、水に溶解したクロロフェノール類の蛍光強度を測定
    することにより、予め検量されたクロロフェノール類の
    濃度と蛍光強度との相関関係からクロロフェノール類の
    濃度を求める排ガス中のクロロフェノール類の測定方法
    において、水に溶解した硫黄酸化物(SOX )による蛍
    光強度を含むクロロフェノール類の見かけの蛍光強度測
    定値から、予め検量された硫酸イオン濃度と蛍光強度の
    相関関係に基づき、硫酸イオンによる蛍光強度分を差し
    引くことによって前記見かけの蛍光強度測定値を補正す
    ることにより、正味のクロロフェノール類の蛍光強度を
    求めることを特徴とする排ガス中のクロロフェノール類
    の測定方法。
  3. 【請求項3】 排ガス試料をガス捕集用の水に溶解さ
    せ、水に溶解したクロロフェノール類の蛍光強度を測定
    することにより、予め検量されたクロロフェノール類の
    濃度と蛍光強度との相関関係からクロロフェノール類の
    濃度を求める排ガス中のクロロフェノール類の測定方法
    において、水に溶解したフェノールの蛍光強度を含むク
    ロロフェノール類の,二つの異なる所定の測定波長にお
    けるフェノールおよびクロロフェノール類の両者を含む
    蛍光強度測定値から、予め検量されたクロロフェノール
    類およびフェノールの蛍光強度と前記測定波長との関係
    に基づいて求めた所定の演算式により、正味のクロロフ
    ェノール類の蛍光強度を求めることを特徴とする排ガス
    中のクロロフェノール類の測定方法。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の測定方法において、二つ
    の異なる所定の測定波長は、296nmおよび310nmで
    あり、所定の演算式は、当該各波長におけるフェノール
    およびクロロフェノール類の両者を含む蛍光強度測定値
    をそれぞれaおよびbとし、正味のクロロフェノール類
    の蛍光強度をx,正味のフェノールの蛍光強度をyとし
    たとき、正味のクロロフェノール類の蛍光強度xを演算
    するための所定の演算式は、下記の連立方程式 kx+hy=a (k,hは所定の定数) x+ y=b に基づいて得られる演算式、x=(a−hb)/(k−
    h)であることを特徴とする排ガス中のクロロフェノー
    ル類の測定方法。
  5. 【請求項5】 排ガス試料中の二酸化窒素(NO2)を
    一酸化窒素(NO)に変換するNOX変換器と、前記変
    換後の排ガス試料を水に溶解させるガス捕集器と、ガス
    を溶解した水をガス捕集器から導入する試料セルと、当
    該試料セル内の水に溶解したクロロフェノール類の蛍光
    強度を測定する蛍光強度測定器と、予め検量されたクロ
    ロフェノール類の濃度と蛍光強度との相関関係から前記
    測定器で測定された蛍光強度をクロロフェノール類の濃
    度に換算するデータ処理装置とからなることを特徴とす
    る排ガス中のクロロフェノール類の測定装置。
  6. 【請求項6】 排ガス試料を水に溶解させるガス捕集器
    と、ガスを溶解した水をガス捕集器から導入する試料セ
    ルと、当該試料セル内の水に溶解したクロロフェノール
    類の蛍光強度を測定する蛍光強度測定器と、予め検量さ
    れたクロロフェノール類の濃度と蛍光強度との相関関係
    から前記測定器で測定された蛍光強度をクロロフェノー
    ル類の濃度に換算するデータ処理装置とからなる排ガス
    中のクロロフェノール類の測定装置において、排ガス試
    料中の硫黄酸化物(SOX )の濃度を測定するSOX
    を設け、前記データ処理装置は、前記SOX計の濃度測
    定値から硫黄酸化物が水に溶解した際の硫酸イオン濃度
    を演算するとともに、水に溶解した硫黄酸化物(S
    X )による蛍光強度を含むクロロフェノール類の見か
    けの蛍光強度測定値から、予め検量された硫酸イオン濃
    度と蛍光強度の相関関係に基づき、硫酸イオンによる蛍
    光強度分を差し引くことによって前記見かけの蛍光強度
    測定値を補正することにより、正味のクロロフェノール
    類の蛍光強度を求める演算を行うようにしてなることを
    特徴とする排ガス中のクロロフェノール類の測定装置。
  7. 【請求項7】 排ガス試料を水に溶解させるガス捕集器
    と、ガスを溶解した水をガス捕集器から導入する試料セ
    ルと、当該試料セル内の水に溶解したクロロフェノール
    類の蛍光強度を測定する蛍光強度測定器と、予め検量さ
    れたクロロフェノール類の濃度と蛍光強度との相関関係
    から前記測定器で測定された蛍光強度をクロロフェノー
    ル類の濃度に換算するデータ処理装置とからなる排ガス
    中のクロロフェノール類の測定装置において、前記蛍光
    強度測定器は、水に溶解したフェノールの蛍光強度を含
    むクロロフェノール類の,二つの異なる所定の測定波長
    における見かけの蛍光強度を測定するものであり、前記
    データ処理装置は、予め検量されたクロロフェノール類
    およびフェノールの蛍光強度と前記測定波長との関係に
    基づいて求めた所定の演算式により、正味のクロロフェ
    ノール類の蛍光強度を求める演算手段を有するものであ
    ることを特徴とする排ガス中のクロロフェノール類の測
    定装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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