JP2000171170A - 還元鉄または鉄カーバイド製造用散気管式多室分割型流動層炉 - Google Patents
還元鉄または鉄カーバイド製造用散気管式多室分割型流動層炉Info
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Abstract
室分割型流動層炉を提供すること。 【解決手段】 第一流動層炉1と第二流動層炉2を縦方
向に配した仕切板5によって多室に分割する。反応ガス
を加熱する第一加熱炉3から第一流動層炉下方に至るガ
スパイプ11を設置し、このガスパイプ11から集合管
12を経て各分割室ごとにグリッド状にパイプを分岐さ
せ、このグリッド状パイプに多数のガス吹出しノズルを
設ける。同様に、反応ガスを加熱する第二加熱炉4から
第二流動層炉下方に至るガスパイプ11aを設置し、こ
のガスパイプ11aから集合管12aを経て各分割室ご
とにグリッド状にパイプを分岐させ、このグリッド状パ
イプに多数のガス吹出しノズルを設ける。そして、第一
流動層炉1または第二流動層炉2において、すべての分
割室の流動層高(H1)または(H2)がそれぞれほぼ同
一になるように、原料投入側の分割室から製品排出側の
分割室にかけて各分割室ごとのガス吹出しノズルの高さ
を各分割室間の原料移送力によって生じる層高差に応じ
て段階的に低くしている。
Description
粒体を処理する流動層炉に関し、特に、製鉄、製鋼用の
原料、例えば電気炉等に用いる製鋼原料として好適であ
る還元鉄または鉄カーバイドの製造に適した散気管式多
室分割型流動層炉に関する。
的に鋼の製造は、高炉により鉄鉱石を銑鉄に転化し、そ
の後、平炉または転炉などにより銑鉄を鋼に転化する工
程からなっているが、このような伝統的な製法は、必要
なエネルギー、設備規模、およびコスト等が大きなもの
になるため、小規模の製鋼には直接製鉄により鉄鉱石を
製鋼炉原料(固体)に転化し、この製鋼炉原料を電気炉
等により溶融鋼に転化する工程からなる方法が採用され
ている。かかる直接製鉄には、鉄鉱石を還元鉄に転化す
る直接還元法があるが、この方法で製造される還元鉄は
反応活性が強く、大気中の酸素と反応して発熱するた
め、輸送、貯蔵には不活性ガスによるシール等の手当が
必要になる。このため、反応活性が低く、容易に輸送、
貯蔵が可能で、比較的高パーセンテージの鉄を含有する
鉄カーバイドが電気炉等に用いる製鋼原料として使用さ
れつつある。
年、ペレットを造らず、粉鉱石(例えば、粒径0.1〜
1.0mmのもの)をそのまま流動層に投入し、還元お
よび炭化ガスと所定の温度と圧力の下で反応させて鉄カ
ーバイドを製造するプロセス(例えば、国際出願PCT
/US91/05198参照)が注目されている。
層は、直径が約40フィート(12.2m)、流動層高
が約12フィート(3.66m)で、以下の特徴を持っ
ていた。
上面に沿わせ板32を設け、沿わせ板32に沿った拡散
流動によって流動鉱石33の実質滞留時間を確保してい
る。
下部を多数の小孔35を有する分散板31により上下に
仕切って下方をガスの供給室(風箱)36とし、分散板
31の小孔35上にキャップ型のガス吹き出しノズル3
7を設け、炉内の全域にわたりガスの均等分配を可能と
している。
分散板31とは、U字形状の可撓性の薄鋼板からなるU
字リング38で接続して分散板31の熱膨脹を吸収し、
風箱36と流動層部39間のガスシールを可能としてい
る。
点がある。
実験によると非常にバラツキが多いため、沿わせ板32
によって鉱石滞留時間を制御すると製品品質にバラツキ
が多くなる。
あり、風箱36内のガスと流動層部39のガス温度に差
があり、沿わせ板32と分散板31の温度、すなわち熱
伸びが異なるため、沿わせ板32と分散板31との固定
接合が困難である。従って、沿わせ板32は分散板31
の強度向上には寄与できない。
盛んに起こり、出口に近づくほど反応は減ずるため、入
口と出口で流動層内の温度が違う。このため一体型の分
散板では、部分によって温度差が生じ、部分的な熱変形
によって、分散板31と炉本体34を接続するU字リン
グ38が破損し、ガス漏れによる流動化不良が起きる。
ないように、ガス吹き出し方向を下方に向けたキャップ
型ガス吹き出しノズル37を使用しているが、このノズ
ルは製造コストが高い。
もある分散板31の上で数百トンの鉱石が移動するの
で、下部にサポートを設けても分散板31は100mm
以上の厚みとなること及び分散板と炉本体とを接続する
U字リング38も大径の製品となるため、これらの部材
によっても設備コストが高くなる。
特開平9−48604号公報に、流動層内の鉱石移動速
度のバラツキが品質へ影響することが少ない多室分割型
流動層が提案されているが、b〜eの欠点は解消されて
いない。また、b〜eについては、従来から分散板に代
わるガス分散器として散気管が知られており、例えば、
米国特許第4443551には、図9に示すような散気
管を使用した流動層式接触分解装置が提案されている。
この装置は、重質油を蒸気で熱分解して軽質油等を分離
回収するに際して使用される触媒であるゼオライトを再
生するためのもので、再生器41内にリング42と43
を配し、各リング42、43の下部に、それぞれ多数の
ノズル44、45が取り付けられている。この流動層式
接触分解装置は、ダクト46、47からリング42、4
3を経てノズル44、45から噴射される常温の空気に
含まれる酸素により上記触媒の表面を覆うカーボンを燃
焼させるものである。
られた様々な欠点を解消したものであり、比較的低コス
トで軽量構造の流動化実現手段である。ところが、従来
知られている散気管は、上記米国特許では、燃焼器とし
ての用途であり、還元鉄または鉄カーバイド製造用の散
気管として提案されたものはない。
のバラツキの少ない製品を得ることは可能であるが、一
般的に流動層炉のガス吹き出しノズルの高さは入口側も
出口側も同じであり、入口側から出口側に粉粒体原料が
移動できるようにするために入口から出口にいくに従っ
て流動層高は次第に低くなっている。その結果、粉粒体
原料と反応ガスとの接触時間は出口に近づくほど短くな
るので、一様に反応は進行せず、高品位の製品が得られ
ないことがある。
質にバラツキの少ない多室分割型流動層炉の特徴を活か
して高品位の製品を得ることのできる新規な散気管式流
動層炉を提案するものである。
に本発明は、流動層を多室に分割し、反応ガスを供給す
る集合管を炉外に配し、この集合管より炉体底部または
側部を貫通して各分割室毎にガス導入管を分岐させ、炉
内下部において各ガス導入管を水平方向にグリッド状に
分岐させてグリッド状パイプを形成し、このグリッド状
パイプに多数のガス吹出しノズルを設け、すべての分割
室の流動層高がほぼ同一になるように、原料投入側の分
割室から製品排出側の分割室にかけて各分割室ごとのガ
ス吹出しノズルの高さを各分割室間の原料移送力によっ
て生じる層高差に応じて段階的に低くし、このガス吹出
しノズルに適当な圧力損失を持たせつつ適当な速度と温
度の反応ガスを吹き出すことにより、各分割室の流動層
高はほぼ同一となり、入口側分割室に供給された含鉄粉
粒体原料は、各分割室において、所定の温度下、所定の
組成の反応ガスと反応しつつ、所定純度の還元鉄または
鉄カーバイド製品となって出口側分割室から排出され
る。
された含鉄粉粒体原料を炉内下部に導入した反応ガスに
より流動させつつ反応を行って還元鉄または鉄カーバイ
ド製品を製造する流動層炉であって、流動層を複数の仕
切板によって多室に分割し、反応ガスを供給する集合管
を炉外に配し、この集合管より炉体底部または側部を貫
通して各分割室毎にガス導入管を分岐させ、炉内下部に
おいて各ガス導入管を水平方向にグリッド状に分岐させ
てグリッド状パイプを形成し、このグリッド状パイプに
多数のガス吹出しノズルを設けた還元鉄または鉄カーバ
イド製造用散気管式多室分割型流動層炉において、すべ
ての分割室の流動層高がほぼ同一になるように、原料投
入側の分割室から製品排出側の分割室にかけて各分割室
ごとのガス吹出しノズルの高さを各分割室間の原料移送
力によって生じる層高差に応じて段階的に低くしたこと
を特徴とする還元鉄または鉄カーバイド製造用散気管式
多室分割型流動層炉を第一の発明とし、上記第一の発明
において、集合管から供給される反応ガスとは異なる成
分または温度のガスを供給する補助管をガス導入管に接
続した還元鉄または鉄カーバイド製造用散気管式多室分
割型流動層炉を第二の発明とし、上記第一または第二の
発明において、ガス導入管に流量調整弁を設けた還元鉄
または鉄カーバイド製造用散気管式多室分割型流動層炉
を第三の発明とする。
以下に説明するように還元鉄または鉄カーバイドを製造
することができる。すなわち、炉内に投入された含鉄粉
粒体原料は、グリッド状パイプのガス吹出しノズルから
吹出される反応ガスと反応することにより、還元鉄また
は鉄カーバイドが製造される。例えば、鉄カーバイドを
製造する場合は、反応ガスとして、高温の還元ガス(水
素ガス)と炭化ガス(例えば、メタンガス)が使用され
る。本発明においては、すべての分割室の流動層高がほ
ぼ同一になるように(すべての分割室の流動抵抗がほぼ
等しくなるように)、原料投入側の分割室から製品排出
側の分割室にかけて各分割室ごとのガス吹出しノズルの
高さを各分割室間の原料移送力によって生じる層高差に
応じて段階的に低くしているので、各分割室における粉
粒体原料と反応ガスとの接触時間は互いに等しくなり、
各分割室ごとにほぼ等しい流量の反応ガス(還元ガスま
たは炭化ガス)が吹き出される。その結果、炉内に投入
された含鉄粉粒体原料は、入口側分割室から出口側分割
室に至る各分割室において、ガス吹出しノズルから吹き
出される適当な速度と温度の還元ガスおよび炭化ガスと
反応することにより、所定炭化率の鉄カーバイド製品を
安定して製造することができる。
給される反応ガスとは異なる成分または温度のガスを供
給する補助管をガス導入管に接続すれば、その分割室の
反応に最適になるように、反応ガス組成や反応温度など
をフレキシブルに設定することができる。
に流量調整弁を設けることにより、各分割室に導入され
る反応ガス量を調整することができるので、各分割室に
おける粉粒体原料と反応ガスとの接触時間を調節するこ
とが可能になり、反応率の調整が容易にできる。
発明の流動層炉の縦断面を含む鉄カーバイドの製造装置
の要部を示す側面図、図2は本発明の流動層炉の横断面
を含む鉄カーバイドの製造装置の要部を示す平面図であ
る。この装置は、第一反応操作を行う第一流動層炉1と
第二反応操作を行う第二流動層炉2を有している。第一
流動層炉1においては、第一反応操作として含鉄粉粒体
原料の還元反応の一部が行われ、第二流動層炉2におい
ては、第二反応操作として残りの還元反応と炭化反応が
行われる。このように、反応を2段階に分けることで、
各操作ごとの各種対応が取れ、プロセスとしてフレキシ
ブルになるので、反応時間の短縮を図るとともに還元お
よび炭化ガスの流量を大幅に低減しうる等の利点がある
(例えば、特開平9−48604号公報参照)。3は第
一加熱炉、4は第二加熱炉である。第一加熱炉3で加熱
された反応ガスは第一流動層炉1に供給され、第二加熱
炉4で加熱された反応ガスは第二流動層炉2に供給され
る。
は縦方向に配した仕切板5によって4つの部屋(6a、
6b、6c、6d)に分割されている。入口側分割室6
aには、投入シュート7が接続されており、上記投入シ
ュート7から炉内に投入された原料は入口側分割室6a
から、6b、6cを経て出口側分割室6dに達する。第
二流動層炉2の内部は、縦方向に配した仕切板5によっ
て、中央部の分割室8eとその分割室を囲むように外周
側は6つの部屋(8a、8b、8c、8d、8f、8
g)に分割されている。第二流動層炉2の入口側分割室
8aと第一流動層炉1の出口側分割室6dとは連絡管9
によって接続されている。連絡管9を経て第一流動層炉
1から第二流動層炉2に供給された原料は、入口側分割
室8aから、8b、8c、8d,8e、8fを順に経て
出口側分割室8gに達し、最終的に一定の炭化率の鉄カ
ーバイド製品となって第二流動層炉2から製品クーラー
10に送られる。
反応を促進するために所定組成の反応ガスを所定温度に
加熱するためのものである。図1において、第一加熱炉
3で所定温度に加熱された反応ガスは、ガスパイプ11
を経て第一流動層炉1の下方の集合管12に達する。ガ
スパイプ11には熱膨張による熱応力を抑制するための
伸縮継手13が介装されている。集合管12からは、4
個の分割室のそれぞれに対してガス導入管14が立設さ
れている。図3に示すように、ガス導入管14の頂部付
近を第一パイプ15が貫通し、さらに、第一パイプ15
を複数の第二パイプ16が貫通しており、第二パイプ1
6のそれぞれの下部には下方に向けてガスを吹き出す複
数組のガス吹出しノズル17が約90度の開き角度で取
り付けられている。このようにグリッド状に形成された
パイプが各分割室6a、6b、6c、6dに配置されて
いる。また、図1に示すように、集合管12の自重を支
えるハンガー部材18が第一流動層炉下部のスカート1
9の内壁面に設置されており、流動層炉底部の鏡板にか
かる応力が低減される。第二加熱炉4における反応ガス
の供給方法も第一加熱炉3における供給方法と同じであ
る。
と第一流動層炉との間で基本的に異なるところはなく、
図1に示すように、第二流動層炉下方の集合管12aは
リング状であり、第一流動層炉下方の集合管12は直管
状である点が異なっている。この場合も、集合管12a
の自重を支えるハンガー部材18aが第二流動層炉下部
のスカート19aの内壁面に設置されている。
または第二流動層炉2のすべての分割室の流動層高(H
1) または(H2) がそれぞれほぼ同一となるように、
各炉の原料投入側の分割室から製品排出側の分割室にか
けて各分割室ごとのガス吹出しノズルの高さを各分割室
間の原料移送力によって生じる層高差に応じて段階的に
低くするように、ガス吹出しノズルの取り付けられた第
二パイプ16の高さも段階的に低くしている。
造装置において、以下のようにして鉄カーバイドを製造
することができる。粉粒状の鉄鉱石は投入シュート7か
ら第一流動層炉1の入口側分割室6aに供給される。第
一流動層炉1における反応は還元反応のみを考慮すれば
よいから、第一加熱炉3に導入されるガスは水素を主体
とする還元ガスである。そして、この還元ガスは第一加
熱炉3において約600℃に加熱された後、ガスパイプ
11、集合管12およびガス導入管14を経て炉内に達
し、各分割室ごとにグリッド状のパイプのガス吹出しノ
ズル17から下方に向けて吹き出される。ノズル17か
ら吹き出されるガス流により粉粒状鉄鉱石は安定した流
動状態を呈する。かくして、入口側分割室6aにおいて
流動状態下において還元処理を施された粉粒状の鉄鉱石
は、所定時間後、分割室6aと6bの間の流動層高差に
より仕切板5の下部の連絡口を経て分割室6bに移動す
る。そして、分割室6b、6cおよび6dにおいて順次
還元処理を施されて、所定の還元率に達する。この場
合、すべての分割室(6a〜6d)の流動層高(H1)
がほぼ同一になるように(すべての分割室の流動抵抗が
ほぼ等しくなるように)、入口側の分割室6aから出口
側の分割室6dにかけて各分割室ごとのガス吹出しノズ
ル17の高さを各分割室間の原料移送力によって生じる
層高差に応じて段階的に低くしたので、各分割室におけ
る粉粒体原料と反応ガスとの接触時間は等しくなり、各
分割室ごとにほぼ等しい流量の還元ガスが吹き出され
る。その結果、分割室6dから排出される粉粒状鉄鉱石
の還元率は、ほぼ一定の値を安定して維持することがで
きる。
元率に達した粉粒状鉄鉱石は管路9を経由して第二流動
層炉2の入口側分割室8aに移送される。第二流動層炉
2では残りの還元反応と炭化反応が行われるので、第二
加熱炉4に導入されるガスは水素とメタンの混合ガスで
ある。そして、この混合ガスは第二加熱炉4において約
600℃に加熱された後、ガスパイプ11a、集合管1
2aおよびガス導入管14aを経て炉内に達し、グリッ
ド状のパイプのガス吹出ノズル17から下方に向けて吹
き出される。ノズル17から吹き出されるガス流により
粉粒状鉄鉱石は安定した流動状態を呈する。かくして、
入口側分割室8aにおいて、還元処理の進行と炭化が施
された粉粒状鉄鉱石は、所定時間後、分割室8aと8b
の間の流動層高差により仕切板5の下部の連絡口20を
経て分割室8bに移動する。そして、分割室8b、8
c、8d、8e、8fおよび8gを経るにつれて、逐次
炭化が進行し、最終的に所望の炭化率の鉄カーバイドと
なって第二流動層炉2から排出される。この場合も第一
流動層炉の場合と同じように、すべての分割室(8a〜
8g)の流動層高(H2) がほぼ同一になるように(す
べての分割室の流動抵抗がほぼ等しくなるように)、入
口側の分割室8aから出口側の分割室8gにかけて各分
割室ごとのガス吹出しノズル17の高さを各分割室間の
原料移送力によって生じる層高差に応じて段階的に低く
したので、各分割室における粉粒体原料と反応ガスとの
接触時間は等しくなり、各分割室ごとにほぼ等しい流量
の反応ガス(水素とメタンの混合ガス)が吹き出され
る。その結果、分割室8gから排出される鉄カーバイド
の純度(炭化率)は、ほぼ一定の値を安定して維持する
ことができる。この鉄カーバイド製品は高温(約600
℃)であるため、搬送中あるいは貯留中における再酸化
の発生を防止するため、製品クーラー10において、約
100℃以下に冷却される。その後、この鉄カーバイド
はコンベアあるいはトラック等の搬送手段により電気炉
等の設備へ搬送される。
る入口21から出口22にかけての流動層高(H)の変
化の一例を示す図であり、入口21から出口22に粉粒
体原料を移動させるために、入口から出口にいくに従っ
て流動層高(H)は次第に低くなっている。その結果、
流動層高が高い(抵抗の多い)入口21側は反応ガスの
流量は少なくなり、流動層高が低い(抵抗の少ない)出
口22側は反応ガスの流量が多くなるというアンバラン
スが生じる。例えば、100トン/hrの含鉄粉粒体原料
を、仕切板の下方に設けた適切な大きさと形状の連絡口
20aを通して下流側の分割室へ移送する場合、約10
0mmの流動層高差が必要であり、入口側分割室(第一
室)と出口側分割室(第七室)とでは約600mmの層高
差が生じる。この場合、入口側第一室から出口側第七室
に至る各分割室内を流通する反応ガスの流量をq1、
q2、q3、q4、q5、q6、q7 とし、中間の第4室の
流量q4 を1とすると、第一室から第七室に至る各室の
反応ガスの流量の比率は、0.85:0.91:0.9
5:1.00:1.04:1.09:1.13となる。
このように、入口側の分割室を流通する反応ガスの流量
が出口側に比して相対的に少なくなるというアンバラン
スが生じると、すべての分割室の流動層高をほぼ同一と
し、各分割室にほぼ均等な量の反応ガスが流れる場合に
比して鉄カーバイドへの転化率が悪くなる。例えば、図
4に示す流動層炉に投入される含鉄粉粒体原料をヘマタ
イトとし、反応ガス組成は、H2 :約40%、CH4 :
約60%とし、反応温度=600℃、反応圧力=4kgf
/cm2Gの条件下で各分割室出口における鉄カーバイド
化率を、すべての分割室の流動層高が等しい場合と異な
る場合について試算した結果を図5に示す。図5に示す
ように、すべての分割室の流動層高が等しい場合(記号
「○」)は、分割室の流動層高に差がある場合(記号
「●」)よりも鉄カーバイドへの転化率は少し向上す
る。
は異なる成分または温度のガスを供給する補助管23を
各ガス導入管14に接続した場合を示す。このようにす
ることで、それぞれの分割室に最適の反応ガス条件を選
択することができる。
の各々に流量調整弁24を設けた場合を示す。このよう
にすることで、各分割室に導入されるガス量を調整する
ことができ、粉粒体原料と反応ガスとの接触時間を調節
することが可能になる。
で、以下の効果を奏する。 (1)請求項1記載の発明によれば、従来技術の以下の
欠点を解消できる。すなわち、ガス吹出しノズルの高さ
が一定の場合、入口から出口にいくに従って流動層高を
段階的に低くしないと粉粒体原料の移送力は生じないの
で、粉粒体原料と反応ガスの接触時間は出口に近づくほ
ど短くなる。一方、粉粒体原料と反応ガスの接触時間に
は最低必要な時間があるため、出口側分割室での接触時
間を最低必要な時間とすると、入口側では反応面からは
必要以上の層高となり、余計な圧力損失が発生してプロ
セスの電気消費量の増加を来す。請求項1記載の発明に
よれば、このような電気消費量の増加という問題はな
い。
割室における粉粒体原料と反応ガスの接触時間が等しく
(流動層高が等しいので)、各分割室の反応ガスの流量
は均等に分配される。その結果、各分割室の流動層高が
異なる場合(各分割室の反応ガス流量に差がある場合)
に比して、鉄カーバイドへの転化率を向上することがで
きる。
割室毎に最適なガスの組成と温度を設定できる。還元鉄
または鉄カーバイドの生成反応は流動層の入口側で激し
く起こり、出口に近づくほど反応は穏やかとなる。従っ
て、入口付近では反応ガスの消費が多く、しかも吸熱反
応であるため、温度は低くなる。このことを考慮し、各
分割室毎に最適な組成と温度のガスを供給すれば、反応
の速度が上がり、生産性の高いプロセスになる。なお、
各分割室毎に全く独立のガスループを設けることは設備
が複雑になってコストアップになるので、請求項2記載
の発明のごとくガスループは1つとし、分割室の直前で
ガス組成および温度をコントロールする方法が望まし
い。
割室毎にガス流量の調整が可能となる。鉄カーバイド製
造プロセスでは、粉粒体原料は還元反応によって酸素が
除去され、炭化反応によって炭素が添加される。さら
に、流動層内部で粉化が起こる。従って、分割室毎に粉
粒体を流動させるための最小流動化速度および粉粒体の
飛散速度が異なるため、分割室毎にガス流量を設定でき
ることが好ましく、本発明によれば容易に実現可能とな
る。
型流動層炉の縦断面を含む鉄カーバイドの製造装置の要
部を示す側面図である。
型流動層炉の横断面を含む鉄カーバイドの製造装置の要
部を示す平面図である。
り、図3(a)はその平面図、図3(b)はそのAーA
断面図である。
口にかけての流動層高の変化の一例を示す図である。
の流動層高が等しい場合と異なる場合の各分割室出口で
の鉄カーバイド化率を比較して示す図である。
型流動層炉の別の実施例の縦断面図である。
型流動層炉のさらに別の実施例の縦断面図である。
炉の縦断面図、図8(b)は図8(a)のB−B断面
図、図8(c)はキャップ型ガス吹き出しノズルの拡大
断面図である。
る。
Claims (3)
- 【請求項1】 炉内に投入された含鉄粉粒体原料を炉内
下部に導入した反応ガスにより流動させつつ反応を行っ
て還元鉄または鉄カーバイド製品を製造する流動層炉で
あって、流動層を複数の仕切板によって多室に分割し、
反応ガスを供給する集合管を炉外に配し、この集合管よ
り炉体底部または側部を貫通して各分割室毎にガス導入
管を分岐させ、炉内下部において各ガス導入管を水平方
向にグリッド状に分岐させてグリッド状パイプを形成
し、このグリッド状パイプに多数のガス吹出しノズルを
設けた還元鉄または鉄カーバイド製造用散気管式多室分
割型流動層炉において、すべての分割室の流動層高がほ
ぼ同一になるように、原料投入側の分割室から製品排出
側の分割室にかけて各分割室ごとのガス吹出しノズルの
高さを各分割室間の原料移送力によって生じる層高差に
応じて段階的に低くしたことを特徴とする還元鉄または
鉄カーバイド製造用散気管式多室分割型流動層炉。 - 【請求項2】 集合管から供給される反応ガスとは異な
る成分または温度のガスを供給する補助管をガス導入管
に接続した請求項1記載の還元鉄または鉄カーバイド製
造用散気管式多室分割型流動層炉。 - 【請求項3】 ガス導入管に流量調整弁を設けた請求項
1または2記載の還元鉄または鉄カーバイド製造用散気
管式多室分割型流動層炉。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10347069A JP2997259B1 (ja) | 1998-12-07 | 1998-12-07 | 還元鉄または鉄カーバイド製造用散気管式多室分割型流動層炉 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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