JP3197527B2 - 還元鉄または鉄カーバイド製造用散気管式多室分割型流動層炉 - Google Patents

還元鉄または鉄カーバイド製造用散気管式多室分割型流動層炉

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、流動状態にある粉
粒体を処理する流動層炉に関し、特に、製鉄、製鋼用の
原料、例えば電気炉等に用いる製鋼原料として好適であ
る還元鉄または鉄カーバイドの製造に適した散気管式多
室分割型流動層炉に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】一般
的に鋼の製造は、高炉により鉄鉱石を銑鉄に転化し、そ
の後、平炉または転炉などにより銑鉄を鋼に転化する工
程からなっているが、このような伝統的な製法は、必要
なエネルギー、設備規模、およびコスト等が大きなもの
になるため、小規模の製鋼には直接製鉄により鉄鉱石を
製鋼炉原料(固体)に転化し、この製鋼炉原料を電気炉
等により溶融鋼に転化する工程からなる方法が採用され
ている。かかる直接製鉄には、鉄鉱石を還元鉄に転化す
る直接還元法があるが、この方法で製造される還元鉄は
反応活性が強く、大気中の酸素と反応して発熱するた
め、輸送、貯蔵には不活性ガスによるシール等の手当が
必要になる。このため、反応活性が低く、容易に輸送、
貯蔵が可能で、比較的高パーセンテージの鉄を含有する
鉄カーバイドが電気炉等に用いる製鋼原料として使用さ
れつつある。
【0003】かかる鉄カーバイドを製造するために、近
年、ペレットを造らず、粉鉱石(例えば、粒径0.1〜
1.0mmのもの)をそのまま流動層に投入し、還元お
よび炭化ガスと所定の温度と圧力の下で反応させて鉄カ
ーバイドを製造するプロセス(例えば、国際出願PCT
/US91/05198参照)が注目されている。
【0004】従来の鉄カーバイドの製造プロセスの流動
層は、直径が約40フィート(12.2m)、流動層高
が約12フィート(3.66m)で、以下の特徴を持っ
ていた。
【0005】図11(a)に示すように、分散板31
の上面に沿わせ板32を設け、沿わせ板32に沿った拡
散移動によって流動鉱石33の実質滞留時間を確保して
いる。 図11(a)に示すように、炉本体34の下部を多数
の小孔35を有する分散板31により上下に仕切って下
方をガスの供給室(風箱)36とし、分散板31の小孔
35上にキャップ型のガス吹き出しノズル37を設け、
炉内の全域にわたりガスの均等分配を可能としている。
【0006】図11(a)に示すように、炉本体34
と分散板31とは、U字形状の可撓性の薄鋼板からなる
U字リング38で接続して分散板31の熱膨脹を吸収
し、風箱36と流動層部39間のガスシールを可能とし
ている。
【0007】しかしながら、従来の流動層には以下の欠
点がある。 a.流動層内での鉱石移動速度は発明者の実験によると
非常にバラツキが多いため、沿わせ板32によって鉱石
滞留時間を制御すると製品品質にバラツキが多くなる。 b.鉄カーバイドの生成反応は吸熱反応であり、風箱3
6内のガスと流動層部39のガス温度に差があり、沿わ
せ板32と分散板31の温度、すなわち熱伸びが異なる
ため、沿わせ板32と分散板31との固定接合が困難で
ある。従って、沿わせ板32は分散板31の強度向上に
は寄与できない。 c.鉄カーバイドの生成反応は入口付近で盛んに起こ
り、出口に近づくほど反応は減ずるため、入口と出口で
流動層内の温度が違う。このため一体型の分散板では、
部分によって温度差が生じ、部分的な熱変形によって、
分散板31と炉本体34を接続するU字リング38が破
損し、ガス漏れによる流動化不良が起きる。
【0008】d.運転停止時には粉鉱石が風箱に落下し
ないように、ガス吹き出し方向を下方に向けたキャップ
型ガス吹き出しノズル37を使用しているが、このノズ
ルは製造コストが高い。
【0009】e.直径が約40フィート(12.2m)
もある分散板31の上で数百トンの鉱石が移動するの
で、下部にサポートを設けても分散板31は100mm
以上の厚みとなること及び分散板と炉本体とを接続する
U字リング38も大径の製品となるため、これらの部材
によっても設備コストが高くなる。
【0010】以上の各欠点の中で、aについては、既に
特開平9−48604号公報に、流動層内の鉱石移動速
度のバラツキが品質へ影響することが少ない多室分割型
流動層が提案されているが、b〜eの欠点は解消されて
いない。また、b〜eについては、従来から分散板に代
わるガス分散器として散気管が知られており、例えば、
米国特許第4443551には、図12に示すような散
気管を使用した流動層式接触分解装置が提案されてい
る。この装置は、重質油を蒸気で熱分解して軽質油等を
分離回収するに際して使用される触媒であるゼオライト
を再生するためのもので、再生器41内にリング42と
43を配し、各リング42、43の下部に、それぞれ多
数のノズル44、45が取り付けられている。この流動
層式接触分解装置は、ダクト46、47からリング4
2、43を経てノズル44、45から噴射される常温の
空気に含まれる酸素により上記触媒の表面を覆うカーボ
ンを燃焼させるものである。
【0011】散気管方式のガス分散器は分散板方式に見
られた様々な欠点を解消したものであり、比較的低コス
トで軽量構造の流動化実現手段である。ところが、従来
知られている散気管は、上記米国特許では燃焼器として
の用途であり、還元鉄または鉄カーバイド製造用の散気
管として提案されたものはない。
【0012】本発明はこのような現状に鑑みて、製品品
質にバラツキの少ない多室分割型流動層炉の特徴を活か
した新規な散気管式流動層炉を提案するものであって、
その目的は、炉直径が12mにも達し、500℃以上の
高温ガスの供給される還元鉄または鉄カーバイド製造用
流動層炉として好適である散気管方式の多室分割型流動
層炉を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、流動層を多室に分割し、反応ガスを供給す
る集合管を炉外に配し、この集合管より炉体底部または
側部を貫通して各分割室毎にガス導入管を分岐させ、炉
内下部において各ガス導入管を水平方向にグリッド状に
分岐させてグリッド状パイプを形成し、このグリッド状
パイプに多数のガス吹出しノズルを設け、このガス吹出
しノズルに適当な圧力損失を持たせつつ適当な速度と温
度の反応ガスを吹き出すことにより、各分割室ごとに適
度の高さの流動層が形成され、入口側分割室に供給され
た含鉄粉粒体原料は、各分割室において、所定の温度
下、所定の組成の反応ガスと反応しつつ、所定純度の還
元鉄または鉄カーバイド製品となって出口側分割室から
排出される。
【0014】すなわち、本発明は、炉内に投入された含
鉄粉粒体原料を炉内下部に導入した反応ガスにより流動
させつつ反応を行って還元鉄または鉄カーバイド製品を
製造する流動層炉であって、流動層を複数の仕切板によ
って多室に分割し、反応ガスを供給する集合管を炉外に
配し、この集合管より炉体底部または側部を貫通して各
分割室毎にガス導入管を分岐させ、炉内下部において各
ガス導入管を水平方向にグリッド状に分岐させてグリッ
ド状パイプを形成し、このグリッド状パイプに多数のガ
ス吹出しノズルを設けた還元鉄または鉄カーバイド製造
用散気管式多室分割型流動層炉において、操業停止時に
ガス導入管および炉体底部に過大な応力が発生するのを
防止するために、ガス吹き出しノズルより下部にある不
動部粉粒体を抜き出すための不動部粉粒体抜出孔を炉体
底部に設けたことを特徴とする還元鉄または鉄カーバイ
ド製造用散気管式多室分割型流動層炉を第一の発明と
し、上記第一の発明において、不動部粉粒体抜出孔に代
えて、不動部粉粒体を流動化させるためのガスを吹き出
すガス吹出しノズルを炉体底部に設けた還元鉄または鉄
カーバイド製造用散気管式多室分割型流動層炉を第二の
発明とし、炉内に投入された含鉄粉粒体原料を炉内下部
に導入した反応ガスにより流動させつつ反応を行って還
元鉄または鉄カーバイド製品を製造する流動層炉であっ
て、流動層を複数の仕切板によって多室に分割し、反応
ガスを供給する集合管を炉外側方に配し、操業停止時に
ガス導入管および炉体底部に過大な応力が発生するのを
防止するために上記集合管より上記仕切板の直下の位置
になるように炉体側面から炉内に水平にガス導入管を導
入し、このガス導入管を水平方向にグリッド状に分岐さ
せてグリッド状パイプを形成し、このグリッド状パイプ
に多数のガス吹出しノズルを設けたことを特徴とする還
元鉄または鉄カーバイド製造用散気管式多室分割型流動
層炉を第三の発明とする。
【0015】上記のように構成される本発明によれば、
以下に説明するように還元鉄または鉄カーバイドを製造
することができる。すなわち、炉内に投入された含鉄粉
粒体原料は、グリッド状パイプのガス吹出しノズルから
吹出される反応ガスと反応することにより、還元鉄また
は鉄カーバイドが製造される。例えば、鉄カーバイドを
製造する場合には、反応ガスとして、高温の還元ガス
(水素ガス)と炭化ガス(例えば、メタンガス)が使用
され、入口側分割室に供給された含鉄粉粒体原料はガス
吹出しノズルから吹き出される適当な速度と温度の還元
ガスおよび炭化ガスと反応することにより、所定炭化率
の鉄カーバイド製品となって出口側分割室から排出され
る。ところで、ガス吹出しノズルより下部にある粉粒体
は炉の操業中も殆ど流動せず、静止に近い状態にあり、
その温度も上部の流動状態にある粉粒体に比してかなり
低い(この部分を本明細書では「不動部」という)。通
常、還元鉄または鉄カーバイド生産用流動層炉は約55
0〜700℃の高温で操業されるため、操業中は炉内に
あるガス導入管は20〜30mm伸張し、操業停止時には
温度降下に伴って上記伸張分だけ逆に収縮しようとす
る。ところが、ガス導入管が収縮しようとしても、ガス
導入管から分岐したグリッド状パイプの下部には上記不
動部が存在しているので、下向きのガス吹出しノズルを
持たないグリッド状パイプは不動部粉粒体に阻止されて
下降しきれず、グリッド状パイプと一体となったガス導
入管は充分に収縮できなくなってしまう。その結果、ガ
ス導入管および炉体底部には過大な応力が発生する。そ
こで、不動部粉粒体抜出孔を炉体底部に設ければ、操業
停止時には抜出孔より適量の不動部粉粒体を抜き出すこ
とにより、ガス導入管や炉体底部に対して過大な応力が
発生することはない。
【0016】ガス導入管を複数の分割室に共用するよう
にすれば、ガス導入管を炉内に導入するための炉体底部
のガスシールを含めた支持構造がやや簡略化されてコス
トダウンが図れ、小生産量の還元鉄または鉄カーバイド
生産設備に好適の設備となる。
【0017】
【0018】第二の発明のように、炉底にガス吹出しノ
ズルを設け、操業停止時もしくは炉体冷却時にはそのノ
ズルから上方に向けてガスを吹き出して一定量の不動部
粉粒体を舞い上げることにより、ガス導入管および炉体
底部への過大な応力の発生を防止することが可能にな
る。
【0019】第一の発明の如く炉体底部または側部を貫
通してガス導入管を炉内に配し、ガス導入管の上端付近
に水平方向にグリッド状パイプを形成する場合、配置の
関係からガス吹出しノズルを持たない第一パイプと、そ
の第一パイプから分岐してガス吹出しノズルを有する第
二パイプから構成されることが多い。この配置のグリッ
ド状パイプを使用した場合、前述したように、(1)操
業停止時の過大応力の発生および(2)ガス吹出しノズ
ルを持たない第一パイプの上の不動部の存在が問題とな
る。そこで、第三の発明のように、ガス導入管を炉体側
部を貫通して炉内に水平に導入し、水平なガス導入管を
流動層を多室に分割する仕切板の直下に配置すると、上
記(1)および(2)の問題は共に解消される。
【0020】一方、第三の発明のように、ガス導入管を
炉体側部を貫通して水平に配置すると、直径が12mに
も達する還元鉄または鉄カーバイド製造用流動層炉にお
いては、ガス導入管の支持点(炉体貫通部)が離れすぎ
て強度上不都合が生じることがある。この場合、水平円
筒型の炉を採用することにより、強度面の問題は解決さ
れる。
【0021】
【実施例】以下に本発明の実施例を説明する。図1は本
発明の流動層炉の縦断面を含む鉄カーバイドの製造装置
の要部を示す側面図、図2は本発明の流動層炉の横断面
を含む鉄カーバイドの製造装置の要部を示す平面図であ
る。この装置は、第一反応操作を行う第一流動層炉1と
第二反応操作を行う第二流動層炉2を有している。第一
流動層炉1においては、第一反応操作として含鉄粉粒体
原料の還元反応の一部が行われ、第二流動層炉2におい
ては、第二反応操作として残りの還元反応と炭化反応が
行われる。このように、反応を2段階に分けることで、
各操作ごとの各種対応が取れ、プロセスとしてフレキシ
ブルになるので、反応時間の短縮を図るとともに還元お
よび炭化ガスの流量を大幅に低減しうる等の利点がある
(例えば、特開平9−48604号公報参照)。3は第
一加熱炉、4は第二加熱炉である。第一加熱炉3で加熱
された反応ガスは第一流動層炉1に供給され、第二加熱
炉4で加熱された反応ガスは第二流動層炉2に供給され
る。
【0022】図2に示すように、第一流動層炉1の内部
は縦方向に配した仕切板5によって4つの部屋(6a、
6b、6c、6d)に分割されている。入口側分割室6
aには、投入シュート7が接続されており、上記投入シ
ュート7から炉内に投入された原料は入口側分割室6a
から、6b、6cを経て出口側分割室6dに達する。第
二流動層炉2の内部は、縦方向に配した仕切板5によっ
て、中央部の分割室8eとその分割室を囲むように外周
側は6つの部屋(8a、8b、8c、8d、8f、8
g)に分割されている。第二流動層炉2の入口側分割室
8aと第一流動層炉1の出口側分割室6dとは連絡管9
によって接続されている。連絡管9を経て第一流動層炉
1から第二流動層炉2に供給された原料は、入口側分割
室8aから、8b、8c、8d,8e、8fを順に経て
出口側分割室8gに達し、最終的に一定の炭化率の鉄カ
ーバイド製品となって第二流動層炉2から製品クーラー
10に送られる。
【0023】第一加熱炉3および第二加熱炉4は上記の
反応を促進するために所定組成の反応ガスを所定温度に
加熱するためのものである。図1において、第一加熱炉
3で所定温度に加熱された反応ガスは、ガスパイプ11
を経て第一流動層炉1の下方の集合管12に達する。ガ
スパイプ11には熱膨張による熱応力を抑制するための
伸縮継手13が介装されている。集合管12からは、4
個の分割室のそれぞれに対してガス導入管14が立設さ
れている。図3に示すように、ガス導入管14の頂部付
近を第一パイプ15が貫通し、さらに、第一パイプ15
を複数の第二パイプ16が貫通しており、第二パイプ1
6のそれぞれの下部には下方に向けてガスを吹き出す複
数組のガス吹出しノズル17が約90度の開き角度で取
り付けられている。このようにグリッド状に形成された
パイプが各分割室6a、6b、6c、6dに配置されて
いる。また、図1に示すように、集合管12の自重を支
えるハンガー部材18が第一流動層炉下部のスカート1
9の内壁面に設置されており、流動層炉底部の鏡板にか
かる応力が低減される。第二加熱炉4における反応ガス
の供給方法も第一加熱炉3における供給方法と同じであ
る。
【0024】図4は、第二流動層炉2の中央にある分割
室8eに配置されるガス導入管、第一パイプおよび第二
パイプからなるグリッド状のパイプの構成を示し、図5
は周囲にある6個の分割室のそれぞれに配置されるグリ
ッド状のパイプの構成を示す。グリッド状のパイプの構
成も第二流動層炉と第一流動層炉との間で基本的に異な
るところはなく、図1に示すように、第二流動層炉下方
の集合管12aはリング状であり、第一流動層炉下方の
集合管12は直管状である点が異なっている。この場合
も、集合管12aの自重を支えるハンガー部材18aが
第二流動層炉下部のスカート19aの内壁面に設置され
ている。
【0025】以上のように構成される鉄カーバイドの製
造装置において、以下のようにして鉄カーバイドを製造
することができる。粉粒状の鉄鉱石は投入シュート7か
ら第一流動層炉1の入口側分割室6aに供給される。第
一流動層炉1における反応は還元反応のみを考慮すれば
よいから、第一加熱炉3に導入されるガスは水素を主体
とする還元ガスである。そして、この還元ガスは第一加
熱炉3において約600℃に加熱された後、ガスパイプ
11、集合管12およびガス導入管14を経て炉内に達
し、各分割室ごとにグリッド状のパイプのガス吹出しノ
ズル17から下方に向けて吹き出される。ノズル17か
ら吹き出されるガス流により粉粒状鉄鉱石は安定した流
動状態を呈する。かくして、入口側分割室6aにおいて
流動状態下において還元処理を施された粉粒状の鉄鉱石
は、所定時間後、分割室6aと6bの間の流動層高差に
より仕切板5の下部の連絡口を経て分割室6bに移動す
る。そして、分割室6b、6cおよび6dにおいて順次
還元処理を施されて、所定の還元率に達した粉粒状鉄鉱
石は管路9を経由して第二流動層炉2の入口側分割室8
aに移送される。
【0026】第二流動層炉2では残りの還元反応と炭化
反応が行われるので、第二加熱炉4に導入されるガスは
水素とメタンの混合ガスである。そして、この混合ガス
は第二加熱炉4において約600℃に加熱された後、ガ
スパイプ11a、集合管12aおよびガス導入管14a
を経て炉内に達し、グリッド状のパイプのガス吹出ノズ
ル17から下方に向けて吹き出される。ノズル17から
吹き出されるガス流により粉粒状鉄鉱石は安定した流動
状態を呈する。かくして、入口側分割室8aにおいて、
還元処理の進行と炭化が施された粉粒状鉄鉱石は、所定
時間後、分割室8aと8bの間の流動層高差により仕切
板5の下部の連絡口20を経て分割室8bに移動する。
そして、分割室8b、8c、8d、8e、8fおよび8
gを経るにつれて、逐次炭化が進行し、最終的に所望の
炭化率の鉄カーバイドとなって第二流動層炉2から排出
される。この鉄カーバイド製品は高温(約600℃)で
あるため、搬送中あるいは貯留中における再酸化の発生
を防止するため、製品クーラー10において、約100
℃以下に冷却される。その後、この鉄カーバイドはコン
ベアあるいはトラック等の搬送手段により電気炉等の設
備へ搬送される。
【0027】図6は、ガス導入管14を複数の分割室に
共用するようにした場合を示す。このようにすること
で、ガス導入管を導入するための炉体底部のガスシール
を含めた支持構造がやや簡略化される。
【0028】図7は、炉体底部に抜出孔21を設けた場
合を示す。このようにすることで、ガス吹出しノズル下
部の不動部粉粒体を抜出孔21から必要に応じて適正量
抜き出すことができる。
【0029】図8は、炉底にガス吹出しノズル22を設
けた場合を示す。このようにすることで、炉体冷却時に
ノズル22から上方に向けてガスを吹き出して一定量の
不動部粉粒体を流動化させることで、ガス導入管に過大
応力が発生するのを防止することができる。
【0030】図9は、炉外側方に配した集合管12bよ
り仕切板23直下の位置になるようにガス導入管24を
炉体側面から炉内に水平に導入し、ガス導入管24から
水平方向にグリッド状にパイプ25を分岐させた場合を
示す。このようにガス導入管を仕切板の直下の位置に設
けることで、他の位置にガス導入管を設ける場合に比し
てガス導入管直上部に生じる粉粒体不動部の削減を図る
ことができる。しかも、ガス導入管は水平方向に導入さ
れているので、炉体冷却時に不動部粉粒体の存在に影響
されず、ガス導入管は所定量収縮することが可能であ
る。その結果、ガス導入管および炉体底部に過大な応力
が発生するということはない。図9(b)において、2
3aは不動部粉粒体である。図9(b)に示すように、
ガス導入管24上には極く僅かの不動部粉粒体が存在す
るだけであり、この不動部粉粒体により、何らの問題も
生じることはない。
【0031】図10は、円筒型流動層炉26を円形断面
方向に配した仕切板27によって多室に分割し、円筒長
手方向に沿うように配置したガス導入管28から炉内に
水平に多数のパイプ29を分岐した場合を示す。このよ
うにすることで、炉体冷却時にパイプ29は不動部粉粒
体の存在に影響されず所定量収縮することが可能であ
る。その結果、ガス導入管および炉体底部に過大な応力
が発生するということはない。さらに、ガス導入管の支
持点(炉体貫通部)が近くなり、強度上有利となる。
【0032】
【発明の効果】本発明は上記のとおり構成されているの
で、以下の効果を奏する。 (1)請求項1記載の発明によれば、直径12mに達す
る大径の円周上の分散板と炉体のガスシールおよび粉粒
体原料の滞留時間を制御する仕切板や沿わせ板と分散板
のガスシールが不要となり、保守・点検が不要となる。
また、100mm以上の厚みを持つ耐熱鋼製の分散板お
よびキャップ式ノズルに比較して格段に安価なパイプで
製作可能であるから、競争力の有る還元鉄または鉄カー
バイド製造設備を提供できる。特に、炉体底部を貫通し
たガス導入管が操業停止後に縮む際に、適量の不動部粉
粒体を抜出孔より抜き出すことにより、ガス吹出しノズ
ルを持たない水平パイプがノズルより下部にある不動部
粉粒体に邪魔されてガス導入管および炉体底部に過大な
応力が発生するということは無い。
【0033】
【0034】
【0035】(2)請求項2記載の発明によれば、炉体
底部を貫通したガス導入管が操業停止後に縮む際に、炉
底のノズルからガスを吹き出すことにより不動部粉粒体
を流動させ、ガス導入管および炉体底部に過大な応力が
発生することを防止できる。 (3)請求項3記載の発明によれば、ガス導入管が水平
に配置されているため、操業停止後に縮む際に、ガス吹
出しノズルより下部にある不動部粉粒体に邪魔されてガ
ス導入管および炉体底部に過大な応力が発生するという
ことがない。また、ガス吹出しノズルを持たないガス導
入管を分散室の仕切板の下に配置したことにより、流動
層の不動部を最小にでき、流動層の有効体積を最大にで
きる。
【0036】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の鉄カーバイド製造用散気管式多室分割
型流動層炉の縦断面を含む鉄カーバイドの製造装置の要
部を示す側面図である。
【図2】本発明の鉄カーバイド製造用散気管式多室分割
型流動層炉の横断面を含む鉄カーバイドの製造装置の要
部を示す平面図である。
【図3】第一流動層炉内の散気管の構成を示す図であ
り、図3(a)はその平面図、図3(b)はそのA−A
断面図である。
【図4】第二流動層炉内の中央の分割室に配置する散気
管の構成を示す図であり、図4(a)はその平面図、図
4(b)はそのB−B断面図である。
【図5】第二流動層炉内の外周側の分割室に配置する散
気管の構成を示す図であり、図5(a)はその平面図、
図5(b)はそのC−C断面図である。
【図6】図6(a)は本発明の鉄カーバイド製造用散気
管式多室分割型流動層炉の別の実施例の縦断面図、図6
(b)は図6(a)のD−D断面図である。
【図7】本発明の鉄カーバイド製造用散気管式多室分割
型流動層炉のさらに別の実施例の縦断面図である。
【図8】第二流動層炉の底部断面を含むガス導入管およ
びグリッド状パイプの側面図である。
【図9】図9(a)は本発明の鉄カーバイド製造用散気
管式多室分割型流動層炉のさらに別の実施例の横断面
図、図9(b)は図9(a)における仕切板およびガス
導入管の断面を含むパイプの拡大側面図である。
【図10】図10(a)は円筒型流動層炉の長手方向に
沿った平面断面図、図10(b)は図10(a)のE−
E断面図である。
【図11】図11(a)は沿わせ板を有する分散板式流
動層炉の縦断面図、図11(b)は図11(a)のF−
F断面図、図11(c)はキャップ型ガス吹き出しノズ
ルの拡大断面図である。
【図12】従来の流動層炉の散気管の構成を示す図であ
る。
【符号の説明】
1…第一流動層炉 2…第二流動層炉 3…第一加熱炉 4…第二加熱炉 5、23、27…仕切板 6a、6b、6c、6d…分割室 8a、8b、8c、8d、8e、8f、8g…分割室 12、12a、12b…集合管 14、24、28…ガス導入管 15…第一パイプ 16…第二パイプ 17、22…ガス吹出しノズル 20…連絡口 21…抜出孔 23a…不動部粉粒体 25、29…パイプ 26…円筒型流動層炉
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ゴードン エイチ. ゲイガー アメリカ合衆国 78409 テキサス コ ーパス クリスティ マービン エル. ベリー ロード 7102 (72)発明者 スティーブン ディ. エマーソン アメリカ合衆国 78409 テキサス コ ーパス クリスティ マービン エル. ベリー ロード 7102 (72)発明者 トム マクカウレイ アメリカ合衆国 78409 テキサス コ ーパス クリスティ マービン エル. ベリー ロード 7102 (72)発明者 ランディ キャロウェイ アメリカ合衆国 78409 テキサス コ ーパス クリスティ マービン エル. ベリー ロード 7102 (72)発明者 宮下 虎勝 兵庫県神戸市中央区東川崎町3丁目1番 1号 川崎重工業株式会社 神戸工場内 (72)発明者 堤 香津雄 兵庫県明石市川崎町1番1号 川崎重工 業株式会社 明石工場内 (72)発明者 餝 雅英 兵庫県明石市川崎町1番1号 川崎重工 業株式会社 明石工場内 (56)参考文献 特開 平10−332273(JP,A) 特開 平10−325684(JP,A) 特開 平4−116378(JP,A) 実開 平1−119043(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F27B 15/10 C21B 13/00 101

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炉内に投入された含鉄粉粒体原料を炉内
    下部に導入した反応ガスにより流動させつつ反応を行っ
    て還元鉄または鉄カーバイド製品を製造する流動層炉で
    あって、流動層を複数の仕切板によって多室に分割し、
    反応ガスを供給する集合管を炉外に配し、この集合管よ
    り炉体底部または側部を貫通して各分割室毎にガス導入
    管を分岐させ、炉内下部において各ガス導入管を水平方
    向にグリッド状に分岐させてグリッド状パイプを形成
    し、このグリッド状パイプに多数のガス吹出しノズルを
    設けた還元鉄または鉄カーバイド製造用散気管式多室分
    割型流動層炉において、操業停止時にガス導入管および
    炉体底部に過大な応力が発生するのを防止するために、
    ガス吹き出しノズルより下部にある不動部粉粒体を抜き
    出すための不動部粉粒体抜出孔を炉体底部に設けたこと
    を特徴とする還元鉄または鉄カーバイド製造用散気管式
    多室分割型流動層炉。
  2. 【請求項2】 不動部粉粒体抜出孔に代えて、不動部粉
    粒体を流動化させるためのガスを吹き出すガス吹出しノ
    ズルを炉体底部に設けた請求項1記載の還元鉄または鉄
    カーバイド製造用散気管式多室分割型流動層炉。
  3. 【請求項3】 炉内に投入された含鉄粉粒体原料を炉内
    下部に導入した反応ガスにより流動させつつ反応を行っ
    て還元鉄または鉄カーバイド製品を製造する流動層炉で
    あって、流動層を複数の仕切板によって多室に分割し、
    反応ガスを供給する集合管を炉外側方に配し、操業停止
    時にガス導入管および炉体底部に過大な応力が発生する
    のを防止するために上記集合管より上記仕切板の直下の
    位置になるように炉体側面から炉内に水平にガス導入管
    を導入し、このガス導入管を水平方向にグリッド状に分
    岐させてグリッド状パイプを形成し、このグリッド状パ
    イプに多数のガス吹出しノズルを設けたことを特徴とす
    る還元鉄または鉄カーバイド製造用散気管式多室分割型
    流動層炉。
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