JP2000170000A - 不溶性陽極と隔膜とを用いた電着塗装方法 - Google Patents

不溶性陽極と隔膜とを用いた電着塗装方法

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JP2000170000A
JP2000170000A JP10345755A JP34575598A JP2000170000A JP 2000170000 A JP2000170000 A JP 2000170000A JP 10345755 A JP10345755 A JP 10345755A JP 34575598 A JP34575598 A JP 34575598A JP 2000170000 A JP2000170000 A JP 2000170000A
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electrodeposition
diaphragm
anode
electrodeposition coating
coating method
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Takashi Ichimura
敬司 市村
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AITEKKU KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 被塗装物を陰極とする電着塗装において、塗
料に存在する鉛の酸化を抑えると共に、陽極液の汚れを
も防ぎながら電着液のイオンバランスを維持する電着塗
装法の開発。 【解決手段】 鉛イオンの酸化を防ぐため鉛が陽極に直
接接することのないように、陽極を隔膜で隔離こと、ま
た隔膜内の陽極液が汚れないように不溶性材料からなる
陽極を用いること、更に隔膜内で捕捉されたアニオンの
一部を戻すため電着液を循環させることからなる電着塗
装方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電着塗装技術に関す
る。更に、詳しくは、イオン交換膜からなる隔膜を使用
した電着塗装技術に関する。
【0002】
【従来の技術】電着塗装技術として、カチオン塗装方法
とアニオン塗装方法とがある。何れの塗装方法も直流電
流により塗料を電着させるが、カチオン塗装方法はカチ
オン性の塗料を陰極の被塗装物に電着させ、またアニオ
ン塗装方法はアニオン性の塗料を陽極である被塗装物に
電着させる。一般にはカチオン塗装方法が普及してい
る。
【0003】本発明ではカチオン塗装方法に関する新技
術を提供するものである。すなわち、カチオン性の塗装
材料を電着液とし、被塗装物となる陰極に、電気化学的
に塗装材料を電着させるものである。電着液中では、カ
チオン塗料成分は、対応するアニオンと対になってお
り、電着により消費されるカチオンに等しい量のアニオ
ンを電着液より除去し、イオンのバランスを取る必要が
ある。イオンバランスを維持するためには、アニオン交
換膜が使用される。また、一般に、カチオン性の塗料が
陰極に電着される電流効率は、隔膜を通じて陽極室に捕
捉されるアニオンの電流効率よりも低い。そこで、従来
技術では、複数の陽極の一部を隔膜で覆わずに使用し
て、イオンバランスを維持している。更に、他の方法と
して、陽極液の循環系統を2系統とし、1系統はアニオ
ン交換膜を使用して電着に伴って発生するフリーなアニ
オンを捕捉し、他の系統は中性膜を使用してアニオンを
捕捉しないようにしてイオンバランスを取ることを試み
ている。もっとも、この方法では中性膜の内部に水酸化
物が発生して安定的な電着が困難となる。
【0004】従来の電着塗装システムの概略を図2に示
す。図面から明らかなように、陽極電極はステンレス鋼
であって、電極の一部は隔膜で隔離されているものの、
その残部の陽極は裸(隔膜隔離しない)である。また、
被塗装物を陰極とし、陽極液を循環させる要領である。
従って、裸電極と電着液中の鉛イオンとが接触すると、
鉛イオンは酸化されて酸化鉛を生じる。これが電着液に
浮遊し塗装の仕上がりに重大な欠陥を及ぼす。
【0005】また、一般に、従来から陽極としてステン
レス鋼を使用しているので、陽極液や電着液に、陽極の
鉄やニッケルが溶出する。これらの溶出成分が被塗装物
に好ましくない影響を及ぼすことも知られている。そこ
で、従来技術に不溶性材料からなる電極を使用するアイ
デァ(国際公開第WO87/05340番)が開示され
ているものの、鉛イオンの酸化の問題やイオンバランス
を取る手段に関しては配慮がない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】以上に述べたように、従来技術では、陽極
にステンレス鋼を使用しているため、電極から鉄やニッ
ケルが溶出して、陽極液を汚す問題がある。
【0008】また、電着液(塗装材料)に微量又は相当
量含まれる鉛が陽極と接触すると酸化され、電着液中で
酸化鉛として陰極の被塗装物に付着する現象、陽極液や
電着液に浮遊する現象がしばしば見られる。しかしなが
ら、電着液のイオンバランスを取るためには、一部に裸
電極を使わなくてはならず、十分な技術蓄積があるとま
では言えない状況にある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上述の問題点は次の手段
によって解消できる。
【0010】請求項1の発明は、隔膜により陽極を隔離
すると共に該陽極として不溶性材質のものを用い、この
改良によって、隔膜内の該陽極液の汚れ防ぐと共に該電
着液に含まれる鉛イオンが該陽極に直接接触して酸化さ
れないように、該隔膜により遮蔽することからなる。こ
のように請求項1の発明は、不溶性陽極と隔膜とを併用
した点に特徴を持つ電着塗装方法である。
【0011】また、不溶性陽極を特定したものであっ
て、不溶性陽極として、フェライト、或いはチタン基材
にイリジウム、タンタル、ルテニウム及び白金等の貴金
属を被覆したものであるか、更にはイリジウム、タンタ
ル、ルテニウム及び白金等の金属酸化物を被覆したもの
からなる。
【0012】更に、電着塗装の進行に伴って、陰極での
電着塗装と隔膜でのアニオンの捕捉とが生じるが、この
際イオンバランスを保つために、隔膜内に捕捉されたア
ニオン成分の一部を電着液に戻しながら電着塗装を施す
必要がある。この操作によって、電着液のイオンバラン
スが保たれる。
【0013】請求項2の発明は、電着塗装方法を実用化
するものであり、装置に適用できる技術であって、陽極
液循環と該陽極液廃棄とを1系統として電着塗装手段に
組み立てることを開示している。
【0014】請求項3及び請求項4の発明は、隔膜の材
質を特定したものであり、アニオン交換膜を使用する電
着塗装方法と、2種類の隔膜を併用する電着塗装方法と
を特徴としている。後者の併用の場合はアニオン交換膜
及びカチオン交換樹脂とアニオン交換樹脂との両方を備
えた中性膜を選択する。
【0015】請求項5の発明は、電着液として、鉛成分
が1000ppm以上含まれる溶液を使用する場合であ
り、一般の電着塗装方法に広く適用可能な技術である。
【0016】
【実施の態様】本発明及び従来技術を図面により説明す
る。
【0017】図2は従来の電着塗装システムを示す概略
図である。
【0018】図面に示したように、陽極電極はステンレ
ス鋼であって、電極の一部は隔膜で隔離されているもの
の、その残部の陽極は裸(隔膜隔離しない)である。ま
た、被塗装物を陰極とし、陽極液を循環させる要領であ
る。
【0019】この従来技術では、陰極反応としての電着
の電流効率と、陽極反応を利用した隔膜のアニオン捕捉
における電流効率の差を、隔膜隔離した電極の数と裸
(隔膜隔離しない)電極の数とで調製している。更に、
陽極としてステンレス鋼を使用している。従って、裸電
極と電着液中の鉛とが接触すると、酸化され、酸化鉛が
生じるため、これが電着液に浮遊し易い。加えて、陽極
液や電着液に、陽極の鉄やニッケルが溶出する。
【0020】これに対し、本発明は、従来技術の課題を
解決したものであって、その概要を図1に示す。しかし
て、本発明の電着塗装システムの特徴は、次の通りであ
って、
【0021】原則として、全ての陽極は隔膜で隔離され
ている。
【0022】陽極として不溶性の材料を使用する。
【0023】電流効率の差異から来るイオンのアンバラ
ンスを、陽極液の一部を電着槽に戻すことによって、処
理し、電着液中のイオンのバランスを取る。
【0024】また、電着液中の鉛は陽極に直接接するこ
とがなく、鉛の酸化を回避できる。等の特徴と利点を有
する、と言える。
【0025】
【実施例及び比較例】<実施例1>
【0026】日本ペイント社製「PTU1500」(電
着塗料)6000gをイオン交換水(純水)により30
リットル(L)に薄めて電着液を構成した。この電着液
を、縦35cm、横35cm及び高さ35cmからなる
容器に収めた。容器の内側に形成される4つの壁面に隔
膜と不溶性陽極とを夫々装着して、4室からなる陽極室
を設けた。ここでは、陽極として、チタン基材に白金を
塗布して不溶性と為したものを使用し、また隔膜として
は旭硝子社製アニオン交換膜AMVを用いた。被塗装物
となる陰極はその表面を研磨し、脱油処理した鉄製の箱
を準備した。この鉄性の箱の表面積は約1000cm2
である。この装置において、陽極及び陰極に直流電源か
ら電流を通じ、電流密度を徐々に上げていきながら、電
着試験を行い、陽極電位も同時に測定した。陽極電位は
電流密度に比例したが、電流密度を一定にしてからは、
特に経時的な変化は見られなかった。約5分間で電着が
完了したので、繰り返し3回行った。電着終了後、電着
液を取り出し、陰極の電着状態、隔膜の表面、電着液、
陽極の表面等を観察した。その結果、酸化鉛等の固形物
の生成及び付着が認められなかった。 <比較例1>
【0027】実施例1と同様な装置であって、4枚の陽
極室のうち、互いに向かい合った2つの陽極室を取り外
し、その場所に2枚のステンレス鋼製陽極を取り付け
た。電極電位の測定端子はこの新しく取り付けたステン
レス鋼製の陽極に設けた。他の条件は総て同一とし、実
施例1と同様の電着試験を行った。低い電流密度の、初
期の条件では陽極電位の経時的変化は見られなかった
が、2A/dm2以上の電流密度では通電時間と共に電
位が上昇する傾向が認められた。一般に、電位が変化す
ることは電極近傍で何らかの変貌が起きていることを暗
示させる。電着試験は3回実施したが、試験途中で電着
液が若干濁り、固形物の生成が見られた。電着試験終了
後、電着液を採り出し、陰極の電着塗装状態、隔膜の表
面状態、電着液の様子、陽極の表面状態を裸眼及び顕微
鏡等により観察した。その結果、酸化鉛の固形物が陽極
表面、隔膜に付着しており、電着液中にも存在すること
が認められた。即ち、隔膜で隔離されていない裸電極
は、電着液中の成分を酸化する能力があり、特に鉛イオ
ンは酸化され易く、酸化鉛となり、電極や隔膜に付着す
ることが判った。
【0028】
【発明の効果】本発明によれば、陽極は隔膜で隔離され
ていること、陽極として不溶性材料からなる不溶性電極
を使用すること、電流効率の差異に由来するイオンのア
ンバランスを、陽極液の一部を電着槽に戻すことによっ
て、処理すること、及び電着液中の鉛イオンが、陽極に
直接接することがないので酸化を回避できること等の効
果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の電着塗装システムを示す概略図であ
る。
【図2】 従来技術の電着塗装システムを示す概略図で
ある。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】隔膜電着塗装において、電着液中に溶解し
    ている鉛イオン(2価)を酸化させないか又は酸化を抑
    えて電着を行うために、陽極を隔膜で覆い、しかも隔膜
    内の陽極液を汚さないために、陽極としてチタン基材に
    イリジウム、タンタル、ルテニウム、金、パラジウム及
    び白金等の金属の群若しくはイリジウム、タンタル、ル
    テニウム、金、パラジウム及び白金等からなる金属酸化
    物の群から選ばれた少なくとも1種の材料を塗布した不
    溶性電極又はカーボン若しくはフェライロ電極等の不溶
    性電極を用い、該不溶性陽極を前記隔膜で覆い、被塗装
    物(陰極)の周辺に配置すると共に、電着とアニオン捕
    捉との電流効率の差異から生じるイオンバランスを補う
    ために捕捉されるアニオン成分の一部を電着液中に戻す
    ことからなる不溶性陽極と隔膜とを用いた電着塗装方
    法。
  2. 【請求項2】陽極液循環と該陽極液廃棄とを1系統とし
    て電着塗装手段に組み立ててなる請求項1に記載の電着
    塗装方法。
  3. 【請求項3】隔膜として、アニオン交換膜を使用する請
    求項1に記載の電着塗装方法。
  4. 【請求項4】隔膜として、アニオン交換膜及び中性膜
    (カチオン交換樹脂とアニオン交換樹脂との両方を混ぜ
    合わせて構成したイオン交換膜)を使用する請求項1に
    記載の電着塗装方法。
  5. 【請求項5】鉛イオンが1000ppm以上含まれる電
    着液を使用する請求項1に記載の電着塗装方法。
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