JP2000169486A - 環状オリゴシロキサンの製造方法 - Google Patents

環状オリゴシロキサンの製造方法

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JP2000169486A
JP2000169486A JP10344773A JP34477398A JP2000169486A JP 2000169486 A JP2000169486 A JP 2000169486A JP 10344773 A JP10344773 A JP 10344773A JP 34477398 A JP34477398 A JP 34477398A JP 2000169486 A JP2000169486 A JP 2000169486A
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Katsuya Ouchi
克哉 大内
Jiro Okai
次郎 岡井
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】安価に入手できる原料を使用し、中性条件かつ
比較的低温という平易な条件で反応を実施でき、特にS
i−H基を含有する系の場合にも反応系のゲル化を伴わ
ない環状オリゴシロキサンの製造方法であって、かつ用
いる触媒が回収リサイクルすることも可能である、工業
的に実施する際に特に実用的な、環状オリゴシロキサン
の製造方法。 【解決手段】反応条件下で固体である金属アルコキシド
の存在下に反応を行うこと。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、本発明はシリコー
ン工業で原料として用いられる下記一般式(III)
【0002】
【化12】 で表される環状オリゴシロキサンの製造方法に関する。
【0003】
【従来の技術】ポリシロキサンを不均化する方法として
は、酸性あるいはアルカリ性触媒を用いる方法が一般的
に知られている。しかしながら、このような酸性あるい
はアルカリ性触媒を用いる方法は反応条件が過酷であ
り、工業的に安定に製造するためには有利とは言えな
い。中性条件での不均化方法については例えばポリシロ
キサンの加熱分解によるシクロシロキサンの生成が知ら
れているが、この方法は300℃程度の非常に高い温度
が必要であり、この方法もまた工業的に安定に製造する
ために有利な方法とは言えない。その他に、中性条件で
の不均化方法として遷移金属触媒を用いる方法が知られ
ているが、この方法はPt、Pdといった高価な金属の
触媒を用いる必要があり、コスト的な観点も考慮すると
工業的に有利な方法とは言えない。
【0004】環状オリゴシロキサンはシリコーン工業に
おいて高分子量ポリシロキサン製造の原料として使用さ
れる。また、Si−H基を含有する環状オリゴシロキサ
ンはシリコーン工業においてシーラント等に用いられる
室温架橋型シリコーンゴムの製造原料として使用され
る。室温架橋型シリコーンゴムはSi−H基を含有する
環状オリゴシロキサンとビニル基を含有するポリシロキ
サンとを白金触媒の存在下で反応させ架橋させることに
より得られる。また、Si−H基を含有する環状オリゴ
シロキサンは接着性促進剤等として用いられる有機官能
基結合オリゴシロキサンの製造原料としても用いられ
る。有機官能基結合オリゴシロキサンはSi−H基を含
有する環状オリゴシロキサンとビニル基を含有する有機
基を白金触媒の存在下で反応させることにより得られ
る。
【0005】環状オリゴシロキサンの製造方法として
は、例えばジメチルジクロロシランなどのケイ素上に2
個の加水分解性基を有するオルガノシラン類を加水分解
縮合する方法が一般的に知られている。しかしながら、
このような加水分解縮合反応条件下では反応系が酸性の
過酷な状態になり、工業的に安定に製造するためには有
利とは言えない。
【0006】また、特にSi−H基を含有する環状オリ
ゴシロキサンの製造においては、Si−H基はかかる酸
性条件下では反応性が非常に高く、反応系内に共存する
水あるいはシラノール基と反応を起こし、目的とする化
合物の収率は低い。そこで、この問題を解決するために
以下の(イ)あるいは(ロ)の方法が提案されている。
【0007】すなわち、(イ)メチルジクロロシランを
テトラヒドロフランと炭化水素溶剤との混合溶剤の存在
下で加水分解する方法(特開平6ー80680号公
報)、および、(ロ)ジクロロジシロキサンをt−ブチ
ルアルコールの存在下で加水分解する方法(特開平7ー
285974号公報)である。
【0008】しかしながら、前記(イ)の方法では高い
収率で生成物である環状オリゴシロキサンを得るために
は、炭化水素溶剤としてベンゼンを用いる必要がある
が、ベンゼンに対する安全性の点から、本方法を工業的
に実用化する場合には問題となることがある。また、前
記(ロ)の方法では、原料として用いられるジクロロジ
シロキサンが汎用品として流通している原料ではないた
めに、一般に本技術を実施しようとする場合に原料の入
手性が問題となり、工業的な技術の汎用性に欠ける点で
問題がある。
【0009】さらに、(イ)および(ロ)の方法はいず
れもクロロシランを加水分解することによるが、その際
副生成物として塩化水素が生成するため、製品中にも微
量の塩化水素が混入することが知られている。しかしな
がら、塩化水素を含んだ製品を電子材料等の用途に用い
た場合、塩化物イオン等のイオン成分を含有する製品は
電極の腐食等の観点から好ましくない。このことからか
かる方法で製造された製品は電子材料等の用途には適さ
ず、その工業的利用価値が低下するものである。また、
(イ)および(ロ)の方法はいずれも強酸性条件下に反
応を行うので、後工程でpHを調整する等、工程が繁雑
となるだけでなく、原料を取り扱う上でも慎重さが要求
されルという問題点もある。
【0010】環状オリゴシロキサンの別の製造方法とし
て、種々の条件で、鎖状ポリシロキサンあるいは高重合
度環状ポリシロキサンを酸性あるいはアルカリ性の触媒
の存在下に反応させることによる方法が提案されてい
る。
【0011】酸性触媒を用いる方法としては例えば、
(ハ)Si−H基含有ポリシロキサンを水および活性白
土の存在下に反応させる方法(特告昭54ー13480
号公報)、(ニ)メチルハイドロジェンポリシロキサン
を酸触媒の存在下に加熱し反応させる方法(特告昭55
ー11697号公報)、(ホ)オルガノポリシロキサン
を減圧下、加熱した固定触媒床に接触させて反応させる
方法(特開平2ー129192号公報)、(ヘ)メチル
ハイドロジェンポリシロキサンを反応させる際に高沸点
のオルガノジシロキサン存在下で行う方法(特開平7ー
242678号公報)、(ト)オルガノハイドロジェン
ポリシロキサンを塩化アルミニウムの存在下に反応させ
る方法(特開平7ー316167号公報)がある。
【0012】しかしながら、前記(ハ)の方法では、特
にSi−H基が酸性状態で水と反応性が高いために反応
系がゲル化するという工業的に大きな問題を有し、工業
的に用いる場合には問題がある。前記(ニ)および
(ホ)の方法では、反応に250〜500℃という非常
に高い温度を必要とし、工業的に用いる場合に問題があ
る。前記(ヘ)の方法では主原料の他に副原料として高
沸点のジシロキサンを用いる必要がある。ところが、こ
れらの特殊ジシロキサンは、汎用品として流通している
原料ではないために、一般に本技術を実施しようとする
場合に原料の入手という点で工業的な技術の汎用性に欠
ける。また、コストの観点からも工業的に有利な方法で
はない。
【0013】また、前記(ハ)乃至(ト)の方法はいず
れも酸触媒を使用する。特に前記(ト)の方法は塩化ア
ルミニウムという非常に酸性の強い触媒を使用する。こ
れらの方法ではまた、Si−H基を含有する系において
は酸性条件下ではSi−H基が水等に本質的に不安定で
あることから、酸性触媒を用いることは好ましくなく、
例えば、原料あるいは空気中等から系内に微量でも水分
が混入した場合に、Si−Hが水分と反応し生成物であ
る環状オリゴシロキサンの収率を低下させるだけでな
く、反応系のゲル化をひきおこす原因となる。従って、
酸性触媒を用いる前記(ハ)乃至(ト)の方法は、安定
に製造するという工業的観点から実用性に問題がある技
術である。
【0014】アルカリ性触媒を用いる方法としては例え
ば、(チ)アルカリ金属の炭酸塩を触媒に用いる方法
(特公昭45−15036号公報)、(リ)アルカリ金
属シラノーレトを触媒に用いる方法(特公昭33−21
49号公報)がある。
【0015】しかしながら、いずれもアルカリ触媒を用
いているため、酸性触媒の場合と同様に後工程でpHを
調整する等、工程が繁雑となるだけでなく、原料を取り
扱う上でも慎重さが要求されるという工業的に安定に製
造するためには問題点がある。また、Si−H基を含有
する系においてはアルカリ性条件下ではSi−H基が非
常に不安定であることから実質的にこれらの方法は適用
することが出来ない。従って、アルカリ性触媒を用いる
前記(チ)、(リ)のような方法は、安定に製造すると
いう工業的観点から実用性に問題がある技術であり、ま
た汎用性にも欠ける技術である。
【0016】かかる問題を解決するため、安価に入手で
きる原料を使用し、中性条件かつ比較的低温という平易
な条件で反応を実施でき、特にSi−H基を含有する系
の場合にも反応系のゲル化を伴わない、工業的に実施す
る際に実用的な、環状オリゴシロキサンの製造方法とし
て、本発明者は鎖状あるいは環状のポリシロキサンを金
属アルコキシドの存在下に加熱することを特徴とする環
状オリゴシロキサンの製造方法を見出した。しかし、金
属アルコキシドとして反応条件下液体であるあるいは、
反応液に溶解する金属アルコキシドを用いた場合には、
触媒の回収リサイクルが困難である等の問題があった。
【0017】一方、触媒として反応条件下で固体である
触媒を用いる方法もいくつか報告されており、例えば、
(ヌ)充填物に水酸化リチウム等の触媒を固定化する方
法(特開昭49−92025号公報)、(ル)反応系中
で固体である触媒を原料とともにシリンダ状反応器に通
す方法(特開昭62−227930号公報)、(ヲ)固
体酸触媒を含む反応器に原料を連続的に供給する方法
(特開平8−291220号公報)がある。これらの方法
はいずれも酸あるいはアルカリ性の触媒についてなされ
た報告であり、本件のような中性の金属アルコキシド触
媒については言及されていない。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明は前記
の問題を解決するため、安価に入手できる原料を使用
し、中性条件かつ比較的低温という平易な条件で反応を
実施でき、特にSi−H基を含有する系の場合にも反応
系のゲル化を伴わない環状オリゴシロキサンの製造方法
であって、かつ用いる触媒が回収リサイクルすることも
可能である、工業的に実施する際に特に実用的な、環状
オリゴシロキサンの製造方法を提供することを目的とす
る。
【0019】
【課題を解決するための手段】かかる課題を解決するた
めに本発明者らは鋭意研究の結果、反応条件下で固体で
ある金属アルコキシドの存在下に反応を行うことによ
り、実用的に環状オリゴシロキサンが製造できることを
見出し、また、反応条件下で固体である金属アルコキシ
ドは金属アルコキシドを部分的に加水分解することによ
って容易に得ることができることを見出し本発明に至っ
た。
【0020】すなわち、本発明は、鎖状あるいは環状の
ポリシロキサンを金属アルコキシドの存在下に加熱する
ことを特徴とする環状オリゴシロキサンの製造方法であ
って、金属アルコキシドとして反応条件下で固体である
金属アルコキシドを用いる環状オリゴシロキサンの製造
方法(請求項1)であり、下記一般式(I)
【0021】
【化13】 (式中、R1は一価の置換または非置換の炭化水素基、
2は水酸基または一価の置換または非置換の炭化水素
基、R3は水素原子または一価の置換または非置換の炭
化水素基、R4乃至R6は同種または異種の一価の置換ま
たは非置換の炭化水素基を表し、kおよびlはそれぞれ
独立に0または1〜1000の数であり、かつkおよび
lは4≦k+l≦1000を満足する数を表す。)で表
される鎖状ポリシロキサンおよび/または下記一般式
(II)
【0022】
【化14】 (式中、R4乃至R6は同種または異種の一価の置換また
は非置換の炭化水素基を表し、mおよびnはそれぞれ独
立に0または1〜1000の数であり、かつmおよびn
は3≦m+n≦1000を満足する数を表す。)で表さ
れる環状ポリシロキサンを金属アルコキシドの存在下に
加熱することを特徴とする、下記一般式(III)
【0023】
【化15】 (式中、R4乃至R6は同種または異種の一価の置換また
は非置換の炭化水素基を表し、pおよびqはそれぞれ独
立に0または1〜10の数であり、かつpおよびqは3
≦p+q≦10を満足する数を表す。)で表される環状
オリゴシロキサンの製造方法であって、金属アルコキシ
ドとして反応条件下で固体である金属アルコキシドを用
いる環状オリゴシロキサンの製造方法(請求項2)であ
り、前記kおよびmがそれぞれ独立に0または1〜99
9の数であり、かつ前記lおよびnがそれぞれ独立に1
〜1000の数であり、かつ前記pが0または1〜9の
数であり、かつ前記qが1〜10の数である請求項2記
載の環状オリゴシロキサンの製造方法(請求項3)であ
り、前記k、l、m、n、p、qが5≦m+n≦100
0かつp+q<k+lかつp+q<m+nを満足する数
である請求項3記載の環状オリゴシロキサンの製造方法
(請求項4)であり、前記R1、R4およびR6がメチル
基、R2は水酸基またはメチル基、R3は水素原子または
メチル基である請求項2乃至請求項4いずれか記載の環
状オリゴシロキサンの製造方法(請求項5)であり、前
記k、l、m、n、p、qがk<lかつm<nかつp<
qである請求項2乃至請求項5いずれか記載の環状オリ
ゴシロキサンの製造方法(請求項6)であり、k=m=
p=0である請求項3乃至請求項5いずれか記載の環状
オリゴシロキサン製造方法(請求項7)であり、[1]
下記一般式(IV)
【0024】
【化16】 (式中、R1は一価の置換または非置換の炭化水素基、
2は水酸基または一価の置換または非置換の炭化水素
基、R3は水素原子または一価の置換または非置換の炭
化水素基、R4は一価の置換または非置換の炭化水素基
を表し、kは4〜1000の数を表す。)で表される鎖
状ポリシロキサンおよび/または下記一般式(V)
【0025】
【化17】 (式中、R5は同種または異種の一価の置換または非置
換の炭化水素基を表し、lは4〜1000の数を表
す。)で表される環状ポリシロキサンで構成されるポリ
シロキサン成分と、[2]下記一般式(VI)
【0026】
【化18】 (式中、R6は水酸基または一価の置換または非置換の
炭化水素基、R7乃至R10は同種または異種の一価の置
換または非置換の炭化水素基を表し、mは4〜1000
の数を表す。)で表される鎖状ポリシロキサンおよび/
または下記一般式(VII)
【0027】
【化19】 (式中、R11、R12は同種または異種の一価の置換また
は非置換の炭化水素基を表し、nは4〜1000の数を
表す。)で表される環状ポリシロキサンで構成されるポ
リシロキサン成分とを、金属アルコキシドの存在下に加
熱することを特徴とする、下記一般式(VIII)
【0028】
【化20】 (式中、R4、R5、R9、R10、R11、R12は同種また
は異種の一価の置換または非置換の炭化水素基を表し、
p、q、r、sは0〜9の数であり、かつp、q、r、
sは3≦p+q+r+s≦10、かつ1≦p+q、かつ
1≦r+sを満足する数を表す。)で表される環状オリ
ゴシロキサンの製造方法であって、金属アルコキシドと
して反応条件下で固体である金属アルコキシドを用いる
環状オリゴシロキサンの製造方法(請求項8)であり、
下記一般式(IV)
【0029】
【化21】 (式中、R1は一価の置換または非置換の炭化水素基、
2は水酸基または一価の置換または非置換の炭化水素
基、R3は水素原子または一価の置換または非置換の炭
化水素基、R4は一価の置換または非置換の炭化水素基
を表し、kは4〜1000の数を表す。)で表される鎖
状ポリシロキサンと、下記一般式(VI)
【0030】
【化22】 (式中、R6は水酸基または一価の置換または非置換の
炭化水素基、R7乃至R10は同種または異種の一価の置
換または非置換の炭化水素基を表し、mは4〜1000
の数を表す。)で表される鎖状ポリシロキサンとを、金
属アルコキシドの存在下に加熱することを特徴とする、
下記一般式(IX)
【0031】
【化23】 (式中、R4、R9、R10は同種または異種の一価の置換
または非置換の炭化水素基を表し、p、rは1〜9の数
であり、かつpおよびrは3≦p+r≦10を満足する
数を表す。)で表される環状オリゴシロキサンの製造方
法であって、金属アルコキシドとして反応条件下で固体
である金属アルコキシドを用いる環状オリゴシロキサン
の製造方法(請求項9)であり、前記R1、R4、R5
7、R8、R9、R10、R11、R12がメチル基、R2、R
6は水酸基またはメチル基、R3は水素原子またはメチル
基である請求項8あるいは請求項9いずれか記載の環状
オリゴシロキサンの製造方法(請求項10)であり、前
記金属アルコキシドがアルミニウムアルコキシド、チタ
ンアルコキシド、ジルコニウムアルコキシド、スズアル
コキシド、あるいは亜鉛のアルコキシドである請求項1
乃至請求項10いずれか記載の環状オリゴシロキサンの
製造方法(請求項11)であり、前記金属アルコキシド
がアルミニウムアルコキシドである請求項1乃至請求項
10いずれか記載の環状オリゴシロキサンの製造方法
(請求項12)であり、前記金属アルコキシドが担体に
担持された金属アルコキシドである請求項1乃至請求項
12いずれか記載の環状オリゴシロキサンの製造方法
(請求項13)であり、前記金属アルコキシドが金属ア
ルコキシドの部分加水分解物である請求項1乃至請求項
13いずれか記載の環状オリゴシロキサンの製造方法
(請求項14)であり、反応条件下で固体である金属ア
ルコキシドを充填した、加熱された反応器に原料である
ポリシロキサンを通すことによる請求項1乃至請求項1
4いずれか記載の環状オリゴシロキサンの製造方法(請
求項15)であり、減圧下で生成する環状オリゴシロキ
サンを留去することによる請求項1乃至請求項12いず
れか記載の環状オリゴシロキサンの製造方法(請求項1
6)である。
【0032】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
【0033】前記一般式(I)で表される鎖状ポリシロ
キサンのR1、前記一般式(IV)で表される鎖状ポリシ
ロキサンのR1および前記一般式(VI)で表される鎖状
ポリシロキサンのR7およびR8は一価の置換または非置
換の炭化水素基であり、炭化水素基の例としてはハロゲ
ン化アルキル基、アルキル基、シクロアルキル基、アル
ケニル基、シクロアルケニル基、あるいはアリール基等
が挙げられる。これらの内、好ましくはメチル基、エチ
ル基、プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、s-
ブチル基、t-ブチル基、シクロヘキシル基、ビニル
基、フェニル基が挙げられ、さらに好ましくはメチル
基、フェニル基が挙げられる。最も好ましいものはメチ
ル基である。
【0034】前記一般式(I)で表される鎖状ポリシロ
キサンのR2、前記一般式(IV)で表される鎖状ポリシ
ロキサンのR2および前記一般式(VI)で表される鎖状
ポリシロキサンのR6は水酸基または一価の置換または
非置換の炭化水素基であり、一価の置換または非置換の
炭化水素基の例は前記R1と同じである。
【0035】前記一般式(I)で表される鎖状ポリシロ
キサンのR3および前記一般式(IV)で表される鎖状ポ
リシロキサンのR3は水素原子または一価の置換または
非置換の炭化水素基であり、一価の置換または非置換の
炭化水素基の例は前記R1と同じである。
【0036】前記一般式(I)で表される鎖状ポリシロ
キサンのR4、R6、前記一般式(II)で表される環状ポ
リシロキサンのR4、R6、前記一般式(III)で表され
る環状オリゴシロキサンのR4、R6、前記一般式(IV)
で表される鎖状オリゴシロキサンのR4、前記一般式
(V)で表される環状ポリシロキサンのR5、前記一般式
(VI)で表される鎖状ポリシロキサンR9、前記一般式
(VII)で表される環状ポリシロキサンのR11、前記一
般式(VIII)で表される環状オリゴシロキサンのR 4
5、R9、R11および前記一般式(IX)で表される環状
オリゴシロキサンのR4、R9は一価の置換または非置換
の炭化水素基であり、例は前記R1と同じである。ま
た、前記一般式(I)、(II)、(III)のR4、R6およ
び前記一般式(IV)、(V)、(VI)、(VII)、(VII
I)、(IX)のR4、R5、R9、R11はそれぞれ繰り返し
単位ごとに同一であっても異なっていても構わない。
【0037】前記一般式(I)で表される鎖状ポリシロ
キサンのR5、前記一般式(II)で表される環状ポリシ
ロキサンのR5、および前記一般式(III)で表される環
状オリゴシロキサンのR5、前記一般式(VI)で表され
る鎖状ポリシロキサンのR10、前記一般式(VII)で表
される環状ポリシロキサンのR12、前記一般式(VIII)
で表される環状オリゴシロキサンのR10、R12および前
記一般式(IX)で表される環状オリゴシロキサンのR10
は一価の置換または非置換の炭化水素基であり、炭化水
素基の例としてはアルキル基、シクロアルキル基、アル
ケニル基、シクロアルケニル基、あるいはアリール基等
が挙げられる。これらの内、好ましくはメチル基、エチ
ル基、CH2CH21で表される置換アルキル基(ここ
でいうX1はハロゲン原子、シアノ基、フェニル基、ア
ルコキシ基、アルキルカルボニル基、アルコキシカルボ
ニル基等の一価の有機基を表す。)、CH2CH(C
3)X2で表される置換アルキル基(ここでいうX2
ハロゲン原子、フェニル基、アルキルカルボニル基、ア
ルコキシカルボニル基等の一価の有機基を表す。)、C
2CH2CH23で表される置換アルキル基(ここでい
うX3はハロゲン原子、水酸基、置換あるいは非置換の
アルコキシ基等の一価の有機基を表す。)、ビニル基、
フェニル基が挙げられる。また、前記一般式(I)、(I
I)、(III)のR5および前記一般式(VI)、(VII)、
(VIII)、(IX)のR10、R12はそれぞれ繰り返し単位
ごとに同一であっても異なっていても構わない。
【0038】前記一般式(I)で表される鎖状ポリシロ
キサンの具体例としては、 Me3SiO−(Me3SiO)x−SiMe3、Me3
iO−(Ph2SiO)x−SiMe3、Me3SiO−
(MePhSiO)x−SiMe3、Me2PhSiO−
(Me2SiO)x−SiMe2Ph、MePh2SiO−
(Me2SiO)x−SiMePh2、Me2Si(OH)
O−(Me2SiO)x−SiMe2(OH)、Me3Si
O−(MeHSiO)x−SiMe3、Me2PhSiO
−(MeHSiO)x−SiMe2Ph、MeHSi(O
H)O−(MeHSiO)x−SiMe(OH)H、
(ここでいうxは4〜1000の数を表し、好ましくは
20〜500の数を表し、さらに好ましくは35〜20
0の数を表す。) Me3SiO−(MeSi(CH2CH264CH3
O)5−(MeHSiO)5−SiMe3、MeHSi
(OH)O−(MeSi(CH2CH264CH3
O)5−(MeHSiO)5−SiMe(OH)H、Me
3SiO−(Me2SiO) x−(MeHSiO)y−Si
Me3、Me3SiO−(MePhSiO)x−(MeH
SiO)y−SiMe3、Me3SiO−(MeSi(C
2CH(CH3)C65)O)x−(MeHSiO)y
SiMe3、Me3SiO−(MeSi(CH2CH2CH
2(OCH2CH2nOMe)O)x−(MeHSiO)y
SiMe3、(ここでいうx、yは4〜1000の数を
表し、好ましくはx+yが20〜500の数を表し、さ
らに好ましくはx+yが35〜200の数を表し、ま
た、ここでいうnは0または1〜100の数を表し、好
ましくは1〜20の数を表し、さらに好ましくは5〜1
0の数を表す。)等が挙げられる。
【0039】前記一般式(II)で表される環状ポリシロ
キサンの例としては、
【0040】
【化24】
【0041】
【化25】
【0042】
【化26】 (ここでいうx、yは0または1〜1000の数を表
し、好ましくはx+yが4〜100の数を表し、さらに
好ましくはx+yが4〜10の数を表し、また、ここで
いうnは0または1〜100の数を表し、好ましくは1
〜20の数を表し、さらに好ましくは5〜10の数を表
す。)等が挙げられる。
【0043】前記一般式(III)で表される環状オリゴ
シロキサンの例としては、
【0044】
【化27】
【0045】
【化28】
【0046】
【化29】 (ここでいうx、yは0または1〜10の数を表し、x
+yが3〜10の数を表す。好ましくはx、yが0また
は1〜6の数を表し、x+yが3〜6の数を表す。より
好ましくはx、yが0または1〜4の数を表し、x+y
が4である。また、ここでいうnは0または1〜100
の数を表し、好ましくは1〜20の数を表し、さらに好
ましくは5〜10の数を表す。)等が挙げられる。
【0047】前記一般式(IV)で表される鎖状ポリシロ
キサンの具体例としては、 Me3SiO−(MeHSiO)x−SiMe3、Me2
hSiO−(MeHSiO)x−SiMe2Ph、MeH
Si(OH)O−(MeHSiO)x−SiMe(O
H)H、Me3SiO−(PhHSiO)x−SiM
3、Me2PhSiO−(PhHSiO)x−SiMe2
Ph、MeHSi(OH)O−(PhHSiO) x−S
iMe(OH)H、(ここでいうxは4〜1000の数
を表し、好ましくは20〜500の数を表し、さらに好
ましくは35〜200の数を表す。)等が挙げられる。
【0048】前記一般式(V)で表される環状ポリシロ
キサンの例としては、
【0049】
【化30】
【0050】
【化31】 (ここでいうxは4〜1000の数を表し、好ましくは
4〜100の数を表し、さらに好ましくは4〜10の数
を表す。)等が挙げられる。
【0051】前記一般式(VI)で表される鎖状ポリシロ
キサンの例としては、 Me3SiO−(Me2SiO)x−SiMe3、Me3
iO−(Ph2SiO)x−SiMe3、Me3SiO−
(MePhSiO)x−SiMe3、Me2PhSiO−
(Me2SiO)x−SiMe2Ph、MePh2SiO−
(Me2SiO)x−SiMePh2、Me2Si(OH)
O−(Me2SiO)x−SiMe2(OH)、Me3Si
O−(MeSi(CH2CH2CH2(OCH2CH2n
Me)O)x−SiMe3(ここでいうxは4〜1000
の数を表し、好ましくは20〜500の数を表し、さら
に好ましくは35〜200の数を表し、また、ここでい
うnは0または1〜100の数を表し、好ましくは1〜
20の数を表し、さらに好ましくは5〜10の数を表
す。)等が挙げられる。
【0052】前記一般式(VII)で表される環状ポリシ
ロキサンの具体例としては、
【0053】
【化32】
【0054】
【化33】
【0055】
【化34】
【0056】
【化35】 (ここでいうxは4〜1000の数を表し、好ましくは
4〜100の数を表し、さらに好ましくは4〜10の数
を表し、また、ここでいうnは0または1〜100の数
を表し、好ましくは1〜20の数を表し、さらに好まし
くは5〜10の数を表す。)等が挙げられる。
【0057】前記一般式(VIII)および前記一般式(I
X)で表される環状オリゴシロキサンの例としては、
【0058】
【化36】
【0059】
【化37】 (ここでいうx、yは1〜9の数を表し、x+yが3〜
10の数を表す。好ましくはx、yが1〜5の数を表
し、x+yが3〜6の数を表す。より好ましくはx、y
が1〜3dの数を表し、x+yが4である。また、ここ
でいうnは0または1〜100の数を表し、好ましくは
1〜20の数を表し、さらに好ましくは5〜10の数を
表す。)等が挙げられる。
【0060】本発明において使用される、反応条件下で
固体である金属アルコキシドは、溶融あるいは反応液へ
溶解せず反応条件下で固体であれば金属アルコキシド自
身を用いることもできるし、金属アルコキシドを融着、
蒸着、吸着等の方法によって、シリカゲル、アルミナ、
チタニア、ゼオライト、モレキュラーシーブ、黒鉛、金
属、ガラス等の単体に担持したものを用いることもでき
る。また、金属アルコキシドを部分的に加水分解してゲ
ル化させたものも用いることができる。
【0061】そのまま用いる、担持する、あるいは部分
加水分解する金属アルコキシドとしては例えば下記一般
式(X)
【0062】
【化38】 (式中R1は一価の置換または非置換の炭化水素基であ
り、炭化水素基の例としては前記一般式(I)のR1
同じであり、Y1およびY2は炭素数が1〜8のアルキル
基、アリール基、あるいはアルコキシ基、Mは2価乃至
4価の金属元素で表され、rおよびsは0、1、2、
3、4であり、r+sは2乃至4である)で表すされる
ものを用いることができる。これらのうち、好ましくは
MがAl、Ti、Zr、Sn、Znである金属アルコキ
シドが用いられ、さらに好ましくはMがAl、Ti、Z
rである金属アルコキシドが用いられ、最も好ましくは
アルミニウムアルコキシドが用いられる。
【0063】具体的に例示すると、アルミニウムトリエ
トキシド、アルミニウムトリイソプロポキシド、アルミ
ニウムトリブトキシド、アルミニウムトリ第2ブトキシ
ド、アルミニウムジイソプロポキシ第2ブトキシド、ア
ルミニウムジイソプロポキシアセチルアセトナート、ア
ルミニウムジ第2ブトキシアセチルアセトナート、アル
ミニウムジイソプロポキシエチルアセトアセタート、ア
ルミニウムジ第2ブトキシエチルアセトアセタート、ア
ルミニウムトリスアセチルアセトナート、アルミニウム
トリスエチルアセトアセタート、アルミニウムアセチル
アセトナートビスエチルアセトアセタート、チタンテト
ラエトキシド、チタンテトライソプロポキシド、チタン
テトラブトキシド、チタンジイソプロポキシビスアセチ
ルアセトナート、チタンジイソプロポキシビスエチルア
セトアセタート、チタンテトラ2―エチルヘキシルオキ
シド、チタンジイソプロポキシビス(2―エチル−1、
3−ヘキサンジオラート)、チタンジブトキシビス(ト
リエタノールアミナート)、ジルコニウムテトラブトキ
シド、ジルコニウムテトライソプロポキシド、ジルコニ
ウムテトラメトキシド、ジルコニウムトリブトキシドモ
ノアセチルアセトナート、ジルコニウムジブトキシドビ
スアセチルアセトナート、ジルコニウムブトキシドトリ
スアセチルアセトナート、ジルコニウムテトラアセチル
アセトナート、ジルコニウムトリブトキシドモノエチル
アセトアセタート、ジルコニウムジブトキシドビスエチ
ルアセトアセタート、ジルコニウムブトキシドトリスエ
チルアセトアセタート、ジルコニウムテトラエチルアセ
トアセタート、ジブチルスズジアセテート、ジブチルス
ズジオクトエート、ジブチルスズジラウレート、ジブチ
ルスズビスアセチルアセトナート、ジブチルスズビスエ
チルアセトアセテート、スズ(II)ジアセテート、スズ
(II)ジオクトエート、スズ(II)ジラウレート、スズ
(II)ビスアセチルアセトナート、スズ(II)ビスエチ
ルアセトアセテート、亜鉛ジアセテート、マグネシウム
ジアセテート、マグネシウムジメトキシド、マグネシウ
ムジエトキシド等である。その他、環状の1、3、5―
トリイソプロポキシシクロトリアルミノキサン等も使用
することもできる。これらのうち好ましくはアルミニウ
ムトリイソプロポキシド、アルミニウムトリ第2ブトキ
シド、アルミニウムジイソプロポキシエチルアセトアセ
タート、アルミニウムジ第2ブトキシエチルアセトアセ
タート、アルミニウムトリスアセチルアセトナート、チ
タンテトライソプロポキシド、チタンテトラブトキシ
ド、ジルコニウムテトラブトキシドが用いられる。もっ
とも好ましいものはアルミニウムトリイソプロポキシド
である。
【0064】これらの金属アルコキシドは単独で用いて
も良いし、任意の割合で組み合わせて用いても良い。
【0065】本発明における反応条件下で固体である金
属アルコキシドの使用量は反応速度に応じ種々選択でき
るが、一般には原料ポリシロキサンを基準に0.01〜
10重量部、好ましくは0.01〜5重量部、さらに好
ましくは0.01〜1重量部を使用することができる。
金属アルコキシドを担持、あるいは部分加水分解したも
のを用いる場合には、もとの金属アルコキシド換算で原
料ポリシロキサンを基準に0.01〜10重量部、好ま
しくは0.01〜5重量部、さらに好ましくは0.01
〜1重量部を使用することができる。
【0066】本発明における反応温度は反応が進行する
温度であればよく、一般には60〜300℃の温度が用
いられるが、副反応を抑制しかつ反応を効率良く進行さ
せるために100〜200℃の温度が好ましい。また、
反応のゲル化をより抑制するために140〜190℃の
温度がさらに好ましい。
【0067】本発明の反応は常圧あるいは減圧下に実施
することが可能であるが、生成物を逐次留去して比較的
低温で反応を効率よく進めるためには減圧下に行うこと
が好ましい。この場合例えば10〜300mmHgの減
圧下に反応を実施できる。
【0068】本発明の反応にはゲル化のさらなる抑制等
の目的に応じ適切な溶媒あるいは添加剤を使用すること
ができる。溶媒としては金属アルコキシドあるいはヒド
ロシリル基等と化学的な反応性を有さず、生成する環状
オリゴシロキサンよりも沸点の高いものを用いることが
できる。溶媒の具体例としては、ノナン、デカン、ドデ
カン、オクタデカン、デカヒドロナフタレン等の脂肪族
飽和炭化水素類、デセン、デカジエン、ジペンテン等の
脂肪族不飽和炭化水素類、メシチレン、ジエチルベンゼ
ン、クメン、ジフェニル、テトラヒドロナフタレン、ジ
フェニルベンゼン(およびその水素化物)、2,2'-ジメチ
ルビベンジル、シクロヘキシルベンゼン等の芳香族炭化
水素類、ミネラルオイル等のオイル類、ジクロロベンゼ
ン等のハロゲン化炭化水素類、ジフェニルエーテル、ジ
エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリ
コールジブチルエーテル等のエーテル類、アセトフェノ
ン等のケトン類等を挙げることができる。これらの溶媒
は単独で用いてもよいし混合物で用いてもよい。
【0069】これらの内、ゲル化抑制効果が高いという
観点から、原料と相溶性を有するものが好ましい。
【0070】触媒の使用量としては特に限定されない
が、例えば原料に対して10〜200重量部、さらに好
ましくは50から100重量部が用いられる。
【0071】使用した溶媒は反応終了後蒸留等により回
収して再使用することもできる。
【0072】添加剤としてはジシロキサンあるいはトリ
シロキサン類を用いることもできる。具体例としては、
ヘキサエチルジシロキサン、1,3-ジフェニル-1,1,3,3-
テトラメチルジシロキサン、1,1,1,3,5,5,5-ヘプタメチ
ルトリシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、1,3,
3,5-テトラメチル-1,1,5,5-テトラフェニルトリシロキ
サン等が挙げられる。これらのジシロキサンあるいはト
リシロキサン類は単独で用いてもよいし混合物で用いて
もよい。
【0073】ジシロキサンあるいはトリシロキサン類の
使用量としては特に限定されないが、例えば原料に対し
て0.1〜20重量部、さらに好ましくは1から10重
量部が用いられる。
【0074】添加剤としてアルコール類も用いることが
できる。具体例としては、ヘキサノール、オクタノー
ル、2-エチルヘキシルルアルコール、ラウリルアルコー
ル、ステアリルアルコール、シクロヘキシルアルコール
等の脂肪族アルコール類、ベンジルアルコール、フェネ
チルアルコール、3-フェニル-1-プロパノール等の芳香
族アルコール類等が挙げられる。これらのアルコール類
は単独で用いてもよいし混合物で用いてもよい。
【0075】アルコール類の使用量としては特に限定さ
れないが、例えば原料に対して0.1〜20重量部、さ
らに好ましくは0.5から10重量部が用いられる。
【0076】添加剤としてその他アルコールのカルボン
酸エステル類あるいはオルトエステル類も用いることが
できる。具体例としては、前記添加剤として用いること
ができるアルコール類として例示したアルコール類の蟻
酸、酢酸、プロピオン酸、安息香酸等のエステル類ある
いはオルトエステル類が挙げられる。これらのカルボン
酸エステル類あるいはオルトエステル類は単独で用いて
もよいし混合物で用いてもよい。
【0077】カルボン酸エステル類あるいはオルトエス
テル類の使用量としては特に限定されないが、例えば原
料に対して0.1〜20重量部、さらに好ましくは0.
5から10重量部が用いられる。
【0078】以上のような溶媒あるいは添加剤は、反応
を効率良く進行させるために、反応により得ようとする
環状オリゴシロキサンの沸点より高い沸点を有するもの
が好ましく、さらに反応により得ようとする環状オリゴ
シロキサンの沸点より常圧で10℃以上高い沸点を有する
ものがより好ましい。
【0079】また、溶媒あるいは添加剤の添加は反応開
始前、あるいは開始時から全量添加してもよいが、反応
の釜効率を良くするため、使用する溶媒の一部あるいは
全量を反応途中で逐次あるいは一括で添加しても良い。
【0080】溶媒以外の添加剤としてアルコキシシラン
を少量共存させても本件の実施は可能であるが、アルコ
キシシランの添加量が多いほど目的とするシクロシロキ
サンの収率が低下するので、実用性が低くなる。
【0081】本発明の反応は原料ポリシロキサンと金属
アルコキシドを混合加熱し反応させた後生成物を蒸留等
により精製することもできるし、反応進行中に生成物を
逐次留去しながら反応を行うこともできる。副反応を抑
制するためには、生成物を逐次留去しながら反応を行う
ことが望ましい。生成物を留去する場合には必要に応じ
各種充填塔などの精留塔を使用することができる。精留
塔を用いた場合には製品の純度を高くすることができ
る。
【0082】また、生成する環状オリゴシロキサンの一
部を留去して得られる反応残さに原料であるポリシロキ
サンを追加してさらに反応を継続するセミ連続法や、生
成する環状オリゴシロキサンの留去と原料であるポリシ
ロキサンの追加を同時に行ないながら反応を実施するセ
ミ連続あるいは連続法によって製造を行なうこともでき
る。
【0083】さらに、本発明の反応条件下で固体である
金属アルコキシドを用いることによれば、例えば該金属
アルコキシドを充填して加熱した反応器に原料を通すこ
と等による連続的な方法によっても製造を行なうことも
できる。
【0084】本発明の反応では、高分子量の鎖状あるい
は環状のポリシロキサンから低分子量の環状オリゴシロ
キサンを製造することができるが、逆に低分子量体を高
分子量体へと変換することもできる。
【0085】
【発明の効果】本発明によれば、容易に入手できる原料
を使用して、中性条件かつ比較的低温という平易な条件
で反応を実施でき、反応系のゲル化をともわない、工業
的に実用性の高い方法で、収率よく環状オリゴシロキサ
ンを製造することができ、さらに使用後の触媒の単離、
リサイクルが容易となる。また、金属アルコキシドを充
填して加熱した反応器に原料を通すこと等による連続的
な方法によっても製造を行なうことが可能となる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4H049 VN01 VP03 VP10 VQ87 VR11 VR21 VR22 VR42 VS79 VS87 VT06 VT08 VT09 VT10 VT19 VT21 VT26 VT53 VU12 VW02 VW33 VW35 4J035 BA02 CA02K CA021 EA01 EB03 LA02

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】鎖状あるいは環状のポリシロキサンを金属
    アルコキシドの存在下に加熱することを特徴とする環状
    オリゴシロキサンの製造方法であって、金属アルコキシ
    ドとして、反応条件下で固体である金属アルコキシドを
    用いる環状オリゴシロキサンの製造方法。
  2. 【請求項2】下記一般式(I) 【化1】 (式中、R1は一価の置換または非置換の炭化水素基、
    2は水酸基または一価の置換または非置換の炭化水素
    基、R3は水素原子または一価の置換または非置換の炭
    化水素基、R4乃至R6は同種または異種の一価の置換ま
    たは非置換の炭化水素基を表し、kおよびlはそれぞれ
    独立に0または1〜1000の数であり、かつkおよび
    lは4≦k+l≦1000を満足する数を表す。)で表
    される鎖状ポリシロキサンおよび/または下記一般式
    (II) 【化2】 (式中、R4乃至R6は同種または異種の一価の置換また
    は非置換の炭化水素基を表し、mおよびnはそれぞれ独
    立に0または1〜1000の数であり、かつmおよびn
    は3≦m+n≦1000を満足する数を表す。)で表さ
    れる環状ポリシロキサンを金属アルコキシドの存在下に
    加熱することを特徴とする、下記一般式(III) 【化3】 (式中、R4乃至R6は同種または異種の一価の置換また
    は非置換の炭化水素基を表し、pおよびqはそれぞれ独
    立に0または1〜10の数であり、かつpおよびqは3
    ≦p+q≦10を満足する数を表す。)で表される環状
    オリゴシロキサンの製造方法であって、金属アルコキシ
    ドとして、反応条件下で固体である金属アルコキシドを
    用いる環状オリゴシロキサンの製造方法。
  3. 【請求項3】前記kおよびmがそれぞれ独立に0または
    1〜999の数であり、かつ前記lおよびnがそれぞれ
    独立に1〜1000の数であり、かつ前記pが0または
    1〜9の数であり、かつ前記qが1〜10の数である請
    求項2記載の環状オリゴシロキサンの製造方法。
  4. 【請求項4】前記k、l、m、n、p、qが5≦m+n
    ≦1000かつp+q<k+lかつp+q<m+nを満
    足する数である請求項3記載の環状オリゴシロキサンの
    製造方法。
  5. 【請求項5】前記R1、R4およびR6がメチル基、R2
    水酸基またはメチル基、R3は水素原子またはメチル基
    である請求項2乃至請求項4いずれか記載の環状オリゴ
    シロキサンの製造方法。
  6. 【請求項6】前記k、l、m、n、p、qがk<lかつ
    m<nかつp<qである請求項2乃至請求項5いずれか
    記載の環状オリゴシロキサンの製造方法。
  7. 【請求項7】k=m=p=0である請求項3乃至請求項
    5いずれか記載の環状オリゴシロキサン製造方法。
  8. 【請求項8】[1]下記一般式(IV) 【化4】 (式中、R1は一価の置換または非置換の炭化水素基、
    2は水酸基または一価の置換または非置換の炭化水素
    基、R3は水素原子または一価の置換または非置換の炭
    化水素基、R4は一価の置換または非置換の炭化水素基
    を表し、kは4〜1000の数を表す。)で表される鎖
    状ポリシロキサンおよび/または下記一般式(V) 【化5】 (式中、R5は同種または異種の一価の置換または非置
    換の炭化水素基を表し、lは4〜1000の数を表
    す。)で表される環状ポリシロキサンで構成されるポリ
    シロキサン成分と、[2]下記一般式(VI) 【化6】 (式中、R6は水酸基または一価の置換または非置換の
    炭化水素基、R7乃至R10は同種または異種の一価の置
    換または非置換の炭化水素基を表し、mは4〜1000
    の数を表す。)で表される鎖状ポリシロキサンおよび/
    または下記一般式(VII) 【化7】 (式中、R11、R12は同種または異種の一価の置換また
    は非置換の炭化水素基を表し、nは4〜1000の数を
    表す。)で表される環状ポリシロキサンで構成されるポ
    リシロキサン成分とを、金属アルコキシドの存在下に加
    熱することを特徴とする、下記一般式(VIII) 【化8】 (式中、R4、R5、R9、R10、R11、R12は同種また
    は異種の一価の置換または非置換の炭化水素基を表し、
    p、q、r、sは0〜9の数であり、かつp、q、r、
    sは3≦p+q+r+s≦10、かつ1≦p+q、かつ
    1≦r+sを満足する数を表す。)で表される環状オリ
    ゴシロキサンの製造方法であって、金属アルコキシドと
    して、反応条件下で固体である金属アルコキシドを用い
    る環状オリゴシロキサンの製造方法。
  9. 【請求項9】下記一般式(IV) 【化9】 (式中、R1は一価の置換または非置換の炭化水素基、
    2は水酸基または一価の置換または非置換の炭化水素
    基、R3は水素原子または一価の置換または非置換の炭
    化水素基、R4は一価の置換または非置換の炭化水素基
    を表し、kは4〜1000の数を表す。)で表される鎖
    状ポリシロキサンと、下記一般式(VI) 【化10】 (式中、R6は水酸基または一価の置換または非置換の
    炭化水素基、R7乃至R10は同種または異種の一価の置
    換または非置換の炭化水素基を表し、mは4〜1000
    の数を表す。)で表される鎖状ポリシロキサンとを、金
    属アルコキシドの存在下に加熱することを特徴とする、
    下記一般式(IX) 【化11】 (式中、R4、R9、R10は同種または異種の一価の置換
    または非置換の炭化水素基を表し、p、rは1〜9の数
    であり、かつpおよびrは3≦p+r≦10を満足する
    数を表す。)で表される環状オリゴシロキサンの製造方
    法であって、金属アルコキシドとして、反応条件下で固
    体である金属アルコキシドを用いる環状オリゴシロキサ
    ンの製造方法。
  10. 【請求項10】前記R1、R4、R5、R7、R8、R9、R
    10、R11、R12がメチル基、R2、R6は水酸基またはメ
    チル基、R3は水素原子またはメチル基である請求項8
    あるいは請求項9いずれか記載の環状オリゴシロキサン
    の製造方法。
  11. 【請求項11】前記金属アルコキシドがアルミニウムア
    ルコキシド、チタンアルコキシド、ジルコニウムアルコ
    キシド、スズアルコキシド、あるいは亜鉛のアルコキシ
    ドである請求項1乃至請求項10いずれか記載の環状オ
    リゴシロキサンの製造方法。
  12. 【請求項12】前記金属アルコキシドがアルミニウムア
    ルコキシドである請求項1乃至請求項10いずれか記載
    の環状オリゴシロキサンの製造方法。
  13. 【請求項13】前記金属アルコキシドが担体に担持され
    た金属アルコキシドである請求項1乃至請求項12いず
    れか記載の環状オリゴシロキサンの製造方法。
  14. 【請求項14】前記金属アルコキシドが金属アルコキシ
    ドの部分加水分解物である請求項1乃至請求項13いず
    れか記載の環状オリゴシロキサンの製造方法。
  15. 【請求項15】反応条件下で固体である金属アルコキシ
    ドを充填した、加熱された反応器に原料であるポリシロ
    キサンを通すことによる請求項1乃至請求項14いずれ
    か記載の環状オリゴシロキサンの製造方法。
  16. 【請求項16】減圧下で生成する環状オリゴシロキサン
    を留去することによる請求項1乃至請求項12いずれか
    記載の環状オリゴシロキサンの製造方法。
JP10344773A 1998-12-04 1998-12-04 環状オリゴシロキサンの製造方法 Pending JP2000169486A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2004039868A1 (ja) * 2002-11-01 2004-05-13 Nippon Unicar Company Limited 固体酸性酸化ジルコニウム触媒を用いたポリオルガノシロキサンの製造方法

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WO2004039868A1 (ja) * 2002-11-01 2004-05-13 Nippon Unicar Company Limited 固体酸性酸化ジルコニウム触媒を用いたポリオルガノシロキサンの製造方法

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