JP2000169456A - 3−アリールジヒドロ−1,3−ベンゾオキサジン化合物の製法 - Google Patents

3−アリールジヒドロ−1,3−ベンゾオキサジン化合物の製法

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JP2000169456A
JP2000169456A JP10351093A JP35109398A JP2000169456A JP 2000169456 A JP2000169456 A JP 2000169456A JP 10351093 A JP10351093 A JP 10351093A JP 35109398 A JP35109398 A JP 35109398A JP 2000169456 A JP2000169456 A JP 2000169456A
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aryldihydro
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mol
formalin
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Shozo Miura
昌三 三浦
Naoki Kano
直喜 狩野
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Shikoku Chemicals Corp
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Shikoku Chemicals Corp
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  • Heterocyclic Carbon Compounds Containing A Hetero Ring Having Nitrogen And Oxygen As The Only Ring Hetero Atoms (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 工業的製法に適した、収率の良い3−アリー
ルジヒドロ−1,3−ベンゾオキサジンの製法を提供す
る。 【解決手段】 フェノール化合物、ホルマリン及び芳香
族1級アミンを反応させて3−アリールジヒドロ−1,
3−ベンゾオキサジン化合物を製造するに当り、触媒と
して2級脂肪族アミン、3級脂肪族アミンあるいは塩基
性含窒素複素環化合物を用い、これらを実質的に有機溶
剤を含まない水溶媒中で存在させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、硬化反応時にお
ける揮発成分の発生が極めて少ない熱硬化性化合物とし
て有用な3−アリールジヒドロ−1,3−ベンゾオキサ
ジン化合物の製法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】フェノール化合物とホルマリン及び芳香
族1級アミンを反応させて、3−アリールジヒドロ−
1,3−ベンゾオキサジン化合物を合成させる方法は既
に知られており、特開昭49−47378号公報によれ
ばオキサジン環を生成する触媒として、酸性あるいはア
ルカリ性物質をあげているが、アルカリ性触媒としては
苛性カリまたは苛性ソーダの使用が開示されているに過
ぎない。これら無機系のアルカリ性物質を触媒に用いる
場合、反応生成物の収率が低いばかりか、触媒に由来す
る無機イオン性不純物が生成物中に含有される恐れがあ
り、工業的に満足しうる合成方法ではなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ジヒドロ−1,3−ベ
ンゾオキサジン化合物を成形材料として使用するに当た
っては、さらに良好な機械特性、電気特性並びに難燃性
を向上させるために、3位の置換基にメチル基、シクロ
ヘキシル基、フェニル基などが導入された種々の誘導体
が開発されている。ところが、3位に芳香族置換基を有
する3−アリールジヒドロ−1,3−ベンゾオキサジン
化合物は、原料の芳香族アミンの塩基性が芳香環との共
役により弱まり求核性が低下することが原因で、収率良
くオキサジン環を生成することが困難であった。
【0004】このような課題を解決する方法として、本
発明者らは原料に反応性の弱い芳香族1級アミンを用い
た場合においても、ジオキサンなどの有機溶媒中に触媒
として塩基性の強い2級脂肪族アミン、3級脂肪族アミ
ンあるいは塩基性含窒素複素環化合物を共存させること
によって、収率良くオキサジン環が生成することを既に
知見している〔特願平9−180484号〕。
【0005】しかしながら、上記の3−アリールジヒド
ロ−1,3−ベンゾオキサジン化合物を製造する方法に
よれば、比較的多くの有機溶剤の使用を余儀なくされ、
作業環境の悪化を防止するための廃ガス処理、廃液処理
などに高額の設備費を伴うため量産に適さないものであ
った。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、このよう
な事情に鑑み、鋭意検討を重ねた結果、フェノール化合
物、ホルマリン及び芳香族1級アミンを反応させて3−
アリールジヒドロ−1,3−ベンゾオキサジン化合物を
製造するに当り、触媒として2級脂肪族アミン、3級脂
肪族アミンあるいは塩基性含窒素複素環化合物を用い、
これらを実質的に有機溶剤を含まない水溶媒中で反応さ
せることによって所期の目的を達成した。
【0007】
【化2】 (式中、nは1〜4の整数であり、Rはアリール基、
は1〜4価の有機基を表す。)
【0008】
【発明の実施の形態】本発明方法の実施に当って、反応
系に存在させる水溶媒の使用量は、フェノール化合物1
重量部に対して、0.5〜5重量部の範囲が適当であ
り、通常原料ホルマリンに含まれる水量で充分である。
また、2級脂肪族アミンはフェノール化合物1モルに対
して0.5〜10%モルの割合とし、3級脂肪族アミン
及び塩基性含窒素複素環化合物は、フェノール化合物1
モルに対して0.5〜100%モルの割合でそれぞれ添
加すべきである。フェノール化合物に対するこれら化合
物の量が、この範囲を下廻ると所期の触媒効果が得られ
ず、またこの範囲を超えて添加しても目的物の収率は変
わらず、特に2級脂肪族アミンはホルマリンとの副反応
が起こり、目的物の収率が低下する。
【0009】本発明方法の実施に当っては、ホルマリン
水溶液とフェノール化合物を含む系に2級脂肪族アミ
ン、3級脂肪族アミンあるいは塩基性含窒素複素環化合
物を共存させ、これに芳香族アミンを50℃以下の温度
で徐々に加え、次いで80〜85℃で1〜2時間加熱す
れば良い。反応完結後、反応混合物の水層を分液ならび
に減圧下で留去することにより、目的物のオキサジン化
合物を得ることができる。精製を必要とする場合には、
得られたオキサジン化合物をエーテルなどの溶液とした
後、水酸化ナトリウム水溶液、塩酸水溶液および水で洗
浄し、エーテルを留去すればよい。さらに精製を必要と
する場合はカラムクロマトグラフィーなどの常法により
精製できる。
【00010】本発明方法の実施に当って用いられる代
表的な2級脂肪族アミン及び3級脂肪族アミンとして
は、ジプロピルアミン、ジブチルアミン、ジアミルアミ
ン、ジシクロヘキシルアミン、トリエチルアミン、トリ
プロピルアミンあるいは1,8−ジアザビシクロ〔5,
4,0〕ウンデセ−7−エンなどである。また、代表的
な塩基性含窒素複素環化合物としては、ピリジン、イミ
ダゾール、ピペリジン、モルホリンなどである。本発明
方法の実施において用いられる代表的なフェノール化合
物は下式で示されるものである。
【0011】
【化3】 (式中、nは1〜4の整数であり、Rは下記化4に示
した(I)〜(XVIII)の有機基を表す。)
【0012】
【化4】
【0013】本発明の実施において使用される代表的な
芳香族1級アミンは、アニリン、4−クロロアニリン、
トルイジン、ナフチルアミン、2−アミノチアゾールで
ある。水溶媒としては、ホルマリン溶液中に含まれる水
分だけでも実施できる。
【0014】
【実施例】以下、この発明を実施例および比較例によっ
て具体的に説明する。
【0015】〔実施例1〕37%ホルマリン水溶液0.
2モルとビスフェノールA0.05モルの懸濁溶液に、
触媒としてトリエチルアミン0.01モルを加え、内温
を50℃以下に保ちながらアニリン0.1モルを滴下し
た。滴下終了後、30分間60℃で攪拌したのち、80
〜85℃で1時間加熱した。反応液の高速液体クロマト
グラフィーによる収率は81%であった。反応混合物を
減圧乾固し、乾固物をエーテル100mlに溶解し、水
酸化ナトリウム水溶液、塩酸水溶液および水で洗浄し、
次いでエーテル層を減圧乾固して目的物2,2−ビス
(3,4−ジヒドロ−3−フェニル−1,3−ベンゾオ
キサジン)プロパン0.037モル(17.0g、収率
74モル%、純度91%)を得た。
【0016】〔実施例2〕実施例1におけるトリエチル
アミンの量を0.001モルに代え、実施例1と同様の
条件で反応を行った結果、反応後の高速液体クロマトグ
ラフィーによる収率は76%であった。
【0017】〔実施例3〕実施例1におけるトリエチル
アミンの代りに1,8−ジアザビシクロ〔5,4,0〕
ウンデセ−7−エン0.005モルを用い、実施例1と
同様の条件で反応を行った結果、反応液の高速液体クロ
マトグラフィーによる収率は73%であった。
【0018】〔実施例4〕実施例1におけるトリエチル
アミンの代りにジアミルアミン0.005モルを用い、
実施例1と同様の条件で反応を行った結果、反応液の高
速液体クロマトグラフィーによる収率は78%であっ
た。
【0019】〔実施例5〕実施例1におけるトリエチル
アミンの代りにピリジン0.005モルを用い、実施例
1と同様の条件で反応を行った結果、反応液の高速液体
クロマトグラフィーによる収率は70%であった。
【0020】〔実施例6〕実施例3における1,8−ジ
アザビシクロ〔5,4,0〕ウンデセ−7−エンの量を
0.001モルに代え、実施例1と同様の条件で反応を
行った結果、反応液の高速液体クロマトグラフィーによ
る収率は83%であった。
【0021】〔比較例1〕実施例1において、触媒のト
リエチルアミンを使用することなく実施例1と同様の条
件で反応を行った結果、反応液の高速液体クロマトグラ
フィーによる収率は49%であった。反応混合物を実施
例1と同様の処理を行い、2,2−ビス(3,4−ジヒ
ドロ−3−フェニル−1,3−ベンゾオキサジン)プロ
パン0.02モル(9.4g、収率41モル%、純度8
6%)を得た。
【0022】〔比較例2〕実施例1におけるトリエチル
アミンの代りに水酸化ナトリウム0.001モルを加
え、実施例1と同様の条件で反応を行った結果、反応液
の高速液体クロマトグラフィーによる収率は47%であ
った。
【0023】
【発明の効果】この発明によれば、フェノール化合物、
ホルマリン及び芳香族1級アミンを反応させるに当っ
て、触媒として2級脂肪族アミン、3級脂肪族アミンあ
るいは塩基性含窒素複素環化合物を用いて、フェノール
化合物、ホルマリン及び芳香族1級アミンを反応させて
いるので、3−アリールジヒドロ−1,3−ベンゾオキ
サジン化合物を収率良く合成しうる。また、これらの反
応を実質的に有機溶剤を含まない水溶媒中で行っている
ので、作業環境が甚だ良好であり且つ廃液処理並びに廃
ガス処理を簡素化しうるため、工業的製法として極めて
有用である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フェノール化合物、ホルマリン及び芳香
    族1級アミンを反応させて下記一般式で示される3−ア
    リールジヒドロ−1,3−ベンゾオキサジン化合物を製
    造するに当り、触媒として2級脂肪族アミン、3級脂肪
    族アミンあるいは塩基性含窒素複素環化合物を用い、こ
    れらを実質的に有機溶剤を含まない水溶媒中で反応させ
    ることを特徴とする3−アリールジヒドロ−1,3−ベ
    ンゾオキサジン化合物の製法。 【化1】 (式中、nは1〜4の整数であり、Rはアリール基、
    は1〜4価の有機基を表す。)
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