JP2000169410A - 粗フェノール液の処理方法 - Google Patents
粗フェノール液の処理方法Info
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Abstract
て得られる粗フェノール液中に含有する鉱酸の中和処理
において、除去効率が高く、長期間使用可能なマクロポ
ーラス型弱塩基性アニオン交換樹脂を利用した、鉱酸の
処理方法を提供する。 【解決手段】クメンヒドロペルオキシドの酸接触分解に
よって得られる粗フェノール液を、平均粒径が0.15〜1.
5mmの範囲、粒径分布均一度が1.0〜1.4の範囲のマクロ
ポーラス型弱塩基性アニオン交換樹脂に接触させること
によって、鉱酸を除去・中和する。
Description
染料、医薬などの製造のための中間体として有用である
フェノールの製造方法に関する。さらに詳しくは、クメ
ン法によるフェノールの製造において、クメンヒドロペ
ルオキシドの酸接触分解によって得られる粗フェノール
液を、中和処理する方法に関する。
て、各種の方法が提案されている。これらの方法の中
で、クメンを出発原料としてフェノールを合成する、い
わゆるクメン法フェノール製造プロセスが一般的に実用
化されている。このクメン法プロセスは、クメンを酸素
又は空気により酸化してクメンヒドロペルオキシド(以
下、「CHP」と略す)を生成し、次に得られたCHPを鉱酸
触媒の存在下に分解反応させてフェノールとアセトンを
得る方法である。
ラントにおいては、反応条件が温和で、かつ経済性にも
優れる、このクメン法プロセスが世界のフェノール製造
法の主流を占めている。クメン法によるフェノール製造
プロセスは、大きく分けて酸化系、濃縮系、クリベージ
系、中和系、精製系、リサイクル系から成り立ってい
る。クメンを酸化して得られるクメンヒドロペルオキシ
ドを酸により開裂(クリベージ)した後、中和工程にお
いて、触媒である鉱酸を中和する。この鉱酸は、通常、
苛性ソーダや、精製系などの各工程でフェノールの回収
のためにアルカリ水によって抽出され、リサイクルされ
たナトリウムフェノラート(以下、「フェネート」と略
す)を含有するアルカリ水溶液などによって中和される
場合と、アニオン交換樹脂などのイオン交換樹脂によっ
て中和される場合に大別される。
和処理では、中和処理液は油・水分離された後、水層の
一部は廃水として系外に取り出される。この際、中和廃
水中に少量のフェノールが分配されるため、経済的にも
環境問題の観点からも好ましくない。
れる。例えば、特開昭58-126824では、無機酸触媒の存
在下、加熱してCHPを開裂させることによって生成する
粗反応生成物の中和において、その粗生成物に、ナトリ
ウム、カリウム、カルシウム及びバリウムなどの非水性
金属水酸化物を添加することによって、無機酸を中和す
る方法が開示されている。
アルカリ塩は、中和工程の下流において種々のトラブル
の原因となることが知られている。つまり、各中和工程
の下流に設けられた濃縮塔や蒸留塔などにはリボイラー
が備え付けられているが、このリボイラーでプロセスを
流れる油液を加熱すると、中和に使用されたナトリウム
などがチューブ表面に析出し、リボイラーのファウリン
グを起こすという問題点があった。
りナトリウムなどのアルカリ塩をプロセスから除去する
ことが行われてきた。そのような方法の一つに充填濾剤
によるナトリウムなどのアルカリ除去があるが、この方
法では使用する濾材が短期間しか性能を維持できないな
どの問題点があった。
段階中に開裂生成物のpHを約4.0〜4.9に調整することに
よって、硫酸を重硫酸塩に転換する硫酸除去方法が開示
されている。しかし、本法でも酸性条件下ではα-メチ
ルスチレンのダイマーなどへの化学的損失が生じ、実際
的には経済的に好ましくない。
ル液の中和方法についても、従来から研究されており、
種々の方法が提案されている。イオン交換樹脂を用いた
粗フェノール液の中和方法は中和処理後の油層に含有さ
れるナトリウム塩が激減するので、上述の蒸留系でのリ
ボイラーのファウリング防止が図れる。また、蒸留系に
持ち込まれる水分量が激減するので、大幅なスチーム原
単位の改善が図れるなどのメリットを有する。この方法
では、母液をガラス製カラムに充填したイオン交換樹脂
に上向流あるいは下向流により通液するカラム式が多く
の場合採用されている。しかし、この方法では、樹脂の
架橋度が低いため、その樹脂と接触するフェノール中の
含水率の変動などによって、樹脂の収縮や膨潤が生じ、
これが原因となって、その樹脂の一部に破壊が生じた
り、樹脂充填層が不均一化される。その結果、樹脂充填
層の活性劣化が大きいという問題点があった。
検証したところ、従来のイオン交換樹脂による鉱酸の除
去方法では、酸の除去能力が十分でない上に、イオン交
換樹脂の破損などを生じるため、耐久性も十分ではなか
った。
ンを酸化して得られるクメンヒドロペルオキシドを酸開
裂させた後の粗フェノール液中に含有する鉱酸を、でき
るだけ温和な条件で、鉱酸の除去能力が高く、長期間、
樹脂の破損による劣化や不均一化を生じないイオン交換
樹脂による鉱酸の除去方法を提供することにある。
を解決するため、鋭意研究を行った結果、クメンを酸化
して得られるクメンヒドロペルオキシドを酸開裂させた
後の、鉱酸を含有する粗フェノール液を特定のイオン交
換樹脂と接触させることによって、フェノールの収率悪
化の原因となるp-クミルフェノールやα-メチルスチレ
ンダイマーなどの高沸点不純物を生成することなく、ま
た、長期間、イオン交換樹脂の劣化を生じることなく、
鉱酸を中和する方法を見出し、本発明を完成するに至っ
た。すなわち、本発明は、クメンヒドロペルオキシドの
酸接触分解によって得られる粗フェノール液を、平均粒
径が0.15〜1.5mmの範囲であり、かつ粒径分布均一度が
1.0〜1.4の範囲であるマクロポーラス型弱塩基性アニオ
ン交換樹脂と接触させることを特徴とする鉱酸を含有す
る粗フェノール液の処理方法である。
のに使用する、イオン交換樹脂(以下、「IER」と略
す)としては、一般に、塩基性アニオン交換樹脂が使用
できるが、本発明に用いられるイオン交換樹脂は、前記
のイオン交換樹脂のうち、アクリル-ジビニルベンゼン
共重合体を基体としたものに1級アミン、2級アミン、3
級アミンの、1種または2種以上を導入したものである。
これらのイオン交換樹脂は更に、強塩基性官能基である
4級アンモニウムが一部導入されていてもよい。また、
塩基性アニオン交換樹脂の形状には、ゲル型あるいは、
マイクロポーラス型のものがあるが、反応速度上、粒子
の強度上もマクロポーラス型が好ましく、本発明ではマ
クロポーラス型のイオン交換樹脂が用いられる。このよ
うな塩基性アニオン交換樹脂には、レバチット(バイエ
ル社製)、ダイヤイオン(三菱化学社製)、アンバーリ
スト(ロームアンドハース社製)など市販されている各
種のものが挙げられる。
制限はなく、実用pH範囲、即ち、pH0〜14の範囲、樹脂
の最高温度以内、通常、80℃以内において使用可能であ
る。実用使用するアニオン交換樹脂は、処理する鉱酸を
含有する粗フェノール液に対して、交換容量が大きいこ
と、再生効率が高いこと、圧力損失が小さく、逆洗展開
率が小さいこと、さらには機械的強度が大きく、浸透圧
ショックにも強いことが好ましい。交換容量が大きいと
使用する樹脂量が少なくなり、経済性が高くなる。ま
た、圧力損失が小さいと樹脂層高を高くする、あるいは
通液、通水速度を大きくすることが可能となる。さら
に、逆洗展開率が低いことは、強い逆洗を可能とする。
このような観点から、本発明において使用するイオン交
換樹脂は、マクロポーラス型の弱塩基性アニオン交換樹
脂である。マクロポーラス型の弱塩基性アニオン交換樹
脂は使用中の体積変化が少なく、交換速度が速い。ま
た、再生効率も良い。さらに、重炭酸イオンや塩化物濃
度の影響も少なく、機械的強度、耐酸化性に優れ、交換
容量が流速、温度にあまり影響されないため、比較的低
温でも使用可能である。 本発明に用いるイオン交換樹
脂の平均粒径及び粒径分布均一度は、水を吸収して湿潤
した状態の樹脂に関して測定されたものである。樹脂の
粒径分布均一度は以下の式により定義される。
留体積40%の目開き(mm) B:ふるい残留体積90%の目開き(mm) 使用するイオン交換樹脂の平均粒径は、0.15〜1.5mmの
範囲のものである。1.5mmよりも大きい平均粒径では、
反応物質の樹脂粒子内の拡散速度が小さくなり、交換速
度が小さくなるだけでなく、樹脂単位重量当たりの接触
面積(比表面積)が小さくなり、除去効率が低下する。
一方、平均粒径が0.15mmよりも小さい場合では粗フェノ
ール液を流通させる際の樹脂充填層の接触抵抗が大きく
なる。従って、平均粒径は0.15〜1.5mmの範囲、好まし
くは0.2〜1.2mmの範囲、更に好ましくは0.3〜1.0mmの範
囲である。また、樹脂の粒径分布均一度については、そ
の値が小さい場合は、粗フェノール液を流通させる際の
接触抵抗が大きくなり、反対に、その値が大きい場合
は、除去効率が低下するので、本発明における粒径分布
均一度は1.0〜1.4の範囲である。
脂に含まれている架橋剤の含有量(重量%)で表され
る。架橋度が5%より小さければ、細孔の網目(ミクロポ
アの孔径)が増大し、イオン交換速度は増加するが、単
位体積当たりのイオン交換容量が低下する。一方、架橋
度が10%よりも大きければ、機械的強度は増加するが、
細孔の網目が小さくなり、イオン交換反応が遅くなる。
従って、イオン交換樹脂の架橋度は、5〜10%の範囲のも
のが好ましい。
ングについては、乾燥していても湿潤のままでも使用で
きるが、湿潤の場合は、鉱酸を含有する粗フェノール液
を通液する前に予め、被処理液であるフェノールを含有
する非水溶媒と相溶性のある溶媒に置換しておくことが
好ましい。その場合、アセトンが好適である。また、使
用するアニオン交換樹脂はOH型の場合、再生処理などで
抜液する際などは、窒素雰囲気下、あるいは減圧下で行
うことが好ましい。イオン交換樹脂の大気との接触は、
空気中の二酸化炭素を吸収して、一部、炭酸水素イオン
型となり、交換容量の低下を招く。従って、接触する二
酸化炭素量は痕跡量まで低減させておくことが好まし
い。
中の鉱酸は、通常、硫酸が用いられる。また、粗フェノ
ール液中の鉱酸濃度は、10〜1000ppmの範囲のものが用
いられる。鉱酸含有濃度が10ppmより低濃度では、CHPを
開裂してフェノールとアセトンを得る工程において、反
応が不十分となり、残存CHPが増加し、条件によっては
再び急激に反応を開始する可能性があるため、通常はこ
の濃度よりも高い濃度で行われる。一方、鉱酸濃度が10
00ppmより高濃度では、イオン交換樹脂の負荷量が増大
するだけでなく、酸開裂反応の際に生成する高沸点不純
物が増加してフェノールの収率が低下することがわかっ
ている。従って、粗フェノール液中の鉱酸濃度は、10〜
1000ppmの範囲、好ましくは50〜800ppmの範囲、さらに
好ましくは100〜600ppmの範囲である。
マクロポーラス型弱塩基性アニオン交換樹脂をカラムに
充填し、被処理液を上向流あるいは、下向流により通液
するカラム式が挙げられるほか、バッチ式にしても差し
支えない。カラム操作時の流体の空間速度SVは、 1〜
30ml-粗フェノール液/ml-IER/hの範囲である。SVが1
ml-粗フェノール液/ml-IER/hより低い場合は、装置が
大型化する。一方、SVが30ml-粗フェノール液/ml-IE
R/hより大きい場合は、イオン交換樹脂の利用効率が低
下する。従って、SVは 1〜30ml-粗フェノール液/ml-
IER/hの範囲であり、好ましくは2〜20ml-粗フェノール
液/ml-IER/hの範囲、さらに好ましくは3〜15ml-粗フ
ェノール液/ml-IER/hの範囲である。
利用するアルカリ水溶液は、通常、苛性ソーダ水溶液が
使用できる。また、該アルカリ濃度は特に制限はない
が、通常、2〜20重量%の範囲ものを使用するのが好まし
い。また、その使用量は、再生する樹脂中の交換容量に
応じて、適宜決定されるが、最低交換容量の当量分以上
存在すればよく、好ましくは1.1〜1.5倍当量使用する。
また、再生温度に特に制限はないが、通常、常温付近で
行われる。
する。
ロポーラス型、架橋度6%、総交換容量 1.5meq/ml、バイ
エル製)をふるい分け、平均粒径 0.54mm、粒径分布均
一度 1.2のイオン交換樹脂を得た。このイオン交換樹脂
を水浸漬状態で13mlを、ガラス製カラム(内径D 1.5c
m、高さL 7.5cm:L/D=5)に常温で充填した。次に、ア
セトンを、ポンプによって空間速度 SV 5ml-Acetone/ml
-IER/hでカラム上部から1時間通液し、イオン交換樹脂
を非水系溶媒(アセトン)に置換した。次いで、クメン
法製造プロセスから得られた鉱酸を含有する粗フェノー
ル液(組成:硫酸 490ppm、フェノール 37.6%、アセト
ン 49.4%、クメン 8.4%、α-メチルスチレン 3.7%、そ
の他にアセトフェノン、ジメチルフェニルカルビノー
ル、p-クミルフェノール、メシチルオキシド、メチルス
チレンダイマー、ヒドロキシアセトンなどが検出され
た。)を空時速度SV 10ml-粗フェノール液/ml-IER/h
でカラム上部から通液した。処理液中のギ酸、酢酸及び
硫酸のリーク量はShim-pack IC-A3カラムを装着したイ
オンクロマトグラフで測定した。通液は処理液中の硫酸
濃度が2ppm以上になったところで通液を停止した。
空時速度 SV 5ml-NaOH/ml-IER/hでカラム上部から1時間
通液し、樹脂の再生を行った。さらに、空時速度 SV 5m
l-H2O/ml-IER/hでカラム上部から蒸留水を用いて通液・
洗浄した。水洗浄は最終洗浄水のpHが9となった時点で
終了した。
の通液まで硫酸リーク量 0.5ppm以下を維持した。
若干の着色(薄茶色→褐色)は見られるものの、充填層
における膨潤・収縮による樹脂の破砕や不均一化は観察
されなかった。
チットMP64の平均粒径が0.15mm、粒径分布均一度 1.1の
ものを使用した以外は実施例1と同様の方法で実施し
た。
量の通液まで硫酸リーク量 0.5ppm以下を維持した。ま
た、処理液を通液した後の樹脂の外観は若干の着色(薄
茶色→褐色)は見られるものの、充填層における膨潤・
収縮による樹脂の破砕や不均一化は観察されなかった。
チットMP64に代えて、架橋度8%の弱イオン交換樹脂レバ
チットMP62(マクロポーラス型、平均粒径 0.65mm、粒
径分布均一度 1.3、総交換容量 1.7meq/ml、バイエル
製)にした以外は実施例1と同様の方法で実施した。
の通液まで硫酸リーク量 0.5ppm以下を維持した。ま
た、処理液を通液した後の樹脂の外観は若干の着色(薄
茶色→褐色)は見られるものの、樹脂層における膨潤・
収縮による樹脂の破砕や不均一化は観察されなかった。
l-粗フェノール液/ml-IER/hにした以外は実施例1と同
様の方法で実施した。
の通液まで硫酸リーク量 0.5ppm以下を維持した。ま
た、処理液を通液した後の樹脂の外観は若干の着色(薄
茶色→褐色)は見られるものの、樹脂層における膨潤・
収縮による樹脂の破砕や不均一化は観察されなかった。
脂レバチットMP64(バイエル製)を、水浸漬状態で13ml
をガラス製カラム(内径D 1.5cm、高さL 7.5cm:L/D=
5)に常温で充填した。次に、アセトンをポンプによっ
て空間速度 SV 5ml-Acetone/ml-IER/hでカラム上部から
1時間通液し、イオン交換樹脂を非水系溶媒(アセト
ン)に置換した。次いで、鉱酸を含有する粗フェノール
液(硫酸濃度490ppm)を空時速度SV 4.5ml-粗フェノー
ル液/ml-IER/hでカラム上部からイオン交換樹脂の80倍
量通液した。80倍量通液時の硫酸のリーク量はShim-pac
k IC-A3カラムを装着したイオンクロマトグラフで測定
した。
空時速度 SV 5ml-NaOH/ml-IER/hでカラム上部から1時間
通液し、樹脂の再生を行った。さらに、空時速度 SV 5m
l-H2O/ml-IER/hでカラム上部から蒸留水を用いて通液・
洗浄した。水洗浄は最終洗浄水のpHが9となった時点で
終了した。
酸リーク量が2ppm以上となった時点でイオン交換樹脂が
破過したものとして通液を停止した。
クルまで硫酸リ−ク量 0.5ppm以下を維持した。使用後
のイオン交換樹脂の総交換容量は1.48meq/mlであり、ほ
とんど劣化傾向は観察されなかった。また、使用後の樹
脂の外観は若干の着色(薄茶色→褐色)は見られるもの
の、樹脂層における膨潤・収縮による樹脂の破砕や不均
一化は観察されなかった。
チットMP64に代えて、市販の強塩基性アニオン交換樹脂
レバチットMP500(マクロポーラス型、平均粒径 0.84m
m、粒径分布均一度 1.2、総交換容量 1.2meq/ml、バイ
エル製)を使用した以外は実施例1と同様の方法で実施
した。
の通液で硫酸リーク量 2.5ppmに達したので、通液を中
止した。また、使用後の樹脂の一部が破損していた。
チットMP64に代えて、平均粒径が5.12mm、粒径分布均一
度 1.2の弱塩基性アニオン交換樹脂を使用した以外は実
施例1と同様の方法で実施した。
の通液で硫酸リーク量 2.8ppmに達したので、通液を中
止した。また、使用後の樹脂の外観において若干の着色
(薄茶色→褐色)が見られた。しかしながら、樹脂層に
おける膨潤・収縮による樹脂の破砕や不均一化は観察さ
れなかった。
均粒径が0.58mm、粒径分布均一度 1.6の弱塩基性アニオ
ン交換樹脂を使用した以外は実施例1と同様の方法で実
施した。 通液実験の結果、イオン交換樹脂の57倍量の
通液で硫酸リーク量2.3ppmに達したので、通液を中
止した。また、使用後の樹脂の外観は若干の着色(薄茶
色→褐色)が見られた。しかしながら、樹脂層における
膨潤・収縮による樹脂の破砕や不均一化は観察されなか
った。
橋度4%の弱塩基性アニオン交換樹脂にした以外は実施例
1と同様の方法で実施した。通液実験の結果、イオン交
換樹脂の67倍量の通液まで硫酸リーク量 0.5ppm以下を
維持していたが、極僅かに使用後の樹脂の破損が確認さ
れ、樹脂は、若干柔らかくなっていた。
添加により1520ppmにした以外は実施例1と同様の方法で
実施した。
の通液で硫酸リーク量 2.2ppmに達したので、通液を中
止した。また、使用後の樹脂の外観は若干の着色(薄茶
色→褐色)は見られるものの、樹脂層における膨潤・収
縮による樹脂の破砕や不均一化は観察されなかった。
にした以外は実施例1と同様の方法で実施した。通液実
験の結果、イオン交換樹脂の68倍量の通液で硫酸リーク
量 2.4ppmに達したので、通液を中止した。また、使用
後の樹脂の外観は若干の着色(薄茶色→褐色)は見られ
るものの、樹脂層における膨潤・収縮による樹脂の破砕
や不均一化は観察されなかった。
販の強塩基性アニオン交換樹脂レバチットMP500(バイ
エル製)を使用し、鉱酸を含有する粗フェノール液(硫
酸濃度490ppm)を空時速度SV 4.5ml-粗フェノール液/ml
-IER/hでイオン交換樹脂の60倍量通液した以外は実施例
5と同様の方法で実施した。
ルで硫酸リ−ク量が3.1ppmに達したため、繰り返し通液
を中止した。使用後のイオン交換樹脂の総交換容量は1.
2meq/mlから0.75meq/mlに低下していた。また、使用後
の樹脂の一部が破損していた。
シドの酸接触分解によって得られる粗フェノール液中に
含有する鉱酸を、マクロポーラス型低塩基性アニオン交
換樹脂に接触させることによって、フェノールの収率悪
化の原因となるp-クミルフェノールやメチルスチレンダ
イマーなどの高沸点不純物を生成することなく、また、
長期間、イオン交換樹脂が劣化することなく鉱酸を中和
することが可能となる。
Claims (5)
- 【請求項1】クメンヒドロペルオキシドの酸接触分解に
よって得られる粗フェノール液を、平均粒径が0.15〜1.
5mmの範囲であり、かつ粒径分布均一度が1.0〜1.4の範
囲であるマクロポーラス型弱塩基性アニオン交換樹脂と
接触させることを特徴とする鉱酸を含有する粗フェノー
ル液の処理方法。 - 【請求項2】マクロポーラス型弱塩基性アニオン交換樹
脂の架橋度が5〜10%の範囲である請求項1に記載の方
法。 - 【請求項3】粗フェノール液中に含まれる鉱酸濃度が10
〜1000ppmの範囲である請求項1に記載の方法。 - 【請求項4】粗フェノール液中に含まれる鉱酸が硫酸で
ある請求項1に記載の方法。 - 【請求項5】粗フェノール液の空間速度SVが1〜30ml-粗
フェノール液/ml-IER/hの範囲である請求項1に記
載の方法。
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JP3948845B2 JP3948845B2 (ja) | 2007-07-25 |
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1998
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