JP2000168889A - 液体貯留装置 - Google Patents

液体貯留装置

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JP2000168889A
JP2000168889A JP10349721A JP34972198A JP2000168889A JP 2000168889 A JP2000168889 A JP 2000168889A JP 10349721 A JP10349721 A JP 10349721A JP 34972198 A JP34972198 A JP 34972198A JP 2000168889 A JP2000168889 A JP 2000168889A
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JP
Japan
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spherical
liquid
tannin
spherical floating
solution
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JP10349721A
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English (en)
Inventor
Zenichi Nishi
善一 西
Seiji Ikuta
誠治 生田
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Tohzai Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Tohzai Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ランニングコストの増大を抑制しながら、貯
留液体の空気との接触による変質を簡単な構造で防止で
きるようにした液体貯留装置を提供する。 【解決手段】 複数の球形浮体5を貯留液体1の液面4
の略全面に亘って互いに密接するように浮かべ、それら
の球形浮体の隣り合うものどうしの隙間を、それらの球
形浮体に液面から浮上するように支持させた球体6で覆
ってある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、貯留液体と空気と
の接触による貯留液体の変質を防止できるようにしてあ
る液体貯留装置に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、ボイラ設備においては、ボイラ
水に含まれている酸素による配管の腐食を防止するため
に、酸素と反応してその酸素を除去する脱酸素剤をボイ
ラ水に添加する必要があり、脱酸素剤の溶液を供給タン
クに貯蔵しておいて、ボイラの運転に伴って、必要量の
脱酸素剤溶液を供給タンクからボイラ水に供給するよう
にしている。
【0003】ところが、脱酸素剤は、ボイラ水に含まれ
る酸素を除去するだけでなく、空気中の酸素と反応する
ものが多く、供給タンクに貯蔵している間に空気中の酸
素を吸収して、その脱酸素能力が低下してしまう問題が
ある。
【0004】特に、5倍子タンニン,没食子タンニン,
タラタンニン,チェスナットタンニン,スマックタンニ
ン等の加水分解型タンニンからなる脱酸素剤をナトリウ
ムやカリウム,アンモニア等のアルカリ性タンニン溶液
として調整すると、酸素と非常に反応しやすい没食子酸
塩とアルコール化合物を生成するが、この没食子酸塩
が、供給タンクに貯留している間に空気中の酸素と連続
的に反応して、早いものでは2日後に脱酸素能力を失っ
てしまうことがある。
【0005】このような事態を防止するために、従来、
加水分解型タンニンを中性以下の酸性側のタンニン溶液
として供給タンクに貯蔵しておき、ボイラ水への供給時
に、このタンニン溶液にアルカリ性溶液を混ぜて、没食
子酸塩を生成したアルカリ性タンニン溶液として調整し
てからボイラ水に供給したり、アルカリ性タンニン溶液
を貯蔵している供給タンク内に窒素ガスを充填して、空
気中の酸素との接触を防止する等の対策を取っている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、加水分
解型タンニンを酸性側のタンニン溶液として供給タンク
に貯蔵しておいて、ボイラ水への供給時にアルカリ性溶
液を混ぜる場合は、アルカリ性溶液を貯蔵するタンク
や、そのアルカリ性溶液をタンニン溶液に供給する配管
やバルブ等の供給装置が別途必要となり、また、アルカ
リ性タンニン溶液を貯蔵している供給タンク内に窒素ガ
スを充填する場合は、供給タンク内の液面の上下変動に
応じて、窒素ガスの充填量を調節できるような窒素ガス
の供給装置を設置する必要があるので、液体貯留装置の
構造が煩雑化するとともに、アルカリ性溶液や窒素ガス
の貯蔵及び供給装置の維持管理に手間がかかり、ランニ
ングコストが増大する欠点がある。
【0007】本発明は上記実情に鑑みてなされたもので
あって、ランニングコストの増大を抑制しながら、貯留
液体の空気との接触による変質を簡単な構造で防止でき
るようにした液体貯留装置を提供することを目的とす
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の液体貯留
装置の特徴構成は、複数の球形浮体を貯留液体の液面の
略全面に亘って互いに密接するように浮かべ、それらの
球形浮体の隣り合うものどうしの隙間を、それらの球形
浮体に前記液面から浮上するように支持させた球体で覆
ってある点にある。
【0009】つまり、貯留液体の液面の略全面に亘って
互いに密接するように浮かべた複数の球形浮体によっ
て、空気に接触する液面の面積を少なくすることができ
るとともに、その液面近くの貯留液体が、隣り合う球形
浮体どうしの隙間に入り込むので、球形浮体どうしの隙
間に入り込んだ貯留液体が空気に接触して変質しても、
その変質した貯留液体が、球形浮体よりも下側の貯留液
体と入れ替わりにくく、球形浮体の下側の貯留液体と空
気との接触が、球形浮体どうしの隙間に入り込んで変質
した貯留液体によって抑制される。
【0010】また、互いに密接する球形浮体の隣り合う
ものどうしの液面上の隙間を、それらの球形浮体に液面
から浮上するように安定に支持させることができる球体
で覆ってあるので、液面近くの空気が、球形浮体の隣り
合うものどうしとそれらの球形浮体に支持させた球体と
で囲まれた隙間内に入り込み、その隙間内に入り込んだ
空気が貯留液体の液面に接触して組成が変化しても、そ
の組成が変化した隙間内の空気が隙間の外側の空気と入
れ替わりにくく、隙間の外側の空気と貯留液体との接触
が、隙間内に入り込んで組成が変化した空気によって抑
制される。
【0011】従って、貯留液体に浮かべた複数の球形浮
体と、それらの球形浮体に支持させた球体とで、貯留液
体の空気との接触による変質の進行を遅らせることがで
き、ランニングコストの増大を抑制しながら、貯留液体
の空気との接触による変質を簡単な構造で防止できる。
【0012】尚、球形浮体に支持させる球体を貯留液体
に浮かぶように構成してある場合は、球形浮体による支
持が外れても、貯留液体中に沈み込んでその貯留液体の
使用に支障をきたすようなおそれが少ない。
【0013】請求項2記載の液体貯留装置の特徴構成
は、前記球体を前記球形浮体と同じもので構成してある
点にある。
【0014】つまり、球体を球形浮体と区別することな
く貯留液体に投入して、貯留液体の液面の略全面に亘っ
て互いに密接するように浮いたものを球形浮体とし、そ
れらの球形浮体に液面から浮上するように支持されたも
のを球体として使用することができる。
【0015】従って、球形浮体の隣り合うものどうしの
隙間を覆う球体を、それらの球形浮体に容易に支持させ
ることができる。
【0016】尚、貯留液体を液面の上部から落下させて
補給するよう構成してある場合には、その落下してきた
貯留液体が球形浮体や球体に衝突して、それらが一時的
に貯留液体中に沈み込むようなことがあっても、元の状
態に容易に復帰させることができる。
【0017】請求項3記載の液体貯留装置の特徴構成
は、前記球形浮体の外径を20mm未満に設定し、前記
球体の外径を前記球形浮体の外径を越えない大きさに設
定してある点にある。
【0018】つまり、球形浮体の隣り合うものどうし、
及び、球形浮体と球体とを小さい隙間を隔てて、かつ、
小さい接触角で密接させることができるので、液面上に
おける球形浮体の隣り合うものどうしの間や球形浮体と
球体との間に貯留液体が毛細管現象で上昇し易いととも
に、球形浮体の隣り合うものどうしや球形浮体と球体と
の間に、それらの隙間を塞ぐような液膜を表面張力で形
成し易く、球形浮体の隣り合うものどうしの隙間に入り
込んだ空気がその隙間から出にくい。
【0019】従って、隙間の内外の空気の入れ替わりを
効果的に抑制することができる。
【0020】尚、球体の外径を球形浮体の外径と略同じ
外径に設定してある場合は、球体の隣り合うものどうし
も、小さい隙間を隔てて、かつ、小さい接触角で密接さ
せることができるので、球体との間に貯留液体が毛細管
現象で上昇し易いとともに、球体どうしの間に球体どう
しの隙間を塞ぐような液膜を表面張力で形成し易く、隙
間の内外の空気の入れ替わりを一層効果的に抑制するこ
とができる。
【0021】請求項4記載の液体貯留装置の特徴構成
は、前記球形浮体を、ポリプロピレン樹脂,ポリエチレ
ン樹脂,塩化ビニル樹脂,ナイロン樹脂,ポリカーボネ
イト樹脂のうちから選択した樹脂で中空に成形してある
点にある。
【0022】つまり、球形浮体を製作し易いとともに、
中空部の大きさによってその見かけ比重を設定すること
ができ、所望の浮力を備えた球形浮体を製作することが
できる。
【0023】従って、球形浮体を安価に製作できるとと
もに、球体を液面から所望の浮上量で浮上させて球形浮
体に支持させることができる。
【0024】請求項5記載の液体貯留装置の特徴構成
は、前記貯留液体が加水分解型タンニンのアルカリ水溶
液である点にある。
【0025】つまり、加水分解型タンニンのアルカリ水
溶液に生成される没食子酸塩と空気中の酸素との反応を
抑制することができる。
【0026】従って、加水分解型タンニンを脱酸素剤と
して効率良く使用することができる。
【0027】請求項6記載の液体貯留装置の特徴構成
は、前記加水分解型タンニンが、5倍子タンニン,没食
子タンニン,タラタンニン,チェスナットタンニン,ス
マックタンニンのうちのいずれかである点にある。
【0028】つまり、加水分解型タンニンのうちでも、
比較的入手容易な、5倍子タンニン,没食子タンニン,
タラタンニン,チェスナットタンニン,スマックタンニ
ンのうちのいずれかを脱酸素剤として使用することがで
きる。
【0029】従って、ボイラ設備において、ボイラ水に
含まれている酸素による配管の腐食を防止するために、
加水分解型タンニンを脱酸素剤としてボイラ水に添加す
る場合に、ランニングコストの低減を図ることができ
る。
【0030】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。 〔第1実施形態〕図1は、ボイラ水に含まれている酸素
による配管の腐食を防止するする為に、本発明に係る液
体貯留装置の一例としての脱酸素剤供給タンクAを備え
たボイラ設備の概略フローを示し、Bはボイラ、Cは蒸
気ため、Dは蒸気タービン、Eは復水器、Fは復水タン
ク、Gはボイラ水補給タンク、Hは軟水装置、Jはボイ
ラ水補給ポンプ、Kはボイラ給水路、Lは蒸気路、Pは
ボイラ給水ポンプである。
【0031】前記脱酸素剤供給タンクAは、貯留液体の
一例である脱酸素剤溶液1を、脱酸素剤供給管Mに設け
た脱酸素剤補給ポンプNによって、ボイラ給水路Kの途
中箇所からボイラ水に添加するようにしてある。
【0032】前記脱酸素剤溶液1は、脱酸素剤としての
加水分解型タンニンをアルカリ性タンニン溶液として調
整して、酸素と反応しやすい没食子酸塩とアルコール化
合物を生成させたもので、その没食子酸塩をボイラ水に
含まれている酸素と反応させて、配管の腐食の原因にな
る酸素を除去すようにしてある。
【0033】尚、加水分解型タンニンとしては、5倍子
タンニン,没食子タンニン,タラタンニン,チェスナッ
トタンニン,スマックタンニンのうちのいずれを使用し
ても良く、また、加水分解型タンニンをアルカリ性タン
ニン溶液として調整するためのアルカリ剤としては、ナ
トリウムアルカリやカリウムアルカリ,アンモニアアル
カリ等のいずれを使用しても良いが、ナトリウムアルカ
リやカリウムアルカリをアルカリ剤として、強アルカリ
性タンニン溶液として調整するのが望ましい。
【0034】本実施形態では、脱酸素剤溶液1を、5重
量%の五倍子タンニンと5重量%の水酸化ナトリウムと
を含む水溶液で、比重が約1.073の強アルカリ性タ
ンニン溶液として調整してある。
【0035】図2は脱酸素剤供給タンクAを示し、樹脂
製タンク本体2に上蓋3を着脱自在に設けて、脱酸素剤
溶液1を液面4の上部から落下させて補給できるように
構成するとともに、樹脂製タンク本体2の底部に脱酸素
剤供給管Mを連通接続してある。
【0036】そして、図3,図4に示すように、タンク
本体2に貯留した脱酸素剤溶液1の液面4の略全面に亘
って、複数の球形浮体5をひとつの層を形成する状態で
互いに密接するように浮かべ、それらの球形浮体5の隣
り合うものどうしの隙間の各々を、それらの球形浮体5
に液面4から浮上するように支持させた球体6で覆っ
て、供給タンクに貯留している間に脱酸素剤溶液1が空
気中の酸素と反応して、短期間のうちに脱酸素能力を失
ってしまう事態を防止してある。
【0037】前記球形浮体5と球体6は、図5に示すよ
うに、外径Q1も内径Q2も同じ樹脂成形した中空子球
7で構成してあるので、以下、球形浮体5と球体6とを
総称して中空子球7という。
【0038】前記中空子球7の外径Q1は20mm未満
であれば良いが、外径Q1が小さすぎると、多量に必要
であり、しかも、精度良く加工しにくくなって価格が高
くなるので、本実施形態では、外径Q1を約10mmに
成形したものを、タンク本体2に貯留してある脱酸素剤
溶液1に球形浮体5及び球体6として投入してある。
【0039】また、中空子球7を成形する樹脂は、ポリ
プロピレン樹脂,ポリエチレン樹脂,塩化ビニル樹脂,
ナイロン樹脂,ポリカーボネイト樹脂のうちから選択し
た樹脂であれば良いが、加工性や価格から、ポリプロピ
レン樹脂やポリエチレン樹脂が望ましく、本実施形態で
は、比重0.37のポリプロピレン樹脂で成形して、見
掛比重が0.21になるように内径Q2を設定してあ
る。
【0040】そして、図3に示すように、脱酸素剤溶液
1の液面4の略全面に亘って互いに密接するように浮か
んでいる球形浮体5は、液面4から約6mmの深さdで
脱酸素剤溶液1中に沈み込み、それらの球形浮体5に支
持させた球体6は、液面4から約3mmの高さhで浮上
している。
【0041】〔第2実施形態〕図6は、複数の球形浮体
5を、液面4近くに浮かべた上側の球形浮体5a(5)
と、上側の球形浮体5aの隣り合うものどうしの間に入
り込む下側の球形浮体5b(5)との上下複数段(本実施
形態では二段)の層を形成する状態で液面4の略全面に
亘って互いに密接するように浮かべ、上側の球形浮体5
aの隣り合うものどうしの隙間の各々を、隙間の上側に
入り込んでそれらの球形浮体5aに液面4から浮上する
ように支持させた下側の球体6a(6)と、下側の球体6
aの隣り合うものどうしの間に入り込む上側の球体6b
(6)との上下複数段(本実施形態では二段)の層を形成す
る状態で液面4から浮上させた複数の球体6で覆ってあ
る実施形態を示す。
【0042】上下複数段の球形浮体5は、全体として液
面4から約13mmの深さdで脱酸素剤溶液1中に沈み
込み、それらの球形浮体5に支持させた下側の球体6a
は、液面4から約3mmの高さhで浮上している。
【0043】本実施形態によれば、液面4下の隣り合う
球形浮体5どうしの隙間が上下複数段の球形浮体5a,
5bに亘って形成され、隣り合う球体6どうしの隙間が
上下複数の球体6a,6bに亘って形成されるので、そ
れらの隙間に入り込んだ脱酸素剤溶液1や空気が一層入
れ替わりにくくなる。その他の構成は第1実施形態と同
様である。
【0044】図7は、第1実施形態で示した脱酸素剤溶
液1の調整時の脱酸素能力を100%として、第1実施
形態で示した構成で貯留した場合(以下、実施例1とい
う)と、第2実施形態で示した構成で貯留した場合(以
下、実施例2という)と、後述する7例の比較用の構成
で貯留した場合(以下、比較例1,2,3,4,5,
6,7という)との各々について、直径170mmのビ
ーカー(容量5L)内で再現して、各例における脱酸素能
力の経日変化の比較結果を示す。
【0045】図7から、比較例1〜7によれば、5日経
過すると約20%程度にまで低下しているのに対して、
実施例1及び実施例2によれば、15日経過した後で
も、脱酸素能力がほとんど低下していないことがわか
る。
【0046】前記比較例1〜7について説明する。比較
例1は、脱酸素剤溶液1に球形浮体5も球体6も投入し
ない状態である。比較例2は、図8に示すように、直径
4mmの発泡スチロール製の球形体8を上下四段の層を
形成する状態で、液面4の略全面に亘って互いに密着す
るように浮かべてある状態で、下から3段目までの球形
体8aが完全に液面4よりも下側に沈み込んで、最上段
の球形体8bを液面4から浮上させて支持することがで
きず、また、脱酸素剤溶液1がしみ込むに伴って、次第
に沈下していった。比較例3は、図示しないが、比重が
約0.5,直径が約3mm,長さが約5mmの円柱状樹
脂製チップを液面4の略全面に亘って互いに密着するよ
うに約40mmの層状に浮かべてある状態で、液面から
浮上するように支持されているチップはなかった。比較
例4は、図示しないが、第1実施形態で示したと同じ中
空子球7を一段の層になるように浮かべてある状態で、
中空子球7は液面4から約4mm沈み込んだ。比較例5
は、図9に示すように、比重0.22のポリプロピレン
樹脂で成形して、見掛比重が0.13になるように内径
Q2を設定してある外径Q1が20mmの中空子球9を
上下2段の層を形成する状態で、液面4の略全面に亘っ
て互いに密着するように浮かべてある状態で、下段の中
空子球9(9a)が液面から約11mmの深さdで沈み込
み、上段の中空子球9(9b)は、下段の中空子球9aに
液面4から約7mmの高さhで浮上するように支持され
て、下段の中空子球9aの隣り合うものどうしの隙間を
覆っていた。比較例6は、図10に示すように、比較例
5で示したと同じ中空子球9を上下3段の層を形成する
状態で、液面4の略全面に亘って互いに密着するように
浮かべてある状態で、最下段の中空子球9(9a)の略全
体が液面4下に沈み込んだ。比較例7は、図示しない
が、直径160mm,厚さ10mmの発泡スチロール板
を、ビーカーの内壁面との間に約5mm程度の隙間を隔
てて浮かべた状態である。
【0047】[表1]は、脱酸素剤溶液1としてのタン
ニン酸と水酸化ナトリウムの水溶液(強アルカリ性タン
ニン溶液)の比重の、水溶液に含ませるタンニン酸の重
量%(Wt)と水酸化ナトリウムの重量%(Wn)との
組み合わせに応じた値を示している。
【0048】
【表1】
【0049】[表2]は、外径10mm及び20mmの
ポリプロピレン樹脂製の中空子球と、直径が3mm、長
さが5mmの円柱状樹脂製チップ(TPX粒)の真比重
と見掛比重とを示している。
【0050】
【表2】
【0051】[表3]は、中空子球とTPX粒の各々を
一段または二段に重なるように溶液に浮かべたときの、
液面下に沈んだ深さ(mm)を溶液の比重毎に示してお
り、カッコ内は液面上の高さ(mm)を示している。
【0052】
【表3】
【0053】〔その他の実施形態〕 〈1〉本発明による液体貯留装置は、球形浮体と、それ
らの球形浮体に支持させる球体とが、材質が互いに異な
るものであっても良い。 〈2〉本発明による液体貯留装置は、球形浮体、又は、
それらの球形浮体に支持させる球体、又は、それらの双
方が中実の球体で構成されていても良い。 〈3〉本発明による液体貯留装置は、球形浮体に支持さ
せる球体の外径が、球形浮体に支持可能な範囲内で、球
形浮体の外径よりも小さい外径に設定されていても良
い。 〈4〉本発明による液体貯留装置は、脱酸素剤溶液以外
に、例えば、酸化しやすい油や、空気中の二酸化炭素と
反応しやすいアルカリ溶液等を貯留するものであっても
良い。 〈5〉本発明による液体貯留装置は、脱酸素剤溶液を添
加したボイラ水を貯留液体として貯留し、第1実施形態
や第2実施形態に示したように、複数の球形浮体をその
貯留しているボイラ水の液面の略全面に亘って互いに密
接するように浮かべ、それらの球形浮体の隣り合うもの
どうしの隙間を、それらの球形浮体に液面から浮上する
ように支持させた球体で覆ってあるボイラ設備における
ボイラ水補給タンクであっても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】ボイラ設備の概略フロー
【図2】液体貯留装置の断面図
【図3】要部の側面図
【図4】要部の平面図
【図5】要部の断面図
【図6】第2実施形態を示す要部の側面図
【図7】脱酸素能力の経日変化を示すグラフ
【図8】比較例2を示す要部の側面図
【図9】比較例5を示す要部の側面図
【図10】比較例6を示す要部の側面図
【符号の説明】
1 貯留液体 4 液面 5 球形浮体 6 球体 Q1 外径
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年11月12日(1999.11.
12)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 液体貯留装置
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、脱酸素剤溶液の
気との接触による脱酸素能力の低下を防止できるように
してある液体貯留装置に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、ボイラ設備においては、ボイラ
水に含まれている酸素による配管の腐食を防止するため
に、酸素と反応してその酸素を除去する脱酸素剤をボイ
ラ水に添加する必要があり、脱酸素剤の溶液を供給タン
クに貯蔵しておいて、ボイラの運転に伴って、必要量の
脱酸素剤溶液を供給タンクからボイラ水に供給するよう
にしている。
【0003】ところが、脱酸素剤は、ボイラ水に含まれ
る酸素を除去するだけでなく、空気中の酸素と反応する
ものが多く、供給タンクに貯蔵している間に空気中の酸
素を吸収して、その脱酸素能力が低下してしまう問題が
ある。
【0004】特に、5倍子タンニン,没食子タンニン,
タラタンニン,チェスナットタンニン,スマックタンニ
ン等の加水分解型タンニンからなる脱酸素剤をナトリウ
ムやカリウム,アンモニア等のアルカリ性タンニン溶液
として調整すると、酸素と非常に反応しやすい没食子酸
塩とアルコール化合物を生成するが、この没食子酸塩
が、供給タンクに貯留している間に空気中の酸素と連続
的に反応して、早いものでは2日後に脱酸素能力を失っ
てしまうことがある。
【0005】このような事態を防止するために、従来、
加水分解型タンニンを中性以下の酸性側のタンニン溶液
として供給タンクに貯蔵しておき、ボイラ水への供給時
に、このタンニン溶液にアルカリ性溶液を混ぜて、没食
子酸塩を生成したアルカリ性タンニン溶液として調整し
てからボイラ水に供給したり、アルカリ性タンニン溶液
を貯蔵している供給タンク内に窒素ガスを充填して、空
気中の酸素との接触を防止する等の対策を取っている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、加水分
解型タンニンを酸性側のタンニン溶液として供給タンク
に貯蔵しておいて、ボイラ水への供給時にアルカリ性溶
液を混ぜる場合は、アルカリ性溶液を貯蔵するタンク
や、そのアルカリ性溶液をタンニン溶液に供給する配管
やバルブ等の供給装置が別途必要となり、また、アルカ
リ性タンニン溶液を貯蔵している供給タンク内に窒素ガ
スを充填する場合は、供給タンク内の液面の上下変動に
応じて、窒素ガスの充填量を調節できるような窒素ガス
の供給装置を設置する必要があるので、液体貯留装置の
構造が煩雑化するとともに、アルカリ性溶液や窒素ガス
の貯蔵及び供給装置の維持管理に手間がかかり、ランニ
ングコストが増大する欠点がある。
【0007】本発明は上記実情に鑑みてなされたもので
あって、ランニングコストの増大を抑制しながら、脱酸
素剤溶液の空気との接触による脱酸素能力の低下を簡単
な構造で防止できるようにした液体貯留装置を提供する
ことを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の液体貯留
装置の特徴構成は、複数の球形浮体を、5倍子タンニ
ン,没食子タンニン,タラタンニン,チェスナットタン
ニン,スマックタンニンのうちのいずれかの加水分解型
タンニンのアルカリ水溶液からなる貯留液体の液面の略
全面に亘って互いに密接するように浮かべ、それらの球
形浮体の隣り合うものどうしの隙間を、それらの球形浮
体に前記液面から浮上するように支持させた球体で覆う
とともに、前記球形浮体と前記球体の外径を、20mm
未満の略同じ外径に設定し、前記球形浮体と前記球体と
を、ポリプロピレン樹脂,ポリエチレン樹脂,塩化ビニ
ル樹脂,ナイロン樹脂,ポリカーボネイト樹脂のうちか
ら選択した樹脂で中空に成形してある点にある。
【0009】つまり、貯留液体の液面の略全面に亘って
互いに密接するように浮かべた複数の球形浮体によっ
て、空気に接触する液面の面積を少なくすることができ
るとともに、その液面近くの貯留液体が、隣り合う球形
浮体どうしの隙間に入り込むので、球形浮体どうしの隙
間に入り込んだ貯留液体が空気に接触して変質しても、
その変質した貯留液体が、球形浮体よりも下側の貯留液
体と入れ替わりにくく、球形浮体の下側の貯留液体と空
気との接触が、球形浮体どうしの隙間に入り込んで変質
した貯留液体によって抑制される。
【0010】また、互いに密接する球形浮体の隣り合う
ものどうしの液面上の隙間を、それらの球形浮体に液面
から浮上するように安定に支持させることができる球体
で覆ってあるので、液面近くの空気が、球形浮体の隣り
合うものどうしとそれらの球形浮体に支持させた球体と
で囲まれた隙間内に入り込み、その隙間内に入り込んだ
空気が貯留液体の液面に接触して組成が変化しても、そ
の組成が変化した隙間内の空気が隙間の外側の空気と入
れ替わりにくく、隙間の外側の空気と貯留液体との接触
が、隙間内に入り込んで組成が変化した空気によって抑
制される。その上、球形浮体と球体の外径を、20mm
未満の略同じ外径に設定してあるので、図7のグラフか
ら分かるように、比較的入手容易な、5倍子タンニン,
没食子タンニン,タラタンニン,チェスナットタンニ
ン,スマックタンニンのうちのいずれかの加水分解型タ
ンニンのアルカリ水溶液に生成される、没食子酸塩と空
気中の酸素との反応を抑制して、脱酸素能力の低下を効
果的に抑制できる。つまり、図7のグラフは、加水分解
型タンニンのアルカリ水溶液(以下、脱酸素剤溶液とい
う)1を直径170mmのビーカー(容量5L)に入れ
て、その液面を各種浮体で覆った場合の脱酸素能力の経
日変化を、脱酸素剤溶液1の調整時の脱酸素能力を10
0%としたときの比較結果を示している。前記脱酸素剤
溶液1は、5重量%の五倍子タンニンと5重量%の水酸
化ナトリウムとを含む水溶液で、比重が約1.073の
強アルカリ性タンニン溶液として調整してある。図7の
グラフ中に示す実施例1と実施例2とについて説明す
る。実施例1は、図3に示すように、球形浮体5を一段
の層を形成する状態で脱酸素剤溶液1の液面4の略全面
に亘って互いに密接するように浮かべて、それらの球形
浮体5に球体6を一段の層を形成する状態で支持させた
場合で、球形浮体5は液面4から約6mmの深さdで脱
酸素剤溶液1中に沈み込み、球体6は液面4から約3m
mの高さhで浮上している。前記球形浮体5と球体6
は、図5に示すように、外径Q1も内径Q2も同じ寸法
で樹脂成形した中空子球7で構成してあり(以下、球形
浮体5と球体6とを総称して中空子球7という)、この
中空子球7は、比重0.37のポリプロピレン樹脂で、
外径Q1を約10mmに成形し、見掛比重が0.21に
なるように内径Q2を設定してある。実施例2は、図6
に示すように、液面4近くに浮かべた上側の球形浮体5
a(5)と、上側の球形浮体5aの隣り合うものどうしの
間に入り込む下側の球形浮体5b(5)との上下二段の層
を形成する状態で液面4の略全面に亘って互いに密接す
るように浮かべ、上側の球形浮体5aの隣り合うものど
うしの隙間の各々を、隙間の上側に入り込んでそれらの
球形浮体5aに液面4から浮上するように支持させた下
側の球体6a(6)と、下側の球体6aの隣り合うものど
うしの間に入り込む上側の球体6b(6)との上下二段の
層を形成する状態で液面4から浮上させた複数の球体6
で覆ってある場合で、球形浮体5(5a,5b)も球体6
(6a,6b)も実施例1で使用した中空子球7と同じも
のを使用し、上下二段の球形浮体5は、全体として液面
4から約13mmの深さdで脱酸素剤溶液1中に沈み込
み、それらの球形浮体5に支持させた下側の球体6a
は、液面4から約3mmの高さhで浮上している。図7
のグラフ中に示す比較例1〜7について説明する。比較
例1は、脱酸素剤溶液1に球形浮体5も球体6も投入し
ない状態である。比較例2は、図8に示すように、直径
4mmの発泡スチロール製の球形体8を上下四段の層を
形成する状態で、液面4の略全面に亘って互いに密着す
るように浮かべてある状態で、下から3段目までの球形
体8aが完全に液面4よりも下側に沈み込んで、最上段
の球形体8bを液面4から浮上させて支持することがで
きず、また、脱酸素剤溶液1がしみ込むに伴って、次第
に沈下していった。比較例3は、図示しないが、比重が
約0.5,直径が約3mm,長さが約5mmの円柱状樹
脂製チップを液面4の略全面に亘って互いに密着するよ
うに約40mmの層状に浮かべてある状態で、液面から
浮上するように支持されているチップはなかった。比較
例4は、図示しないが、第1実施形態で示したと同じ中
空子球7を一段の層になるように浮かべてある状態で、
中空子球7は液面4から約4mm沈み込んだ。比較例5
は、図9に示すように、比重0.22のポリプロピレン
樹脂で成形して、見掛比重が0.13になるように内径
Q2を設定してある外径Q1が20mmの中空子球9を
上下2段の層を形成する状態で、液面4の略全面に亘っ
て互いに密着するように浮かべてある状態で、下段の中
空子球9(9a)が液面から約11mmの深さdで沈み込
み、上段の中空子球9(9b)は、下段の中空子球9aに
液面4から約7mmの高さhで浮上するように支持され
て、下段の中空子球9aの隣り合うものどうしの隙間を
覆っていた。比較例6は、図10に示すように、比較例
5で示したと同じ中空子球9を上下3段の層を形成する
状態で、液面4の略全面に亘って互いに密着するように
浮かべてある状態で、最下段の中空子球9(9a)の略全
体が液面4下に沈み込んだ。比較例7は、図示しない
が、直径160mm,厚さ10mmの発泡スチロール板
を、ビーカーの内壁面との間に約5mm程度の隙間を隔
てて浮かべた状態である。図7から、比較例1〜7によ
れば、5日経過すると約20%程度にまで低下している
のに対して、実施例1及び実施例2によれば、15日経
過した後でも、脱酸素能力がほとんど低下していないこ
とがわかる。尚、球形浮体と球体の外径を20mm未満
の略同じ外径に設定しておくと脱酸素能力がほとんど低
下しないのは、球形浮体の隣り合うものどうしや球体の
隣り合うものどうし、及び、球形浮体と球体とを小さい
隙間を隔てて、かつ、小さい接触角で密接させることが
できるので、液面上における球形浮体の隣り合うものど
うしの間や球体の隣り合うものどうしの間、及び、球形
浮体と球体との間に貯留液体が毛細管現象で上昇し易い
とともに、球形浮体の隣り合うものどうしや球体の隣り
合うものどうし、及び、球形浮体と球体との間に、それ
らの隙間を塞ぐような液膜を表面張力で形成し易く、球
形浮体の隣り合うものどうしの隙間に入り込んだ空気が
その隙間から出にくくなっているためと考えられる。更
に、球形浮体と球体とを、ポリプロピレン樹脂,ポリエ
チレン樹脂,塩化ビニル樹脂,ナイロン樹脂,ポリカー
ボネイト樹脂のうちから選択した樹脂で中空に成形して
あるので、球形浮体と球体を製作し易いとともに、中空
部の大きさによってその見かけ比重を設定することがで
き、所望の浮力を備えた球形浮体と球体を製作すること
ができる。
【0011】従って、貯留液体に浮かべた複数の球形浮
体と、それらの球形浮体に支持させた球体とで、隙間の
内外の空気の入れ替わりを効果的に抑制して、貯留液体
の空気との接触による変質の進行を遅らせることがで
き、ランニングコストの増大を抑制しながら、脱酸素剤
溶液の空気との接触による脱酸素能力の低下を簡単な構
造で防止できる。また、球形浮体を安価に製作できると
ともに、球体を液面から所望の浮上量で浮上させて球形
浮体に支持させることができる。その上、比較的入手容
易な、5倍子タンニン,没食子タンニン,タラタンニ
ン,チェスナットタンニン,スマックタンニンのうちの
いずれかの加水分解型タンニンを使用しながら、その加
水分解型タンニンのアルカリ水溶液を脱酸素剤溶液とし
て効率良く使用することができ、ボイラ設備において、
ボイラ水に含まれている酸素による配管の腐食を防止す
るために加水分解型タンニンを脱酸素剤としてボイラ水
に添加する場合には、ランニングコストの低減を図るこ
とができる。
【0012】尚、球形浮体に支持させる球体を貯留液体
に浮かぶように構成してある場合は、球形浮体による支
持が外れても、貯留液体中に沈み込んでその貯留液体の
使用に支障をきたすようなおそれが少ない。
【0013】請求項2記載の液体貯留装置の特徴構成
は、前記球体を前記球形浮体と同じもので構成してある
点にある。
【0014】つまり、球体を球形浮体と区別することな
く貯留液体に投入して、貯留液体の液面の略全面に亘っ
て互いに密接するように浮いたものを球形浮体とし、そ
れらの球形浮体に液面から浮上するように支持されたも
のを球体として使用することができる。
【0015】従って、球形浮体の隣り合うものどうしの
隙間を覆う球体を、それらの球形浮体に容易に支持させ
ることができる。
【0016】尚、貯留液体を液面の上部から落下させて
補給するよう構成してある場合には、その落下してきた
貯留液体が球形浮体や球体に衝突して、それらが一時的
に貯留液体中に沈み込むようなことがあっても、元の状
態に容易に復帰させることができる。
0017
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。 〔第1実施形態〕図1は、ボイラ水に含まれている酸素
による配管の腐食を防止するする為に、本発明に係る液
体貯留装置の一例としての脱酸素剤供給タンクAを備え
たボイラ設備の概略フローを示し、Bはボイラ、Cは蒸
気ため、Dは蒸気タービン、Eは復水器、Fは復水タン
ク、Gはボイラ水補給タンク、Hは軟水装置、Jはボイ
ラ水補給ポンプ、Kはボイラ給水路、Lは蒸気路、Pは
ボイラ給水ポンプである。
0018】前記脱酸素剤供給タンクAは、貯留液体の
一例である脱酸素剤溶液1を、脱酸素剤供給管Mに設け
た脱酸素剤補給ポンプNによって、ボイラ給水路Kの途
中箇所からボイラ水に添加するようにしてある。
0019】前記脱酸素剤溶液1は、脱酸素剤としての
加水分解型タンニンをアルカリ性タンニン溶液として調
整して、酸素と反応しやすい没食子酸塩とアルコール化
合物を生成させたもので、その没食子酸塩をボイラ水に
含まれている酸素と反応させて、配管の腐食の原因にな
る酸素を除去すようにしてある。
0020】尚、加水分解型タンニンとしては、5倍子
タンニン,没食子タンニン,タラタンニン,チェスナッ
トタンニン,スマックタンニンのうちのいずれを使用し
ても良く、また、加水分解型タンニンをアルカリ性タン
ニン溶液として調整するためのアルカリ剤としては、ナ
トリウムアルカリやカリウムアルカリ,アンモニアアル
カリ等のいずれを使用しても良いが、ナトリウムアルカ
リやカリウムアルカリをアルカリ剤として、強アルカリ
性タンニン溶液として調整するのが望ましい。
0021】本実施形態では、脱酸素剤溶液1を、5重
量%の五倍子タンニンと5重量%の水酸化ナトリウムと
を含む水溶液で、比重が約1.073の強アルカリ性タ
ンニン溶液として調整してある。
0022】図2は脱酸素剤供給タンクAを示し、樹脂
製タンク本体2に上蓋3を着脱自在に設けて、脱酸素剤
溶液1を液面4の上部から落下させて補給できるように
構成するとともに、樹脂製タンク本体2の底部に脱酸素
剤供給管Mを連通接続してある。
0023】そして、図3,図4に示すように、タンク
本体2に貯留した脱酸素剤溶液1の液面4の略全面に亘
って、複数の球形浮体5をひとつの層を形成する状態で
互いに密接するように浮かべ、それらの球形浮体5の隣
り合うものどうしの隙間の各々を、それらの球形浮体5
に液面4から浮上するように支持させた球体6で覆っ
て、供給タンクに貯留している間に脱酸素剤溶液1が空
気中の酸素と反応して、短期間のうちに脱酸素能力を失
ってしまう事態を防止してある。
0024】前記球形浮体5と球体6は、図5に示すよ
うに、外径Q1も内径Q2も同じ樹脂成形した中空子球
7で構成してあるので、以下、球形浮体5と球体6とを
総称して中空子球7という。
0025】前記中空子球7の外径Q1は20mm未満
であれば良いが、外径Q1が小さすぎると、多量に必要
であり、しかも、精度良く加工しにくくなって価格が高
くなるので、本実施形態では、外径Q1を約10mmに
成形したものを、タンク本体2に貯留してある脱酸素剤
溶液1に球形浮体5及び球体6として投入してある。
0026】また、中空子球7を成形する樹脂は、ポリ
プロピレン樹脂,ポリエチレン樹脂,塩化ビニル樹脂,
ナイロン樹脂,ポリカーボネイト樹脂のうちから選択し
た樹脂であれば良いが、加工性や価格から、ポリプロピ
レン樹脂やポリエチレン樹脂が望ましく、本実施形態で
は、比重0.37のポリプロピレン樹脂で成形して、見
掛比重が0.21になるように内径Q2を設定してあ
る。
0027】そして、図3に示すように、脱酸素剤溶液
1の液面4の略全面に亘って互いに密接するように浮か
んでいる球形浮体5は、液面4から約6mmの深さdで
脱酸素剤溶液1中に沈み込み、それらの球形浮体5に支
持させた球体6は、液面4から約3mmの高さhで浮上
している。
0028】〔第2実施形態〕図6は、複数の球形浮体
5を、液面4近くに浮かべた上側の球形浮体5a(5)
と、上側の球形浮体5aの隣り合うものどうしの間に入
り込む下側の球形浮体5b(5)との上下複数段(本実施
形態では二段)の層を形成する状態で液面4の略全面に
亘って互いに密接するように浮かべ、上側の球形浮体5
aの隣り合うものどうしの隙間の各々を、隙間の上側に
入り込んでそれらの球形浮体5aに液面4から浮上する
ように支持させた下側の球体6a(6)と、下側の球体6
aの隣り合うものどうしの間に入り込む上側の球体6b
(6)との上下複数段(本実施形態では二段)の層を形成す
る状態で液面4から浮上させた複数の球体6で覆ってあ
る実施形態を示す。
0029】上下複数段の球形浮体5は、全体として液
面4から約13mmの深さdで脱酸素剤溶液1中に沈み
込み、それらの球形浮体5に支持させた下側の球体6a
は、液面4から約3mmの高さhで浮上している。
0030】本実施形態によれば、液面4下の隣り合う
球形浮体5どうしの隙間が上下複数段の球形浮体5a,
5bに亘って形成され、隣り合う球体6どうしの隙間が
上下複数の球体6a,6bに亘って形成されるので、そ
れらの隙間に入り込んだ脱酸素剤溶液1や空気が一層入
れ替わりにくくなる。その他の構成は第1実施形態と同
様である。
0031】[表1]は、脱酸素剤溶液1としてのタン
ニン酸と水酸化ナトリウムの水溶液(強アルカリ性タン
ニン溶液)の比重の、水溶液に含ませるタンニン酸の重
量%(Wt)と水酸化ナトリウムの重量%(Wn)との
組み合わせに応じた値を示している。
0032
【表1】
0033】[表2]は、外径10mm及び20mmの
ポリプロピレン樹脂製の中空子球と、直径が3mm、長
さが5mmの円柱状樹脂製チップ(TPX粒)の真比重
と見掛比重とを示している。
0034
【表2】
0035】[表3]は、中空子球とTPX粒の各々を
一段または二段に重なるように溶液に浮かべたときの、
液面下に沈んだ深さ(mm)を溶液の比重毎に示してお
り、カッコ内は液面上の高さ(mm)を示している。
0036
【表3】
0037】〔その他の実施形態〕 〈1〉本発明による液体貯留装置は、球形浮体と、それ
らの球形浮体に支持させる球体とが、材質が互いに異な
るものであっても良い。 〈〉本発明による液体貯留装置は、脱酸素剤溶液を添
加したボイラ水を貯留液体として貯留し、第1実施形態
や第2実施形態に示したように、複数の球形浮体をその
貯留しているボイラ水の液面の略全面に亘って互いに密
接するように浮かべ、それらの球形浮体の隣り合うもの
どうしの隙間を、それらの球形浮体に液面から浮上する
ように支持させた球体で覆ってあるボイラ設備における
ボイラ水補給タンクであっても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】ボイラ設備の概略フロー
【図2】液体貯留装置の断面図
【図3】要部の側面図
【図4】要部の平面図
【図5】要部の断面図
【図6】第2実施形態を示す要部の側面図
【図7】脱酸素能力の経日変化を示すグラフ
【図8】比較例2を示す要部の側面図
【図9】比較例5を示す要部の側面図
【図10】比較例6を示す要部の側面図
【符号の説明】 1 貯留液体 4 液面 5 球形浮体 6 球体 Q1 外径

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の球形浮体を貯留液体の液面の略全
    面に亘って互いに密接するように浮かべ、 それらの球形浮体の隣り合うものどうしの隙間を、それ
    らの球形浮体に前記液面から浮上するように支持させた
    球体で覆ってある液体貯留装置。
  2. 【請求項2】 前記球体を前記球形浮体と同じもので構
    成してある請求項1記載の液体貯留装置。
  3. 【請求項3】 前記球形浮体の外径を20mm未満に設
    定し、前記球体の外径を前記球形浮体の外径を越えない
    大きさに設定してある請求項1又は2記載の液体貯留装
    置。
  4. 【請求項4】 前記球形浮体を、ポリプロピレン樹脂,
    ポリエチレン樹脂,塩化ビニル樹脂,ナイロン樹脂,ポ
    リカーボネイト樹脂のうちから選択した樹脂で中空に成
    形してある請求項1〜3のいずれか1項記載の液体貯留
    装置。
  5. 【請求項5】 前記貯留液体が加水分解型タンニンのア
    ルカリ水溶液である請求項1〜4のいずれか1項記載の
    液体貯留装置。
  6. 【請求項6】 前記加水分解型タンニンが、5倍子タン
    ニン,没食子タンニン,タラタンニン,チェスナットタ
    ンニン,スマックタンニンのうちのいずれかである請求
    項5記載の液体貯留装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016519027A (ja) * 2013-05-09 2016-06-30 モハンマディ、ペドラムMOHAMMADI, Pedram 液面を覆う装置及びブランケット
JP2017536297A (ja) * 2014-07-01 2017-12-07 クローズ ジョイント ストック カンパニー“サイエンティフィカリー アンド プロダクション カンパニー“ヴズリヴォベソパスノスト”Close Joint Stock Company‘‘Scientifically And Production Company‘‘Vzryvobesopasnost’’ 石油製品貯蔵用タンク及び前記タンクのための浮遊要素

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016519027A (ja) * 2013-05-09 2016-06-30 モハンマディ、ペドラムMOHAMMADI, Pedram 液面を覆う装置及びブランケット
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