JP2000168068A - 高粘度物質の記録方法、装置及びドット形成体 - Google Patents

高粘度物質の記録方法、装置及びドット形成体

Info

Publication number
JP2000168068A
JP2000168068A JP27361899A JP27361899A JP2000168068A JP 2000168068 A JP2000168068 A JP 2000168068A JP 27361899 A JP27361899 A JP 27361899A JP 27361899 A JP27361899 A JP 27361899A JP 2000168068 A JP2000168068 A JP 2000168068A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
recording
nozzle
viscosity
viscosity substance
recording medium
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP27361899A
Other languages
English (en)
Inventor
Katsunori Tsuchiya
勝則 土屋
Masahito Okabe
岡部将人
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dai Nippon Printing Co Ltd filed Critical Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority to JP27361899A priority Critical patent/JP2000168068A/ja
Publication of JP2000168068A publication Critical patent/JP2000168068A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)
  • Ink Jet Recording Methods And Recording Media Thereof (AREA)
  • Inks, Pencil-Leads, Or Crayons (AREA)
  • Ink Jet (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 300CPS以上の高粘度物質を用い、普通
紙、フィルム、金属その他の記録媒体ににじみなく記録
可能にする。 【解決手段】 出口近傍に記録電極12を配置したノズ
ル10に粘度300CPS以上の高粘度物質11を充填
し、さらにノズル先端に前記高粘度物質のメニスカス1
3を形成せしめた後、記録電極12に画像信号に応じた
電気パルスを印加することにより、前記高粘度物質の突
出部を振動、または小滴を分離させ、ノズルに対向して
配置された記録媒体15に付着させて記録するものであ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は高粘度物質を電気信
号に応じてドット状に記録媒体に付着させて記録する方
法、装置及び得られるドット形成体に関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録方式は微細なノズル
からインクの小滴を突出、飛翔させ、直接紙等の記録部
材に付着させることで画像形成する記録方式である。こ
の記録方式によるプリンタは、低コスト、高品質、装置
の小型化、カラー化が容易等の理由から、現在オフィス
や一般家庭向けのプリンタとして広く普及している。
【0003】かかるプリンタの方式は大きくはインキの
液滴を連続的に吐出し、画像信号に応じて有用なものの
みを選択的に記録媒体上に到達せしめるコンティニュア
ス方式と、画像信号に応じて不連続的に有用な液滴のみ
を吐出させるドロップオンデマンド方式の2種類に分類
される。さらに後者においては、圧電素子の振動により
インク流路を変形させてインクを吐出させるピエゾ方
式、インク流路内の発熱体からの熱によりインク内に気
泡を生成せしめ、その圧力によりインクを吐出させるサ
ーマル方式、インクに静電吸引力を作用させて吐出させ
る静電方式などの記録方式が提案されている。特に、静
電方式は記録ヘッドの構造が単純でマルチノズル化が容
易となることやパルス幅変調により階調表現が可能であ
る点が他方式と異なり注目されている。
【0004】これらインクジェット方式の一般的な欠点
として、記録媒体に印刷した場合のにじみの問題があ
る。記録媒体上でのインキの乾燥は、記録媒体中への浸
透及び揮発成分の蒸発により行われる。従って、未塗工
の紙や布に印刷した場合、着弾したインクは毛細管現象
で繊維に沿って広がり、輪郭のぼやけた画像を与える。
また、全くインクを吸収しないフィルムや金属等に印刷
した場合は、インクが浸透できないため、乾燥、定着に
非常な長時間を要する。さらに記録媒体にかかわらずカ
ラー記録を行う場合には、先に付着したインクが完全に
定着される前に順次インクが重ねられるため、色境界で
のにじみが出てしまう。
【0005】このような問題は高粘度のインクを用いる
ことで解決されるが、従来のインクジェット技術では、
数CPS程度の粘度のインクを用いるのが一般的であ
り、高いものでも20CPS程度しか記録することがで
きなかった。
【0006】高粘度インクを用いずににじみの問題を解
決するための一般的な手法として、記録媒体表面にイン
クの吸着層を設けることが行われている。しかし、この
手法では、記録媒体が高価になるほか、紙やフィルムな
どの独特の風合いが損なわれることが問題となり、それ
らが許容されうる分野においてのみしか用いられないの
が現状であった。従って、従来印刷法によって行ってき
た紙、フィルム等への画像形成の多くはインクジェット
方式では置き換えることができないと考えられていた。
【0007】上記の欠点を解決する試みの一つとして、
常温で固体のインクを必要時に溶解・低粘度化して吐出
する、いわゆるソリッドインクジェット方式が提案され
ている。ここに用いられているインクはワックスを主成
分としたものであり、100℃前後の加熱で溶融された
状態でノズル部に供給され、吐出されると急速に固化す
るため、記録媒体上でにじむことがない。しかし、この
場合インクを溶融させるための時間を必要とするため、
電源を入れてから記録可能となるまで、ウォーミングア
ップに長時間を要し、記録画像もゴテゴテした質感とな
ってしまう上、画像が光沢をもつことが多く意匠上も問
題があった。
【0008】一方、別の手段として、インクと作用して
にじみ防止効果を発現する液体組成物を、インキの吐出
に先だって記録媒体に付着させておく方法が知られてい
る。この場合、着色インクと接触することによってゲル
化等により着色インクを固定化せしめるような液体組成
物が好ましく用いられる。しかしこの方法では、にじみ
防止のために過剰の第2液を記録媒体上に付着せしめる
必要があり、ドットの不均一や、紙の波打ち、さらに乾
燥時間が長くなってしまうという問題があった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記実情に鑑
みてなされたものであり、その第1の目的は、従来のイ
ンクジェット技術では不可能だった粘度300CPS以
上の高粘度物質を吐出させてパターンニングすることが
できる方法、装置、及び得られるアスペクト比の高いド
ット形成体を提供することにある。第2の目的は普通
紙、フィルム、金属その他の記録媒体ににじみなく画像
を形成することが可能で、記録媒体表面に色材受容層を
設ける必要のない方法、装置及び得られるドット形成体
を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記各目的を達成するた
めに、本発明は、出口近傍に記録電極を配置したノズル
に粘度300CPS以上の高粘度物質を充填し、さらに
ノズル先端に前記高粘度物質が突出した部分(以下メニ
スカス部と呼ぶ)を形成せしめた後、前記電極に画像信
号に応じた電気パルスを印加することにより、前記高粘
度物質の突出部を振動、又は小滴を分離させ、ノズルに
対向して配置された記録媒体に付着せしめることを特徴
とする。
【0011】以下、本発明を実施形態を通じて説明す
る。本発明の記録方式において用いられるノズルの一例
を図1に、また、複数のノズル配列により構成される記
録媒体ヘッドの概略図を図2に示す。なお、10はノズ
ル、11は高粘度物質、12は記録電極、13はメニス
カス、14は圧電素子、15は記録媒体、20は記録ヘ
ッドである。図1において、先端出口付近に記録電極1
2が設けられたノズル10内には図示しない加圧手段に
より高粘度物質11が充填され、ノズル10に充填され
た高粘度物質の記録は、記録電極12に適当な信号電圧
を印加することにより行われる。
【0012】ノズル10は絶縁性材料、あるいは金属か
ら構成され、直方体あるいは円柱状に形成される。ノズ
ルの後部は高粘度物質11を貯蔵、補給するためのイン
キ室(図示せず)が接続されており、背面の加圧手段
(図示せず)によってノズル部に高粘度物質11が加圧
供給される。加圧はメニスカス13の形状を一定に保つ
のに適切な圧力で連続的にあるいは間欠的により行われ
る。より安定な記録を行いたい場合は、図1に示すよう
なノズルに別の加圧手段として圧電素子14を設け、記
録電極12への電圧印加と同期して高粘度物質を加圧す
るのが良い。電圧印加に同期可能な加圧手段として、ピ
エゾ素子のような圧電素子を用いるのが好ましい。
【0013】ノズル前部は径200μm以内の開口部に
なっており、さらにその前方に突出した高粘度物質が半
球状あるいはコーン状のメニスカス13を形成してい
る。ノズル前面の物質は高粘度物質が濡れ広がってしま
わないようにテフロン等の表面エネルギーの高いものを
用いることが好ましい。高粘度物質が濡れ広がってしま
うと、メニスカス形状が不安定になる他、電源OFF時
に汚れとして残存し、後の記録に悪影響を与える。
【0014】ノズルの材質が絶縁性である場合、記録電
極はノズル先端近傍に配置されるが、ノズル壁の内側に
あっても外側にあってもよい。好ましくは、高粘度物質
による腐食等の影響を排除するため、ノズル壁の外側に
設けられる。記録電極12のノズル先端からの距離は特
に制限はなく、このことから、本発明の記録原理が従来
の静電インクジェット方式と全く異なるものであること
が分かる。本発明者は、印加電圧を変化させずに、記録
電極の位置をノズル先端から離していった場合に、ノズ
ル先端から10cm以上離した場合でさえ、高粘度物質
の記録が可能であることを見いだした。このような電極
配置の自由度はノズルの設計、さらにはマルチノズルヘ
ッドの設計において大きな利点となるものでる。
【0015】一方、高粘度物質の種類によっては、記録
電極と接触することによる腐食や目詰まり等の不具合が
無視できることもある。この場合はノズルを金属とし、
特に記録電極を設けることなく、ノズルに直接信号電圧
を印加することができる。
【0016】記録電極への電圧印加によりノズル先端の
メニスカス部に生じる変化には以下の2通りがある。 メニスカスが記録媒体の方向に振動(伸縮)し、伸び
た状態で記録媒体に付着しドットを形成する。 メニスカス先端が分裂し、分離した液滴が記録媒体方
向に飛翔、付着しドットを形成する。 上記どちらの現象が起こるかは高粘度物質の種類だけで
なく、電圧のかけ方やノズルの材質等により大きく依存
する。何れの現象によってもシャープなドットを形成さ
せることが可能であるが、これらの現象の原理はまだよ
く理解されていない。
【0017】ノズルと記録媒体との距離は0.1mm〜
10mm、より好ましくは0.1mm〜3mmの範囲に
設定される。距離が0.1mmより狭いと安定なメニス
カスが形成できず、さらに記録媒体の微妙な凹凸に追従
できなくなるため、ドットが繋がったり、抜けが生じた
りして好ましくない。一方、10mmより広くなると、
ドットが広がってしまい、シャープな画像が記録できな
い。
【0018】本記録方式は、粘度300CPS以上の高
粘度物質を非接触記録媒体上にパターンニングすること
ができる方式である。用いられる高粘度物質は流動性を
持つものであれば、液体、コロイド、ペースト等の形態
上の制限はない。
【0019】本発明において記録可能な高粘度物質の例
として、UV硬化樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂な
どの各樹脂材料及びそれらの溶液、加熱により液状化し
たパラフィンワックス、カルナバワックス等の固形材
料、銅フタロシアニン等の有機顔料や酸化チタンなどの
無機顔料の高粘度分散液、グリセリンなどの多価アルコ
ール材料、UV硬化型接着剤、ホットメルト系接着剤、
感圧接着剤、1液型および2液型エポキシ系接着剤、ゴ
ム系接着剤、シアノ系接着剤、嫌気性接着剤などの各種
接着剤、導電性ペースト、クリーム半田、レジストなど
の半導体関連材料、シリコンオイル、工業用オイル、エ
ンジンオイル、グリースなどの各種潤滑油、ソース、ケ
チャップなどの食品材料、エナメル、ラッカー、ペイン
ト、各種印刷用インキ、濃縮液体トナー、筆記用具イン
ク、水性、油性絵の具などの各種着色材料、等が挙げら
れる。
【0020】本発明に用いられる好ましい高粘度物質と
してのチキソトロピー性を有するものが挙げられる。チ
キソトロピーは変形、特にせん断のために見かけ粘度が
一時的に低下し、静置すると再び元の高粘度の状態に回
復する現象である。この現象はある種のコロイド系、特
に懸濁液で見られる他、一部の高分子溶液でも確認され
ている。チキソトロピーにおける粘度の低下は、懸濁液
中の分散粒子がその牽引力によって形成している連続的
な構造が系を静置する間に再び形成されるためであると
解釈されている。
【0021】本発明においてこのような物質を用いた時
には、せん断のかかり具合によってノズル中の高粘度物
質に粘度勾配が生じ、記録に好ましい影響を与える。即
ち、メニスカス先端部は信号電圧による振動あるいは分
裂によってせん断が与えられて低粘度化し、その部分が
より小さなエネルギーで記録媒体側へ移行できるように
なる。一方メニスカス先端以外では、大きなせん断が加
わらないため、粘度が十分高く、相対的に記録媒体側へ
移動しにくい。また重力によるメニスカス形状の安定性
や非記録時の高粘度物質のタレ等も起こりづらい。さら
にこれらの特性から、同一の内径のノズルを用いた場合
でもより小さなドット形成ができる他、連続記録時の安
定性も向上する。
【0022】上述のチキソトロピー性の程度としては、
せん断速度0.1(1/sec)における見かけの粘度
η1、せん断速度100(1/sec)における見かけ
粘度をη2とした場合にη1≧300CPS、かつη1
η2の関係を有していることが好ましい。
【0023】本発明に用いられる高粘度物質がチキソト
ロピー性を有しないものである場合、いわゆる揺変剤を
添加することでチキソトロピー性を持たせ、記録性能を
向上させることができる。揺変剤とは、少量添加するこ
とにより、系の中に何らかの構造を形成し、系に適当な
チキソトロピー性を付与したり、増粘効果を与えるもの
を言い、具体的には、超微粉シリカ、モンモリロナイト
やカオリナイトなどの粘土鉱物及びそれらの誘導体、ポ
リアマイドワックス、水素添加ヒマシ油、酸化ポリエチ
レン、界面活性剤などが挙げられる。
【0024】高粘度物質によっては、記録時のドットが
分散されずに糸を引き、結果として線状に繋がってしま
う場合がある。このような時はメニスカス部を加温する
ことで記録特性が向上する。加熱による影響は粘度の低
下だけでなく、電気導電率や表面張力についても起こっ
ており、実際にこれらの複合によって記録特性が向上し
ていると思われる。加熱の作用は複雑で予想し難いが、
高粘度物質の種類によって最適な温度範囲が存在するこ
とが確認されている。
【0025】加熱手段はノズルにヒーターを設けても良
いが、メニスカス部を暖めるには、適さないことが多
い。メニスカス部に温度を送るか、赤外線ランプを照射
する等の手法が好ましく用いられる。
【0026】図3は温風によって加熱する場合のノズル
の構成を示したものである。温風による場合は、風向き
によって記録の安定性が損なわれる恐れがあるので、風
向きの影響を最小限に抑えるために、図3に示すよう
に、ノズル先端部を先端が開口し、送風口を有する円筒
体或いは直方体16で囲み、送風口から温風を送り込ん
でノズル上部から記録媒体方向に送ることが好ましい。
【0027】図4は本発明が適用された高粘度物質の記
録媒体の概略構成図である。この装置ではフィルム状の
記録媒体がロールから供給されるようになっているが、
記録媒体の材質、形状は特に限定されるものではない。
記録ヘッド1の電極部には、図示されない電源およびパ
ルス発生装置が接続されており、パターンに応じた電圧
信号が印加できるようになっている。ヒーター7は室温
〜100℃までの一定温度の温風を供給できるものであ
り、風量の調節も可能となっている。記録ヘッド1の後
部には、加圧装置6が接続されており、メニスカス形状
を一定に保つための高粘度物質の加圧が行われる。複数
の高粘度物質を記録する場合には、同様のヘッドを複数
配置することで対処できる。
【0028】記録媒体3は接地された金属ドラム2に搬
送され、そこで記録ヘッド1により高粘度物質を付着さ
せられた後、乾燥ユニットで乾燥、定着される。記録媒
体の平滑性が高く滑りやすい場合には、金属ドラム2の
表面を粗面化することで滑りを防止し、搬送の安定化を
図ることができる。
【0029】乾燥は高粘度物質の蒸発、あるいはUV照
射、EB照射等によって行われる。本実施例では、高粘
度物質としては、UV(紫外線)硬化性のものを使用す
るため、乾燥工程ではUV照射装置4を用いている。乾
燥が終了した記録媒体はカッター5で所望のサイズに切
断され、一連の工程が終了する。
【0030】また、図4を一例として説明すると、ノズ
ルと記録媒体が相対的に移動する場合、ノズルとその対
向する記録媒体の少なくとも何れか一方が移動すれば良
く、例えばノズルを有する記録ヘッド1を静止状態と
し、記録媒体3を金属ドラムを介して順次移動すること
で記録が行われる。また、図示しないがノズルと記録媒
体が両方同時に移動し、記録を行うことも可能である。
例えば両者が逆方向に相対的に移動することで、高速記
録を行うことができる。
【0031】また、記録方法において、ノズルと記録媒
体が静止した状態で、高粘度物質の小滴を連続して飛翔
させることができる。この方法によれば、同一場所に高
粘度物質の小滴を連続して飛翔させることができ、それ
により、よりアスペクト比のより高いドットの形成、よ
り階調性の高いドット形成が可能となる。ここで言うド
ットのアスペクト比とは、ドットの直径(円形と近似し
た場合)に対するドットの厚みの比(厚みに誤差が生じ
る場合はその平均厚み)、アスペクト比=ドットの厚み
/ドットの直径を意味する。
【0032】本発明の方法により得られるドット形成体
は、ドット径が1〜300μmの範囲であり、且つ該ド
ットのアスペクト比が0.33〜20の範囲のものが形
成される。これらの範囲で形成されるドット形成体から
なる記録物は、高シャープネス、高精細、高濃度、高立
体感、高リアル感等を有し、特徴のある記録物が得られ
る。例えば、オフセット印刷では高精細画像が得られる
が、ドットのアスペクト比が0.1以上を得ることは不
可能であり、特に高濃度の記録が得られない。また、電
子写真法による画像形成においてもアスペクト比が0.
2以上を得ることが不可能であり同様の問題がある。一
方、スクリーン印刷法においては、約10μm程度のも
のでアスペクト比が比較的高いものが可能であるが、基
本的にスクリーン印刷では、印刷版の印刷時の変形、経
時変化等により精度の良い印刷が困難である。それに対
し、本発明の方法により得られるドット形成体は、ノズ
ルの変形、経時変化等はなく、従って安定なドット形成
を行うことができる。
【0033】また、画像記録用途以外としては、凹凸の
形成自体が必要な用途、例えばプラズマディスプレイ等
のリブ形成用途、液晶表示装置に使用されるギャップ媒
体用途があり、特に液晶表示装置に使用されるギャップ
媒体用途に有効である。液晶表示装置では、その液晶の
ギャップを保つ為に、現状は両ガラス基板間に微細なガ
ラスビーズを散布することが行われているが、液晶表示
の障害となっている。それの改良として、カラーフィル
ター上にフォトレジストを用い液晶非表示部(遮光部)
に選択的に凸部を形成することが行われているが、レジ
スト工程を用いるため工程が複雑で、歩留まりも低い。
それに対し、本発明の方法により選択的に液滴により、
直接カラーフィルター上に凸部を形成することで、製造
工程が簡単な、材料ロスの少ないギャップ媒体を形成す
ることができる。
【0034】
【実施例】図4の装置を用いて高粘度物質の記録試験を
行った。記録ノズル1は図3と同様のものを用いた。本
実施例では高粘度物質としてシルクスクリーン印刷用の
UV硬化型インキを用いた。このインキの室温22℃
と、50℃におけるレオロジー特性を図5に示す。図5
において、横軸はせん断速度(1/s)、縦軸は粘度で
ある。また、せん断速度0.1(1/sec)における
見かけ粘度η1と、せん断速度100(1/sec)に
おける見かけ粘度η2を表1に示す。このインキは十分
なチキソトロピー性を有するが、表1から分かるよう
に、加熱することによって高せん断速度における見かけ
の粘度が低下し、さらにチキソトロピー性が増大するお
とが分かる。
【0035】
【表1】
【0036】高粘度物質の記録は以下に示す条件で行っ
た。 ノズル 材料:PP ノズル内径(先端部):260μm ノズル壁厚み:125μm 記録電極位置:ノズル先端から3000μm 記録媒体:ポリカーボネートフィルム 記録媒体搬送速度:8m/min 信号電圧周波数:1000Hz 印加電圧:4kV ノズル部ヒーター温度:50℃ ノズル−記録媒体間距離:4mm 乾燥:赤外線ランプ 信号電圧の印加に応じてノズル先端のメニスカスが振動
し、記録媒体上にドットが次々と形成される様子が高速
ビデオによって確認された。記録された部分を顕微鏡で
観察したところ、径30μmの円形ドットが記録抜けも
なく、一定間隔で並んでいた。また、記録媒体がフィル
ムであるにも係わらずドットのにじみよ流れが見られ
ず、シャープなドットが形成されていた。更に、得られ
たドットのアスペクト比は2.0と高く、シャープなド
ット形成が得られた。
【0037】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、従来のイ
ンクジェット技術では不可能であった粘度300CPS
以上の高粘度物質をパターン状に記録することができ
る。また、普通紙、布、フィルム、金属などの媒体にそ
のまま記録した場合でもにじみのないシャープな画像が
得られる。また、得られるドット形成体は、そのアスペ
クト比が従来の記録方式に比べ高いものが形成されるの
で、高シャープネス、高精細、高濃度、高立体感、高リ
アル感等を有し、特徴のある記録物が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明において用いられるノズルの一例を示す
図である。
【図2】本発明の複数のノズル配列により構成される記
録ヘッドの概略図である。
【図3】温風によって加熱する場合のノズルの構造を示
した図である。
【図4】本発明の適用された記録装置の概略構成図であ
る。
【図5】シルクスクリーン印刷用のUV硬化型インキの
室温および50℃におけるレオロジー特性を示す図であ
る。
【符号の説明】
1・・・記録ヘッド、2・・・金属ドラム、3・・・記
録媒体、4・・・UV照射装置、5・・・カッター、6
・・・加圧装置、7・・・ヒーター、10・・・ノズ
ル、11・・・高粘度物質、12・・・記録電極、13
・・・メニスカス、14・・・圧電素子、15・・・記
録媒体、16・・・円筒体或いは直方体、20・・・記
録ヘッド。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // C09D 11/00

Claims (23)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 出口近傍に記録電極を配置したノズル
    に粘度300CPS以上の高粘度物質を充填し、さらに
    ノズル先端に高粘度物質を突出した部分を形成せしめた
    後、記録電極に画像信号に応じた電気パルスを印加する
    ことにより前記高粘度物質の突出部を振動させ、または
    前記高粘度物質の突出部から小滴を飛翔させ、ノズルに
    対向して配置された記録媒体に付着せしめることを特徴
    とする高粘度物質の記録方法。
  2. 【請求項2】 ノズルが絶縁性の物質からなる請求項
    1記載の高粘度物質の記録方法。
  3. 【請求項3】 記録電極をノズル壁の外側に配置した
    請求項1記載の高粘度物質の記録方法。
  4. 【請求項4】 ノズルが金属からなり、該金属部分が
    記録電極を兼ねる請求項1記載の高粘度物質の記録方
    法。
  5. 【請求項5】 高粘度物質がノズル背面からの加圧に
    よりノズル先端に供給される請求項1記載の高粘度物質
    の記録方法。
  6. 【請求項6】 記録電極への電圧印加と同期してノズ
    ル内の高粘度物質が加圧される請求項1記載の高粘度物
    質の記録方法。
  7. 【請求項7】 ノズル先端から記録媒体までの距離が
    0.1〜10mmの範囲である請求項1記載の高粘度物
    質の記録方法。
  8. 【請求項8】 ノズル先端部の高粘度物質を加熱する
    請求項1記載の高粘度物質の記録方法。
  9. 【請求項9】 高粘度物質がチキソトロピー性を有す
    る請求項1記載の高粘度物質の記録方法。
  10. 【請求項10】 ノズルと記録媒体が相対的に移動す
    る請求項1記載の高粘度物質の記録方法。
  11. 【請求項11】 ノズルと記録媒体が静止した状態
    で、高粘度物質の小滴を連続して飛翔させる請求項1記
    載の高粘度物質の記録方法。
  12. 【請求項12】 前記高粘度物質のせん断速度0.1
    (1/sec)における見かけ粘度をη1、せん断速度
    100(1/sec)に於ける見かけ粘度をη2とした
    とき、 η1≧300CPS、且つη1≧2η2 の関係を有する請求項1記載の高粘度物質の記録方法。
  13. 【請求項13】 前記高粘度物質が紫外線照射により
    硬化する請求項1記載の高粘度物質の記録方法。
  14. 【請求項14】 請求項1の記録方法により得られる
    ドット形成体であって、該ドット形成体のドット径が1
    〜300μmの範囲であり、且つ該ドット形成体のアス
    ペクト比が0.33〜20の範囲であるドット形成体。
  15. 【請求項15】 粘度300CPS以上の高粘度物質
    が充填され、出口近傍に記録電極が配置されたノズル
    と、前記記録電極に画像信号に応じた電気パルスを印加
    することにより前記高粘度物質の突出部を振動させ、ま
    たは前記高粘度物質の突出部から小滴を飛翔させ、前記
    記録媒体に付着せしめることを特徴とする高粘度物質の
    記録装置。
  16. 【請求項16】 ノズルが絶縁性の物質からなる請求
    項15記載の高粘度物質の記録装置。
  17. 【請求項17】 記録電極をノズル壁の外側に配置し
    た請求項15記載の高粘度物質の記録装置。
  18. 【請求項18】 ノズルが金属からなり、該金属部分
    が記録電極を兼ねる請求項15記載の高粘度物質の記録
    装置。
  19. 【請求項19】 高粘度物質をノズル背面から加圧す
    る加圧手段を備え、該加圧手段による加圧により高粘度
    物質がノズル先端部に供給される請求項15記載の高粘
    度物質の記録装置。
  20. 【請求項20】 ノズル壁の外側或いは内側に高粘度
    物質の加圧手段を備え、記録電極への電圧印加に同期し
    て該加圧手段がノズル内部の高粘度物質を加圧する請求
    項15記載の高粘度物質の記録装置。
  21. 【請求項21】 ノズル先端から記録媒体mでの距離
    が0.1〜10mmの範囲である請求項15記載の高粘
    度物質の記録装置。
  22. 【請求項22】 ノズル先端部の高粘度物質の加熱機
    構を設けた請求項15記載の高粘度物質の記録装置。
  23. 【請求項23】 記録媒体上に高粘度物質を付着せし
    め、続いて紫外線照射を行う請求項15記載の高粘度物
    質の記録装置。
JP27361899A 1998-09-30 1999-09-28 高粘度物質の記録方法、装置及びドット形成体 Withdrawn JP2000168068A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP27361899A JP2000168068A (ja) 1998-09-30 1999-09-28 高粘度物質の記録方法、装置及びドット形成体

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10-278141 1998-09-30
JP27814198 1998-09-30
JP27361899A JP2000168068A (ja) 1998-09-30 1999-09-28 高粘度物質の記録方法、装置及びドット形成体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000168068A true JP2000168068A (ja) 2000-06-20

Family

ID=26550725

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP27361899A Withdrawn JP2000168068A (ja) 1998-09-30 1999-09-28 高粘度物質の記録方法、装置及びドット形成体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000168068A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007088815A1 (ja) * 2006-01-31 2007-08-09 National Institute Of Advanced Industrial Science And Technology 粘土膜及びその製造方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007088815A1 (ja) * 2006-01-31 2007-08-09 National Institute Of Advanced Industrial Science And Technology 粘土膜及びその製造方法
JPWO2007088815A1 (ja) * 2006-01-31 2009-06-25 独立行政法人産業技術総合研究所 粘土膜及びその製造方法
JP5688783B2 (ja) * 2006-01-31 2015-03-25 独立行政法人産業技術総合研究所 粘土膜及びその製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3802616B2 (ja) インクジェット記録方法
US5745128A (en) Method and apparatus for ink transfer printing
JPH11138773A (ja) 画像形成方法および画像形成装置
JPH10217477A (ja) インクジェット記録装置
US6575564B1 (en) Ink jet recording method using high viscous substance and apparatus for carrying out the same
JP2000103157A (ja) 画像形成方法及び画像形成装置
JP2000168068A (ja) 高粘度物質の記録方法、装置及びドット形成体
JP4321831B2 (ja) 高粘度物質の記録方法及び装置
EP0213240A1 (en) Utilizing a phase change ink in ink jetting
JPH07195697A (ja) インクジェット記録ヘッド,インクジェット記録方法およびインクジェット記録装置
JPH03240586A (ja) 画像形成材料
JPH09169111A (ja) インクジェットプリンタ
JP2927265B2 (ja) 液滴噴射装置
JPH03173654A (ja) 液体噴射記録装置
JP2003165207A (ja) インクジェット記録装置
JPH04299149A (ja) インクジェットヘッド
JP2001070869A (ja) 塗布膜形成方法
JPS63172658A (ja) インクジエツト記録装置
JP2001121704A (ja) 画像形成装置及び画像形成方法
JPH04327943A (ja) ホットメルトインク記録装置
JPH02145341A (ja) 印刷装置
JPS62238755A (ja) 液体噴射記録方法
JP3750375B2 (ja) インクジェット記録ヘッド及びそれを備えたインクジェット記録装置
JPH02111549A (ja) ホットメルトインクを利用する印刷装置
JPH0557907A (ja) インクジエツト記録装置

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20061205