JP2000167804A - 左右各々の回転刃物を備えた木工機械 - Google Patents

左右各々の回転刃物を備えた木工機械

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JP2000167804A
JP2000167804A JP10341747A JP34174798A JP2000167804A JP 2000167804 A JP2000167804 A JP 2000167804A JP 10341747 A JP10341747 A JP 10341747A JP 34174798 A JP34174798 A JP 34174798A JP 2000167804 A JP2000167804 A JP 2000167804A
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rotating
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axis
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Yukio Tokumoto
幸夫 徳本
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 回転刃物による逆目加工を回避することによ
り、後加工を不要とすることが可能であるとともに、作
業性が良く、木工加工品の加工コストの低い回転刃物を
備えた木工機械を提供する。 【解決手段】 その軸線回りに一方向に回転するスピン
ドル1と、スピンドル1の一端に取り付けられた右回転
用刃物7と、スピンドル1の他端に取り付けられた左回
転用刃物8と、スピンドル1を、スピンドル1の軸線が
存在する面に垂直な軸線回りに180度回動させるため
の回動手段12、13、16とを有する左右各々の回転
刃物を備えた木工機械。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、左右各々の回転刃
物を備えた木工機械に関し、特に、家具、建具、内装造
作部材等の製作を行う木工加工業の分野で使用される回
転刃物を備えた木工機械に関する。
【0002】
【従来の技術】木質系の加工物においては方向性を有す
る繊維が存在し、その繊維の並びに従って切削加工する
場合には順目加工となり、美しい木肌に仕上げることが
できる。その反対に、繊維の並びに逆らって切削する場
合には逆目加工となり、木肌の繊維が毛羽立ってザラザ
ラした仕上面になる。すなわち、図8(イ)に示すよう
に、回転刃物47を矢印T方向に回転させて加工物49
を矢印U方向に移動させながら順目加工する場合には問
題はないが、図8(ロ)に示すように、回転刃物47を
矢印V方向に回転させて加工物49を矢印W方向に移動
させながら逆目加工する場合には、仕上面が滑らかとな
らないため好ましくない。
【0003】特に、回転する刃物で切削加工する場合に
は、順目と逆目とでは加工面の仕上がり程度の差が著し
く、逆目で切削された木肌はサンドペーパー等で手作業
にて磨き加工を行うか、高度の技能を有する熟練工が鑿
または彫刻刀等で相当の時間をかけて再加工をしなけれ
ばならないという問題があった。
【0004】木質系の加工物における繊維の並びの方向
は千差万別であり、形状が同一であっても各々の加工物
によって繊維の並びの方向が異なるとともに、その部位
によっても目まぐるしく変化し、加工物の繊維の並び方
向に完全に対応できない状態で今日に至っている。その
ため、回転刃物を有する木工機械で逆目加工を行うこと
は無意識のうちに容認されているのが現状であり、後加
工を施すことは当然であると考えられ、これに長時間を
要していた。
【0005】尚、長時間を要する逆目加工後の後処理を
行わずに仕上がり状態の悪いまま加工物を出荷すること
も多く、加工物そのものの形状を予め加工に都合の良い
形状に設計したり、逆目加工になり易い材料の使用を避
けることも行われていた。
【0006】これらの問題を解決するため、例えば、特
開平7−1958304号公報には、上記逆目加工を避
け、木目(年輪線)の状態に応じて切削面を滑らかに仕
上げることのできる木工機械を提供するため、電動機と
ともに回転する回転刃物の回転方向を正逆方向に切り替
え可能とし、正転時に加工物を切削することのできる一
以上の正転切削刃と、逆転時に加工物を切削することの
できる一以上の逆転切削刃とを回転刃物の切削軌跡円の
円周上に設けている。
【0007】しかし、上記特開平7−1958304号
公報に記載の木工機械においては、切削軌跡円の円周上
に一以上の正転切削刃と、一以上の逆転切削刃とを備え
るため、正転切削刃で加工物を切削している時に逆転切
削刃の背が加工物に当たり、逆転切削刃の背と加工物と
の摩擦により加工物が発熱し、加工物に焼け、焦げが発
生する。そのため、この木工機械によっては、逆目加工
を回避できるどころか、加工物を切削する際に常に上記
弊害が生じ、木工機械として機能しないと解される。
【0008】本発明は従来の回転刃物を備えた木工機械
における問題点に鑑みてなされたものであって、逆目加
工を回避することにより、長時間の後加工を不要とする
ことが可能であるとともに、特に、装飾的要素の高い木
工加工品の加工コストを低減することが可能な回転刃物
を備えた木工機械を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は、左右各々の回転刃物を備えた木工機械で
あって、その軸線回りに一方向に回転するスピンドル
と、該スピンドルの一端に取り付けられた右回転用刃物
と、前記スピンドルの他端に取り付けられた左回転用刃
物と、前記スピンドルを、前記スピンドルの軸線が存在
する面に垂直な軸線回りに180度回動させるための回
動手段とを有することを特徴とする。
【0010】これによって、スピンドルを180度回動
させるだけで加工物に対するスピンドルの回転方向が切
り替えられ、右回転用刃物と左回転用刃物とを切り替え
て使用することができ、容易に逆目加工を回避すること
ができて長時間の後加工を不要とすることが可能とな
る。同時に、スピンドルが180度回動することによ
り、加工物に対する右回転用刃物または左回転用刃物の
相対位置が変化しないため、刃物を切り替えても改めて
位置合わせをする必要がなく、作業性が向上する。
【0011】また、前記右回転用刃物の刃先と前記左回
転用刃物の刃先の移動軌跡が同一となるように、前記ス
ピンドルが180度回動する際の回動中心位置から前記
右回転用刃物の刃先までの長さ及び前記左回転用刃物の
刃先までの長さを調整する刃先位置調整機構を備えるこ
とが好適である。
【0012】これによって、右回転用刃物、左回転用刃
物の固定された加工物に対するスピンドルの前後方向の
切り込み深さを揃えることができ、加工物の切削面に段
差等が生ずるおそれが解消される。
【0013】また、上記刃先位置調整機構により、刃物
の交換または刃物の研磨等により刃物を取り替えた時に
上記長さの調整を1回行っておけば、スピンドルが反転
する度に調整する必要がなくなる。
【0014】さらに、前記スピンドルの軸線が存在する
面に垂直な軸線回りの前記スピンドルの回動開始位置を
調整する回動開始位置調整手段を備えることが好まし
い。
【0015】これによって、スピンドルの軸線を加工物
表面に対する垂直線に対して傾斜させることができ、凹
部等を加工する際にも対応することが可能となる。
【0016】尚、前記回動手段は、前記スピンドルを、
該スピンドルの軸線回りに回転可能に保持するととも
に、該スピンドルと一体的に移動可能な保持部と、該保
持部を、前記スピンドルの軸線が存在する面に垂直な軸
線回りに回動可能に保持する基台と、前記保持部に突設
された突設部と、前記基台に備えられ、前記スピンドル
の回動開始位置及び180度回動した位置において前記
突設部と当接するストッパで構成することができる。前
記保持部は、図1に示す軸受2、3及び反転軸12等に
よって構成することができ、前記基台は、図1の反転台
13及び角度指示リング16で構成することができる。
また、前記突設部は、反転軸12に備えられたピン18
とすることができ、前記ストッパは、反転台13に備え
られたストッパー22、23及び微調整ねじ24、25
とすることができる。
【0017】また、前記スピンドルは、該スピンドルの
軸線方向の中央部に設けられたプーリーと、一方向に回
転する回転軸と、前記プーリーと前記回転軸との間に掛
架されたベルトとによって、その軸線回りに一方向に回
転するように構成しても良い。ここで、一方向に回転す
る回転軸とは、図3に示すような一方向にのみ回転する
汎用モータ等の出力軸36に固着されたプーリー37と
することができる。
【0018】これによって、製作費が低く、騒音を発す
ることもなく、摩耗しても簡単に取り替えることができ
て保守も容易な回転刃物を備えた木工機械を提供するこ
とができる。
【0019】さらに、前記スピンドルは、一方向に回転
する両頭軸を有する、電動、空気圧、油圧等によるモー
タ等の駆動手段における該両頭軸とすることもできる。
【0020】これによって、プーリー、ギヤ列等の動力
伝達手段を設ける必要がなく、より小型の回転刃物を備
えた木工機械を提供することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】次に、本発明にかかる左右各々の
回転刃物を備えた木工機械の実施の形態の具体例を図面
を参照しながら説明する。
【0022】図1及び図2に示すように、本発明にかか
る回転刃物を備えた木工機械は、その軸線回りに一方向
に回転するスピンドル1と、このスピンドル1の左端に
取り付けられた右回転用刃物7と、右端に取り付けられ
た左回転用刃物8と、スピンドル1を水平面内において
180度回動させるための回動手段とを有する。
【0023】スピンドル1は、左軸受2及び右軸受3に
よって回転可能に支持され、スピンドル1の左端には、
スピンドル1が加工物に対して右回転した場合に加工物
9を切削することのできる右回転用刃物7が右ねじによ
りねじ込まれ、スピンドル1の右端には、スピンドル1
が加工物に対して左回転した場合に加工物9を切削する
ことのできる左回転用刃物8が左ねじによりねじ込まれ
ている。
【0024】スピンドル1の軸線方向の中心部にはプー
リー11が備えられ、このプーリー11にはベルト10
が掛架されている。そして、ベルト10の回転によっ
て、プーリー11を介してスピンドル1がその軸線回り
に回転し、これに伴って右回転用刃物7、左回転用刃物
8が回転して加工物9を切削加工することができるよう
に構成される。
【0025】図3に示すように、ベルト10を駆動する
ため、図示しないモータの出力軸36に固着されたプー
リー37にベルト10が掛架される。尚、モータは常に
同一方向に回転するため、プーリー37も矢印X方向に
のみ回転する。従って、このモータの回転方向及びベル
ト10の掛け方は、スピンドル1の左方に位置する加工
物9に対してスピンドル1の左端の回転方向が右回転と
なるようにする必要がある。
【0026】図1及び図2に示すように、各々の軸受
2、3は、第1連結棒4及び第2連結棒5と、4つのナ
ット6を介して一体化されている。そして、左軸受2と
右軸受3の下方には、反転軸12が位置し、さらにその
下方には反転台13が備えられ、この反転台13が図示
しない木工機械の本体に接続されている。
【0027】次に、刃先位置調整機構について説明す
る。左軸受2と右軸受3の下面には、スピンドル1の軸
線に平行するセンターラインにキー道加工がされ、反転
軸12の上面には、スピンドル1の軸線が加工物9の加
工面に対して垂直な場合に、スピンドル1と平行でかつ
反転軸12の軸芯と交差するセンターラインにキー道が
加工されており、さらに、キー26とキー27が取り付
けられ、キー26とキー27をガイドにして左軸受2と
右軸受3が反転軸12の上に載置され、左右にスライド
できるように構成される。尚、このスライド量を調整す
るため、左軸受2、右軸受3には各々切り込み深さ調整
ねじ28、29が備えられる。
【0028】図2に示すように、反転軸12の上面12
aに形成された溝部12bには、固定板30、31の下
端が挿入されるとともに、固定板30、31の水平方向
の延設部30a、31aの下面が、固定ねじ32、33
を介して、各々第1連結棒4、第2連結棒5に押圧され
る。これによって、第1連結棒4、第2連結棒5を反転
軸12に固定することができる。
【0029】図1に示すように、反転軸12の下部は、
反転台13の中心部空間に挿入され、反転台13に対し
て鉛直軸回りに回転可能となっている。ここで、反転台
13の内壁13aによって形成される内輪円が反転軸1
2を反転させるときの基準円となる。また、反転軸12
の外周面には、ピン18が埋め込まれ、反転軸12の外
周面から突出したピン18の先端に反転台13に対する
反転軸12の回転角度を合わせるための基準線19が印
されている。
【0030】反転台13の上部周面13bは、スピンド
ル1の反転角度と傾斜角度を指示するために備えられる
角度指示リング16の内壁16aと接する。また、反転
台13の下方には、反転軸12の下端雄ねじ部12cと
螺合するナット14が位置し、このナット14を回転さ
せるためのレバー15が配置されている。さらに、反転
台13の外周面には、角度指示リング16の角度目盛り
20に対する角度を調整するための基本角度指示針21
が設けられる。
【0031】反転台13の上面13cには、角度指示リ
ング16が載置され、この角度指示リング16は、反転
台13の上部周面13bに沿って360度回転可能とな
っている。また、図2に示すように、角度指示リング1
6の周面の一箇所にスリット状の切欠部16bが形成さ
れるとともに、この切欠部16bを開閉するためのリン
グ固定ねじ17が備えられ、リング固定ねじ17を締め
ることによって、反転台13に対して角度指示リング1
6を任意の角度に固定することができる。
【0032】角度指示リング16の上面には、ストッパ
ー22、23及びねじが切られた微調整ねじ24、25
が備えられ、微調整ねじ24、25はストッパー22ま
たはストッパー23に対して移動可能となっている。そ
して、微調整ねじ24、25は、角度指示リング16及
び反転台13に対して反転軸12が回転した場合に、反
転軸12のピン18に当接してストッパとして機能す
る。また、角度指示リング16の周面には、角度目盛り
20が備えられる。
【0033】左軸受2及び右軸受3の上方には、スピン
ドル1を伴う反転軸12を手動で反転させるため、ハン
ドル34、35が備えられる。また、これらハンドル3
4、35は、左軸受2と右軸受3の上部に備えられる安
全カバーの取付ねじも兼ねている。
【0034】次に、上記構成を有する本発明にかかる回
転刃物を備えた木工機械の動作について説明する。
【0035】まず、図1に示すように、回転刃物を備え
た木工機械を使用して加工物9を加工する前の準備段階
として、スピンドル1が加工物9に対して垂直な位置に
あるときに、基準線19と、角度指示リング16の角度
目盛り20の0度の目盛りと、基本角度指示針21とが
一直線上に位置するように、基本角度指示針21の取付
位置を設定する。
【0036】このとき、角度指示リング16をリング固
定ねじ17によって固定し、角度指示リング16の適切
な位置に取り付けられたストッパー22が微調整ねじ2
4を介してピン18の右側面に当接するように設定し、
かつ角度指示リング16の角度目盛り20が180度を
指示する位置に基準線19を合わせて反転軸12を反転
固定し、ストッパー23の微調整ねじ25が図1におけ
るピン18の左側面に当接するように設定すれば、反転
軸12の反転角度が180度に設定されたこととなり、
以後スピンドル1を伴う反転軸12が反転を繰り返して
も反転台13に対する反転軸12の回転位置が変化する
ことはない。
【0037】反転軸12の軸芯からスピンドル1に取り
付けられた右回転用刃物7と左回転用刃物8との各々の
刃先までの振り分け長さは、本木工機械の製作時におけ
る各部品に許容される寸法公差以内の誤差の累積により
同一寸法ではない。従って、これら振り分け長さの間に
差異が生ずる。そこで、右回転用刃物7及び左回転用刃
物8を含むスピンドル1をそのまま反転させると、加工
物9に対する右回転用刃物7と左回転用刃物8のスピン
ドル1の前後方向の切り込み深さが異なることとなる。
これを防ぐために、上記キー26、27及び切り込み深
さ調整ねじ28、29等によって構成される刃先位置調
整機構が備えられる。
【0038】そして、反転軸12に対して左軸受2と右
軸受3を適切な位置に固定すれば、反転軸12の軸芯か
らスピンドル1に取り付けられた右回転用刃物7と左回
転用刃物8の先端までの振り分け長さを揃えることがで
きる。
【0039】上記振り分け長さの調整要領をさらに具体
的に説明する。上述のように、左軸受2及び右軸受3に
取り付けられた切り込み深さ調整ねじ28と切り込み深
さ調整ねじ29が反転軸12の外周面に当接して左軸受
2と右軸受3を左右にスライドさせることにより振り分
け長さの調整が行われる。例えば、右回転用刃物7が加
工物9に対して切り込みが深く、スピンドル1を180
度回動させたときに、左回転用刃物8が加工物9に対し
て切り込みが浅い場合には、切り込み深さ調整ねじ28
を緩め、切り込み深さ調整ねじ29を締め込めば一体化
されている左軸受2と右軸受3とはスピンドル1と右回
転用刃物7、8とともに切り込み深さ調整ねじ29を締
め込んだ分だけ右へスライドすることとなる。
【0040】このようにして右回転用刃物7と左回転用
刃物8の位置を調整した後、固定板30、31を介して
固定ねじ32、33によって第1連結棒4、第2連結棒
5を押圧して反転軸12に固定すれば、各部品の製作時
の寸法誤差を含めて使用時における左右の右回転用刃物
7、8の刃先までの長さの実際の中心点を反転軸12の
軸芯に合致させたことになり、右回転用刃物7、左回転
用刃物8の加工物9に対する切り込み深さを揃えること
ができる。
【0041】次に、図3を参照しながら、右回転用刃物
7と左回転用刃物8の切替動作について説明する。
【0042】まず、図3(イ)において、ベルト10が
矢印Aで示す方向に回転しているとすると、スピンドル
1は加工物に対して右方向に回転し、右回転用刃物7に
よって加工物9が切削加工される。
【0043】そして、左回転用刃物8によって加工した
い場合には、スピンドル1を水平面内において、図3
(ロ)の矢印Y方向に180度反転させると、図3
(b)を経て図3(ハ)の状態となり、左回転用刃物8
が加工物9に当接するとともに、ベルト10が矢印Aで
示す方向に回転し、ベルト10の進行方向を変更するこ
となく加工物に対してスピンドル1を左方向に回転さ
せ、左回転用刃物8によって加工物9を切削加工するこ
とができる。
【0044】尚、本実施例では、製作費が低く、騒音を
発することもなく、摩耗しても簡単に取り替えることが
できて保守も容易であるため、ベルト10を使用してス
ピンドル1を回転させているが、ギヤ、または弾性を有
する部材等によって動力を伝達したり、図示しない一方
向に回転する両頭軸を有する電動、空気圧、油圧等によ
るモータにおけるこの両頭軸そのものをスピンドル1と
することも可能である。これによって、木工機械を小型
化することもできる。
【0045】次に、上記本発明にかかる回転刃物を備え
た木工機械の使用例について説明する。
【0046】図4(イ)に示すような加工物9の繊維の
並び方向の場合には、加工物9を矢印D方向に移動させ
ながら、矢印C方向に回転する右回転用刃物7で切削加
工すると逆目加工となる。そこで、スピンドル1を反転
して、図4(ロ)に示すように、矢印E方向に回転する
左回転用刃物8によって、加工物9を矢印F方向に移動
させながら切削加工すると、順目加工になり美しい木肌
に仕上げることができる。
【0047】また、図5に示すように、I−I線を境に
して左右で繊維の並び方向が異なる場合には、まず、加
工物9の左側半分を、矢印H方向に回転する右回転用刃
物7によって、加工物9を矢印J方向に移動させながら
順目加工し、次に、加工物9の右側半分を、矢印G方向
に回転する左回転用刃物8によって、加工物9を矢印K
方向に移動させながら順目加工することにより、美しい
木肌に仕上げることができる。
【0048】さらに、図6(イ)に示すようなドアの鏡
板、家具の面板、建具の腰板等に使用される加工物50
を飾り面加工する場合には、図6(イ)〜(ニ)に示す
ように、加工面50a、50cについては、矢印M方向
に回転する右回転用刃物7を矢印N方向に移動させなが
ら加工し、加工面50b、50dについては矢印L方向
に回転する左回転用刃物8で加工すれば逆目加工を避け
ることができる。これによって、逆目加工において、刃
物が、きわ、面と面との接線等の加工面からはずれる際
に発生し易い欠け、飛びといった現象を回避することが
できる。
【0049】次に、本発明にかかる回転刃物を備えた木
工機械のもう一つの使用例を図7を参照しながら説明す
る。
【0050】図7(イ)に示すように、板状の材料から
破線で示す部分を削り取って加工することを木工業界で
はシャクルといい、装飾的な要素を付加するとともに、
加工材を正面から見た場合に厚く見せるために用いられ
る手法である。
【0051】また、図7(ロ)に示すように、コーナー
に飾り面を加工すると、シャクリ面とコーナー面の接線
(稜線)51aが2本となるとともに、加工物51に残
された刃物による曲部51bが一段と飾り的要素を増す
こととなる。
【0052】さらに、図7(ニ)に示すように、スピン
ドル1の軸線1aを加工物51の表面に対して傾斜させ
て加工すると、例えば、右回転用刃物7の刃先の角部が
2本の稜線51aの間の平面を図7(ハ)に示すような
凹面51cとすることができる。これによって、薄い加
工材でシャクリの角度が小さい場合でも、または角度の
ないシャクリ面の場合でも、2本の稜線51aがより鮮
明に形成されるので立体感を出す効果があり、材料を厚
く見せることができる。
【0053】上記のような場合においては、図7(ニ)
に示すように、スピンドル1の軸線1aを加工物表面に
対する垂直線に対して角度θだけ傾斜させる必要があ
る。そこで、図1において、レバー15を使用してナッ
ト14を緩め、基本角度指示針21の針先を基準として
角度指示リング16を反転軸12とともに上記角度θだ
け角度目盛り20に対して回転させて固定すれば、微調
整ねじ24と微調整ねじ25を含めてストッパー22と
ストッパー23が角度指示リング16に回転角度θの分
だけ移動したことになり、所望の傾斜軸を得ることがで
きる。すなわち、スピンドル1の回動開始位置を調整す
ることができる。また、反転軸12が反転したときにも
180度の反転角度は変化しない。但し、このような運
動は、動力伝達のためのベルトの内側が違いに接触しな
い範囲の傾斜角度に限定される。
【0054】尚、上記実施例においては、スピンドル1
の軸線1aの方向が横軸の場合について説明したが、縦
軸等の場合についても同様の機能を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる回転刃物を備えた木工機械の一
実施例を示す一部断面側面図である。
【図2】図1の回転刃物を備えた木工機械の正面図であ
る。
【図3】図1の回転刃物を備えた木工機械の右回転用刃
物と左回転用刃物の切替動作の説明図である。
【図4】図1の回転刃物を備えた木工機械の使用例を説
明するための概略図である。
【図5】図1の回転刃物を備えた木工機械の使用例を説
明するための概略図である。
【図6】図1の回転刃物を備えた木工機械の使用例を説
明するための概略図である。
【図7】図1の回転刃物を備えた木工機械の使用例を説
明するための概略図である。
【図8】逆目加工が発生する状態を説明するための概略
図である。
【符号の説明】
1 スピンドル 2 左軸受 3 右軸受 4 第1連結棒 5 第2連結棒 6 ナット 7 右回転用刃物 8 左回転用刃物 9 加工物 10 ベルト 11 プーリー 12 反転軸 13 反転台 14 ナット 15 レバー 16 角度指示リング 17 リング固定ねじ 18 ピン 19 基準線 20 角度目盛り 21 基本角度指示針 22、23 ストッパー 24、25 微調整ねじ 26、27 キー 28、29 切り込み深さ調整ねじ 30、31 固定板 32、33 固定ねじ 34、35 ハンドル 36 モータ出力軸 37 プーリー

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 その軸線回りに一方向に回転するスピン
    ドルと、 該スピンドルの一端に取り付けられた右回転用刃物と、 前記スピンドルの他端に取り付けられた左回転用刃物
    と、 前記スピンドルを、前記スピンドルの軸線が存在する面
    に垂直な軸線回りに180度回動させるための回動手段
    とを有することを特徴とする回転刃物を備えた木工機
    械。
  2. 【請求項2】 前記右回転用刃物の刃先と前記左回転用
    刃物の刃先の移動軌跡が同一となるように、前記スピン
    ドルが180度回動する際の回動中心位置から前記右回
    転用刃物の刃先までの長さ及び前記左回転用刃物の刃先
    までの長さを調整する刃先位置調整機構を備えることを
    特徴とする請求項1記載の回転刃物を備えた木工機械。
  3. 【請求項3】 前記スピンドルの軸線が存在する面に垂
    直な軸線回りの前記スピンドルの回動開始位置を調整す
    る回動開始位置調整手段を備えることを特徴とする請求
    項1または2記載の回転刃物を備えた木工機械。
  4. 【請求項4】 前記回動手段は、 前記スピンドルを、該スピンドルの軸線回りに回転可能
    に保持するとともに、該スピンドルと一体的に移動可能
    な保持部と、 該保持部を、前記スピンドルの軸線が存在する面に垂直
    な軸線回りに回動可能に保持する基台と、 前記保持部に突設された突設部と、 前記基台に備えられ、前記スピンドルの回動開始位置及
    び180度回動した位置において前記突設部と当接する
    ストッパで構成されることを特徴とする請求項1、2ま
    たは3記載の回転刃物を備えた木工機械。
  5. 【請求項5】 前記スピンドルは、該スピンドルの軸線
    方向の中央部に設けられたプーリーと、一方向に回転す
    る回転軸と、前記プーリーと前記回転軸との間に掛架さ
    れたベルトとによって、その軸線回りに一方向に回転す
    ることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の
    回転刃物を備えた木工機械。
  6. 【請求項6】 前記スピンドルは、一方向に回転する両
    頭軸を有する駆動手段における該両頭軸であることを特
    徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の回転刃物を
    備えた木工機械。
JP10341747A 1998-12-01 1998-12-01 左右各々の回転刃物を備えた木工機械 Withdrawn JP2000167804A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN108818774A (zh) * 2018-07-09 2018-11-16 佛山市神雕机电设备有限公司 一种木材铣削设备
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