JP2000167736A - 工作機械 - Google Patents

工作機械

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JP2000167736A
JP2000167736A JP11261361A JP26136199A JP2000167736A JP 2000167736 A JP2000167736 A JP 2000167736A JP 11261361 A JP11261361 A JP 11261361A JP 26136199 A JP26136199 A JP 26136199A JP 2000167736 A JP2000167736 A JP 2000167736A
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hydraulic
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JP11261361A
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Masaaki Izawa
正明 井澤
Manabu Nishida
学 西田
Hirotada Nakamura
浩祥 中村
Koichi Sakai
浩一 酒井
Naoki Yoshida
直喜 吉田
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Toyoda Koki KK
Toyooki Kogyo Co Ltd
Original Assignee
Toyoda Koki KK
Toyooki Kogyo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低コストで占有面積を小さくすることができ
ると共に、稼動までのリードタイムが短く、かつエネル
ギーの消費量が少ない工作機械を得る。 【解決手段】 主軸26に工具28を装着する際に用い
る油圧シリンダ34を作動させるための油圧ポンプユニ
ット90とクランプ装置60でワーク58をクランプす
る等のために用いる油圧シリンダ64、68及び78を
作動させるための油圧ポンプユニット94を備える。ま
た、油圧ポンプユニット94を駆動させるモータをイン
バータモータ96とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、工作機械に係り、
特に、ポンプを用いて各部の作動が行なわれるマシニン
グセンタ等の工作機械に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、工具交換装置により主軸の先
端に保持される工具を必要に応じて交換・装着し、クラ
ンプ装置にクランプされた工作物(以下、ワークと称す
る)を上記工具によって加工する、所謂マシニングセン
タと呼ばれる工作機械があった。図6には、この種の工
作機械の一例が示されている。
【0003】同図に示す工作機械では、複数の工具2
8’を保持している工具マガジン38を含んで構成され
た工具交換装置40によって複数の工具28’のうちの
所望の工具と現在主軸26に装着されている工具28と
を交換することができる。該交換によって主軸26の先
端孔に挿入された上記所望の工具は、該工具の後端部
(図6左側端部)とドローバ36の先端部(図6右側端
部)とを係合させ、かつ油圧シリンダ34内のピストン
を紙面左方向に移動させることによって主軸26に固定
される。なお、この工具交換の際の各部の制御はシーケ
ンサ50によって行なわれる。
【0004】一方、同図に示す工作機械は、加工対象と
するワーク58をクランプするクランプ装置60を備え
ており、クランプ装置60にはワーク58をクランプす
る際に用いるノックピン62及びクランプ部材66の各
々をY軸方向(紙面上下方向)に移動させるための油圧
シリンダ64及び油圧シリンダ68が設けられている。
【0005】また、クランプ装置60の下面には旋回モ
ータ74の回転軸に中心が連結された平面視円状のター
ンテーブル72が取り付けられており、旋回モータ74
を回転駆動することによってクランプ装置60全体を回
転させることができる。このクランプ装置60の回転に
よってワーク58の外周面のうちの任意の1面を主軸2
6の方向に向けることができ、主軸26の方向に向いた
1面に対して工具28による加工が行なわれる。
【0006】このワーク58の加工の際にはクランプ装
置60が回転しないように固定し、異なる面を主軸26
の方向に向ける際にはクランプ装置60が回転可能な状
態とする必要があるため、同図に示す工作機械ではター
ンテーブル72の円周方向端部近傍に弾性リング76が
設けられている。
【0007】すなわち、この工作機械では、弾性リング
76をクランプ装置60に設けられた油圧シリンダ78
のピストンのY軸方向への移動に応じて径方向(図6左
右方向)への広がり量が変化し、かつ油圧シリンダ78
のピストンが所定位置より下方に位置した場合に弾性リ
ング76の外周面がターンテーブル72に当接するよう
に構成しているので、油圧シリンダ78の作動によって
ターンテーブル72の固定及び固定の解除の各々の状態
を設定することができる。
【0008】同図に示す工作機械には、更に、油圧シリ
ンダ34、64、68及び78に作動油を流入するため
の油圧ポンプユニット42が設けられている。油圧ポン
プユニット42の上面にはシーケンサ50に接続された
モータ44が設けられており、モータ44はシーケンサ
50からの所定の入力信号の有無に応じて回転/停止が
行なわれ、油圧ポンプユニット42はモータ44が回転
しているときに所定の流量(吐出量)の作動油を油圧シ
リンダ34、64、68及び78の少なくとも1つの内
部に流入することができる。
【0009】この各シリンダへの作動油の流入によっ
て、各シリンダのピストンに設けられた各部を移動する
ことができる。
【0010】このように、図6に示す工作機械では、1
つの油圧ポンプユニット42によって各シリンダの作動
が行なわれていた。油圧ポンプユニット42を作動させ
るモータ44は、通常、工作機械に運転準備「入」の指
令が与えられた後、工作機械が動作中であると否とにか
かわらず、油圧ポンプユニット42に内蔵されている図
略のポンプが一定容量の圧油を吐出するように所定の速
度で常時回転し続ける。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような従来の工作機械では、主軸用の油圧シリンダとク
ランプ装置用の複数(図6の例では3つ)のシリンダと
を同時に作動させる場合を想定して、油圧ポンプユニッ
トとして大容量のポンプを使用する必要があり高コスト
となってしまうと共に、ポンプの設置面積が大きくなる
ので工作機械を大型化させてしまう、という問題点があ
った。
【0012】すなわち、1つのポンプで複数のシリンダ
を作動させるため、一部のシリンダの作動によって残り
のシリンダの圧力が変化する場合があり、この点を考慮
して上記主軸用の油圧シリンダの作動に要する容量と上
記クランプ装置用の複数のシリンダの作動に要する容量
との合計容量よりもかなり大きな容量のポンプを必要と
するのである。
【0013】また、上記のような従来の工作機械では、
通常、クランプ装置と該クランプ装置以外の部分である
工作機械本体とを別体として構成し、工作機械を設置し
て稼動させる際には、上記工作機械本体を組み立てて設
置してから工作機械本体にクランプ装置を組み付けるよ
うにしており、この場合にはクランプ装置を組み付ける
まで工作機械全体としての動作確認を行なうことができ
ないので、工作機械を稼動させるまでのリードタイムが
長くなる、という問題点があった。
【0014】更に、上記のような従来の工作機械では、
複数のシリンダの一部を作動させないときでも、ポンプ
は常に一定の回転速度で回転させておく必要があるの
で、エネルギーの消費量が多い、という問題点もあっ
た。
【0015】特に、この種の工作機械では、工具主軸内
の工具クランプ用油圧シリンダは工具交換に伴って頻繁
に作動されるが、ワークは一旦クランプ装置に固定保持
されるとその後は種々の工具により加工を施される間、
その固定保持状態に維持され、この状態ではワークをク
ランプするクランプ装置における複数の油圧シリンダは
保圧状態に保たれるが、動きを伴う動作は行われない。
それにもかかわらず、頻繁な工具交換に常時準備するた
め、ポンプが大容量の圧油を常時吐出するようにモータ
が駆動されており、このモータの動力消費が大きかっ
た。
【0016】本発明は上記問題点を解消するために成さ
れたものであり、低コストで占有面積を小さくすること
ができると共に、稼動までのリードタイムが短く、かつ
エネルギーの消費量が少ない工作機械を提供することを
目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1記載の工作機械は、主軸に装着される工具
をこの主軸に対し固定する工具固定手段と、前記工具を
前記主軸に対しアンクランプするように前記工具固定手
段を動作する第1シリンダと、前記第1シリンダを作動
させる圧油を吐出する第1ポンプ及びこの第1ポンプを
回転駆動する第1モータを含む第1ポンプユニットと、
前記主軸に装着された前記工具により加工すべき工作物
をクランプ及びアンクランプするクランプ部材及びこの
クランプ部材を作動する少なくとも1つの第2シリンダ
を含むワーククランプ装置と、前記第2シリンダを作動
させる圧油を吐出する第2ポンプ及びこの第2ポンプを
回転駆動する第2モータを含む第2ポンプユニットとに
より構成し、工具アンクランプ用の第1シリンダに圧油
を供給する前記第1ポンプユニットと前記ワーククラン
プ装置の第2シリンダに圧油を供給する前記第2ポンプ
ユニットとをそれぞれ分離独立させたものである。
【0018】請求項1に記載の工作機械によれば、主軸
に工具を固定する工具固定手段をアンクランプ動作させ
る第1シリンダへの圧油の供給は第1ポンプユニットに
よりなされ、一方、ワーククランプ装置のクランプ部材
を作動させる第2シリンダへの圧油の供給は第2ポンプ
ユニットによってなされる。
【0019】つまり、ポンプユニットを工具アンクラン
プ動作用とワーククランプ装置用とに分離独立させたの
で、第1及び第2シリンダの一方を作動させたときに他
方への圧力変動の波及による悪影響がなく、このためそ
れぞれのポンプユニットの圧油の吐出能力を小さなもの
にでき、それぞれのポンプユニットを小形のもので賄え
る。この結果、工具アンクランプ動作用とワーククラン
プ装置用に供するポンプユニットは、その数が2台とな
るものの、低コストのものを使用できる。
【0020】また、ポンプユニットを工具アンクランプ
動作用とワーククランプ装置用とに分離独立させた構成
により、本発明による工作機械の製造過程においては、
主軸工具のアンクランプ動作を伴う工具交換動作の確認
とワーククランプ装置の動作確認とをそれぞれのポンプ
ユニットを使用して個別にできる。このため、工作機械
本体及びワーククランプ装置の何れの一方も組付けが完
了次第他方の組付けを待つことなく、即座に動作確認で
き、工作機械の稼動までのリードタイムを短縮できる。
【0021】また、請求項2に記載の工作機械は、第1
及び第2ポンプユニットの各々に対応する第1及び第2
モータを制御する制御手段をさらに設け、この制御手段
により、第1ポンプユニットの第1モータは常時定速回
転するように制御し、第2ポンプユニットの第2モータ
は同ポンプユニットが実行すべき複数の異なる動作工程
に対応して異なる吐出量の圧油を供給するようにその回
転速度を変更制御可能とした。
【0022】このため、第1モータは常時定速回転され
て第1ポンプユニットから工具アンクランプ用の第1シ
リンダに所定吐出量の圧油を供給できるように常時準備
され、一方第2モータは第2ポンプユニットが実行すべ
き複数の異なる動作工程に対応して回転速度が変更され
て第2ポンプユニットから異なる吐出量の圧油をクラン
プ装置の第2シリンダへ供給するように動作される。
【0023】この構成により、第1ポンプユニットは、
工具アンクランプ動作を伴う工具交換動作が頻繁に実行
されるときでも必要な圧油を即座に供給できるので、工
具交換動作に支障を与えることがない。一方、第2ポン
プユニットは、第2モータの回転速度が可変とされるの
で、第2ポンプユニットの動作工程に応じた最小限の吐
出量を第2ポンプから得る回転速度に設定することが可
能であり、このように回転速度を設定することによっ
て、第2ポンプを駆動させるための消費エネルギーを節
約することができる。
【0024】特に、請求項2に記載の工作機械によれ
ば、第2モータを回転速度が可変なものとして第2ポン
プユニットの動作工程に応じて第2ポンプの吐出量を最
小限に抑えることができるので、消費エネルギーを節約
できることに加えて、低騒音化及び発熱量を減少でき
る。ワーククランプ装置の第2シリンダの作動速度調整
は第2ポンプの回転速度の調整により実現され、流量制
御弁を含む作動速度調整のための流量制御機器が実質的
に不要にでき、油圧系統を含めたクランプ装置全体を構
造簡単で低コストのものにできる。第2ポンプの可変速
度制御による発熱の低減及び流量制御機器の排除による
発熱の低減は、ワーククランプ装置上のワークの熱変形
防止にも寄与し、熱変形による加工精度低下を軽減でき
る。
【0025】また、請求項3記載の工作機械は、第2ポ
ンプユニットが第2モータをアイドリング状態とする運
転準備工程及びクランプ又はアンクランプの状態を保持
する保圧工程のときの第2モータの回転速度をワークク
ランプ装置がクランプ又はアンクランプ動作する工程に
おけるそれよりも低速にすることを特徴とする。
【0026】ワーククランプ装置がクランプ又はアンク
ランプ動作する工程は、クランプ部材を移動する第2シ
リンダへの圧油供給のために第2モータを比較的高速回
転するのに対して、運転準備工程は第2シリンダによる
圧油の消費がなく、また保圧工程では第2シリンダの実
質的な動作がないので、単にクランプ部材をワークに押
し付けるための圧力の生成だけとなり、かかる両工程で
は第2モータの回転速度は低速回転される。
【0027】この種のクランプ装置においては、クラン
プ装置内に搬入されたワークをクランプする工程や加工
終了後にアンクランプする工程はほんの一瞬であるのに
対し、クランプ状態を持続する保圧工程は、多数回の工
具交換動作及び多数の工具による加工動作を実行する間
継続されるので比較的長い時間となり、それ以上に運転
準備工程の状態は長く持続される。このため、相対的に
長時間となる運転準備工程や保圧工程における第2モー
タの回転速度を瞬時になされるクランプ又はアンクラン
プ動作工程におけるそれに対してかなり低速に維持する
ことにより、このような運転準備工程や保圧工程でもポ
ンプを高速回転させていた従来装置に比べて、第2モー
タの消費電力を大幅に低減できる。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、本発明の
実施の形態について詳細に説明する。
【0029】本実施の形態に係る工作機械10はベッド
12を備えており、このベッド12上にはX軸方向(紙
面垂直方向)に伸びる一対のガイドレール14が平行に
設けられており、該ガイドレール14にはコラム16が
X軸方向に移動可能に案内支持されている。コラム16
はベッド12とコラム16との間に設けられたX軸送り
モータ18によってX軸方向に移動させることができ
る。
【0030】一方、コラム16には、主軸駆動モータ3
0と円筒状の主軸頭24とが一体的に構成されてY軸方
向(紙面上下方向)に移動可能にガイドレール20に案
内支持されており、コラム16の上面に設けられたY軸
送りモータ22によってY軸方向に移動させることがで
きる。また、主軸頭24の貫通孔には主軸26が挿通さ
れており、主軸26の図示しない中心軸が主軸駆動モー
タ30の回転軸と連結されている。従って、主軸駆動モ
ータ30を回転駆動することによって主軸26を所定方
向(本実施の形態では図1矢印C方向)に回転させるこ
とができる。
【0031】また、主軸頭24と主軸駆動モータ30と
を一体的に構成したものの内部には油圧シリンダ34、
及び油圧シリンダ34のピストンに一端部(図1左側端
部)が取り付けられたドローバ36が配置されている。
ドローバ36の他端部は、工具28及び後述する工具交
換装置40に保持された複数の工具28’のうちの何れ
か1つの工具の一端部(図1左側端部)と係合可能に構
成されており、油圧シリンダ34によってドローバ36
を図1左方向に移動させることによってドローバ36の
他端部を工具の一端部に係合し、かつ工具を主軸26に
固定することができるように構成されている。なお、図
1では工具28を主軸26に固定した状態を示してい
る。
【0032】従って、このように主軸26に工具28を
装着した状態では、Y軸送りモータ22によって主軸頭
24、主軸26、工具28及び主軸駆動モータ30を一
体的にY軸方向に移動させることができると共に、工具
28を主軸駆動モータ30によって回転させることがで
きる。
【0033】また、主軸頭24、主軸26、工具28及
び主軸駆動モータ30は、主軸駆動モータ30の下部近
傍に設けられたZ軸送りモータ32によってZ軸方向
(紙面左右方向)へも一体的に移動することができる。
なお、このZ軸送りモータ32は、Y軸送りモータ22
によって主軸頭24、主軸26、工具28及び主軸駆動
モータ30と一体的にY軸方向へ移動される。
【0034】X軸送りモータ18、Y軸送りモータ2
2、主軸駆動モータ30及びZ軸送りモータ32は各
々、工作機械10全体の動作を司るシーケンサ50に接
続されている。より詳細には、シーケンサ50はコンピ
ュータ数値制御装置として周知のCNC装置(図略)を
内蔵しており、このCNC装置により各軸送りモータ1
8、22及び32が制御され、シーケンサ50により主
軸駆動モータ30の回転駆動が制御される。ここで、X
軸送りモータ18、Y軸送りモータ22及びZ軸送りモ
ータ32には、各々の回転軸の回転数に応じたパルス信
号をCNC装置に対して出力する図示しないエンコーダ
が各々設けられている。従って、CNC装置は、各エン
コーダから入力されたパルス信号に基づいて主軸26の
位置を常時把握することができる。
【0035】一方、コラム16の上部には複数の工具2
8’を保持保管する工具マガジン38を含んで構成され
た工具交換装置40が設置されており、主軸26に対し
て工具28及び上記複数の工具28’のうちの1つを選
択的に交換、装着することができるように構成されてい
る。
【0036】この主軸26に対する工具の交換は、例え
ば実開平3−29234号公報に記載されている技術、
すなわち図示しないS字状の工具交換アームを介して行
なう技術や、特開平8−197361号公報に記載され
ている技術、すなわち上記工具交換アームを使用せずに
主軸のY軸方向及びZ軸方向への移動によって行なう技
術等を適用することができる。
【0037】また、主軸26への工具の装着(固定)
は、上述したように、工具の一端部をドローバ36の他
端部に係合し、ドローバ36の一端部を油圧シリンダ3
4によって引張ることによって行なう。
【0038】なお、工具マガジン38はシーケンサ50
に接続されており、工具マガジン38の動作(本実施の
形態では回転駆動)はシーケンサ50によって制御され
る。
【0039】また、工作機械10は加工対象とするワー
ク58をクランプするクランプ装置60をベッド12上
に備えている。
【0040】図2に示すように、クランプ装置60のケ
ーシング61内部の上方には、下方に向いたピストンの
先端部にノックピン62が取り付けられた油圧シリンダ
64が設置されており、ケーシング61内部の下方に
は、上方に向いたピストンの先端部にクランプ部材66
が取り付けられた油圧シリンダ68が設置されている。
なお、クランプ部材66は紙面垂直方向に幅を持ったコ
の字状の形状とされている。
【0041】また、クランプ装置60の下面には平面視
円状のターンテーブル72が取り付けられており、ター
ンテーブル72の中心軸はベッド12上に設置されてい
る旋回モータ74の回転軸と連結されている。従って、
旋回モータ74を回転駆動することによって中心軸を中
心としてターンテーブル72を回転させることができ、
これによってクランプ装置60全体を回転させることが
できる。
【0042】また、ターンテーブル72の円周方向端部
近傍には弾性リング76が設けられており、ケーシング
61内部の下方に設置されている油圧シリンダ78のピ
ストン80の上下動に応じてターンテーブル72の固定
及び固定解除を設定することができる。
【0043】すなわち、ピストン80を下降させた場合
は弾性リング76が径方向に広がって弾性リング76の
外周面がターンテーブル72に当接することによりター
ンテーブル72を回転しないように固定することがで
き、逆にピストン80を上昇させた場合は弾性リング7
6が中心方向に縮むので弾性リング76の外周面はター
ンテーブル72に当接せずにターンテーブル72を回転
可能な状態とすることができる。
【0044】以上のように構成されたクランプ装置60
では、ワーク58が図示しない搬送装置によってクラン
プ装置60内の所定の位置(略図2の位置)に配置され
ると、油圧シリンダ64によりノックピン62を下方に
移動することによってワーク58が正確な位置に配置さ
れているか否かを判定する。
【0045】すなわち、ワーク58が正確な位置に配置
されていればノックピン62の先端部がワーク58の上
面の所定位置に設けられた基準穴58Aに挿入され、正
確な位置に配置されていなければノックピン62の先端
部は基準穴58Aに挿入されない。従って、ノックピン
62がどの位置まで移動できたかによってワーク58が
正確な位置に配置されているか否かを判定することがで
きる。
【0046】そして、ワーク58が正確な位置に配置さ
れていると判定された場合には、油圧シリンダ68によ
りクランプ部材66を上方に移動することによって、ワ
ーク58の上面側に設けられた基準部材70の基準面7
0Aに対してワーク58の上面を押し当ててワーク58
をクランプする。
【0047】一方、図1に示すように、ベッド12の側
方には油圧ポンプユニット90が設置されており、油圧
ポンプユニット90の作動油の流出口及び流入口は油圧
シリンダ34に接続されている。また、油圧ポンプユニ
ット90の上面には図略の油圧ポンプを回転駆動するモ
ータ92が設置されており、油圧ポンプユニット90は
モータ92の回転により吐出される所定流量の作動油を
図略の電磁弁を介して油圧シリンダ34への流出及び流
出停止を行なう。モータ92はシーケンサ50に接続さ
れて制御され、該モータ92の回転駆動は工作機械10
が運転状態にある間継続される。すなわち、ポンプユニ
ット90は定吐出量形のものである。
【0048】一方、ベッド12の側方でかつクランプ装
置60の近傍には油圧ポンプユニット94が設置されて
おり、油圧ポンプユニット94の上面には油圧ポンプユ
ニット94を駆動させるインバータモータ96が設置さ
れている。すなわち、ポンプユニット94は、モータ9
6をインバータ制御することにより内蔵したポンプの回
転速度を変更して吐出流量を変更できる可変吐出量形の
ものとして構成されている。
【0049】図3に示すように、油圧ポンプユニット9
4の作動油の流出口及び流入口はシーケンサ50によっ
て弁の状態が切り替えられる電磁弁100を介して油圧
シリンダ68内のピストンで隔てられた第1室68A及
び第2室68Bの何れか一方に各々接続される。すなわ
ち、電磁弁100が第1位置100Aに位置する場合は
油圧ポンプユニット94の流出口は油圧シリンダ68の
第1室68Aに、流入口は油圧シリンダ68の第2室6
8Bに、各々接続された状態となり、電磁弁100が第
2位置100Bに位置する場合(図3の状態)は油圧ポ
ンプユニット94の流出口は油圧シリンダ68の第2室
68Bに、流入口は油圧シリンダ68の第1室68A
に、各々接続された状態となる。
【0050】一方、油圧シリンダ68のピストンの軸の
側方にはクランプ部材66の位置を検知するための近接
スイッチ110A及び近接スイッチ110Bが設置され
ている。近接スイッチ110Aはクランプ部材66が所
定のクランプ位置(ワーク58をクランプしている位
置)に位置されたときにオンされ、近接スイッチ110
Bはクランプ部材66が所定のアンクランプ位置(ワー
ク58をクランプしていない位置)に位置されたときに
オンされる。近接スイッチ110A及び近接スイッチ1
10Bは各々シーケンサ50に接続されており、シーケ
ンサ50はクランプ部材66の位置を常時把握すること
ができる。
【0051】また、油圧ポンプユニット94の作動油の
流出口及び流入口はシーケンサ50によって弁の状態が
切り替えられる電磁弁102を介して油圧シリンダ64
内のピストンで隔てられた第1室64A及び第2室64
Bの何れか一方にも各々接続される。すなわち、電磁弁
102が第1位置102Aに位置する場合は油圧ポンプ
ユニット94の流出口は油圧シリンダ64の第1室64
Aに、流入口は油圧シリンダ64の第2室64Bに、各
々接続された状態となり、電磁弁102が第2位置10
2Bに位置する場合(図3の状態)は油圧ポンプユニッ
ト94の流出口は油圧シリンダ64の第2室64Bに、
流入口は油圧シリンダ64の第1室64Aに、各々接続
された状態となる。
【0052】一方、油圧シリンダ64のピストンの軸の
側方にはノックピン62の位置を検知するための近接ス
イッチ112A、近接スイッチ112B及び近接スイッ
チ112Cが設置されている。近接スイッチ112Cは
ノックピン62が所定の挿入位置(ワーク58の基準穴
58Aにノックピン62が挿入された位置)に位置され
たときにオンされ、近接スイッチ112Aはノックピン
62が所定の非挿入位置(ワーク58の基準穴58Aに
ノックピン62が挿入されない位置)に位置されたとき
にオンされ、近接スイッチ112Bはノックピン62が
上記挿入位置及び非挿入位置の途中に位置されたときに
オンされる。近接スイッチ112A、近接スイッチ11
2B及び近接スイッチ112Cは各々シーケンサ50に
接続されており、シーケンサ50はノックピン62の位
置を常時把握することができる。
【0053】更に、油圧ポンプユニット94の作動油の
流出口及び流入口はシーケンサ50によって弁の状態が
切り替えられる電磁弁104を介して油圧シリンダ78
内のピストンで隔てられた第1室78A及び第2室78
Bの何れか一方にも各々接続される。すなわち、電磁弁
104が第1位置104Aに位置する場合は油圧ポンプ
ユニット94の流出口は油圧シリンダ78の第1室78
Aに、流入口は油圧シリンダ78の第2室78Bに、各
々接続された状態となり、電磁弁104が第2位置10
4Bに位置する場合(図3の状態)は油圧ポンプユニッ
ト94の流出口は油圧シリンダ78の第2室78Bに、
流入口は油圧シリンダ78の第1室78Aに、各々接続
された状態となる。
【0054】一方、油圧シリンダ78のピストンの軸の
側方にはピストン80の位置を検知するための近接スイ
ッチ114A及び近接スイッチ114Bが設置されてい
る。近接スイッチ114Aはピストン80が所定のアン
クランプ位置(ターンテーブル72が弾性リング76に
よって固定されない位置)に位置されたときにオンさ
れ、近接スイッチ114Bはピストン80が所定のクラ
ンプ位置(ターンテーブル72が弾性リング76によっ
て固定される位置)に位置されたときにオンされる。近
接スイッチ114A及び近接スイッチ114Bは各々シ
ーケンサ50に接続されており、シーケンサ50はピス
トン80の位置を常時把握することができる。
【0055】なお、インバータモータ96はシーケンサ
50に接続されており、油圧ポンプユニット94による
作動油の吐出量はシーケンサ50によって、インバータ
モータ96への入力信号(パルス信号)の周波数を変更
することによって制御することができる。また、前記近
接スイッチ110A、110B、112A、112B、
112C、114A、114Bは、各油圧シリンダの作
動位置を検知する検知手段を例示するものであるが、こ
の検知手段としては、近接スイッチの他にリミットスイ
ッチ、光学スイッチ、磁気スケール検出器などの周知の
各種の位置センサを使用できることは自明である。
【0056】表1には、本実施の形態に係るインバータ
モータ96への入力信号の周波数と、インバータモータ
96の回転速度及び油圧ポンプユニット94の作動油の
吐出量との関係が示されている。
【0057】
【表1】
【0058】表1に示すように、入力信号の周波数が1
5Hz、20Hz、・・・と高くなる程インバータモー
タ96の回転速度は450rpm(回転数/分)、60
0rpm、・・・というように比例して増加し、これに
伴って油圧ポンプユニット94の作動油の吐出量も4.
5L/min(リットル/分)、6L/min、・・・
というように比例して増加する。
【0059】また、本実施の形態に係るクランプ装置6
0では、ノックピン62及びクランプ部材66の移動を
行なう際には油圧ポンプユニット94の作動油の吐出量
を15L/minとし、ワーク58の加工を行なう際に
は4.5L/minとする。すなわち、ノックピン62
及びクランプ部材66の移動の際には多くの流量を必要
とするが、ワーク58の加工を行なう際にはノックピン
62及びクランプ部材66の状態を保持できる程度の流
量しか必要としないので、ワーク58の加工を行なう際
の油圧ポンプユニット94の作動油の吐出量は、ノック
ピン62及びクランプ部材66の移動を行なう際に比較
して少なくすることができる。
【0060】なお、油圧シリンダ34が本発明の第1シ
リンダに、ドローバ36が本発明の工具固定手段に、シ
ーケンサ50が本発明の制御手段に、ワーク58が本発
明の工作物に、油圧シリンダ64及び68が本発明の第
2シリンダに、ノックピン62及びクランプ部材66が
本発明のクランプ部材に、油圧ポンプユニット90が本
発明の第1ポンプユニットに、モータ92が本発明の第
1モータに、油圧ポンプユニット94が本発明の第2ポ
ンプユニットに、インバータモータ96が本発明の第2
モータに、各々相当する。
【0061】次に、本実施の形態に係る工作機械10の
作用について説明する。まず、図4を参照して、シーケ
ンサ50による工具の主軸26に対する交換装着制御に
ついて説明する。なお、図4は、工具の交換・装着を行
なう際にシーケンサ50で実行される制御の手順を示し
た概略フローチャートである。
【0062】ステップ200では、所望の工具28’が
工具マガジン38の最下部に位置されるように工具マガ
ジン38を回転駆動させる。
【0063】次のステップ202では、主軸26を所定
の工具交換位置に位置させるようにX軸送りモータ1
8、Y軸送りモータ22及びZ軸送りモータ32を回転
駆動する。
【0064】次のステップ204では、上述したような
周知の技術(実開平3−29234号公報、特開平8−
197361号公報等)によって、主軸26に装着され
ている工具28と所望の工具28’とを交換する。な
お、この交換時には、油圧ポンプユニット90の図略の
電磁弁を切替えて常時この電磁弁まで供給されている作
動油を油圧シリンダ34内の一方の室に流出させること
によって、ドローバ36を図1右方向に移動させて、ド
ローバ36の他端部の工具28の一端部への係合を解除
させることによって、工具28を主軸26から抜き取り
可能な状態としておく。
【0065】次のステップ206では、油圧ポンプユニ
ット90の図略の電磁弁を逆に切替えて作動油を油圧シ
リンダ34内の他方の室に流出させることによって、ド
ローバ36を図1左方向に移動させて、所望の工具2
8’の一端部にドローバ36の他端部を係合させて所定
の引張力で工具28’を主軸26に固定した後、本制御
を終了する。
【0066】通常、このような工具交換動作は、加工す
べき1つのワークについて頻繁に繰り返し実行される
が、油圧ポンプユニット90は定容量形のもので、工作
機械の運転中は常時モータ92が一定速度で回転を持続
しているので、短いインターバルで実行される工具交換
動作に対応してドローバ36作動用の油圧シリンダ34
を素早く作動することができる。
【0067】次に、図5を参照して、シーケンサ50に
よるクランプ装置60の制御について説明する。なお、
図5は、クランプ装置60にワーク58をクランプし、
ワーク58の周囲4面の加工を行なった後、ワーク58
のクランプを解除するまでの、クランプ装置60の動作
の推移、インバータモータ96に入力するパルス信号の
周波数の推移、及びインバータモータ96の実際の回転
速度を示したタイムチャートである。また、同図におけ
る運転準備の状態(所謂アイドリングの状態)は、本実
施の形態では、油圧ポンプユニット94の作動油の吐出
量を4.5L/minとする状態であるものとする。ま
た、本制御を実施するに先立って、ノックピン62は非
挿入の状態、クランプ部材66及びピストン80はアン
クランプの状態、すなわち図3に示す状態とされている
と共に、電磁弁100、102及び104は各々第2位
置100B、第2位置102B及び第2位置104Bに
位置された状態、すなわち図3に示す状態とされてい
る。
【0068】まず、油圧ポンプユニット94を運転準備
の状態とするために、インバータモータ96に対して周
波数が15Hzのパルス信号を入力する。これによっ
て、インバータモータ96は回転速度が徐々に増加され
て所定期間のタイムラグの後に運転準備時の回転速度
(本実施の形態では450rpm)に達し、この時の油
圧ポンプユニット94の作動油の吐出量は4.5L/m
inとなる。
【0069】その後、図示しない移動装置によってワー
ク58が所定位置(略図1の位置)に位置決めされる
と、クランプ装置60のノックピン62及びクランプ部
材66によるワーク58のクランプを行なうためにイン
バータモータ96に入力されているパルス信号の周波数
を50Hzに変更する。これによって、インバータモー
タ96は回転速度が徐々に増加されて所定期間のタイム
ラグの後に油圧ポンプユニット94の作動油の吐出量が
ノックピン62の下降及びクランプ部材66の上昇に所
望な量(本実施の形態では15L/min)となる回転
速度(本実施の形態では1500rpm)に達する。
【0070】なお、この際のタイムラグの間に、シーケ
ンサ50は、電磁弁100を第1位置100Aに、電磁
弁102を第1位置102Aに、電磁弁104を第1位
置104Aに各々位置するように各電磁弁を制御する。
従って、油圧ポンプユニット94から吐出された作動油
は油圧シリンダ64の第1室64Aに流入されると共
に、油圧シリンダ64の第2室64B内の作動油は油圧
ポンプユニット94の流入口に向けて流出されるので、
油圧シリンダ64のピストンが下方に移動されてノック
ピン62が下方に移動される。
【0071】このとき、油圧シリンダ68では第1室6
8Aに作動油が流入されると共に、第2室68Bの作動
油が油圧ポンプユニット94に流出されるので、クラン
プ部材66は下方に位置したままとなる。また、油圧シ
リンダ78では第1室78Aに作動油が流入されると共
に、第2室78Bの作動油が油圧ポンプユニット94に
流出されるので、ターンテーブル72が固定された状態
となる。
【0072】ノックピン62がワーク58の基準穴58
Aに挿入されると近接スイッチ112Cがオン状態とな
るので、シーケンサ50は近接スイッチ112Cがオン
状態となったことを検知した時点で、電磁弁100を第
2位置100Bに位置されるように制御することによっ
てクランプ部材66のクランプ動作を開始する。
【0073】すなわち、この状態では油圧ポンプユニッ
ト94から流出された作動油は油圧シリンダ68の第2
室68Bに流入されると共に、油圧シリンダ68の第1
室68Aの作動油は油圧ポンプユニット94に流出され
るのでクランプ部材66は上方に移動する。
【0074】一方、油圧シリンダ64に対応する電磁弁
102は第1位置102Aに位置されたままであるの
で、ノックピン62はワーク58の基準穴58Aに挿入
された状態を維持する。また、油圧シリンダ78に対応
する電磁弁104も第1位置104Aに位置されたまま
であるので、ターンテーブル72は固定された状態を維
持する。
【0075】クランプ部材66が上昇してワーク58を
クランプした状態となると近接スイッチ110Aがオン
状態となるので、シーケンサ50は近接スイッチ110
Aがオン状態となったことを検知すると、ワーク58の
加工を行なう際の状態(以下、保圧の状態という)とす
るためにインバータモータ96に入力しているパルス信
号の周波数を15Hzとする。
【0076】すなわち、ワーク58の加工中は油圧シリ
ンダ64、油圧シリンダ68及び油圧シリンダ78の油
圧が低下しないように保持できればよいので、油圧ポン
プユニット94はほとんど仕事をしなくてもよい。従っ
て、ワーク58の加工中はインバータモータ96に入力
しているパルス信号の周波数を15Hzまで低下させて
油圧ポンプユニット94の吐出量を減少させることによ
って、油圧ポンプユニット94駆動のためのエネルギー
を節約することができる。なお、実際には保圧に必要な
流量は2.0L/min程度なので、インバータモータ
96に入力しているパルス信号の周波数は6〜7Hz程
度でよいのだが、ここまで周波数を落とすと慣性力の影
響により油圧ポンプユニット94が安定して回転できな
いので、油圧ポンプユニット94が安定して回転するこ
とができる最低の周波数ということで、15Hzとして
いる。
【0077】シーケンサ50は、この保圧の状態を維持
したまま、主軸26に装着された工具によってワーク5
8の外周面4面の加工を行なうように各部を制御する。
この際、ワーク58の1面目の加工が終了した際には、
次の2面目を主軸26の方向に向くようにターンテーブ
ル72を回転させる必要があるため、シーケンサ50は
電磁弁104を第2位置104Bに位置されるように制
御し、ターンテーブル72の固定を解除する。すなわ
ち、第2位置104Bに位置されている場合は、油圧ポ
ンプユニット94から流出された作動油は油圧シリンダ
78の第2室78Bに流入されると共に、第1室78A
の作動油は油圧ポンプユニット94に流出されるため、
油圧シリンダ78のピストン80が上昇されてターンテ
ーブル72の固定が解除(アンクランプ)される。
【0078】この状態でシーケンサ50はターンテーブ
ル72を旋回モータ74によって90度回転させること
によってワーク58の2面目を主軸26の方向に向けた
後、電磁弁104を第1位置104Aに位置されるよう
に制御してターンテーブル72を固定した後にワーク5
8の2面目の加工を行なう。
【0079】以上の加工時の動作を繰り返すことによっ
て、3面目及び4面目の加工を行なう。
【0080】ワーク58の各面の加工中において、主軸
26に対して種々の工具28、28’を選択的に装着す
るために前述した工具交換が頻繁に実行される。従っ
て、ワーク58をクランプするクランプ装置60の各油
圧シリンダ64、68、78は、ワーク58の1つの加
工面に対する全ての加工が終了するまでの比較的長い間
保圧動作状態に維持され、1つの加工面に対する全ての
加工が終了した時に次の加工面を主軸26側に割出すた
め油圧シリンダ78のみが作動される。
【0081】ワーク58の4面全ての加工が終了すると
シーケンサ50は、ワーク58のクランプを解除するた
めにインバータモータ96に入力しているパルス信号の
周波数を50Hzに変更する。これによって、インバー
タモータ96は回転速度が徐々に増加されて所定期間の
タイムラグの後に油圧ポンプユニット94の作動油の吐
出量がノックピン62の上昇及びクランプ部材66の下
降が可能な量(本実施の形態では15L/min)とな
る回転速度(本実施の形態では1500rpm)に達す
る。
【0082】なお、この際のタイムラグの間に、シーケ
ンサ50は、電磁弁100を第1位置100Aに、電磁
弁102を第2位置102Bに、電磁弁104を第1位
置104Aに、各々位置されるように電磁弁100、1
02及び104を制御する。
【0083】従って、油圧ポンプユニット94から吐出
された作動油は油圧シリンダ64の第2室64Bに流入
されると共に、油圧シリンダ64の第1室64A内の作
動油は油圧ポンプユニット94の流入口に向けて流出さ
れるので、油圧シリンダ64のピストンが上方に移動さ
れてノックピン62が上方に移動される。これと同時
に、油圧ポンプユニット94から吐出された作動油は油
圧シリンダ68の第1室68Aに流入されると共に、油
圧シリンダ68の第2室68B内の作動油は油圧ポンプ
ユニット94の流入口に向けて流出されるので、油圧シ
リンダ68のピストンが下方に移動されてクランプ部材
66が下方に移動される。更に、油圧ポンプユニット9
4から吐出された作動油は油圧シリンダ78の第1室7
8Aに流入されると共に、油圧シリンダ78の第2室7
8B内の作動油は油圧ポンプユニット94の流入口に向
けて流出されるので、ピストン80が下方に移動されて
ターンテーブル72が固定される。
【0084】ノックピン62が非挿入状態になり、かつ
クランプ部材66がアンクランプ状態になると、近接ス
イッチ112A及び近接スイッチ110Bが双方ともオ
ン状態となるので、シーケンサ50は近接スイッチ11
2A及び近接スイッチ110Bがオン状態となったこと
を検知した時点でインバータモータ96に入力している
パルス信号の周波数を15Hzとして運転準備の状態と
した後、インバータモータ96へのパルス信号の入力を
停止した後に本制御を終了する。
【0085】上述の説明から明らかなように、1つのワ
ーク58をクランプ装置60に取り付けた後そのワーク
58の加工を全て終了するまでの加工時間に対し、各油
圧シリンダ64、68、78がピストンの実際の動きを
伴う作動を行う時間は瞬時であって短く、加工時間の大
部分は各油圧シリンダ64、68、78の保圧動作が継
続される。このため、クランプ装置60用の油圧ポンプ
ユニット94を可変容量形のものとすることにより、消
費電力を顕著に節約できる。
【0086】なお、図5における運転準備の工程が本発
明の運転準備工程に、締め動作及びゆるめ動作の工程が
本発明のクランプ・アンクランプ工程に、保圧の工程が
本発明の保圧工程に、各々相当する。
【0087】以上詳細に説明したように、本実施の形態
に係る工作機械10では、主軸用の油圧シリンダを作動
させるためのポンプユニットとクランプ装置用のシリン
ダを作動させるためのポンプユニットとを各々個別に備
えているので、各シリンダの相互影響を考慮する必要が
なく、各ポンプユニットを小容量のものとすることがで
き、低コスト化することができると共に、工作機械を小
型化することができる。
【0088】また、本実施の形態に係る工作機械10で
は、クランプ装置60用のポンプユニット94を工作機
械本体用のポンプユニット90とは別に設けたので、ク
ランプ装置60と工作機械本体とを各々個別に運転動作
確認及び調整を行なうことができ、稼動までのリードタ
イムを短縮することができる。
【0089】また、本実施の形態に係る工作機械10で
は、主軸26に対応する油圧シリンダ34を作動させる
ためのポンプユニット90を小形の定容量吐出形のもの
とし、ワーククランプ動作用の油圧シリンダ64、68
を作動させるためのポンプユニット94をインバータモ
ータで駆動する可変容量吐出形のものとしたので、両ポ
ンプユニット90、94の作動油の吐出量を最小限に抑
えることができ、消費エネルギーを節約することができ
ると共に、低騒音化することができ、かつ油圧ポンプユ
ニットからの発熱量を減少させることができる。
【0090】上述した実施の形態においては、工具クラ
ンプ動作用の油圧シリンダ34は、そのピストンにより
区画される両室に交互に油圧を導入することにより、ド
ローバ36を進退して工具28、28’をアンクランプ
及びクランプする形式のものとして例示されているが、
周知のように、ドローバ36にクランプ力を常時作用す
るための複数の皿バネをドローバ36と主軸26との間
に介装する構成を他の実施の形態として採用できる。こ
の場合では、油圧シリンダ34には皿バネを圧縮してド
ローバ36をアンクランプ動作させるときのみ油圧を導
入するようにする。
【0091】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、工具アン
クランプ動作用とワーククランプ装置用とでポンプユニ
ットを分離独立させているので、各シリンダの相互影響
を考慮する必要がなく、ポンプユニットを小型のものと
することができ、低コストで占有面積を小さくすること
ができると共に、工作機械本体とワーククランプ装置と
で独立して動作確認することができ、工作機械の稼動ま
でのリードタイムを短縮することができる、という効果
が得られる。
【0092】また、請求項2記載の発明によれば、請求
項1記載の発明と同様の効果を奏することができると共
に、請求項1記載の発明に対して、第1及び第2モータ
を制御する制御手段を設け、該制御手段によって第1ポ
ンプユニットに対応する第1モータは常時定速回転する
ように制御し、第2ポンプユニットに対応する第2モー
タは該ポンプユニットが実行すべき複数の異なる動作工
程に対応して異なる吐出量の圧油を供給するようにその
回転速度を変更制御可能としているので、工具交換動作
が頻繁に実行されるときでも必要な圧油を即座に供給で
き、工具交換動作に支障を与えることがなく、更に、第
2モータを第2ポンプユニットの動作工程に応じた最小
限の吐出量が第2ポンプから得られる回転速度に設定す
ることができ、第2ポンプユニットを駆動させるための
消費エネルギーの節約、低騒音化、及び発熱量を低減で
き、かつ油圧系統を含めたクランプ装置全体を構造簡単
で低コストのものにすることができる、という効果が得
られる。
【0093】更に、請求項3記載の発明によれば、請求
項2記載の発明において、第2ポンプユニットが第2モ
ータをアイドリング状態とする運転準備工程及びクラン
プ又はアンクランプの状態を保持する保圧工程のときの
第2モータの回転速度を、ワーククランプ装置がクラン
プ又はアンクランプ動作する工程におけるそれよりも低
速にしているので、このように制御しない場合に比較し
て、大幅に消費エネルギーを節約することができる、と
いう効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態に係る工作機械の概略側面図であ
る。
【図2】実施の形態に係る工作機械におけるクランプ装
置の構成を示す破断側面図である。
【図3】実施の形態に係る工作機械の油圧ポンプユニッ
ト94及びその周辺の接続構成を示す概念図である。
【図4】実施の形態に係る工作機械のシーケンサで実行
される工具交換装着制御の流れを示すフローチャートで
ある。
【図5】実施の形態に係る工作機械のシーケンサで実行
されるクランプ装置側の制御の流れを示すタイムチャー
トである。
【図6】従来の工作機械の構成の一例を示す概略側面図
である。
【符号の説明】
10 工作機械 12 ベッド 16 コラム 26 主軸 28 工具 34 油圧シリンダ(第1シリンダ) 36 ドローバ(工具固定手段) 50 シーケンサ(制御手段) 58 ワーク(工作物) 60 クランプ装置 62 ノックピン(クランプ部材) 64 油圧シリンダ(第2シリンダ) 66 クランプ部材(クランプ部材) 68 油圧シリンダ(第2シリンダ) 76 弾性リング 78 油圧シリンダ 90 油圧ポンプユニット(第1ポンプユニット) 92 モータ(第1モータ) 94 油圧ポンプユニット(第2ポンプユニット) 96 インバータモータ(第2モータ)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西田 学 愛知県刈谷市朝日町1丁目1番地 豊田工 機株式会社内 (72)発明者 中村 浩祥 愛知県刈谷市朝日町1丁目1番地 豊田工 機株式会社内 (72)発明者 酒井 浩一 愛知県刈谷市朝日町1丁目1番地 豊田工 機株式会社内 (72)発明者 吉田 直喜 愛知県岡崎市鉢地町字開山45番地 豊興工 業株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主軸に装着される工具をこの主軸に対し
    固定する工具固定手段と、 前記工具を前記主軸に対しアンクランプするように前記
    工具固定手段を動作する第1シリンダと、 前記第1シリンダを作動させる圧油を吐出する第1ポン
    プ及びこの第1ポンプを回転駆動する第1モータを含む
    第1ポンプユニットと、 前記主軸に装着された前記工具により加工すべき工作物
    をクランプ及びアンクランプするクランプ部材及びこの
    クランプ部材を作動する少なくとも1つの第2シリンダ
    を含むワーククランプ装置と、 前記第2シリンダを作動させる圧油を吐出する第2ポン
    プ及びこの第2ポンプを回転駆動する第2モータを含む
    第2ポンプユニットと、からなり、工具アンクランプ用
    の第1シリンダに圧油を供給する前記第1ポンプユニッ
    トと前記ワーククランプ装置の第2シリンダに圧油を供
    給する前記第2ポンプユニットとをそれぞれ分離独立さ
    せたことを特徴とする工作機械。
  2. 【請求項2】 前記工作機械の運転中において、前記第
    1ポンプユニットが常時圧油を前記第1シリンダへ供給
    できるように前記第1モータを常時定速回転駆動すると
    共に、前記第2ポンプユニットが実行すべき複数の異な
    る動作工程に対応して異なる吐出量の圧油を第2シリン
    ダに供給できるように前記第2モータの回転速度を変更
    する制御手段を設けたことを特徴とする請求項1記載の
    工作機械。
  3. 【請求項3】 前記第2ポンプユニットが実行すべき前
    記複数の異なる動作工程は、前記第2モータをアイドリ
    ング状態とする運転準備工程、前記クランプ部材による
    クランプ又はアンクランプを行なうクランプ・アンクラ
    ンプ工程、及び前記クランプ部材によるクランプ又はア
    ンクランプの状態を保持する保圧工程を含み、 前記制御手段は、前記運転準備工程及び前記保圧工程に
    おける前記第2モータの回転速度が前記クランプ・アン
    クランプ工程より低くなるように前記第2モータの回転
    速度を制御することを特徴とする請求項2記載の工作機
    械。
JP11261361A 1998-09-30 1999-09-16 工作機械 Pending JP2000167736A (ja)

Priority Applications (1)

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JP11261361A JP2000167736A (ja) 1998-09-30 1999-09-16 工作機械

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2024105774A1 (ja) * 2022-11-15 2024-05-23 株式会社Fuji 工作機械

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