JP2000167347A - 折れ曲りダクトの整流装置及びその整流装置を備えた排煙脱硫装置 - Google Patents

折れ曲りダクトの整流装置及びその整流装置を備えた排煙脱硫装置

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JP2000167347A
JP2000167347A JP10345524A JP34552498A JP2000167347A JP 2000167347 A JP2000167347 A JP 2000167347A JP 10345524 A JP10345524 A JP 10345524A JP 34552498 A JP34552498 A JP 34552498A JP 2000167347 A JP2000167347 A JP 2000167347A
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Toshihiro Sato
敏浩 佐藤
Haruo Kitamura
治男 北村
Hirotsugu Nagayasu
弘貢 長安
Shinya Urata
信也 浦田
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 折れ曲りダクトによる流体の偏流、特に流速
の横方向成分を低減する整流装置を提供する。 【解決手段】 折れ曲りダクト2の曲り部2aと排煙脱
硫装置における液柱部13の間には、複数の棒状整流部
材4が吸収搭部1の幅方向に一列に配置されている。整
流部材4の断面は、円弧と直線で形成された小判形をし
ており、円弧が上下に位置するように配置されている。
折れ曲りダクト2の曲り部2aを通過して不均一となっ
た排ガスの流速は、整流部材4の上部の円弧状部分の抵
抗を受けて均一化され、更に直線状部分を通過すること
によって流速の横方向成分が低減されることとなる。そ
して、整流部材4の下部が円弧状に形成されているた
め、流体流れが剥離を起こすことなく下流側へ流れるこ
ととなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、折れ曲りダクトを
有する流体機械、例えば、排煙脱硫装置等に適用される
整流装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、火力プラント等においては、立地
上の制約に基づくプラント設備の省スペース化の要請が
強い。このため、同プラントを構成する各種装置や、各
装置間にまたがる配管構成のコンパクト化、省スペース
化が図られている。このような装置の例としては、気液
接触を利用した排煙脱硫装置等が挙げられる。排煙脱硫
装置は、ボイラでの燃料の燃焼によって発生した亜硫酸
ガスを除去する環境装置であるが、上記の観点から、い
わゆる折れ曲りダクトを用いて構成されている。ここ
で、折れ曲りダクトとは、通常の曲り部を有したダクト
の他、拡大曲りダクトや180°方向転換するダクト等
も含むものである。しかしながら、排煙脱硫装置にこの
ような折れ曲りダクトを用いると、ダクト内を流れる排
ガスがダクトの一方だけに片寄る現象、即ち、偏流を起
こし易いため、吸着液(石灰水)と排ガスの接触面積が
小さくなり、脱硫効率が大幅に低下してしまうという不
都合が生ずる。
【0003】従来の排煙脱硫装置について更に詳細に説
明する。図7〜図9は従来の排煙脱硫装置300の構成
を示しており、同図において、01は吸収搭部、02は
この吸収搭部01にボイラからの排ガスを導入する排ガ
ス導入ダクト、03は吸収搭部01において排ガス中の
亜硫酸成分が除去された排ガスを吸収搭部01の外部へ
排出するための排ガス導出ダクトである。上記排ガス導
入ダクト02は90°曲りの拡大曲りダクト(以下、拡
大曲りダクトという)にて構成されている。この拡大曲
りダクト02は曲り部02aにおいて下方に向けて屈曲
しながら流路幅を増し、吸収塔部01の上部に接続され
る。そして、図8において符号αで示すコーナー部では
吸収塔部01に対してほぼ90°の角度で湾曲されてい
る。ボイラ内での燃料の燃焼によって発生する排ガス
は、拡大曲りダクト02を通して図8に矢印Gで示す如
く右側に流れてからほぼ90°方向変換されて急拡大
し、吸収搭部01内に下向きに流入されるようになって
いる。
【0004】また、上述の吸収搭部01は、図7及び図
8に示すように、その上方に配設されスプレーパイプ0
5及びスプレーノズル06から成る石灰水噴射部07
と、この石灰水噴出部07の後流側に配設されたグリッ
ド08と、このグリッド08の下部の吸収塔底部に設け
られた貯液槽09とをそれぞれ具備している。前記スプ
レーノズル06は図8に示すようにスプレーパイプ05
に取付けられており、また、前記スプレーパイプ05は
図7及び図9に示すようにチャンバ010に連結されか
つフランジ011にて支持された複数のパイプ012に
接続されている。
【0005】かくして、チャンバ010内の石灰水は、
パイプ012及びスプレーパイプ05を順次介してスプ
レーノズル06に供給され、同スプレーノズル06か
ら、例えば上方に向けて噴射される。そして、噴射され
た石灰水と排ガスとは互いに気液接触されることとな
る。このような、排ガスと石灰水とが気液接触する領域
部分(図11において斜線で示す部分013)を液柱部
という。
【0006】上記液柱部013の下流側には、図7に示
すように、吸収搭部01に後続する排ガス導出ダクト0
3が設けられており、同排ガス導出ダクト03内におけ
る貯液槽09の後流側にはミストキャッチャ015が設
けられている。そして、吸収搭部01を通過した排ガス
は、このミストキャッチャ015を通って図示されてい
ない煙突から外部に放出されるように構成されている。
【0007】このような構造の排煙脱硫装置300にお
いて、ボイラ内での燃料の燃焼により発生した排ガス
は、拡大曲りダクト02を通り、このダクト02のコー
ナー部αにて流れ方向をほぼ90°偏向しながら急拡大
し、吸収搭部01内に下向きに流入する。一方、石灰水
は、チャンバ010及びパイプ012を順次介して複数
のスプレーパイプ05にそれぞれ均等に供給されてお
り、スプレーノズル06から噴射可能な状態になってい
る。
【0008】そして、排ガスが吸収搭部01内の液柱部
013に至ると、前記スプレーノズル06から石灰水が
噴射され、排ガスと石灰水が気液接触する。その後、グ
リッド08において排ガスと石灰水との気夜接触が促進
することで、石灰水に溶解した亜硫酸が貯液槽09へ向
けて落下し、排ガス中に含まれる亜硫酸が除去される。
一方、貯液槽09へ落下しない微粒子は、貯液槽09の
後流側に配置されたミストキャッチャ015にて除去さ
れ、クリーンなガスが後流側の煙突から排出される。
【0009】上記のような構成を有した従来の排煙脱硫
装置300では、拡大曲りダクト02における排ガスの
遠心力や剥離によって、吸収搭部01の入口箇所での排
ガス流れGが吸収塔部01の幅方向(図8における左右
方向)に分布を持った流れ、即ち偏流となることが多く
なる。図12は従来の排煙脱硫装置300における吸収
塔部01の幅方向に対する流速分布図であり、この中で
矢印は排ガス流速の大きさと方向をベクトルVとして表
現したものである。
【0010】同図のベクトルVにて示されるように、ほ
ぼ90°に屈曲された拡大曲りダクト02の内部での流
れは、直角に方向転換されるため遠心力や流れの剥離作
用等により流れの速い点や遅い点がコーナー部αの近傍
箇所で生じ、また、この拡大曲りダクト02の外側(図
12では右側)へ向う流れが多い。また、コーナー部α
の近傍では逆流れ(上向き流れ)も生じている。上記の
ように吸収塔部01の幅方向の各所におけるガス流速分
布に大きな差異があると、吸収搭部01の幅方向に対し
て均一な石灰水の噴射を行っても、排ガスと石灰水の気
液接触のアンバランスが生じ、脱硫効率の低下は免れ得
ない。
【0011】そこで、近年、排煙脱硫装置300の吸収
搭部01内の幅方向における排ガス流れを均一な流速分
布に近付けるため、図13に示す整流方式が提案されて
いる。同整流方式は、拡大曲りダクト02の曲り部02
aと液柱部013の間に、幅方向に対して列をなすよう
に、円形断面を有する棒状の整流部材04を複数配置し
たものであり(棒の長手方向が図13の紙面に対して垂
直な方向となり、かつ同図の左右方向に列をなして配置
されている)、同整流部材04の抵抗によって排ガスの
偏流低減を図ろうするものである。また、この他に、図
14に示すように、拡大曲りダクト02の曲り部02a
に整流板016を設け、排ガスを同整流板016に沿っ
て流すことで偏流を低減させようとするものも提案され
ている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】図15の流速分布図に
示された通り、上記図13の整流方式では、吸収搭部0
1内を下方向に流れる排ガス流れの流速分布はある程度
改善されている。しかしながら、図15に示された程
度の偏流の逓減状態では十分な整流とは言えず、これを
排煙脱硫装置に適用しても十分な脱硫効果が得られな
い。また、遠心力の影響によって曲り部の外側へ向か
う速度成分(以下、横方向成分という)はほとんど低減
できていない。特に、のようにガス流れGの横方向成
分が大きいままでは、吸収塔部01内の幅方向における
ガス流速差が拡大される傾向にあるため好ましくない。
また、図14の整流方式は、均一な流速分布を実現する
ためには整流板016を多数設置する必要がある他、下
流側で流れの剥離域が生じて逆流れが発生することがあ
るため、最適な整流方式とは言えなかった。
【0013】
【課題を解決するための手段】前述した課題を解決する
ため、本発明の整流装置は、(1)折れ曲りダクトの曲
り部の下流側に、棒状の整流部材を複数配置した整流装
置において、同整流部材の断面における上流側端部の縁
が例えば円弧等の曲面で形成され、同整流部材の断面に
おける両側辺部が平行な直線で形成され、かつ、同整流
部材の断面における下流側端部が先細に形成されている
ことを特徴としている。
【0014】また、(2)上記(1)に記載された整粒
装置において、整流部材の断面における下流側端部の縁
が円弧で形成されていることを特徴としている。
【0015】また、(3)上記(1)又は(2)に記載
された整流装置において、整流部材がそれぞれ側辺部を
有する上流側部材と下流側部材とから構成され、下流側
部材の側辺部が上流側部材の側辺部に沿って摺動可能と
なるよう上流側部材又は下流側部材の一方が上流側部材
又は下流側部材のもう一方の内部に挿入され、上流側部
材に対して下流側部材を相対的に摺動させる伸縮機構が
備わっていることを特徴としている。
【0016】また、(4)折れ曲りダクトの曲り部の下
流側側壁に設けられたレールと、同レールに沿って移動
可能に保持される保持部材を端部に有した複数の棒状の
整流部材とを備え、同整流部材の断面における下流側端
部が先細に形成されていることを特徴としている。
【0017】また、(5)(4)に記載された整流装置
において、前記整流部材の断面形状が両側辺部を有して
おり、当該両側辺部が平行な直線で形成されていること
を特徴としている。
【0018】また、前述した課題を解決するため、本発
明の排煙脱硫装置は、(6)折れ曲りダクトを備えた排
煙脱硫装置において、同折れ曲りダクトの曲り部と液柱
部の間に、上記(1)乃至(5)のいずれかに記載され
た整流装置を備えたことを特徴としている。
【0019】上記のような構成による作用は下記の通り
である。 (1)折れ曲りダクトの曲り部を流体が通過する際、遠
心力や流れの剥離による影響によって不均一となったダ
クト内の流速は、整流部材の上流側端部の抵抗を受けて
均一化されるが、同上流端部は断面が円弧に形成されて
いるため、流体流れは剥離することなくスムーズ流れパ
ターンとなる。そして、側辺部の直線部分を通過するこ
とによって流速の横方向成分が低減されることとなる。
更に下流側端部は先細形状となっているため、流体流れ
が剥離を起こすことなく下流側へ流れることとなる。
【0020】(2)折れ曲りダクトの曲り部を通過して
不均一となった流体の流速は、整流部材の上流側端部の
抵抗を受けて均一化されるが、同上流端部は断面が円弧
に形成されているため、流体流れは剥離することなくス
ムーズな流れパターンとなる。その後、側辺部の直線部
分を通過することによって流速の横方向成分は低減され
る。そして、下流側端部は断面が円弧に形成されている
ため、流体流れが剥離を起こすことなく下流側へ流れる
こととなる。
【0021】(3)折れ曲りダクトの曲り部を通過して
不均一となった流体の流速は、整流部材の上流側端部の
抵抗を受けて均一化される。流速の横方向成分が強い位
置では、伸縮機構により上流側部材又は下流側部材を摺
動させ整流部材の側辺部長さを長くすることにより、当
該横方向成分が有効に低減される。そして、整流部材の
下流側端部は先細に形成されているため、流体流れが剥
離を起こすことなく下流側へ流れることとなる。
【0022】(4)レールに沿って整流部材が移動可能
に保持されていることから、折れ曲りダクトの曲り部を
通過して流速が速くなった位置に多数の整流部材を移動
させ、密に配置する。逆に流速が遅くなった位置では、
整流部材を疎に配置する。これにより、流速の均一化が
図られ、また、横方向成分も低減する。また、整流部材
の下流端部が先細に形成されていることから、流体流れ
が剥離を起こすことなく下流側へ流れることとなる。
【0023】(4)本発明においては、ほぼ上記(3)
の作用と同様であるが、整流部材の断面形状における側
辺部を通過する際に、流速の横方向成分が更に低減され
ることとなる。
【0024】(6)折れ曲りダクトの曲り部を通った排
ガスは、上記(1)乃至(5)のいずれかに記載した作
用を経た後、整流されて排煙脱硫装置の液柱部へ流れる
こととなる。
【0025】なお、本願において、先細に形成されると
は、鋭角状に先細となっている形状だけでなく、例えば
円弧のように、先端部が緩やかに細くなっている形状も
含んでいる。また、本願において、保持部材とは、整流
部材がレールから外れないように保持する部材であり、
レールに沿って移動可能な、例えば引っかけ皿等が該当
する。
【0026】
【発明の実施の形態】図1は本発明の第一の実施の形態
を示しており、排煙脱硫装置における90°曲りの急拡
大ダクト近傍の側面図を表している。同図において、拡
大曲りダクト2の曲り部2aと液柱部13の間には、棒
状の整流部材4が吸収搭部1の幅方向に一列に配置され
ている(棒の長手方向が図1の紙面に対して垂直な方向
となり、かつ同図の左右方向に列をなして配置されてい
る)。同整流部材4の断面は、上端部(上流側端部に該
当)の縁及び下端部(下流側端部に該当)の縁が円弧で
構成されており、それら円弧を繋ぐ左右の側辺部は鉛直
方向に伸びた平行な直線で形成されている。従って、同
整流部材4は、2つの半円の間を長方形で接続したよう
な小判状の断面形状(以下、小判形という)を有してい
る。
【0027】拡大曲りダクト2の曲り部2aを排ガスが
通過するときは、主に遠心力の影響によって排ガス流は
曲り部外側へ向かう斜め向きとなり、また、流れの剥離
による影響も加わって、ダクト内の流速は不均一とな
る。しかしながら、その後、整流部材4の上端部の抵抗
を受けてガス流速は均一化される。更に小判形の側辺部
の直線部分を通過することによって、ガス流速の横方向
成分が低減され斜め向き流がほぼ鉛直向きの流れに整え
られるため、吸収塔部断面内の流速は一様な分布を呈す
るようになる。そして、整流部材4の下端部は小判形に
おける半円形状部分であるため、同整流部材4を通過す
るガス流が剥離を起こすことなく下流側へ流れることと
なる。
【0028】ここで、整流部材4における小判形断面の
断面寸法や配置間隔の好ましい範囲について着目する
と、以下のように考えられる。図2は、整流部材4の断
面寸法と偏流度(流速の分布状況についての指標)の関
係を示したグラフである。具体的には、小判形における
直線部分の長さをl、小判形における半円部分の直径を
dとした場合のl/dを横軸に、上記偏流度を縦軸にお
いたグラフとなっている。このグラフに示されている通
り、l/dが大きくなるに従って偏流度、即ち、速度の
ばらつき具合は小さくなり、l/dが1.0以上の範囲
では偏流度は約12.5%の値でほぼ一定している。一
般的に、計画値通りの脱硫効率を達成するためには偏流
度を20%以下に押さえることが好ましいため、l/d
は0.8以上とすることが好ましい。なお、上記のよう
にl/dが1.0以上の範囲では偏流度はほぼ一定とな
ることから、より好ましくはl/d≧1とした方がよ
い。
【0029】図3は、整流部材4の配置間隔と偏流度の
関係を示したグラフである。具体的には、隣り合う整流
部材4間の隙間をs、小判形における半円部分の直径を
dとした場合のs/dを横軸に、偏流度を縦軸においた
グラフとなっている。このグラフに示されている通り、
s/dに対応する偏流度の具体値はdの値によって変化
するが、s/dが約0.75の場合に偏流度が最小とな
る傾向は変わらない。一般的に、計画値通りの脱硫効率
を達成するためには偏流値を20%以下にすることが好
ましいため、例えばdが25mmである場合には0.5
5≦s/d≦1.0とすることが好ましい。なお、より
好ましくは、dが25mmのときに偏流度15%以下と
なる、0.65≦s/d≦0.85とした方がよい。
【0030】図4は、本実施の形態における整流部材4
として用いることができる他の断面形状を示しており、
小判形断面の下端部分を緩やかに先細させた構造を表し
ている。本例のような構造としても、下端部での排ガス
の剥離は起こりにくいため、小判形断面の整流部材と同
様の整流効果を得ることができる。
【0031】図5(a)は本発明の第2の実施の形態を
示しており、排煙脱硫装置における90°曲りの急拡大
ダクト近傍の側面図を表している。また、図5(b)は
本実施の形態における整流部材14の概略の構成を示し
た構成図である。本実施の形態でも、第1の実施の形態
と同様に、小判形断面をした棒状の整流部材14が排ガ
スの流れ方向と垂直となる向きに一列に配置されてお
り、同整流部材14によって排ガスの偏流を整流してい
る。
【0032】本実施の形態が第1の実施の形態と異なっ
ている点は、整流部材14の構成であり、同整流部材1
4は上下方向に伸縮可能な構成となっている。これは、
図5(b)に示されているように、整流部材14を上部
部材(上流側部材に該当)14aと下部部材(下流側部
材に該当)14bに分割して構成し、上下方向に摺動可
能となるように下部部材14bを上部部材14aの内部
に挿入して成るものである。
【0033】同図に示されているように、上部部材14
aと下部部材14bはそれぞれ側辺部を備えており、下
部部材14bの側辺部が上部部材14aの側辺部に沿っ
て摺動するようになっている。上部部材14aに挿入さ
れる関係上、下部部材14bの側辺部は上部部材14a
の側辺部に比べてやや細めに作られているが、ガス流の
剥離現象を防止するためには、両者の幅の差は極力小さ
くすることが望ましい。
【0034】整流部材14の伸縮は、拡大曲りダクト2
の下方に固定して配置されている上部部材14aに対し
て下部部材14bが動くよう、整流部材14内に設けら
れている伸縮機構15にて行われる。伸縮機構15とし
ては、例えば油圧機構が適用できるが、整流部材14を
設置する場所の温度条件等によって他のアクチュエータ
を用いることとしても構わない。また、上記のように上
部部材14aを固定して下部部材14bを動かす場合だ
けでなく、下部部材14bを固定して上部部材14aを
動かすこととしてもよい。
【0035】上記のような構成を採用することにより、
小判形断面の直線部分の長さを自由に調整することが可
能となる。ガス流速の横方向成分が大きい部分の整流部
材14を伸ばして使用すれば、流速の横方向成分を大幅
に低減させることが可能となるため、第1の実施の形態
に記載されたものよりも高い整流効果が得られる。な
お、図2には、整流部材14の小判形断面における直線
部分の長さlが半円部分の直径d以上であればlをそれ
以上長くしても偏流度の改善は見られないことが示され
ているが、これはあくまですべての整流部材14の長さ
lを一律に設定する場合の効果のみを示したものであ
り、設置位置によって部分的にlの値を変える場合には
当てはまらない。
【0036】図6(a)及び(b)は本発明の第3の実
施の形態を示しており、同図(a)は排煙脱硫装置にお
ける90°曲りの急拡大ダクト近傍の側面図を、同図
(b)は同図(a)のA−A矢視図を、そして同図Cは
同図bのB−B矢視図を表している。これらの図におい
て、拡大曲りダクト2の曲り部2aと液柱部13との間
には棒状で円形断面の整流部材24が、第1、2の実施
の形態と同様に列状に配置されている。そして、同整流
部材24に対応する吸収搭部1の内壁面には、吸収搭部
1の幅方向にレール25が取り付けられている。同レー
ル25は、図6(b)に示すように、対向する吸収搭部
1の内壁面にも取り付けられていて、棒状の整流部材2
4の両端を保持するように構成されている。
【0037】前記棒状の整流部材24の両端には引っか
け皿が設けられている。そして、図6(c)に記載され
たように、前記レール25は、前記整流部材24の引っ
かけ皿を上下から覆うように保持し、かつ同レール25
の長手方向に沿って同整流部材24を移動することがで
きるように構成されている。なお、レール25の取付け
部分に対応する吸収搭部1の外壁部分には、補強のため
に外板26を設けることとしてもよい。
【0038】吸収搭断面に対する排ガスの流速分布が生
ずる場合、流速の大きい部分では隣り合う整流部材24
間の隙間が小さくなるよう同整流部材24を密に配置
し、流速の小さい部分では整流部材24間の隙間が大き
くなるよう疎に配置すれば、整流部材24の疎密による
抵抗の違いによって流速は均一化される。そして、整流
部材24の断面形状は円形であり、整流部材24によっ
て排ガス流れの剥離も起こらないため、吸収塔部断面内
の流速は一様な分布を呈するようになる。
【0039】なお、上記では整流部材24に円形断面の
ものを使用した場合について説明したが、ガス流速に対
する抵抗作用を有し、ガス流れの剥離を起こさないよう
な形状であればどのような断面形状であってもよい。例
えば、上端部の縁が円弧に形成され下端部が細くなって
いるものを使用することとしてもよい。また、第1の実
施の形態に示したような小判形断面の整流部材とする
と、流速の横方向成分を有効に低減することが可能とな
る。
【0040】
【発明の効果】本願の請求項1に記載された発明によっ
て、ダクト内部における流体の流速が均一化されること
に加え、流速の横方向成分を有効に低減することが可能
となる。なお、整流部材の上端部の縁例えばが円弧等の
曲面で形成されているため、流れの剥離を起こさずに流
速が均一化される。また、整流部材の下流側端部が断面
形状において先細に形成されているため、流れの剥離を
起こすことなく、整流装置の下流側に流体を流すことが
可能となる。また、本願の請求項2に記載された発明も
上記請求項1に記載された発明と同様の効果を奏する。
【0041】本願の請求項3に記載された発明は、上記
請求項1又は2の効果に加え、流速の横方向成分が強い
位置の整流部材の側辺部を長くして、当該横方向成分の
低減効果を更に向上させることが可能となる。本願の請
求項4に記載された発明は、流体の流速分布に基づいて
整流部材の配置の疎密を調整することが可能となるた
め、流速の均一化をより向上させることが可能となる。
【0042】本願の請求項5に記載された発明は、上記
請求項4の効果に加え、流速の横方向成分の低減効果が
向上するという効果を奏する。本願の請求項6に記載さ
れた発明では、吸着液(石灰水)と排ガスの接触面積を
大きくすることが可能となり、脱硫効率を大幅に向上さ
せることが可能となる。従って、火力プラントの省スペ
ース化を実現しつつ、脱硫効率を向上させることが可能
となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態における排煙脱硫装
置の90°曲りの急拡大ダクト近傍を示す側面図。
【図2】本発明の第1の実施の形態における小判形整流
部材の断面寸法と偏流度の関係を示すグラフ。
【図3】本発明の第1の実施の形態における小判形整流
部材の配置間隔と偏流度の関係を示すグラフ。
【図4】本発明の第1の実施の形態における整流部材の
断面形状の他の例を示す図。
【図5】本発明の第2の実施の形態における排煙脱硫装
置の90°曲りの急拡大ダクト近傍を示す側面図(図
(a))及び整流部材の構成図(図(b))。
【図6】本発明の第3の実施の形態における排煙脱硫装
置の90°曲りの急拡大ダクト近傍を示す側面図(図
(a))、図(a)のA−A矢視図及び図(b)のB−
B矢視図(図(c))。
【図7】従来の排煙脱硫装置を示す正面図。
【図8】図7におけるA−A矢視図。
【図9】図7におけるB−B矢視図。
【図10】従来の排煙脱硫装置の平面図。
【図11】従来の排煙脱硫装置の90°曲りの急拡大ダ
クト近傍の要部を示す側面図。
【図12】従来の排煙脱硫装置の90°曲りの急拡大ダ
クト近傍の流速分布図。
【図13】円形断面の整流装置を適用した従来の排煙脱
硫装置の90°曲りの急拡大ダクト近傍の側面図。
【図14】整流板を適用した従来の排煙脱硫装置の90
°曲りの急拡大ダクト近傍の側面図。
【図15】円形断面の整流装置を適用した従来の排煙脱
硫装置の90°曲りの急拡大ダクト近傍の流速分布図。
【符号の説明】
1 吸収搭部 2 拡大曲りダクト 2a 拡大曲りダクトの曲り部 4、14、24 整流部材 13 液柱部 14a 整流部材の上部部材 14b 整流部材の下部部材 15 伸縮機構 25 レール 26 外板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 浦田 信也 長崎県長崎市深堀町5丁目717番1号 三 菱重工業株式会社長崎研究所内 Fターム(参考) 4D002 AA02 BA02 BA16 CA01 CA07 CA13 CA20 DA05 DA12

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 折れ曲りダクトの曲り部の下流側に、棒
    状の整流部材を複数配置した整流装置において、同整流
    部材の断面における上流側端部の縁が曲面で形成され、
    同整流部材の断面における両側辺部が平行な直線で形成
    され、かつ、同整流部材の断面における下流側端部が先
    細に形成されていることを特徴とする整流装置。
  2. 【請求項2】 整流部材の断面における下流側端部の縁
    が円弧で形成されていることを特徴とする請求項1に記
    載した整流装置。
  3. 【請求項3】 整流部材がそれぞれ側辺部を有する上流
    側部材と下流側部材とから構成され、下流側部材の側辺
    部が上流側部材の側辺部に沿って摺動可能となるよう上
    流側部材又は下流側部材の一方が上流側部材又は下流側
    部材のもう一方の内部に挿入され、上流側部材に対して
    下流側部材を相対的に摺動させる伸縮機構が備わってい
    ることを特徴とする請求項1又は2に記載した整流装
    置。
  4. 【請求項4】 折れ曲りダクトの曲り部の下流側側壁に
    設けられたレールと、同レールに沿って移動可能に保持
    される保持部材を端部に有した複数の棒状の整流部材と
    を備え、同整流部材の断面における上流側端部の縁が円
    弧で形成され下流側端部が先細に形成されていることを
    特徴とする整流装置。
  5. 【請求項5】 前記整流部材の断面形状が両側辺部を有
    しており、当該両側辺部が平行な直線で形成されている
    ことを特徴とする請求項4に記載された整流装置。
  6. 【請求項6】 折れ曲りダクトを備えた排煙脱硫装置に
    おいて、同折れ曲りダクトの曲り部と液柱部の間に、上
    記請求項1乃至5のいずれかに記載された整流装置を備
    えたことを特徴とする排煙脱硫装置。
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