JP2000167063A - ステントおよびステントグラフト - Google Patents

ステントおよびステントグラフト

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JP2000167063A
JP2000167063A JP34586998A JP34586998A JP2000167063A JP 2000167063 A JP2000167063 A JP 2000167063A JP 34586998 A JP34586998 A JP 34586998A JP 34586998 A JP34586998 A JP 34586998A JP 2000167063 A JP2000167063 A JP 2000167063A
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graft
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lumen
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Yuichi Mori
森  有一
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 管腔内に簡単、正確、且つ安全に挿入・固定
させることが可能なステントないしステント・グラフト
を提供する。 【解決手段】 線状部材からなる閉じられたループ部を
含むステント。該ループ部は、平面上に投影した投影図
形において楕円形状を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はステント(stent)
およびステント・グラフト(stent graft)に関し、特
に、ヒトを始めとする動物体内の管腔(例えば、血管)
内に、一時的または(半)永久的に留置可能なステント
およびステント・グラフトに関する。
【0002】本発明のステントおよびステント・グラフ
トは、管腔内に「斜め配置」する使用の態様、ないし
は、管腔の側枝(ないし分枝)を利用して挿入・固定す
る使用の態様において、特に好適に使用可能である。ま
た、本発明のステント・グラフトは、管腔の側枝を利用
して挿入・固定した際に、該管腔の「本管」内に筒状部
を「吹き流し」状に留置させることが容易である。
【0003】
【従来の技術】必要に応じて、体内管腔(例えば、血
管)内に一時的または(半)永久的に留置すべきステン
トおよびステント・グラフト(ないし移植体)を製造す
るために、多くの技術が開発されている。
【0004】例えば、小さな血管領域では、冠動脈や四
肢の末梢動脈における狭窄に対して、血管内にガイドワ
イヤーを挿入し、それに沿ってステントを挿入して該窄
部に到達させ、該狭窄部をバルーンで拡張し、そこに留
置する方法がある。パルマッツ(Palmaz)の米国特許4,
733,665号は、その代表的な技術である。
【0005】その他の代表的な技術としては、ステンレ
ス弾性線を用いてジグザグ構造のステントを作製し、該
ステントを予めシース(sheath;径が大きいカテーテ
ル)内に挿入しておく Gianturco型ステントがある。こ
のGianturco型ステントは、該シースごと管腔内に挿入
し、目的の部位に到達させた後にシースから該ステント
を放出し、ステントを自己拡張させる。
【0006】上述したように、血管内にシースを用いて
挿入し、目的とする血管病変部に到達させて拡張させる
ことにより、血管壁の治療に用いるデバイスは、米国特
許第5,219,355号、第5,211,658号、第
5,104,399号、第5,078,726号、第4,8
20,298号、第4,787,899号、第4,617,
932号、第4,562,596号、第4,577,631
号、第4,140,126号の明細書、およびヨーロッパ
特許第508473号、第466518号、および第4
61791号公報等に記載されている。
【0007】他方、シースから放出された後に、自ら拡
張が可能な自己拡張タイプの血管ステントは、米国特許
第5,147,370号、第4,994,071号、第4,
776,337号明細書およびヨーロッパ特許第575
719号、第556850号、第540290号、第5
36610号、第4813654号、ドイツ国特許DE
第4219949号公報等に記載されている。
【0008】更に最近では、形状記憶合金を用いて、シ
ースから放出された後に体温と同じ温度にすることで、
当初に目的とした形状を得る技術が、医療分野でも用い
られるようになって来た。このような形状記憶合金の使
用は、米国特許第4,665,906号、および第4,5
05,767号の明細書等に記載されている。
【0009】これらステント等の技術の臨床応用として
は、大動脈領域においては大動脈瘤の治療を目的とし
て、アルゼンチンのParodiらがPalmazの作製したバルー
ンで膨らませることのできるステントにポリエステル布
を被せて、移植体として挿入する手技を1991年に報
告している(Parodi JC, Palmaz JC, Baeone D, et al.T
ransfemoraointraluminal graft implantation for abd
ominal aortic aneurysms. Ann VascSurg1991;
5:491−5参照)。また、Chuterらは腹部大動脈瘤
用に分岐型のステントおよび移植体を作製し、1994
年に臨床応用を報告している(Chuter TAM, DonayreC, W
endt G, Bifurcated stent-grafts for endovascular r
epair of abdominalaortic aneurysm: preliminary cas
e reports. Surg Endosc1994;8:800−2参
照)。
【0010】これらの技術は、実際に臨床応用におい
て、従来より困難視されていたいくつかの動脈瘤治療に
応用され、優れた成果を示してきた。これらの技術で
は、大腿動脈や腸骨動脈を切開ないし穿刺し、該切開な
いし穿刺部位からカテーテルやシースを体内に挿入し、
血管の病的部位に到達させる方法が採用されている。
【0011】特に、腹部大動脈瘤や胸部大動脈瘤に対す
る処置では、大腿動脈や腸骨動脈を切開して、この切開
部分から動脈瘤部分を通過させた後、その動脈瘤部分よ
り更に中枢側(心臓に近い側)までカテーテルを挿入
し、太いシースを通して、ステント・グラフトを挿入し
ている。
【0012】このようなカテーテルないしシースを用い
る処置は、開腹手術や開胸手術が難しい症例においても
行うことが可能であるため、従来では考えられなかった
新しい治療法を提供することとなった。このような成果
をもとに、Endovascular Surgeryという新しい治療法が
確立してきた。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな新しいEndovascular Surgery治療法によっても、未
だ不完全な場合がある。その原因は一つには患者側にあ
り、該患者の状態が、この処置に適していない場合(例
えば、動脈壁が脆弱で、ステントの固定に耐えられない
ような場合)がある。
【0014】他の原因の一つは、この治療に用いる器具
に、なお改良の余地があることである。患者側の問題は
ケース・バイ・ケースであるから、社会全体の高齢化に
伴う血管性疾患の増大を考慮すれば、今日では器具側
(ステントないしステント・グラフト)の改良が急務で
あることは、言うまでもない。
【0015】従来のステントないしステント・グラフト
の問題点は、以下の通りである。 (1)ステント・グラフトの寸法が比較的大きく、織り
畳んだ場合でも太くならざるを得ないために、該ステン
ト・グラフトの体内への挿入に太いシースを必要とする
こと。 (2)ステント・グラフトが比較的硬いため、充分には
患者の屈曲し硬化した病的血管壁に追従できないこと。 (3)血管壁とステント・グラフトとの密着性が低いた
め、これらの間の間隙から血液が漏れ出る現象たるEndo
leak問題が発生し易いこと。 (4)血管内への挿入時ないしは挿入後に、ステント・
グラフトの位置に「ずれ」が生じる場合があること。 (5)ステント・グラフトを一旦挿入した後に、その位
置の変更等が難しいこと。 (6)ステントを留置した部位の付近の「側枝」(管腔
の枝別れ部)の開口部を、該ステント自体が塞ぐ可能性
があること。
【0016】更に、病変部の状況によっては、該病変領
域にカテーテルやシースを到達させたり、その部位にス
テントを固定することが、むしろ得策でない場合もあ
る。例えば、病変部領域が脆弱な状態であると、ステン
ト等の固定は難しく、かえって病状を悪化させることも
ありうる。また、場合によっては、固定した移植体(ス
テント・グラフト)が血管壁の変性によって、徐々にず
れて移動することもある(Hopkinson B, Yusuf W, Whita
kker S, Veith F edited, EndovascularSurgeryfor Aor
tic Aneurysms,WB Saunders Company Ltd, Philadelphi
a,pp100,174−5,1997参照)。
【0017】一般に、ステント等を固定すべき部位ない
しその近傍に側枝がある場合、該側枝を移植体ないしス
テントが閉塞させないように、この移植体が側枝を避け
て配置できるような特別の配慮をする必要がある。例え
ば、側枝が病変部に近い場合には、ステントの正確な位
置決め、および該位置での確実なステント固定は、非常
に困難であった。そのため、側枝部分には、他の移植体
部分のない「裸の」ステントを用いて、側枝を越えた位
置に、あるいは側枝に一部覆い被さるような状態で、該
ステントを固定をせざるを得ない場合もあった。
【0018】他方、上述したように、従来の技術におい
ては、ステントと移植体をシースで管腔内の固定すべき
位置まで運ぶ際に、病的部分を通過させて、それより更
に中枢側に該ステント等を固定する必要があるが、病変
部が屈曲していると、ステントをそれに合わせて病変部
で屈曲させる必要があった。この際、シースが太くて硬
い場合には、病的部分をむしろ損傷する危険性があっ
た。
【0019】例えば、胸部大動脈において左鎖骨下動脈
(側枝)が大動脈から分岐したところから約2cm程度
末梢側に離れた部位近傍で、大動脈解離が頻発する傾向
があるが、この部分は大きくカーブしており、この部分
において従来の技術を用いてステントおよび移植体を固
定するためには、柔軟に屈曲しうるステント・グラフト
が必要である。更には、この場合には左鎖骨下動脈(側
枝)を閉塞させないような配慮が必要であって、しかも
短い血管の区間に、正確且つ確実にステントを固定する
ことが要求されている。
【0020】しかしながら、ステント等をたとえ正確に
挿入・固定できたにしても、この部は病変部に近いこと
から脆弱であり、動脈の内膜を傷つけ、新たな動脈解離
を引き起こす恐れがあった。
【0021】また、この大動脈解離が頻発する部分は、
前述したように、大動脈の中でも最もきついカーブの部
位であって、このカーブに追随したステントおよび移植
体の製造、そして安全な挿入および固定が要求されてき
た。しかしながら、このような要求に完全に応えられる
ステントないしは移植体は、未だ開発されていない。
【0022】また、例えば左総腸骨動脈に動脈瘤が発生
した場合には、その部位のみにステントおよび移植体を
正確に確実に挿入固定するには熟練した医師が注意深く
行わねばならなかった。そして、たとえその部にステン
ト等を正確に固定できたとしてても、この部は病変部に
近いことから脆弱であり、仮に動脈の内膜を傷つける事
があれば、新たな動脈瘤を発生させる恐れがあるため、
理想的な位置へのステント・グラフトの固定は、困難性
が大であった。
【0023】従来技術においては、移植体の他の部分と
ステントとが縫合されていることが多いため、一般に該
移植体は捻れにくいとされている。しかしながら、移植
体とステントが縫合されていない部分では、捻れる可能
性もあるため、該捻れの状況を検出する方法が望まれて
いた。
【0024】またさらに病変部付近の限られた範囲で血
管壁内面の曲面に順応したステントの曲面による密着状
態が得られない事があり、そのために血液の漏れ、いわ
ゆるEndoleakが発生するのみならず、固定状況が不確実
であるため、徐々にステント・グラフトがずれてくる恐
れがあった。これを解消するために、ステントにフック
をつけて血管壁に差し込む工夫が行われているが、病的
血管壁にフックをかけることが将来にわたって長期間安
全かどうかの判断は下されていない。
【0025】位置決めとステント・グラフトの固定位置
の変更に関しては、近年、ヨーロッパ特許第65619
7号公報(Kannji Inoue)等があるが、該公報に開示され
た位置決めを行うためには、少なくとも5cm以上の直
線部分が必要であることから、その使用部位は限定され
たものとならざるを得ない。上記Inoueのステントにお
いては、馬の鞍状の形をしたステントが筒状物の両末端
にあるか、もしくは筒状物全体に配置されていて、その
一部に糸をかけて引くことにより鞍状のステントに強い
変形を生じさせて、血管壁からステントを離して、該ス
テントの位置の移動を可能としている。
【0026】同様の形状を有する馬の鞍状のステントに
筒状物をつける考え方には、Lauterjung, Karl Lのステ
ント・グラフトもある。このステント・グラフトでは、
馬の鞍状のステントに筒状物をつけたため、あたかも蛇
が大きな口を開いたような形態をしている。
【0027】本発明の目的は、上述した従来技術におけ
る種々の欠点の1つ以上を解消したステントないしステ
ント・グラフトを提供することにある。
【0028】本発明の他の目的は、管腔内に簡単、正
確、且つ安全に挿入・固定させることが可能なステント
ないしステント・グラフトを提供することにある。
【0029】本発明の更に他の目的は、管腔内に脆弱な
部分および/又は側枝がある部位においても、簡単、正
確、且つ安全に挿入・固定させることが可能なステント
ないしステント・グラフトを提供することにある。
【0030】
【課題を解決するための手段】本発明は鋭意研究の結
果、線状部材を用いて、平面上への投影図形において楕
円形状を与えるループ部を有するステント形態とするこ
とが、上記した課題の解決に極めて効果的なことを見出
した。
【0031】本発明のステントは上記知見に基づくもの
であり、より詳しくは、線状部材からなる閉じられたル
ープ部を含むステントであって;且つ、その面積が最大
となるように前記ループ部を平面上に投影した際に、該
投影図形において該ループ部が楕円形状を有することを
特徴とするものである。
【0032】上記構成を有する本発明のステントを用い
た際には、該ステントの楕円形状に基づき、血管等の管
腔(通常、ほぼ真円の断面形状を有する)内に、該管腔
の軸に対して(垂直ではなく)「ある程度の角度」を持
った状態で配置(以下、「斜め位置」という)すること
が、極めて容易となる。このように、管腔内にステント
が「斜め配置」されることにより、簡便、正確、且つ安
全に該ステントを管腔内に挿入・固定することが可能と
なる。更には、このような管腔内における「斜め配置」
に基づき、該ステントの固定後の「移動」を効果的に防
止することが可能となる。
【0033】
【発明の実施の形態】以下、必要に応じて図面を参照し
つつ本発明を更に具体的に説明する。以下の記載におい
て量比を表す「部」および「%」は、特に断らない限り
重量基準とする。
【0034】更に、以下の記述においてステント等の
「形状」等に言及する場合には、特に断らない限り、該
ステント等を管腔内に挿入する「直前の状態」であっ
て、且つ、ステント等に何らの「外力が作用していない
状態」の形状等をいうものとする。すなわち、本発明に
おいては、外力を除いた際にステント等の形状等が実質
的に回復可能である限り、実際にステント等を管腔内に
挿入する際に、必要に応じて、該ステント等を折り曲
げ、折り畳み、捩り(ねじり)等により変形させること
は許容されるものとする。 (楕円形ステント)本発明の一態様において、ステント
は、線状部材からなる閉じられたループ部を有し、且
つ、その平面上への投影図形において、該ループ部が楕
円形状を有するステントである。このような態様のステ
ントの基本的な態様の一例を、図1の模式平面図に示
す。 (投影図)この図1は、ステント1を平面上に投影した
場合の模式図を示している。この「投影」において、本
発明のステント1は、該図1および図2(図1に対応す
る模式側面図)に示すように、平面50上に、安定な状
態で、且つその線状部材により囲まれた部分の投影面積
が、最大になるような状態で配置されるものとする。
【0035】図1を参照して、ステント1は、その投影
図形において、全体として楕円形状を有する。該ステン
トを挿入すべき管腔内における効果的な「斜め配置」を
容易とする点からは、本発明において、長軸1aと、短
軸1bとの長さの比(1a/1b)は、約1.1以上、
更には1.2〜3.0(特に1.5〜2.0)程度であ
ることが好ましい。
【0036】本発明において、上記した「斜め配置」が
可能である限り、ステントの「楕円」形状は、必ずしも
幾何学的に厳密な「楕円」形状であることを要しない。
すなわち、幾何学的な「楕円」では、2つの対称軸(長
軸1aと、短軸1b)が存在する必要があるが、本発明
におけるステントの楕円形状は、少なくとも1の対称軸
を有すれば足りる。
【0037】より具体的には、本発明におけるステント
の「楕円」の面積をSe、該楕円と等しい外周の長さを
有する「円」の面積をScとした際に、これらの面積の
比(Se/Sc)が約0.5以上、更には0.6〜0.
95(特に0.7〜0.85)程度であることが好まし
い。
【0038】上述したように、本発明においては、ステ
ントの楕円形状に基づき、血管等の管腔内に、該ステン
トを「斜め位置」することが、極めて容易となり、これ
により、簡便、正確、且つ安全に該ステントを管腔内に
挿入し、固定させることが可能となる。更には、このよ
うな管腔内における「斜め配置」に基づき、該ステント
の固定後の「移動」が効果的に防止される。 (展開図)ステント1は、図3の模式平面図に示すよう
に、平面上に展開した場合(すなわち、図2の状態から
外力を加えて、ステント1を平面50に押し付けた場
合)にも、「楕円形」の形状を有することが好ましい。 (材質)上記した本発明のステント形状を形成可能であ
る限り、該ステントを構成する線状部材の特性、材質、
太さ等は特に制限されず、公知の材質から適宜選択して
使用することが可能である。通常、ステントを構成する
材料は金属(合金をも包含する意味で用いる)からなる
ことが多いが、これに制限されるものではない。
【0039】ステントを管腔内に挿入した場合に、所定
の温度で所望の形状を取ることを容易とする点からは、
該線状部材の一部または全部が形状記憶機能を有する材
料(例えば、形状記憶合金)、超弾性材料(例えば、超
弾性合金)からなることが好ましい。
【0040】更に、必要に応じて、上記線状部材は、モ
ノフィラメント、マルチフィラメント、テープ状等の公
知の形状/構造のいずれ(ないしは、これらの2以上の
構造の組み合わせ)をも取ることができる。これによ
り、線状部材の柔軟性、復元力等を選択・調製すること
が可能となり、柔らかい管腔(例えば、血管)壁内面の
曲面に順応した曲面を有するステントを作ることが容易
となる。 (大きさ)管腔内への挿入が可能である限り、本発明の
ステント等の大きさは、特に制限されない。 (製造方法)上記した所定の形状を付与することが可能
である限り、本発明のステント等の製造方法は特に制限
されず、公知の材料(金属等)加工方法から適宜選択し
て(必要に応じて、2種以上組み合わせて)用いること
が可能である。 (突起部を有するステント)図4に、本発明のステント
の他の態様の一例を示す。この態様のステントは、線状
部材から構成される閉じられたループ部2を有し、且
つ、該ループの少なくとも一部に、該ループの外側に突
き出した突起部3を有している。前述したように、この
ような突起部3が、血管等の管腔の側枝の入り口部に対
応して接触することにより、この態様のステントは、該
管腔内で安定的に配置されることが、より容易となる。
本態様において、該突起部3は、関与する側枝の数、管
腔の形状等に基づき、必要に応じて2以上設けてもよ
い。
【0041】ループ部2の形状は特に制限されず、それ
が配置されるべき管腔の形状等に応じて、円、楕円等の
任意の形状をとることができる。また、突起部3の形状
も特に制限されず、それが配置されるべき側枝等に応じ
て、円、楕円等の任意の形状をとることができる。前述
したように、管腔内に「斜め配置」することが容易な点
からは、ループ部2の形状は、図5に示すような楕円形
状であることが好ましい。
【0042】図5を参照して、該突起部3のループ部2
上での位置および/又は数は、楕円形状に基づく管腔内
の「斜め配置」の態様と、側枝の位置関係等に応じて、
適宜選択することが可能である。
【0043】突起部3の最大高さ3aと、ループ部2の
最大高さ2aとの比(3a/2a)は、管腔ないし側枝
の形状等に応じて適宜選択することが可能であるが、通
常、0.01〜0.5程度であることが好ましく、更に
は0.1〜0.3程度であることが好ましい。また、突
起部3の最大幅3dと、ループ部2の最大幅2dとの比
(3d/2d)は、管腔ないし側枝の形状等に応じて適
宜選択することが可能であるが、通常、0.01〜0.
5程度であることが好ましく、更には0.1〜0.3程
度であることが好ましい。 (J字ないしU字形状のステント)図6に、本発明のス
テントの他の態様の一例の模式側面図を示す。図6を参
照して、この態様のステントは、側面(線状部材により
囲まれた部分の面積が、最小になるような面をいう)か
ら見た際に、J字形状を有している。
【0044】同様に、U字形状する態様のステントの一
例を、図7の模式側面図に示す。このように、J字ない
しU字形状を有するステントは、血管等の管腔の屈曲部
位に順応が容易(したがって、固定、ないし移動の防止
が容易)な点から好ましい。
【0045】図6を参照して、J字形状を有するステン
ト4においては、大きい方の幅4aと、小さい方の幅4
b(ただし、4a≧4bとする)との比(4b/4a)
は、管腔の屈曲部位の形状等に応じて適宜選択すること
が可能であるが、通常、0.1〜0.8程度であること
が好ましく、更には0.2〜0.4程度であることが好
ましい。
【0046】図7を参照して、J字形状を有するステン
ト5においては、最も大きい幅5aと、中間の幅5b
と、最も小さい幅5c(ただし、5a≧5b≧5cとす
る)とした場合の比(5b/5a)は、管腔の屈曲部位
の形状等に応じて適宜選択することが可能であるが、通
常、0.1〜0.8程度であることが好ましく、更には
0.2〜0.5程度であることが好ましい。また、比
(5c/5b)も、管腔の屈曲部位の形状等に応じて適
宜選択することが可能であるが、通常、0.1〜1.0
程度であることが好ましく、更には0.5〜1.0程度
であることが好ましい。 (ステント・グラフト)図8の模式斜視図に、本発明の
ステント・グラフトの態様の一例を示す。図8を参照し
て、この態様におけるステント・グラフト6は、線状部
材から構成されたループ部7と、該ループ部7に、少な
くともその一部を接続されてなる筒状部8とからなる。
【0047】本発明のステント・グラフトにおいて、ル
ープ部7と、筒状部8とを接続する手段は、特に制限さ
れない。より具体的いは、この接続ないし固定の手段と
しては、例えば、ポリプロピレン・モノフィラメント糸
や、ポリエステル・マルチフィラメント糸等の高分子
(例えば、合成高分子)材料による直接縫合や「つり下
げ」、細金属糸による絡まり等を用いることができる。
密着性の点からは、ポリエステル・マルチフィラメント
糸を用いた直接縫合により該接続ないし固定を行うこと
が好ましい。
【0048】このような態様のステント・グラフト6を
用いた場合、筒状部8は、本管、すなわち太い方の管腔
(血管等)の末梢側方向に「吹き流し状態」で容易に向
かうようになって、該筒状部8は吹き流し状に管腔内に
自由に拡がることができる。この筒状部8を屈曲性が良
好なものとすることにより、管腔の屈曲状況に合った管
腔壁への良好な追従性が発揮される。図9を参照して、
前記ループ部7の長軸と、前記筒状部8の軸とがなす角
度α(鋭角側)は、90°(直角)であってもよいが、
ループ部7が管腔内で「斜め配置」される場合(例え
ば、ループ部7が楕円形状を有する場合)においては、
角度αは90°未満であることが好ましく、更には20
〜85°(特に、35〜80°であることが好ましい。
【0049】また、図17の模式側面図に示すように、
筒状部8は、ループ部7に直接に完全に縫い付けること
も可能である。筒状部8/ループ部7の間からのリーク
を防止する点からは、このような態様が有利である。 (筒状部の材質)筒状部8の材質・形態は特に制限され
ない。該筒状部8を屈曲した血管等の管腔に追従して屈
曲させることが容易な点からは、柔軟性を有する材料・
形態からなることが好ましい。例えば、該筒状部8が布
ないしフィルムからなる場合には、蛇腹加工等すること
によって、これらの材料に屈曲性を付与することが好ま
しい。例えば、筒状部8が繊維質の材料(例えば、e−
PTFE)からなる場合には、フィブリル長を適当に取
って、屈曲性を付与することが好ましい。ここに、「e
−PTFE」とは、expanded polytetrafluoroethylen
e、すなわち(ポリテトラフルオロエチレン(テフロ
ン)管を急激に延伸して、無数の亀裂を形成することに
より多孔質状態とし、更に屈曲性を持たせたものをい
う。このe−PTFEとしては、例えば、一般に「ゴア
テックス」(米国、Gore社)の製品名で販売されている
ものが使用可能である。 (ステントの使用方法)以下、本発明のステントの好適
な使用方法の一例について述べる。ここで用いるステン
トは、図5に示す態様のものである。この図5におい
て、楕円形ステント12は、立体的な歪み構造を有する
弾性線状部材で構成されており、且つ、その長軸の一端
は、図6に示すようにJ字型にカーブしている。
【0050】図5を参照して、このステントは血管等の
管腔の「側枝」の側から挿入された際に、該側枝の起始
(入口)部にステントの一部(突起部3)を引っかける
ことを容易とし、しかもループ部2が管腔内で「斜め配
置」し易いように楕円形を基本構造としている。更に、
このステントは、側面から見た際に、図6に示すような
「J字」型をしており、舌状の突起部3は、図4の上方
側(方向P側)に設けられている。
【0051】この図6において、立体的な歪み構造を有
する弾性線状部材で構成された楕円形ステントの長軸の
一端は、方向QへJ字型にカーブしている。
【0052】一般に、血管の側枝は本管(太い方の管
腔)に対して斜め方向に側枝する。従って側枝から挿入
する際には、ステントは本管に対して斜め方向に挿入さ
れることとなる。この点からは、側枝から挿入されるべ
きステントの形状は、楕円形であることが好ましい。
【0053】しかしながら、本管は常に真っ直ぐである
とは限らない。多くの血管は、通常は、多少なりとも屈
曲している。例えば、ステントの適応部位の一つとして
挙げられる大動脈弓部は、大きくカーブしている。この
ような屈曲部位の血管壁に順応してステントを挿入する
点からは、楕円形ループ部2の一部が、血管のカーブに
合わせて屈曲していることが望ましい。本発明者の知見
によれば、このような屈曲状態に最適のステントの形態
として、図6に示すようなステント、すなわち、ステン
トを構成する楕円形ループ部の一部が側面視でJ字型を
持つことが有利である。
【0054】この楕円形ループ部2の長軸の一端が側面
から視てJ字型に屈曲した楕円形によって、該ループ部
2が、カーブした大動脈壁に緩やかに当たることとな
り、血管壁とステントとの、より完全な密着性が得られ
る。
【0055】特に、図8の態様のステント・グラフトに
おいては、筒状部8が血流によって末梢側に牽引される
力が働くと、楕円形ループ部7の短軸が開く方向に作用
し、これによって楕円形ループ部(ステント部)7およ
び筒状部8をさらに確実に血管壁に密着させる方向に力
が働くこととなる。これにより、血管壁とステント・グ
ラフトとの密着性が低い場合に、これらの間の間隙から
血液が漏れ出る現象、すなわちendoleakを生じにくくす
ることができる。
【0056】更に、図5に示す態様のステントは、その
一部に舌状の突起もしくは突出部3を有している。この
突起部3構造の存在により、挿入した側枝に、簡便且つ
効果的に、ステントの一部を引っかけて固定することが
可能となる。このような突起構造によってステントの固
定場所が確実となり、術後にステントがずれていく現象
を防止することが可能となる。
【0057】側枝の一部にはステントの一部が配置れる
こととなり、人工的に、いわば「部分的な狭窄」状態が
生ずるものの、側枝全体が閉塞されることは、効果的に
防止される。したがって、側枝の閉塞を心配することな
く、ステント・グラフトを正確、確実に挿入可能であ
る。このためのステントの位置決めは、後述するよう
に、ステントに取り付けた糸を引くことで制御可能であ
る。ステントが正しい位置に納まった後は、この糸は遠
隔操作によって離脱させることが可能である。
【0058】上述したように、この態様においては、ス
テントは血管の本管に対して斜め方向からの挿入を容易
とするため、楕円形の形状を有する。この楕円形ループ
(ステント)部7に筒状部8(図8)が結合される場合
には、該筒状部8は、楕円形ループ部7に対しては斜め
方向に固定されることが好ましい。このように筒状部8
を斜め方向に固定する際には、この楕円形ループ部7の
面に対して、該筒状部8は直角より小さい角度(例え
ば、20から85度の範囲内の角度)に固定されること
が好ましい。
【0059】この筒状部8を含む構造によって、側枝か
ら(本管に対して)斜め方法にステント・グラフトを挿
入した場合であっても、該グラフトを構成する筒状部8
は、本管の末梢側方向に向かって「吹き流し」状態で素
直に向かうようになる。そしてこの角度で血流に当たる
と、該筒状部8は吹き流し状に血管内に自由に拡がり、
血管壁への追従性が発揮される。更に、筒状部8の材料
に屈曲性の良好なもの(例えば、蛇腹状のもの)を用い
た場合には、該筒状部8は、より血管の屈曲状況に適合
した状態で、血管内に配置されることとなる。
【0060】この際、血管内の状態等によっては、筒状
部8に「ねじれ」が生じる可能性がある。このような場
合には、例えば、その「ねじれ」状態をX線で観察し易
いように、X線で識別可能なX線可視化マーカーライン
を、筒状部8の表面に2列以上付着させることが好まし
い。これにより、筒状部8の捻れをいち早く発見する事
が容易となり、捻れへの迅速な対処が可能となる。
【0061】該X線可視化マーカーラインとしては、公
知の材料(例えば、金属粉を含有する高分子繊維等)か
らなるものを、特に制限なく使用することができる。
【0062】また更に、吹き流し状に筒状部(移植体)
8を病的部分へ運ぶため、図8に示すように、筒状部8
の先端に膨満、収縮、および離脱可能なバルーン22を
装着することにより、効率良く血流作用を活用すること
が容易となる。バルーン22は、目的達成後に取り除け
ばよい。本発明において、このようなバルーンの装着方
法は特に制限されず、公知の方法から適宜選択して用い
ることができる。
【0063】また更に、病的部分の変形した血管壁に沿
って筒状部(移植体)8を無理なく追従して伸展させる
点からは、筒状部8が布、フィルム等(例えば、ポリエ
ステル繊維布)からなる場合には、該布等に蛇腹加工を
施した物を用いることが好ましい。
【0064】病的部分の変形した血管壁に沿ってに筒状
部8を無理なく追従して伸展させる点からは、繊維質の
材料(例えば、e−PTFEチューブ)を筒状部8とし
て用いる場合には、繊維長が20ミクロンから150ミ
クロンの間である屈曲性に富むチューブを用いることが
好ましい。
【0065】以下、実施例により本発明を更に具体的に
説明する。
【0066】
【実施例】本発明のステントおよび移植体(ステント・
グラフト)の構成のより具体的な実施例を、図10の模
式斜視図に示す。本例において、ループ部(ステント
部)12は、図6に示すように楕円形の長軸Pと短軸Q
が立体的に交差しない(対称軸と、これと直交する
「幅」のうち最大のものを「横軸」とした場合に、該対
称軸と、横軸とが同一平面上にない;すなわち、交差し
ない)変形構造を有する。
【0067】該ステント・グラフトの位置の変更時に行
う手技に付いては図11の模式斜視図に示す。更に、こ
のステント・グラフト効果を検討するために作製した循
環モデルの略図を図12に示す。次に、試作した実施例
を用いた循環モデルにおける実験の状況を図13〜16
の模式断面図(一部斜視図)に示す。実施例1 (ステントの固定)図10を参照して、この例のステン
ト・グラフトにおいては、側枝血管に架かることで固定
できるように、突起ないし舌状の突起構造11が設けら
れている。該突起構造11の存在に基づき、楕円形ルー
プ部12は血管内で拡がり、確実に固定される。
【0068】この図10において、ステント・グラフト
は、突出部11を有する弾性線状部材製の楕円形ステン
ト12と、そのステント12により一端の円周を固定さ
れた筒状部15とからなる。管腔内の分岐管起始部にか
かることで管腔内に固定できるように、弾性線状部材製
楕円形ステント12には、突起または突出部11が設け
られている。筒状部15にはX線可視マーカーライン1
6が2列以上設けられ、捻れ状態をX線透視下で観察す
ることが可能である。
【0069】楕円形ステント12の長軸13と筒状部の
長軸17は、20度から85度の範囲内の角度18で交
わっている。ステント12には遠隔操作で離脱可能な糸
19,20、21が、装着されている。
【0070】更に、筒状部15が血流によって運ばれや
すいように、該筒状部15の片端には、遠隔操作で膨
満、収縮、離脱可能なバルーン22が付着している(図
10、図15を参照)。
【0071】この図15においては、右大腿動脈から右
総腸骨動脈35を通って、腹部大動脈34内に、舌状の
突出部11を有する弾性線状部材製楕円形ステント12
と、そのステントにより一端の円周を固定された筒状部
15が挿入され、左総腸骨動脈36内に筒状部15を流
し入れている。
【0072】図15を参照して、舌状の突出部11を有
する弾性線状部材製楕円形ステント12ステントと筒状
部は、例えば、右大腿動脈から右総腸骨動脈35に挿入
されたシース43を介して、プッシャーロッド44で押
されて挿入される。このときステントに取り付けられた
糸19を常に緊張させておくことによって、ステントが
所望の位置にすすめられるまでステントを常にシースの
先端に確実に留めておくことができる。筒状部の先端に
は膨満、収縮、離脱可能なバルーン22が付けられてい
る。
【0073】図10に示されたステントないしステント
・グラフトの実施例は、図12に示す装置(循環モデ
ル)を用いて評価した。この図12に示す装置は、大動
脈とその側枝の模型および、それに模擬血液を流すため
に取り付けられた拍動型心臓手術用ポンプ、模擬血液加
温器を組み合わせ装置である(該装置は、米国特許第
4,655,771号等に開示された光透過性の(tran
sluminal)移植の人工器官を参考にして作製した)。こ
こに、模擬血液としては、例えば、ポリエチレングリコ
ールを混合することにより血液と同程度の粘度を持たせ
たもの、または生理的食塩水を用いることが可能であ
る。
【0074】より具体的には、図12の装置は、米国特
許第4,655,771に開示された光透過性の(tran
sluminal)移植の人工器官を参考にして作製された大動
脈とその側枝の模型、および該模型に模擬血液を流すた
めに取り付けられた拍動型手術用心臓ポンプ24、模擬
血液加温器25の組み合わせ装置である。矢印26は模
擬血液の流れの方向を示す。図12においては、以下に
示す各部の番号で、動脈に相当する部分の名前を表し、
互いの位置関係を表示している。
【0075】27:上行大動脈相当部、28:腕頭動脈
相当部、29:左総頚動脈相当部、30:左鎖骨下動脈
相当部、31:胸部下行大動脈相当部、32:右腎動脈
相当部、33:左腎動脈相当部、34:腹部大動脈相当
部、35:右総腸骨動脈相当部、36:左総腸骨相当
部、37:右外腸骨動脈相当部、38:左外腸骨動脈相
当部、39:右内腸骨動脈相当部、40:左内腸骨動脈
相当部、41:右大腿動脈相当部、42:左大腿動脈相
当部。
【0076】実際の循環モデル(図12)の各部分のサ
イズは、おおむね成人の血管のサイズに近似させてお
り、たとえば胸部上行大動脈内径は30mm,胸部下行
大動脈は25mm,腹部大動脈は18mm,腸骨動脈は
10mmの内径になるように作製した。
【0077】図12に示した循環モデルの中での実施の
ために、まず胸部下行大動脈の、左鎖骨下動脈から約2
cm末梢で動脈解離が発生したと想定し、この部分に用
いるためのステント・グラフトを作製した。
【0078】図10を参照して、ステントは、1本の超
弾性ステンレス鋼線(ニッサチェイン社製、商品名:ス
テンレスワイヤー 0.45mm)で作製した。楕円形
ループ部12の長径が50mm、該ループ部の短径が3
0mmであり、長径の端は約10mmにわたりくびれて
舌状の突出形態11を有するように形成した。ステント
部12の楕円の短軸と長軸は、立体的に約5mm離れて
いた。次に、ポリエステル製人工血管(内径23mm、
長さ100mm、宇部興産社製、商品名:ユービグラフ
ト)を、筒状部15としてステントのループ部12に、
2−0 ポリエステルマルチフィラメント縫合糸を用い
て結合させた。ステント面長軸と筒状部長軸との交角1
8は60°とした。2号ポリエステルマルチフィラメン
ト糸を用いて、筒状部15の先端には離脱可能な径10
mmのバルーン22を装着した。
【0079】図13は、図12の拡大図である。この図
11においては、左鎖骨下動脈30から弓部大動脈内に
舌状の突出部11を有する弾性線状部材製楕円形ステン
ト12と、そのステントにより一端の円周を固定された
筒状部15の一実施例を挿入し、胸部下行大動脈31内
に筒状部15を流し入れている状況を示している。ステ
ント12と筒状部15は、左鎖骨下動脈30に挿入され
たシース43を介してプッシャーロッド44で押されて
挿入される。このときステントの舌状の突出部11に取
り付けられた糸19を常に緊張させておくことによっ
て、ステントが所望の位置にすすめられるまでステント
を常にシースの先端に確実に留めておくことができる。
筒状部の先端には遠隔操作で膨満、収縮、離脱可能なバ
ルーン22が付けられており、血流によって筒状部15
を伸展させることができる。
【0080】図13を参照して、作製した循環モデル
(図12)の左鎖骨下動脈30に相当する部分から16
フレンチ(french、1フレンチ=1/3mm)のシース
43を用いて、図13に示すように弓部大動脈31に相
当する部分にステント11を挿入したところ、該ステン
ト11は弓部大動脈内31にあって立体的にカーブした
状態で固定され、更にステント面と移植体の交角は60
度であることから、左鎖骨下動脈30と下行大動脈31
との交角に近くなり、筒状部15はキンク(kink)する
ことなく、大動脈31のカーブに沿って下行大動脈内へ
入った。
【0081】そして筒状部15は、バルーン22によっ
て流れに沿って下行大動脈へ流れ、膨らんだ。
【0082】このとき循環モデルが内腔を可視化できる
よう透明のプラスチックで作られていて、筒状部の捻れ
状況が肉眼的に判別できたが、更に、筒状部に2列以上
付けられているX線可視マーカーライン16(図10)
の状況から、X線透視下でも筒状部15の捻れ状況が容
易に判断され、捻れのない状態で筒状部15を血管内に
流すことができた。
【0083】更に筒状部15は蛇腹加工されていたた
め、下行大動脈31の緩やかなカーブに沿ってキンクす
ることなく自然な屈曲状態で落ちついた。
【0084】ここで、図13に示したように、ステント
の舌状部分11に付けた糸19をシース43を介して引
いた状態にしておくことで、ステントが望む位置に進め
られるまで確実に保持されることを可能にした。次に、
ステントの舌状部分11を、左鎖骨下動脈に相当する部
分に残す状態(図13)で、ステントをシースから完全
に離した。
【0085】更に、ステントの舌状部分11に付けた糸
19をシース43を介して循環モデルの外側から引くこ
とで緊張させておき、ステントの位置を更に左鎖骨下動
脈側に引いてステントを固定した(図13)。ここで筒
状部15の先端にあったバルーン22を取り外した。そ
して更にステントのループ部12に付着していた操作用
の糸20、21も取り外した。最終的には図14の状態
となった。このようにして、仮想病的解離部分を筒状部
15で覆うことができた。
【0086】この図14においては、左鎖骨下動脈30
から胸部下行大動脈31内に挿入され、所望する位置に
固定された状態の舌状の突出部11を有する弾性線状部
材製楕円形ステント12と筒状部15が示されている。
筒状部15先端のバルーン22は外されている。筒状部
15は柔軟性を持たせるために蛇腹加工されており、大
動脈のカーブにそって屈曲し、大動脈内部全体に拡がっ
ている。
【0087】次に、筒状部15の末端を固定するために
右大腿動脈に相当する部分から8フレンチのシースを用
いて市販の気管拡張用に用いられているGianturco型Z
ステント(Cook社製;図示せず)を挿入し、移植体
末端内部で拡張させて筒状部15(移植体)を下行大動
脈に固定した。これらの操作により想定した大動脈解離
部分(図18の参照番号60で示された部分)への血流
を筒状部で完全に遮断することができた。該ステント1
2および移植体15の上記大動脈解離部分60への挿入
時の状態を図19に示し、挿入後の状態を図20に示
す。実施例2 (一旦固定したステントの移動)次に、作製した循環モ
デルで、ステント・グラフトの位置の移動を行った。ま
ず上記したものと同様の手技で、ステント・グラフトを
循環モデルの胸部下行大動脈内にシースからステントを
完全に出した状態で挿入固定した。
【0088】図11を参照して、ここでステントの楕円
ループ部12の短軸両端に付けてある2本の糸20、2
1を細長いシース23に挿入し、シース23を押しつつ
糸20、21を引くことで、シース23の先端をステン
ト部12に近づけ、更に糸を引くことでステントの楕円
形の短軸を縮め、楕円を細長くした。
【0089】この図9は、本発明のステント・グラフト
の位置移動時における操作を示している。細いシース2
3の中に、ステント12の楕円の短軸の両端に装着した
2本の糸20、21を通し、これを引くことで楕円の短
軸長を短くし、ステント12の楕円を変形させる。この
状態で舌状の突起部11に装着したもう1本の糸19も
緊張させることにより、ステント12を血管壁から離
し、位置の移動を行うことができる。
【0090】この状態で、ステントの舌状の突出部11
にかけていた糸19を緊張させて、この糸19と、細長
いシース23とを操作することで、ステント12を血管
壁から離した。
【0091】この時、拍動型循環ポンプの力を一時的に
半減させ、臨床的に言えば心拍出量の低下状態を得て次
の操作を行った。すなわち、意図する位置にステントを
移動させた後に、シース23内の2本の糸20、21の
緊張を緩め、つぎに舌状の突出部11にかけていた糸1
9を緊張させて舌状突出部11が左鎖骨下動脈内に入っ
ている事を確認した上で、正しい位置での固定と判断
し、舌状の突出部11にかけていた糸19を取り外し
た。この後、拍動型循環ポンプの力を始めの状態に戻し
た。以上の操作によって、一度固定していたステント1
2を移動することが可能であった。実施例3 図10を参照して、実施例1で作製したステントの代わ
りに、3本の形状記憶機能を備えた線状部材(太さ0.
3mm)を用いて、長径が50mm,短径が30mmで
あり長径の端は約10mmにわたりくびれて舌状の形態
12を記憶させたステント12を作製した。ステント1
2の楕円の短軸と長軸は、立体的に約5mm離れてい
た。
【0092】これにポリエステル繊維(厚さ0.2m
m、宇部興産社製、商品名:ユービーグラフト)で作製
した通水率100ml/cm2・120mmHg・H2
(1cm×1cmの面積を、若干加圧(120mmH
g)した水が1分間に透過する量)の布で内径23mm
長さ100mmの管を作り蛇腹をつけて筒状部15とし
て、ポリエステルマルチフィラメント糸(2−0 ポリ
エステルマルチフィラメント縫合糸、日本商事(株)、
大阪製)による縫合方法を用いて上記ステント12に結
合させた。ステント面13と移植体長軸17との角度1
8は60度に設定した。移植体の先端には離脱可能な1
0mmのバルーン22を装着した。
【0093】上記で作製したステント12と筒状部15
とを用いた以外は、実施例1と同様に作製した循環モデ
ルを用いて、該ステント・グラフトの評価を実施した。
この時、模擬血液の温度を37℃に設定したところ、実
施例1で得られた結果と同様に、良好な結果が得られ
た。実施例4 実施例1で作製したポリエステル繊維製布の筒状部15
に代えて、フィブリル長約30ミクロンのe−PTFE
チューブ(Gore社製、商品名:Gore−Tex
graft)を用いてステント12と筒状部15を作製し
た。
【0094】上記で作製したステント12と筒状部15
とを用いた以外は、実施例1と同様に作製した循環モデ
ルを用いた挿入実験により、該ステント・グラフトの評
価を実施した。実施例1で得られた結果と同様に、良好
な結果が得られた。実施例5 (腹部大動脈への挿入実験)図12に示した循環モデル
の中で腹部大動脈での実施のために、まず左総腸骨動脈
(図21の参照番号61で示す部分)に動脈瘤が発生し
たと想定し、これに用いるためのステント12と筒状部
15を作製した。該ステント12と筒状部15の上記動
脈瘤部分61への挿入後の状態を、図22に示す。
【0095】図10を参照して、形状記憶合金の鋼線を
3本束ねてステントのループ部12作製した。該ステン
トの長径は35mm,短径は15mmであり、長径の端
は約5mmにわたりくびれて舌状の形態を記憶してい
た。別に、筒状部15は、ポリエステル繊維(USCI
社製、商品名:Microvel)で作製した通水率1
500mlの布(厚さ0.3mm)を用いて、内径8m
m長さ6mmの管を作り蛇腹を付与した。ステント面長
軸13と筒状部長軸17との交角18は60度に設定し
た。筒状部の先端には離脱可能な5mmのバルーン22
を装着した。
【0096】図15を参照して、作製した循環モデル
(図12)の模擬血液の温度を37℃とした後、右大腿
動脈35に相当する部分から10フレンチのシースを用
いて腹部大動脈34に相当する部分にステントを挿入し
たところ、ステントは腹部大動脈内34にあって立体的
にカーブした状態で固定され、更にステント面と筒状部
の交角は60度であることから、右総腸骨動脈と左腸骨
動脈36との交角に近くなって、移植体(ステント・グ
ラフト)はキンクすることなく左総腸骨動脈36内へ入
った。筒状部15は風船(バルーン)22によって、模
擬血液の流れに沿って左総腸骨動脈36へ流れ、膨らん
だ。
【0097】このとき循環モデルが内腔を可視化できる
よう透明のプラスチックで作られていて、筒状部の捻れ
状況が肉眼的に判別できたが、更に移植体に2列以上付
けてあるX線可視マーカーライン16(図10)の状況
からX線透視下でも筒状部の捻れ状況が容易に判断さ
れ、捻れのない状態に筒状部を血管内に流すことができ
た。
【0098】更に筒状部15は蛇腹加工されていたた
め、総腸骨動脈の緩やかなカーブに沿ってキンクするこ
となく自然な屈曲状態で落ちついた。
【0099】ここでステントの舌状部分11に装着した
糸19をシース43を介して引いた状態にしておくこと
で、ステント12が望む位置に進められるまで確実に保
持されることを可能にした。次に、ステントの舌状部分
11を右総腸骨動脈に相当する部分に残す状態で、ステ
ント12をシース43から完全に離した。更にステント
の舌状部分11に装着した糸19をシース43を介して
循環モデルの外側から引くことで緊張させておき、ステ
ントの位置を更に右総腸動脈側に引いてステントを固定
した。ここで筒状部15の先端にあったバルーン22を
取り外した。そして更にステントの舌状突出部11にか
けていた操作用の糸19も取り外した。最終的には図1
6の状態となった。これで動脈瘤部分を筒状部15(移
植体)で覆うことができた。
【0100】この図16においては、右大腿動脈から右
総腸骨動脈35を通って左総腸骨動脈36内に挿入さ
れ、所望する位置に固定された状態の舌状の突出部11
を有する弾性線状部材製楕円形ステント12と、そのス
テントにより一端の円周を固定された筒状部15が示さ
れている。移植体先端のバルーン22、およびステント
舌状部11にかけてあった糸は外されている。筒状部は
左腸骨動脈36内部全体に拡がっている。
【0101】次に筒状部15の末端を固定するために、
左大腿動脈に相当する部分から8フレンチのシースを用
いて市販の気管拡張用に用いられているGianturco型Z
ステントを挿入し、筒状部15の末端内部で拡張させ
て、該筒状部15を総腸骨動脈36に固定した。この操
作により想定した総腸骨動脈瘤の部分に筒状部15を置
くことで、血流が仮想動脈瘤部分に当たらなくする事が
可能となった。実施例6 図10を参照して、実施例5で作製したステントに代え
て、1本の超弾性ステンレス鋼線、太さ0.45mm)
で作製したステント(ニッサチェイン社製、商品名:ス
テンレスワイヤー 0.45mm)を用いて長径が35
mm,短径が15mmであり、長径の端は約5mmにわ
たりくびれて舌状部分11を有する形態のステント12
を作製した。筒状部15としては、ポリエステル布(U
SCI社製、商品名:Microvel、厚さ0.3m
m)で内径8mm長さ6mmの管を作り蛇腹をつけた。
ステント面長軸と筒状部長軸との角度は60度に設定し
た。筒状部15の先端には離脱可能な径5mmのバルー
ン22を装着した。
【0102】上記で作製したステント12と筒状部15
とからなるステント・グラフトを用い、図12に示した
循環モデルを用いて、実施例1と同様に該ステントの評
価を実施した。この時の模擬血液の温度は室温であった
が、実施例1と同様に良好な結果が得られた。実施例7 実施例1で作製したポリエステル繊維製布の筒状部15
に代えて、フィブリル長約30ミクロンのe−PTFE
チューブ(Gore社製、商品名:Gore-tex g
raft)を用いてステント12と筒状部15を作製した。
【0103】上記で作製したステント12と筒状部15
とからなるステント・グラフトを用い、実施例1と同様
に作製した循環モデル(図12)を用いて、該ステント
・グラフトの評価を実施したところ、筒状部15は蛇腹
加工されていなかったが、e−PTFEチューブの屈曲
性に富む特性によって、総腸骨動脈36の緩やかなカー
ブに沿ってキンクすることなく自然な屈曲状態で落ちつ
き、実施例1と同様に同様に良好な結果が得れれた。
【0104】以上、本発明を適応した実施例に付いて説
明してきたが、本発明がこれらの実施例に限定されるも
のではなく、形状、材質等、本発明の要旨を逸脱しない
限り変更が可能である。
【0105】
【発明の効果】上述したように本発明によれば、線状部
材からなる閉じられたループ部を含むステントであっ
て;且つ、平面上に投影した投影図形において該ループ
部が楕円形状を有するステントが提供される。
【0106】上記構成を有する本発明のステントを用い
た際には、該ステントの楕円形状に基づき、血管等の管
腔(通常、ほぼ真円の断面形状)内に、該管腔の軸に対
して「斜め位置」することが、極めて容易となる。この
ように、管腔内にステントが「斜め配置」されることに
より、簡便、正確、且つ安全に該ステントを管腔内に挿
入・固定することが可能となる。更には、このような管
腔内における「斜め配置」に基づき、該ステントの固定
後の「移動」を効果的に防止することが可能となる。
【0107】本発明のステントないしステント・グラフ
トを管腔(血管等)の側枝から挿入固定した場合には、
病的部分をこれらステント等が通過しないようにするこ
とが容易であるため、該病的部分を傷害することなく安
全である。
【0108】更には、この場合、本発明のステント等を
血管の側枝から挿入固定するので、病変のない部分での
ステントの固定が極めて容易である。
【0109】ループ部に外側への「突起部」を設けた本
発明の態様においては、管腔の側枝等から挿入固定した
際に、該側枝の形状を活用した確実な固定が可能である
ため、近年危険視されているステント等の管腔内移動を
効果的に防止でき、安全である。
【0110】このように、ステント等を血管の側枝から
挿入固定した際には、側枝の一部にステントの突起居部
分が架かることになるが、側枝の位置とステントの位置
関係が極めて明瞭であり、筒状部等の移植体は、該側枝
より必ず末梢側に位置するように血流で流された位置に
自然に移動するため、側枝を完全に覆うことが避けら
れ、安全である。
【0111】本発明のステント等を楕円形の長軸と短軸
は立体的に交わらないような位置関係とした態様におい
ては、結果的には該ステントは血管内に血管軸に対して
斜めにカーブした状態で挿入固定される事となり、カー
ブしたステントの弾性によって血管壁内面の曲面に順応
した密着状態が容易に得られる。
【0112】本発明のステントが緩やかに屈曲した楕円
形をしている態様では、該ステントが大動脈壁に緩やか
に当たって、血管壁とステントとの完全な密着性が容易
に得られるが、更に該ステントに接続された筒状部(ス
テント・グラフトの場合)が血流によって末梢側に牽引
される力が働くと、変形した楕円形の短軸が開く方向に
作用し、これによってステントおよび筒状部を更に確実
に血管壁に密着させる力が出てくることから、endoleak
の生じにくい構造となっている。
【0113】本発明のステント・グラフトにおいて、ス
テントの楕円の長軸と筒状部の長軸とが20度から85
度の間の交角に設定できるため、側枝から挿入された筒
状部がキンクせずに血管腔内に自然に入り込ませること
が容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のステントの一態様(楕円形状)を平面
上に投影した投影図形の一例を示す模式平面図である。
【図2】図1の態様のステントの模式側面図である。
【図3】本発明のステントの一態様(楕円形状)を示す
模式平面図である。
【図4】本発明のステントの他の態様(突起部付き)を
示す模式平面図である。
【図5】本発明のステントの他の態様(楕円形状+突起
部)を示す模式平面図である。
【図6】本発明のステントの他の態様(側面がJ字型)
を示す模式側面図である。
【図7】本発明のステントの他の態様(側面がU字型)
を示す模式平面図である。
【図8】本発明のステント・グラフトの一態様を示す模
式斜視図である。
【図9】本発明のステント・グラフトの他の態様(筒状
部が斜めに配置)を示す模式側面図である。
【図10】本発明のステント・グラフト(楕円形ステン
ト・ループ部と、筒状部とかrなる)の模式断面図であ
る。
【図11】図10のステント・グラフトの位置移動時に
おける操作を示す図である。
【図12】本発明のステント・グラフトの評価に用いた
大動脈とその側枝の模型を示す模式平面図である。
【図13】図10に示した大動脈とその側枝の模型の部
分拡大図である。
【図14】図13に示した部分に、本発明のステント・
グラフトが固定された状態を示す模式断面図である。
【図15】図12に示した大動脈とその側枝の模型の部
分拡大図である。
【図16】図15に示した部分に、本発明のステント・
グラフトが固定された状態を示す模式断面図である。
【図17】図9の筒状部8を、ループ部7に完全に縫い
付けた態様を示す模式断面図である。
【図18】図12に示した大動脈とその側枝の模型中の
動脈解離部分60を示す模式側面図である。
【図19】図18に示した動脈解離部分60に、ステン
ト12および移植体15を挿入する際の状態を示す模式
側面図である。
【図20】図18に示した動脈解離部分60に、ステン
ト12および移植体15を挿入した後の状態を示す模式
側面図である。
【図21】図12に示した大動脈とその側枝の模型中の
動脈解離部分61を示す模式側面図である。
【図22】図21に示した動脈解離部分61に、ステン
ト12および移植体15を挿入した後の状態を示す模式
側面図である。
【符号の説明】
1:ステント、2:ステントのループ部、3:突起部、
4:J字形状のステント、5:U字形状のステント、
7:ステント・グラフトのループ部、8:筒状部。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 線状部材からなる閉じられたループ部を
    含むステントであって;且つ、 その面積が最大となるように前記ループ部を平面上に投
    影した際に、該投影図形において該ループ部が楕円形状
    を有することを特徴とするステント。
  2. 【請求項2】 線状部材からなる閉じられたループ部を
    含むステントであって;且つ、 前記ループ部が、該ループの外側に突き出した突起部を
    有することを特徴とするステント。
  3. 【請求項3】 前記ループ部の面積が最小となるように
    前記ステントを側面上に投影した際に、該投影図形にお
    いて前記前記ループ部がJ字形状またはU字形状を有す
    る請求項1または2記載のステント。
  4. 【請求項4】 前記線状部材の少なくとも一部が、形状
    記憶機能または超弾性を有する材料からなる請求項1〜
    3のいずれかに記載のステント。
  5. 【請求項5】 前記線状部材の少なくとも一部が、マル
    チフィラメント材料またはテープ状材料からなる請求項
    1〜4のいずれかに記載のステント。
  6. 【請求項6】 前記ループ部の少なくとも1箇所に、遠
    隔操作で離脱可能な糸が装着されている請求項1〜5の
    いずれかに記載のステント。
  7. 【請求項7】 線状部材からなる閉じられたループ部
    と、 筒状部とを含むステント・グラフトであって;且つ、前
    記筒状部の一端の少なくとも一部が、前記ループ部に接
    続されてなることを特徴とするステント・グラフト。
  8. 【請求項8】 前記ループ部の長軸と、前記筒状部の軸
    とがなす角度(鋭角側)が、90度未満である請求項7
    記載のステント・グラフト。
  9. 【請求項9】 前記ループ部の長軸と、前記筒状部の軸
    とがなす角度(鋭角側)が、20〜85°である請求項
    8記載のステント・グラフト。
  10. 【請求項10】 更に、前記筒状部の表面に、X線によ
    り認識可視な物質からなるマーカーを有する請求項8ま
    たは9記載のステント・グラフト。
  11. 【請求項11】 前記筒状部の、前記ループ部への接続
    端と反対側の端に、バルーンが装着されている請求項8
    〜10のいずれかに記載のステント・グラフト。
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