JP5267124B6 - ステントグラフトのための一時的直径縮小制限配置および一時的直径縮小制限方法 - Google Patents
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Description
技術分野
本発明は、医療器具に関し、特に血管内挿入のために配置器具上に装着するステントグラフトのための、一時的直径縮小制限配置および一時的直径縮小制限方法に関する。
本発明は、医療器具に関し、特に血管内挿入のために配置器具上に装着するステントグラフトのための、一時的直径縮小制限配置および一時的直径縮小制限方法に関する。
発明の背景
本明細書の全体にわたって、大動脈、配置器具、または人工器官の一部分に関して、遠位という用語は、心臓から送り出される血流方向により遠い大動脈、配置器具、または人工器官の端部を指し、近位という用語は、大動脈、配置器具または人工器官の、心臓により近い部分を意味する。その他の管に対して用いられる場合、「後端の」および「頭部の」といった用語も同様に理解されるものとする。
本明細書の全体にわたって、大動脈、配置器具、または人工器官の一部分に関して、遠位という用語は、心臓から送り出される血流方向により遠い大動脈、配置器具、または人工器官の端部を指し、近位という用語は、大動脈、配置器具または人工器官の、心臓により近い部分を意味する。その他の管に対して用いられる場合、「後端の」および「頭部の」といった用語も同様に理解されるものとする。
ここにおける教示は、動脈瘤の治療のために胸腹部大動脈に留置するためのステントグラフト、より具体的には傍腎動脈留置に関して特に論じる。しかし、これらの教示はこのように限定されるわけではなく、人間または動物の体のいずれの内腔に留置するためのステントグラフトにも適用し得る。
腹腔動脈と腎動脈との間の大動脈の部分は、外膜のエラスチンに最も恵まれており、最も安定し、最も拡張しにくい。この領域の動脈瘤は、下行の胸部大動脈、腎動脈下大動脈、またはその両方における、安定性がより低い領域の動脈瘤に関連付けられる。胸腹部大動脈の外科的修復は、長い多空洞切開部による大幅な露出を伴うことが多く、臓器虚血期間を伴う。外科技術および術前術後ケアの進歩にもかかわらず、高齢の患者、病気の患者、または大動脈の隣接部分について開腹外科修復歴がある患者においては、特に死亡率および罹患率が高い。このような場合には血管内治療が歓迎されるが、胸腹部大動脈および傍腎大動脈の修復についての血管内治療法は開発が遅れている。課題は、臓器分枝への血流を維持しながら大動脈瘤を切除することである。
この問題に対する明瞭に異なる2つの手法が報告されてからおよそ4年になる。2つの装置は、腎動脈および上腸間膜動脈のための開窓部を有する分岐型腹部大動脈ステントグラフト、ならびに腹腔動脈、上腸間膜動脈および腎動脈のための分枝を有する胸腹部ステントグラフトである。近年において、開窓されたステントグラフトと多分岐型ステントグラフトとの間の区別が不明確になってきている。これは、ニチノール(登録商標)リングを有する開窓部、外側にカフが付いた開窓部、内側にカフが付いた開窓部、外側螺旋状カフ、ならびに軸方向に配向された、外側および内側両方のカフまたは分枝などの特徴を有する、多くのハイブリッド装置の出現によるものである。以下に記載するように、各要素は利点と欠点とを有し、各組合せには異なる役割を果たす。
現在、いくつかの重要な特徴を共有する一群の装置が存在する。これらの各々においては、かかり付きの被覆されていないZステントが近位端を固定し、1個の近位オリフィスが大動脈(または予め挿入された人工器官)の非拡張部分に取付けられる。それらの装置はすべて、複数の分枝、カフまたは孔(開窓部)から血液を流し、一連のZステントおよびニチノール(登録商標)リングを有し、ステントグラフトの一端から他端を支持する。
傍腎動脈AAAの場合は、拡張していない腎動脈下大動脈の縁が短すぎて、開窓されていないステントグラフトを止血しながら確実に内殖することができない。近位ステントの
近位端については首部分にしか十分な余地がない。この被覆されたステントの残りの部分が動脈瘤内に拡張し、円錐形を呈する。このような状況下では、ステントグラフトと大動脈との付着が不十分であり、確実な封止を実現することができない。開窓部(孔)を適切に位置決めすることによって、ステントグラフトから腎動脈への流路が設けられ、それによって、円筒形を呈する、拡張していない腎傍の大動脈内のより高い位置に、ステントグラフトの近位端を配置することができる。開窓部が腎臓のオリフィス上に精度よく位置決めされ、かつ開窓部の周囲のステントグラフトの外側面が、腎臓のオリフィス周囲の大動脈の内側面に密着されて初めて、腎臓の灌流および大動脈瘤の切除という2つの目標が達成される。典型的な開窓法は、ブリッジングカテーテル、シースまたはバルーンを用いて、各開窓部を対応する腎臓のオリフィスに案内し、ブリッジングステントを用いて各開窓部をオリフィスに保持する。ステントグラフトの配置には5つの主要な段階がある:半開きのステントグラフトの押出し、グラフトから腎動脈へのカテーテル挿入、ステントグラフトの完全な拡張、腎臓ステント留置、およびステントが分岐して腸骨動脈に延在している状態での大動脈の切除の完了。
近位端については首部分にしか十分な余地がない。この被覆されたステントの残りの部分が動脈瘤内に拡張し、円錐形を呈する。このような状況下では、ステントグラフトと大動脈との付着が不十分であり、確実な封止を実現することができない。開窓部(孔)を適切に位置決めすることによって、ステントグラフトから腎動脈への流路が設けられ、それによって、円筒形を呈する、拡張していない腎傍の大動脈内のより高い位置に、ステントグラフトの近位端を配置することができる。開窓部が腎臓のオリフィス上に精度よく位置決めされ、かつ開窓部の周囲のステントグラフトの外側面が、腎臓のオリフィス周囲の大動脈の内側面に密着されて初めて、腎臓の灌流および大動脈瘤の切除という2つの目標が達成される。典型的な開窓法は、ブリッジングカテーテル、シースまたはバルーンを用いて、各開窓部を対応する腎臓のオリフィスに案内し、ブリッジングステントを用いて各開窓部をオリフィスに保持する。ステントグラフトの配置には5つの主要な段階がある:半開きのステントグラフトの押出し、グラフトから腎動脈へのカテーテル挿入、ステントグラフトの完全な拡張、腎臓ステント留置、およびステントが分岐して腸骨動脈に延在している状態での大動脈の切除の完了。
一般的に使用される開窓部の3つの形態は、大開窓部、扇形、および小開窓部である。大開窓部は、目的の動脈が動脈瘤から十分離れている場合にのみ用いられる。1本以上のステント支柱が大開窓部のオリフィスを横切るため、ブリッジングステントは不要であり、使用することもできない。扇形は、本質的に頂部が開いた大開窓部である。多くの場合、上腸間膜動脈のための扇形が存在すると、ステントグラフトの近位端と腎臓のオリフィスの中心との間に十分な間隔(>15mm)が生じる。小開窓部は、一般に両方の腎動脈上に配置され、ブリッジングステントによってそこに保持される。ステントの支柱は、小開窓部のオリフィスを横切ることはできない。したがって小開窓部は、隣接するステントの支柱の間の三角形の空間の下半分に限定される。
局所的な腎近接動脈瘤または仮性動脈瘤は、円筒状の開窓されたステントグラフトを1つしか要しないが、多くの場合の腎臓下動脈瘤は大動脈の分岐点まで延在し、分岐したステントグラフトから2方向の腸骨への流出を必要とする。開窓された近位部材と分岐した遠位部材との組合せを、複合ステントグラフトと称する。ステントグラフトを2つの部材に分割することにより、手順が前半と後半とに分離される。執刀医は、開窓された近位部材を挿入する間、分岐点の位置もしくは配向について、または分岐した遠位部材を挿入する間、開窓部の位置および配置について懸念する必要がない。複合装置によって、開窓された近位部材が、主に遠位部材の分岐点に作用する頭骨方向への大きな血流の力からも分離される。両者が少しずれたとしても、近位部材が移動するよりは好ましい。近位部材が数ミリでも移動すると、両方の腎動脈が閉塞することになるためである。実際、腎動脈の損失率が低いことは、ステントグラフトの配置の正確さと、ステントグラフトの取付の安定性とを証明している。
したがって、開窓部の位置決めは、腎臓の閉塞を回避するために非常に重要である。
位置決めはさらに複雑である。なぜならステントグラフトの直径は、血管壁に対する正確な封止、サイズ決めの際に起こり得る誤差、および血管壁のその後の弛緩を見越して、留置されるべき直径よりも故意に大きく作られているためである。したがって、いったん解放されると、自己拡張型ステントを有するステントグラフトは血管壁に付着し始め、不可能ではないにせよその位置を動かすことが難しくなる。
位置決めはさらに複雑である。なぜならステントグラフトの直径は、血管壁に対する正確な封止、サイズ決めの際に起こり得る誤差、および血管壁のその後の弛緩を見越して、留置されるべき直径よりも故意に大きく作られているためである。したがって、いったん解放されると、自己拡張型ステントを有するステントグラフトは血管壁に付着し始め、不可能ではないにせよその位置を動かすことが難しくなる。
発明の概要
好ましい実施形態において、本発明は配置中にステントグラフトの直径を縮小するためのシステムを提供することができ、一時的直径縮小結合材がステントグラフトの少なくと
も一部分に付加される。
好ましい実施形態において、本発明は配置中にステントグラフトの直径を縮小するためのシステムを提供することができ、一時的直径縮小結合材がステントグラフトの少なくと
も一部分に付加される。
配置器具からステントグラフトを初期解放した後の位置決めも行なうことができる。
本発明の一局面によれば、請求項1に記載のようなステントグラフトのための一時的直径縮小制限配置が提供される。
本発明の一局面によれば、請求項1に記載のようなステントグラフトのための一時的直径縮小制限配置が提供される。
ステントは、好ましくは千鳥状ステントであり、支柱を有し、その間で屈曲し、それぞれの支柱に対する糸の係合の位置は支柱の端部の中間にある。
2本のリリースワイヤと、リリースワイヤに沿った複数の位置においてリリースワイヤの各々から各方向に周方向に延在する周方向の糸とを設け、ステントグラフトの長さに沿って、ステントグラフトの直径が縮小した状態にステントグラフトを保持することができる。好ましくは、リリースワイヤの長さに沿った位置は、ステントグラフトの長さに沿った自己拡張型ステントの支柱の中央部分に対応する。
本発明の別の局面によれば、請求項6に記載のような自己拡張型ステントグラフトの少なくとも一部分の直径を一時的に縮小させる方法が提供される。
当該方法は、リリースワイヤに沿った複数の位置において各リリースワイヤから各周方向に複数の可撓性の糸を付加し、ステントグラフトの長さに沿って、ステントグラフトの直径を一時的に縮小させるステップを備えることができる。好ましくは、ステントグラフトのそれぞれの支柱に対する糸の係合の位置は支柱の端部の中間にある。
本発明の実施形態を、添付の図面を参照して、例示のみを目的として以下に記載する。
詳細な説明
図1を参照して大動脈2を概略的に示し、大動脈2は、3に示す大動脈の分岐点まで下方に延在し、かつ2本の腸骨動脈5および7内に延在していることが分かる。大動脈壁11の隆起によって規定される動脈瘤9は、大動脈の分岐点3の付近から、ほぼ腎動脈13および15まで延在する。腎動脈の遠位方向において、動脈瘤化していない大動脈の長さが不十分であり、したがって、ステントグラフトを留置して動脈瘤をバイパスするには、ステントグラフトの一部を腎動脈の近位方向に留置することが必要である。
図1を参照して大動脈2を概略的に示し、大動脈2は、3に示す大動脈の分岐点まで下方に延在し、かつ2本の腸骨動脈5および7内に延在していることが分かる。大動脈壁11の隆起によって規定される動脈瘤9は、大動脈の分岐点3の付近から、ほぼ腎動脈13および15まで延在する。腎動脈の遠位方向において、動脈瘤化していない大動脈の長さが不十分であり、したがって、ステントグラフトを留置して動脈瘤をバイパスするには、ステントグラフトの一部を腎動脈の近位方向に留置することが必要である。
本実施形態は、一方の腸骨動脈内に延在する長い脚部と、反対側の腸骨動脈に対して脚部延長部が配置され得る短い脚部とを有する分岐型ステントグラフトに関連して述べるが、ここにおける教示はそのように限定されるわけではなく、複合ステントグラフトの近位管状部分に開窓部がある複合ステントグラフトに用いることもでき、必要であれば、ステントグラフトにさらに分岐した部分を設けて腸骨動脈まで下方に延在させてもよい。
ステントグラフト20は、分岐点24、腸骨動脈7下方に延在する長い脚部27、および腸骨動脈5に向かう短い脚部26を有する。脚部延長部28は短い脚部26に接続され、腸骨動脈5下方に延在する。ステントグラフト20は、近位内側ステント36およびその筒状体の長さに沿った複数の外側ステント38を有する。腎動脈13および15において、腎動脈にアクセスできるように開窓部30および32が存在し、ステントグラフトを大動脈に配置する際に腎動脈に対応するように、これらの腎臓開窓部をステントグラフト上に配置することについてここで教示する。そのようなステントグラフトを配置する方法はWO−98/53761に記載されており、その特徴および開示されている他の特徴をここにおける教示によって用いることができる。
図1の腎動脈は大動脈の両側の側方に延在するものとして図示するが、実際には腎動脈の位置は非常に可変であり、大動脈の前方面に向かってより互いに近い場合もあり、長手方向において多少離間して位置付けることもある。
図4Aおよび図4Bは、直径縮小結合材の一実施形態を概略的に示す。この図ではステントグラフトのグラフト材料は示さず、自己拡張型ステントの一部分のみを平らに延ばした状態で示す。
図2Aに見られるように、ステントグラフトの筒状体の周りに延在し、かつステントグラフト材料に縫合される自己拡張型ステント70を示す。リリースワイヤ72は、図4Aにより詳細に示すようにステントグラフトの長手方向に沿って縫合され、リリースワイヤの縫い目72aが自己拡張型ステント70の領域においてステントグラフトの外側に露出している。
可撓性材料からなる第1の縫合糸74をリリースワイヤ72の周りに通し、ステントグラフトの支柱76を越えてリリースワイヤの一方側に延在させ、3本の支柱を越え、4本目の支柱の周りに対して輪にし、グラフト材料内に延在させる。次に縫合糸74がきつく引張られ、図2Bに示すように結び目78で結ばれ、したがってリリースワイヤ72と結び目78との間の支柱が、自己拡張型ステントの弾力に対抗して互いに近付くように引張られる。
同様の動作が可撓性材料からなる第2の縫合糸80によってリリースワイヤの反対側について行なわれる。この場合、糸80はリリースワイヤ72の周りに通されるか、または糸74の2本の撚線の下を通され、リリースワイヤ72を越え、3本の支柱を越え、その後3本の支柱を越えて4本目の支柱の周りに対して輪にし、グラフト材料内に延在させ、きつく引張り、82において結ぶことができる。
リリースワイヤ72と結び目78との間の距離の縮小は、50から75%であり得る。たとえば、リリースワイヤ72から、結び目78が配置される支柱までのステントグラフトの円周の図2Aに示す距離xが15ミリの場合、これを図2Bにおいて寸法yで示すように5ミリに縮小することができる。2個の直径縮小結合材をリリースワイヤ72の各側に1個ずつ設ければ、全体で20ミリの円周の縮小を実現することができ、36ミリの直径のステントグラフトが約28ミリに変化することになる。この例において、これはその領域における大動脈の直径よりも小さい可能性があり、つまりステントグラフトは、配置器具上に装着されたままであるが収容しているシースの取外しによって部分的に遊離した状態でありながら、大動脈内でさらに移動しやすくなる。
より大幅な直径縮小が望まれる場合は、図3Aおよび図3Bに示すように、二重の直径縮小結合材を使用し得る。この実施形態においては、互いに平行であり、かつ自己拡張型ステント91の6本または7本の支柱によって離間された2本のリリースワイヤ90および92が使用される。2本のリリースワイヤ90および92は、図4Aにより詳細に見られるようにステントグラフトの長手方向に沿って縫合され、縫い目90aおよび92aが自己拡張型ステント91の領域においてステントグラフトの外側に露出している。第1の縫合糸93はリリースワイヤ90の一方側から延在し、第2の縫合糸94はリリースワイヤ90の他方側に延在し、それぞれ95および96において結ばれる。同様に、縫合糸97および98がリリースワイヤ92の両側に延在し、それぞれ99および100において結ばれる。一般に、結び目96および99は同じ支柱のいずれかの側にある。
これらの二重の直径縮小結合材を用いることによって、たとえば、直径36ミリのステントグラフトについて40ミリまでの円周の縮小を達成することができ、最終的な直径は
約24ミリとなる。このように直径を一時的に縮小することによって、最終的な位置決めのためのステントグラフトの移動を容易に実現することができる。
約24ミリとなる。このように直径を一時的に縮小することによって、最終的な位置決めのためのステントグラフトの移動を容易に実現することができる。
図4A、図4Bおよび図4Cは、直径縮小結合材の据付けおよび解放についてさまざまな段階でのステントグラフトを示す。
図4Aは、大動脈内に装着するための複合ステントグラフトの、より近位部分を示す。ステントグラフトは筒状体120を有し、その近位端に内側千鳥状自己拡張型ステント122を有し、近位方向に延在する露出したステント124が、筒状体120の近位端に装着されている。さらに、外側自己拡張型ステント126が筒状体の長さに沿って遠位端128に設けられる。筒状体120は、近位端において第1の選択された直径を有し、筒状体の長手のさらに下方に直径が若干小さくなるように、130において先細りになっている。
この実施形態は、特に二重の直径縮小結合材の設置に関連して記載する。第1の段階は、リリースワイヤ132および134の配置であり、これらは筒状体の長手方向に沿って延在し、筒状体の内外で縫合される。露出されたステントの各々の支柱の中間領域に一致する領域における筒状体の外側に縫い目を見ることができる。たとえば130として示す領域において、縫合糸がリリースワイヤの周りに配置され、千鳥状ステント126の約3本の支柱を越えて支柱136まで延在し、支柱136の周りを越え、筒状体120のグラフト材料内に入り、図4Bで138に示すように、きつく引張られる。同様に、縫合糸140は約3本の支柱にわたってリリースワイヤ132から他方向に延在し、1本の支柱の周りを越え、筒状体120のグラフト材料内に入り、きつく引張られる。
リリースワイヤ134から各方向に同様に縫合糸を延在させ、他方側を圧縮するように設置する。リリースワイヤ132に向かって後方に延在する縫合糸142は、縫合糸138と同じ支柱136に結合される。縫合糸144は、リリースワイヤ134から反対方向に延在する。
このプロセスは、他方の露出したステント126および内側ステント122によって繰返される。内側ステント122の場合、縫合糸が筒状体120の材料から挿入され、支柱の周りを回り、結ばれるが、それ以外は筒状体の外側にある。この結果図4Bに示すようになり、ステントグラフトの直径がかなり縮小される。直径縮小結合材は、部分的に解放された後にステントグラフトが移動可能な状態を維持するように、ステントグラフトの全長に沿って配置し得る、またはステントグラフトの、留置されるべき血管の内腔よりも直径が大きい部分にのみ限定することができる。
図4Bは、配置器具上に装着されたステントグラフトを示し、押出しカテーテル150を一端に有し、近位方向に延在するステント124を収容するノーズコーンカプセル152を他方端に有する。この段階では、自己拡張型ステントの作用によってステントグラフトが部分的に拡張しているが、完全な拡張は直径縮小結合材138、140、142および144によって妨げられるように、収容しているシースが押出しカテーテル上に後退している。
図4Cは、露出したステント124がカプセル152内に収容されたままとなるようにステントグラフトが配置器具上に依然として装着されているものの、直径縮小結合材が解放されるようにリリースワイヤが取外された状態を示す。縫合糸140、138、142および144がステントグラフトの外側にあることに注目されたい。これらは血流に干渉せず、大動脈壁へのステントグラフトの密着を補助し得るため、問題ではない。
別の配置において、スペースが許せば2組の二重直径縮小結合材を用いて、二重直径縮小結合材のうちの1組とトリガーワイヤとを腎動脈の前方に配置し、二重直径縮小結合材の別の組とトリガーワイヤとを腎動脈の後方に配置してもよい。
本明細書および添付の請求項の全体にわたって、文脈に特に規定のない限り、「備える」および「含む」という用語ならびに「備えている」および「含んでいる」などの変形例は、規定された完成体または完成体のグループを含むことを意味するが、その他の完成体または完成体のグループを除外するものではないことが理解されるであろう。
Claims (12)
- ステントグラフト(20)のための一時的直径縮小制限配置であって、
前記ステントグラフトは、
選択された直径を有する生体適合性のグラフト材料の筒と、
該グラフト材料の筒に固定された複数の自己拡張型ステント(38)とを含み、
前記制限配置は、
前記グラフト材料の筒に沿って長手方向に延在する少なくとも1本のリリースワイヤ(72)と、
前記リリースワイヤ(72)の周りに係合するとともに、前記リリースワイヤ(72)から周方向に離れた位置の前記ステントグラフトの選択された部分の周りに係合することにより、前記グラフト材料の筒の周の一部のみに延びる、少なくとも1本の周方向の糸(74,80,93,94,97,98)とを備え、
前記グラフト材料の筒の、前記周方向の糸が延びる周は、いずれの周方向の糸も含まない部分を有し、
前記周方向の糸(74,80,93,94,97,98)は引張られ、結ばれて、前記リリースワイヤ(72)と前記ステントグラフトの前記選択された部分との間の周方向の距離が縮小されることにより、前記リリースワイヤ(72)と、前記ステントグラフトの前記選択された部分との間の前記ステントグラフトの周方向の区間が縮小され、それによってステントグラフトの直径全体が縮小される、一時的直径縮小制限配置。 - 前記周方向の糸(74,80,93,94,97,98)は、前記リリースワイヤ(72)から各方向に周方向に延在する、請求項1に記載の一時的直径縮小制限配置。
- 前記自己拡張型ステント(38)は千鳥状ステントであり、支柱を有し、その間で屈曲し、前記周方向の糸の前記グラフト材料への係合は、前記自己拡張型ステントの支柱の周りへの糸の係合を含む、請求項1または2に記載の一時的直径縮小制限配置。
- 前記リリースワイヤ(72)と、前記ステントグラフトの前記選択された部分との間の周方向の距離は50から75%縮小される、請求項1、2または3に記載の一時的直径縮小制限配置。
- 前記グラフト材料の筒に沿って長手方向に延材する第1および第2のリリースワイヤ(90,92)と、該第1および第2のリリースワイヤ(90,92)の各々から各方向に周方向に延在する前記周方向の糸(93,94,97,98)とを備える、請求項1から4のうちいずれか1項に記載の一時的直径縮小制限配置。
- 自己拡張型ステントグラフトの少なくとも一部分の直径を一時的に縮小する方法であって、前記ステントグラフト(20)は、生体適合性のグラフト材料の筒と、複数の自己拡張型ステント(38)とを含み、前記方法は、
a) リリースワイヤ(72)を前記ステントグラフトに沿って長手方向に延在させ、前記リリースワイヤを前記グラフト材料の筒に縫合するステップと、
b) 第1の可撓性糸(74)を前記リリースワイヤ(72)の周りに対して輪にし、前記第1の可撓性糸を、前記リリースワイヤから離れたズテントグラフトの外周の選択された位置まで、前記ステントグラフトの外周の一部のみにおいて周方向に延在させるステップと、
c) 前記第1の可撓性糸を前記グラフト材料の前記選択された位置に係合させるステップと、
d) 前記第1の可撓性糸の両端を互いに引張り、前記第1の可撓性糸の両端を結び合せるステップとを備え、
前記グラフト材料の筒の、前記第1の可撓性糸が延在する周は、前記第1の可撓性糸および他の周方向の糸のいずれも含まない部分を有し、
それによって、前記リリースワイヤと前記ステントグラフトの前記選択された位置との間の、前記ステントグラフトの周方向の距離が縮小されて、前記ステントグラフトの円周の一部分のみが周方向に一時的に縮小され、その結果として、前記ステントグラフトの直径全体が縮小される、方法。 - 前記自己拡張型ステントは千鳥状ステントであり、支柱を有し、その間で屈曲し、前記方法は、前記第1の可撓性糸(74)を前記グラフト材料に係合させるステップを備え、前記自己拡張型ステントの支柱の周りに前記第1の可撓性糸を係合させるステップを含む、請求項6に記載の方法。
- e) 第2の可撓性糸(80)を前記リリースワイヤ(72)または前記第1の可撓性糸(74)の周りに通し、第2の可撓性糸をリリースワイヤから選択された距離の位置まで前記第1の可撓性糸と反対方向に前記ステントグラフトの外周に水平に延在させるステップと、
f) 前記第2の可撓性糸を前記グラフト材料に係合させるステップと、
g) 前記第2の糸の端部を互いに引張り、該第2の糸の端部を結ぶステップとを備え、
これにより選択された距離が縮小され、それによって前記ステントグラフトの直径全体が縮小される、請求項6または7に記載の方法。 - 前記リリースワイヤ(72)と、前記ステントグラフトの前記選択された位置との間の周方向の距離は50から75%縮小される、請求項6から8のうちいずれか1項に記載の方法。
- 複数の可撓性糸を付加して、前記ステントグラフトの長さに沿って直径を減少させるステップを備える、請求項6から9のうちいずれか1項に記載の方法。
- j) 第2のリリースワイヤ(92)を前記ステントグラフトに沿って長手方向に、第1のリリースワイヤ(90)に平行に、かつ離間して延在させるステップと、
k) 第3の可撓性糸(97)を前記第2のリリースワイヤの周りに対して輪にし、前記第3の可撓性糸を、前記第2のリリースワイヤから選択された距離の位置まで前記ステントグラフトの外周に水平に延在させるステップと、
l) 前記第3の可撓性糸を前記グラフト材料に係合させるステップと、
m) 前記第3の可撓性糸の端部を互いに引張り、前記第3の可撓性糸の端部を結ぶステップと、
n) 第4の可撓性糸(98)を前記第3の可撓性糸の周りに通し、前記第4の可撓性糸を前記第2のリリースワイヤから選択された距離の位置まで前記第3の可撓性糸と反対方向に前記ステントグラフトの外周に水平に延在させるステップと、
o) 前記第4の可撓性糸を前記グラフト材料に係合させるステップと、
p) 前記第4の可撓性糸の端部を互いに引張り、前記第4の可撓性糸の端部を結ぶステップとを備え、
これにより選択された距離が縮小され、それによって前記ステントグラフトの直径全体が縮小される、請求項6から10のうちいずれか1項に記載の方法。 - 前記第1および第2のリリースワイヤに沿った複数の位置において、前記第1および第2のリリースワイヤの各々から各周方向に前記複数の可撓性糸(93,94,97,98)を付加して、前記ステントグラフトの長さに沿って前記ステントグラフトの直径を縮小するステップを備える、請求項11に記載の方法。
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