JP2000165866A - 画像符号化方泡画像符号化装置、画像復号化方法 - Google Patents

画像符号化方泡画像符号化装置、画像復号化方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】再生画像から原画像の部分のみを抽出して表示
する。 【解決手段】原画像から生成した所定の大きさの画像符
号及び原画像信号の大きさを示す信号とを伝送路から受
け取り、上記画像符号を復号化して再生画像を得、この
再生画像の上部から原画像の大きさの領域を抽出して表
示する。これによって、再生画像から原画像の部分のみ
を抽出して表示することができる

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、テレビジョン信号
(以下TV信号)や画像信号の通信に係り、特に、TV
会議装置やTV電話装置に関する。
【0002】
【従来の技術】TV信号をディジタル的に圧縮し64k
b/s程度の伝走路を用いて伝送するTV電話,TV会
議が普及しつつある。しかし、画面のフォーマットや圧
縮方式等が各メーカー,機関によって異なるため相互の
通信は不可能であった。そこで、国際電信電話諮問委員
会(CCITT)において圧縮方式や画面のフォーマッ
トの標準化が検討され、勧告化に至った。
【0003】以下、CCITTの標準方式の概略を説明
する。
【0004】標準化方式では、図2に示すように、TV
方式の異なる国間でも相互通信ができるように中間フォ
ーマット(以下CIF:Common Intermediate Forma
t)と呼ばれる画像フォーマットを採用している。CI
FはTV画面の1フレームを輝度信号352×288画
素、色信号CB176×144画素、色信号CR 17
6×144画素にディジタル的に分割し、これを最大3
0フレーム/秒で伝送するものである。CIFは、日米
中心のTV方式であるNTSCの画像フォーマットと欧
州中心のPALのフォーマットの中間にあたる。
【0005】CIFの1フレームは図3のように、12
個のGOB(Group Of Block)と呼ぶ領域に分割され
る。GOBは更に33個のマクロブロック(MB)に分
割される。すなわちMBは16×16画素の輝度信号と
8×8画素の色信号CBと8×8画素の色信号CRとか
らなる。輝度信号は更に4つの8×8画素のブロックに
分割され、2つの色信号とあわせて、6つの8×8画素
のブロックになる。
【0006】圧縮符号化処理は、MBを基本単位とし
て、図11のソース符号化回路6およびビデオマルチプ
レクス回路7により行う。ソース符号化回路6は画像の
冗長性を抑圧し、ビデオマルチプレクス符号化回路7は
冗長性を取り除いた画素信号を符号化し、伝送する。
【0007】ソース符号か並びにビデオマルチプレクス
符号化の詳細については、電子情報通信学会画像符号化
シンポジウム主催「PCSJ89画像符号化講演会」4
5ページからに詳細に記述されている。
【0008】ソース符号化では直前に符号化し伝送した
画面(参照画面)を、自ら再生し保持しておく。符号化
するMB毎に参照画面から最も類似した部分(大きさは
MBと同じ。以下参照MB)を探し、符号化するMBと
参照MBの差分を伝送する。差分とは符号化MB内の各
画素の値から、参照MB内の対応する画素の値を引いた
信号を表す。この差分信号は8×8画素ごとに、離散コ
サイン変換(DCT)と呼ばれる直交変換を施される。
宮原誠著「系統的画像符号化」(アイピーシー、199
0.7)の222ページからに、および、同書の250
ページからに記述があるように、DCTは周辺数変換の
一種であり、画像信号あるいはその差分信号を周波数
(DCT係数)に分散する。こうして得られたDCT係
数の低周波成分を中心に伝送することによって圧縮を行
っている。
【0009】DCT係数を伝送するのと同時に参照MB
の相対的な位置も「動きベクトル」として伝送する。も
し、符号化するMBと参照MBの各対応する画素の値が
ほとんど等しければ、DCT係数は全て零になるため伝
送しない(NOCODED)。NOCODEDのうち、特に動きベクト
ルが零、すなわち、その部分の画像に変化がないとき
は、変化のないMB(無効MB)という情報のみを伝送
する。
【0010】ビデオマルチプレクス符号化ではDCTの
結果の信号,MBの属性(NOCODEDか否か等),動きベ
クトル等を可変長符号で符号化し伝送する。
【0011】以上が標準化方式の概略である。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】一般にNTSC信号を
ディジタル化する場合NTSC内部の基準信号である約
3.58 MHzの整数倍(通常4倍の約14.3 MH
z)の周波数でサンプリングをおこなうため、1走査線
あたり910画素となる。1フレームの走査線数(垂直
方向の解像度)は525ラインである。TV電話やTV
会議等ではこれらの信号のうち垂直・水平同期信号など
を除いた有効領域のみを伝送する。すなわち、水平76
8画素×垂直480ライン、あるいはその水平垂直半分
の解像度の384画素×240ラインのフォーマットが
用いられる。とくに64kb/sから384kb/s程
度の非常に速度遅い伝送路を用いるときには後者の38
4×240のフォーマットがよく用いられる。このた
め、標準化方式で通信を行う場合には、NTSCのTV
信号をCIFに変換し圧縮・符号化しなければならな
い。逆に、受信した側でも再生したCIFの信号をNT
SC信号に変換して表示しなければならない。
【0013】代表的な符号化装置の例を図11に示す。
入力されたTV信号(NTSC)は、まず色輝度分離・
サンプリング回路2で水平方向の画素数がCIF(35
2画素)に変換される。この変換の方法には幾つもの方
法が考えられるが、代表的なものには図7や図8のよう
な方法がある。図7は、アナログのTV信号を色輝度分
離回路20で分離した後に、A/D変換21,24にお
いてCIFに合った周波数(輝度約6.7 MHz、色約
3.4 MHz)でサンプリングする方法、図8はA/D
変換21によってディジタル化されたTV信号をディジ
タル色輝度分離回路23で色信号と輝度信号を分離し、
ディジタルフィルタ22,25によってサンプリング数
を変換する方法である。
【0014】このようにサンプリングされた信号は、輝
度信号,色信号CB、色信号CRの順に垂直方向に順次
読み出され、走査線数変換フィルタ60によって5対6
の割合で新たな画素が追加される。
【0015】走査線数変換フィルタでは垂直方向に読み
出された5つの画素から6つの画素を作り出す。図13
に線形補間による走査線数変換の原理を示す。図13に
おいてCIFのjライン、(j+6)ラインについて
は、それぞれNTSCのiライン、(i+5)ラインの
値をそのまま出力する。(j+1)〜(j+5)ライン
についてはそれぞれ空間的に上下のラインの値の加重平
均によって計算する。例えば、(j+1)ラインはNT
SCのiラインと(i+1)ラインの間、5/6の位置
にある。そこで、(iライン)の信号の1/6倍と(i
+1)ラインの信号の5/6倍を加えることによってC
IF(j+1)ラインの信号を得る。走査線数変換フィ
ルタの例を図12に示す。
【0016】垂直方向に読み出された240ラインTV
信号102は遅延回路70に保持されている1つ前の信
号121と共に。先に説明した加重平均の計算に使用さ
れる。信号102,121は、重み発生回路71におい
て画像信号の読みだし垂直アドレス114に対応して生
成した重み係数124,125とそれぞれ積算器72,
73,加算器74において加重平均計算され、288ラ
インTV信号104に変換される。この処理は入力の2
40ライン信号5ライン周期に完結し、遅延回路70に
保持されているデータもこの周期に同期して信号線12
6によってクリアされる。
【0017】この走査線数変換の別の方法として、垂直
方向に補間フィルタをかける方法や、現在クリアビジョ
ン受像機に見られるように順次走査化によって走査線数
480ラインの画面を作り出し、フィルタによって48
0ラインから5対3に間引いて288ラインの走査線を
作り出す方法などもある。
【0018】受信側では、288ライン伝送されてきた
走査線を6対5に間引いて240ラインにして出力す
る。
【0019】このようにNTSC方式同士の通信でも走
査線数を変換しなければならず、変換による画質の劣
化、ならびに変換装置自体の回路規模、コスト等が問題
となる。
【0020】従って、本発明の目的は、走査線数変換に
よる画質劣化なしに、標準化に合致した方法でTV信号
を符号化することにある。
【0021】
【課題を解決するための手段】上記目的は、CIFで伝
送する画面(288ライン)のうち240ラインにのみ
有効なTV信号を伝送し、残りの部分(48ライン)に
は無効な情報を詰めることにより、達成される。
【0022】上記の方法により、NTSC同士の通信時
には走査線数変換による画質の劣化がなくなり、回路規
模も走査線数変換回路をつけた場合に比べ減少する。さ
らに、符号化して伝送する画素数が減るために、1画素
あたりの情報量を増やし、さらによい画質のTV信号を
伝送することができる。また、1画素あたりの処理時間
も長い時間がかけられるため、従来よりも低速の素子、
あるいは従来よりも簡素な回路構成をとることができた
り、従来と同じ素子,同じ回路構成で従来よりも単位時
間に多くのフレーム数を符号化・復号化することが可能
となる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、画面を用いて本発明を詳細
に説明する。
【0024】図1は本発明を取り入れたTV信号符号化
装置のブロック図である。10の部分が本発明の部分で
ある。入力されたNTSC信号1は色輝度分離およびサ
ンプリング回路2においてディジタルTV信号101に
変換される。ディジタルTV信号は信号並び換え回路3
において有効領域の部分(240ライン)のみ切り出さ
れる。信号並び換え回路3は図9のように1フレームを
記憶できるメモリ30が内蔵されており、一度記憶され
たディジタルTV信号101は輝度信号,色信号CB,
色信号CRの順に時間軸変換され240ラインディジタ
ルTV信号102に変換される。一方、固定値送出回路
4では任意のディジタルの固定値を固定値信号103に
出力する。固定値送出回路4は図10のように、任意の
値を繰り返し出力できるように、固定領域の画素の値を
記憶しているROM40が入っている。このデータはア
ドレス信号112で指定される。この固定値は画像のダ
イナミックレンジ内に入っていればどのような値でもよ
い。240ラインディジタルTV信号102と固定値信
号103はスイッチ5によって切り替え合成をし、28
8ラインになる。この切り替え信号110はタイミング
回路9により生成される。スイッチ5で生成された28
8ラインディジタルTV信号104は、ソース符号化回
路6およびマルチプレクス符号化回路7により圧縮され
伝走路8に出力される。
【0025】タイミング回路9は同時にアドレス11
1,112をそれぞれ信号並び換え回路3と固定値送出
回路4に送出している。タイミング回路9のタイミング
チャートを図4に示す。輝度信号の上部240ラインは
240ラインディジタルTV信号102の信号を選択し
(タイミングチャートでは切り替え信号110がハイレ
ベル)、輝度信号の内残りの48ラインは固定値信号1
03を選択する(タイミングチャートではローレベ
ル)。色信号についても輝度信号に対応して上部120
ラインをハイレベル、残り24ラインをローレベルにす
る。このようにしてCIFのTV信号104を得る。符
号化処理は従来例と同様に、標準化に完全に合致した方
法で行う。符号化される画像は図5のように上部240
ラインには通常の画像信号が入り、下部48ラインには
固定値信号103によって定まる画像が入る。この固定
部の画像は、例えば輝度信号を128固定(ダイナミッ
クレンジ0〜255),色信号0固定とした場合には灰
色の一定値になる。
【0026】このとき伝送路8に送出される符号106
は図6のように上部240ラインに対応するGOB(1
から10)には画像の符号が入り、GOB11とGOB
12には固定値信号103を符号化した符号が入る。こ
の固定領域の符号量は一般に画像の符号量よりもはるか
に少ない。例えば、一度固定領域を符号化伝送してしま
い、さらにソース符号化回路が前画像との差分を伝送す
るモードになっている場合(通常の符号化モード)に
は、画像と変化がないため符号量は0ビットになる。こ
れにより、288ライン全てが有効な画像である場合に
比べて伝送する情報量は1/6(約17%)削減され
る。
【0027】受信側においては、標準化方式に従い伝送
されてきた符号を解読し288ラインの再生画像を得
る。これを走査線数変換により240ラインに変換し、
表示すれば図5に示したような下に灰色の帯の入った画
像が得られる(288ライン表示モード)。もし、相手
が240ラインしか有効領域がないことが分かれば、そ
の有効領域のみを表示すればよい(240ライン表示モ
ード)。有効領域の大きさを相手に知らせる手段として
は、特定(例えば11番目)のGOBヘッダの後に特殊
な符号を挿入したり、ピクチャヘッダの中で知らせた
り、通信開始時に伝送する符号化装置のメーカー名等に
より自動的に判定したりする事が考えられる。また、下
部2つのGOBが連続して変化がない場合に自動的に切
り替えることや、装置に切り替えのスイッチ等をつけ、
ユーザーに選択をさせる方法もある。
【0028】以下の変形例も本発明に含まれることは明
かである。また、以下の変形例の組み合わせも本発明に
含まれる。
【0029】上記実施例では、伝送する画面の有効領域
は352×240の大きさとしていたが、この画面の大
きさは水平方向352画素以下、垂直方向288ライン
以下であれば任意の大きさで構わない。
【0030】上記実施例では、固定領域として直流値を
用いたが、フレーム間で変化のない画像であれば、上記
の実施例と同じ効率で通信が可能になる。また、固定領
域の一部分に変化があっても変化する面積が小さければ
効率をあまり落とさずに通信が可能となる。
【0031】上記実施例では、固定領域は画面下部に配
置していたが、画面上部でも、あるいは画面上部と下部
に分離しても、あるいは伝送する画面の有効領域(24
0ラインのTV信号)を複数に分離し、分離したそれぞ
れの領域の間に固定領域を配置してもかまわない。
【0032】通信開始前あるいは通信中に、送信・受信
双方でGOB11およびGOB12を伝送しない取り決
めを行えば、GOB11と12のGOBヘッダは送らな
くてもよい。この場合、伝送の効率はさらによくなる。
【0033】288ライン画像出力モードでは画面内に
固定領域が表示される。この固定領域部分を、受信側で
生成する画像で置き換えて表示してもよい。
【0034】固定領域は48走査線単位に画面の(48
×N+1)ライン目(Nは整数)、すなわちGOBの境
界を跨がないように配置した場合が、伝送効率が最も高
くなる。しかし、16走査線単位に(16×N+1)ラ
イン目(Nは整数)に配置しても、前記の配置法に比べ
やや効率は落ちるものの高い伝送効率が得られる。ま
た、8走査線単位に(8×N+1)ライン目に配置して
も構わない。
【0035】上記のうち「8走査線単位」の場合、図1
4のように画面の有効領域と固定領域の境界がMBにか
かる。このときには以下のような処理が必要となる。
【0036】境界がかかっているMBでは動きベクトル
は零に固定する。あるいは、動きベクトルを探索する
時、有効領域の部分(上半分:16×8画素)のみを用
いて類似する参照MBを探索する。有効領域部分のみを
用いて探索し生成した差分信号は、そのまま符号化した
場合には図15「差分MB」のように固定領域に対応す
る部分(下半分:16×8画素)に余分な画像が入り、
多くの符号が発生してしまう。そのため、この固定領域
に対応する部分を図15「修正MB」のように強制的に
NOCODEDにして情報量の増大を防ぎ、受信側ではこの部
分を固定値に置き換えることによって画質の劣化を防ぐ
処理が必要になる。
【0037】また、境界がかかっているMBの色信号
は、有効領域と固定領域の境界がブロックにもかかって
いる(図15差分色ブロック)。このようなブロックも
そのまま符号化を行うと多くの符号を発生してしまう。
そのため、固定領域の信号値を強制的に零にする(図1
5修正色ブロック左)、あるいは、境界を中心として有
効領域を固定領域に線対称に複写する(図15修正色ブ
ロック右)、あるいは、有効領域から外挿入予測により
固定領域の信号を作り換える等の処理をした後に符号化
処理を行う必要がある。
【0038】
【発明の効果】本発明を適用することにより、伝送する
TV信号の画質が向上するほか回路規模も小さくするこ
とが可能になる、あるいは単位時間により多くのフレー
ムを符号化することが可能になるなど、実施しての効果
は極めて大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の構成図。
【図2】CIFの説明図。
【図3】GOB,MBの説明図。
【図4】実施例中の画像信号切り替えタイミングチャー
ト。
【図5】実施例の出力画像例。
【図6】実施例の符号例。
【図7】色輝度分離・サンプリング回路詳細図(例
1)。
【図8】色輝度分離・サンプリング回路詳細図(例
2)。
【図9】信号並び換え回路の詳細図。
【図10】固定値送出回路の詳細図。
【図11】従来の符号化回路例。
【図12】走査線数変換フィルタ回路詳細図。
【図13】走査線数変換の原理図。
【図14】有効領域と固定領域の境界にMBがかかって
いる例。
【図15】領域境界にMBがかかったときの処理例。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成12年1月21日(2000.1.2
1)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】発明の名称
【補正方法】変更
【補正内容】
【発明の名称】画像符号化方法、画像符号化装置、画像
復号化方法
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ディジタル化されたテレビジョン信号を伝
    送する装置において、あらかじめ定めてある画像を繰り
    返し出力する機能と、該繰返し画像信号と本来伝送する
    画像信号を合成し、より大きい画面サイズの画像信号を
    生成する機能を持つことを特徴とした画像通信装置。
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