JP2000164240A - 燃料電池 - Google Patents

燃料電池

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JP2000164240A
JP2000164240A JP10332601A JP33260198A JP2000164240A JP 2000164240 A JP2000164240 A JP 2000164240A JP 10332601 A JP10332601 A JP 10332601A JP 33260198 A JP33260198 A JP 33260198A JP 2000164240 A JP2000164240 A JP 2000164240A
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JP
Japan
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manifold
coolant
oxidizing gas
gas
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JP10332601A
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English (en)
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Itsushin So
一新 曽
Katsuhiro Kajio
克宏 梶尾
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Aisin Corp
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Aisin Seiki Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 セル間の配流率及び温度のばらつきを少なく
し、水づまりの問題を解決し、電気特性が高く、信頼性
の高い燃料電池を提供する。 【解決手段】 燃料ガス、酸化剤ガス、冷却剤の少なく
とも一つの流体通流溝を有するセパレータで電解質と電
極の接合体を挟持したセルを複数個積層した積層体1を
ヘッドプレッシャプレート2とエンドプレッシャプレー
ト3で挟んで締結した燃料電池において、前記積層体1
を複数のブロック11、12に分け、前記積層体1に前
記ブロックの数以上の流体の導入マニホールド15、1
6、排出マニホールドを設け、前記セパレータ41、4
2の流体通流溝が少なくとも一つの流体導入マニホール
ド、流体排出マニホールドと連結していることを特徴と
する燃料電池。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は燃料電池に関する。
【0002】
【従来の技術】大気の汚染をできる限り減らすために自
動車の排ガス対策が重要になっており、その対策の一つ
として電気自動車が使用されているが、充電設備や走行
距離などの問題で普及に至っていない。
【0003】燃料電池は、水素と酸素を使用して電気分
解の逆反応で発電し、水以外の排出物がなくクリーンな
発電装置として注目されており、前記燃料電池を使用し
た自動車が最も将来性のあるクリーンな自動車であると
見られている。前記燃料電池の中でも固体高分子電解質
型燃料電池が低温で作動するため自動車用として最も有
望である。
【0004】固体高分子電解質型燃料電池は、固体高分
子電解質膜を二つの電極で挟んで接合した接合体をセパ
レータで挟持したセルによって構成される。ガス通路板
一体型セパレータの場合では、セパレータは電池におけ
る集電板、ガス透過遮断板の役割を果たすほか、活物質
としての燃料ガスと酸化剤ガスを配流するガス通路板、
反応生成熱を交換するための冷却剤を配流する冷却剤通
路板の役割をも果たす。
【0005】ガス通路板の役割を果たすために設けられ
た前記セパレータのガス通路は、同時に反応生成水、ガ
ス中の残留水を燃料電池の外に運び出す役割を果たす。
燃料電池の電気特性が、ガスの温度、圧力、濃度に依存
する一方、電極または前記ガス通路における水づまりに
よるガス通路不順にも影響されて低下する。従って、燃
料電池へのガスの配流状態が燃料電池の電気特性を左右
する。
【0006】所定出力規模に必要な数だけセルを直列に
積層して積層体を構成する。該積層体のセル数は、出力
規模によって何百セルにものぼる。セルの積層方向に沿
う燃料ガス、酸化剤ガス、冷却剤の流体の導入及び排出
マニホールドの長さが、セル数に比例して長くなる。積
層体のガス導入マニホールドを通して導入したガスが各
セルのセパレータのガス導入マニホールド孔を通じて各
セルに配流される。
【0007】同時に、電極反応に使用されなかった未利
用ガス、および反応生成水、ガス中の加湿残留水が、各
セルのセパレータのガス排出マニホールド孔を通じて積
層体のガス排出マニホールドを介して燃料電池の外に排
出される。同様に、冷却剤が冷却剤導入マニホールドを
通じてセパレータに設けられた冷却剤通路に配流され、
冷却剤排出マニホールドを介して燃料電池の外に排出さ
れる。
【0008】従来技術として、特開平9−35737号
公報には、燃料ガス導入及び排出マニホールド、酸化剤
ガス導入及び排出マニホールド、そして冷却剤導入及び
排出マニホールドをそれぞれ一組設けた積層体構造が開
示されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来技
術では、何百セルを有する積層体の場合には、該積層体
の積層方向に位置する各セルが、その位置によってマニ
ホールドからのガス配流率のばらつきが生じかねない。
特にガスの利用率を高く設定する場合には、そのガスの
配流率のばらつきによって各セル間において電池特性の
ばらつきを引き起こし、燃料電池の電気性能が低下す
る。
【0010】ここで、配流率というのは、燃料電池のセ
ルの流体平均供給量に対する個別セルの流体供給量の比
である。
【0011】低ガス配流率のセルのほうが、ガスの供給
量が電流に見合うガス量より不足するために生ずる電圧
降下である濃度分極が大となる。また、ガスの不足によ
る個別セルにおけるガス利用率の増大により、水づまり
も起こりやすく、個別セルの性能低下による積層体全体
の運転の安定性に支障を来たす。
【0012】冷却剤のマニホールドについては、各冷却
剤通路板への配流率が不均等な場合は、配流率によって
セル間の冷却剤流量の差による運転温度の差が生じる。
そのため、最適の運転条件を各セルが維持できなくな
り、燃料電池の出力の低下をもたらす。
【0013】また、積層体の燃料ガス導入及び排出マニ
ホールド、酸化剤ガス導入及び排出マニホールドおよび
冷却剤導入及び排出マニホルードがそれぞれ一組とされ
る場合では、それぞれの流量の調整が積層体全体に響
く。従って、あるセルで水づまりなどの作動異常が発生
した場合、そのセルを含む前後何セルに対してガス流
量、冷却剤流量の調整が十分に行き届くことができな
い。燃料電池に対する、きめ細かい運転条件の制御によ
る運転の安定性、信頼性の確保が困難である。
【0014】本発明は上記課題を解決したもので、セル
間の配流率及び温度のばらつきを少なくし、水づまりの
問題を解決し、電気特性が高く、信頼性の高い燃料電池
を提供する。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記技術的課題を解決す
るために、本発明の請求項1において講じた技術的手段
(以下、第1の技術的手段と称する。)は、燃料ガス、
酸化剤ガス、冷却剤の少なくとも一つの流体通流溝を有
するセパレータで電解質と電極の接合体を挟持したセル
を複数個積層した積層体をヘッドプレッシャプレートと
エンドプレッシャプレートで挟んで締結した燃料電池に
おいて、前記積層体を複数のブロックに分け、前記セパ
レータに前記ブロックの数以上の燃料ガス導入マニホー
ルド、酸化剤ガス導入マニホールド、冷却剤導入マニホ
ールド、燃料ガス排出マニホールド、酸化剤ガス排出マ
ニホールド、冷却剤排出マニホールドを設け、前記セパ
レータの燃料ガス通流溝が少なくとも一つの燃料ガス導
入マニホールド、燃料ガス排出マニホールドと連結し、
前記セパレータの酸化剤ガス通流溝が少なくとも一つの
酸化剤ガス導入マニホールド、酸化剤ガス排出マニホー
ルドと連結し、前記セパレータの冷却剤通流溝が少なく
とも一つの冷却剤導入マニホールド、冷却剤排出マニホ
ールドと連結していることを特徴とする燃料電池であ
る。
【0016】上記第1の技術的手段による効果は、以下
のようである。
【0017】即ち、ブロックごとに独立に燃料ガス、酸
化剤ガス、冷却剤を導入することができるので、セル数
の大きな燃料電池でもブロックごとに前記燃料ガス、酸
化剤ガス、冷却剤の導入量を調整でき、且つ配流率のば
らつきを少なくすることができるため、信頼性の高い燃
料電池ができる効果を有する。
【0018】上記技術的課題を解決するために、本発明
の請求項2において講じた技術的手段(以下、第2の技
術的手段と称する。)は、前記積層体の同じブロックに
属する前記セパレータの燃料ガス通流溝、酸化剤ガス通
流溝、冷却剤通流溝が、それぞれ同一の対応する導入マ
ニホールド、排出マニホールドに連結していることを特
徴とする請求項1記載の燃料電池である。
【0019】上記第2の技術的手段による効果は、以下
のようである。
【0020】即ち、前記積層体が簡単な構造で構成でき
るので、低コストの燃料電池ができる効果を有する。
【0021】上記技術的課題を解決するために、本発明
の請求項3において講じた技術的手段(以下、第3の技
術的手段と称する。)は、前記ヘッドプレッシャプレー
トの前記積層体に面する面に、燃料ガス、酸化剤ガス、
冷却剤の流体の前記導入マニホールド、前記排出マニホ
ールドに連結する導入口、排出口を設け、前記ヘッドプ
レッシャプレートの前記積層体と反対の面に、外部の配
管に連結する各流体ごとに一つずつの導入口、排出口を
設け、対応する導入口、排出口を連結する分岐孔構造を
設けたことを特徴とする請求項1記載の燃料電池であ
る。
【0022】上記第3の技術的手段による効果は、以下
のようである。
【0023】即ち、前記ヘッドプレッシャプレートとエ
ンドプレッシャプレートで積層体を挟持するだけで、流
体を導入、排出することができるので、燃料電池を使う
システムを小型にできる。
【0024】上記技術的課題を解決するために、本発明
の請求項4において講じた技術的手段(以下、第4の技
術的手段と称する。)は、燃料ガス、酸化剤ガス、冷却
剤の流体の前記導入マニホールド、前記排出マニホール
ドに連結された流体導入管路、流体排出管路の少なくと
も一つに流体流量調整手段、流体圧力調整手段の少なく
とも一方を設けたことを特徴とする請求項1記載の燃料
電池である。
【0025】上記第4の技術的手段による効果は、以下
のようである。
【0026】即ち、ブロックごとに流体の流量と圧力を
制御することができるので、燃料電池の電気特性を最適
にすることができる。また、ガスの通路中で凝縮した水
を排出できるので、水づまりを解決でき、信頼性の高い
燃料電池ができる。
【0027】上記技術的課題を解決するために、本発明
の請求項5において講じた技術的手段(以下、第5の技
術的手段と称する。)は、前記エンドプレートに、前記
流体導入マニホールド、前記排出マニホールドと連結す
る凹部を設けたことを特徴とする請求項1記載の燃料電
池である。
【0028】上記第5の技術的手段による効果は、以下
のようである。
【0029】即ち、前記流体導入マニホールド、前記排
出マニホールドの前記エンドプレート側の端部における
流体の通流を円滑にすることができる。
【0030】
【発明の実施の形態】燃料電池の信頼性は、各セルの発
電過程における動作安定性に係っている。あるセルが水
づまりなどによる電気特性が低下した場合、そのセルの
前後を含めてガスの流量、冷却剤の流量を調整すること
が、そのセルの電気特性を回復する手段である。
【0031】従って、何百セルの大型積層体を状態監視
可能な最小単位としてのブロックまでに幾つかに分割し
て、その発電状態を制御対象とし、特定な前記ブロック
の発電状態に応じて特定な前記ブロックへのガス流量、
冷却剤流量をきめ細かく調整をできる積層体構造が望ま
しい。
【0032】以下、本発明の実施例について、図面に基
づいて説明する。
【0033】図1は、本発明の第1実施例の自動車用固
体高分子電解質型燃料電池の概略斜視説明図である。
【0034】積層体1は、2つのブロック11と12に
分割されている。前記積層体1は、発電した電気を取り
出す端子6、7で挟持され、それを電気が外部に漏れる
のを防止する絶縁板4で挟持され、更にヘッドプレッシ
ャプレート2とエンドプレッシャプレート3で挟持さ
れ、締結されている。前記ブロック11は前記ヘッドプ
レッシャプレート2側にに設けられ、前記ブロック12
は前記エンドプレッシャプレート3側に設けられてい
る。
【0035】図2は、本発明の第1実施例のヘッドプレ
ッシャプレート2側のブロック11に使用されているセ
パレータ41の正面図である。図3は、本発明の第1実
施例のエンドプレッシャプレート3側のブロック12に
使用されているセパレータ42の正面図である。前方の
ヘッドプレッシャプレート2には、前記積層体1に流体
を導入、排出する酸化剤ガス導入孔17、冷却剤導入孔
43、燃料ガス導入孔44、酸化剤ガス排出孔18、冷
却剤排出孔45、燃料ガス排出孔46が設けられてい
る。前記ブロック11に使用されているセパレータ41
の上端部には、酸化剤ガス導入マニホールド孔19A、
20A、冷却剤導入マニホールド孔23A、24A、燃
料ガス導入マニホールド孔21A、22Aが設けられて
いる。また、前記セパレータ41の下端部には、酸化剤
ガス排出マニホールド孔19B、20B、冷却剤排出マ
ニホールド孔23B、24B、燃料ガス排出マニホール
ド孔21B、22Bが設けられている。
【0036】前記セパレータ41の中央部には、酸化剤
ガスが通流する酸化剤ガス通流溝部47が設けられてい
る。前記酸化剤ガス導入マニホールド孔19A、前記酸
化剤ガス排出マニホールド孔19Bは、それぞれ前記酸
化剤ガス通流溝部47と連結している。前記酸化剤ガス
導入マニホールド孔20A、前記酸化剤ガス排出マニホ
ールド孔20Bは、前記酸化剤ガス通流溝部47と連結
されていない。前記セパレータ41の裏面には、燃料ガ
ス通流溝部又は冷却剤通流溝部が設けられている。
【0037】前記ブロック12に使用されているセパレ
ータ42の上端部には、酸化剤ガス導入マニホールド孔
25A、26A、冷却剤導入マニホールド孔28A、2
9A、燃料ガス導入マニホールド孔27A、50Aが設
けられている。また、前記セパレータ42の下端部に
は、酸化剤ガス排出マニホールド孔25B、26B、冷
却剤排出マニホールド孔28B、29B、燃料ガス排出
マニホールド孔27B、50Bが設けられている。
【0038】前記セパレータ42の中央部には、酸化剤
ガスが通流する酸化剤ガス通流溝部48が設けられてい
る。前記酸化剤ガス導入マニホールド孔25A、前記酸
化剤ガス排出マニホールド孔25Bは、それぞれ前記酸
化剤ガス通流溝部48と連結している。前記酸化剤ガス
導入マニホールド孔26A、前記酸化剤ガス排出マニホ
ールド孔26Bは、前記酸化剤ガス通流溝部48と連結
されていない。前記前記セパレータ42の裏面には、燃
料ガス通流溝部又は冷却剤通流溝部が設けられている。
【0039】前記酸化剤ガス導入マニホールド孔19A
と前記酸化剤ガス導入マニホールド孔26Aは、前記積
層体1の中で酸化剤ガス導入マニホールド15を形成し
ている。前記酸化剤ガス導入マニホールド15のブロッ
ク11の部分では、酸化剤ガスがセパレータ41の酸化
剤ガス通流溝部47に配流される。一方、ブロック12
のセパレータ42には、前記酸化剤ガス導入マニホール
ド15からは酸化剤ガスは配流されない。
【0040】前記酸化剤ガス導入マニホールド孔20A
と前記酸化剤ガス導入マニホールド孔25Aは、前記積
層体1の中で酸化剤ガス導入マニホールド16を形成し
ている。前記酸化剤ガス導入マニホールド16のブロッ
ク12の部分では、酸化剤ガスがセパレータ42の酸化
剤ガス通流溝部48に配流される。一方、ブロック11
のセパレータ41には、前記酸化剤ガス導入マニホール
ド16からは酸化剤ガスは配流されない。
【0041】ヘッドプレッシャプレート2の酸化剤ガス
導入孔17は、前記積層体1と反対の面に設けられた酸
化剤ガス導入口17Cと前記積層体1に面する面に設け
られた酸化剤ガス導入口17A、17Bを分岐して連結
する孔である。前記酸化剤ガス導入口17Cは、外部の
配管と連結している。前記酸化剤ガス導入口17A、1
7Bは、前記酸化剤ガス導入マニホールド15、16と
連結している。
【0042】図4は、本発明の第1実施例のヘッドプレ
ッシャプレート2の概略斜視説明図である。前記酸化剤
ガス導入口17A、17Bに流量調整手段であるバタフ
ライバルブ30、31が設けられている。
【0043】前記ヘッドプレッシャプレート2の酸化剤
ガス排出孔18も、前記酸化剤ガス導入孔17と同様
に、分岐構造になっている。該酸化剤ガス排出孔18の
二つの酸化剤ガス排出マニホールドに連結している酸化
剤ガス排出口は、それぞれに圧力調整手段である調圧弁
が設けられている。
【0044】前記ヘッドプレッシャプレート2の冷却剤
導入孔43、燃料ガス導入孔44も前記酸化剤ガス導入
孔17と同様な構造になっている。それぞれに二つのバ
タフライバルブが設けられている。
【0045】前記ヘッドプレッシャプレート2の燃料ガ
ス排出孔46は、前記酸化剤ガス排出孔18と同様な構
造になっていて、二つの調圧弁が設けられている。前記
ヘッドプレッシャプレート2の冷却剤排出孔45も前記
酸化剤ガス排出孔18と同様な構造になっているが、調
圧弁は設けられていない。
【0046】酸化剤ガス導入口17Cから導入された酸
化剤ガスは、酸化剤ガス導入孔17の中で分岐され、酸
化剤ガス導入口17A、17Bに導入される。前記酸化
剤ガス導入口17A、17Bでバタフライバルブ30、
31の開度により流量調整された酸化剤ガスは、それぞ
れ酸化剤ガスマニホールド15、16に導入される。
【0047】前記酸化剤ガスマニホールド15に導入さ
れた酸化剤ガスは、ブロック11のセパレータ41に設
けられた酸化剤ガス通流溝部に配流され、酸化剤極の電
極反応に消費される。残部の未利用酸化剤ガスは、前記
セパレータ41の酸化剤ガス通流溝部と連結している酸
化剤ガス排出マニホールドを介して酸化剤ガス排出孔1
8から外部の配管に排出される。
【0048】前記酸化剤ガスマニホールド16に導入さ
れた酸化剤ガスは、ブロック12のセパレータ42に設
けられた酸化剤ガス通流溝部に配流され、酸化剤極の電
極反応に消費される。残部の未利用酸化剤ガスは、前記
セパレータ41の酸化剤ガス通流溝部に連結している酸
化剤ガス排出マニホールドを介して酸化剤ガス排出孔1
8から外部の配管に排出される。
【0049】酸化剤ガスが一つの酸化剤導入マニホール
ドからすべてのセルに配流されると、酸化剤ガス導入孔
に近いセルほど酸化剤ガスの配流率が高く、酸化剤ガス
導入孔から遠いセルは酸化剤ガスの配流率が低くなる。
このため、燃料電池のセル間の配流率がばらつき、該燃
料電池の電気性能が低くなる。
【0050】本第1実施例では、酸化剤ガスを二つの酸
化剤導入マニホールド15、16で導入しているので、
酸化剤ガス導入孔17に近い前半のブロック11と酸化
剤ガス導入孔17から遠い後半のブロック12で酸化剤
ガスの配流率がほぼ同じになる。従って、燃料電池全体
の酸化剤ガスの配流率のばらつきが少なくなり、燃料電
池の電気性能が高くなる。
【0051】更に、酸化剤ガス導入口17A、17Bに
設けられたバタフライバルブ30、31によって、前記
酸化剤導入マニホールド15と16に導入される酸化剤
ガスの比率を調整することができるので、配流率のばら
つきを更に少なくすることができ、燃料電池の電気性能
を更に高くすることができる。
【0052】酸化剤ガス中の水蒸気が凝縮して部分的な
水づまりが生じた場合、該当するブロックの酸化剤ガス
排出口に設けられた調圧弁を操作して、一時的に圧力を
上昇させて水を排出することができるので、水づまりに
よる燃料電池の電気特性の低下を防止することができ
る。
【0053】燃料ガスも同様な作用により、燃料ガスの
配流率のばらつきを少なくすることができるので、燃料
電池の電気性能を高くできる。また、凝縮水を排出する
ことができるので、水づまりによる燃料電池の電気特性
の低下を防止することができる。
【0054】冷却剤の場合にも、一つの冷却剤導入マニ
ホールドからすべてのセルに配流されると、冷却剤導入
孔に近いセルほど冷却剤の配流率が高く、冷却剤導入孔
から遠いセルは冷却剤の配流率が低くなる。冷却剤の場
合には、燃料電池が高温になっているので、冷却剤導入
マニホールドの中を温度が上昇しながら通流する。前記
の配流率の違いと温度上昇の違いの影響により、冷却剤
導入孔43に近いセルに導入される冷却剤は温度が低
く、冷却剤導入孔43から遠いセルに導入される冷却剤
は温度が高くなっている。このため、燃料電池のセル間
の温度のばらつきが大きく、燃料電池の電気特性が低く
なる本第1実施例では、冷却剤を二つの冷却剤導入マニ
ホールドで導入しているので、冷却剤導入孔43に設け
られたバタフライバルブを調整することにより、ブロッ
ク11と12で別々に冷却効率を調整することができ
る。これにより、燃料電池の各セル間の温度のばらつき
を低くすることができるので、燃料電池の電気性能を高
くすることができる。
【0055】なお、本第1実施例では、ヘッドプレッシ
ャプレート2の内部で流体を分岐し、該ヘッドプレッシ
ャプレート2の内部に流量調整手段、圧力調整手段を設
けているが、外部の配管で分岐し、燃料電池の外部に流
量調整手段、圧力調整手段を設けてもよい。
【0056】図5は、本発明の第2実施例の自動車用固
体高分子電解質型燃料電池のセパレータ上端部から見た
酸化剤ガス導入マニホールド部分の概略部分断面図であ
る。
【0057】本第2実施例では、積層体は、三つのブロ
ック51、52、53に分かれ、ヘッドプレッシャプレ
ート60とエンドプレッシャプレート61で挟持されて
締結されている。
【0058】また、三つの酸化剤ガス導入マニホールド
55、56、57が設けられ、それぞれ前記ブロック5
1、52、53のセパレータの酸化剤ガス通流溝部と連
結されている。
【0059】ヘッドプレッシャプレート60には、酸化
剤ガス導入孔54が設けられている。前記酸化剤ガス導
入孔54は、酸化剤ガス導入口54Aで外部の配管と連
結している。前記酸化剤ガス導入孔54は、酸化剤ガス
導入口54B、54C、54Dで、それぞれ前記酸化剤
ガス導入マニホールド55、56、57と連結してい
る。
【0060】エンドプレッシャプレート61には、前記
酸化剤ガス導入マニホールド57に連結する凹部58が
設けられている。該凹部58がないと、前記酸化剤ガス
導入マニホールド57を通流する酸化剤ガスは前記エン
ドプレッシャプレート61に衝突し流れが乱される。
【0061】前記酸化剤ガス導入マニホールド57は、
前記エンドプレッシャプレート61の直前に酸化剤ガス
を配流するセルが設けられているので、酸化剤ガスの流
れの乱れは、配流率のばらつきに影響し、燃料電池の電
気性能の低下につながる。前記凹部58は、前記酸化剤
ガス導入マニホールド57を通流する酸化剤ガスの前記
エンドプレッシャプレート61付近における流れを円滑
にすることができる。
【0062】図示されていないが、前記ブロック51、
52、53にそれぞれ連結された三つの酸化剤ガス排出
マニホールドが設けられている。
【0063】冷却剤マニホールド、燃料ガスマニホール
ドも、前記酸化剤ガスマニホールドと同様な構造であ
る。
【0064】本第2実施例では、三つのブロックに分か
れているため、第1実施例より更に各セル間のガスの配
流率及び温度のばらつきが少なく、燃料電池の電気性能
を高くすることができる。
【0065】
【発明の効果】以上のように、本発明は、燃料ガス、酸
化剤ガス、冷却剤の少なくとも一つの流体通流溝を有す
るセパレータで電解質と電極の接合体を挟持したセルを
複数個積層した積層体をヘッドプレッシャプレートとエ
ンドプレッシャプレートで挟んで締結した燃料電池にお
いて、前記積層体を複数のブロックに分け、前記セパレ
ータに前記ブロックの数以上の燃料ガス導入マニホール
ド、酸化剤ガス導入マニホールド、冷却剤導入マニホー
ルド、燃料ガス排出マニホールド、酸化剤ガス排出マニ
ホールド、冷却剤排出マニホールドを設け、前記セパレ
ータの燃料ガス通流溝が少なくとも一つの燃料ガス導入
マニホールド、燃料ガス排出マニホールドと連結し、前
記セパレータの酸化剤ガス通流溝が少なくとも一つの酸
化剤ガス導入マニホールド、酸化剤ガス排出マニホール
ドと連結し、前記セパレータの冷却剤通流溝が少なくと
も一つの冷却剤導入マニホールド、冷却剤排出マニホー
ルドと連結していることを特徴とする燃料電池であるの
で、セル間の配流率及び温度のばらつきを少なくし、水
づまりの問題を解決し、電気特性が高く、信頼性の高い
燃料電池ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例の自動車用固体高分子電解
質型燃料電池の概略斜視説明図
【図2】本発明の第1実施例のヘッドプレッシャプレー
ト側のブロックに使用されているセパレータの正面図
【図3】本発明の第1実施例のエンドプレッシャプレー
ト側のブロックに使用されているセパレータの正面図
【図4】本発明の第1実施例のプレッシャプレートの概
略斜視説明図
【図5】本発明の第2実施例の自動車用固体高分子電解
質型燃料電池のセパレータ上端部から見た酸化剤ガス導
入マニホールド部分の概略断面図
【符号の説明】
1…積層体 2、60…ヘッドプレッシャプレート2 3、61…エンドプレッシャプレート 11、12、51〜53…ブロック 15、16、55〜58…酸化剤ガス導入マニホールド 17、54…酸化剤ガス導入孔 17A〜17C、54A〜54D…酸化剤ガス導入口 18…酸化剤ガス排出孔 19A、20A、25A、26A…酸化剤ガス導入マニ
ホールド孔 19B、20B、25B、26B…酸化剤ガス排出マニ
ホールド孔 21A、22A、27A、50A…燃料ガス導入マニホ
ールド孔 21B、22B、27B、50B…燃料ガス排出マニホ
ールド孔 23A、24A、28A、29A…冷却剤導入マニホー
ルド孔 23B、24B、28B、29B…冷却剤排出マニホー
ルド孔 30、31…バタフライバルブ(流量調整手段) 41、42…セパレータ 43…冷却剤導入孔 44…燃料ガス導入孔 45…冷却剤排出孔 46…燃料ガス排出孔 47、48…酸化剤ガス通流溝部 58…凹部

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燃料ガス、酸化剤ガス、冷却剤の少なく
    とも一つの流体通流溝を有するセパレータで電解質と電
    極の接合体を挟持したセルを複数個積層した積層体をヘ
    ッドプレッシャプレートとエンドプレッシャプレートで
    挟んで締結した燃料電池において、前記積層体を複数の
    ブロックに分け、前記セパレータに前記ブロックの数以
    上の燃料ガス導入マニホールド、酸化剤ガス導入マニホ
    ールド、冷却剤導入マニホールド、燃料ガス排出マニホ
    ールド、酸化剤ガス排出マニホールド、冷却剤排出マニ
    ホールドを設け、前記セパレータの燃料ガス通流溝が少
    なくとも一つの燃料ガス導入マニホールド、燃料ガス排
    出マニホールドと連結し、前記セパレータの酸化剤ガス
    通流溝が少なくとも一つの酸化剤ガス導入マニホール
    ド、酸化剤ガス排出マニホールドと連結し、前記セパレ
    ータの冷却剤通流溝が少なくとも一つの冷却剤導入マニ
    ホールド、冷却剤排出マニホールドと連結していること
    を特徴とする燃料電池。
  2. 【請求項2】 前記積層体の同じブロックに属する前記
    セパレータの燃料ガス通流溝、酸化剤ガス通流溝、冷却
    剤通流溝が、それぞれ同一の対応する導入マニホール
    ド、排出マニホールドに連結していることを特徴とする
    請求項1記載の燃料電池。
  3. 【請求項3】 前記ヘッドプレッシャプレートの前記積
    層体に面する面に、燃料ガス、酸化剤ガス、冷却剤の流
    体の前記導入マニホールド、前記排出マニホールドに連
    結する導入口、排出口を設け、前記ヘッドプレッシャプ
    レートの前記積層体と反対の面に、外部の配管に連結す
    る各流体ごとに一つずつの導入口、排出口を設け、対応
    する導入口、排出口を連結する分岐孔構造を設けたこと
    を特徴とする請求項1記載の燃料電池。
  4. 【請求項4】 燃料ガス、酸化剤ガス、冷却剤の流体の
    前記導入マニホールド、前記排出マニホールドに連結さ
    れた流体導入管路、流体排出管路の少なくとも一つに流
    体流量調整手段、流体圧力調整手段の少なくとも一方を
    設けたことを特徴とする請求項1記載の燃料電池。
  5. 【請求項5】 前記エンドプレートに、前記流体導入マ
    ニホールド、前記排出マニホールドと連結する凹部を設
    けたことを特徴とする請求項1記載の燃料電池。
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